JPH1197379A - 半導体基板及び半導体基板の製造方法 - Google Patents
半導体基板及び半導体基板の製造方法Info
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- JPH1197379A JPH1197379A JP14793998A JP14793998A JPH1197379A JP H1197379 A JPH1197379 A JP H1197379A JP 14793998 A JP14793998 A JP 14793998A JP 14793998 A JP14793998 A JP 14793998A JP H1197379 A JPH1197379 A JP H1197379A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 信頼性の向上を実現した半導体基板を提供す
ること、並びに高品質の半導体基板を歩留まりの低下を
来たすことなく製造できるようにすること。 【解決手段】 (a)単結晶シリコン基板11上に汚染
保護膜12を形成する保護膜形成工程、(b)単結晶シ
リコン基板11にイオン注入層13を形成するイオン注
入工程、(c)汚染保護膜12を除去する保護膜除去工
程、(d)ベース基板14上に絶縁膜15を形成する絶
縁膜形成工程、(e)・(f)単結晶シリコン基板11
のイオン注入側の表面並びにベース基板14側の絶縁膜
15の表面に親水化処理を施す親水化処理工程、(g)
単結晶シリコン基板11及びベース基板14を親水化処
理面で貼り合わせる貼り合わせ工程、(h)熱処理によ
り単結晶シリコン基板11をイオン注入層13部分で剥
離して単結晶シリコン薄膜11bを形成する剥離工程な
どを行い、SOI基板16を完成させる。
ること、並びに高品質の半導体基板を歩留まりの低下を
来たすことなく製造できるようにすること。 【解決手段】 (a)単結晶シリコン基板11上に汚染
保護膜12を形成する保護膜形成工程、(b)単結晶シ
リコン基板11にイオン注入層13を形成するイオン注
入工程、(c)汚染保護膜12を除去する保護膜除去工
程、(d)ベース基板14上に絶縁膜15を形成する絶
縁膜形成工程、(e)・(f)単結晶シリコン基板11
のイオン注入側の表面並びにベース基板14側の絶縁膜
15の表面に親水化処理を施す親水化処理工程、(g)
単結晶シリコン基板11及びベース基板14を親水化処
理面で貼り合わせる貼り合わせ工程、(h)熱処理によ
り単結晶シリコン基板11をイオン注入層13部分で剥
離して単結晶シリコン薄膜11bを形成する剥離工程な
どを行い、SOI基板16を完成させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベース基板上に、
そのベース基板と電気的に絶縁した状態で素子形成用の
半導体層を設けて成る半導体基板及びその製造方法に関
する。
そのベース基板と電気的に絶縁した状態で素子形成用の
半導体層を設けて成る半導体基板及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】この種の半導体基板としては、例えば、
半導体層としてシリコン単結晶膜を設ける構成のSOI
(Silicon On Insulator)基板がある。これは、シリコ
ン基板上に絶縁用の酸化膜を形成すると共に、その上に
シリコン単結晶膜を形成した構造を有するもので、この
ような半導体基板を用いることにより、基板との絶縁分
離工程を別途に実施する必要がなくなり、分離性能が良
く、高い集積度でシリコン単結晶膜に素子を形成して集
積回路を作り込むことができるものである。
半導体層としてシリコン単結晶膜を設ける構成のSOI
(Silicon On Insulator)基板がある。これは、シリコ
ン基板上に絶縁用の酸化膜を形成すると共に、その上に
シリコン単結晶膜を形成した構造を有するもので、この
ような半導体基板を用いることにより、基板との絶縁分
離工程を別途に実施する必要がなくなり、分離性能が良
く、高い集積度でシリコン単結晶膜に素子を形成して集
積回路を作り込むことができるものである。
【0003】このようなSOI構造のためのシリコン単
結晶膜の製造方法としては、従来より種々の方法が採用
されているが、その中で以下のような3段階の工程を経
て製造するようにした半導体薄膜製造技術が特開平5−
211128号公報に開示されている。以下に、その製
造方法について図8を用いて説明する。
結晶膜の製造方法としては、従来より種々の方法が採用
されているが、その中で以下のような3段階の工程を経
て製造するようにした半導体薄膜製造技術が特開平5−
211128号公報に開示されている。以下に、その製
造方法について図8を用いて説明する。
【0004】まず、第1段階として、上面に酸化膜など
の汚染保護膜1aが成膜された半導体基板材料1中へ、
その汚染保護膜1a側から水素ガス若しくは希ガスをイ
オン注入することにより(図8(a)参照)、半導体基
板材料1の所定深さに注入イオンが分布したイオン注入
領域2を形成する。次に、第2段階として、この半導体
基板材料1のイオン注入側の面に、少なくとも1つの剛
性材料から形成されたベース基板3を貼り合わせ法など
により結合させる(図8(b)参照)。この場合のベー
ス基板3は半導体製の基板を用いることが可能で最終的
にSOI基板を形成させるという点では、酸化膜のよう
な絶縁膜4を成膜させた状態としておくことが望まし
い。
の汚染保護膜1aが成膜された半導体基板材料1中へ、
その汚染保護膜1a側から水素ガス若しくは希ガスをイ
オン注入することにより(図8(a)参照)、半導体基
板材料1の所定深さに注入イオンが分布したイオン注入
領域2を形成する。次に、第2段階として、この半導体
基板材料1のイオン注入側の面に、少なくとも1つの剛
性材料から形成されたベース基板3を貼り合わせ法など
により結合させる(図8(b)参照)。この場合のベー
ス基板3は半導体製の基板を用いることが可能で最終的
にSOI基板を形成させるという点では、酸化膜のよう
な絶縁膜4を成膜させた状態としておくことが望まし
い。
【0005】さらに、第3段階として、半導体基板材料
1及びベース基板3の一対物に対して熱処理を施すこと
により、イオン注入領域2に形成されるマイクロボイド
(微小気泡)部分を境界として半導体基板材料1と薄膜
部分が分離するように剥離し、ベース基板3上に絶縁膜
4などを介してシリコン単結晶膜5が接着された構造の
SOI基板6が形成される(図8(c)参照)。
1及びベース基板3の一対物に対して熱処理を施すこと
により、イオン注入領域2に形成されるマイクロボイド
(微小気泡)部分を境界として半導体基板材料1と薄膜
部分が分離するように剥離し、ベース基板3上に絶縁膜
4などを介してシリコン単結晶膜5が接着された構造の
SOI基板6が形成される(図8(c)参照)。
【0006】実際には、剥離された面には数nm程度の
表面段差及び欠陥層が存在するため、その剥離面に研磨
処理及びエッチング処理などを施してシリコン単結晶膜
5を平坦に仕上げると共に所定膜厚(例えば0.1μ
m)に調整してSOI基板6を完成させるものである
(図8(d)参照)。
表面段差及び欠陥層が存在するため、その剥離面に研磨
処理及びエッチング処理などを施してシリコン単結晶膜
5を平坦に仕上げると共に所定膜厚(例えば0.1μ
m)に調整してSOI基板6を完成させるものである
(図8(d)参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な工程を経てSOI基板6を製造する場合、実際には以
下に述べるような問題点が発生することがある。即ち、
図9に示すように、前述した第3段階の熱処理工程にお
いて、前記マイクロボイド部分での剥離現象が生じたに
もかかわらず、本来はベース基板3側のシリコン単結晶
膜5となるべき半導体基板材料1側の剥離想定領域が、
当該半導体基板材料1側に部分的に残置されたままにな
るという現象が発生することがある(残置部分に符号Q
を付して示す)。この結果、ベース基板3上には不均一
に剥離したシリコン層が付着した状態となる。このよう
な現象が発生した場合には、SOI基板6の大幅な品質
悪化を来たすと共に、歩留まりが悪化するという問題点
が出てくる。尚、図9では、残置部分Qが発生する現象
を、作図上の制約から摸式的に示したが、実際には半導
体基板材料1の全域に分散した多数箇所で発生するもの
である。
な工程を経てSOI基板6を製造する場合、実際には以
下に述べるような問題点が発生することがある。即ち、
図9に示すように、前述した第3段階の熱処理工程にお
いて、前記マイクロボイド部分での剥離現象が生じたに
もかかわらず、本来はベース基板3側のシリコン単結晶
膜5となるべき半導体基板材料1側の剥離想定領域が、
当該半導体基板材料1側に部分的に残置されたままにな
るという現象が発生することがある(残置部分に符号Q
を付して示す)。この結果、ベース基板3上には不均一
に剥離したシリコン層が付着した状態となる。このよう
な現象が発生した場合には、SOI基板6の大幅な品質
悪化を来たすと共に、歩留まりが悪化するという問題点
が出てくる。尚、図9では、残置部分Qが発生する現象
を、作図上の制約から摸式的に示したが、実際には半導
体基板材料1の全域に分散した多数箇所で発生するもの
である。
【0008】上記のような現象は、半導体基板材料1及
びベース基板3間の貼り合わせが、その貼り合わせ領域
の全体で均一に行われていないために発生すると想定さ
れる。このような貼り合わせ状態の欠陥の原因として
は、現在のところ、イオン注入工程の実行に伴い、半導
体基板材料1上の汚染保護膜1aの平坦性が損なわれる
ことや、汚染物が汚染保護膜の表面付近に偏析した状態
で残存することなどが考えられる。また、このような貼
り合わせ欠陥が内在した状態では、図9に示すような現
象が発生しなかった場合でも、絶縁膜3とシリコン単結
晶膜との間の接合強度が不十分になる恐れがあり、これ
がSOI基板6の信頼性を低下させる原因になる。
びベース基板3間の貼り合わせが、その貼り合わせ領域
の全体で均一に行われていないために発生すると想定さ
れる。このような貼り合わせ状態の欠陥の原因として
は、現在のところ、イオン注入工程の実行に伴い、半導
体基板材料1上の汚染保護膜1aの平坦性が損なわれる
ことや、汚染物が汚染保護膜の表面付近に偏析した状態
で残存することなどが考えられる。また、このような貼
り合わせ欠陥が内在した状態では、図9に示すような現
象が発生しなかった場合でも、絶縁膜3とシリコン単結
晶膜との間の接合強度が不十分になる恐れがあり、これ
がSOI基板6の信頼性を低下させる原因になる。
【0009】そこで、本発明の目的は、第1に、ベース
基板とこのベース基板上に電気的に絶縁された状態で設
けられた半導体層との接合強度を大になし得て信頼性の
向上を実現できる半導体基板を提供することにあり、第
2に、高品質の半導体基板を歩留まりの低下を来たすこ
となく製造できるようになる半導体基板の製造方法を提
供することにある。
基板とこのベース基板上に電気的に絶縁された状態で設
けられた半導体層との接合強度を大になし得て信頼性の
向上を実現できる半導体基板を提供することにあり、第
2に、高品質の半導体基板を歩留まりの低下を来たすこ
となく製造できるようになる半導体基板の製造方法を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のよ
うに、ベース基板(14)上に、これと電気的に絶縁し
た状態で素子形成用の半導体層(11b)を設ける構成
とした半導体基板において、半導体層(11b)とベー
ス基板(14)とを、直接または自然酸化膜(11a、
14a)を介して接合する構成とした場合には、それら
の間の接合強度が大きくなるものであり、その信頼性が
向上するようになる。
うに、ベース基板(14)上に、これと電気的に絶縁し
た状態で素子形成用の半導体層(11b)を設ける構成
とした半導体基板において、半導体層(11b)とベー
ス基板(14)とを、直接または自然酸化膜(11a、
14a)を介して接合する構成とした場合には、それら
の間の接合強度が大きくなるものであり、その信頼性が
向上するようになる。
【0011】請求項3記載の半導体基板の製造方法によ
れば、保護膜形成工程において、ベース基板(14)と
は別途に用意された半導体基板材料(11)上に汚染保
護膜(12)が形成される共に、イオン注入工程におい
て、上記半導体基板材料(11)に対し前記汚染保護膜
(12)側からイオン注入を行われてイオン注入層(1
3)が形成されるものであり、そのイオン注入層(1
3)は、当該半導体基板材料(11)の表面と平行な分
布状態となる。
れば、保護膜形成工程において、ベース基板(14)と
は別途に用意された半導体基板材料(11)上に汚染保
護膜(12)が形成される共に、イオン注入工程におい
て、上記半導体基板材料(11)に対し前記汚染保護膜
(12)側からイオン注入を行われてイオン注入層(1
3)が形成されるものであり、そのイオン注入層(1
3)は、当該半導体基板材料(11)の表面と平行な分
