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JPS60165362A - 高耐食性高耐力二相ステンレス鋼 - Google Patents

高耐食性高耐力二相ステンレス鋼

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Publication number
JPS60165362A
JPS60165362A JP2138884A JP2138884A JPS60165362A JP S60165362 A JPS60165362 A JP S60165362A JP 2138884 A JP2138884 A JP 2138884A JP 2138884 A JP2138884 A JP 2138884A JP S60165362 A JPS60165362 A JP S60165362A
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JP
Japan
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resistance
stainless steel
ferrite
corrosion
amount
Prior art date
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Application number
JP2138884A
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English (en)
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JPH0232342B2 (ja
Inventor
Akira Yoshitake
吉竹 晃
Akio Kuhara
久原 昭夫
Toshiaki Ishii
利明 石井
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP2138884A priority Critical patent/JPS60165362A/ja
Priority to CA000473261A priority patent/CA1242095A/en
Priority to DE8585101255T priority patent/DE3561162D1/de
Priority to EP85101255A priority patent/EP0151487B1/en
Publication of JPS60165362A publication Critical patent/JPS60165362A/ja
Publication of JPH0232342B2 publication Critical patent/JPH0232342B2/ja
Priority to US07/622,401 priority patent/US5238508A/en
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は二相ステンレス鋼に関し、特に塩化物、炭酸ガ
ス等を含む腐食環境での応力腐食割れ、孔食などの腐食
に対する抵抗性を高め、かつ強度、延性などの機械的性
質を改善したものである。
耐食材料として、5US304鋼などのオーステナイト
系ステンレス鋼、あるいは5US829J1.5C51
3AS 5C314A15FSA(Steel Fou
nders’ 5oci’ety of Amer’i
ca)CD−4MCuなどのフェライトとオーステナイ
トの2相組織を有するステンレス鋼等が使用されている
SUS 804鋼等のオーステナイト系ステンレス鋼は
主合金成分であるCrとNi によりすぐれた耐食性を
示すが、塩素イオンCC1)を含む環境では応力腐食割
れの生じ易いことが大きな欠点であり、孔食やすきま腐
食などの局部的腐食に対する抵抗性も非常に弱い。
一方、フェライト相とオーステナイト相の2相組織を有
するものは、一般耐食性にすぐれるほか、2相の特性が
相まって適度の強度と靭性を兼備し、かつ比較的良好な
溶接性を有することから、近年各種化学工業プラント、
海水機器材料等として広く使用されている。しかしなが
ら、これらの材料も、苛酷な腐食環境下、就中塩素イオ
ンの増加、炭酸ガスや硫化水素ガスの存在下゛では、耐
孔食性、耐すきま腐食性などが不足し、しばしば腐食損
傷を引起すことが知られており、また応力腐食割れや硫
化物腐食割れに対する抵抗性も十分でなく、早期に破壊
に到る例も少くない。例えば、石油・天然ガス油井にお
いては、エネルギー確保のため、より劣悪な環境での採
掘を余儀なくされており、ことに井戸の深度が深くなる
につれ、塩素イオン、炭酸ガス、硫化水素ガス等の腐食
因子の増大や、温度、圧力の上昇を伴い、また油井を回
復するために炭酸ガス、海水等を井戸に圧入することも
行なわれる等、使用環境の苛酷化が著しい。従来の材料
では、このような使用環境に耐え得ず、構造材料として
の安定性や十分な耐用命数は保証し難い。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、高温・高圧
(例えば、300°C,6000psi)における腐食
環境、とくに塩化物、炭酸ガス、あるいは硫化水素ガス
を含む環境下で、耐孔食性、耐応力腐食割れ性、耐硫化
水素割れ性等にすぐれ、かつ高強度、高延性を有するフ
壬うイトーオーステナイト二相ステンレス鋼を提供する
本発明の二相ステンレス鋼は、co、os%以下、Si
 02〜2.0%、Mn 0.2〜2.0%、Cr24
.0〜80.0%、Ni 4.0〜9.0%、Mo 1
.0〜5.0%、Cu O,5〜8.0%、Co 0.
