JPH1160626A - α−オレフィン低重合体の製造方法 - Google Patents
α−オレフィン低重合体の製造方法Info
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- JPH1160626A JPH1160626A JP22920697A JP22920697A JPH1160626A JP H1160626 A JPH1160626 A JP H1160626A JP 22920697 A JP22920697 A JP 22920697A JP 22920697 A JP22920697 A JP 22920697A JP H1160626 A JPH1160626 A JP H1160626A
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- olefin
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- Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い触媒活性を維持して1−ヘキセン等のα
−オレフィン低重合体を極めて高収率かつ高選択率で製
造することができる工業的に有利なα−オレフィン低重
合体の製造方法の提供。 【解決手段】 クロム系触媒を用いて、α−オレフィン
の低重合反応によりα−オレフィン低重合体を連続的に
製造するにおいて、α−オレフィン、溶媒および触媒を
反応帯域に供給するに際し、それぞれの触媒成分を1モ
ル/リットル以下の濃度で、複数個の吹き込み口を有す
る触媒供給ノズルから反応帯域へ連続的に供給する。
−オレフィン低重合体を極めて高収率かつ高選択率で製
造することができる工業的に有利なα−オレフィン低重
合体の製造方法の提供。 【解決手段】 クロム系触媒を用いて、α−オレフィン
の低重合反応によりα−オレフィン低重合体を連続的に
製造するにおいて、α−オレフィン、溶媒および触媒を
反応帯域に供給するに際し、それぞれの触媒成分を1モ
ル/リットル以下の濃度で、複数個の吹き込み口を有す
る触媒供給ノズルから反応帯域へ連続的に供給する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はα−オレフィン低重
合体の製造方法に関するものであり、特に、エチレンか
ら1−ヘキセンを主体としたα−オレフィン低重合体を
高収率かつ高選択率で製造することができる工業的有利
なα−オレフィン低重合体の製造方法に関するものであ
る。
合体の製造方法に関するものであり、特に、エチレンか
ら1−ヘキセンを主体としたα−オレフィン低重合体を
高収率かつ高選択率で製造することができる工業的有利
なα−オレフィン低重合体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、エチレン等のα−オレフィン
の低重合方法として、クロム化合物と有機アルミニウム
化合物から成るクロム系触媒を使用する方法が知られて
いる。例えば、特公昭43−18707号公報には、ク
ロムを含む6族の遷移金属化合物とポリヒドロカルビル
アルミニウムオキシドからなるクロム系触媒を用いて、
エチレンから1−ヘキセンとポリエチレンを得る方法が
記載されている。
の低重合方法として、クロム化合物と有機アルミニウム
化合物から成るクロム系触媒を使用する方法が知られて
いる。例えば、特公昭43−18707号公報には、ク
ロムを含む6族の遷移金属化合物とポリヒドロカルビル
アルミニウムオキシドからなるクロム系触媒を用いて、
エチレンから1−ヘキセンとポリエチレンを得る方法が
記載されている。
【0003】また、特開平3−128904号公報に
は、クロム−ピロリル結合を有する化合物と金属アルキ
ル又はルイス酸とを予め反応させて得られたクロム系触
媒を使用してα−オレフィンを三量化する方法が記載さ
れている。更に、南アフリカ特許ZA93/0350号
明細書には、クロム塩、ピロール環含有化合物、金属ア
ルキルおよびハライド源を共通の溶媒中で混合すること
により得られたクロム系触媒を使用して、エチレンを三
量化する方法が記載されている。
は、クロム−ピロリル結合を有する化合物と金属アルキ
ル又はルイス酸とを予め反応させて得られたクロム系触
媒を使用してα−オレフィンを三量化する方法が記載さ
れている。更に、南アフリカ特許ZA93/0350号
明細書には、クロム塩、ピロール環含有化合物、金属ア
ルキルおよびハライド源を共通の溶媒中で混合すること
により得られたクロム系触媒を使用して、エチレンを三
量化する方法が記載されている。
【0004】一方、本発明者らは、特開平6−1452
41号公報において、クロム−ピロリル結合を持つ化合
物およびアルキルアルミニウムの組み合わせから成るク
ロム系触媒を使用し、α−オレフィンと接触する前には
クロムを含む化合物と金属アルキル化合物とが接触しな
い態様を採用したα−オレフィン低重合反応を提案し
た。この方法に従えば、特に、エチレンの低重合反応に
より、1−ヘキセンを高活性で得ることができる。
41号公報において、クロム−ピロリル結合を持つ化合
物およびアルキルアルミニウムの組み合わせから成るク
ロム系触媒を使用し、α−オレフィンと接触する前には
クロムを含む化合物と金属アルキル化合物とが接触しな
い態様を採用したα−オレフィン低重合反応を提案し
た。この方法に従えば、特に、エチレンの低重合反応に
