【発明の詳細な説明】
第3アルキルエーテルの調製方法
発明の背景 発明の分野
本発明は、特に自動車燃料の成分として使用される第三アルキルエーテル製品
の調製方法に関する。この製品は、例えば、メチルt−ブチルエーテル、エチル
t−ブチルエーテル、t−アミルメチルエーテルまたはt−アミルエチルエーテ
ル、もしくはそれらの混合物、並びに場合によってはそれより重い第三アルキル
エーテルを含む。この方法では、オレフィン系炭化水素供給原料中のイソオレフ
ィン、特にC4〜C7イソオレフィンを適当なアルカノールと反応させて対応する
エーテルを調製する。これらエーテルは、蒸留反応システムのボトム生成物とと
もに除去され、必要に応じてさらに処理されて、自動車燃料成分が調製される。
未反応のアルカノールは蒸留のオーバーヘッド生成物とともに除去される。従来技術
ガソリンのアンチノッキング特性を向上させ、且つ排気ガス中の有害成分濃度
を低下させるために、第三アルキルエーテルを添加する。これら化合物の酸素含
有エーテル基によって自動車エンジンの燃焼プロセスアが改良されることが判っ
ている。好適なアルキルt−アルキルエーテルのいくつかの例として、メチルt
−ブチルエーテル(MTBE)、エチルt−ブチルエーテル(ETBE)、t−
アミルメチルエーテル(TAME)、t−アミルエチルエーテル(TAEE)及
びt−ヘキシルメチルエーテル(THME)を挙げることができる。これらエー
テルは、一価の脂肪族アルコール(アルカノール)を用いてイソオレフィンをエ
ーテル化することによって調製される。反応は固定ベッド反応器、流動ベッド反
応器、チューブ状反応器または触媒蒸留カラムを用いて行うことができる。
エーテル化反応は発熱平衡反応であり、最大変換率は反応系の熱力学的平衡に
よって決定される。例としてTAMEを使用する場合、反応蒸留カラムを用いて
反応及び分離を行うことにより約90%の変換率が得られる一方、固定ベッド反
応器を用いて得られる変換率はわずか65〜70%である。
イオン交換樹脂は最も一般的なエーテル化触媒である。一般に、使用する樹脂
はスルホン化ポリスチレン/ジビニルベンゼンベースの陽イオン交換樹脂(ジビ
ニルベンゼンで架橋されたスルホン化ポリスチレン)であり、0.1〜1mmの
粒子サイズを有する。
2種類のTAME法が工業的に行われている。第1の方法は、固定ベッド反応
器と蒸留によって生成物を分離するためのカラムとメタノール分離ユニットとを
含む。もう1つの方法では、生成物の蒸留に代わって触媒蒸留ユニットが使用さ
れており、それによって上述の様にTAME変換率が大幅に向上する。
本出願人による国際特許出願WO93/19031号には、全く新規な第3の
エーテル化プロセスが記載されている。この新規プロセスは、従来蒸留カラム内
に置かれていた触媒を生成物分離用蒸留ユニットからの供給を受ける独立した外
部反応器へと移すことによって改良された触媒蒸留ユニットを含む。副反応器に
おける生成物は、同じ生成物分離用蒸留ユニットへと再循環される。本出願人の
国際特許出願WO93/19032号に記載されたプロセスの実施例によれば、
触媒蒸留反応器システムの生成物蒸留は、以下のような方法で運転される。つま
り、蒸留物と共に除去されたアルカノールの殆ど、好ましくは全量が蒸留物中の
不活性C4炭化水素と結合して該炭化水素と共に共沸混合物を構成するような方
法で運転される。生成物はカラム底部から回収され、この生成物はTAMEとそ
れよりも重いエーテルとを含んでいる。
本出願人による上記国債特許出願に記載の方法はさらに、より低級のアルキル
エーテル、例えばメチルt−ブチルエーテル(MTBE)及びエチルt−ブチル
エーテル(ETBE)、並びにそのようなエーテルを含む混合エーテル製品を調
製するために用いられる。
第3アルキルエーテルを調製するための上記方法に適した供給原料は、C4〜
C7炭化水素を含むFCC(Fluidized Catalytic Cracking)ガソリンであって
、このガソリンの大部分、一般には少なくとも5重量%、典型的には約7〜30
重量%が反応性の
C4-7イソオレフィンを含む。これら反応性イソオレフィンには以下の化合物が
