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JPH1189144A - 永久磁石回転電機及びそれを用いた電動車両 - Google Patents

永久磁石回転電機及びそれを用いた電動車両

Info

Publication number
JPH1189144A
JPH1189144A JP9243910A JP24391097A JPH1189144A JP H1189144 A JPH1189144 A JP H1189144A JP 9243910 A JP9243910 A JP 9243910A JP 24391097 A JP24391097 A JP 24391097A JP H1189144 A JPH1189144 A JP H1189144A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
permanent magnet
electric machine
rotating electric
stator
rotor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9243910A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumio Tajima
文男 田島
Yutaka Matsunobu
豊 松延
Shoichi Kawamata
昭一 川又
Suetaro Shibukawa
末太郎 渋川
Osamu Koizumi
小泉  修
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP9243910A priority Critical patent/JPH1189144A/ja
Publication of JPH1189144A publication Critical patent/JPH1189144A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

Landscapes

  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小形軽量、高トルクの永久磁石回転電機を提
供する。 【解決手段】 永久磁石回転電機1は、磁性体からなる
固定子鉄心4と該固定子鉄心4に巻回された固定子巻線
5とを有する固定子2と、磁性体からなる回転子鉄心8
と該回転子鉄心8内にほぼ等間隔に配置された永久磁石
6とを有する回転子3とを備え、固定子鉄心4の透磁率
よりも低い透磁率を有する回転子鉄心8は、そのブリッ
ジ83において固定子鉄心4の磁気飽和磁束密度より低い
磁気飽和磁束密度の状態にするので、磁極片84からブリ
ッジ83を介して突極82の方向に漏洩する磁束を減少さ
せ、より高いトルクが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石回転電機
に係り、それを用いた電動車両に関する。
【0002】
【従来の技術】電動車両、特に電気自動車に使用される
駆動電動機は、電気自動車に積載されるバッテリの量が
限定され、かつ、その限定量で十分な一充電走行距離を
確保することが必要なために、小型軽量、高効率である
ことが望まれる。そして、電動機を小型軽量化するため
には、高速回転化に適することが要望される。上記高効
率の駆動電動機としては、直流回転電機や誘導回転電機
よりも永久磁石回転電機が推奨できる。また、永久磁石
回転電機であっても、永久磁石を回転子の鉄心の外周に
配置する表面磁石電動機に比べて、永久磁石よりも高い
透磁率を示す鉄心の内部に永久磁石を配置するいわゆる
内部磁石電動機が適している。これは、内部磁石電動機
は弱め界磁制御によって高効率化されるからであり、か
つ、高速まで運転できる利点を有するからである。
【0003】上記のような表面磁石電動機の電気自動車
