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JPH116831A - 未熟網血小板を含む血小板の検出・測定方法及び該方法の臨床への適用 - Google Patents

未熟網血小板を含む血小板の検出・測定方法及び該方法の臨床への適用

Info

Publication number
JPH116831A
JPH116831A JP10163734A JP16373498A JPH116831A JP H116831 A JPH116831 A JP H116831A JP 10163734 A JP10163734 A JP 10163734A JP 16373498 A JP16373498 A JP 16373498A JP H116831 A JPH116831 A JP H116831A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
platelets
gate window
fluorescent
whole blood
rete
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10163734A
Other languages
English (en)
Inventor
Wan Fushen
ワン フ−シェン
Berend Houwen
ハウェン ベレンド
Stewart Nadea
スチュアート ナディア
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sysmex Corp
Original Assignee
Sysmex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sysmex Corp filed Critical Sysmex Corp
Publication of JPH116831A publication Critical patent/JPH116831A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来は弁別及び分離されていなかった初期血
小板前駆体細胞(未熟網血小板)集団の存在を測定し、
各人の血小板集団における変化の観察、種々の疾患での
骨髄機能抑制状態からの回復を観察することを目的とす
る。 【解決手段】 (a) 全血サンプルを固定及び洗浄し、
(b) 得られたサンプルを、核酸を染色可能な蛍光色素と
反応させ、(c) さらに得られた反応物を、非蛍光の成熟
血小板、蛍光染色された網血小板及び該網血小板よりも
高蛍光染色された未熟網血小板のためにそれぞれ予め設
定されたR1、R2及びR3ゲートウィンドウを用い、
かつ蛍光と前方散乱光とを利用するフローサイトメトリ
に付し、(d)前記R1ゲートウィンドウで画定された非
蛍光の成熟血小板を測定し、(e) 前記R2ゲートウィン
ドウで画定された網血小板を測定し、(f) 前記R3ゲー
トウィンドウで画定された未熟網血小板を測定すること
からなる未熟網血小板を含む血小板の検出・測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、未熟網血小板を含
む血小板の検出・測定方法及び該方法の臨床への適用に
関し、より詳細には、未熟網血小板を含む血小板の検出
・測定方法及び該方法の臨床への適用に関する。
【0001】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】哺乳動
物の血液は、赤血球、種々の白血球、血小板等を含む多
数の細胞型から構成されている。血小板は、骨髄中の巨
核球により生成され、赤血球と同様、それらが成熟する
と、その大きさ及びRNA含有量が減少することが知ら
れている(カルパッキン(Karpatkin) S.の報告(Ann.Re
v.Med.(1972)23 101-128)参照)。また、血小板のなか
で、巨核球から現れた幼若な血小板が確認されており、
この血小板は「網血小板(RP)」と呼ばれ、活動して
いる一番若い血小板であると仮定されていた(アルトと
ノーレス(Knowles) の報告(Exp.Hemat. (1995)23 996-1
001)参照)。
【0002】一般に、例えばガン患者において、骨髄機
能が抑制されると血小板生成は大きく減少するか又は全
く起こらなくなる。よって、正常なドナーから血小板輸
血を受けていない患者の血液中では成熟血小板のみが循
環することとなる。一方、自己骨髄移植を行った患者に
おいて、骨髄機能が回復した状態では、新しい血小板が
巨核球から生成され、この新しい血小板は、RNAが豊
富で網血小板であることが明らかにされている(ランプ