含まれる:イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、2
−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペンテン、2,3−ジメチル−1−
ブテン、2,3−ジメチル−2−ブテン、2−エチル−1−ブテン、2−メチル
−2−ヘキセン、2,3−ジメチル−1−ペンテン、2,3−ジメチル−2−ペ
ンテン、2,4−ジメチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ペンテン及び2−
エチル−2−ペンテン。エーテル化プロセスに適したそれ以外の炭化水素供給原
料は、熱分解C5ガソリン、TCC(Thermofor Catalytic Cracking)ガソリン
、RCC(Residual Catalytic Cracking)ガソリン及びコーカーガソリンであ
る。
上述のエーテル化プロセスは反応性C4及びC5については高い変換率を与える
ものの、反応性C6を対応する第3アルキルエーテル(例えばTHME、t−ヘ
キシルメチルエーテル、THEE、t−ヘキシルエチルエーテル)に変換する際
の変換率は50%未満である。プロセスの構成によっては、変換率は40%また
は30%未満となる。C4、C5及びC6ベースのエーテル並びに対応する非反応
性炭化水素を含む混合物の場合、C6エーテルの量の増加によってエーテル製品
の蒸気圧が大きく低下し、そのオクタン価が上昇して、アルカノールがガソリン
よりも安価な成分であることを考慮するならば、プロセスのコスト効率が上昇す
る。
発明の概要
本発明の目的は、オレフィン系炭化水素供給原料から第3アルキルエーテルを
製造するための新規方法であって、反応性C6炭化水素の変換率を50%以上に
高め且つ反応性C4及びC5炭化水素の高い変換率(90%以上)を維持する新規
方法を提供することにより、上記従来技術に関する問題を解決することにある。
本発明は基本的に国際特許出願WO93/19032号に記載の新規エーテル
化プロセスに基づくものである。特に炭化水素供給原料と少なくとも一種類のア
ルカノールとを反応領域に供給し、この反応領域において、供給材料の成分、す
なわちアルカノールと反応性イソオレフィンとが互いに反応して第3アルキルエ
ーテルを含む生成物が形成される。反応混合物は連続的に蒸留カラムにおける分
画に供される。主に生成したアルキルエーテルと未反応炭化水素のほぼ全量を含
むボトム生成
物が蒸留装置から抜き出される一方、オーバーヘッド生成物は主に供給材料中の
非反応性(不活性)炭化水素、特にC4炭化水素とエーテル化反応で消費されな
かったアルカノールとで構成される共沸混合物を含む。
本発明によれば、アルカノールと共に炭化水素を含む供給原料流は、精留器(
蒸留カラム)からの再循環流と合流され、その後エーテル化反応領域へと供給さ
れる。驚くべきことに、蒸留カラムからのドローオフ(抜き出し画分)を、新規
供給材料流に対して10〜500%、好ましくは約50〜200%の比率で再循
環させ、これを新規供給材料に合流させることにより、C6の変換率を65%よ
りも高くすることが可能になる(これに対してサイドドローオフを別々にエーテ
ル化に供した場合には該変換率は50%未満である)。
本発明プロセスは特に下記段階を含む:
オレフィン系炭化水素供給原料のC4 〜7イソオレフィンを、少なくとも1つの
反応領域内で第1の触媒の存在下にアルカノールと反応させて第3アルキルエー
テルまたは第3アルキルエーテル混合物を含む反応混合物を生成させ、
反応混合物を、蒸留カラムの底部と頭部との間に位置する供給ポイントから蒸
留カラムへと供給し、
上記反応混合物を蒸留カラム内で蒸留に供し、
蒸留のボトム生成物と共にアルキルエーテルおよびC5 〜7炭化水素を回収し、
蒸留のオーバーヘッド生成物として、未反応C4炭化水素と上記アルカノール
とで構成される共沸混合物を抜き出し、
カラムの液体フローの一部を、反応混合物の供給ポイントよりも上の位置から
抜き出してこれをサイドドローオフ(抜き出し側流)とし、さらに
サイドドローオフを反応領域へと再循環させる。図面の簡単な説明