への適用例として、特開平7−39091号公報(開示
例1)に開示されている技術がある。この技術では、透
磁率の高い材料から成る回転子の鉄心の磁極の中心に永
久磁石を配置する構成について開示している。一方、圧
縮機の電動機に適用した例ではあるが、透磁率の高い材
料、例えば珪素鋼板からなる回転子鉄心に内部に永久磁
石用の挿入孔を設けて、その孔内に永久磁石を配置した
内部磁石電動機の構造については、特開平5−2196
69号公報(開示例2)に開示されている技術がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には、次のような課題がある。即ち、開示例1の
技術には、永久磁石保持用の外周部材が不要である反
面、永久磁石の外周面にある磁極片を介して極間に磁束
が漏洩し高トルクが得られない点に課題がある。一方、
開示例2の技術には、珪素鋼板等の磁性体の機械的な強
度の弱さに起因する高速回転化や永久磁石の有効利用の
点に改善すべき課題が残っている。従って、本発明の目
的は、高速回転化に適しかつ永久磁石を効率的に利用す
る構成とし、小形軽量、高トルクの永久磁石回転電機及
びそれを用いた電動車両を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明による永久磁石回転電機の特徴は、固定子鉄心と該固
定子鉄心に巻回された固定子巻線とを有する固定子と、
回転子鉄心と該回転子鉄心内に配置された永久磁石とを
有する回転子とを備えた永久磁石回転電機において、前
記永久磁石回転電機の運転状態における前記回転子鉄心
の透磁率は、前記固定子鉄心の透磁率よりも低い点にあ
る。また、上記目的を達成する本発明による電動車両
は、電動車両の走行駆動に請求項1記載の永久磁石回転
電機を用いたものである。
【0006】本発明によれば、永久磁石回転電機の運転
状態における固定子鉄心の透磁率よりも低い透磁率を有
する回転子鉄心は、回転子鉄心のブリッジ部位におい
て、固定子鉄心の磁気飽和磁束密度より低い磁気飽和磁
束密度の状態にするので、磁極片からブリッジを介して
突極の方向に漏洩する磁束を減少させ、より高いトルク
が得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明によ
る一実施例の永久磁石回転電機を示す径方向の縦断面図
である。図において、永久磁石回転電機1(以下、回転
電機1という)は、固定子2と回転子3とを含み構成さ
れる。そして、固定子2は、固定子鉄心4と該固定子鉄
心4に巻回された固定子巻線5とを含み構成される。本
実施例の固定子2の構造は、一般に広く使用されている
分布巻固定子構造である。即ち、固定子鉄心4は、歯部
41と、該歯部41を通る磁束を集めて磁気回路を形成する
固定子ヨーク部42と、歯部41と歯部41との間に形成する
スロット部43とから構成され、固定子巻線5が、固定子
鉄心4の空隙面に近い部分のスリット部(図示せず)から
スロット部43内に巻回収納されている構成である。
【0008】一方、回転子3は、内部に永久磁石6を有
する回転子鉄心8と該回転子鉄心8に嵌挿されたシャフ
ト9とを含み構成される。そして、永久磁石6のN極及
びS極は、回転子鉄心8の外周部(外周表面の近傍)に設
けられた永久磁石挿入孔7に交互に挿入されている。ま
た、回転子3のブリッジ周辺を拡大した図に示すよう
に、回転子鉄心8は、ヨーク81と、補助磁極82(以下、
突極82という)と、ブリッジ83と、磁極片84と、外周表
面85とに分けられる。即ち、回転子鉄心8は、永久磁石
挿入孔7とシャフト9を嵌挿するためのシャフト孔(図
示せず)とを有し、永久磁石挿入孔7に挿入された永久
磁石6からみて、回転子鉄心8の中心部を形成するヨー
ク81と、永久磁石6の両極間にあって磁極部を形成する
突極82と、永久磁石6と外周表面85の間にあって外周磁
極部を形成する磁極片84と、突極82と磁極片84の間にあ