布状態となる。
【0012】次いで、保護膜除去工程において、半導体
基板材料(11)上の汚染保護膜(12)が除去された
後に、親水化処理工程において、半導体基板材料(1
1)のイオン注入側の表面、並びに前記ベース基板(1
4)の表面に親水化処理が施され、さらに、貼り合わせ
工程において、上記半導体基板材料(11)及びベース
基板(14)が親水化処理面で貼り合わされる。この後
には、剥離工程において熱処理が施されるものであり、
この熱処理に伴い、半導体基板材料(11)にあって
は、イオン注入層(13)により形成される欠陥層領域
部分で微小気泡が凝集してマクロな気泡を生じ、これに
より当該欠陥層領域部分を境界とした剥離が生ずる。こ
の結果、薄膜状の半導体層(11b)がベース基板(1
4)上に電気的に絶縁された状態で積層された基板構造
(SOI構造に相当)を形成できることになる。
基板材料(11)上の汚染保護膜(12)が除去された
後に、親水化処理工程において、半導体基板材料(1
1)のイオン注入側の表面、並びに前記ベース基板(1
4)の表面に親水化処理が施され、さらに、貼り合わせ
工程において、上記半導体基板材料(11)及びベース
基板(14)が親水化処理面で貼り合わされる。この後
には、剥離工程において熱処理が施されるものであり、
この熱処理に伴い、半導体基板材料(11)にあって
は、イオン注入層(13)により形成される欠陥層領域
部分で微小気泡が凝集してマクロな気泡を生じ、これに
より当該欠陥層領域部分を境界とした剥離が生ずる。こ
の結果、薄膜状の半導体層(11b)がベース基板(1
4)上に電気的に絶縁された状態で積層された基板構造
(SOI構造に相当)を形成できることになる。
【0013】このような製造方法によれば、半導体基板
材料(11)とベース基板(14)とを貼り合わせるた
めの貼り合わせ工程が行われる前に、当該半導体基板材
料(11)上の汚染保護膜(12)が除去されることに
なるから、イオン注入工程の実行に伴い、当該汚染保護
膜(12)の平坦性が損なわれたり、或いは汚染保護膜
(12)の表面付近に汚染物が偏析した状態で残存する
ような状況に陥った場合であっても、半導体基板材料
(11)及びベース基板(14)間の貼り合わせ状態
を、その貼り合わせ領域の全体で均一な状態にすること
ができるようになる。
材料(11)とベース基板(14)とを貼り合わせるた
めの貼り合わせ工程が行われる前に、当該半導体基板材
料(11)上の汚染保護膜(12)が除去されることに
なるから、イオン注入工程の実行に伴い、当該汚染保護
膜(12)の平坦性が損なわれたり、或いは汚染保護膜
(12)の表面付近に汚染物が偏析した状態で残存する
ような状況に陥った場合であっても、半導体基板材料
(11)及びベース基板(14)間の貼り合わせ状態
を、その貼り合わせ領域の全体で均一な状態にすること
ができるようになる。
【0014】この結果、剥離工程の実行時において、半
導体基板材料(11)の剥離現象が欠陥層領域部分の全
体で均一に進行するようになるため、従来のように、本
来はベース基板(14)上の半導体層(11b)となる
べき半導体基板材料(11)側の剥離想定領域が、当該
半導体基板材料(11)側に部分的に残置されたままに
なる現象が発生することがなくなる。このため、製造対
象の半導体基板の品質を高めることができると共に、歩
留まりが向上するようになる。
導体基板材料(11)の剥離現象が欠陥層領域部分の全
体で均一に進行するようになるため、従来のように、本
来はベース基板(14)上の半導体層(11b)となる
べき半導体基板材料(11)側の剥離想定領域が、当該
半導体基板材料(11)側に部分的に残置されたままに
なる現象が発生することがなくなる。このため、製造対
象の半導体基板の品質を高めることができると共に、歩
留まりが向上するようになる。
【0015】請求項4記載の半導体基板の製造方法のよ
うに、半導体基板材料(11)とベース基板(14)と
の接合強度が、剥離工程での熱処理により剥離現象が生
起される際に前記イオン注入層(13)で生ずる内部ガ
ス膨張による応力より大きくなるように構成された場合
には、当該剥離工程において良好な剥離現象を期待でき
るようになる。
うに、半導体基板材料(11)とベース基板(14)と
の接合強度が、剥離工程での熱処理により剥離現象が生
起される際に前記イオン注入層(13)で生ずる内部ガ
ス膨張による応力より大きくなるように構成された場合
には、当該剥離工程において良好な剥離現象を期待でき
るようになる。
【0016】請求項5記載の製造方法のように、貼り合
わせ工程で貼り合わされた半導体基板材料(11)とベ
ース基板(14)との一体物に対して、イオン注入層
(13)により形成される欠陥層領域部分での剥離現象
が生じない低温下で熱処理を施して両者間の接合強度を
向上させるという熱処理を施した後に剥離工程を行うよ
うに構成された場合には、それら半導体基板材料(1
1)とベース基板(14)との接合強度を、剥離工程で
の熱処理により剥離現象が生起される際にイオン注入層
(13)で生ずる内部ガス膨張による応力より大きくす
ることが可能となり、結果的に当該剥離工程において良
好な剥離現象を期待できるようになる。
わせ工程で貼り合わされた半導体基板材料(11)とベ
ース基板(14)との一体物に対して、イオン注入層
(13)により形成される欠陥層領域部分での剥離現象
が生じない低温下で熱処理を施して両者間の接合強度を
向上させるという熱処理を施した後に剥離工程を行うよ
うに構成された場合には、それら半導体基板材料(1
1)とベース基板(14)との接合強度を、剥離工程で
の熱処理により剥離現象が生起される際にイオン注入層
(13)で生ずる内部ガス膨張による応力より大きくす
ることが可能となり、結果的に当該剥離工程において良
好な剥離現象を期待できるようになる。
【0017】請求項6記載の半導体基板の製造方法によ
れば、親水化処理工程において、前記半導体基板材料
(11)のイオン注入側の表面、並びに前記ベース基板
(14)の表面に自然酸化膜(11a、14a)が形成
されることになる。このため、その後に貼り合わせ工
程、剥離工程を経て製造された半導体基板にあっては、
その半導体層(11b)とベース基板(14)とが自然
酸化膜(11a、14a)を介して接合された状態なる
から、それら半導体層(11b)及びベース基板(1
4)間の接合強度が大きくなって、その信頼性が向上す
るようになる。
れば、親水化処理工程において、前記半導体基板材料
(11)のイオン注入側の表面、並びに前記ベース基板
(14)の表面に自然酸化膜(11a、14a)が形成
されることになる。このため、その後に貼り合わせ工
程、剥離工程を経て製造された半導体基板にあっては、
その半導体層(11b)とベース基板(14)とが自然
酸化膜(11a、14a)を介して接合された状態なる
から、それら半導体層(11b)及びベース基板(1
4)間の接合強度が大きくなって、その信頼性が向上す
るようになる。
【0018】請求項7記載の半導体基板の製造方法によ
れば、親水化処理工程において、前記半導体基板材料
(11)のイオン注入側の表面、並びに前記ベース基板
(14)の表面に水酸基が付着されることになり、この
水酸基が半導体基板材料(11)及びベース基板(1
4)間の接合を促進するように作用する。このような親
水化処理工程及びその後の貼り合わせ工程、剥離工程を
経て製造された半導体基板にあっては、その半導体層
(11b)とベース基板(14)とが直接的に接合され
た状態となるから、それら半導体層(11b)及びベー
ス基板(14)間の接合強度が大きくなって、その信頼
性が向上するようになる。
れば、親水化処理工程において、前記半導体基板材料
(11)のイオン注入側の表面、並びに前記ベース基板
(14)の表面に水酸基が付着されることになり、この
水酸基が半導体基板材料(11)及びベース基板(1
4)間の接合を促進するように作用する。このような親
水化処理工程及びその後の貼り合わせ工程、剥離工程を
経て製造された半導体基板にあっては、その半導体層
(11b)とベース基板(14)とが直接的に接合され
た状態となるから、それら半導体層(11b)及びベー
ス基板(14)間の接合強度が大きくなって、その信頼
性が向上するようになる。
【0019】請求項8記載の半導体基板の製造方法によ
れば、保護膜形成工程において、ベース基板(14)と
は別途に用意された半導体基板材料(11)上に汚染保
護膜(12)が形成される共に、イオン注入工程におい
て、上記半導体基板材料(11)に対し前記汚染保護膜
(12)側からイオン注入を行われてイオン注入層(1
3)が形成されるものであり、そのイオン注入層(1
3)は、当該半導体基板材料(11)の表面と平行な分
布状態となる。
れば、保護膜形成工程において、ベース基板(14)と
は別途に用意された半導体基板材料(11)上に汚染保
護膜(12)が形成される共に、イオン注入工程におい
て、上記半導体基板材料(11)に対し前記汚染保護膜
(12)側からイオン注入を行われてイオン注入層(1
3)が形成されるものであり、そのイオン注入層(1
3)は、当該半導体基板材料(11)の表面と平行な分
布状態となる。
【0020】次いで、保護膜除去工程において、半導体
基板材料(11)上の汚染保護膜(12)の上面部分が
除去された後に、親水化処理工程において、半導体基板
材料(11)の汚染保護膜(12)の表面、並びに前記
ベース基板(14)の表面に親水化処理が施され、さら
に、貼り合わせ工程において、上記半導体基板材料(1
1)及びベース基板(14)が親水化処理面で貼り合わ
される。この後には、剥離工程において熱処理が施され
るものであり、この熱処理に伴い、半導体基板材料(1
1)にあっては、イオン注入層(13)により形成され
る欠陥層領域部分で微小気泡が凝集してマクロな気泡を
生じ、これにより当該欠陥層領域部分を境界とした剥離
が生ずる。この結果、薄膜状の半導体層(11b)がベ
ース基板(14)上に電気的に絶縁された状態で積層さ
れた基板構造(SOI構造に相当)を形成できることに
なる。
基板材料(11)上の汚染保護膜(12)の上面部分が
除去された後に、親水化処理工程において、半導体基板
材料(11)の汚染保護膜(12)の表面、並びに前記
ベース基板(14)の表面に親水化処理が施され、さら
に、貼り合わせ工程において、上記半導体基板材料(1
1)及びベース基板(14)が親水化処理面で貼り合わ
される。この後には、剥離工程において熱処理が施され
るものであり、この熱処理に伴い、半導体基板材料(1
1)にあっては、イオン注入層(13)により形成され
る欠陥層領域部分で微小気泡が凝集してマクロな気泡を
生じ、これにより当該欠陥層領域部分を境界とした剥離
が生ずる。この結果、薄膜状の半導体層(11b)がベ
ース基板(14)上に電気的に絶縁された状態で積層さ
れた基板構造(SOI構造に相当)を形成できることに
なる。
【0021】このような製造方法によれば、半導体基板
材料(11)とベース基板(14)とを貼り合わせるた
めの貼り合わせ工程が行われる前に、当該半導体基板材
料(11)上の汚染保護膜(12)の上面部分が除去さ
れることになるから、イオン注入工程の実行に伴い、当
該汚染保護膜(12)の平坦性が損なわれたり、或いは
汚染保護膜(12)の表面付近に汚染物が偏析した状態
で残存するような状況に陥った場合であっても、半導体
基板材料(11)及びベース基板(14)間の貼り合わ
せ状態を、その貼り合わせ領域の全体で均一な状態にす
ることができるようになる。
材料(11)とベース基板(14)とを貼り合わせるた
めの貼り合わせ工程が行われる前に、当該半導体基板材
料(11)上の汚染保護膜(12)の上面部分が除去さ
れることになるから、イオン注入工程の実行に伴い、当
該汚染保護膜(12)の平坦性が損なわれたり、或いは
汚染保護膜(12)の表面付近に汚染物が偏析した状態
で残存するような状況に陥った場合であっても、半導体
基板材料(11)及びベース基板(14)間の貼り合わ
せ状態を、その貼り合わせ領域の全体で均一な状態にす
ることができるようになる。
【0022】この結果、剥離工程の実行時において、半
導体基板材料(11)の剥離現象が欠陥層領域部分の全
体で均一に進行するようになるため、従来のように、本
来はベース基板(14)上の半導体層(11b)となる
べき半導体基板材料(11)側の剥離想定領域が、当該
半導体基板材料(11)側に部分的に残置されたままに
なる現象が発生することがなくなる。このため、製造対
象の半導体基板の品質を高めることができると共に、歩
留まりが向上するようになる。
導体基板材料(11)の剥離現象が欠陥層領域部分の全
体で均一に進行するようになるため、従来のように、本
来はベース基板(14)上の半導体層(11b)となる
べき半導体基板材料(11)側の剥離想定領域が、当該
半導体基板材料(11)側に部分的に残置されたままに
なる現象が発生することがなくなる。このため、製造対
象の半導体基板の品質を高めることができると共に、歩
留まりが向上するようになる。
【0023】請求項9記載の半導体基板の製造方法のよ
うに、半導体基板材料(11)とベース基板(14)と