(Romp)らの報告(Am.J.Hen.(1994)46 319-324)参照)。
つまり、網血小板は、より多量のリボ核酸(RNA)を
含む点において成熟血小板とは異なる特徴を有してい
る。
【0003】よって、網血小板は、赤血球の網赤血球前
駆体にたとえられることがある。従来から、RNA含有
量が増大した網赤血球は、核酸結合性蛍光色素で染色
し、FACScanフローサイトメトリーを使用して検
出・同定できることが知られている(アルト(Ault)らの
報告(Am.J.Clin.Path.(1992)98 637-646) 参照)。
【0004】また、以前から、FACScanフローサ
イトメーターにより測定された非常に蛍光性の高い血小
板集団に基づく血小板成熟指数(PMI)について論議
されている(ハウェン(Houwen)らの報告(Blood(1995)86
989a 及びLaboratory Hematology(1995)1 53)参照)。
この測定方法は、蛍光色素オーラミンOでラベルされた
血小板細胞集団の蛍光の検出のみに頼っており、細胞容
積は考慮に入れていなかった。つまり、PMIは、全血
小板の割合として表されており、網血小板の割合として
表されているものではなかった。さらに、より重要なこ
とには、その測定方法は、蛍光でラベルされたより大き
いサブポプレーションの血小板(網血小板)を排除して
いた。このように、内部標準を利用するサイズとRNA
含有量とに基づく成熟血小板と網血小板とを明確にする
方法は、未だ確立されていなかった。本発明は、上記課
題に鑑みなされたものであり、全段階の網血小板を正確
に定量的に測定し、実際の血小板産生をより正確に分析
することにより、血小板の代謝回転速度を測定する方法
を確立することを目的としている。いいかえれば、従来
は弁別及び分離されていなかった初期血小板前駆体細胞
(未熟網血小板)集団の存在を測定し、各人の血小板集
団における変化の観察、種々の疾患や化学療法等による
骨髄機能抑制状態からの回復を観察し、ひいては患者の
健康回復を正確に測定する方法を確立することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行うことにより、従来明確に測定することができなか
った網血小板を正確かつ明確に測定することができ、し
かも、その中に含まれるよりRNAが豊富な未熟網血小
板画分(IPF)を測定することができる方法を見出
し、本発明の完成に至った。すなわち本発明によれば、
(a) 全血サンプルを固定及び洗浄し、(b) 得られたサン
プルを、核酸を染色可能な蛍光色素と反応させ、(c) さ
らに得られた反応物を、非蛍光の成熟血小板、蛍光染色
された網血小板及び該網血小板よりも高蛍光染色された
未熟網血小板のためにそれぞれ予め設定されたR1、R
2及びR3ゲートウィンドウを用い、かつ蛍光と前方散
乱光とを利用するフローサイトメトリに付し、(d) 前記
R1ゲートウィンドウで画定された非蛍光の成熟血小板
を測定し、(e) 前記R2ゲートウィンドウで画定された
網血小板を測定し、(f) 前記R3ゲートウィンドウで画
定された未熟網血小板を測定することからなる未熟網血
小板を含む血小板の検出・測定方法が提供される。ま
た、本発明によれば、骨髄機能抑制状態にある患者の全
血を、上記方法に付して、骨髄機能の回復状態を観察す
る方法が提供される。さらに、本発明によれば、核酸染
色可能な蛍光色素により染色され、R2ゲートウィンド
ウで画定された網血小板よりも高蛍光染色可能な未熟網
血小板の画分であり、実質的に成熟血小板の画分及び網
血小板の画分を含まない未熟網血小板画分が提供され
る。
【発明の実施の形態】
【0006】本発明の工程(a) においては、全血サンプ
ルを固定及び洗浄する。ここで全血サンプルとは、測定
対象となる血液成分を含有するサンプルであればどのよ
うなサンプルであってもよい。例えば、抗凝固剤処理し
た末梢血液又は骨髄液等が挙げられる。また、固定と
は、血液細胞のもとの形態や構造内容物を保持して変化
させないようにする処理法を意味し、通常このような処
理に使用することができる溶液、例えば、ホルマリン
液、グルタールアルデヒド液、ブアン氏液、酢酸アルコ
ール、メタノール等を使用することができる。なかで
も、ホルマリン液が好ましい。また、洗浄は、サンプル
から不要な固定化溶液等を除去するために行われるため
の処理であり、例えば、生物学的試料用の緩衝剤を含有
する溶液を使用して、通常このような洗浄に使用される
方法で行うことができる。工程(b) においては、得られ
たサンプルを核酸染色可能な蛍光色素と反応させる。こ
こで、核酸を染色可能な蛍光色素としては、主としてR
NAを染色することができる蛍光色素が挙げられ、具体