より、1−ヘキセンを高活性で得ることができる。
【0005】更に、本発明者らは、特開平6−1576
55号公報において、炭化水素溶媒中、クロム塩とピロ
ール環含有化合物とを反応させて得られる化合物とアル
キルアルミニウム化合物とを上記と同様の方法で接触さ
せるα−オレフィンの低重合反応を提案した。この方法
に従えば、特に、エチレンの三量化反応を高活性で行
い、純度の高い1−ヘキセンを製造することができる。
55号公報において、炭化水素溶媒中、クロム塩とピロ
ール環含有化合物とを反応させて得られる化合物とアル
キルアルミニウム化合物とを上記と同様の方法で接触さ
せるα−オレフィンの低重合反応を提案した。この方法
に従えば、特に、エチレンの三量化反応を高活性で行
い、純度の高い1−ヘキセンを製造することができる。
【0006】また、最近、本発明者らは、特開平8−3
216号公報において、クロム含有化合物、ピロール環
含有化合物、金属アルキル化合物およびハライド源の組
み合わせから成るクロム触媒を使用し、α−オレフィン
と接触する前にはクロム含有化合物と金属アルキル化合
物とが接触しない態様を採用したα−オレフィンの低重
合反応を提案した。この方法に従えば、特に、エチレン
の低重合反応により、1−ヘキセンをより高活性で得る
ことができる。
216号公報において、クロム含有化合物、ピロール環
含有化合物、金属アルキル化合物およびハライド源の組
み合わせから成るクロム触媒を使用し、α−オレフィン
と接触する前にはクロム含有化合物と金属アルキル化合
物とが接触しない態様を採用したα−オレフィンの低重
合反応を提案した。この方法に従えば、特に、エチレン
の低重合反応により、1−ヘキセンをより高活性で得る
ことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
43−18707号公報に記載された方法では、1−ヘ
キセンと同時に生成するポリエチレンの量が多く、ポリ
エチレンの副生量を少なくした条件では、触媒活性が低
下するという問題がある。また、特開平3−12890
4号公報に記載された方法では、高分子量重合体の生成
量は少ないが、触媒活性が十分でないという問題があ
る。
43−18707号公報に記載された方法では、1−ヘ
キセンと同時に生成するポリエチレンの量が多く、ポリ
エチレンの副生量を少なくした条件では、触媒活性が低
下するという問題がある。また、特開平3−12890
4号公報に記載された方法では、高分子量重合体の生成
量は少ないが、触媒活性が十分でないという問題があ
る。
【0008】また、南アフリカ特許ZA93/0350
号明細書に記載された方法では、1−ヘキセンの選択率
は高いが、工業的なα−オレフィン低重合体の製造方法
という観点からは、触媒活性が未だ不十分である。更
に、特開平6−145241号公報および特開平6−1
57655号公報に記載された方法でも、工業的なα−
オレフィン低重合体の製造方法という観点からは、触媒
性能が未だ不十分である。一方、特開平8−3216号
公報に記載された方法では、工業的なα−オレフィン低
重合体の製造方法という観点からは、十分に高い活性が
達成されているが、1−ヘキセンの選択率が不十分であ
る欠点を有する。
号明細書に記載された方法では、1−ヘキセンの選択率
は高いが、工業的なα−オレフィン低重合体の製造方法
という観点からは、触媒活性が未だ不十分である。更
に、特開平6−145241号公報および特開平6−1
57655号公報に記載された方法でも、工業的なα−
オレフィン低重合体の製造方法という観点からは、触媒
性能が未だ不十分である。一方、特開平8−3216号
公報に記載された方法では、工業的なα−オレフィン低
重合体の製造方法という観点からは、十分に高い活性が
達成されているが、1−ヘキセンの選択率が不十分であ
る欠点を有する。
【0009】本発明は、上記実情に鑑みなされたもので
あり、その目的は、高い触媒活性を維持して1−ヘキセ
ン等のα−オレフィン低重合体を極めて高収率かつ高選
択率で製造することができる工業的有利なα−オレフィ
ン低重合体の製造方法を提供することにある。
あり、その目的は、高い触媒活性を維持して1−ヘキセ
ン等のα−オレフィン低重合体を極めて高収率かつ高選
択率で製造することができる工業的有利なα−オレフィ
ン低重合体の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来技術
の問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、触媒成分
および原料α−オレフィンの反応帯域への供給方法を特
定することおよび供給する触媒成分の濃度を特定してα
−オレフィンの低重合反応を行わせることにより、上記
問題点が解決でき、上記目的が達成できることを見いだ
し、本発明を完成した。本発明は、複数の成分からなる
クロム系触媒を用いて、α−オレフィンの低重合反応に
よりα−オレフィン低重合体を連続的に製造するにおい
て、α−オレフィン、溶媒および触媒を反応帯域に供給
するに際し、それぞれの触媒成分を1モル/リットル以
下の濃度で、複数個の吹き込み口を有する触媒供給ノズ
ルから反応帯域へ連続的に供給することを特徴とするα
−オレフィン低重合体の製造方法、に存する。
の問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、触媒成分
および原料α−オレフィンの反応帯域への供給方法を特