の接合強度が、剥離工程での熱処理により剥離現象が生
起される際に前記イオン注入層(13)で生ずる内部ガ
ス膨張による応力より大きくなるように構成された場合
には、当該剥離工程において良好な剥離現象を期待でき
るようになる。
うに、半導体基板材料(11)とベース基板(14)と
の接合強度が、剥離工程での熱処理により剥離現象が生
起される際に前記イオン注入層(13)で生ずる内部ガ
ス膨張による応力より大きくなるように構成された場合
には、当該剥離工程において良好な剥離現象を期待でき
るようになる。
【0024】請求項10記載の半導体基板の製造方法の
ように、汚染保護膜(12)の上面部分を除去するため
の前記保護膜除去工程において、化学エッチング、若し
くは化学エッチングと機械的研磨とを組み合わせること
により、上記汚染保護膜(12)における汚染領域の除
去並びにその表面の平坦化を行う構成とした場合には、
汚染保護膜(12)表面の平坦性が高められるようにな
るため、その汚染保護膜(12)を介して貼り合わされ
る半導体基板材料(11)とベース基板(14)との接
合強度を十分に高め得るようになる。
ように、汚染保護膜(12)の上面部分を除去するため
の前記保護膜除去工程において、化学エッチング、若し
くは化学エッチングと機械的研磨とを組み合わせること
により、上記汚染保護膜(12)における汚染領域の除
去並びにその表面の平坦化を行う構成とした場合には、
汚染保護膜(12)表面の平坦性が高められるようにな
るため、その汚染保護膜(12)を介して貼り合わされ
る半導体基板材料(11)とベース基板(14)との接
合強度を十分に高め得るようになる。
【0025】請求項11記載の製造方法のように、貼り
合わせ工程で貼り合わされた半導体基板材料(11)と
ベース基板(14)との一体物に対して、イオン注入層
(13)により形成される欠陥層領域部分での剥離現象
が生じない低温下で熱処理を施して両者間の接合強度を
向上させるという熱処理を施した後に剥離工程を行うよ
うに構成された場合には、それら半導体基板材料(1
1)とベース基板(14)との接合強度を、剥離工程で
の熱処理により剥離現象が生起される際にイオン注入層
(13)で生ずる内部ガス膨張による応力より大きくす
ることが可能となり、結果的に当該剥離工程において良
好な剥離現象を期待できるようになる。
合わせ工程で貼り合わされた半導体基板材料(11)と
ベース基板(14)との一体物に対して、イオン注入層
(13)により形成される欠陥層領域部分での剥離現象
が生じない低温下で熱処理を施して両者間の接合強度を
向上させるという熱処理を施した後に剥離工程を行うよ
うに構成された場合には、それら半導体基板材料(1
1)とベース基板(14)との接合強度を、剥離工程で
の熱処理により剥離現象が生起される際にイオン注入層
(13)で生ずる内部ガス膨張による応力より大きくす
ることが可能となり、結果的に当該剥離工程において良
好な剥離現象を期待できるようになる。
【0026】請求項15記載の半導体基板の製造方法に
よれば、熱処理工程において、剥離工程での熱処理温度
より高温の熱処理を行うことにより、半導体基板材料
(11)及びベース基板(14)間の貼り合わせ面の接
合強度が増大されるようになるから、製造対象の半導体
基板における半導体層(11b)及びベース基板(1
4)間の接合強度が大きくなって、その信頼性をさらに
向上させ得るようになる。
よれば、熱処理工程において、剥離工程での熱処理温度
より高温の熱処理を行うことにより、半導体基板材料
(11)及びベース基板(14)間の貼り合わせ面の接
合強度が増大されるようになるから、製造対象の半導体
基板における半導体層(11b)及びベース基板(1
4)間の接合強度が大きくなって、その信頼性をさらに
向上させ得るようになる。
【0027】請求項21或いは22に記載の半導体基板
の製造方法のように、前述した剥離工程での熱処理或い
は熱処理工程での熱処理にランプアニール装置或いはレ
ーザ照射アニール装置などの昇温レートが高いアニール
装置を利用する場合には、それらの熱処理時におけるス
ループットを向上させ得るようになる。尚、このような
アニール装置の利用が可能になるのは、欠陥層領域部分
での剥離現象が瞬間的に発生するからである。
の製造方法のように、前述した剥離工程での熱処理或い
は熱処理工程での熱処理にランプアニール装置或いはレ
ーザ照射アニール装置などの昇温レートが高いアニール
装置を利用する場合には、それらの熱処理時におけるス
ループットを向上させ得るようになる。尚、このような
アニール装置の利用が可能になるのは、欠陥層領域部分
での剥離現象が瞬間的に発生するからである。
【0028】
(第1の実施の形態)以下、本発明の第1実施例につい
て図1を参照しながら説明する。尚、図1は、SOI基
板の製造工程を摸式的な断面図により示したものであ
る。即ち、図1(a)に示す保護膜形成工程では、例え
ば単結晶シリコン基板11(本発明でいう半導体基板材
料に相当)上に、熱酸化による成膜、またはCVD法や
PVD法のような堆積法によって、均一な膜厚のシリコ
ン酸化膜より成る汚染保護膜12を形成する。尚、この
汚染保護膜12は、後述するイオン注入工程において単
結晶シリコン基板11が重金属などにより汚染される事
態を防止するためのものであり、その膜厚は好ましくは
50〜100nm程度に設定される。
て図1を参照しながら説明する。尚、図1は、SOI基
板の製造工程を摸式的な断面図により示したものであ
る。即ち、図1(a)に示す保護膜形成工程では、例え
ば単結晶シリコン基板11(本発明でいう半導体基板材
料に相当)上に、熱酸化による成膜、またはCVD法や
PVD法のような堆積法によって、均一な膜厚のシリコ
ン酸化膜より成る汚染保護膜12を形成する。尚、この
汚染保護膜12は、後述するイオン注入工程において単
結晶シリコン基板11が重金属などにより汚染される事
態を防止するためのものであり、その膜厚は好ましくは
50〜100nm程度に設定される。
【0029】この後、図1(b)に示すイオン注入工程
では、単結晶シリコン基板11に対し、図中に矢印で示
すように汚染保護膜12側から水素イオン若しくは希ガ
スイオンを注入することにより、当該単結晶シリコン基
板11の表面と平行な分布状態のイオン注入層13を形
成する。このイオン注入工程でのドーズ量は、水素イオ
ンの場合で、1×1016atoms/cm2以上、好ましくは
5×1016atoms/cm2以上に設定する。また、イオン
注入エネルギ(加速電圧)は、イオン注入層13を形成
する深さに応じて設定することになる。尚、注入イオン
としては、上述した水素及び希ガス以外に、酸素、塩
素、フッ素など種々のものを利用することが考えられ
る。
では、単結晶シリコン基板11に対し、図中に矢印で示
すように汚染保護膜12側から水素イオン若しくは希ガ
スイオンを注入することにより、当該単結晶シリコン基
板11の表面と平行な分布状態のイオン注入層13を形
成する。このイオン注入工程でのドーズ量は、水素イオ
ンの場合で、1×1016atoms/cm2以上、好ましくは
5×1016atoms/cm2以上に設定する。また、イオン
注入エネルギ(加速電圧)は、イオン注入層13を形成
する深さに応じて設定することになる。尚、注入イオン
としては、上述した水素及び希ガス以外に、酸素、塩
素、フッ素など種々のものを利用することが考えられ
る。
【0030】図1(c)に示す保護膜除去工程では、単
結晶シリコン基板11上の汚染保護膜12を、例えばフ
ッ酸水溶液を用いた化学エッチングにより全部除去す
る。尚、汚染保護膜12の除去を、機械研磨やドライエ
ッチングにより行うことも可能である。
結晶シリコン基板11上の汚染保護膜12を、例えばフ
ッ酸水溶液を用いた化学エッチングにより全部除去す
る。尚、汚染保護膜12の除去を、機械研磨やドライエ
ッチングにより行うことも可能である。
【0031】一方、図1(d)に示す絶縁膜形成工程で
は、例えば単結晶シリコン基板より成るベース基板14
上に、熱酸化による成膜、またはCVD法やPVD法の
ような堆積法によって、均一な膜厚のシリコン酸化膜よ
り成る絶縁膜15を形成する。尚、この絶縁膜15は、
最終的にSOI構造を形成した場合に埋込酸化膜になる
ものであり、その膜厚はSOI基板の設計形状に応じた
値に設定される。
は、例えば単結晶シリコン基板より成るベース基板14
上に、熱酸化による成膜、またはCVD法やPVD法の
ような堆積法によって、均一な膜厚のシリコン酸化膜よ
り成る絶縁膜15を形成する。尚、この絶縁膜15は、
最終的にSOI構造を形成した場合に埋込酸化膜になる
ものであり、その膜厚はSOI基板の設計形状に応じた
値に設定される。
【0032】図1(e)、(f)に示す親水化処理工程
では、単結晶シリコン基板11のイオン注入側の表面、
並びに前記ベース基板14側の絶縁膜15の表面に親水
化処理を施す。具体的には、この親水化処理は、例えば
90〜120℃程度に保温された硫酸と過酸化水素水と
の混合溶液(H2 SO4 :H2 O2 =4:1)による洗
浄を20分間程度行った後に純水による流水洗浄を20
分間程度行うことにより、単結晶シリコン基板11のイ
オン注入側の表面、並びにベース基板14側の絶縁膜1
5の表面に自然酸化膜11a及び14aをそれぞれ形成
することにより達成される。
では、単結晶シリコン基板11のイオン注入側の表面、
並びに前記ベース基板14側の絶縁膜15の表面に親水
化処理を施す。具体的には、この親水化処理は、例えば
90〜120℃程度に保温された硫酸と過酸化水素水と
の混合溶液(H2 SO4 :H2 O2 =4:1)による洗
浄を20分間程度行った後に純水による流水洗浄を20
分間程度行うことにより、単結晶シリコン基板11のイ
オン注入側の表面、並びにベース基板14側の絶縁膜1
5の表面に自然酸化膜11a及び14aをそれぞれ形成
することにより達成される。
【0033】次に、図1(g)に示す貼り合わせ工程で
は、上記単結晶シリコン基板11とベース基板14と
を、それらの親水化処理面(自然酸化膜11a及び14
a)で貼り合わせる。尚、この貼り合わせは、各基板1
1及び14の親水化処理面に存するシラノール基及び水
分子の水素結合による接着作用により行われる。
は、上記単結晶シリコン基板11とベース基板14と
を、それらの親水化処理面(自然酸化膜11a及び14
a)で貼り合わせる。尚、この貼り合わせは、各基板1
1及び14の親水化処理面に存するシラノール基及び水
分子の水素結合による接着作用により行われる。
【0034】この後、図1(h)に示す剥離工程では、
単結晶シリコン基板11及びベース基板14の一体物に
対して熱処理を施すことによって、単結晶シリコン基板
11をイオン注入層13により形成される欠陥層領域部
分で剥離するものであり、これにより、ベース基板14
上に絶縁膜15を介して単結晶シリコン薄膜11b(本
発明でいう半導体層に相当)が積層された形態のSOI
構造が形成されることになる。
単結晶シリコン基板11及びベース基板14の一体物に
対して熱処理を施すことによって、単結晶シリコン基板
11をイオン注入層13により形成される欠陥層領域部
分で剥離するものであり、これにより、ベース基板14
上に絶縁膜15を介して単結晶シリコン薄膜11b(本
発明でいう半導体層に相当)が積層された形態のSOI
構造が形成されることになる。
【0035】この場合、具体的には、イオン注入層13
が水素イオンにより形成されたものであった場合には、
400〜600℃程度で熱処理を行うことが好ましく、
斯様な熱処理に応じて、イオン注入層13により形成さ
れる欠陥層領域部分で、微小気泡が凝集してマクロな気
泡を生じ、この気泡の内部ガス膨張によって当該欠陥層
領域部分を境界とした剥離が生ずることになる。
が水素イオンにより形成されたものであった場合には、
400〜600℃程度で熱処理を行うことが好ましく、
斯様な熱処理に応じて、イオン注入層13により形成さ
れる欠陥層領域部分で、微小気泡が凝集してマクロな気
泡を生じ、この気泡の内部ガス膨張によって当該欠陥層
領域部分を境界とした剥離が生ずることになる。
【0036】このような剥離現象を成立させるために
は、単結晶シリコン基板11とベース基板14との接合
強度を、上記熱処理時に生ずる前記気泡の内部ガス膨張
による応力に耐え得る状態にする必要がある。
は、単結晶シリコン基板11とベース基板14との接合
強度を、上記熱処理時に生ずる前記気泡の内部ガス膨張
による応力に耐え得る状態にする必要がある。
【0037】一般的に、シリコン基板の接合工程におい
ては、室温での貼り合わせ後に熱処理を行うことにより
接合状態が強化される。このような接合強度と熱処理条
件との関係については、例えば、阿部孝夫・他による
『シリコンと石英ウエーハの貼り合わせにおける水素結
合の役割』・SDM90−156(1990/電子情報
通信学会))や、Takao Abe, et al.:“Silicon Wafer
Bonding Mechanism forSilicon-on-Insulator Structur
es ”: Japanese Journal of Appl. Phys. Vol.29, No.