的には、チアゾールオレンジ、オーラミンO等が挙げら
れる。これらの蛍光色素の使用濃度、反応方法等は、特
に限定されるものではなく、通常血液サンプルを測定す
るために用いることができる使用濃度、反応方法から適
当なものを選択して使用することができ る。工程(c)
においては、得られた反応物を、蛍光と前方散乱光とを
利用したフローサイトメトリに付す。ここで、蛍光と
は、使用する蛍光色素の励起波長付近の光、例えば、ア
ルゴンレーザ、He/Neレーザー、半導体レーザー等
による光源からの光の照射により放射される光を意味
し、細胞内部に含まれる物質の情報(例えばRNA量)
を反映する。また、前方散乱光とは、上記光源からの光
の照射により前方に散乱される散乱光を意味し、血液細
胞のサイズ情報を反映する。ここで使用されるフローサ
イトメトリにおいては、R1、R2及びR3ゲートウィ
ンドウは、それぞれ、非蛍光の成熟血小板、蛍光染色さ
れた網血小板及び該網血小板よりも高蛍光染色された未
熟網血小板のために予め設定されている。また、このよ
うなフローサイトメトリにおいては、蛍光と前方散乱光
とが利用される。なお、これらR1、R2及びR3ゲー
トウィンドウの設定は、任意設定に基づくものではな
く、以下に示す各患者又は正常人の血液サンプルを、工
程(a) 及び(b) と同様の方法により蛍光染色し、各段階
の網血小板及び血小板をFACScanのようなフロー
サイトメータを用いて実際に計数して、非蛍光血小板、
蛍光染色された網血小板及びこの網血小板よりも高蛍光
染色された未熟網血小板をそれぞれ画定することにより
行うことができる。また、このR1、R2及びR3ゲー
トウィンドウは、被験血液サンプルについての未熟網血
小板画分を測定するに前に設定されていればよく、被験
サンプルの調製、測定とは別個の工程で予め設定してお
いてもよいし、R1、R2及びR3ゲートウィンドウの
設定のための血液サンプルの調製、測定を、被験血液サ
ンプルの調製、測定と同時に行って、被験血液サンプル
についての未熟網血小板画分を検出・測定する際に設定
されていてもよい。例えば、R1ゲートウィンドウは、
骨髄機能抑制状態の患者からの全血サンプルを利用する
ことにより設定することができる。ここで、骨髄機能抑
制状態の患者とは、例えば、何らかの病気で骨髄機能
が抑制された状態の患者、癌等の化学療法によって、
副作用として骨髄機能が抑制された状態の患者、骨髄
移植等を行うために、積極的に骨髄機能を抑制する治療
を受けている患者等が挙げられ、かつ過去5日間程度に
わたって血小板輸血を受けておらず、ほとんど新しい血
小板を産生することができない、重篤な骨髄機能抑制状
態にある患者を意味する。このような患者の血液は、主
として核酸染色可能な蛍光色素に染色されない又はほと
んどされない成熟血小板を含むため、非染色の成熟血小
板画分としてR1ゲートウィンドウを画定することがで
きる。また、R2ゲートウィンドウは、正常人からの全
血サンプルを利用することにより確立することができ
る。正常人、つまり健康な成人のドナーからの血液は、
成熟血小板と核酸染色可能な蛍光色素に染色される若干
の網血小板を含み、網血小板画分についての内部標準と
しての役割を果たすため、R2ゲートウィンドウを画定
することができる。さらに、R3ゲートウィンドウは、
初期骨髄機能回復過程にある患者からの全血サンプルを
利用することにより設定することができる。つまり、重
篤な骨髄機能抑制状態から回復過程(巨核球産生等)の
初期にある患者においては、骨髄機能抑制状態の患者に
見られるような成熟血小板のほかに、より多くの網血小
板及び「未熟網血小板画分(IPF)」と名づけられて
いる非常に蛍光性の高い未熟な網血小板をも含むため、
このような血液を用いることにより、R3ゲートウィン
ドウを画定することができる。
【0007】工程(d) 〜(f) においては、予めR1、R
2及びR3のゲートウィンドウが設定されたフローサイ
トメトリを利用して、R1ゲートウィンドウで画定され
る成熟血小板の画分、R2ゲートウィンドウで画定され
る網血小板の画分及びR3ゲートウィンドウで画定され
る未熟網血小板画分を測定する。ここでの測定は、上記
工程により蛍光染色された各血小板を各ゲートごとに分
類、計数することにより行うことができる。なお、本発
明においては、フローサイトメトリを利用して得られた
データを、血小板のサイズのパラメーター(前方散乱光
のデータ)を加えてスキャッタグラムに表すので、従来
は弁別されていなかった未熟網血小板画分(IPF)の
存在及び/又は量を同定することが可能となる。
【0008】また、本発明は、骨髄機能抑制から回復過
程にある患者からの全血サンプルから未熟網血小板画分
