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JPH1174942A - 無線受信装置 - Google Patents

無線受信装置

Info

Publication number
JPH1174942A
JPH1174942A JP9233748A JP23374897A JPH1174942A JP H1174942 A JPH1174942 A JP H1174942A JP 9233748 A JP9233748 A JP 9233748A JP 23374897 A JP23374897 A JP 23374897A JP H1174942 A JPH1174942 A JP H1174942A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
clock
phase
equalizer
circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9233748A
Other languages
English (en)
Inventor
Takanori Iwamatsu
隆則 岩松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP9233748A priority Critical patent/JPH1174942A/ja
Priority to US09/022,955 priority patent/US6175591B1/en
Publication of JPH1174942A publication Critical patent/JPH1174942A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L7/00Arrangements for synchronising receiver with transmitter
    • H04L7/0054Detection of the synchronisation error by features other than the received signal transition
    • H04L7/0058Detection of the synchronisation error by features other than the received signal transition detection of error based on equalizer tap values
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H17/00Networks using digital techniques
    • H03H17/02Frequency selective networks
    • H03H17/06Non-recursive filters

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生クロックの位相精度を向上し、かつ、無
線受信装置の構成を簡略化する。 【解決手段】 傾き判定部30よりIチャンネル信号Ic
hの傾きGを出力すると共に、FIR型フィルタ25a-1の
センタータップ係数α0を零とみなすことにより該フィ
ルタよりトランスバーサル等化器25の入出力信号間の
誤差信号Eを出力する。クロック位相検出部40は傾き
Gと誤差信号Eを用いて再生クロックのシンボルデータ
クロックに対する位相差に応じた位相信号CPSを出力
し、クロック再生回路27は該位相信号に基づいて再生
クロックの位相を制御し、AD変換器23,24は該再
生クロックの発生タイミングで直交復調信号をAD変換
しトランスバーサル等化器25を介して出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無線受信装置に係わ
り、特に、送信側シンボルクロックと同期したクロック
を再生し、該再生クロックのタイミングで復調信号の識
別を行うクロック再生回路を備えた無線受信装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】多重無線装置の受信部に用いられるクロ
ック再生回路は、BTR(Bit TimingRecovery)とも呼ば
れ、PSK(Phase Shift Keying)、QAM(Quadrature Amplit
udeModulation)などの多値直交変調信号を復調した信号
からクロック成分を再生する回路である。かかるクロッ
ク再生回路で再生したクロックは、復調信号を識別する
AD変換器などの動作タイミング信号として用いられ
る。このため、再生クロックは、復調信号のレベルを識
別するタイミング(いわゆるアイパターンが最も開いた
とき)と位相を一致させる必要がある。しかし、温度変
化などによる回線状況の変化によって、クロックに位相
ずれが生じることがある。そこで、このような位相ずれ
を高精度に検出してクロックの位相ずれを正確に調整し
て高精度の信号識別用クロックを再生することができる
クロック再生回路が要求されている。図19は従来の多
重無線装置の受信部の構成図であり、高精度に復調信号
を識別するためのクロック再生回路を備えている。
【0003】(a)全体の構成 IF-INは中間周波信号であり、受信信号に周波数変換を
施すことにより得られるもので、受信信号はPSK,QAMな
どの多値直交変調(例えば16QAM)が施されている。22
は直交検波部であり、中間周波信号IF-INを直交検波し
て互いに90°位相の異なる(直交する)2種のベース
バンド信号(Iチャンネル信号Ich,Qチャンネル信号Q
ch)を出力するもの、23,24はそれぞれ直交検波部
22から出力されるIチャンネル信号Ich,Qチャンネ
ル信号Qchをデジタルデータに変換するAD変換器、2
5は各AD変換器23,24から出力されるデジタルデ
ータに等化処理を施すトランスバーサル等化器である。
26は再生クロックの位相成分を検出してクロック位相
信号を出力するクロック位相信号発生部、27は復調信
号に含まれるシンボルデータクロックに同期したクロッ
クCLKを再生するクロック再生回路である。
【0004】(b)直交検波部 直交検波部22は、中間周波増幅器22a、中間周波信
号を分岐するハイブリッド(H)22b、搬送周波数f
cで発振する局部発振器22c、局部発振器の出力信号
を互いに位相が900異なる2つの信号に分岐するハイ
ブリッド22d、中間周波信号を2つの直交する信号と
それぞれ混合して直交検波し、ベースバンドの同相(In
Phase)信号と直交(Quadrature)信号を出力するミキサ回
路22e,22fと、ベースバンドの同相信号(Iチャ
ンネル信号)Ichと直交信号(Qチャンネル信号)Qchに
ロールオフ特性を付与するロールオフ・フィルタ22
g,22hを備えている。
【0005】(c)トランスバーサル等化器 トランスバーサル等化器25は図20に示すように周知
の2次元トランスバーサル等化器としての構成を備えて
いる。図中、25a-1,25a-2はIチャンネル信号の伝送路
歪みを除去するトランスバーサルフィルタ、25b-1,25b
-2はQチャンネル信号の伝送路歪みを除去するトランス
バーサルフィルタ、25c,25dは減算器である。減
算器25cはIチャンネル信号よりQチャンネル信号を
減算することにより、Iチャンネル信号に含まれる直交
成分(Qチャンネル成分)をキャンセルする。又、減算
器25dはQチャンネル信号よりIチャンネル信号を減
算することにより、Qチャンネル信号に含まれる直交成
分(Iチャンネル成分)をキャンセルする。
【0006】各トランスバーサルフィルタ25a-1〜25b-2
は後述するように係数可変のNタップのFIR型フィル
タ構成になっており、伝送路歪みを補償するように係数
を決定する。16QAMにおいて、Iチャンネル信号、
Qチャンネル信号をそれぞれ8ビットで表現すると、上
位2ビットがデータを表し、下位6ビットが波形歪等に
よる誤差を表す。データが正の場合、上位2ビットの識
別スレショールド値とデジタルデータの関係は図21に
示すようになり、(1) 第3ビットEが”1”であればデ
ジタルデータは識別スレショールド値の中間値(点線)
より大きく、(2) E=”0”であれば中間値より小さ
い。なお、デジタルデータが負の場合は上記(1),(2)の
関係が逆になる。伝送路歪みの影響をなくすには、下位
6ビットの値が識別スレショールド値の中間値(理想値)
に近づくように制御すればよい。
【0007】従って、データが正の場合、E=”1”で
あれば、トランスバーサルフィルタの出力データが小さ
くなるように制御し、E=”0”であれば、トランスバ
ーサルフィルタの出力データが大きくなるように制御す
る。又、データが負の場合、E=”1”であれば、トラ
ンスバーサルフィルタの出力データが大きくなるように
制御し、E=”0”であれば、トランスバーサルフィル
タの出力データが小さくなるように制御する。各トラン
スバーサルフィルタ25a-1〜25b-2はかかる論理に従っ
て、FIR型デジタルフィルタの各係数を制御して所定
値に収束させて伝送路歪みの影響を除去する。
【0008】図22は一例としての5タップトランスバ
ーサルフィルタ250を示している。トランスバーサル
フィルタ250において、2511〜2514は入力デー
タを順次1サンプリング時間(1シンボルクロック)づ
つ遅延する4個の遅延回路、2520〜2524は係数決
定/乗算部であり、入力データ及び各遅延回路から出力
されるデータの極性Dとトランスバーサルフィルタの誤
差信号E(第3ビットの”1”,”0”)とに基づいて
自動的に係数C2〜C-2を決定し、該係数C2〜C-2を入
力データ及び各遅延回路出力データにそれぞれ乗算する
もの、2531〜2534は係数決定/乗算部2520