12, December, 1990, pp.L2311-L2314 などにより、高
温長時間の熱処理を行うことにより、接合強度が増加す
ることが知られている。
ては、室温での貼り合わせ後に熱処理を行うことにより
接合状態が強化される。このような接合強度と熱処理条
件との関係については、例えば、阿部孝夫・他による
『シリコンと石英ウエーハの貼り合わせにおける水素結
合の役割』・SDM90−156(1990/電子情報
通信学会))や、Takao Abe, et al.:“Silicon Wafer
Bonding Mechanism forSilicon-on-Insulator Structur
es ”: Japanese Journal of Appl. Phys. Vol.29, No.
12, December, 1990, pp.L2311-L2314 などにより、高
温長時間の熱処理を行うことにより、接合強度が増加す
ることが知られている。
【0038】図2中には、前記図1(g)の貼り合わせ
工程の実行に応じて貼り合わされた状態となった単結晶
シリコン基板11及びベース基板14の一体物より成る
試料を多数個用意し、複数個ずつの試料について、温度
を複数段階(例えば150℃、250℃、350℃)に
異ならせた各状態で30分間の熱処理を施した後に、両
基板11及び14間の接合強度を実際に測定した結果が
示されている。この図2からは、処理温度が高くなるの
に応じて接合強度が増していることが分かる。
工程の実行に応じて貼り合わされた状態となった単結晶
シリコン基板11及びベース基板14の一体物より成る
試料を多数個用意し、複数個ずつの試料について、温度
を複数段階(例えば150℃、250℃、350℃)に
異ならせた各状態で30分間の熱処理を施した後に、両
基板11及び14間の接合強度を実際に測定した結果が
示されている。この図2からは、処理温度が高くなるの
に応じて接合強度が増していることが分かる。
【0039】図1(g)の貼り合わせ工程を経た単結晶
シリコン基板11及びベース基板14においては、熱処
理を行うことにより両基板11及び14間の接合状態を
強化できるものであり、上記貼り合わせ工程後に行われ
る剥離工程(図1(h))では、400〜600℃程度
の温度領域で剥離現象が生ずることになる。このような
剥離現象は、例えば、Xiang Lu, et. al.:“Hydrogen i
nduced silicon surface layer cleavage ”: Appl. Ph
ys. Lett. 71(13), 29 September (page 1804〜1806)
に示されるように、単結晶シリコン基板11中のイオン
注入層13中に偏析した未結合の水素が集まった気泡に
よって引き起こされていると考えらる。つまり、この気
泡内の水素ガスが熱処理により膨張することで、単結晶
シリコン基板11中のイオン注入層13内で応力が生
じ、その応力により単結晶シリコン基板11において剥
離現象が引き起こされることになる。
シリコン基板11及びベース基板14においては、熱処
理を行うことにより両基板11及び14間の接合状態を
強化できるものであり、上記貼り合わせ工程後に行われ
る剥離工程(図1(h))では、400〜600℃程度
の温度領域で剥離現象が生ずることになる。このような
剥離現象は、例えば、Xiang Lu, et. al.:“Hydrogen i
nduced silicon surface layer cleavage ”: Appl. Ph
ys. Lett. 71(13), 29 September (page 1804〜1806)
に示されるように、単結晶シリコン基板11中のイオン
注入層13中に偏析した未結合の水素が集まった気泡に
よって引き起こされていると考えらる。つまり、この気
泡内の水素ガスが熱処理により膨張することで、単結晶
シリコン基板11中のイオン注入層13内で応力が生
じ、その応力により単結晶シリコン基板11において剥
離現象が引き起こされることになる。
【0040】この場合、上記のような水素ガス膨張によ
る応力P(kgf/cm2)は、一般的に用いられる理想気体
の状態方程式を適用すると、熱処理温度T(K)に対し
て以下の関係式で表現することができる。
る応力P(kgf/cm2)は、一般的に用いられる理想気体
の状態方程式を適用すると、熱処理温度T(K)に対し
て以下の関係式で表現することができる。
【0041】 P=R・nH ・T/NA [kgf/cm2] ……(1) 但し、R:気体定数(84.7833cm3・kgf/cm2・ mol−1
・K−1) 、nH:水素濃度 (atoms/cm3) 、NA:アボガ
ドロ数 (6.022045×1023 mol−1) である。
・K−1) 、nH:水素濃度 (atoms/cm3) 、NA:アボガ
ドロ数 (6.022045×1023 mol−1) である。
【0042】一方、上述のような剥離現象が生じるのに
必要な水素イオン注入量は、加速電圧80KeVの場合
で3〜4×1016atoms/cm2がしきい値になることが
実験的に確認されている。ここで、図3には、シリコン
中に注入された水素の分布についてSIMS(2次イオ
ン質量分析法)により測定した結果を示すが、安定した
剥離現象が生ずるイオン注入量(a):5×1016at
oms/cm2の場合と、上記しきい値程度のイオン注入量
(b):3×1016atoms/cm2の場合とでは、水素分
布のピーク位置において水素濃度の差が見られる。言い
換えると、図3からは、水素分布のピーク位置の水素濃
度が2〜3×1021atoms/cm3を越えた状態で剥離現
象が生ずることが分かる。
必要な水素イオン注入量は、加速電圧80KeVの場合
で3〜4×1016atoms/cm2がしきい値になることが
実験的に確認されている。ここで、図3には、シリコン
中に注入された水素の分布についてSIMS(2次イオ
ン質量分析法)により測定した結果を示すが、安定した
剥離現象が生ずるイオン注入量(a):5×1016at
oms/cm2の場合と、上記しきい値程度のイオン注入量
(b):3×1016atoms/cm2の場合とでは、水素分
布のピーク位置において水素濃度の差が見られる。言い
換えると、図3からは、水素分布のピーク位置の水素濃
度が2〜3×1021atoms/cm3を越えた状態で剥離現
象が生ずることが分かる。
【0043】この場合、剥離現象が生じると考えられる
位置である上記ピーク位置における濃度差は、偏析する
水素ガスによる気泡の形成に関連していると考えらるも
のである。つまり、(b)の場合には、イオン注入層1
3により形成される欠陥層内には気泡が形成されず、
(a)の場合には、(b)に比べて余剰に分布している
水素が気泡の形成に関与していると考えられる。要する
に、前記(1)式で表される応力Pを引き起こす水素
は、シリコン中に注入された水素のうち気泡内に偏析す
る水素ガスの濃度であると考えられ、2〜3×1021
atoms/cm3を越えた水素濃度nH が剥離現象を引き起こ
すことになる。
位置である上記ピーク位置における濃度差は、偏析する
水素ガスによる気泡の形成に関連していると考えらるも
のである。つまり、(b)の場合には、イオン注入層1
3により形成される欠陥層内には気泡が形成されず、
(a)の場合には、(b)に比べて余剰に分布している
水素が気泡の形成に関与していると考えられる。要する
に、前記(1)式で表される応力Pを引き起こす水素
は、シリコン中に注入された水素のうち気泡内に偏析す
る水素ガスの濃度であると考えられ、2〜3×1021
atoms/cm3を越えた水素濃度nH が剥離現象を引き起こ
すことになる。
【0044】図3中には、(1)式に基づいて算出した
応力Pについても示されている。尚、このときのイオン
注入条件は、加速電圧80KeV、ドーズ量は5×10
16atoms/cm2である。このような算出結果は、剥離工
程(図1(h)参照)で行われる400〜600℃程度
での熱処理時においては、約300(kgf/cm2)以上の
応力が発生することで剥離現象が起きていることを示し
ている。また、加速電圧やドーズ量などのイオン注入条
件を変えることにより、水素分布のピーク位置での水素
濃度や分布状態も変化するため、剥離現象が生じるため
に必要な水素濃度のしきい値である2〜3×1021at
oms/cm3に対する差分も上記の注入条件に依存すること
になり、これに応じて発生する応力Pも変化することに
なる。
応力Pについても示されている。尚、このときのイオン
注入条件は、加速電圧80KeV、ドーズ量は5×10
16atoms/cm2である。このような算出結果は、剥離工
程(図1(h)参照)で行われる400〜600℃程度
での熱処理時においては、約300(kgf/cm2)以上の
応力が発生することで剥離現象が起きていることを示し
ている。また、加速電圧やドーズ量などのイオン注入条
件を変えることにより、水素分布のピーク位置での水素
濃度や分布状態も変化するため、剥離現象が生じるため
に必要な水素濃度のしきい値である2〜3×1021at
oms/cm3に対する差分も上記の注入条件に依存すること
になり、これに応じて発生する応力Pも変化することに
なる。
【0045】従って、剥離工程において良好な剥離現象
を成立させるためには、単結晶シリコン基板11とベー
ス基板14との接合強度が、当該剥離工程での熱処理に
より剥離現象が生起される際に、イオン注入層13での
内部ガス膨張による応力Pより大きくなるように設定す
ることが必要となってくる。そこで、本実施例では、単
結晶シリコン基板11とベース基板14との接合強度
を、剥離工程での熱処理の実行時においてイオン注入層
13で内部ガス膨張により発生する応力より大きくなる
ように設定している。
を成立させるためには、単結晶シリコン基板11とベー
ス基板14との接合強度が、当該剥離工程での熱処理に
より剥離現象が生起される際に、イオン注入層13での
内部ガス膨張による応力Pより大きくなるように設定す
ることが必要となってくる。そこで、本実施例では、単
結晶シリコン基板11とベース基板14との接合強度
を、剥離工程での熱処理の実行時においてイオン注入層
13で内部ガス膨張により発生する応力より大きくなる
ように設定している。
【0046】具体的には、例えば、剥離工程での熱処理
に先立って、貼り合わせ工程で貼り合わされた単結晶シ
リコン基板11とベース基板14との一体物に対して、
上記のような剥離現象が生じない低温下(例えば、図2
を参照した場合、300℃強〜400℃、望ましくは3
50〜400℃)での熱処理を例えば1時間程度施して
両者間の接合強度を向上させ、この後に上記剥離工程で
剥離現象が生ずる高温(400〜600℃)の熱処理を
行う。このような接合強度の向上のための熱処理が行わ
れた場合、図2で例示した単結晶シリコン基板11及び
ベース基板14の接合に関しては、その接合強度が、4
00〜600℃の温度領域においてイオン注入層13で
の内部ガス膨張による応力Pより大きくなる。尚、この
ような接合強度の向上のための熱処理と剥離工程での熱
処理とは、同一のアニール装置を利用した連続熱処理工
程として行うことができる。また、上記接合強度を向上
させるための熱処理時においては、昇温レートを例えば
1℃/分程度に設定した状態で、400℃未満に設定さ
れた目標温度まで徐々に昇温させるいうような手法も採
用できる。
に先立って、貼り合わせ工程で貼り合わされた単結晶シ
リコン基板11とベース基板14との一体物に対して、
上記のような剥離現象が生じない低温下(例えば、図2
を参照した場合、300℃強〜400℃、望ましくは3
50〜400℃)での熱処理を例えば1時間程度施して
両者間の接合強度を向上させ、この後に上記剥離工程で
剥離現象が生ずる高温(400〜600℃)の熱処理を
行う。このような接合強度の向上のための熱処理が行わ