定することおよび供給する触媒成分の濃度を特定してα
−オレフィンの低重合反応を行わせることにより、上記
問題点が解決でき、上記目的が達成できることを見いだ
し、本発明を完成した。本発明は、複数の成分からなる
クロム系触媒を用いて、α−オレフィンの低重合反応に
よりα−オレフィン低重合体を連続的に製造するにおい
て、α−オレフィン、溶媒および触媒を反応帯域に供給
するに際し、それぞれの触媒成分を1モル/リットル以
下の濃度で、複数個の吹き込み口を有する触媒供給ノズ
ルから反応帯域へ連続的に供給することを特徴とするα
−オレフィン低重合体の製造方法、に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明においては、クロム系触媒
は複数の成分からなるが、これらの成分は好ましくは少
なくとも、クロム化合物(a)、アミン、アミドおよび
イミドより成る群から選ばれる1種以上の窒素含有化合
物(b)、アルキルアルミニウム化合物(c)およびハ
ロゲン含有化合物(d)から調整された触媒を使用す
る。これらの4成分系のクロム系触媒としては、特開平
8−3216号公報および特開平8−134131号公
報に記載の各成分から成るものを用いることができる。
は複数の成分からなるが、これらの成分は好ましくは少
なくとも、クロム化合物(a)、アミン、アミドおよび
イミドより成る群から選ばれる1種以上の窒素含有化合
物(b)、アルキルアルミニウム化合物(c)およびハ
ロゲン含有化合物(d)から調整された触媒を使用す
る。これらの4成分系のクロム系触媒としては、特開平
8−3216号公報および特開平8−134131号公
報に記載の各成分から成るものを用いることができる。
【0012】本発明で好ましく使用されるクロム化合物
(a)は、一般式CrXnで表される。ただし、該一般
式中、Xは、任意の有機基又は無機基もしくは陰性原
子、nは1から6の整数を表し、そしてnが2以上の場
合、Xは同一又は相互に異なっていても良い。クロムの
価数は0価ないし6価であり、上記一般式中のnとして
は2以上が好ましい。有機基としては、炭素数が1〜3
0の炭化水素基、カルボニル基、アルコキシ基、カルボ
キシル基、β−ジケトナート基、β−ケトカルボキシル
基、β−ケトエステル基およびアミド基等が例示され
る。また、無機基としては、硝酸基、硫酸基などのクロ
ム塩形成基が挙げられ、陰性原子としては、酸素、ハロ
ゲン等が挙げられる。好ましいクロム化合物(a)とし
ては、クロム(II)アセテート、クロム(III)アセテー
ト、クロム(III)−2−エチルヘキサノエート、クロム
(III)ベンゾエート、クロム(III)ナフテネート等のクロ
ムのカルボン酸塩が用いられ、クロム(III)−2−エチ
ルヘキサノエートが特に好ましい。
(a)は、一般式CrXnで表される。ただし、該一般
式中、Xは、任意の有機基又は無機基もしくは陰性原
子、nは1から6の整数を表し、そしてnが2以上の場
合、Xは同一又は相互に異なっていても良い。クロムの
価数は0価ないし6価であり、上記一般式中のnとして
は2以上が好ましい。有機基としては、炭素数が1〜3
0の炭化水素基、カルボニル基、アルコキシ基、カルボ
キシル基、β−ジケトナート基、β−ケトカルボキシル
基、β−ケトエステル基およびアミド基等が例示され
る。また、無機基としては、硝酸基、硫酸基などのクロ
ム塩形成基が挙げられ、陰性原子としては、酸素、ハロ
ゲン等が挙げられる。好ましいクロム化合物(a)とし
ては、クロム(II)アセテート、クロム(III)アセテー
ト、クロム(III)−2−エチルヘキサノエート、クロム
(III)ベンゾエート、クロム(III)ナフテネート等のクロ
ムのカルボン酸塩が用いられ、クロム(III)−2−エチ
ルヘキサノエートが特に好ましい。
【0013】本発明で好ましく使用される窒素含有化合
物(b)は、アミン、アミドおよびイミドから成る群か
ら選ばれる1種以上の化合物である。アミンとしては、
1級または2級のアミン、またはこれらの混合物であ
る。本発明で使用するアミドの一つは、1級アミンまた
は2級アミンから誘導される金属アミドまたはこれらの
混合物であり、他の一つは酸アミドである。イミド類と
しては、1,2−シクロヘキサンジカルボキシミド、ス
クシンイミド、フタルイミド、マレイミド等およびこれ
らの金属塩が挙げられる。好ましい窒素含有化合物
(b)としては、2級アミンが用いられ、ピロール、
2,5−ジメチルピロール、3,4−ジメチルピロー
ル、3,4−ジクロロピロール、2,3,4,5−テト
ラクロロピロール、2−アセチルピロール等のピロール
またはその誘導体を用いるのが好ましい。特に好ましい
のは、2,5−ジメチルピロールである。
物(b)は、アミン、アミドおよびイミドから成る群か
ら選ばれる1種以上の化合物である。アミンとしては、
1級または2級のアミン、またはこれらの混合物であ
る。本発明で使用するアミドの一つは、1級アミンまた
は2級アミンから誘導される金属アミドまたはこれらの
混合物であり、他の一つは酸アミドである。イミド類と
しては、1,2−シクロヘキサンジカルボキシミド、ス
クシンイミド、フタルイミド、マレイミド等およびこれ
らの金属塩が挙げられる。好ましい窒素含有化合物
(b)としては、2級アミンが用いられ、ピロール、
2,5−ジメチルピロール、3,4−ジメチルピロー
ル、3,4−ジクロロピロール、2,3,4,5−テト
ラクロロピロール、2−アセチルピロール等のピロール