2524における乗算結果を加算する加算器である。
【0009】図23はトランスバーサルフィルタ250
の一部詳細図であり、係数決定/乗算部2520〜25
1を詳細に示している。係数決定/乗算部2520〜2
521において、EOR0〜EOR1は入力データ及び各
遅延回路から出力されるデータの極性(最上位ビットM
SB)Dとトランスバーサルフィルタの誤差信号Eとの
排他的論理和演算を行うイクスクルーシブオア回路(E
OR回路)、UDC0〜UDC1はEOR回路出力に応じ
て係数値C2,C1を±1するアップ/ダウンカウンタ、
MLP0〜MLP1は入力データ及び遅延回路出力データ
にそれぞれ係数C2,C1を乗算する乗算器である。係数
2は入力データの極性Dと誤差信号Eの排他的論理和
が”1”の場合に1大きくなり、排他的論理和が”0”
の場合に1小さくなる。又、係数C1は遅延回路251
の出力データ極性Dと誤差信号Eの排他的論理和が”
1”の場合に1大きくなり、排他的論理和が”0”の場
合に1小さくなる。以上により、トランスバーサルフィ
ルタから出力されるデジタルデータの第3ビット以降の
値(誤差)が識別スレショールドレベルの中間値(図2
1の点線)に一致するように各係数値が制御される。
【0010】(d)クロック位相信号発生部 クロック位相信号発生部26において、30はIチャン
ネル信号Ichの傾きG(傾き正の時G=”0”、傾き負
の時G=”1”)を判定する傾き判定部、31はトラン
スバーサル等化器25の入力信号と出力信号間の誤差E
(誤差が正の時E=”1”、誤差が負のときE=”
0”)を演算する減算器、32はIチャンネル信号Ich
を所定シンボル時間τ遅延する遅延回路、33は傾き判
定部30から出力される傾き信号を前記時間τ遅延する
遅延回路、34は傾きGと誤差信号Eの符号との排他的
論理和演算を実行するEOR回路、35はEOR出力信
号を平滑化してアナログのクロック位相信号CPSを出
力するRC構成のループフィルタである。傾き判定部3
0は、フリップフロップ(FF)回路30a,30b,
ROM30cで構成され、各FF回路(遅延部)30
a,30bはAD変換器23の出力信号(Iチャンネル
信号)を1シンボル時間づつ遅延させるもので、ROM
(比較部)30cは、これら各FF回路30a,30b
の出力を比較してIチャンネル信号Ichの傾きを検出す
る。
【0011】図24はIチャンネル信号の傾きGが正の
場合(G=”0”)におけるクロック位相制御説明図で
あり、1aは等化前のIチャンネル信号、1b,1cは
等化後のIチャンネル信号である。トランスバーサル等
化器25においてIチャンネル信号がEだけ等化される
と、減算器31は誤差信号Eを出力する。この誤差信号
Eの符号は、等化前の値が等化後の値より大きければ正
(”1”)、等化前の値が等化後の値より小さければ負
(”0”)となる。誤差信号Eが正(”1”)であれ
ば、図24(a)に示すように等化後のIチャンネル信
号1bは等化前のIチャンネル信号1aに対してΔtだ
け進み位相になる。これは、アイパターンの開口部が最
も大きく開く最適位相からAD変換用クロック(再生ク
ロック)の位相がΔtだけ進んだことを示している。一
方、誤差信号Eが負(”0”)であれば、等化後のIチ
ャンネル信号1cは等化前のIチャンネル信号1aに対
してΔtだけ遅れ位相になる。従って、図24(b)に
示すように、Iチャンネル信号の傾きが正の場合(G
=”0”)、誤差信号Eが正(=”1”)であれば、
再生クロック位相をΔtだけ遅らす方向に制御し(位相
シフト方向:遅れ方向=”1”)、誤差信号Eが負
(=”0”)であれば、再生クロック位相をΔtだけ進
ませる方向に制御する(位相シフト方向:進み方向=”
0”)。
【0012】図25はIチャンネル信号の傾きGが負の
場合(G=”1”)におけるクロック位相制御説明図で
あり、1aは等化前のIチャンネル信号、1b,1cは
等化後のIチャンネル信号である。誤差信号Eが正(”
1”)であれば、図25(a)に示すように等化後のI
チャンネル信号1bは等化前のIチャンネル信号1aに
対してΔtだけ遅れ位相になる。一方、誤差信号Eが負
(”0”)であれば、等化後のIチャンネル信号1cは
等化前のIチャンネル信号1aに対してΔtだけ進み位
相になる。従って、図25(b)に示すように、Iチャ
ンネル信号の傾きが負の場合(G=”1”)、誤差信
号Eが正(=”1”)であれば、再生クロック位相をΔ
tだけ進ませる方向に制御し(位相シフト方向:進み方
向=”0”)、誤差信号Eが負(=”0”)であれ
ば、再生クロック位相をΔtだけ遅らせる方向に制御す
る(位相シフト方向:遅れ方向=”1”)。以上より、
EOR回路34の出力が”0”であれば、クロック位相
を進ませる方向に位相制御し、”1”であれば、クロッ
ク位相を遅らせる方向に位相制御すればよい。そこで、
EOR回路34の出力を平滑化すれば、平滑値がクロッ
ク位相に応じた値になるから、ループフィルタ35から
クロック位相に応じた値を有する位相信号CPSが出力
する。
【0013】(e)クロック再生部 クロック再生部27において、36は制御信号に応じた
周波数のクロック信号を出力する発振器で例えば電圧制
御発振器(VCO)、37はクロック位相信号CPSを
増幅して制御信号を出力する増幅器である。発振器36
はクロックの位相ずれに応じた制御信号により該位相ず
れが零となるようにクロック位相を制御する。AD変換
器23→クロック位相信号発生部26→クロック再生回
路27→AD変換器23よりなるループは、再生クロッ
クをシンボルクロックの位相に一致させるPLLを構成
している。発振器36から出力する再生クロックの位相
とシンボルクロックの位相がずれると、トランスバーサ
ル等化器25の入出力信号間に誤差信号Eが発生する。
誤差信号が発生すれば、クロック位相信号発生部26は
Iチャンネル信号Ichの傾きGと誤差信号Eの符号を用
いて位相ずれに応じた値を有するクロック位相信号CP
Sを発生し、クロック再生回路27は該クロック位相信
号CPSにより再生クロックの位相を制御し、位相ずれ
が零となるように制御する。
【0014】上述のクロック再生回路27は、Iチャン
ネル側に設けたクロック位相信号発生部26によって再
生クロックの位相ずれを検出しているが、同様のクロッ
ク位相信号発生部26をQチャンネル側に設け、Qチャ
ンネル信号Qchから再生クロックの位相ずれを検出する
ようにしてもよい。以上により、クロック再生回路27
から出力する再生クロックCLKを、常に、アイパター
ンの開口部が最も大きく開く最適な位相に一致させるこ
とができ、これにより、各AD変換器23,24でのA
D変換処理の精度を大幅に向上させることができる。
【0015】(f)判定帰還型等化器を用いた例 図26はトランスバーサル等化器25を判定帰還型等化
器(DecisionFeedback Equalizer)で構成した場合の受信
復調部の構成図であり、図19と同一部分には同一符号
を付している。判定帰還型等化器は、デジタル無線通信
システムの伝搬路で発生する周波数選択性フェージング
による符号間干渉を等化するために用いられるもので、
25Aは前方等化器、25Bは後方等化器である。判定
帰還型等化器25のセンタータップ係数α0はAGC回路と
同じ働きをし、等化器の外でも構成可能なため図ではAG
C回路28,29として外に出している。図27は判定
帰還型等化器25の構成図である。前方等化器25A
は、図20の4つのトランスバーサルフィルタ(FIR型フ
ィルタ)25a-1〜25a-2, 25b-1〜25b-2をセンタータップ
を中心に2つに分離した時の前方タップ係数部分で構成
され、後方等化器25Bは後方タップ係数部分で構成さ
れている。
【0016】前方等化器25Aは、タップ係数α-n〜α
-1,α0のFIR型フィルタ25a-11〜25a-21、タップ係数β
-n〜β-1,β0のFIR型フィルタ25b-11〜25b-21、減算器
25c-1,25d-1を備え、各FIR型フィルタはフォワード型の
構成を備えている。前方等化器25AのFIR型フィルタ2
5a-11、25a-21は、入力されたIチャンネル8ビットの1
6QAMデータ(上位2ビットがデータを表し、下位6ビッ
トが波形歪等による誤差を表す)を遅延部Z-1により順
次遅延すると共に、各遅延部の出力データにタップ係数
α-n〜α-10(FIR型フィルタ25a-11ではα0=1)を乗算
し、乗算結果を加算して出力する。又、FIR型フィルタ2
5b-11、25b-21は、入力されたQチャンネル8ビットの16
QAMデータを遅延部Z-1により順次シフトすると共に、
各遅延部の出力データにタップ係数β-n〜β-1,β0
乗算し、乗算結果を加算して出力する。減算器25c-1は
Iチャンネル信号よりQチャンネル信号を減算すること
により、Iチャンネル信号に含まれる直交成分(Qチャ
ンネル成分)をキャンセルする。又、減算器25d-1はQ
チャンネル信号よりIチャンネル信号を減算することに
より、Qチャンネル信号に含まれる直交成分(Iチャン
ネル成分)をキャンセルする。
【0017】後方等化器25Bは、タップ係数α1〜αn
のFIR型フィルタ25a-12〜25a-22、タップ係数β1〜βn
のFIR型フィルタ25b-12〜25b-22、減算器25c-2,25d-2、
1シンボル期間データを遅延する遅延部25e,25
f、等化後のデジタルデータのレベル判定を行ってFIR
型フィルタ25a-12〜25a-22,25b-12〜25b-22にそれぞれ
帰還する判定部25g,25hを備え、各FIR型フィル
タ25a-12〜25a-22, 25b-12〜25b-22はバックワード型の
構成を備えている。後方等化器25BのFIR型フィルタ2
5a-12は、帰還入力されたIチャンネル信号を遅延部Z
-1により順次シフトすると共に、各遅延部の出力データ
にタップ係数α1〜αnを乗算し、各乗算結果と前方等化
器出力とを加算して出力する。FIR型フィルタ25a-22