って繋ぎ部を形成するブリッジ83とに分けられた構造と
なっている。即ち、回転子鉄心8の外周部において、突
極82と磁極片84がブリッジ83でもって一体につながって
いる構造であると言える。
【0009】図2は、本発明による一実施例の永久磁石
回転電機を示す軸方向の横断面図である。図1と同一符
号は同一構成部品を表わしている。図において、回転電
機1は、固定子2と回転子3とハウジング10とエンドブ
ラケット11とベアリング12と回転子3の永久磁石6の位
置を検出する磁極位置検出器PSと回転子3の位置を検
出するエンコーダEとを含み構成される。尚、エンコー
ダEは速度制御用の位置センサである。上記固定子2
は、多相の固定子巻線5を巻回し保有する固定子鉄心4
を介して、ハウジング10の内周面に固定されている。ま
た、回転子3は、回転子鉄心8に嵌合したシャフト9を
介して、エンドブラケット11に嵌挿されているベアリン
グ12によって回転自在に保持されている。そして、回転
電機1は、磁極位置検出器PSの検出信号とエンコーダ
Eの出力信号とによって、制御装置(図示せず)を介して
運転制御される構成である。
【0010】そして、本実施例の回転電機1の特徴とす
る構成は、次の点にある。図3は、本発明による永久磁
石回転電機の一実施例の固定子鉄心及び回転子鉄心の磁
気飽和磁束密度状態を示す図である。図3に示すよう
に、回転子鉄心の磁気飽和磁束密度(G)は、いずれの範
囲の磁化力(AT/CM)の点においても、 固定子鉄心の磁気
飽和磁束密度(G)よりも低くなっている。すなわち、本
実施例の回転電機1の固定子鉄心4は、 磁性体として
の珪素鋼板(透磁率は約2.1ステラ)を使用している。回
転子鉄心8は、永久磁石6よりも高い透磁率を示すが、
珪素鋼板より低い透磁率を示す磁性体としての鋼板 (透
磁率は約1.8ステラ)を使用している。即ち、このような
永久磁石回転電機の運転状態における回転子鉄心8の透
磁率が固定子鉄心4の透磁率よりも低くなる磁性体材料
の組み合わせとすることによって、各鉄心における磁気
飽和磁束密度を、図3に示すような回転電機運転状態の
各特性とすることができる。なお、透磁率を示すステラ
値は、常温にて測定した値を記している。
【0011】換言すれば、本発明による永久磁石回転電
機の特徴は、永久磁石回転電機の運転状態における固定
子側の磁気飽和磁束密度よりも、回転子側の磁気飽和磁
束密度を低くすることを可能とする固定子及び回転子の
磁性体材料組み合わせとした点にあると言える。従っ
て、上記第1の実施例の組み合わせ以外に、例えば、固
定子がパーマロイ材(透磁率は約2.3ステラ)で、 回転子
が珪素鋼板である磁性体材料組み合わせ、または、固定
子が鋼板で回転子がステンレス材(透磁率は約1.0ステ
ラ)の磁性体材料組み合わせなどが可能である。一方、
直方体で示した永久磁石6は、ネオジウム磁石を使用す
る。直方体永久磁石は、弧状体永久磁石に比較して寸法
精度が確保でき、ブリッジ83等を精度よくでき、従っ
て、回転子のバランス作業なしに高速回転に供すること
ができるという利点を有する。ネオジウム磁石の透磁率
は 約0.7ステラであるので、回転子の鉄心がステンレス
材から成っても、回転子の鉄心が永久磁石よりも高い透
磁率を示すという永久磁石回転電機としての基本仕様を
満足する。
【0012】上記永久磁石回転電機の動作は次の通りで
ある。図1,図2に示す各相の固定子巻線5に、制御装
置(インバ−タ等)から正弦波電流が供給される。この場
合の各相合成の電流は、常に、永久磁石磁束に直角な位
置関係にある電流また所定に位相シフトした位置関係に
ある電流 (各相電流の合成の起磁力を永久磁石より90度
以上進ませるという 弱め界磁制御された電流)を形成す
るように供給される。換言すれば、制御装置によって固
定子巻線5に流す電流の作る電機子起磁力の合成ベクト
ルを、突極82の中心位置より回転方向側に向くように制
御することによって、回転電機1は、永久磁石6による