またはその誘導体を用いるのが好ましい。特に好ましい
のは、2,5−ジメチルピロールである。
【0014】本発明で用いるアルキルアルミニウム化合
物(c)としては、トリメチルアルミニウム、トリエチ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリ
アルキルアルミニウムが用いられ、特に好ましいのはト
リエチルアルミニウムである。
物(c)としては、トリメチルアルミニウム、トリエチ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリ
アルキルアルミニウムが用いられ、特に好ましいのはト
リエチルアルミニウムである。
【0015】本発明で用いるハロゲン含有化合物(d)
は、特開平8−134131号公報に記載の、3個以上
のハロゲン原子を有する炭素数2以上の直鎖上ハロ炭化
水素が用いられる。例えば1,1,1−トリクロロエタ
ン、1,1,2,2,−テトラクロロエタン、ペンタク
ロロエタン、ヘキサクロロエタン等を用いるのが好まし
い。
は、特開平8−134131号公報に記載の、3個以上
のハロゲン原子を有する炭素数2以上の直鎖上ハロ炭化
水素が用いられる。例えば1,1,1−トリクロロエタ
ン、1,1,2,2,−テトラクロロエタン、ペンタク
ロロエタン、ヘキサクロロエタン等を用いるのが好まし
い。
【0016】クロム系触媒は予め調整して反応器に供給
しても良いが、触媒を構成する各成分を反応器に供給し
て反応器内で触媒を形成させることにより、より高い触
媒活性を有する触媒を形成させることができる。触媒を
構成する各成分を反応器に供給して、反応器内で触媒を
形成させるには、クロム化合物(a)とアルキルアルミ
ニウム化合物(c)とが、α−オレフィン、特にエチレ
ンの存在下で初めて接触する態様で各成分を供給するの
が好ましい。このようにすると、エチレンの三量化反応
が特に選択的に進行し、エチレンから1−ヘキセンを高
収率で得ることができる。このような触媒の供給形態
は、特開平8−3216号公報および特開平8−134
131号公報に記載されているが、その幾つかの例を挙
げれば次の通りである。
しても良いが、触媒を構成する各成分を反応器に供給し
て反応器内で触媒を形成させることにより、より高い触
媒活性を有する触媒を形成させることができる。触媒を
構成する各成分を反応器に供給して、反応器内で触媒を
形成させるには、クロム化合物(a)とアルキルアルミ
ニウム化合物(c)とが、α−オレフィン、特にエチレ
ンの存在下で初めて接触する態様で各成分を供給するの
が好ましい。このようにすると、エチレンの三量化反応
が特に選択的に進行し、エチレンから1−ヘキセンを高
収率で得ることができる。このような触媒の供給形態
は、特開平8−3216号公報および特開平8−134
131号公報に記載されているが、その幾つかの例を挙
げれば次の通りである。
【0017】(1)クロム化合物(a)を含む溶液、窒
素含有化合物(b)とアルキルアルミニウム化合物
(c)とハロゲン含有化合物(d)とを含む溶液、およ
びα−オレフィン、特にエチレンをそれぞれ反応帯域に
供給する方法。 (2)クロム化合物(a)と窒素含有化合物(b)とハ
ロゲン含有化合物(d)とを含む溶液、アルキルアルミ
ニウム化合物(d)を含む溶液、およびα−オレフィ
ン、特にエチレンをそれぞれ反応帯域に供給する方法。 (3)クロム化合物(a)とハロゲン含有化合物(d)
を含む溶液、窒素含有化合物(b)とアルキルアルミニ
ウム化合物(c)を含む溶液、およびα−オレフィン、
特にエチレンをそれぞれ反応帯域に供給する方法。 (4)クロム化合物(a)と窒素含有化合物(b)を含
む溶液、アルキルアルミニウム化合物(c)とハロゲン
含有化合物(d)を含む溶液、およびα−オレフィン、
特にエチレンをそれぞれ反応帯域に供給する方法。 (5)クロム化合物(a)、窒素含有化合物(b)、ア
ルキルアルミニウム化合物(c)、ハロゲン含有化合物
(d)およびα−オレフィン、特にエチレンをそれぞれ
別個に反応帯域に供給する方法。
素含有化合物(b)とアルキルアルミニウム化合物
(c)とハロゲン含有化合物(d)とを含む溶液、およ
びα−オレフィン、特にエチレンをそれぞれ反応帯域に
供給する方法。 (2)クロム化合物(a)と窒素含有化合物(b)とハ
ロゲン含有化合物(d)とを含む溶液、アルキルアルミ
ニウム化合物(d)を含む溶液、およびα−オレフィ
ン、特にエチレンをそれぞれ反応帯域に供給する方法。 (3)クロム化合物(a)とハロゲン含有化合物(d)
を含む溶液、窒素含有化合物(b)とアルキルアルミニ
ウム化合物(c)を含む溶液、およびα−オレフィン、
特にエチレンをそれぞれ反応帯域に供給する方法。 (4)クロム化合物(a)と窒素含有化合物(b)を含
む溶液、アルキルアルミニウム化合物(c)とハロゲン
含有化合物(d)を含む溶液、およびα−オレフィン、
特にエチレンをそれぞれ反応帯域に供給する方法。 (5)クロム化合物(a)、窒素含有化合物(b)、ア
ルキルアルミニウム化合物(c)、ハロゲン含有化合物
(d)およびα−オレフィン、特にエチレンをそれぞれ
別個に反応帯域に供給する方法。
【0018】本発明においては、上記各触媒成分を反応
溶媒で1モル/リットル以下、好ましくは0.0001
〜0.5モル/リットルの濃度に希釈した状態で反応帯
域に複数個の吹き込み口、特に反応帯域の上下方向に設
けた複数個の吹き込み口から均一濃度となるように分散