れた場合、図2で例示した単結晶シリコン基板11及び
ベース基板14の接合に関しては、その接合強度が、4
00〜600℃の温度領域においてイオン注入層13で
の内部ガス膨張による応力Pより大きくなる。尚、この
ような接合強度の向上のための熱処理と剥離工程での熱
処理とは、同一のアニール装置を利用した連続熱処理工
程として行うことができる。また、上記接合強度を向上
させるための熱処理時においては、昇温レートを例えば
1℃/分程度に設定した状態で、400℃未満に設定さ
れた目標温度まで徐々に昇温させるいうような手法も採
用できる。
【0047】但し、接合強度の向上のための上記熱処理
工程は必ずしも必要ではなく、貼り合わせ面の条件の如
何などによっては、単結晶シリコン基板11とベース基
板14との接合強度が、剥離工程での熱処理の実行時に
おいてイオン注入層13で内部ガス膨張により発生する
応力より大きくなる場合があるから、このような場合に
は当該熱処理は不要となるものである。
工程は必ずしも必要ではなく、貼り合わせ面の条件の如
何などによっては、単結晶シリコン基板11とベース基
板14との接合強度が、剥離工程での熱処理の実行時に
おいてイオン注入層13で内部ガス膨張により発生する
応力より大きくなる場合があるから、このような場合に
は当該熱処理は不要となるものである。
【0048】一方、上述した剥離工程によって単結晶シ
リコン基板11から単結晶シリコン薄膜11bを剥離し
た後には、具体的に図示しないが、引き続いて熱処理工
程を実行する。この熱処理工程では、剥離工程での熱処
理温度より高温(好ましくは1000℃〜1200℃程
度)以上の熱処理を施すことにより、ベース基板14側
の絶縁膜15(埋込酸化膜)と単結晶シリコン薄膜11
bとの貼り合わせ面の接合強度を強化する。
リコン基板11から単結晶シリコン薄膜11bを剥離し
た後には、具体的に図示しないが、引き続いて熱処理工
程を実行する。この熱処理工程では、剥離工程での熱処
理温度より高温(好ましくは1000℃〜1200℃程
度)以上の熱処理を施すことにより、ベース基板14側
の絶縁膜15(埋込酸化膜)と単結晶シリコン薄膜11
bとの貼り合わせ面の接合強度を強化する。
【0049】尚、上記のような剥離工程及び熱処理工程
での熱処理は、一般的な電気炉アニール装置を用いて行
うことができるが、本実施例では、ランプアニール装置
或いはレーザ照射アニール装置などのような昇温レート
が高いアニール装置を利用して、処理時間が数十秒〜数
分程度の短時間アニールを行う構成としている。このこ
とは、欠陥層領域部分での剥離現象が瞬間的に生じるた
め可能となる。
での熱処理は、一般的な電気炉アニール装置を用いて行
うことができるが、本実施例では、ランプアニール装置
或いはレーザ照射アニール装置などのような昇温レート
が高いアニール装置を利用して、処理時間が数十秒〜数
分程度の短時間アニールを行う構成としている。このこ
とは、欠陥層領域部分での剥離現象が瞬間的に生じるた
め可能となる。
【0050】また、上記のような単結晶シリコン薄膜1
1bの剥離面には、イオン注入に伴い形成された欠陥層
が残存すると共に、数nm〜数十nm程度の微小段差が
生ずるものである。このため、本実施例では、上記剥離
面を機械研磨することによって、単結晶シリコン薄膜1
1b上の欠陥層及び微小段差を除去するという平坦化工
程(図1(i)参照)を実行する構成としている。この
ような平坦化工程の実行に応じて、最終的に、図1
(i)に示すようなSOI基板16(本発明でいう半導
体基板に相当)、つまりベース基板14上に絶縁膜15
を介して素子形成用の単結晶シリコン薄膜11bを設け
た形態のSOI基板16を完成させるようにしている。
但し、上記平坦化工程は必要に応じえ行えば良いもので
ある。
1bの剥離面には、イオン注入に伴い形成された欠陥層
が残存すると共に、数nm〜数十nm程度の微小段差が
生ずるものである。このため、本実施例では、上記剥離
面を機械研磨することによって、単結晶シリコン薄膜1
1b上の欠陥層及び微小段差を除去するという平坦化工
程(図1(i)参照)を実行する構成としている。この
ような平坦化工程の実行に応じて、最終的に、図1
(i)に示すようなSOI基板16(本発明でいう半導
体基板に相当)、つまりベース基板14上に絶縁膜15
を介して素子形成用の単結晶シリコン薄膜11bを設け
た形態のSOI基板16を完成させるようにしている。
但し、上記平坦化工程は必要に応じえ行えば良いもので
ある。
【0051】一方、剥離工程を経て単結晶シリコン薄膜
11b部分が剥離された単結晶シリコン基板11は、こ
れを再び他のSOI基板16の製造に供するようにして
いる。このため、図1(j)及び(k)に示すように、
単結晶シリコン基板11の剥離面を機械研磨するという
再生用の平坦化工程を実行することによって、その剥離
面に残存する欠陥層及び微小段差を除去し、斯様な単結
晶シリコン基板11を利用して前述した保護膜形成工程
(図1(a)参照)以降の工程を行う構成としている。
11b部分が剥離された単結晶シリコン基板11は、こ
れを再び他のSOI基板16の製造に供するようにして
いる。このため、図1(j)及び(k)に示すように、
単結晶シリコン基板11の剥離面を機械研磨するという
再生用の平坦化工程を実行することによって、その剥離
面に残存する欠陥層及び微小段差を除去し、斯様な単結
晶シリコン基板11を利用して前述した保護膜形成工程
(図1(a)参照)以降の工程を行う構成としている。
【0052】上記した本実施例によれば、単結晶シリコ
ン基板11とベース基板14とを貼り合わせるための貼
り合わせ工程が行われる前に、保護膜除去工程におい
て、当該単結晶シリコン基板11上の汚染保護膜12が
除去されることになるから、イオン注入工程の実行に伴
い、当該汚染保護膜12の平坦性が損なわれたり、或い
は汚染保護膜12の表面付近に汚染物が偏析した状態で
残存するような状況に陥った場合であっても、単結晶シ
リコン基板11及びベース基板14間の貼り合わせ状態
を、その貼り合わせ領域の全体で均一な状態にすること
ができるようになる。
ン基板11とベース基板14とを貼り合わせるための貼
り合わせ工程が行われる前に、保護膜除去工程におい
て、当該単結晶シリコン基板11上の汚染保護膜12が
除去されることになるから、イオン注入工程の実行に伴
い、当該汚染保護膜12の平坦性が損なわれたり、或い
は汚染保護膜12の表面付近に汚染物が偏析した状態で
残存するような状況に陥った場合であっても、単結晶シ
リコン基板11及びベース基板14間の貼り合わせ状態
を、その貼り合わせ領域の全体で均一な状態にすること
ができるようになる。
【0053】この結果、剥離工程の実行時において、単
結晶シリコン基板11から単結晶シリコン薄膜11bが
剥離する現象が、イオン注入層13により形成される欠
陥層領域部分の全体で均一に進行するようになるため、
従来のように、本来はベース基板14上の単結晶シリコ
ン薄膜11bとなるべき単結晶シリコン基板11側の剥
離想定領域が、当該シリコン基板11側に部分的に残置
されたままになる現象(図9参照)が発生することがな
くなる。このため、製造対象のSOI基板16の品質を
高めることができると共に、歩留まりが向上するように
なる。
結晶シリコン基板11から単結晶シリコン薄膜11bが
剥離する現象が、イオン注入層13により形成される欠
陥層領域部分の全体で均一に進行するようになるため、
従来のように、本来はベース基板14上の単結晶シリコ
ン薄膜11bとなるべき単結晶シリコン基板11側の剥
離想定領域が、当該シリコン基板11側に部分的に残置
されたままになる現象(図9参照)が発生することがな
くなる。このため、製造対象のSOI基板16の品質を
高めることができると共に、歩留まりが向上するように
なる。
【0054】また、本実施例では、上記貼り合わせ工程
の前に実行される親水化処理工程において、前記単結晶
シリコン基板11のイオン注入側の表面、並びに前記ベ
ース基板14側の絶縁膜15の表面に自然酸化膜11a
及び14aがそれぞれ形成されることになる。このた
め、その後に貼り合わせ工程、剥離工程及び熱処理工程
を経て製造されたSOI基板16にあっては、単結晶シ
リコン薄膜11bと絶縁膜15とが、非常に小さい膜厚
(例えば分子膜レベル)の自然酸化膜11a及び14a
を介して接合された状態となるから、それら単結晶シリ
コン薄膜11b及び絶縁膜15間の接合強度が大きくな
って、そのSOI基板16の信頼性が向上するようにな
る。
の前に実行される親水化処理工程において、前記単結晶
シリコン基板11のイオン注入側の表面、並びに前記ベ
ース基板14側の絶縁膜15の表面に自然酸化膜11a
及び14aがそれぞれ形成されることになる。このた
め、その後に貼り合わせ工程、剥離工程及び熱処理工程
を経て製造されたSOI基板16にあっては、単結晶シ
リコン薄膜11bと絶縁膜15とが、非常に小さい膜厚
(例えば分子膜レベル)の自然酸化膜11a及び14a
を介して接合された状態となるから、それら単結晶シリ
コン薄膜11b及び絶縁膜15間の接合強度が大きくな
って、そのSOI基板16の信頼性が向上するようにな
る。
【0055】さらに、本実施例では、単結晶シリコン基
板11とベース基板14との接合強度が、剥離工程での
熱処理の実行時においてイオン注入層13で内部ガス膨
張により発生する応力より大きくなるように設定したか
ら、当該剥離工程において良好な剥離現象を期待できる
ようになる。
板11とベース基板14との接合強度が、剥離工程での
熱処理の実行時においてイオン注入層13で内部ガス膨
張により発生する応力より大きくなるように設定したか
ら、当該剥離工程において良好な剥離現象を期待できる
ようになる。
【0056】また、本実施例によれば、剥離工程の実行
後において、その剥離工程での熱処理温度(400〜6
00℃程度)より高温(好ましくは1000℃〜120
0℃程度)の熱処理を行うことにより、単結晶シリコン
薄膜11b及び絶縁膜15間の貼り合わせ面の接合強度
が増大するようにしているから、最終的に得られるSO
I基板16における単結晶シリコン薄膜11b及び絶縁
膜15間の接合強度が大きくなって、その信頼性のさら
なる向上を図り得るようになる。
後において、その剥離工程での熱処理温度(400〜6
00℃程度)より高温(好ましくは1000℃〜120
0℃程度)の熱処理を行うことにより、単結晶シリコン
薄膜11b及び絶縁膜15間の貼り合わせ面の接合強度
が増大するようにしているから、最終的に得られるSO
I基板16における単結晶シリコン薄膜11b及び絶縁
膜15間の接合強度が大きくなって、その信頼性のさら
なる向上を図り得るようになる。
【0057】さらに、剥離工程及び熱処理工程での各熱
処理時に、ランプアニール装置或いはレーザ照射アニー
ル装置などの昇温レートが高いアニール装置を利用する
構成としたから、それらの熱処理時におけるスループッ
トを向上させ得るという利点がある。
処理時に、ランプアニール装置或いはレーザ照射アニー
ル装置などの昇温レートが高いアニール装置を利用する
構成としたから、それらの熱処理時におけるスループッ
トを向上させ得るという利点がある。
【0058】本実施例では、SOI基板16を製造する
に際して、単結晶シリコン基板11は、単結晶シリコン
薄膜11bの品質を確保するために、不純物濃度が一定
値に管理された製品ウェハを用いることが望ましいのに
対して、ベース基板14は、絶縁膜15を介して単結晶
シリコン薄膜11bを保持する機能を果すだけで十分で
あるから、不純物濃度を特に管理していないダミーウェ
ハを用いることができる。
に際して、単結晶シリコン基板11は、単結晶シリコン
薄膜11bの品質を確保するために、不純物濃度が一定
値に管理された製品ウェハを用いることが望ましいのに
対して、ベース基板14は、絶縁膜15を介して単結晶
シリコン薄膜11bを保持する機能を果すだけで十分で