2〜4.0%、N0105〜0.3%、残部実質的にF
eからなり(成分含有量は重量%)、かつ金属組織にお
けるδ−フェライト相は面積率で30〜70%を占める
本発明鋼の成分限定理由は次のとおりである。
c:o、os%以下 Cはオーステナイト生成元素であり、かつ強度の向上に
著効を有するが、含有量が多すぎると、クロム炭化物が
析出し易くなり、炭化物近傍におけるCr濃度が減少す
る結果、孔食、すきま腐食、粒界腐食等の局部腐食に対
する抵抗性が低下し、かつ耐応力腐食割れ性の劣化をみ
る。このため、0.08%を上限とする。
Si:0.2〜2.0% Siは溶鋼の脱酸および鋳造性確保のため、少くとも0
.2%を必要とする。しかし、多量の含有は靭性を悪<
シ、かつ溶接性をも損うので、2.0%を上限とする。
Mn : 0.2〜2.0% Mnは通常の脱酸・脱硫過程で、0.2%程度含有され
るもので、また鋼素地のオーステナイト相の安定化に有
効な元素である。このための含有量は2%までで十分で
あり、それをこえる必要はない。よって、0.2〜2.
0%とする。
Cr : 24.0〜80.0% Crは耐食性、特に耐粒界腐食性の改善に著効を有する
とともに、耐応力腐食割れ性の向上に寄与する。また、
Crはフェライト生成元素であり、2相組織におけるフ
ェライト相の形成により強度を高める。本発明鋼では後
記Ni量との相関々係で、24.0%以上のCrを含有
しないと、所要のフェライト量(面積率で30%以上)
を確保しがたい。よって、耐食性とフェライト量の点か
ら、Cr量の下限を24.0%とする。
一方、Cr量があまり多くなると、鋼の靭性の著しい低
下を生じ、かつ鋳造時に硬脆なσ相が生成する。更に、
Ni量との相関々係からフェライト量が70%を越え、
2相組織におけるオーステナイト相とのバランスを失し
、耐食性、就中孔食、すきま腐食に対する抵抗性を損う
。このため、Cr量の上限は30.0%とする。
Ni:4.0〜9.0% Niはオーステナイト相を安定化する元素であり、鋼の
靭性の向上をもたらす。また、耐食性の点からも必要な
元素である。占有量が4.0%に満たないと、これらの
効果が不足する。前記Cr 量との関係から、フェライ
ト量を70%以下にするためにも4.0%以上の含有を
必要とする。
しかし、Ni を多量に加えても、含有量の割に耐食性
、機械的性質の向上効果は少(経済的に不利であるばか
りか、二相組織におけるオーステナイト相が過剰になっ
て二相の量的バランスを失う。
従って、Ni量は9.0%を上限とする。なお、後記C
oもNi と同じくオーステナイト生成元素であるので
、coのオーステナイト生成の寄与を考慮してフェライ
ト量の下@(80%)を確保するためにも、Ni量は9
.0%をこえないことを要する。
Mo : 1.0〜5.0% Moはステンレス鋼の耐食性の改善に大きな効果を有す
る。ことに、孔食、すきま腐食抵抗性の改善に著効を奏
する。1.0%以上において、非酸化性酸に対する耐食
性、また塩化物を含む溶液中での孔食、粒界腐食および
応力腐食割れに対する抵抗性の顕著な向上をみる。しか
し、多量に加えると、耐食性の改善効果は飽和し、かつ
σ相の析出による鋳造時の脆化が著しくなるので、5.