させて供給し、一方α−オレフィンを反応帯域の下方か
ら複数の吹き込み口、特に反応帯域の横方向に設けた複
数個の吹き込み口から横方向に均一分散させて供給し
て、α−オレフィンの低重合反応を行わせることを特徴
とする。上記各触媒成分を上記濃度より高い濃度で反応
帯域に供給した場合には、反応帯域中での触媒活性種の
形成が十分できず、それ故、高い触媒活性を有する触媒
を形成させることができない。
溶媒で1モル/リットル以下、好ましくは0.0001
〜0.5モル/リットルの濃度に希釈した状態で反応帯
域に複数個の吹き込み口、特に反応帯域の上下方向に設
けた複数個の吹き込み口から均一濃度となるように分散
させて供給し、一方α−オレフィンを反応帯域の下方か
ら複数の吹き込み口、特に反応帯域の横方向に設けた複
数個の吹き込み口から横方向に均一分散させて供給し
て、α−オレフィンの低重合反応を行わせることを特徴
とする。上記各触媒成分を上記濃度より高い濃度で反応
帯域に供給した場合には、反応帯域中での触媒活性種の
形成が十分できず、それ故、高い触媒活性を有する触媒
を形成させることができない。
【0019】上記した各触媒成分およびα−オレフィン
の供給方法の一例を図面を参照して説明する。図1にお
いて、1は反応器、2は撹拌装置、3は撹拌装置を回転
させるモーター、4は原料α−オレフィン、例えばエチ
レン供給ノズル、5a、5bは触媒供給ノズル、6は溶
媒供給ノズル、7は反応生成物取り出し口である。該各
触媒供給ノズル5a、5bは上記した触媒調整の態様に
従い、通常、2〜4本設けられている。反応器1に所定
量の敷液、例えば、反応溶媒、または反応生成液を仕込
み、これを反応器内に備えられた撹拌装置2によって反
応液を撹拌しながら所定温度および圧力下に原料α−オ
レフィン供給ノズル4からα−オレフィンを供給し、一
方触媒供給ノズル5a、5bから触媒成分を供給して、
該反応帯域中で触媒活性種(成分)を形成させながら、
α−オレフィンの低重合反応、特にエチレンの三量化反
応を行わせる。反応生成物は反応生成物取り出し口7か
ら取り出される。
の供給方法の一例を図面を参照して説明する。図1にお
いて、1は反応器、2は撹拌装置、3は撹拌装置を回転
させるモーター、4は原料α−オレフィン、例えばエチ
レン供給ノズル、5a、5bは触媒供給ノズル、6は溶
媒供給ノズル、7は反応生成物取り出し口である。該各
触媒供給ノズル5a、5bは上記した触媒調整の態様に
従い、通常、2〜4本設けられている。反応器1に所定
量の敷液、例えば、反応溶媒、または反応生成液を仕込
み、これを反応器内に備えられた撹拌装置2によって反
応液を撹拌しながら所定温度および圧力下に原料α−オ
レフィン供給ノズル4からα−オレフィンを供給し、一
方触媒供給ノズル5a、5bから触媒成分を供給して、
該反応帯域中で触媒活性種(成分)を形成させながら、
α−オレフィンの低重合反応、特にエチレンの三量化反
応を行わせる。反応生成物は反応生成物取り出し口7か
ら取り出される。
【0020】図1において、触媒成分は、反応液面の下
の部分の数ヶ所に適当な径の吹き込み口(孔)を有する
触媒供給ノズルを使用して反応液中に数ヶ所から分散さ
せて供給するが、該触媒供給ノズルの吹き込み口(孔)
の数およびノズルの数は必要に応じて増減してもよい。
該触媒供給ノズルの吹き込み口は反応液中における触媒
成分が上下方向において均一濃度となるように分散して
供給するために、反応器に対して上下方向に分布するよ
うに液深の互いに異なる位置、好ましくはそれぞれの深
さの差が等間隔となるように設けるのがよい。該触媒供
給ノズルの吹き込み口を横方向に均一に分布するように
設けたのでは、反応液の上下方向に触媒の濃度分布がで
き、本発明の目的とする効果は得られない。
の部分の数ヶ所に適当な径の吹き込み口(孔)を有する
触媒供給ノズルを使用して反応液中に数ヶ所から分散さ
せて供給するが、該触媒供給ノズルの吹き込み口(孔)
の数およびノズルの数は必要に応じて増減してもよい。
該触媒供給ノズルの吹き込み口は反応液中における触媒
成分が上下方向において均一濃度となるように分散して
供給するために、反応器に対して上下方向に分布するよ
うに液深の互いに異なる位置、好ましくはそれぞれの深
さの差が等間隔となるように設けるのがよい。該触媒供
給ノズルの吹き込み口を横方向に均一に分布するように
設けたのでは、反応液の上下方向に触媒の濃度分布がで
き、本発明の目的とする効果は得られない。
【0021】一方、原料α−オレフィンについては上記
触媒成分の吹き込み口とは逆に反応器の下部の横方向に
均一に分散できるように図1に示すように撹拌装置2の
撹拌翼の下部に横方向に数ヶ所の吹き込み口(孔)を有
するα−オレフィン供給ノズルを使用し、原料α−オレ
フィンを反応液の下部から供給し、触媒と接触させてα
−オレフィンの低重合反応を行わせる。該原料α−オレ
フィンを反応器の上下方向に均一に分布するように供給
した場合には触媒との接触効率が低下して、本発明の目
的とする効果は得られない。上記触媒供給ノズル5a、
5bの吹き込み口から反応帯域に供給する触媒成分の濃
度は上記したように1モル/リットル以下、望ましくは
0.0001〜0.5モル/リットルの濃度にすること
が必要であり、該触媒成分として少なくともクロム化合
物(a)を上記濃度にする必要があるが、好ましくは上
記した4成分を上記濃度範囲内にするのがよい。
触媒成分の吹き込み口とは逆に反応器の下部の横方向に