あるから、不純物濃度を特に管理していないダミーウェ
ハを用いることができる。
【0059】従って、ベース基板14としては安価なも
のを用いることができ、さらに、剥離工程を経て単結晶
シリコン薄膜11b部分が剥離された単結晶シリコン基
板11については、再生用の平坦化工程を行うことで他
のSOI基板16を製造する際に再利用できて資源の有
効活用を図り得るものであり、総じて製造コストの低減
を図ることができるようになる。
のを用いることができ、さらに、剥離工程を経て単結晶
シリコン薄膜11b部分が剥離された単結晶シリコン基
板11については、再生用の平坦化工程を行うことで他
のSOI基板16を製造する際に再利用できて資源の有
効活用を図り得るものであり、総じて製造コストの低減
を図ることができるようになる。
【0060】(第2の実施の形態)図4には本発明の第
2実施例が示されており、以下これについて前記第1実
施例と異なる部分についてのみ説明する。尚、図4は、
前記図1と同様にSOI基板の製造工程を摸式的な断面
図により示したものである。即ち、本実施例において
は、図4(a)に示す保護膜形成工程、同図(b)に示
すイオン注入工程を、第1実施例における保護膜形成工
程(図1(a)参照)、イオン注入工程(図1(b)参
照)と同様に行う。
2実施例が示されており、以下これについて前記第1実
施例と異なる部分についてのみ説明する。尚、図4は、
前記図1と同様にSOI基板の製造工程を摸式的な断面
図により示したものである。即ち、本実施例において
は、図4(a)に示す保護膜形成工程、同図(b)に示
すイオン注入工程を、第1実施例における保護膜形成工
程(図1(a)参照)、イオン注入工程(図1(b)参
照)と同様に行う。
【0061】図4(c)に示す保護膜除去工程では、単
結晶シリコン基板11上の汚染保護膜12の上面部分の
みを除去することで、イオン注入工程により汚染保護膜
12の表面付近に偏析した状態で残存する汚染物を排除
し、尚且つ単結晶シリコン基板11上に汚染保護膜1
2′を残存させる。このような保護膜除去工程において
は、フッ酸水溶液などによる化学的なエッチングを用い
ることが一般的であるが、本実施例では、例えば、フッ
酸水溶液(HF:H2 O=1:50)による化学エッチ
ング(1分間処理)を行った後に、その処理面に対し、
化学的機械研磨を施すことにより、その平坦性を高める
ようにしている。具体的には、Ra(中心線平均表面粗
さ)=0.3nm程度となるようにしている。
結晶シリコン基板11上の汚染保護膜12の上面部分の
みを除去することで、イオン注入工程により汚染保護膜
12の表面付近に偏析した状態で残存する汚染物を排除
し、尚且つ単結晶シリコン基板11上に汚染保護膜1
2′を残存させる。このような保護膜除去工程において
は、フッ酸水溶液などによる化学的なエッチングを用い
ることが一般的であるが、本実施例では、例えば、フッ
酸水溶液(HF:H2 O=1:50)による化学エッチ
ング(1分間処理)を行った後に、その処理面に対し、
化学的機械研磨を施すことにより、その平坦性を高める
ようにしている。具体的には、Ra(中心線平均表面粗
さ)=0.3nm程度となるようにしている。
【0062】また、図4(d)に示す絶縁膜形成工程を
第1実施例における絶縁膜形成工程(図1(d)参照)
と同様に行い、図4(e)、(f)に示す親水化処理工
程では、単結晶シリコン基板11に残った汚染保護膜1
2′の表面、並びにベース基板14側の絶縁膜15の表
面に、第1実施例と同様の親水化処理を施して自然酸化
膜11a及び14aを形成する。
第1実施例における絶縁膜形成工程(図1(d)参照)
と同様に行い、図4(e)、(f)に示す親水化処理工
程では、単結晶シリコン基板11に残った汚染保護膜1
2′の表面、並びにベース基板14側の絶縁膜15の表
面に、第1実施例と同様の親水化処理を施して自然酸化
膜11a及び14aを形成する。
【0063】この後には、図4(g)に示す貼り合わせ
工程、同図(h)に示す剥離工程を、第1実施例におけ
る貼り合わせ工程(図1(g)参照)、剥離工程(図1
(h)参照)と同様に行うと共に、第1実施例と同様の
熱処理工程を行う。尚、上記のような剥離工程を実行す
るのに先立って、単結晶シリコン基板11とベース基板
14との接合強度を高めるための熱処理を行うことも第
1実施例と同様である。さらに、図4(i)に示す平坦
化工程を、第1実施例における平坦化工程(図1(i)
参照)と同様に行うことにより、ベース基板14上に絶
縁膜15を介して素子形成用の単結晶シリコン薄膜11
bを設けた形態のSOI基板16′(本発明でいう半導
体基板に相当)を完成させるようにしている。また、本
実施例においても、単結晶シリコン基板11の再利用を
図るために、図4(j)及び(k)に示すような平坦化
工程を第1実施例と同様に実行する構成としている。
工程、同図(h)に示す剥離工程を、第1実施例におけ
る貼り合わせ工程(図1(g)参照)、剥離工程(図1
(h)参照)と同様に行うと共に、第1実施例と同様の
熱処理工程を行う。尚、上記のような剥離工程を実行す
るのに先立って、単結晶シリコン基板11とベース基板
14との接合強度を高めるための熱処理を行うことも第
1実施例と同様である。さらに、図4(i)に示す平坦
化工程を、第1実施例における平坦化工程(図1(i)
参照)と同様に行うことにより、ベース基板14上に絶
縁膜15を介して素子形成用の単結晶シリコン薄膜11
bを設けた形態のSOI基板16′(本発明でいう半導
体基板に相当)を完成させるようにしている。また、本
実施例においても、単結晶シリコン基板11の再利用を
図るために、図4(j)及び(k)に示すような平坦化
工程を第1実施例と同様に実行する構成としている。
【0064】このような第2実施例によれば、貼り合わ
せ工程が行われる前に、保護膜除去工程において当該単
結晶シリコン基板11上の汚染保護膜12の上面部分が
除去されて、単結晶シリコン基板11上に残った汚染保
護膜12′の平坦性が確保されると共に、その表面付近
に偏析した状態で残存する汚染物が排除されることにな
るから、単結晶シリコン基板11及びベース基板14間
の貼り合わせ状態を、その貼り合わせ領域の全体で均一
な状態にすることができ、この結果、製造対象のSOI
基板16の品質並びに歩留まりが向上するようになる。
また、第1実施例と同様に、熱処理工程の実行に応じて
単結晶シリコン薄膜11b(実際には汚染保護膜1
2′)及び絶縁膜15間の接合強度を大きくできるよう
になる。
せ工程が行われる前に、保護膜除去工程において当該単
結晶シリコン基板11上の汚染保護膜12の上面部分が
除去されて、単結晶シリコン基板11上に残った汚染保
護膜12′の平坦性が確保されると共に、その表面付近
に偏析した状態で残存する汚染物が排除されることにな
るから、単結晶シリコン基板11及びベース基板14間
の貼り合わせ状態を、その貼り合わせ領域の全体で均一
な状態にすることができ、この結果、製造対象のSOI
基板16の品質並びに歩留まりが向上するようになる。
また、第1実施例と同様に、熱処理工程の実行に応じて
単結晶シリコン薄膜11b(実際には汚染保護膜1
2′)及び絶縁膜15間の接合強度を大きくできるよう
になる。
【0065】また、この第2実施例では、保護膜除去工
程(図4(c)参照)において、フッ酸水溶液による化
学エッチングを行った後に、その処理面に対し化学的機
械研磨を施して平坦性を高めるようにしているが、この
ような平坦化処理を行う理由は、次に述べる通りであ
る。
程(図4(c)参照)において、フッ酸水溶液による化
学エッチングを行った後に、その処理面に対し化学的機
械研磨を施して平坦性を高めるようにしているが、この
ような平坦化処理を行う理由は、次に述べる通りであ
る。
【0066】即ち、保護膜除去工程において、単結晶シ
リコン基板11上の汚染保護膜12に対して、フッ酸水
溶液(HF:H2 O=1:50)による化学エッチング
(1分間処理)のみを施した後に、親水化処理工程にお
いて、例えば、90℃に保温された(H2 SO4 :H2
O2 =4:1)混合溶液による洗浄(20分間)並びに
純水による流水洗浄(20分間)を行って自然酸化膜1
1aを形成し、この後にベース基板14と貼り合わせる
貼り合わせ工程を行った場合、図5に示すように、単結
晶シリコン基板11及びベース基板14の接合強度が、
比較的小さくなるという現象が発生する場合がある。具
体的には、図5の例では、上記接合強度が、剥離工程で
行われる400〜600℃程度での熱処理時において生
ずる内部ガス膨張による応力、つまり、約300(kgf/
cm2)以上の応力より大幅に小さくなった接合不良状態
が示されている。
リコン基板11上の汚染保護膜12に対して、フッ酸水
溶液(HF:H2 O=1:50)による化学エッチング
(1分間処理)のみを施した後に、親水化処理工程にお
いて、例えば、90℃に保温された(H2 SO4 :H2
O2 =4:1)混合溶液による洗浄(20分間)並びに
純水による流水洗浄(20分間)を行って自然酸化膜1
1aを形成し、この後にベース基板14と貼り合わせる
貼り合わせ工程を行った場合、図5に示すように、単結
晶シリコン基板11及びベース基板14の接合強度が、
比較的小さくなるという現象が発生する場合がある。具
体的には、図5の例では、上記接合強度が、剥離工程で
行われる400〜600℃程度での熱処理時において生
ずる内部ガス膨張による応力、つまり、約300(kgf/
cm2)以上の応力より大幅に小さくなった接合不良状態
が示されている。
【0067】このような接合不良が発生する現象は、汚
染保護膜12表面の平坦性が、フッ酸水溶液による化学
エッチング処理の前後で悪化しているためと考えられ
る。具体的には、上記化学エッチング処理の前後におけ
るRa(中心線平均表面粗さ)を500nm□の領域で
AFM(原子間力顕微鏡)により測定したところ、Ra
=0.3nmであったものがRa=0.6nm程度に悪
化していることが判明した。また、上記化学エッチング
後における親水化処理では平坦性の悪化を見受けられな
いことも判明している。つまり、水素イオン注入により
汚染保護膜12の表面近傍がダメージを受けているた
め、フッ酸水溶液による化学エッチング処理時において
不均一なエッチングが進行する現象が発生し、このよう
な現象が平坦性を悪化させていると考えられる。そこ
で、本実施例では、保護膜除去工程において、化学エッ
チングを行った後に、その処理面に対し化学的機械研磨
を施すことにより、平坦性をRa=0.3nm程度まで
高めるようにしている。このような保護膜除去工程が実
行される結果、その後の貼り合わせ工程において、単結
晶シリコン基板11及びベース基板14の接合強度を十
分に高め得るようになり、以てその後の剥離工程におい
て安定した剥離現象が得られることになる。
染保護膜12表面の平坦性が、フッ酸水溶液による化学
エッチング処理の前後で悪化しているためと考えられ
る。具体的には、上記化学エッチング処理の前後におけ
るRa(中心線平均表面粗さ)を500nm□の領域で
AFM(原子間力顕微鏡)により測定したところ、Ra
=0.3nmであったものがRa=0.6nm程度に悪
化していることが判明した。また、上記化学エッチング
後における親水化処理では平坦性の悪化を見受けられな
いことも判明している。つまり、水素イオン注入により
汚染保護膜12の表面近傍がダメージを受けているた
め、フッ酸水溶液による化学エッチング処理時において
不均一なエッチングが進行する現象が発生し、このよう
な現象が平坦性を悪化させていると考えられる。そこ
で、本実施例では、保護膜除去工程において、化学エッ
チングを行った後に、その処理面に対し化学的機械研磨
を施すことにより、平坦性をRa=0.3nm程度まで
高めるようにしている。このような保護膜除去工程が実