を測定し、この画分を、少なくともR2ゲートウィンド
ウで画定された網血小板画分及びR3ゲートウィンドウ
で画定された未熟網血小板画分と比較することにより、
骨髄機能抑制から回復過程にある患者において、新しい
血小板(未熟網血小板)の生産速度を観察するために利
用することができる。すなわち、未熟網血小板画分は、
正常な安定状態の若い網血小板レベルと比較して、蛍光
染色される物質をより大量に有する種々のサイズの細胞
を含んでおり、血小板生成増大の指標となる。
【0009】以下に、本発明の網血小板を含む血小板の
検出・の測定方法について説明する。
【0010】R1、R2及びR3ゲートウィンドウを設
定するために、以下に示すサンプルをフローサイトメト
リーに付した。まず、癌化学療法後の重篤な骨髄機能抑
制状態にある患者2名(骨髄機能抑制状態が可能な限り
の最低レベルにある患者)からの全血サンプルをそれぞ
れ採取し、1%パラホルムアルデヒドの固定液中で固定
する。次いで、サンプルを遠心分離し、バッファー中に
懸濁し、洗浄する。続いて、血液サンプルの5μlを核
酸を染色可能な蛍光色素であるチアゾールオレンジ(5
40nm)と混合し、室温暗所でインキュベーションし
た。得られたサンプルを、FACScanを使用したフ
ローサイトメトリーに付し、各サンプルについて、前方
散乱(FS)と蛍光(FL1 )とを測定した。その結果
を図1及び図2に示す。なお、これらの図においては、
前方散乱(FS)と蛍光(FL1 )とはいずれも対数グ
ラフを用いてプロットした。これらのプロットから、図
1及び図2に示したように、成熟血小板を示すR1ゲー
トウィンドウを設定することができる。
【0011】次に、正常人である健康な成人ドナーから
の全血サンプルを、上記と同様の方法でチアゾールオレ
ンジと反応させ、フローサイトメトリーに付し、前方散
乱(FS)と蛍光(FL1 )とを測定した。その結果を
図3に示す。これらのプロットから、図3に示したよう
に、RNA豊富な血小板、つまり網血小板を示すR2ゲ
ートウィンドウを設定することができる。なお、図1〜
3に示したグラフにおいて、R1及びR2ゲートウィン
ドウにプロットされた血小板は、異なる血小板集団によ
り明確にされており、正常人からのリボヌクレアーゼで
処理(室温で1mg/ mlのリボヌクレアーゼで処理)した
全血サンプルを利用して確認できる。そのようなリボヌ
クレアーゼ処理した血小板集団は、癌化学療法後の骨髄
機能抑制状態が可能な限り最低レベルにある患者からの
血液サンプルによって設定されたR1ゲートウィンドウ
と同じになる。なお、R1ゲートウィンドウの外側の血
小板はRNA豊富な血小板又は網血小板とみなされる。
【0012】さらに、癌化学療法後の患者からの全血サ
ンプルを上記と同様の方法で、チアゾールオレンジと反
応させ、フローサイトメトリーに付し、前方散乱(F
S)と蛍光(FL1 )とを測定した。その結果を図4に
示す。図4から明らかなように、癌化学療法後の患者か
らの全血サンプルにおいては、強度に蛍光染色された種
々のサイズの血小板が観察される。これらは、幼若赤血
球系の網赤血球産生において観察される変化と同様であ
る。これらのプロットから、図4に示したように、RN
Aが非常に豊富な血小板、つまり未熟網血小板を示すR
3ゲートウィンドウを設定することができる。
【0013】次いで、被験対象である全血サンプルにつ
いて説明する。正常人として健康な志願者10例、1人
の急性骨髄性白血病(AML)1例、急性リンパ球性白
血病(ALL)5例、脳腫瘍2例、肉腫3例及び乳癌1
例の12例の癌患者からの合計22例の末梢血液サンプ
ルを採取した。なお、癌患者の末梢血液サンプルは、重
篤な骨髄機能抑制状態にある患者及び化学療法後の初期
骨髄機能回復過程にある患者からそれぞれ採取した。こ
れらの末梢血液サンプル200μlを、それぞれ、室温
で20分間、K3 EDTAバッファー及び1%パラホル
ムアルデヒド(フィッシャーサイエンテフィック(Fishe
r Scientific,NJ))固定溶液中で固定した。次いで、サ
ンプルを5分間、500Gで遠心分離することにより洗
浄し、1mlのダルベッコりん酸バッファー塩水pH
7.2(シグマケミカル会社)と15%K3 EDTAバ
ッファーの1ml中に懸濁し、室温暗所で30分間イン
キュベートした。なお、リボヌクレアーゼ処理を行うサ
ンプルには、室温で20分間、1mg/mlのリボヌク
レアーゼ(シグマ社)中でインキュベートした。
【0014】洗浄、固定した血液サンプルの5μlを、
ベクトン・ディキンソン社、イムノサイトメトリーシス
テム(Becton Dickinson,Immunocytometry System,San J
ose,CA) から得たチアゾールオレンジ溶液(レチック.