は、帰還入力されたIチャンネル信号を遅延部Z-1によ
り順次シフトすると共に、各遅延部の出力データにタッ
プ係数α1〜αnを乗算し、各乗算結果を加算して出力す
る。
【0018】又、FIR型フィルタ25b-12は、帰還入力さ
れたQチャンネル信号を遅延部Z-1により順次シフトす
ると共に、各遅延部の出力データにタップ係数β1〜βn
を乗算し、各乗算結果と前方等化器出力とを加算して出
力する。FIR型フィルタ25b-22は、帰還入力されたQチ
ャンネル信号を遅延部Z-1により順次シフトすると共
に、各遅延部の出力データにタップ係数β1〜βnを乗算
し、各乗算結果を加算して出力する。減算器25c-2はI
チャンネル信号よりQチャンネル信号を減算してIチャ
ンネル信号に含まれる直交成分(Qチャンネル成分)を
キャンセルし、遅延部25eは減算結果を1シンボル期
間遅延して出力する。判定部25gは減算結果のレベル
判定を行い、判定結果をFIR型フィルタ25a-12、25a-22
に帰還する。減算器25d-2はQチャンネル信号よりIチ
ャンネル信号を減算してQチャンネル信号に含まれる直
交成分(Iチャンネル成分)をキャンセルし、遅延部2
5fは減算結果を1シンボル期間遅延して出力する。判
定部25hは減算結果のレベル判定を行い、判定結果を
FIR型フィルタ25b-12、25b-22に帰還する。判定帰還型
等化器によれば、等化後のデジタルデータに含まれるノ
イズや干渉成分を除去したデータを帰還するため、タッ
プ係数を正しい値に収束させることができ、等化器の能
力を向上することができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】図19及び図26に示
す従来の無線受信装置は、トランスバーサル等化器25
の入出力信号間の誤差信号を算出する必要があり、この
ため、入力信号をトランスバーサル等化器25の遅延時
間に相当する時間τだけ遅延する遅延回路32や減算回
路31が必要になる。入力信号は16QAMの場合8ビット
で表現され、又、トランスバーサル等化器における遅延
時間は20シンボルクロック(20サンプリング時間)
程度である。このため、遅延回路32として20ビット
長の8本のシフトレジスタが必要になる。以上より、従
来の無線受信装置はハードウェア量が多くなり、簡略化
が要望されている。
【0020】又、従来の無線受信装置ではPLL構成に
より再生クロックをシンボルデータクロックに同期させ
ることができるが、より高精度のクロックを再生するこ
とが要望されている。深いフェージング発生時には、ト
ランスバーサル等化器を構成するFIR型フィルタのTA
P係数値が大きくなる。このようになると、クロックCLK
の位相ずれによる誤差がその中に埋もれ、再生クロック
の位相精度が劣化する。従って、フェージング発生時に
も精度良くクロックを再生することが要望されている。
【0021】以上から、本発明の目的は無線受信装置の
構成部品を削減して簡略化が可能な無線受信装置を提供
することである。本発明の目的は、無線受信部のクロッ
ク再生能力をアップして、再生クロックの位相精度を向
上できる無線受信装置を提供することである。本発明の
目的は、フェージング発生時にも精度良くクロックを再
生することができる無線受信装置を提供することであ
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】
(a)原理構成 図1は本発明の原理図構成図であり、(a)はトランス
バーサル等化器を前方等化器と後方等化器に分離しない
原理構成図、(b)はトランスバーサル等化器を前方等
化器と後方等化器に分離した場合の原理構成図である。
22は多値直交変調信号を復調して同相信号(Iチャン
ネル信号)Ich、直交信号(Qチャンネル信号)Qchを出
力する直交復調部、23,24はIチャンネル信号、Q
チャンネル信号をそれどれAD変換するAD変換器、2
5は(2n+1)タップのFIR型フィルタ構成のトランスバ
ーサル等化器、25Aはタップ係数α -n〜α1のFIR
型フィルタで構成され前方等化器、25Bはタップ係数
α1〜α nのFIR型フィルタで構成され後方等化器、2
6は再生したクロックのシンボルクロックに対する位相
差に応じた位相信号CPSを出力するクロック位相信号
発生部、27はシンボルクロックに同期したクロックC
LKを発生するクロック再生回路、30はIチャンネル
信号の傾きを求める傾き判定部、40は傾きGとトラン
スバーサル等化器の入出力信号間の誤差信号E,E1
2を用いて再生クロックのシンボルデータクロックに
対する位相差を検出し、該位相差に応じた位相信号CP
Sを出力するクロック位相検出部である。
【0023】(b)第1の解決手段(図1(a)) 傾き判定部30よりIチャンネル信号Ichの傾きGを出
力すると共に、FIR型フィルタ25a-1のセンタータッ
プ係数α0を零とみなすことにより該フィルタよりトラ
ンスバーサル等化器25の入出力信号間の誤差信号Eを
出力する。クロック位相検出部40は傾きGと誤差信号
Eを用いて再生クロックのシンボルデータクロックに対
する位相差に応じた位相信号CPSを出力し、クロック
再生回路27は該位相信号に基づいて再生クロックの位
相を制御し、AD変換器23,24は該再生クロックの
発生タイミングで直交復調信号をAD変換しトランスバ
ーサル等化器25を介して出力する。この場合、クロッ
ク位相検出部40に、傾きGの正負と誤差信号Eの正負
の組み合わせに基づいてクロック位相差に応じた信号を
出力する回路と、該信号値を平均化して位相信号を出力
する平均化回路を設ける。以上の構成によれば、遅延回
路や減算回路を削減でき、無線受信装置の構成を簡略化
できる。
【0024】(b)第2の解決手段(図1(b)) 傾き判定部30より前方等化器25Aに入力されたIチ
ャンネル信号Ichの傾きGを出力すると共に、前方等化
器25Aを構成するFIR型フィルタ25a-11のタップ係
数α0を零とみなすことにより該フィルタより前方等化
器の入出力信号間の誤差信号(第1の誤差信号)E1を
出力する。又、後方等化器25BのFIR型フィルタ25
a-12に入力する前方等化器の出力信号を零とみなすこと
により該フィルタより後方等化器の入出力信号間の誤差
信号(第2の誤差信号)E2を出力する。クロック位相
検出部40は傾きGと各誤差信号E1,E2を用いて再
生クロックのシンボルクロックに対する位相差に応じた
位相信号CPSを出力し、クロック再生回路27は該位
相信号に基づいて再生クロックの位相を制御し、AD変
換器23,24は該再生クロックの発生タイミングで直
交復調信号をAD変換し、前方等化器25A,後方等化
器25Bを介して出力する。以上の構成によれば、前方
等化器及び後方等化器で等化回路が構成されている場合
であっても、遅延回路や減算回路を削減でき、無線受信
装置の構成を簡略化できる。
【0025】この場合、前方等化器と後方等化器は判定
帰還型等化器を構成するものでも良いし、トランスバー
サル等化器をセンタータップより単純に2分して構成し
ても良い。又、前方等化器の入力信号(Iチャンネル信
号)の傾きの正負と第1の誤差信号の正負の組み合わせ
に基づいてクロック位相に応じた第1の信号を発生する
と共に、後方等化器の入力信号の傾きを求め、該後方等
化器の入力信号の傾きの正負と第2の誤差信号の正負の
組み合わせに基づいてクロック位相に応じた第2の信号
を発生し、これら第1、第2の信号を合成してクロック
位相を制御する。このように傾き判定を前方等化器と後
方等化器とで独立に構成すれば、傾き判定部が1つ増加
するが、前方等化器及び後方等化器に応じた正しい信号
の傾きを求めることができ、再生クロックの精度を向上
することができる。
【0026】(c)第3の解決手段(フェージングに対
応) クロック位相検出部40を、前方等化器の入力信号の
傾きGの正負と第1の誤差信号E1の正負の組み合わせ
に基づいてクロック位相に応じた第1の信号を出力する
第1の回路、傾きGの正負と第2の誤差信号E2の正
負の組み合わせに基づいてクロック位相に応じた第2の
信号を出力する第2の回路、干渉波が主波より遅れて
いるミニマムフェージング状態であるか、主波が干渉波
より遅れているノンミニマムフェージング状態にあるか
判定するフェージング状態判定部、フェージング判定
結果に基づいてクロック位相検出に使用する第1、第2
の信号を切替えて出力し、あるいは、第1、第2の信号
の重み付けを変えて合成し、合成信号を出力する信号出
力部、信号出力部から出力される信号値を平均化して
位相差に応じた値を有する位相信号CPSを出力する平
均化回路で構成する。
【0027】深いフェージング発生時に、トランスバー
サル等化器を構成するFIR型フィルタのタップ係数が
大きくなり、クロックの位相ずれによる誤差がその中に
埋もれ、クロック再生の精度が劣化する。そこで、フェ
ージング時にはタップ係数が小さい方の誤差信号を利用
して位相制御を行うとクロック再生の精度劣化を抑える
ことができる。一般的にマルチパスフェージングには主
波より干渉波が遅延しているミニマムフェーズ(MP)と干
渉波より主波の方が遅延しているノンミニマムフェーズ
(NMP)がある。トランスバーサル等化器はミニマムフェ
ーズMPの場合、主に後方等化器25Bの係数が大きい値
を示し、ノンミニマムフェーズNMPの場合は、主に前方
等化器25Aの係数が大きくなる。この事を利用して、
フェージングがどちらのフェーズであるか識別でき、該
フェーズによりタップ係数値が小さい方の等化器の誤差
信号を用いて位相制御を行ってクロック再生の精度劣化
を抑える。これにより、深いフェージングに耐えること
ができる。
【0028】(d)第4の解決手段(性能向上) クロック位相検出部40は、後方等化器25Bの入力信
号の傾きと後方等化器25Bの出力信号に含まれる誤差
とに基づいて位相信号CPSの値を制御する。このよう
にすれば、深いフェージングに対する耐力が向上し、再