行される結果、その後の貼り合わせ工程において、単結
晶シリコン基板11及びベース基板14の接合強度を十
分に高め得るようになり、以てその後の剥離工程におい
て安定した剥離現象が得られることになる。
【0068】尚、イオン注入工程の実行に伴う重金属を
中心とした汚染が、汚染保護膜12の最表面における狭
い範囲に偏析している場合には、上記のような保護膜除
去工程を実行しなくても、その後の親水化処理工程(H
2 SO4 =4:1、90〜120℃、20分間処理:純
粋による流水洗浄20分間)のみで汚染部分の除去が可
能になり、しかも、この場合には、汚染部分が除去され
た後の汚染保護膜12表面の平坦性もほとんど悪化しな
い(Ra=0.35nm程度)という事情がある。この
ような平坦性が得られる場合には、単結晶シリコン基板
11及びベース基板14の接合強度を十分に高め得るよ
うになって、その後の剥離工程において安定した剥離現
象が得られることになる。従って、汚染保護膜12の表
面状態の如何によっては、前記親水化処理工程による化
学エッチング機能によって保護膜除去工程を兼ねる構成
とすることもできる。
中心とした汚染が、汚染保護膜12の最表面における狭
い範囲に偏析している場合には、上記のような保護膜除
去工程を実行しなくても、その後の親水化処理工程(H
2 SO4 =4:1、90〜120℃、20分間処理:純
粋による流水洗浄20分間)のみで汚染部分の除去が可
能になり、しかも、この場合には、汚染部分が除去され
た後の汚染保護膜12表面の平坦性もほとんど悪化しな
い(Ra=0.35nm程度)という事情がある。この
ような平坦性が得られる場合には、単結晶シリコン基板
11及びベース基板14の接合強度を十分に高め得るよ
うになって、その後の剥離工程において安定した剥離現
象が得られることになる。従って、汚染保護膜12の表
面状態の如何によっては、前記親水化処理工程による化
学エッチング機能によって保護膜除去工程を兼ねる構成
とすることもできる。
【0069】(第3の実施の形態)図6には本発明の第
3実施例が示されており、以下これについて第1実施例
と異なる部分についてのみ説明する。即ち、第1実施例
では、剥離工程及び熱処理工程の実行後において行われ
る平坦化工程(図1(i)参照)において、単結晶シリ
コン薄膜11b上の欠陥層及び微小段差を機械研磨によ
り除去するようにしたが、本実施例では、それら欠陥層
及び微小段差をエッチングにより除去する平坦化工程を
実行する点に特徴を有する。
3実施例が示されており、以下これについて第1実施例
と異なる部分についてのみ説明する。即ち、第1実施例
では、剥離工程及び熱処理工程の実行後において行われ
る平坦化工程(図1(i)参照)において、単結晶シリ
コン薄膜11b上の欠陥層及び微小段差を機械研磨によ
り除去するようにしたが、本実施例では、それら欠陥層
及び微小段差をエッチングにより除去する平坦化工程を
実行する点に特徴を有する。
【0070】具体的には、本実施例では、まず、単結晶
シリコン薄膜11b及び絶縁膜15間の貼り合わせ面の
接合強度を増大させるための熱処理工程(図6(a)参
照)において、単結晶シリコン薄膜11bの表面に、熱
酸化または窒化処理を行うことにより、シリコン酸化物
(半導体酸化物)またはシリコン窒化物(半導体窒化
物)を成膜して成る被覆膜17を予め形成しておく(図
6(b)参照)。このような被覆膜17の形成に伴い、
単結晶シリコン薄膜11bの表面(剥離面)に存する欠
陥層及び表面段差が当該被覆膜17中に取り込まれた状
態となる。
シリコン薄膜11b及び絶縁膜15間の貼り合わせ面の
接合強度を増大させるための熱処理工程(図6(a)参
照)において、単結晶シリコン薄膜11bの表面に、熱
酸化または窒化処理を行うことにより、シリコン酸化物
(半導体酸化物)またはシリコン窒化物(半導体窒化
物)を成膜して成る被覆膜17を予め形成しておく(図
6(b)参照)。このような被覆膜17の形成に伴い、
単結晶シリコン薄膜11bの表面(剥離面)に存する欠
陥層及び表面段差が当該被覆膜17中に取り込まれた状
態となる。
【0071】この後に、上記被覆膜17を化学的エッチ
ングまたはドライエッチングによって除去するという平
坦化工程を行うことにより、単結晶シリコン薄膜11b
表面の欠陥層及び表面段差を除去し、以てその表面を平
坦化する(図6(c)参照)。さらに、この後におい
て、必要に応じて上記のような被覆膜17の形成処理及
びエッチング処理を1回以上行うものであり、これによ
り、単結晶シリコン薄膜11bの表面の平坦度を大幅に
高めることができる。また、エッチング処理後に化学的
機械的研磨(CMP)を施すようにしても良く、この場
合には必要となる研磨厚を小さくできる。尚、このよう
な平坦化工程を、前記第2実施例においても行う構成と
しても良い。
ングまたはドライエッチングによって除去するという平
坦化工程を行うことにより、単結晶シリコン薄膜11b
表面の欠陥層及び表面段差を除去し、以てその表面を平
坦化する(図6(c)参照)。さらに、この後におい
て、必要に応じて上記のような被覆膜17の形成処理及
びエッチング処理を1回以上行うものであり、これによ
り、単結晶シリコン薄膜11bの表面の平坦度を大幅に
高めることができる。また、エッチング処理後に化学的
機械的研磨(CMP)を施すようにしても良く、この場
合には必要となる研磨厚を小さくできる。尚、このよう
な平坦化工程を、前記第2実施例においても行う構成と
しても良い。
【0072】(第4の実施の形態)図7には本発明の第
4実施例が示されており、以下これについて第1実施例
と異なる部分についてのみ説明する。即ち、第1実施例
では、単結晶シリコン基板11を再生利用するための平
坦化工程(図1(j)、(k)参照)において、単結晶
シリコン基板11上の欠陥層及び微小段差を機械研磨に
より除去するようにしたが、本実施例では、それら欠陥
層及び微小段差をエッチングにより除去する平坦化工程
を実行する点に特徴を有する。
4実施例が示されており、以下これについて第1実施例
と異なる部分についてのみ説明する。即ち、第1実施例
では、単結晶シリコン基板11を再生利用するための平
坦化工程(図1(j)、(k)参照)において、単結晶
シリコン基板11上の欠陥層及び微小段差を機械研磨に
より除去するようにしたが、本実施例では、それら欠陥
層及び微小段差をエッチングにより除去する平坦化工程
を実行する点に特徴を有する。
【0073】具体的には、本実施例では、まず、剥離工
程が済んだ図7(a)に示すような単結晶シリコン基板
11に対して、熱酸化または窒化処理を行うことによ
り、シリコン酸化物(半導体酸化物)またはシリコン窒
化物(半導体窒化物)を成膜して成る被覆膜18を予め
形成する(図7(b)参照)。このような被覆膜18の
形成に伴い、単結晶シリコン基板11の表面(剥離面)
に存する欠陥層及び表面段差が当該被覆膜18中に取り
込まれた状態となる。
程が済んだ図7(a)に示すような単結晶シリコン基板
11に対して、熱酸化または窒化処理を行うことによ
り、シリコン酸化物(半導体酸化物)またはシリコン窒
化物(半導体窒化物)を成膜して成る被覆膜18を予め
形成する(図7(b)参照)。このような被覆膜18の
形成に伴い、単結晶シリコン基板11の表面(剥離面)
に存する欠陥層及び表面段差が当該被覆膜18中に取り
込まれた状態となる。
【0074】この後に、上記被覆膜18を化学的エッチ
ングまたはドライエッチングによって除去するという平
坦化工程を行うことにより、単結晶シリコン基板11表
面の欠陥層及び表面段差を除去し、以てその表面を平坦
化する(図7(c)参照)。さらに、この後において、
必要に応じて上記のような被覆膜17の形成処理及びエ
ッチング処理を1回以上行ったり、化学的機械的研磨
(CMP)を施すようにしても良い。
ングまたはドライエッチングによって除去するという平
坦化工程を行うことにより、単結晶シリコン基板11表
面の欠陥層及び表面段差を除去し、以てその表面を平坦
化する(図7(c)参照)。さらに、この後において、
必要に応じて上記のような被覆膜17の形成処理及びエ
ッチング処理を1回以上行ったり、化学的機械的研磨
(CMP)を施すようにしても良い。
【0075】(その他の実施の形態)本発明は、上記し
た各実施例にのみ限定されるものではなく、次のような
変形また拡張が可能である。半導体基板材料としては、
単結晶シリコン基板に限らず、4族元素を主体とした半
導体であれば、例えば、Ge(ゲルマニウム)、SiC
(炭化シリコン)、SiGe(シリコンゲルマニウム)
あるいはダイヤモンドなどの基板を用いることができ、
また、多結晶シリコン基板を用いても良い。
た各実施例にのみ限定されるものではなく、次のような
変形また拡張が可能である。半導体基板材料としては、
単結晶シリコン基板に限らず、4族元素を主体とした半
導体であれば、例えば、Ge(ゲルマニウム)、SiC
(炭化シリコン)、SiGe(シリコンゲルマニウム)
あるいはダイヤモンドなどの基板を用いることができ、
また、多結晶シリコン基板を用いても良い。
【0076】ベース基板14としては、単結晶シリコン
基板に限らず、他の半導体基板或いは絶縁性を有するセ
ラミック基板やガラス基板などを用いることもできる。
この場合、ベース基板そのものが絶縁性を有するもので
あれば、ベース基板上に絶縁膜15を別途に形成する工
程を行う必要がなくなる。
基板に限らず、他の半導体基板或いは絶縁性を有するセ
ラミック基板やガラス基板などを用いることもできる。
この場合、ベース基板そのものが絶縁性を有するもので
あれば、ベース基板上に絶縁膜15を別途に形成する工
程を行う必要がなくなる。
【0077】親水化処理工程では、硫酸と過酸化水素水
との混合溶液による洗浄及び純水による流水洗浄を順次
行うことにより、自然酸化膜を形成する構成としたが、
例えば、親水化対象面(第1実施例の場合は、単結晶シ
リコン基板11のイオン注入側の表面並びにベース基板
14側の絶縁膜15の表面、第2実施例の場合は、汚染
保護膜12′の表面並びにベース基板14側の絶縁膜1
5の表面)にフッ酸処理を施した後に、純水による流水
洗浄を行うことにより、その親水化対象面に水酸基を付
着させる処理を行う構成としても良い。また、剥離工程
及び熱処理工程による熱処理を、一連のアニール処理と
して実行する構成としても良い。
との混合溶液による洗浄及び純水による流水洗浄を順次
行うことにより、自然酸化膜を形成する構成としたが、
例えば、親水化対象面(第1実施例の場合は、単結晶シ
リコン基板11のイオン注入側の表面並びにベース基板
14側の絶縁膜15の表面、第2実施例の場合は、汚染
保護膜12′の表面並びにベース基板14側の絶縁膜1
5の表面)にフッ酸処理を施した後に、純水による流水
洗浄を行うことにより、その親水化対象面に水酸基を付
着させる処理を行う構成としても良い。また、剥離工程
及び熱処理工程による熱処理を、一連のアニール処理と
して実行する構成としても良い。
【図1】本発明の第1実施例による製造工程の全体の流
れを模式的に示す縦断面図
れを模式的に示す縦断面図
【図2】熱処理温度と基板間の接合強度並びに基板内で
の水素ガス膨張による応力との関係を示す特性図
の水素ガス膨張による応力との関係を示す特性図
【図3】水素イオンの注入深さと水素濃度との関係を示
す特性図
す特性図
【図4】本発明の第2実施例による製造工程の全体の流
れを模式的に示す縦断面図
れを模式的に示す縦断面図
【図5】熱処理温度と基板間の接合強度並びに基板内で
の水素ガス膨張による応力との関係を示す特性図
の水素ガス膨張による応力との関係を示す特性図
【図6】本発明の第3実施例による製造工程の要部を模
式的に示す縦断面図
式的に示す縦断面図
【図7】本発明の第4実施例による製造工程の要部を模
式的に示す縦断面図
式的に示す縦断面図
【図8】従来の製造工程例を模式的に示す縦断面図