トルクの他に、突極82によるリラクタンストルクを発生
することができる運転をする。このとき、図3に示すよ
うに、回転子鉄心8のブリッジ83においては、固定子鉄
心4の磁気飽和磁束密度より低い磁気飽和磁束密度の回
転電機使用時の特性状態となっているので、磁極片84か
らブリッジ83を介して突極82の方向に漏洩する磁束が少
なくなり、永久磁石6の磁束を有効に利用することに結
び付き、より高いトルクが得られる。
【0013】一方、本実施例の回転電機1の鋼板からな
る回転子は、珪素鋼板からなる回転子よりも機械的な強
度が大きいので、上記のような弱め界磁電流制御の高速
運転に、十分に耐え得るものともなっている。従って、
本実施例の回転電機1は、高速回転でかつ高トルクを発
生する内部磁石電動機(内部磁石型ブラシレスモータ)と
して運転することが可能な永久磁石回転電機となる。
【0014】ここで、上記永久磁石6の有効利用につい
て説明する。一般に、永久磁石回転電機のトルクTは、
次式で表わされる。 T=(E0・Iq)/ω+(Xq−Xd)・Id・Iq/ω (数1) ここで、E0:誘起電圧、 ω:回転角速
度、Id,Iq:d,q軸の電流、 Xq,Xd:d,q軸
のリアクタンス、そして、(数1)式における第1項は、
永久磁石6の磁束によるトルク成分で、第2項は、突極
82によるリラクタンストルク成分である。第2項のリラ
クタンストルク成分の増加によるトルクの増大は、一般
に力率を低下させ効率を下げることになるので、採用不
可である。従って、トルクを大きくするには、第1項の
永久磁石の磁束を最大に利用することが重要となる。し
かし、永久磁石6の出せる磁束量は限られているため
に、磁束の漏洩を極力減少せしめ永久磁石を最大に利用
することに結び付けることが肝要である。このために
は、永久磁石6からの発生磁束量のうち、外周部の磁極
片84からブリッジ83を介して突極82の方向に漏洩する磁
束を減少させることが望ましいと言える。
【0015】そして、 上記方向の漏洩磁束を減少させ
ることが、 回転子鉄心8の磁気特性(即ち、透磁率)を
低下させることによって可能であることに着目した点
に、本発明の思想がある。即ち、回転子側においては、
固定子側の固定子鉄心4の歯部41のように極端に磁束
密度の上昇を来す箇所がないので、固定子側と一緒に磁
気回路を形成する回転子側に磁気飽和磁束密度の低い材
料を使用しても、回転電機の全体としての性能に影響を
及ぼすことはないことに着目したものである。即ち、固
定子側の固定子鉄心4よりも磁気飽和磁束密度を低くし
ても問題が発生しない透磁率の低い材料を回転子側の回
転子鉄心8に使用し、その回転子鉄心8のブリッジ83
において、固定子鉄心4の磁気飽和磁束密度より低い磁
気飽和磁束密度の状態にすることができるので、磁極片
84からブリッジ83を介して突極82の方向に漏洩する磁束
を減少させることができる。
【0016】換言すれば、永久磁石回転電機の運転状態
において、回転子鉄心8は固定子鉄心4の磁気飽和磁束
密度より低い特性を示す磁性体材料であることによっ
て、低い値で磁気飽和磁束密度に達するブリッジ83を介
して漏洩する磁束を抑制することになり、永久磁石6が
出す磁束量を極力固定子側(固定子鉄心4側)に向かわし
めて、永久磁石6からの発生磁束量の有効利用を図るも
のである。
【0017】上記によって永久磁石6の有効磁束量を増
加させることが出来ることになり、(数1)式の第1項の
永久磁石6によるトルク成分を増加させて、永久磁石回
転電機のトルク性能を改善するものである。尚、磁束量
の増加についてであるが、珪素鋼板は、透磁率が約2.1
ステラであるので、 珪素鋼板を採用した固定子側の固
定子鉄心4の磁気飽和磁束密度のモータ仕様の上限は
約2.1ステラになる。一方、鋼板は、透磁率が約1.8ステ
ラであるので、 鋼板を採用した回転子側の回転子鉄心
8の磁気飽和磁束密度の仕様上限は約1.8ステラにな
る。 従って、 従来の珪素鋼板同士に比べれば、2.