生クロックの精度を向上できる。又、前方等化器25A
におけるFIR型フィルタの第1番目のタップ係数値α
-1と後方等化器25BにおけるFIR型フィルタの第1
番目のタップ係数値の符号を反転したもの−α1を加算
し、加算値(-α1-1)に基づいてクロック位相検出
部40は位相信号CPSの値を制御する。クロック位相
が理想点からずれるとタップ係数が変化する。このタッ
プ係数値の変化は(-α1-1)で表される。そこで、
この成分をクロック位相制御に使用することにより、ク
ロックの精度を向上できる。
【0029】更に、前方等化器25Aの直交第1番目の
タップ係数β-1と後方等化器25Bの直交第1番目のタ
ップ係数β1を加算すると共に、これらタップ係数
β-1,β1の大小を比較し、β1<β-1の場合には加算値
の符号を反転した値−(β-1+β1)に基づいて、β1
β-1の場合には前記加算値(β-1+β1)に基づいて、
クロック位相検出部40は位相信号CPSの値を制御す
る。直交側タップ係数は、一般的にクロック位相を示す
値としては利用できないが、深いフェージングが発生し
た時に利用でき、再生クロックの精度を向上できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(A)第1実施例 図2は本発明の第1実施例に係わる無線受信装置の構成
図であり、図19の従来例と同一部分には同一符号を付
している。なお、受信信号はPSK,QAMなどの多値直交変
調(例えば16QAM)が施されている。22は直交検波部で
あり、中間周波信号IF-INを直交検波して互いに90°
位相の異なる(直交する)2種のベースバンド信号(I
チャンネル信号Ich,Qチャンネル信号Qch)を出力する
もの、23,24はそれぞれ直交検波部22から出力さ
れるIチャンネル信号Ich,Qチャンネル信号Qchを8ビ
ットのデジタルデータに変換するAD変換器、25は各
AD変換器23,24から出力されるデジタルデータに
等化処理を施すトランスバーサル等化器である。16QAM
において、Iチャンネル信号、Qチャンネル信号をそれ
ぞれ8ビットで表現すると、上位2ビットがデータを表
し、下位6ビットが波形歪等による誤差を表す。
【0031】26は再生クロックの位相を検出して位相
信号CPSを出力するクロック位相信号発生部、27は
復調信号に含まれるシンボルデータクロックに同期した
クロックCLKを再生するクロック再生回路,28,2
9はゲインα0のAGC回路であり、α0はトランスバー
サル等化器25内のFIR型フィルタのセンタータップ
係数に対応するものである。直交検波部22は、中間周
波増幅器22a、中間周波信号を分岐するハイブリッド
(H)22b、搬送周波数fcで発振する局部発振器2
2c、局部発振器の出力信号を互いに位相が900異な
る2つの信号に分岐するハイブリッド22d、中間周波
信号を2つの直交する信号とそれぞれ混合して直交検波
し、ベースバンドの同相(In Phase)信号と直交(Quadrat
ure)信号を出力するミキサ回路22e,22fと、ベー
スバンドの同相信号(Iチャンネル信号)Ichと直交信号
(Qチャンネル信号)Qchにロールオフ特性を付与する
ロールオフ・フィルタ22g,22hを備えている。
【0032】トランスバーサル等化器25は図3に示す
よう4つのFIR型フィルタ25a-1〜25a-2, 25b-1〜25b-2
で構成され、図20に示したものと同一の構成を備えて
いる。トランスバーサル等化器25は実際には図4に示
すようにFIR型フィルタ25a-1の構成が若干モディフ
ァイされている。これは、図19の減算回路31及び遅
延回路32を除去するためである。以下、この点につい
て説明する。
【0033】再生クロックCLKの位相ずれを検出する
ためにはトランスバーサル等化器25の入力信号と出力
信号の誤差Eを演算する必要がある。トランスバーサル
等化器25の入力信号をTIN、出力信号をTOUTとする
と、誤差Eは、次式 E=TOUT(t)-TIN(t-τ)・・・(1) と表される。ここでτは時間を一致させる遅延時間であ
り、入力信号TINがFIR型フィルタのセンタータップ
に到来するまでの時間であり、シンボルデータ周期を
T、センタータップまでの遅延回路Z-1の数をnとすれ
ば、τ=n・Tである。トランスバーサル等化器25の内部
は図3に示すようになっており、各FIR型フィルタは、
1シンボルクロック時間遅延する2n個の遅延回路Z-1
各遅延回路出力に所定の係数α-n〜αnを乗算する(2n+
1)個の乗算器MLP、乗算器出力を加算する加算器AD
Dで構成されている。係数α-n〜αnの値は図22〜図
23で説明した方法により決定される。図3のトランス
バーサル等化器25は図4のように変形することができ
る。すると、(1)式は次のように書くことができる。
【0034】 E=COUT(t)+α0×TIN(t-τ)-TIN(t-τ)・・・(2) なお、ここで求めたい誤差成分はクロックずれによるも
のであり、クロックずれによる誤差は同相(In-phase)
側に現れるため、Qch側からの成分は無視できる。ま
た、係数α0はセンタータップといわれ、AGC(Automatic
Gain Controller)と同じ働きをする。AGCはトランスバ
ーサル等化器25の外でも構成可能なため、図2に示す
ように外に出し、α0=1とすると、誤差Eは次式 E=COUT(t)・・・(3) となる。すなわち、トランスバーサル等化器25を図4
に示す構成とすれば(ただし、α0=1)、COUT(t)がト
ランスバーサル等化器25の入力信号と出力信号の誤差
Eと一致する。この結果、従来無線受信部(図19参
照)で必要とされていた減算回路31、遅延回路32を
省略することができる。
【0035】図2に戻って、クロック位相信号発生部2
6において、30はIチャンネル信号Ichの傾きG(傾
き正の時G=”0”、傾き負の時G=”1”)を判定す
る傾き判定部、40はIチャンネル信号の傾きGの正負
と誤差信号E(=COUT(t))の正負の組み合わせに基づい
てクロック位相を検出して位相制御信号CPSを出力す
るクロック位相検出部である。傾き判定部30は、フリ
ップフロップ回路30a,30b,ROM30cで構成
され、各FF回路(遅延部)30a,30bはAD変換
器23の出力信号(Iチャンネル信号)を1シンボル時
間づつ遅延させ、ROM(比較部)30cは、これら各
FF回路30a,30bの出力を比較してIチャンネル
信号Ichの傾きを検出する。
【0036】クロック位相検出部40は、傾き判定部3
0から出力される傾き信号Gを前記時間τ遅延する遅延
回路33、傾きGと誤差信号E(=COUT(t))の符号との
排他的論理和演算を実行するEOR回路34、EOR出
力信号を平滑化してアナログの位相信号CPSを出力す
るRC構成のループフィルタを備えている。クロック再
生部27において、36は位相制御信号に応じた周波数
のクロック信号を出力する発振器で例えば電圧制御発振
器(VCO)、37は位相信号CPSを増幅して位相制
御信号を出力する増幅器である。発振器36はクロック
の位相ずれに応じた位相制御信号により該位相ずれが零
となるようにクロック位相を制御する。AD変換器23
→クロック位相信号発生部26→クロック再生回路27
→AD変換器23よりなるループは、再生クロックをシ
ンボルクロックの位相に一致させるPLLを構成してい
る。発振器36から出力する再生クロックの位相とシン
ボルクロックの位相がずれると、トランスバーサル等化
器25の入出力信号間に誤差信号Eが発生する。誤差信
号Eが発生すれば、クロック位相信号発生部26はIチ
ャンネル信号Ichの傾きGと誤差信号Eの符号を用いて
位相差を検出し、該位相差に応じた値を有する位相信号
CPSを発生し、クロック再生回路27は該位相信号C
PSにより再生クロックの位相を制御し、位相差が零と
なるように制御する。
【0037】以上により、クロック再生回路27から出
力する再生クロックを、常に、アイパターンの開口部が
最も大きく開く最適な位相に一致させることができ、こ
れにより、各AD変換器23,24でのAD変換処理の
精度を向上することができる。又、図2の構成によれ
ば、遅延回路や減算回路を削減でき、無線受信装置の構
成を簡略化できる。
【0038】(B)第2実施例 (a)トランスバーサル等化器を単純に2分した場合 図5は本発明の第2実施例に係わる無線受信装置の構成
図であり、図2の第1実施例と同一部分には同一符号を
付している。第1実施例と異なる点は、トランスバーサ
ル等化器25を構成する各FIR型フィルタをセンター
タップを境に2つに分離して前方等化器25Aと後方等
化器25Bを構成している点である。前方等化器25A
は、図3の4つのFIR型フィルタ25a-1〜25a-2, 25b-1〜
25b-2をセンタータップを中心に2つに分離した時の前
方タップ係数部分で構成され、後方等化器25Bは後方
タップ係数部分で構成されている。
【0039】図6は前方等化器25A及び後方等化器2
5Bに分離されたトランスバーサル等化器25の構成図
である。センタータップ係数α0は前方等化器25A内
に属する。ただし、FIR型フィルタ25a-11のセンタータ
ップ係数α0はAGC回路としてトランスバーサル等化
器の外側に出し(図5のAGC28、29)、α0=1
とされ乗算器は除去されている。
【0040】前方等化器25Aは、タップ係数α-n〜α
-10のFIR型フィルタ25a-11〜25a-21、タップ係数β
-n〜β-10のFIR型フィルタ25b-11〜25b-21、減算器2
5c-1,25d-1を備え、各FIR型フィルタはフォワード型の
構成を備えている。前方等化器25AのFIR型フィルタ2
5a-11、25a-21はそれぞれ、入力されたIチャンネル8ビ
ットの16QAMデータを遅延部Z-1により順次遅延すると
共に、各遅延部の出力データにタップ係数α-n〜α-1,