0%を上限とする。
Cu:0.5〜3.0% Cuは低濃度の塩素イオンを含む環境中での耐食性、こ
とに耐応力腐食割れ性を高めるとともに、オーステナイ
ト相を固溶強化する。これらの効果を十分なものとする
ために、少くとも0.5%の含有を必要とするが、あま
り多くなると、金属間化合物の生成に伴い靭性の低下を
惹起するので、3.0%を上限とする。
Co : 0.2〜4.0% Coは本発明鋼を最も強く特徴づける元素である。Co
はNi と同じく置換型オーステナイト生成元素である
が、Ni の場合は、その添加により0.2%耐力の低
下傾向がみられるのに対し、C。
の添加は、それとは逆に0.2%耐力の向上をもたらす
ことが判明した。前記のように厳しい腐食環境下で、こ
れに耐える腐食抵抗とともに、高い機械的強度を備えた
2相ステンレス鋼が強く要望されているが、COを従来
のFe−Cr−Niベースのステンレス鋼に添加するこ
とによりこの要望を満たす十分な機械的性質を保証する
ことができる。
また、2相ステンレス鋼へのCoの添加によ頃塩素イオ
ンを含む環境、例えば海水中での耐食性が著しく高めら
れることが明らかになった。更に、Coは、基地に固溶
したまま、析出物の凝集を抑制する作用が認められ、従
って、従来の2相ステンレス鋼の大きな問題点であった
σ相脆性、475°C脆性、とくに溶接部熱影響部での
これら析出物による脆性の緩和に大きく寄与する。なお
、C。
はNiと同じくオーステナイト生成元素であるから、本
発明に規定するフェライト量(30〜70%)を確保す
るためには、coの添加によるオーステナイト相の増量
を考慮してNi量を低減することができる。
上記諸効果を発揮させるためのCO含有量は少くとも0
.2%を必要とする。含有量の増加に従ってその効果は
増大するが、4.0%までの添加により機械的性質、耐
食性、ミクロ組織等の十分な改善効果が得られるので、
それをこえて添加する必要はない。Coは高価な元素で
あり、それ以上の添加はコスト的に不利である。よって
、0.2〜4.0%とする。
NO,05〜0.3% Nは通常有害な不純物元素として扱われるが、本発明で
は強度向上および耐食性改善を目的として上記範囲内で
添加される。
NはCと同じく強力なオーステナイト生成元素であり、
かつ侵入型固溶元素であるため、鋼基地の結晶格子に強
い格子歪みをもたらし、強度向上に顕著に寄与する。
また、Nは2相組織において、CrXN4.M。
等の主要元素のフェライト相並びにオーステナイト相へ
の分配率に影響を与え、ことに耐食性に寄与する元素C
rXMo などをオーステナイト相へ高濃度で分配する
ことにより2相ステンレス鋼の耐食性を高める。すなわ
ち、通常2相ステンレス鋼において、Cr、MO,、S
iなどのフェライト生成元素はフェライト相に、またC
、Mn、Ni などのオーステナイト生成元素はオース
テナイト相にそれぞれ高濃度で分配されるが、上記のよ
うにNの存在によって耐食性に寄与するCr、Mo等の
フェライト生成元素がオーステナイト相へ高濃度に分配
されシことにより、2相ステンレス鋼の耐食性、就中す
きま腐食や孔食などの局部腐食に対する抵抗性が高めら
れるわけである。
特に、本発明鋼のように、CrおよびMo濃度が高く、
そのフェライト相/オーステナイト相への分配率の差が
顕著な、言いかえると偏析の度合いの大きい合金系にお
いては、Nの添加はこれらの耐食性元素をより高濃度で
オーステナイト相に分配しようとする作用を有し、従っ
てそれによる耐食性、とくに局部腐食抵抗性の向上も顕
著にあられれる。
上記の効果を十分に発揮させるためにN量は少くとも0
.05%を必要とする。N量の増加に伴って効果も増す
が、0.3%をこえると窒化物として析出し、却って耐
食性を悪くする。Nは固溶状態にあってこそ前記の強度
向上および耐食性の改善に著効を奏するのである。従っ
て、N量は0.05〜0゜3%とする。
本発明鋼は、上記各成分元素を含有し、残部は不可避的
に混入する不純物元素を除き実質的にFeからなる。