カウント(Reti c.-COUNT))1mlと混合した。なお、細
胞染色とFACScan分析の間の時間差(+/-3分) に
生じる変化が最小になるように注意されなければならな
い。
【0015】次いで、得られたサンプルを、FACSc
an(ベクトン・ディキンソン社)を使用したフローサ
イトメトリに付し、前方散乱と蛍光とを測定した。なお
全てのサインプルにおいて、血小板ゲートウィンドウ中
で5000点プロットした。
【0016】得られた結果から、 成熟血小板(R1:%)=R1/(R1+R2+R3)
×100、 網血小板+未熟血小板(R2+R3:%)=R2+R3
/(R1+R2+R3)×100、 未熟網血小板(R3:%)=R3/(R1+R2+R
3)×100 として計算した。その結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1の結果から、正常人の血液サンプルに
おいては、種々のサイズの高蛍光性の未熟網血小板と網
血小板とを含んでいることが分かる。また、大きい血小
板が除かれる従来の方法では、網血小板及び未熟血小板
の大部分が除かれ、未熟血小板の測定(弁別及び計数)
に重大な影響を及ぼすことがわかる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、各段階にある網血小板
及び血小板を検出・測定することができ、ことに、従来
正確に測定できていなかった網血小板画分、従来知られ
ていなかった網血小板よりも高蛍光性を示す未熟網血小
板を、フローサイトメトリによる蛍光及び前方散乱光を
利用することにより、明確かつ正確に測定することがで
きる。よって、例えば、骨髄機能抑制状態にある患者の
骨髄機能の回復を、未熟網血小板画分の測定により診断
あるいはモニターすることができ、ひいては患者の健康
回復を測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の未熟網血小板を含む血小板の検出・測
定方法においてゲートウインドウを画定するために使用
される骨髄機能抑制状態にある癌患者の全血サンプルか
ら得られたフローサイトメトリのデータグラフである。
【図2】本発明の未熟網血小板を含む血小板の検出・測
定方法においてゲートウィンドウを画定するために使用
される別の骨髄機能抑制状態にある癌患者の全血サンプ
ルから得られたフローサイトメトリのデータグラフであ
る。
【図3】本発明の未熟網血小板を含む血小板の検出・測
定方法においてゲートウィンドウを画定するために使用
される正常人における全血サンプルから得られたフロー
サイトメトリのデータグラフである。
【図4】本発明の未熟網血小板を含む血小板の検出・測
定方法においてゲートウィンドウを画定するために使用
される初期骨髄機能抑制状態からの回復過程にある患者
の全血サンプルから得られたフローサイトメトリのデー
タグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ナディア スチュアート アメリカ カリフォルニア 92373 レッ ドランズ テネシー ストリート 11 エ ーピーティー.110

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 全血サンプルを固定及び洗浄し、
    (b) 得られたサンプルを、核酸を染色可能な蛍光色素と
    反応させ、(c) さらに得られた反応物を、非蛍光の成熟
    血小板、蛍光染色された網血小板及び該網血小板よりも
    高蛍光染色された未熟網血小板のためにそれぞれ予め設
    定されたR1、R2及びR3ゲートウィンドウを用い、
    かつ蛍光と前方散乱光とを利用するフローサイトメトリ
    に付し、(d) 前記R1ゲートウィンドウで画定された非
    蛍光の成熟血小板を測定し、(e) 前記R2ゲートウィン
    ドウで画定された網血小板を測定し、(f) 前記R3ゲー
    トウィンドウで画定された未熟網血小板を測定すること
    からなる未熟網血小板を含む血小板の検出・測定方法。
  2. 【請求項2】 R1ゲートウィンドウが、骨髄機能抑制
    状態にある患者からの全血サンプルを利用することによ
    り予め設定されたものである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 R2ゲートウィンドウが、正常人からの
    全血サンプルを利用することにより予め設定されたもの
    である請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 R3ゲートウィンドウが、初期骨髄機能
    回復過程にある患者からの全血サンプルを利用すること
    により予め設定されたものである請求項1〜3のいずれ
    かに記載の方法。
  5. 【請求項5】 全血サンプルが、リボヌクレアーゼ処理
    されたものである請求項2〜4記載の方法。
  6. 【請求項6】 骨髄機能抑制状態にある患者の全血を、
    請求項1の方法に付して、骨髄機能の回復状態を観察す
    る方法。
  7. 【請求項7】 骨髄機能回復過程にある患者からの全血
    サンプルから未熟網血小板画分を測定し、この画分を、
    少なくともR2ゲートウィンドウで画定された網血小板
    画分及びR3ゲートウィンドウで画定された未熟網血小
    板画分と比較することからなる請求項6記載の骨髄機能
    抑の回復状態を観察する方法。 【0001】
JP10163734A 1997-06-13 1998-06-11 未熟網血小板を含む血小板の検出・測定方法及び該方法の臨床への適用 Pending JPH116831A (ja)

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