α0(FIR型フィルタ25a-11ではα0=1)を乗算し、乗算結
果を加算して出力する。又、FIR型フィルタ25b-11、25b
-21は、入力されたQチャンネル8ビットの16QAMデータ
を遅延部Z-1により順次シフトすると共に、各遅延部の
出力データにタップ係数β-n〜β-10を乗算し、乗算
結果を加算して出力する。減算器25c-1はIチャンネル
信号よりQチャンネル信号を減算することにより、Iチ
ャンネル信号に含まれる直交成分(Qチャンネル成分)
をキャンセルする。又、減算器25d-1はQチャンネル信
号よりIチャンネル信号を減算することにより、Qチャ
ンネル信号に含まれる直交成分(Iチャンネル成分)を
キャンセルする。
【0041】後方等化器25Bは、タップ係数α1〜αn
のFIR型フィルタ25a-12〜25a-22, 25b-12〜25b-22と減
算器25c-2,25d-2を備え、各FIR型フィルタ25a-12〜25a-
22, 25b-12〜25b-22はフォワード型の構成を備えてい
る。後方等化器25BのFIR型フィルタ25a-12は、入力
されたIチャンネル信号を遅延部Z-1により順次シフト
すると共に、各遅延部の出力データにタップ係数α1
αnを乗算し、各乗算結果と前方等化器出力とを加算し
て出力する。FIR型フィルタ25a-22は、入力されたIチ
ャンネル信号を遅延部Z-1により順次シフトすると共
に、各遅延部の出力データにタップ係数α1〜αnを乗算
し、各乗算結果を加算して出力する。又、FIR型フィル
タ25b-12は、入力されたQチャンネル信号を遅延部Z-1
により順次シフトすると共に、各遅延部の出力データに
タップ係数β1〜βnを乗算し、各乗算結果と前方等化器
出力とを加算して出力する。FIR型フィルタ25b-22は、
入力されたQチャンネル信号を遅延部Z-1により順次シ
フトすると共に、各遅延部の出力データにタップ係数β
1〜βnを乗算し、各乗算結果を加算して出力する。減算
器25c-2はIチャンネル信号よりQチャンネル信号を減
算してIチャンネル信号に含まれる直交成分(Qチャン
ネル成分)をキャンセルし、減算器25d-2はQチャンネ
ル信号よりIチャンネル信号を減算してQチャンネル信
号に含まれる直交成分(Iチャンネル成分)をキャンセ
ルする。
【0042】図6のトランスバーサル等化器25は図7
に示すように変形することができる。かかる構成にする
と、トランスバーサル等化器25の出力TOUT(t)は次式 TOUT(t)=COUT1+COUT2+TIN(t-τ) (4) となる。(4)式を(1)式に代入すると次式 E=COUT1(t)+COUT2(t)・・・(5) が成立する。
【0043】クロック位相は前方等化器の入力信号(I
チャンネル信号)の傾きGの正負と誤差信号Eの正負の
EOR演算結果を逐次累積して得ることができる。従っ
て、誤差信号Eが(5)式で表現されることを考慮する
と、クロック位相検出部40は、傾きGと誤差COUT1
とのEOR演算を行うと共に、傾きGと誤差COUT2と
のEOR演算を行い、これら各EOR演算結果を加算
し、加算値に基づいて再生クロックの位相信号を作成
するように構成できる。図5のクロック位相検出部40
は以上のように構成したものであり、33,43は傾き
判定部30から出力される傾き信号Gを時間τ遅延する
遅延回路、34は傾きGと誤差信号COUT1の符号との排
他的論理和演算を実行するEOR回路、44は傾きGと
誤差信号COUT2の符号との排他的論理和演算を実行する
EOR回路、45は各EOR回路出力を加算する加算
器、35は加算器から出力されるEOR合成信号を平滑
化してアナログのクロック位相信号CPSを出力するR
C構成のループフィルタである。以上のように、トラン
スバーサル等化器25を前方等化器と後方等化器に分離
し、前方、後方の誤差に基づいてクロック位相信号を発
生するため、再生クロックの精度を向上することができ
る。又、第1実施例と同様に、遅延回路や減算回路を削
減でき、無線受信装置の構成を簡略化できる。
【0044】(b)判定帰還型等化器を用いる例 図5に示した第2実施例のトランスバーサル等化器25
に替えて判定帰還型等化器を用いることができる。図8
はかかる判定帰還型等化器の構成図であり、図27に示
す判定帰還型等化器を構成するFIR型フィルタ25a-11,25
a-12内の接続を等化的に若干変形した構成を有してい
る。かかる判定帰還型等化器においても図7のトランス
バーサル等化器と同様に出力TOUT(t)は次式 TOUT(t)=COUT1+COUT2+TIN(t-τ) (4) で表現でき、判定帰還型等化器の入力信号と出力信号間
の誤差Eは次式 E=COUT1(t)+COUT2(t)・・・(5) で与えられる。
【0045】従って、図8の判定帰還型等化器を図5の
トランスバーサル等化器25に替えて使用することがで
きる。判定帰還型等化器を用いることにより、等化後の
デジタルデータに含まれるノイズや干渉成分を除去した
データを帰還するため、タップ係数を正しい値に収束さ
せることができ、等化器の能力を向上することができ
る。又、トランスバーサル等化器の場合と同様に前方、
後方の誤差に基づいてクロック位相信号を発生するた
め、再生クロックの精度を向上することができる。
【0046】(C)第3実施例 図9は本発明の第3実施例に係わる無線受信装置の構成
図であり、図5の第2実施例と同一部分には同一符号を
付している。第2実施例と異なる点は、傾き判定部を前
方等化器と後方等化器用に別々に設けている点、各傾き
判定部で判定した傾きG1,G2(正="0"、負="1")と
(5)式で与えられる誤差COUT1,COUT2の符号(正="1"、負
="0")とのEOR演算結果を加算して位相信号CPSを
作成している点である。
【0047】図9において、50は後方等化器25Bの
入力信号の傾きG2を求める第2の傾き判定部であり、
前方等化器25Aの入力信号(Iチャンネル信号Ich)
の傾きG1を求める第1の傾き判定部30と全く同一の
構成を有している。クロック位相検出部40において、
33,53は第1、第2の傾き判定部30、50からそ
れぞれ出力される傾き信号G1,G2を時間τ遅延する遅
延回路、34は前方等化器の入力信号の傾きG1と誤差
信号COUT1の符号との排他的論理和演算を実行するEO
R回路、54は後方等化器の入力信号の傾きG2と誤差
信号COUT2の符号との排他的論理和演算を実行するEO
R回路、55は各EOR回路出力を加算する加算器、3
5は加算器から出力されるEOR合成信号を平滑化して
アナログの位相信号CPSを出力するRC構成のループ
フィルタである。
【0048】クロック位相検出部40は、傾きG1と誤
差COUT1とのEOR演算を行うと共に傾きG2と誤差COUT
2とのEOR演算を行い、ついで、各EOR演算結果を
加算し、加算値に基づいて再生クロックの位相信号CP
Sを作成して出力する。第3実施例のように傾き判定を
前方等化器と後方等化器とで独立に構成すれば、傾き判
定部が1つ増加するが、前方等化器及び後方等化器に応
じた正しい信号の傾きを求めることができ、再生クロッ
クの精度を向上することができる。
【0049】(D)第4実施例 (a)原理 深いフェージング発生時に、トランスバーサル等化器を
構成するFIR型フィルタのタップ係数が大きくなり、誤
差COUT1,COUT2の値が大きくなる。このようになると、
クロックの位相ずれによる誤差がその中に埋もれ、クロ
ック再生の精度が劣化する。一般的にマルチパスフェー
ジングには、主波より干渉波が遅延しているミニマムフ
ェーズ(MP)と、干渉波より主波の方が遅延しているノン
ミニマムフェーズ(NMP)がある。トランスバーサル等化
器はミニマムフェーズMPの場合、主に後方等化器25B
のタップ係数α1〜αnが大きい値を示し、ノンミニマム
フェーズNMPの場合は、主に前方等化器25Aのタップ
係数α-1〜α-nが大きくなる。
【0050】図10はミニマムフェーズとノンミニマム
フェーズにおけるタップ係数説明図であり、(a)は主
波MWと干渉波IWの関係図、(b)はミニマムフェーズ(M
P)の場合の主波及び干渉波のインパルス応答図、(c)
はノンミニマムフェーズ(NMP)の場合の主波及び干渉波
のインパルス応答図である。送信局SSTから受信局RSTに
無線送信している時、主波MWと干渉波IWを合成した波が
受信波となり、このとき、主波MWより干渉波IWが遅れて
いればミニマムフェーズ、主波MWより干渉波IWが進んで
いればノンミニマムフェーズである。ミニマムフェーズ
(MP)の場合の主波MW及び干渉波IWのインパルス応答はそ
れぞれ(b)に示すようになり、+側のタップ係数(後
方タップ係数)α1〜αnが−側のタップ係数(前方タップ
係数)α-1〜α-nより大きくなる。すなわち、ミニマム
フェーズの場合には、トランスバーサル等化器の後方等
化器25Bのタップ係数が大きくなる。
【0051】逆にノンミニマム(NMP)の場合は、(c)
に示すように、−側のタップ係数α- 1〜α-nが+側のタ
ップ係数α1〜αnより大きくなる。すなわち、ノンミニ
マムフェーズの場合には、トランスバーサル等化器の前
方等化器25Aのタップ係数が大きくなる。ところで、
フェージング時、タップ係数が小さい方の誤差信号を利
用して位相制御を行えばクロック再生の精度劣化を抑え
ることができる。そこで、第4実施例では、フェージン
グがどちらのフェーズであるか識別し、識別フェーズに
基づいてタップ係数値が小さ方の等化器の誤差信号を用
いて位相制御し、これにより、クロック再生の精度劣化
を抑え、深いフェージングに耐えれるようにする。
【0052】(b)構成 図11は本発明の第4実施例に係わる無線受信装置の構
成図であり、図5の第2実施例と同一部分には同一符号
を付している。第2実施例と異なる点は、フェージング
の有無及びフェージング状態に基づいて位相信号作成に
使用するEOR出力信号を切り替えている点である。図
中、61はセレクタであり、3入力/1出力の構成を有