均一に分散できるように図1に示すように撹拌装置2の
撹拌翼の下部に横方向に数ヶ所の吹き込み口(孔)を有
するα−オレフィン供給ノズルを使用し、原料α−オレ
フィンを反応液の下部から供給し、触媒と接触させてα
−オレフィンの低重合反応を行わせる。該原料α−オレ
フィンを反応器の上下方向に均一に分布するように供給
した場合には触媒との接触効率が低下して、本発明の目
的とする効果は得られない。上記触媒供給ノズル5a、
5bの吹き込み口から反応帯域に供給する触媒成分の濃
度は上記したように1モル/リットル以下、望ましくは
0.0001〜0.5モル/リットルの濃度にすること
が必要であり、該触媒成分として少なくともクロム化合
物(a)を上記濃度にする必要があるが、好ましくは上
記した4成分を上記濃度範囲内にするのがよい。
【0022】反応器中の触媒の濃度は、反応溶媒1リッ
トルあたり、クロム化合物(a)が通常1.0×10-8
〜0.5モル、好ましくは1.0×10-7〜0.2モ
ル、更に好ましくは1.0×10-6〜0.05モルとな
る量である。また、クロム化合物(a)に対する他の成
分の使用比率は、クロム化合物(a)1モルにつき窒素
含有化合物(b)は1〜50モル、特に1〜30モル、
アルキルアルミニウム化合物(c)は1〜200モル、
特に10〜150モル、ハロゲン含有化合物(d)は1
〜50モル、特に1〜30モルを用いるのが好ましい。
このような組成の触媒を用いると、ヘキセンの選択率が
90%以上で、ヘキセンに占める1−ヘキセンの比率が
99%以上の反応成績を容易に得ることができる。
トルあたり、クロム化合物(a)が通常1.0×10-8
〜0.5モル、好ましくは1.0×10-7〜0.2モ
ル、更に好ましくは1.0×10-6〜0.05モルとな
る量である。また、クロム化合物(a)に対する他の成
分の使用比率は、クロム化合物(a)1モルにつき窒素
含有化合物(b)は1〜50モル、特に1〜30モル、
アルキルアルミニウム化合物(c)は1〜200モル、
特に10〜150モル、ハロゲン含有化合物(d)は1
〜50モル、特に1〜30モルを用いるのが好ましい。
このような組成の触媒を用いると、ヘキセンの選択率が
90%以上で、ヘキセンに占める1−ヘキセンの比率が
99%以上の反応成績を容易に得ることができる。
【0023】本発明において、反応溶媒としては、ブタ
ン、ペンタン、3−メチルペンタン、ヘキサン、へプタ
ン、2−メチルヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、
メチルシクロヘキサン、2,2,4−トリメチルペンタ
ン、デカリン等の炭素数1〜20の鎖状または脂環式の
飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチル
ベンゼン、メシチレン、テトラリン等の芳香族炭化水素
などが使用される。これらは、単独で使用する他、混合
溶媒として使用することもできる。特に、反応溶媒とし
ては、炭素数が4〜10の鎖状飽和炭化水素または脂環
式飽和炭化水素が好ましい。これらの溶媒を使用するこ
とにより、ポリマーの副生を抑制することができ、更
に、脂環式炭化水素を使用した場合は、高い触媒活性が
得られるという利点がある。
ン、ペンタン、3−メチルペンタン、ヘキサン、へプタ
ン、2−メチルヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、
メチルシクロヘキサン、2,2,4−トリメチルペンタ
ン、デカリン等の炭素数1〜20の鎖状または脂環式の
飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチル
ベンゼン、メシチレン、テトラリン等の芳香族炭化水素
などが使用される。これらは、単独で使用する他、混合
溶媒として使用することもできる。特に、反応溶媒とし
ては、炭素数が4〜10の鎖状飽和炭化水素または脂環
式飽和炭化水素が好ましい。これらの溶媒を使用するこ
とにより、ポリマーの副生を抑制することができ、更
に、脂環式炭化水素を使用した場合は、高い触媒活性が
得られるという利点がある。
【0024】本発明では、通常、30〜250℃、3〜
250kg/cm2の条件下で三量化反応を行わせる。
好ましい反応温度、反応圧力はそれぞれ50〜150
℃、5〜100kg/cm2である。また反応時間は通
常10分〜10時間、好ましくは0.5〜6時間であ
る。また、三量化反応は、反応溶媒中のα−オレフィン
に対するα−オレフィン低重合体、特にエチレンに対す
る1−ヘキセンのモル比が0.05〜1.0、特に0.
10〜0.80となるように行うのが好ましい。すなわ
ち連続反応の場合には、反応溶媒中のエチレンと1−ヘ
キセンとのモル比が上記の範囲になるように、触媒濃
度、反応圧力その他の条件を調節し、回分反応の場合に
は、モル比が上記の範囲にある時点において反応を中止
させるのが好ましい。このようにすることにより、1−
ヘキセンよりも沸点の高い成分の副生が抑制されて、1
−ヘキセンの選択率が更に高められる。
250kg/cm2の条件下で三量化反応を行わせる。
好ましい反応温度、反応圧力はそれぞれ50〜150
℃、5〜100kg/cm2である。また反応時間は通
常10分〜10時間、好ましくは0.5〜6時間であ
る。また、三量化反応は、反応溶媒中のα−オレフィン
に対するα−オレフィン低重合体、特にエチレンに対す
る1−ヘキセンのモル比が0.05〜1.0、特に0.