次に、本発明鋼の組織について説明すると、本発明鋼は
、δ−フェライト量が面積率で30〜70%を占めるフ
ェライト−オーステナイト2相組織を有することを特徴
とする。第4図にその組織を示す。この2相の量的バラ
ンスによって、強度と靭性との調和のとれた機械的性質
が確保されるのであり、フェライト量が30%に満たな
いと、強度が不足し、一方70%をこえると、延性、靭
性の低下が著しくなる。
また、2相組織におけるフェライト量は耐食性とも密接
に関連する。すなわち、腐食環境、特に塩素イオンを含
む環境下での応力腐食割れに対する抵抗性は、フェライ
ト量30%以上において顕著な向上をみる。逆に硫化水
素(H2S)を含む環境下では、フェライト量が70%
を越えると、フェライト相の硫化物応力腐食割れに対す
る感受性が増大するとともに、フェライト相の選択的な
孔食、すきま腐食等を引起し易くなる。従って、耐食性
の面からもフェライト量は30〜70%に規定される。
この2相組織における量的バランスは各合金成分につい
ての前記規定の範囲内で成分組成を調整することにより
達成される。
なお、本発明鋼は鋳造後、常法に従い溶体化処理が施こ
される。その熱処理は、例えば温度1000〜1200
°Cに加熱保持したのち、急冷(例えば水冷)すること
により達成される。
実施例 第1表に示す成分組成およびフェライト量を有する供試
鋼について機械的性質測定、溶接試験および各種耐食試
験を行った。
調香2〜4.6.7.14および15は本発明例、調香
1.5および8〜13は比較例である。
比較例のうち、調香10.11は各々JIS G345
9 5US329J1および5US316、調香12は
JIS G51.21 5C5I4A。
また調香13は5FSA CD−4MCuである。
調香l〜9および12〜15は金型遠心鋳造管(外径L
85mm、長さ600闘)を供試材とし、調香10.1
1は市販品を使用した。なお、各供試材はすべて110
0°Cで肉厚25厘当り1時間保持したのち水冷する熱
処理を施した。
[A] 機械的性質 (1)第2表に常温引張性質、硬度およびシャルピー衝
撃試験による吸収エネルギーを示す。
本発明例の調香2〜4.6.7.14.15の機械的性
質ことに0.2%耐力は、比較例の調香1(N以外の成
分組成およびフェライト量は本発明規定の範囲内にある
)のそれに比しすぐれている。
その上昇の度合いは、フェライト量をほぼ5o%の一定
とした場合、約3.5 k’j/ma/ 0.1%Nに
相当する比例的関係にあることが認められる。この機械
的性質の向上は二相ステンレス鋼におけるN添加の顕著
な効果を示すものである。
調香8.9はフェライト量が本発明の規定範囲(30〜
70%)から逸脱する例であり、フェライト量の不足す
る調香8(フェライト量28%)は02%耐力が54.
”akg/−と低く、一方フエライト量が過剰(74%
)の調香9では衝撃吸収エネルギーが11.8kg・m
と本発明例のそれに劣っている。このことがら二相ステ
ンレス鋼におけるフェライト量も機械的性質に影響する
大きな因子であり、強度面からは30%以上であること
を要し、靭性確保の点から70%が上限とされる。
また後記のようにフェライト量が多すぎると、時効後の
靭性の低下が著しくなるので、この点からも本発明鋼に
おけるフェライト量の上限は70%に定められる。
本発明例の調香3.14.15を比較することにより、
N量を0.18%前後で一定とし、フエライト量を50
%前後で一定とした場合、Coの添加により顕著な0.
2%耐力の上昇が認められ、その上昇の度合は約2kq
/rd/1%Coに相等する比例的な関係があることが
見い出された。また、引張強さも上昇する。しかも、こ
れら強度の向上に比べて、延性・靭性の低下は少ない。
延性・靭性の低下をおさえて、強度を高め得る点が2相
ステンレス鋼に於けるCo添加の非常に優れた効果の1
つである。
また、本発明例は、従来材の5US816(調香11)
、5C514A(調香12)、CD−4MCu(調香1
8)との比較から明らかなように、機械的性質特に0.