し、フェージングの発生の有無及びフェージング時のフ
ェーズ(MN,NMN)に基づいて所定の入力を選択して出力
するようになっている。セレクタ61のA端子には傾き
Gと誤差COUT1とのEOR演算結果が入力され、B端子
には傾きGと誤差COUT2とのEOR演算結果が入力さ
れ、C端子には各EOR演算結果を加算した加算値が入
力されている。62はフェージングの発生の有無及びフ
ェージング時におけるフェーズ(MP,NMP)を識別するフェ
ーズ判定部である。
【0053】セレクタ61は、(1) フェージング状態で
なければ、図5の第2実施例と同様に各EOR回路3
4,44の演算結果を加算した加算値を出力し、(2) ミ
ニマムフェーズ(MP)であれば、A端子に入力された傾き
Gと誤差COUT1とのEOR演算結果(EOR回路34の演
算結果)を出力し、(3) ノンミニマムフェーズ(NMP)であ
れば、B端子に入力された傾きGと誤差COUT2とのEO
R演算結果(EOR回路44の演算結果)を出力する。こ
れにより、ループフィルタ部35はセレクタ61の出力
信号を平滑化して位相信号CPSを発生する。以上のよ
うに、第4実施例によれば、フェージング状態であって
もフェーズ(MP、NMP)を識別し、識別フェーズに基づい
てタップ係数値が小さ方の誤差信号を用いて位相制御す
るようにしたから、再生クロックの精度劣化を抑えるこ
とができ、しかも、深いフェージングに耐えられるよう
にできる。なお、図9の第3実施例にセレクタ61、フ
ェーズ判定部62を設け、フェージングの有無及びフェ
ージング状態に基づいて位相信号作成に使用するEOR
出力信号を切り替えるように構成することもできる。
【0054】(c)フェーズ判定部 (c-1) 第1のフェーズ判定部 ミニマムフェーズ(MP)かノンミニマムフェーズ(NMP)か
の判定にはトランスバーサル等化器のタップ係数を利用
できる。既に説明したように、ミニマムフェーズ(MP)
では後方等化器25Bのタップ係数が大きな値になり、
ノンミニマムフェーズ(NMP)では前方等化器25Aのタ
ップ係数が大きな値になる。これを利用して、前方等化
器25Aにおける1以上のタップ係数の絶対値の合計値
Aと後方等化器25Bの対応する1以上のタップ係数の
絶対値の合計値Bを比較することで、ミニマムフェーズ
(MP)であるか、ノンミニマムフェーズ(NMP)であるかを
判別する。
【0055】図12はかかる原理に基づいてフェーズを
判定するフェーズ判定部62の構成図であり、62aは
前方等化器25Aのタップ係数α-1〜α-n,β-1〜β-n
の絶対値を求め、その合計値Aを出力する演算回路、6
2bは後方等化器25Bのタップ係数α1〜αn,β1
βnの絶対値を求め、その合計値Bを出力する演算回
路、62cは合計値A,Bの大小を比較する比較器であ
る。各演算回路62a,62bにおいて、ABSは絶対値
回路であり、タップ係数とその符号(最上位ビットMSB)
を乗算して絶対値を出力するもの、ADDは各絶対値回路
出力を加算する加算器である。比較器62cは合計値
A,Bの大小を比較し、A<Bであり、その差が設定
値以上のとき、ミニマムフェーズ(MP)であると判定
し、A>Bであり、その差が設定値以上のとき、ノン
ミニマムフェーズ(NMP)であると判定し、合計値A,
Bがほぼ等しい場合は、フェージングが発生していない
状態であると判定し、判定結果をセレクタ61に入力す
る。以上では、直交側の係数βiも考慮したが同相側の
係数のみを用いてフェーズ判定を行うことができる。
又、絶対値の取り方は一例であり、限定するものではな
い。
【0056】(c-2) 第2のフェーズ判定部 ミニマムフェーズ(MP)であれば、後方等化器25Bの
第1タップ係数α1が大きくなるため、その影響で第2
タップ係数α2も同一符号になる。又、ノンミニマムフ
ェーズ(NMP)であれば、前方等化器25Aの第1タップ
係数α-1が大きくなるため、その影響で第2タップ係数
α-2も同一符号になる。図10(b),(c)では第1番目と
第2番目のタップ係数α12-1-2の符号が異な
るようにみえるが、第2番目のタップ係数値は小さい。
そして、実際の制御では第1番目のタップ係数α1-1
が大きくなるため、その等価残差が第2番目のタップ係
数α 2-2に影響し、図10(b),(c)に示す値より実際
には大きくなり、同符号になる。
【0057】以上より、前方等化器25Aにおける1番
目と2番目のタップ係数の符号が同一であるか、後方等
化器25Bにおける1番目と2番目のタップ係数の符号
が同一であるか判定することにより、フェージング発生
の有無及びミニマムフェーズ(MP)であるか、ノンミニ
マムフェーズ(NMP)であるかを判別できる。図13はか
かる原理によりフェーズ判定を行うフェーズ判定部の構
成図である。図中、62dは第1の符号一致演算回路
で、前方等化器25AにおけるIチャンネル側の第1、
第2タップ係数α-1-2の符号(最上位ビットMSB)が
一致しているか、及びQチャンネル側の第1、第2タッ
プ係数β-1-2の符号が一致しているか調べ、一方が
一致している時に”1”を、いずれも一致していない場
合に”0”を出力する。62eは第2の符号一致演算回
路で、後方等化器25BにおけるIチャンネル側の第
1、第2タップ係数α12の符号が一致しているか、
及びQチャンネル側の第1、第2タップ係数β12
符号が一致しているか調べ、一方が一致している時に”
1”を、いずれも一致していない場合に”0”を出力す
る。62fは第1、第2の符号一致演算回路62d,6
2eの出力A,Bに基づいてフェージング発生の有無及
びミニマムフェーズ(MP)、ノンミニマムフェーズ(NMP)
を判別する比較器である。各演算回路62d,62eに
おいて、EOR′は排他的論理和演算結果の否定値を出
力する論理回路、ORはオアゲートである。
【0058】比較器62fは各演算回路出力A,Bを比
較し、A=0,B=1であれば、ミニマムフェーズ
(MP)であると判定し、A=1,B=0であれば、ノ
ンミニマムフェーズ(NMP)であると判定し、A,Bが
その他の状態であれば、フェージングが発生していない
と判定し、判定結果をセレクタ61に入力する。図13
では、α、β両方を使用しているが、簡易的にαだけで
行う事も可能である。
【0059】(E)第5実施例 図14は本発明の第5実施例に係わる無線受信装置の構
成図であり、図5の第2実施例と同一部分には同一符号
を付している。第2実施例と異なる点は、(1)前方等化
器25Aから出力される信号(後方等化器25Bの入力
信号)の傾きG 2を求める傾き判定部を設けている点、
(2) 後方等化器25Bから出力されるIチャンネル信号
の最終的な誤差Eと後方等化器25Bの入力信号の傾き
2を掛け合わせ、その結果を用いて位相制御している
点である。図14において、70は前方等化器25の出
力信号(後方等化器25Bの入力信号)の傾きG2を求
める傾き判定部であり、前方等化器の入力信号(Iチャ
ンネル信号Ich)の傾きG1を求める第1の傾き判定部3
0と全く同一の構成を有している。クロック位相検出部
40において、71は傾き判定部70から出力される傾
き信号G2を時間τ遅延する遅延回路、72は後方等化
器25Bから出力されるIチャンネル信号の誤差Eと後
方等化器25Bの入力信号の傾きG2との排他的論理和
演算を実行して演算結果を出力するEOR回路、73は
各EOR回路34,44,72の演算結果を加算してル
ープフィルタ部35に入力する加算器である。
【0060】16QAMにおいて、Iチャンネル信号、Qチ
ャンネル信号をそれぞれ8ビットで表現すると、上位2
ビットがデータを表し、下位6ビットが波形歪等による
誤差を表す。上位2ビットの識別スレショールドとデジ
タルデータの関係は図15(a)に示すようになり、デ
ジタルデータの第3ビット(エラービット)Eが”1”
であればIチャンネル信号は識別スレショールド値TH
1,TH2の中間値(理想値)Vmより大きくなり、E
=”0”であれば中間値Vmより小さくなる。再生クロ
ックのタイミングt0におけるIチャンネル信号の中間
値Vmからの偏差eは、理想クロック(シンボルデータ
クロック)からの位相ずれΔtにより生じるものであ
る。従って、偏差eが零となるように位相制御をΔtだ
け行えば良い。
【0061】今、後方等化器25Bより得られるIチャ
ンネル信号が図15(b)の一点鎖線で示すようになっ
ているものとすれば(エラービットE=”1”)、位相
ずれはΔtであり、再生クロックの位相はシンボルデー
タクロックよりΔt進んでいる。従って、再生クロック
の位相を遅らす方向に制御する必要がある。すなわち、
Iチャンネル信号の傾きG2が正(G2=0)で、エラー
ビットEが”1”の場合にはIチャンネル信号の位相が
進んでいることを意味し、Iチャンネル信号の位相を遅
らせるように制御する必要がある(位相シフト方向は遅
れ方向=”1”)。・・・A
【0062】一方、後方等化器25Bより得られるIチ
ャンネル信号が図15(b)の点線で示すようになって
いるものとすれば(エラービットE=”0”)、位相ず
れはΔtであり、再生クロックの位相はシンボルデータ
クロックよりΔt遅れている。従って、再生クロックの
位相を進ませる方向に制御する必要がある。すなわち、
Iチャンネル信号の傾きG2が正(G2=0)で、エラー
ビットEが”0”の場合にはIチャンネル信号の位相が
遅れていることを意味し、Iチャンネル信号の位相を進
ませるように制御する必要がある(位相シフト方向は進
み方向=”0”)。・・・B 以上のA,Bをまとめると、図15(b)の表に示すよ
うになる。以上は、Iチャンネル信号の傾きG2が正の
場合であるが、負の場合(G2=”1”)には図15
(c)の表に示すようになる。以上より、正の傾斜を”
0”、負の傾斜を”1”と表現し、進み位相シフトを”
0”、遅れ位相シフトを”1”とすれば、傾斜G2とエ
ラービットEの排他的論理和を演算し、演算結果が”