1−1.8=0.3ステラに応じた分の磁束量を有効に利用す
ることができることになる。
【0018】また、別の見方をすれば、本発明の他の特
徴は、回転子鉄心8の磁気飽和磁束密度は、永久磁石6
の残留磁束密度程度に低く押さえることが永久磁石回転
電機のトルク性能の向上に繋がるという知見にあるとも
言える。なお、本実施例の回転電機1として、固定子鉄
心4のスロット部43は24個であり、回転子3の永久磁
石6の極数8に対して、毎極毎相当たりのスロット数は
1個であるものを示しているが、毎極毎相当たりのスロ
ット数が2個または3個と増加した回転電機であって
も、本実施例と同様の効果が得られる。
【0019】図4は、本発明による他の実施例の永久磁
石回転電機を示す径方向の縦断面図である。図1と同一
符号は同一構成部品を表わしている。図において、第2
の実施例の回転電機1は、固定子2と回転子3とを含み
構成される。本実施例の固定子2の構造は、集中巻固定
子構造である。そして、固定子2は、固定子ヨーク部42
及び突極部44から成る固定子鉄心4と、該突極部44に巻
回された固定子巻線5とを含み構成される。なお、突極
部44と突極部44の間にはスロット部43が形成されてい
る。
【0020】一方、回転子3は、8極の永久磁石6が内
部に設けられた回転子構造であり、回転子鉄心8と回転
子鉄心8に嵌挿されたシャフト9とを含み構成されてい
る。そして、回転子鉄心8の外周部に永久磁石6同士が
密に配置された構成である。また、回転子3の回転子鉄
心8が、ヨーク81と、突極82と、ブリッジ83と、磁極片
84と、外周表面85とに分けられている構成は、図1の第
1の実施例の回転子鉄心8と同じであり、これらの説明
は省略する。そして、本実施例のような磁石同士が密な
る配置の回転子3の構造においても、永久磁石6から出
た磁束は、ブリッジ83を介して突極82からヨーク81側
に、あるいは隣接の他極側へと漏洩するので、本実施例
の回転電機1の特徴とする構成は、次の点にある。
【0021】すなわち、本実施例の回転電機1の固定子
鉄心4及び回転子鉄心8は、ともに鋼板を使用する。ま
た、永久磁石6は、ネオジウム磁石を使用する。そし
て、回転子鉄心8のブリッジ83(ブリッジ83近傍のブリ
ッジ局所も含む)に、例えば、衝撃力を加えて当該局所
に内部応力を発生させる。機械的応力を加えて半永久的
な内部応力を発生させると、該内部応力が発生した局所
の透磁率を低下させることができることは良く知られて
いる技術である。従って、固定子鉄心4及び回転子鉄心
8に同じ材料を使用する場合は、このようなブリッジ局
所機械加工法を採用してブリッジ(または、ブリッジ局
所)の透磁率を低下して、本発明の特徴とする構成にす
ることが望ましい。なお、機械的応力を加える方法とし
ては、回転子鉄心8を打ち抜き加工する時点で、同時に
加える方法が効率的であり良い。そして、特に、本実施
例の磁石同士が密なる配置であればブリッジ局所は狭く
小さい領域となっているので、上記のような打ち抜き同
時衝撃加工のような簡便な加工であっても、確実に低透
磁率が得られるという利点がある。
【0022】上記実施例のように、回転子鉄心8のブリ
ッジ83を固定子鉄心4よりも低いの透磁率を有する構成
とすることによっても、磁極片84からブリッジ83を介し
て突極82の方向に漏洩する磁束を減少させ、永久磁石6
の磁束量を有効に利用することができるとともに、鋼板
からなる回転子鉄心8にて回転子の機械的な強度を確保
することができるので、高速回転に耐えかつトルク性能
が向上する永久磁石回転電機を提供することができる。
【0023】ところで、上記第2の実施例では、ブリッ
ジ83の部分の透磁率を局部的に低くするブリッジ局所機
械加工法を採用したが、図1に示す実施例と同様な回転
子鉄心及び固定子鉄心の磁性体材料組み合わせを、上記
第2の実施例の構成に採用しても可である。そして、こ
のような回転子鉄心に固定子鉄心よりも磁気飽和磁束密
度の低い材料を使用する第2の実施例相当の構成によっ
ても、永久磁石の磁束量を有効に利用すると共に、機械
的な強度を確保して、高速回転に耐えかつトルク性能が
向上する永久磁石回転電機を提供することができる。
【0024】なお、上記実施例の回転電機に関して、軸
方向の空隙を有する回転電機で説明したが、本発明は、
発電機や電動機、及び内転型,外転型,リニア型の電動
機を問わず、また、固定子構造としては集中巻及び分布
巻構造に関わらず、適用可能である。さらに、回転子外
周部をブリッジを介して連結するリラクタンス型モータ
に対しても、本発明の効果と同等の効果を発揮し適用可
能である。
【0025】次に、本発明による永久磁石回転電機を用
いた電動車両について説明する。図5は、本発明による
永久磁石回転電機を用いた一実施例の電動車両を示す概
略図である。図5に示す電動車両としての本実施例の電
気自動車は、自動車本体101と、直流電源を供給するバ