【図9】同製造工程において発生する現象を説明するた
めの模式的縦断面図
めの模式的縦断面図
11は単結晶シリコン基板(半導体基板材料)、11a
は自然酸化膜、11bは単結晶シリコン薄膜(半導体
層)、12は汚染保護膜、13はイオン注入層、14は
ベース基板、14aは自然酸化膜、15は絶縁膜、1
6、16′はSOI基板(半導体基板)、17は被覆膜
を示す。
は自然酸化膜、11bは単結晶シリコン薄膜(半導体
層)、12は汚染保護膜、13はイオン注入層、14は
ベース基板、14aは自然酸化膜、15は絶縁膜、1
6、16′はSOI基板(半導体基板)、17は被覆膜
を示す。
Claims (22)
- 【請求項1】 ベース基板(14)上に、当該ベース基
板(14)と電気的に絶縁した状態で素子形成用の半導
体層(11b)を設けて成る半導体基板(16)であっ
て、 前記ベース基板(14)上に、所定深さにイオン注入層
(13)が形成された半導体基板材料(11)のイオン
注入側の面を貼り合わせ、この貼り合わせ状態で熱処理
を行うことにより、前記半導体基板材料(11)を前記
イオン注入層(13)により形成される欠陥層領域部分
で剥離して前記半導体層(11b)を形成するようにし
た半導体基板(16)において、 前記半導体層(11b)と前記ベース基板(14)と
が、直接または自然酸化膜(11a、14a)を介して
接合されていることを特徴とする半導体基板。 - 【請求項2】 前記ベース基板(14)は、半導体材料
により形成され、その上面に絶縁膜(15)が形成され
ていることを特徴とする請求項1記載の半導体基板。 - 【請求項3】 ベース基板(14)上に、当該ベース基
板(14)と電気的に絶縁した状態で素子形成用の半導
体層(11b)を設けて成る半導体基板(16)の製造
方法において、 前記ベース基板(14)とは別途に用意した半導体基板
材料(11)上に汚染保護膜(12)を形成する保護膜
形成工程と、 前記半導体基板材料(11)に対し前記汚染保護膜(1
2)側からイオン注入を行ってイオン注入層(13)を
形成するイオン注入工程と、 このイオン注入後に前記半導体基板材料(11)上の汚
染保護膜(12)を除去する保護膜除去工程と、 前記半導体基板材料(11)のイオン注入側の表面、並
びに前記ベース基板(14)の表面に親水化処理を施す
親水化処理工程と、 前記半導体基板材料(11)及びベース基板(14)を
前記親水化処理面で貼り合わせる貼り合わせ工程と、 熱処理を行うことによって前記半導体基板材料(11)
を前記イオン注入層(13)により形成される欠陥層領
域部分で剥離して前記半導体層(11b)を形成する剥
離工程とを実行することを特徴とする半導体基板の製造
方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の半導体基板の製造方法に
おいて、 前記半導体基板材料(11)とベース基板(14)との
接合強度が、前記剥離工程での熱処理により剥離現象が
生起される際に前記イオン注入層(13)で生ずる内部
ガス膨張による応力より大きくなるように構成されるこ
とを特徴とする半導体基板の製造方法。 - 【請求項5】 請求項3または4記載の半導体基板の製
造方法において、 前記剥離工程での熱処理に先立って、前記貼り合わせ工
程で貼り合わされた前記半導体基板材料(11)とベー
ス基板(14)との一体物に対して、前記剥離現象が生
じない低温下で熱処理を施して両者間の接合強度を向上
させ、この後に上記剥離工程で前記剥離現象が生ずる高
温の熱処理を行うことを特徴とする半導体基板の製造方
法。 - 【請求項6】 請求項3ないし5の何れかに記載の半導
体基板の製造方法において、 前記親水化処理工程では、前記半導体基板材料(11)
のイオン注入側の表面、並びに前記ベース基板(14)
の表面に自然酸化膜(11a、14a)を形成する処理
を行うことを特徴とする半導体基板の製造方法。 - 【請求項7】 請求項3ないし5の何れかに記載の半導
体基板の製造方法において、 前記親水化処理工程では、前記半導体基板材料(11)
のイオン注入側の表面、並びに前記ベース基板(14)
の表面に水酸基を付着させる処理を行うことを特徴とす
る半導体基板の製造方法。 - 【請求項8】 ベース基板(14)上に、当該ベース基
板(14)と電気的に絶縁した状態で素子形成用の半導
体層(11b)を設けて成る半導体基板(16′)の製
造方法において、 前記ベース基板(14)とは別途に用意した半導体基板
材料(11)上に汚染保護膜(12)を形成する保護膜
形成工程と、 前記半導体基板材料(11)に対し前記汚染保護膜(1
2)側からイオン注入を行ってイオン注入層(13)を
形成するイオン注入工程と、 このイオン注入後に前記半導体基板材料(11)上の汚
染保護膜(12)の上面部分を除去する保護膜除去工程
と、 この保護膜除去工程を経た前記半導体基板材料(11)
の汚染保護膜(12)の表面、並びに前記ベース基板
(14)の表面に親水化処理を施す親水化処理工程と、 前記半導体基板材料(11)及びベース基板(14)を
前記親水化処理面で貼り合わせる貼り合わせ工程と、 熱処理を行うことによって前記半導体基板材料(11)
を前記イオン注入層(13)により形成される欠陥層領
域部分で剥離して前記半導体層(11b)を形成する剥
離工程とを実行することを特徴とする半導体基板の製造
方法。 - 【請求項9】 請求項8記載の半導体基板の製造方法に
おいて、 前記半導体基板材料(11)とベース基板(14)との
接合強度が、前記剥離工程での熱処理により剥離現象が
生起される際に前記イオン注入層(13)で生ずる内部
ガス膨張による応力より大きくなるように構成されるこ
とを特徴とする半導体基板の製造方法。 - 【請求項10】 請求項8または9記載の半導体基板の
製造方法において、 前記保護膜除去工程では、化学エッチング、若しくは化
学エッチングと機械的研磨とを組み合わせることによ
り、前記汚染保護膜(12)における汚染領域の除去並
びにその表面の平坦化を行うことを特徴とする半導体基
板の製造方法。 - 【請求項11】 請求項8ないし10の何れかに記載の
半導体基板の製造方法において、 前記剥離工程での熱処理に先立って、前記貼り合わせ工
程で貼り合わされた前記半導体基板材料(11)とベー
ス基板(14)との一体物に対して、前記剥離現象が生
じない低温下で熱処理を施して両者間の接合強度を向上
させ、この後に上記剥離工程で前記剥離現象が生ずる高
温の熱処理を行うことを特徴とする半導体基板の製造方
法。 - 【請求項12】 請求項8ないし11の何れかに記載の
半導体基板の製造方法において、 前記親水化処理工程では、前記保護膜除去工程を経た前
記半導体基板材料(11)の汚染保護膜(12)の表
面、並びに前記ベース基板(14)の表面に自然酸化膜
(11a、14a)を形成する処理を行うことを特徴と
する半導体基板の製造方法。 - 【請求項13】 請求項8ないし11の何れかに記載の
半導体基板の製造方法において、 前記親水化処理工程では、前記保護膜除去工程を経た前
記半導体基板材料(11)の汚染保護膜(12)の表
面、並びに前記ベース基板(14)の表面に水酸基を付
着させる処理を行うことを特徴とする半導体基板の製造
方法。 - 【請求項14】 請求項3ないし13の何れかに記載の
半導体基板の製造方法において、 前記ベース基板(14)の材料として半導体材料を使用
し、 前記親水化処理工程に先立って、前記ベース基板(1
4)上に絶縁膜(15)を形成する絶縁膜形成工程を行
うことを特徴とする半導体基板の製造方法。 - 【請求項15】 請求項3ないし14の何れかに記載の
半導体基板の製造方法において、 前記剥離工程の実行後に、その剥離工程での熱処理温度
より高温の熱処理を行うことにより、前記半導体基板材
料(11)及びベース基板(14)間の貼り合わせ面の
接合強度を増大させる熱処理工程を実行することを特徴
とする半導体基板の製造方法。 - 【請求項16】 請求項3ないし14の何れかに記載の
半導体基板の製造方法において、 前記剥離工程の実行後に前記半導体層(11b)の剥離
面の表面段差を除去する平坦化工程を行うことを特徴と
する半導体基板の製造方法。 - 【請求項17】 請求項15記載の半導体基板の製造方
法において、 前記熱処理工程の実行後に前記半導体層(11b)の剥
離面の表面段差を除去する平坦化工程を行うことを特徴
とする半導体基板の製造方法。 - 【請求項18】 請求項16または17記載の半導体基
板の製造方法において、 前記平坦化工程では、前記半導体層(11b)の剥離面
を化学的機械的研磨することを特徴とする半導体基板の
製造方法。 - 【請求項19】 請求項16または17記載の半導体基
板の製造方法において、 前記半導体層(11b)の表面に半導体化合物より成る
被覆膜(17)を予め形成しておき、 前記平坦化工程では、上記被覆膜(17)をエッチング
することにより半導体層(11b)の剥離面の表面段差
を除去することを特徴とする半導体基板の製造方法。 - 【請求項20】 請求項17記載の半導体基板の製造方
法において、 前記熱処理工程の実行時に、前記半導体層(11b)の
表面に半導体酸化物または半導体窒化物を成膜して成る
被覆膜(17)を予め形成しておき、 前記平坦化工程では、上記被覆膜(17)をエッチング
することにより半導体層(11b)の剥離面の表面段差
を除去することを特徴とする半導体基板の製造方法。 - 【請求項21】 請求項3ないし20の何れかに記載の
半導体基板の製造方法において、 前記剥離工程での熱処理に、ランプアニール装置或いは
レーザ照射アニール装置などの昇温レートが高いアニー
ル装置を利用することを特徴とする半導体基板の製造方
法。 - 【請求項22】 請求項15、17、20の何れかに記
載の半導体基板の製造方法において、 前記熱処理工程での熱処理に、ランプアニール装置或い
はレーザ照射アニール装置などの昇温レートが高いアニ
ール装置を利用することを特徴とする半導体基板の製造
方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14793998A JPH1197379A (ja) | 1997-07-25 | 1998-05-28 | 半導体基板及び半導体基板の製造方法 |
US09/116,956 US6534380B1 (en) | 1997-07-18 | 1998-07-17 | Semiconductor substrate and method of manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-199973 | 1997-07-25 | ||
JP19997397 | 1997-07-25 | ||
JP14793998A JPH1197379A (ja) | 1997-07-25 | 1998-05-28 | 半導体基板及び半導体基板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1197379A true JPH1197379A (ja) | 1999-04-09 |
Family
ID=26478326
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14793998A Pending JPH1197379A (ja) | 1997-07-18 | 1998-05-28 | 半導体基板及び半導体基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1197379A (ja) |
Cited By (62)
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---|---|---|---|---|
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