2%耐力並びに引張強さに於いてはるかにすぐれた強度
を示している。これは主として本発明鋼のフェライト量
のコントロール、合金元素としてのCo、Nの添加効果
による相乗効果に起因する。
(2)熱時効後の靭性 第8表および第1図に、475°Cでの熱時効を受けた
場合のシャルピー衝撃試験(2NMvノツチ、0°C)
による吸収エネルギー(kti・m)を示す。
まず本発明例の調香3は、従来の二相鋼である5US8
29J1(鋼種10)に比し、475°C1000時間
時効後の靭性の低下が極めて少ない。
すなわち本発明鋼では、従来の二相ステンレス鋼の最大
の弱点である475°C脆性が著しく改善されている。
また、本発明例の調香3とN量が0.02%と非常に低
い比較例の調香1とを対比すると調香8の熱時効に対す
る靭性はすぐれた結果を示している。
従がって二相ステンレス鋼に於ける熱時効に対する靭性
の劣化に対してNは顕著な改善効果を有している。さら
に調香1は上記の如(熱時効を受けた場合に靭性の劣化
を示すが、その劣化の程度は従来材である調香10に比
較すると格段にすぐれており、本発明に於ける主要な効
果の1つであるCoの影響を如実に示している。従がっ
て本発明鋼である調香15はこのCoとNの添加の相乗
効果を受けて時効後の衝撃吸収エネルギーの劣化の傾向
が非常に少なく、1000hr時効後も、表3に認めら
れるように11.9#・722と非常に高い吸収エネル
ギーを保持している。このようにNSC。
の添加は従来の2相ステンレス鋼の弱点である475°
C脆性を改良する極めて有効な元素であることが見い出
された。 − なおフェライト量が過剰の調香9(73%)は靭性の低
下が著しい。フェライト相の存在は耐応力腐食割れ性の
点から有利であるが、靭性面からみると、構造材料等と
しての安全性確保を考慮した上限値が定められるべきで
あり、本発明鋼ではフェライト量は70%が上限とされ
る。
[B] 溶接性 本発明例の調香2.3.4.6.7.14.15につい
て、開先角度20、ルート厚さ1.6鯖の開先形状を準
備し、初層および第2層目をTIG溶接、第3層目から
最終層までを被覆アーク溶接により突合せ溶接を行い、
溶接後非破壊検査および溶接部切断面の液体浸透検査の
結果、割れ等の欠陥は皆無で、溶接性が良好であり、配
管材料として問題は全くないことが確認された。
(q 耐食性 (1)試験1(孔食試験) ASTM G48 A法に規定されている塩化第2鉄(
Fe(J?3)溶液による孔食試験(−TotaiII
mlersion Ferric Chloride 
Te5t ) を行ない、第4表に示す結果を得た。本
発明例(調香2.8.4.6.7.14.15)は従来
材である5US829J1(調香10)、5US816
(調香11)、SC514A(調香12)及びCD−4
MCu(調香13)に比し格段にすぐれた耐孔食性を示
し、腐食減量は全く認められない。
Nの量が非常に低い調香1との比較から明らがなように
、Nの耐孔食性改善に対する寄与は顕著であり、本発明
に於けるN添加の意義を如実に示すものである。
また、Nの量の少ない調香1、調香2と、従来材である
5US829J1(調香io)、5US316(調香1
1)、SC5I 4A(調香12)及びCD−4MCu
(調香18)との比較がら明らかなように、Co添加の
耐孔食性改善に対する寄与は顕著であることが見い出さ
れた。
なお、発明例4と比較例5の結果からN量は最高0.3
%で十分であり、これ以上加えても耐孔食性は向上しな
いことが認められる。
(2)試験2(隙間腐食試験) “ ASTM G48 B法に規定されている塩化第2鉄溶
液による隙間腐食試験(Ferric Chlo −r
ide Crevice Te5t )を行ない、第4
表に示す結果を得た。本発明鋼(明番2.3.4.6.