0”であれば位相を進ませ、”1”であれば位相を遅ら
せるように制御すればよいことになる。
【0063】以上より、図14において、傾き判定部7
0は後方等化器25Bに入力するIチャンネル信号の傾
きG2を求め、EOR回路72は傾きG2と後方等化器2
5Bから出力されるIチャンネル信号のエラービットE
との排他的論理和演算を実行して演算結果を出力し、加
算器73は各EOR回路34,44,72の演算結果を
加算してループフィルタ部35に入力する。ループフィ
ルタ部35は加算器73から入力した加算値を平滑化し
て位相信号CPSを発生し、クロック再生回路27は該
位相信号CPSに基づいて位相ずれΔtが零となるよう
に再生クロックの位相を制御する。尚、加算器45の出
力AとEOR回路72の出力Bに適当な重み付けをして
加算器73で加算して出力するように構成することもで
きる。第5実施例によれば、Iチャンネル信号の最終的
な誤差Eと後方等化器25Bに入力するIチャンネル信
号の傾きG2を掛け合わせ、その結果を用いて位相制御
しているため、再生クロックの位相精度を向上すること
ができ、深いフェージングに対する耐力が向上すること
ができる。
【0064】(F)第6実施例 再生クロックCLKの位相が理想点からずれるとタップ
係数が変化する。このタップ係数値の変化は(-α1
-1)で表される。そこで、第6実施例ではこの成分を用
いて位相制御することにより再生クロックの位相精度の
向上を図る。図16はクロック位相のずれが(-α1+α
-1)で表される理由の説明図である。クロック位相が進
んでいる場合、インパルス応答は図16(a)に示すよ
うになり、トランスバーサル等化器25のタップ係数α
1,α-1について次式 -α1+α-1>0 が成立する。又、クロック位相が遅れている場合、イン
パルス応答は図16(b)に示すようになり、トランス
バーサル等化器25のタップ係数α1,α-1について次
式 -α1+α-1<0 が成立する。以上より、クロック位相の進み/遅れに応
じて-α1+α-1の符号が変化すると共に、進み/遅れ量
に応じて-α1+α-1の値が変化する。換言すれば、-α1
+α-1は再生クロックCLKの位相ずれを示す。
【0065】図17は本発明の第6実施例に係わる無線
受信装置の構成図であり、図5の第2実施例と同一部分
には同一符号を付している。第6実施例において、第2
実施例と異なる点は、(1) -α1+α-1を演算する点、
(2) 第2実施例のループフィルタ入力に-α1+α-1を加
算して位相制御する点である。クロック位相検出部40
における符号反転部81は、後方等化器25Bの第1タ
ップ係数α1の符号を反転し、加算器82は-α1+α-1
を演算する。加算器83はEOR回路34、44の演算
結果に-α1+α-1を加算してループフィルタ部35に入
力する。ループフィルタ部35は加算器83から入力し
た加算値を平滑化して位相信号CPSを発生し、クロッ
ク再生回路27は該位相信号CPSに基づいて位相ずれ
Δtが零となるように再生クロックの位相を制御する。
この場合、加算器45の出力Aと加算器82の出力Bに
適当な重み付けをして加算器83で加算して出力するよ
うに構成することができる。第6実施例によれば、第2
実施例のループフィルタ入力に更に(-α1+α-1)を加
えて位相制御するため再生クロックの位相精度を向上す
ることができる。
【0066】(G)第7実施例 (a)原理 直交側タップ係数は、一般的にクロック位相を示す値と
して利用できない。しかし、深いフェージングが発生し
た時に利用できるようになる。これは以下の理由による
ものである。すなわち、QAMの復調は入力IF信号A(t)に
同期したローカル周波数ωで直交検波することにより行
っており、 Ichベースバンド信号→A(t)・cos(ωt) Qchベースバンド信号→A(t)・sin(ωt) である。一方、フェージング時には時間差τの信号が合
成される。このため、 Ichベースバンド信号→A(t)・cos(ωt)+A(t+τ)・cos
(ω(t+τ)) Qchベースバンド信号→A(t)・sin(ωt)+A(t+τ)・sin
(ω(t+τ)) となる。
【0067】A(t+τ)は図10(b), (c)に示す干渉波と
主波のインパルス応答のずれを意味している。cos(ω(t
+τ)),sin(ω(t+τ))の部分は、I,Qの直交位相面に対
する回転を意味し、深いフェージング時にはこの位相回
転部分が無視できなくなり、直交側のタップ係数βが変
化する。特にフェージング位置がセンターからずれてい
ると、この位相回転成分が大きくなる。以上より、β
1>β-1であれば、+(β1+β-1)をループフィルタ入
力に加算し、β1<β-1であれば、−(β1+β-1)を
ループフィルタ入力に加算して位相制御する。
【0068】(b)構成 図18は本発明の第7実施例に係わる無線受信装置の構
成図であり、上記原理に従って位相制御する機能を備え
ており、図17の第6実施例と同一部分には同一符号を
付している。第7実施例は、第6実施例のループフィル
タ入力に±(β 1+β-1)を加えて位相制御する点で第
6実施例と異なる。クロック位相検出部40において、
91はタップ係数β1,β-1の大小を比較する比較部、
92は(β1+β-1)を演算する加算器、93はβ1>β
-1であれば、(β1+β-1)を出力し、β1<β-1であれ
ば、−(β1+β-1)を出力するセレクタ、94はセレ
クタ93の出力±(β1+β-1)と(-α1+α-1)を加
算してて出力する加算器である。
【0069】クロック位相検出部40における符号反転
部81は、後方等化器25Bの第1タップ係数α1の符
号を反転し、加算器82は-α1+α-1を演算する。比較
器91はタップ係数β1,β-1の大小を比較し、加算器
92は(β1+β-1)を演算し、セレクタ93はβ1>β
-1であれば、(β1+β-1)を出力し、β1<β-1であれ
ば、−(β1+β-1)を出力し、加算器94は±(β1
β-1)と(-α1+α-1)を加算し、加算器83はEOR
回路34、44の演算結果に±(β1+β-1)+(-α1
+α-1)を加算してループフィルタ部35に入力する。
ループフィルタ部35は加算器83から入力した加算値
を平滑化して位相信号CPSを発生し、クロック再生回
路27は該位相信号CPSに基づいて位相ずれΔtが零
となるように再生クロックの位相を制御する。
【0070】この場合、加算器45の出力Aと加算器9
4の出力Bに適当な重み付けをして加算器83で加算
し、又、加算器82の出力Cとセレクタ93の出力Dに
適当な重み付けをして加算器94で加算して出力するよ
うに構成することができる。第7実施例によれば、第6
実施例のループフィルタ入力に更に±(β1+β-1)を
加えて位相制御するため、フェージングが深い場合であ
っても再生クロックの位相精度を向上することができ
る。以上では、トランスバーサル等化器をFIRフィル
タで構成した場合について説明したが、他のデジタルフ
ィルタであってもよい。以上、本発明を実施例により説
明したが、本発明は請求の範囲に記載した本発明の主旨
に従い種々の変形が可能であり、本発明はこれらを排除
するものではない。
【0071】
【発明の効果】以上本発明によれば、トランスバーサル
等化器を構成するデジタルフィルタたとえばFIRフィ
ルタのセンタータップ係数α0を零とみなした時の該F
IR型フィルタの出力信号を、トランスバーサル等化器
の入出力信号間の誤差信号として出力し、等化器の入力
信号の傾きと誤差信号を用いてクロックの位相信号を出
力するようにしたから、クロック再生回路から出力する
再生クロックをアイパターンの開口部が最も大きく開く
最適な位相に一致させることができ、これにより、各A
D変換器でのAD変換処理の精度を向上することができ
る。しかも、遅延回路や減算回路を削減でき、無線受信
装置の構成を簡略化できる。
【0072】本発明によれば、トランスバーサル等化器
を前方等化器と後方等化器に分離し、前方、後方の誤差
に基づいてクロック位相信号を発生するようにしたか
ら、再生クロックの精度を向上することができる。又、
前方等化器を構成するFIR型フィルタのタップ係数α
0を零とみなした時の該FIR型フィルタの出力信号
を、前方等化器の入出力信号間の誤差信号(第1の誤差
信号)とし、後方等化器のFIR型フィルタに入力され
る前方等化器の出力信号を零とみなした時の該FIR型
フィルタの出力信号を、後方等化器の入出力信号間の誤
差信号(第2の誤差信号)としたから遅延回路や減算回
路を削減でき、無線受信装置の構成を簡略化できる。
【0073】本発明によれば、傾き判定を前方等化器と
後方等化器とで独立に構成したから、傾き判定部が1つ
増加するが、前方等化器及び後方等化器に応じた正しい
信号の傾きを求めることができ、再生クロックの精度を
向上することができる。本発明によれば、フェージング
状態であってもフェーズ(MP、NMP)を識別し、識別フェ
ーズに基づいて、前方等化器及び後方等化器のうちタッ
プ係数値が小さ方の誤差信号を用いて位相制御するよう
にしたから、再生クロックの精度劣化を抑えることがで
き、しかも、深いフェージングに耐えられるようにでき
る。本発明によれば、Iチャンネル信号の最終的な誤差
Eと後方等化器に入力するIチャンネル信号の傾きG2
を掛け合わせ、その結果をループフィルタ部に入力して
位相信号を発生するようにしているため、再生クロック
の位相精度を向上することができ、又、深いフェージン
グに対する耐力を向上することができる。
【0074】本発明によれば、ループフィルタ入力に更
に(-α1+α-1)を加えて位相制御するため再生クロッ
クの位相精度を向上することができる。本発明によれ
ば、ループフィルタ入力に(-α1+α-1)のほかに±
(β1+β- 1)を加えて位相制御するため、フェージン
グが深い場合であっても再生クロックの位相精度を向上
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図構成図である。