10〜0.80となるように行うのが好ましい。すなわ
ち連続反応の場合には、反応溶媒中のエチレンと1−ヘ
キセンとのモル比が上記の範囲になるように、触媒濃
度、反応圧力その他の条件を調節し、回分反応の場合に
は、モル比が上記の範囲にある時点において反応を中止
させるのが好ましい。このようにすることにより、1−
ヘキセンよりも沸点の高い成分の副生が抑制されて、1
−ヘキセンの選択率が更に高められる。
【0025】また、反応器内に水素を存在させると、一
般に触媒活性および三量体の選択率が向上する。水素の
存在は、水素分圧として0.1〜100kg/cm2特
に1〜80kg/cm2が好ましい。反応器から流出し
た反応液からの生成物の分離は常法に従って行うことが
できる。通常はまず適宜の固液分離装置を用いて反応液
中の副生ポリマーを除去し、次いで蒸留により各成分に
分離する。
般に触媒活性および三量体の選択率が向上する。水素の
存在は、水素分圧として0.1〜100kg/cm2特
に1〜80kg/cm2が好ましい。反応器から流出し
た反応液からの生成物の分離は常法に従って行うことが
できる。通常はまず適宜の固液分離装置を用いて反応液
中の副生ポリマーを除去し、次いで蒸留により各成分に
分離する。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により、更に
詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0027】<実施例1>反応液面より下の部分に、上
下方向に直径10mmの吹き込み口を5ヶ所に設けた内
径28mmの2本の触媒供給ノズル5a、5b、横方向
に直径10mmの吹き込み口を5ヶ所に設けた内径28
mmのエチレン供給ノズル4および溶媒供給ノズル6を
備えた図1に示す反応装置を使用して反応を行った。加
熱、冷却装置を備えた内容積20m3の耐圧反応器1に
一方の触媒供給ノズル5aから2,5−ジメチルピロー
ル(0.006モル/リットル)、トリエチルアルミニ
ウム(0.08モル/リットル)およびヘキサクロロエ
タン(0.008モル/リットル)の混合n−ヘプタン
溶液を100リットル/時間の供給速度で連続的に供給
した。他方の触媒供給ノズル5bからCr(III)2−エ
チルヘキサノエート(0.002モル/リットル)のn
−ヘプタン溶液を100リットル/時間の供給速度で連
続的に供給した。溶媒供給ノズル6からn−ヘプタンを
30m3/時間の供給速度で連続的に供給した。反応器
内温度を120℃に保ち、エチレンを全圧が70kg/
cm2となるようにエチレン供給ノズル4よりエチレン
を連続的に供給して、エチレンの低重合反応を行わせ
た。反応器からは、内容液が10m3になるように反応
生成物取り出し口7より反応液を抜き出した。抜き出し
た反応液は脱ガス槽に導入し、常圧まで脱ガスした後、
液成分、ガス成分をガスクロマトグラフで分析し、触媒
効率(CE)を求めた。
下方向に直径10mmの吹き込み口を5ヶ所に設けた内
径28mmの2本の触媒供給ノズル5a、5b、横方向
に直径10mmの吹き込み口を5ヶ所に設けた内径28
mmのエチレン供給ノズル4および溶媒供給ノズル6を
備えた図1に示す反応装置を使用して反応を行った。加
熱、冷却装置を備えた内容積20m3の耐圧反応器1に
一方の触媒供給ノズル5aから2,5−ジメチルピロー
ル(0.006モル/リットル)、トリエチルアルミニ
ウム(0.08モル/リットル)およびヘキサクロロエ
タン(0.008モル/リットル)の混合n−ヘプタン
溶液を100リットル/時間の供給速度で連続的に供給
した。他方の触媒供給ノズル5bからCr(III)2−エ
チルヘキサノエート(0.002モル/リットル)のn
−ヘプタン溶液を100リットル/時間の供給速度で連
続的に供給した。溶媒供給ノズル6からn−ヘプタンを
30m3/時間の供給速度で連続的に供給した。反応器
内温度を120℃に保ち、エチレンを全圧が70kg/
cm2となるようにエチレン供給ノズル4よりエチレン
を連続的に供給して、エチレンの低重合反応を行わせ
た。反応器からは、内容液が10m3になるように反応
生成物取り出し口7より反応液を抜き出した。抜き出し
た反応液は脱ガス槽に導入し、常圧まで脱ガスした後、
液成分、ガス成分をガスクロマトグラフで分析し、触媒
効率(CE)を求めた。
【0028】<実施例2>触媒供給ノズル5aから2,
5−ジメチルピロール(0.03モル/リットル)、ト
リエチルアルミニウム(0.4モル/リットル)および
ヘキサクロロエタン(0.04モル/リットル)の混合
n−ヘプタン溶液を20リットル/時間の供給速度で連
続的に供給し、他方の触媒供給ノズル5bからCr(II
I)2−エチルヘキサノエート(0.02モル/リット
ル)のn−ヘプタン溶液を10リットル/時間の供給速
度で連続的に供給した以外は実施例1と同様に反応を行
った。 <実施例3>2本の触媒供給ノズル5a、5bの吹き込
み口を3ヶ所とした以外は実施例1と同様に反応を行っ
た。 <比較例1>触媒供給ノズル5bからCr(III)2−エ
チルヘキサノエート(2モル/リットル)のn−ヘプタ
ン溶液を0.1リットル/時間の供給速度で連続的に供
給した以外は実施例1と同様に反応を行った。 <比較例2>触媒供給ノズル5aから2,5−ジメチル
ピロール(0.6モル/リットル)、トリエチルアルミ
ニウム(8モル/リットル)およびヘキサクロロエタン
(0.8モル/リットル)の混合n−ヘプタン溶液を1
リットル/時間の供給速度で連続的に供給した以外は実
施例1と同様に反応を行った。 <比較例3>触媒供給ノズル5aの吹き込み口を横方向
にした以外は実施例1と同様に反応を行った。 <比較例4>2本の触媒供給ノズル5a、5bの吹き込
み口およびエチレン供給ノズル4を1ヶ所にした以外は
実施例1と同様に反応を行った。実施例1〜3の反応条
件および触媒効率(CE)を表1に、比較例1〜4の反
応条件および触媒効率を表2に示す。
5−ジメチルピロール(0.03モル/リットル)、ト
リエチルアルミニウム(0.4モル/リットル)および
ヘキサクロロエタン(0.04モル/リットル)の混合
n−ヘプタン溶液を20リットル/時間の供給速度で連
続的に供給し、他方の触媒供給ノズル5bからCr(II
I)2−エチルヘキサノエート(0.02モル/リット
ル)のn−ヘプタン溶液を10リットル/時間の供給速
度で連続的に供給した以外は実施例1と同様に反応を行
った。 <実施例3>2本の触媒供給ノズル5a、5bの吹き込
み口を3ヶ所とした以外は実施例1と同様に反応を行っ
た。 <比較例1>触媒供給ノズル5bからCr(III)2−エ
チルヘキサノエート(2モル/リットル)のn−ヘプタ
ン溶液を0.1リットル/時間の供給速度で連続的に供
給した以外は実施例1と同様に反応を行った。 <比較例2>触媒供給ノズル5aから2,5−ジメチル
ピロール(0.6モル/リットル)、トリエチルアルミ
ニウム(8モル/リットル)およびヘキサクロロエタン
(0.8モル/リットル)の混合n−ヘプタン溶液を1
リットル/時間の供給速度で連続的に供給した以外は実
施例1と同様に反応を行った。 <比較例3>触媒供給ノズル5aの吹き込み口を横方向
にした以外は実施例1と同様に反応を行った。 <比較例4>2本の触媒供給ノズル5a、5bの吹き込
み口およびエチレン供給ノズル4を1ヶ所にした以外は