7.14.15)は、従来材である5US829J1(
明番io)、5US316(明番11)及び5C514
A(明番12)、CD−4MCu(明番13)に比し、
格段にすぐれた耐隙間腐食性を示している。これは主と
して合金成分としてのCo、Nに起因することは明らか
である。
また、明番lとの比較から明らかなように耐隙間腐食特
性の改善に対するNの添加効果は顕著であり、これによ
り腐食減量は約115〜1/6に低減している。
更に明番8.9の結果を見るとフェライト量も耐隙間腐
食特性に影響を与える因子であり、この点からも本発明
鋼のフェライト量の適当な範囲は80〜70%に規定さ
れるべきことがわかる。
N量の少ない明番1、明番2と、従来材である5US8
29J1(明番10)、5US816(明番11)、5
C6I4A(明番12)及びCD−4MCu(明番18
)と比較するとCo添加の耐孔食性改善に対する寄与は
顕著であることが明確に認められる。
なお発明例4と比較例5の結果から、N量は最大0,3
%で十分であり、これ以上加えても耐隙間腐食性は向上
しないことが認められる。
(3)耐応力腐食割れ性 沸騰42%塩化マグネシウム(MgCn 2 )溶液中
での定負荷法による応力腐食割れ試験結果を第2図に示
す。
本発明例(明番3)は従来材であるSUS 829Jl
(明番10)、5US816 (明番11)、CD−4
MCu(明番18)に比し格段にすぐれた耐応力腐食割
れ特性を有することがわかる。例えば、80に9/−の
負荷応力に対してSUS 829J1の破断時間は約2
時間であるのに対し、本発明例である明番3のそれは約
80時間と大幅な向上を示している。
本発明鋼におけるNの添加効果は明番1と明番3とを比
較することにより明瞭となる。フェライト量がほぼ同一
のレベル(明番1. 3のいづれも約50%)の場合に
Nを添加することにより耐応力腐食割れ性が向上するこ
とがわかる。従って、本発明鋼はCβ−の存在する環境
下で耐応力腐食割れ性を要求される用途に好適である。
フェライト量の影響をみると、フェライト量が28%と
低い明番8の耐応力腐食割れ性は、5US829J1(
明番10)のそれと同程度にすぎない。耐応力腐食割れ
性を確保するためのフェライト量は少くとも30%であ
ることが必要である。
一方、フェライト量が74%と高い明番9は本発明例の
明番3に勝る耐応力腐食割れ性を示すが、その反面前記
のように靭性および時効後の延性に劣るので、フェライ
ト量の上限は70%に規定される。
次に明番1の結果を見゛るとCoの添加が耐応力腐食割
れに顕著な効果を及ぼすことが認められる。
すなわち明番1はN量が0.02%と非常に低いが明番
10(SUS329J1)、明番18(CD−4MCu
)に比較するとより応力腐食割れに対してすぐれた抵抗
性を示す。これは構成元素がら見ると明らかにCoの効
果であり、本発明に於けるCoの添加の意義を如実に示
すものである。
従って明番3と明番15がすぐれた耐応力腐食割れ性を
示すことは、上記のCo、Nの合金元素としての添加効
果並びにフェライト量のレベルを30%〜70%の範囲
に制御することの相乗効果に依存するのである。
(4)腐食疲労強度 第3図に、人工海水中での小野式回転曲げ疲労試験結果
を示す(試験機回転数800Orpm)。
人工海水は米国海事により規定される方法に従って調製
した。
本発明例である明番8は従来の二相合金であるCD−4
MCu(調香13)およびオーステナイト系ステンレス
鋼である5US816(調香11)に比し海水中での疲
労強度がすぐれている。特に4 X 107 サイクル
での調香13の腐食疲労強度が約22ktj/−である
のに対し、本発明例のそれは約82kq/−と、約10
A:g/−高い値を示す。
また調香1と調香13を比較することによりCoの効果
が明確になる。すなわち調香1のN量は0.03%と非
常に低いレベルにあり、調香13疲労強度の向上に効果
的であることがわかる。
さらに調香1と調香3を比較することによりNの効果が
明確になる。このことはC1−を含む環境下での2相合