ッテリ102と、 永久磁石回転電機104に供給される直流
電源を制御する制御装置103と、本発明を適用した永久
磁石回転電機104と、該永久磁石回転電機104によって走
行駆動される車輪105とを含み構成される。
【0026】そして、本実施例の永久磁石回転電機104
は、 固定子2の固定子鉄心4の材質は珪素鋼板であ
り、回転子3の回転子鉄心8の材質が磁気特性を有する
ステンレス板(透磁率は約1.0ステラ)である。 珪素鋼板
に比べて、上記ステンレス板の透磁率は低い(磁気飽和
磁束密度を低い状態とすることができる)ので、前述と
同様な作用によって、 永久磁石回転電機104のトルク性
能を改善することができる。と同時に、回転子鉄心8に
高強度材として知られるステンレス板を用いているの
で、高速回転化に対応することができる。
【0027】上記構成の永久磁石回転電機104は、 高速
回転化して回転電機自体の寸法を小型軽量にするととも
に、 該永久磁石回転電機104を採用した電気自動車の高
速走行運転が可能になる。即ち、電気自動車用の永久磁
石回転電機の回転子鉄心に、珪素鋼板より透磁率が低
く、かつ機械的強度の大きな磁気特性を有するステンレ
ス板を採用することによって、高速回転による小型軽量
化を達成し、かつ、トルク性能も向上するという両立し
た電気自動車を得ることができる。
【0028】このように、本発明による永久磁石回転電
機を電動車両に、特に電気自動車に適用すれば、小型軽
量高効率の永久磁石回転電機を用いた電動駆動装置を搭
載することができ、電動車両の小型軽量化、高速走行
化、経済性の向上などに結び付けられる。例えば、経済
性の向上としては、一充電走行距離の長い電動車両など
を提供することができる。さらに、安全性の向上にも結
び付く電動車両を提供することもできる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、高速回転化して小形軽
量に結び付け、かつ、高トルクが得られる永久磁石回転
電機を提供することができる。 また、本発明の永久
磁石回転電機を用いた電動車両であれば、小型軽量化,
高速走行化や、経済性の向上などに結び付けることがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の永久磁石回転電機を示
す径方向の縦断面図である。
【図2】本発明による一実施例の永久磁石回転電機を示
す軸方向の横断面図である。
【図3】本発明による永久磁石回転電機の一実施例の固
定子鉄心及び回転子鉄心の磁気飽和磁束密度状態を示す
図である。
【図4】本発明による他の実施例の永久磁石回転電機を
示す径方向の縦断面図である。
【図5】本発明による永久磁石回転電機を用いた一実施
例の電動車両を示す概略図である。
【符号の説明】
1…永久磁石回転電機、2…固定子、3…回転子、4…
固定子鉄心、5…固定子巻線、6…永久磁石、7…永久
磁石挿入穴、8…回転子鉄心、9…シャフト、10…ハウ
ジング、11…エンドブラケット、12…ベアリング、41…
歯部、42…固定子ヨーク部、43…スロット部、44…突極
部、81…ヨーク、82…補助磁極(突極)、83…ブリッジ、
84…磁極片、85…外周表面、101…自動車本体、102…バ
ッテリ、103…制御装置、104…永久磁石回転電機、105
…車輪、E…エンコーダ、PS…磁極位置検出器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋川 末太郎 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 小泉 修 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定子鉄心と該固定子鉄心に巻回された固
    定子巻線とを有する固定子と、回転子鉄心と該回転子鉄
    心内に配置された永久磁石とを有する回転子とを備えた
    永久磁石回転電機において、 前記永久磁石回転電機の運転状態における前記回転子鉄
    心の透磁率は、前記固定子鉄心の透磁率よりも低いこと
    を特徴とする永久磁石回転電機。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記回転子鉄心は、前
    記固定子鉄心の機械的強度より高い強度を有することを
    特徴とする永久磁石回転電機。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記回転子鉄心は、予
    め機械的な応力を与えて前記透磁率を低下させたブリッ
    ジを有することを特徴とする永久磁石回転電機。
  4. 【請求項4】電動車両の走行駆動に請求項1記載の永久
    磁石回転電機を用いたことを特徴とする電動車両。
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