実施例1と同様に反応を行った。実施例1〜3の反応条
件および触媒効率(CE)を表1に、比較例1〜4の反
応条件および触媒効率を表2に示す。
【0029】
【表1】 注)TEA:トリエチルアルミニウム、DMP:2,5−ジメチルピロール RX:ヘキサクロロエタン、Cr塩:Cr(III)2−エチルヘキサノエート
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明方法によれば、反応液中における
触媒成分が均一に分散し、かつ原料α−オレフィンとの
接触効率も高いので、高い触媒活性を維持して1−ヘキ
セン等のα−オレフィン低重合体を極めて高収率かつ高
選択率で製造することができる。
触媒成分が均一に分散し、かつ原料α−オレフィンとの
接触効率も高いので、高い触媒活性を維持して1−ヘキ
セン等のα−オレフィン低重合体を極めて高収率かつ高
選択率で製造することができる。
【図1】 本発明で用いる反応装置の1例を示す概略図
である。
である。
1 反応器 2 撹拌装置 3 モーター 4 エチレン供給ノズル 5a 触媒供給ノズル 5b 触媒供給ノズル 6 溶媒供給ノズル 7 反応生成物取り出し口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10G 50/00 C10G 50/00 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300
Claims (5)
- 【請求項1】 複数の成分からなるクロム系触媒を用い
て、α−オレフィンの低重合反応によりα−オレフィン
低重合体を連続的に製造するにおいて、α−オレフィ
ン、溶媒および触媒を反応帯域に供給するに際し、それ
ぞれの触媒成分を1モル/リットル以下の濃度で、複数
個の吹き込み口を有する触媒供給ノズルから反応帯域へ
連続的に供給することを特徴とするα−オレフィン低重
合体の製造方法。 - 【請求項2】 クロム系触媒が少なくともクロム化合物
(a)、アミン、アミドおよびイミドからなる群から選
ばれた窒素含有化合物(b)、アルキルアルミニウム化
合物(c)およびハロゲン含有化合物(d)の触媒成分
を組み合わせたものである請求項1に記載のα−オレフ
ィン低重合体の製造方法。 - 【請求項3】 それぞれの触媒成分を複数個の吹き込み
口を上下方向に有する触媒供給ノズルから反応帯域へ連
続的に供給する請求項1または2に記載のα−オレフィ
ン低重合体の製造方法。 - 【請求項4】 α−オレフィンを、複数個の吹き込み口
を横方向に有するα−オレフィン供給ノズルから反応帯
域に連続供給する請求項1〜3に記載のα−オレフィン
低重合体の製造方法。 - 【請求項5】 反応帯域に供するα−オレフィンがエチ
レンであり、主生成物が1−ヘキセンである請求項1〜
4に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22920697A JPH1160626A (ja) | 1997-08-26 | 1997-08-26 | α−オレフィン低重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22920697A JPH1160626A (ja) | 1997-08-26 | 1997-08-26 | α−オレフィン低重合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1160626A true JPH1160626A (ja) | 1999-03-02 |
Family
ID=16888490
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22920697A Pending JPH1160626A (ja) | 1997-08-26 | 1997-08-26 | α−オレフィン低重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1160626A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004504282A (ja) * | 2000-07-18 | 2004-02-12 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | α−オレフィン類の製造方法 |
US7384886B2 (en) | 2004-02-20 | 2008-06-10 | Chevron Phillips Chemical Company Lp | Methods of preparation of an olefin oligomerization catalyst |
US9550841B2 (en) | 2004-02-20 | 2017-01-24 | Chevron Phillips Chemical Company Lp | Methods of preparation of an olefin oligomerization catalyst |
US9586872B2 (en) | 2011-12-30 | 2017-03-07 | Chevron Phillips Chemical Company Lp | Olefin oligomerization methods |
-
1997
- 1997-08-26 JP JP22920697A patent/JPH1160626A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004504282A (ja) * | 2000-07-18 | 2004-02-12 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | α−オレフィン類の製造方法 |
US7384886B2 (en) | 2004-02-20 | 2008-06-10 | Chevron Phillips Chemical Company Lp | Methods of preparation of an olefin oligomerization catalyst |
US8993822B2 (en) | 2004-02-20 | 2015-03-31 | Chevron Phillips Chemical Company Lp | Methods of preparation of an olefin oligomerization catalyst |
US9550841B2 (en) | 2004-02-20 | 2017-01-24 | Chevron Phillips Chemical Company Lp | Methods of preparation of an olefin oligomerization catalyst |
US9586872B2 (en) | 2011-12-30 | 2017-03-07 | Chevron Phillips Chemical Company Lp | Olefin oligomerization methods |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
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