【図2】本発明の第1実施例の無線受信装置の構成図で
ある。
【図3】トランスバーサル等化器の構成図である。
【図4】実際のトランスバーサル等化器の構成図であ
る。
【図5】本発明の第2実施例の無線受信装置の構成図で
ある。
【図6】前方等化器と後方等化器に分離した場合のトラ
ンスバーサル等化器の構成図である。
【図7】前方等化器と後方等化器に分離した場合の実際
のトランスバーサル等化器の構成図である。
【図8】本発明の判定帰還型等化器の構成図である。
【図9】本発明の第3実施例の無線受信装置の構成図で
ある。
【図10】ミニマムフェーズとノンミニマムフェーズ状
態における係数説明図である。
【図11】フェージングに対応可能な第4実施例の無線
受信装置の構成である。
【図12】フェーズ判定部の構成図である。
【図13】別のフェーズ判定部の構成図である。
【図14】本発明の第5実施例の無線受信装置の構成図
である。
【図15】位相算出処理の説明図である。
【図16】クロック位相のずれと(−α1+α-1)の関
係説明図である。
【図17】本発明の第6実施例の無線受信装置の構成図
である。
【図18】本発明の第7実施例の無線受信装置の構成図
である。
【図19】従来の多重無線装置の受信部の構成図であ
る。
【図20】トランスバーサル等化器の構成図である。
【図21】識別スレショールド値とデジタルデータの関
係である。
【図22】トランスバーサルフィルタ例(5タップの場
合)である。
【図23】トランスバーサル等化器の詳細な構成であ
る。
【図24】Iチャンネル信号の傾きが正の場合における
クロック位相制御説明図である。
【図25】Iチャンネル信号の傾きが負の場合における
クロック位相制御説明図である。
【図26】判定帰還型等化器を含む従来例である。
【図27】前方TAPと後方TAPの構成例である。
【符号の説明】 22・・直交復調部 23,24・・AD変換器 25・・トランスバーサル等化器 25A・・前方等化器 25B・・後方等化器 26・・クロック位相信号発生部 27・・クロック再生回路 30・・傾き判定部 40・・クロック位相検出部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多値直交変調信号を復調した直交復調信
    号に含まれるシンボルクロックに同期したクロックを再
    生し、該再生クロックの発生タイミングで直交復調信号
    をAD変換し、AD変換により得られたデータをトラン
    スバーサル等化器を介して出力する無線受信装置におい
    て、 シンボルクロックに同期したクロックを発生するクロッ
    ク再生回路、 前記トランスバーサル等化器に入力される同相信号(I
    チャンネル信号)、直交信号(Qチャンネル信号)の一
    方の信号の傾きを求める傾き判定部、 前記一方の信号が入力されるトランスバーサル等化器を
    構成するフィルタにおけるセンタータップ係数α0を零
    とみなした時の該フィルタの出力信号を、トランスバー
    サル等化器の入出力信号間の信号遅延時間を考慮した誤
    差信号として出力する手段、 前記傾きと誤差信号を用いて再生クロックのシンボルク
    ロックに対する位相差に応じた位相信号を出力するクロ
    ック位相検出部、を備え、クロック再生回路は前記位相
    信号に基づいて再生クロックの位相を制御し、AD変換
    器は該再生クロックの発生タイミングで直交復調信号を
    AD変換してトランスバーサル等化器を介して出力する
    ことを特徴とする無線受信装置。
  2. 【請求項2】 前記クロック位相検出部は、 前記傾きの正負と誤差信号の正負の組み合わせに基づい
    てクロック位相差に応じた位相信号を出力する回路を備
    えたことを特徴とする請求項1記載の無線受信装置。
  3. 【請求項3】 多値直交変調信号を復調した直交復調信
    号に含まれるシンボルクロックに同期したクロックを再
    生し、該再生クロックの発生タイミングで直交復調信号
    をAD変換し、前方等化器と後方等化器を備えた等化回
    路を介してAD変換により得られたデータを出力する無
    線受信装置において、 シンボルクロックに同期したクロックを発生するクロッ
    ク再生回路、 前方等化器に入力される同相信号(Iチャンネル信
    号)、直交信号(Qチャンネル信号)の一方の信号の傾
    きを求める傾き判定部、 前方等化器を構成するフィルタのタップ係数α0を零と
    みなした時の該フィルタの出力信号を、前方等化器の入
    出力信号間の誤差信号(第1の誤差信号)とする手段、 後方等化器のフィルタに入力される前方等化器の出力信
    号を零とみなした時の該フィルタの出力信号を、後方等
    化器の入出力信号間の誤差信号(第2の誤差信号)とす
    る手段、 前記傾きと各誤差信号を用いて再生クロックのシンボル
    クロックに対する位相差に応じた位相信号を出力するク
    ロック位相検出部、を備え、クロック再生回路は前記位
    相信号に基づいて再生クロックの位相を制御し、AD変
    換器は該再生クロックの発生タイミングで直交復調信号
    をAD変換して等化回路を介して出力することを特徴と
    する無線受信装置。
  4. 【請求項4】前記等化回路は前方等化器と後方等化器を
    備えた判定帰還型等化器であることを特徴とする請求項
    3記載の無線受信装置。
  5. 【請求項5】 前記クロック位相検出部は、 前記傾きの正負と第1の誤差信号の正負の組み合わせに
    基づいてクロック位相差に応じた第1の信号を出力する
    第1の回路、 前記傾きの正負と第2の誤差信号の正負の組み合わせに
    基づいてクロック位相差に応じた第2の信号を出力する
    第2の回路、 第1、第2の信号を合成して位相信号を出力する合成回
    路を備えたことを特徴とする請求項3記載の無線受信装
    置。
  6. 【請求項6】 クロック位相検出部は、更に、 干渉波が主波より遅れているミニマムフェージング状態
    であるか、主波が干渉波より遅れているノンミニマムフ
    ェージング状態にあるか判定するフェージング状態判定
    部、 フェージング判定結果に基づいて第1、第2の信号を選
    択的に合成回路に入力し、あるいは、第1、第2の信号
    の重み付けを変えて合成回路に入力する手段、を備えた
    ことを特徴とする請求項5記載の無線受信装置。
  7. 【請求項7】 前記フェージング状態判定部は、前方等
    化器における1以上のタップ係数の絶対値の合計値Aと
    後方等化器の対応する1以上のタップ係数の絶対値の合
    計値Bを比較することによりフェージング状態を判定す
    ることを特徴とする請求項6記載の無線受信装置。
  8. 【請求項8】 前記フェージング状態判定部は、前方等
    化器における1番目と2番目のタップ係数の符号が同一
    であるか、後方等化器における1番目と2番目のタップ
    係数の符号が同一であるか判定することにより、フェー
    ジング状態を識別することを特徴とする請求項6記載の
    無線受信装置。
  9. 【請求項9】 前記クロック位相検出部は、 後方等化器の入力信号の傾きを求める傾き判定部と、 前記前方等化器の入力信号の傾きの正負と第1の誤差信
    号の正負の組み合わせに基づいてクロック位相差に応じ
    た第1の信号を出力する第1の回路、 交付等化器の入力信号の傾きの正負と第2の誤差信号の
    正負の組み合わせに基づいてクロック位相差に応じた第
    2の信号を出力する第2の回路、 第1、第2の信号を合成して位相信号を出力する合成化
    回路を備えたことを特徴とする請求項3記載の無線受信
    装置。
  10. 【請求項10】 前記クロック位相検出部は、後方等化
    器の入力信号の傾きと後方等化器の出力信号に含まれる
    誤差とに基づいて前記位相信号の値を制御することを特
    徴とする請求項3記載の無線受信装置。
  11. 【請求項11】 前記クロック位相検出部は、 前記前方等化器の入力信号の傾きの正負と第1の誤差信
    号の正負の組み合わせに基づいてクロック位相差に応じ
    た第1の信号を出力する第1の回路、 前記前方等化器の入力信号の傾きの正負と第2の誤差信
    号の正負の組み合わせに基づいてクロック位相差に応じ
    た第2の信号を出力する第2の回路、 後方等化器の入力信号の傾きを求める傾き判定部、 後方等化器の入力信号の傾きの正負と後方等化器の出力
    信号に含まれる誤差とに基づいてクロック位相差に応じ
    た第3の信号を出力する第3の回路、 第1、第2、第3の信号を合成して位相信号を出力する
    合成回路を備えたことを特徴とする請求項10記載の無
    線受信装置。
  12. 【請求項12】 前記一方の信号を同相信号とし、前方
    等化器におけるフィルタの第1番目のタップ係数値と後
    方等化器におけるフィルタの第1番目のタップ係数値の
    符号を反転したものを加算し、加算値に基づいて前記ク
    ロック位相検出部は前記位相信号の値を制御することを
    特徴とする請求項3記載の無線受信装置。
  13. 【請求項13】 前方等化器の直交第1番目のタップ係
    数β-1と後方等化器の直交第1番目のタップ係数β1
    加算すると共に、これらタップ係数β-1,β1の大小を
    比較し、β1<β-1の場合には前記加算値の符号を反転
    した値に基づいて、β1>β-1の場合には前記加算値に
    基づいて、前記クロック位相検出部は前記位相信号の値
    を制御することを特徴とする請求項12記載の無線受信
    装置。
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