金の腐食疲労強度改善に対しNの添加が極めて有効なこ
とを示すもので、本発明鋼の最大の特徴の1つである。
以上の結果は、調香3が海水中で高い腐食疲労強度を有
するのは合金元素としてのN、Coの添加が相乗効果を
もたらすためであることを示して第 3 表 熱時効を受けた場合の衝撃吸収エネルギー(k’j −
m ) 第4表 以上のように、本発明の二相ステンレス鋼は、従来のF
e−Cr−Niベースの二相ステンレス鋼に比し、苛酷
な使用条件、とくに塩素イオン、硫化水素、炭酸ガスな
どの腐食因子を多量に含む環境での一般耐食性はもとよ
り、応力腐食割れ、孔食、すきま腐食などに対する抵抗
性が強く、かつ強度、延性などの機械的性質にすぐれる
。従って、例えば石油、天然ガス、海水のチューブイン
グ・ラインパイプなど、その他耐食性と機械的性質が要
求される用途において従来材にまさる耐久性、安定性を
もたらす。
【図面の簡単な説明】
第1図は熱時効による衝撃特性の変化を示すグラフ、第
2図は耐応力腐食割れ特性を示すグラフ、第3図は回転
曲げ疲労試験における腐食疲労強度を示すグラフ、第4
図は本発明鋼の金属組織を示す図面代用顕微鏡写真であ
る。 代理人 弁理士 宮 崎 新八部 第1図 手続補正書 昭和60年 4月26日 1、事件の表示 昭和59年 特 許 願 第021388号2、発明の
名称 高耐食性高耐カ二相ステンレス鋼3、補正をする
者 事件との関係 特許出願人 4、代理人 6、補正により増加する発明の数 なし7、補正の対象 8、補正の内容 (1)明細書の「発明の詳細な説明」の欄+11 第1
1真下6行に「第4図」とあるを1第3図」に訂正。 (2)第13真下7行の行頭にr(1) Jとあるを削
除。 (3) 第15真下3行〜第17頁11行に「(2)熱
時効後の靭性・・・上限とされる。」とあるを削除。 (4)第18頁6行に「第4表」とあるを「第3表」に
訂正。 (5) 第19頁8行に「第4表」とあるを「第3表」
に訂正。 (6) 第20真下6〜5行に「第2図」とあるを「第
1図」に訂正。 (7) 第22真下5行に「第3図」とあるを「第2図
」に訂正。 (8) 第27頁1行の「第3表」、同頁2〜3行の「
熱時効・・・ (kg−m)Jおよび同頁の表を削除。 (9)第28頁1行に「第4表」とあるを[第3表」に
訂正。 (II)明細書の1図面の簡単な説明」の欄(1) 第
29頁13〜14行に「第1図は・・・示すグラフ、」
とあるを削除。 (2)第29頁14行に「第2図」とあるを「第1図」
に、同頁15行に「第3図」とあるを「第2図」に、お
よび同頁16行に「第4図」とあるを「第3図」にそれ
ぞれ訂正。 (l[[)図面 別紙のとおり (第1図を削除し、第2図を第1図に、第3図を第2図
に、および第4図を第3図にそれぞれ朱書のとおり訂正
)。 (以 上)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1) C0,08%以下、Si 0.2〜2.0%、
    Mn0、2〜2.0%、Cr24.0〜80.0%、N
    i4.0〜9.0%、Mo 1.0〜5.0%、Cu 
    O,5〜8.0%、Co 0.2〜4.0%、NO,0
    5〜0.8%、残部実質的にFeからなり、かつ金属組
    織におけるδ−フェライト相の面積率が30〜70%で
    ある高耐食性高耐カ二相ステンレス鋼。
JP2138884A 1984-02-07 1984-02-07 高耐食性高耐力二相ステンレス鋼 Granted JPS60165362A (ja)

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EP85101255A EP0151487B1 (en) 1984-02-07 1985-02-06 Ferritic-austenitic duplex stainless steel
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