続いて、添付した図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。図1は
、3つの予備反応器と生成物分離カラムとを有する本発明のエーテル化プロセス
の単純化スキームを示す。
発明の詳細な説明
本発明によるエーテルの製造は、多数の反応器がカスケード状に連結されてお
り、これに生成物の分離用に指定された少なくとも1つの蒸留カラムが連結され
た従来型のエーテル化システムを用いて行うことができる。
典型的に、そのようなプロセス構成では、供給材料である炭化水素が、アルコ
ール(メタノールまたはエタノール)および精留器からの再循環流と共に、少な
くとも2つの反応器を有する反応領域に導入される。軽い炭化水素に対する重い
炭化水素の割合が大きければ大きいほど、より多数の反応器が必要となる。供給
材料はまず最初に特定の反応温度に調節され、その後第1のエーテル化反応器へ
と導入される。第1の反応器からの流出液は冷却され、第2のエーテル化反応器
に供給される。第2の反応器からの流出液は、必要に応じて冷却されて、第3の
エーテル化反応器へと供給される(以下第4、第5…と続く)。その後最後の反
応器からの流出液は加熱され、主要な精留器へと供給される。この精留器は、国
際特許WO93/19032号に記載の原理に従って運転される。つまり、蒸留
物が主にC4炭化水素とアルコール(蒸留物中に共沸混合物としての濃度で含ま
れる)とで構成されるように運転される。従って非反応性の供給材料であるC4
の量によって蒸留物の量が決定される。蒸留カラムの供給ポイントよりも上の位
置からサイドドローオフが抜き出され、熱交換器を介して第1の反応器に供給さ
れる。ボトム生成物は未反応の炭化水素と生成したエーテルとで構成される。
上記実施例では、新規供給材料とアルカノールとサイドドローオフとが混合さ
れ、その後エーテル化領域へと供給される。3つの流れのうちの1つ(例えばア
ルカノール)またはそれら全てを別々にエーテル化領域に供給することも可能で
ある。その場合、サイドドローオフは反応領域に供給される前に冷却されるのが
望ましい。
「アルカノール」という用語は、炭化水素供給原料中の飽和または不飽和炭化
水素、特にC3〜C7炭化水素と共に共沸混合物を構成することの可能な低級アル
キルアルコールを含む。アルカノールの特定の例として、以下:メタノール、エ
タノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノ
ール及び
t−ブタノールを挙げることができ、メタノールとエタノールが特に好ましい。
「オレフィン系炭化水素供給原料」という用語は、エーテル化によって第三ア
ルキルエーテルを形成することの可能なイソオレフィンまたはイソオレフィン混
合物を含む全ての炭化水素供給原料を含むものとする。特に下記供給原料が好ま
しい:FCCガソリン、FCCライトガソリン、高温分解C5ガソリン、TCC
ガソリン、RCCガソリンおよびコーカーガソリン。供給材料はさらに2種類以
上のオレフィン系炭化水素供給原料の混合物、例えばFCCライトガソリンと高
温分解C5留分との混合物を含むことができる。C4〜C7の各種イソオレフィン
の比率は当然、エーテル生成物の組成を大きく左右する。
上記供給原料のうち、FCC、RCCおよびTCCが好ましい。なぜなら、こ
れらの炭化水素留分はそのまま、場合によっては重質留分(C8+)を除去後に使
用可能であるからである。高温分解ガソリンを使用するには、プロセスに供給す
る前に軽質留分及びC6+留分を除去する必要がある。オレフィン系供給原料中に
高温分解ガソリンの反応性C5のほぼ全部が含まれることを確実とするために、
高温分解C5ガソリンと呼ばれる炭化水素混合物中には最大10%程度のC6+留
分が含まれることができる。この供給原料はさらに反応性の脂肪族C6+炭化水素
を含有しよう。高温分解ガソリンは特にイソプレン(最大10重量%)及びその
他ジオレフィンを豊富に含有し、それらは選択的水素化によって単不飽和炭化水
素へと変換可能である。これによって、エーテル化用の供給原料としてのこの留
分の価値(特に上記に記載の任意のクラッキングガソリン画分との組み合わせに
おいて)が大きく向上する。
添付した図面は、本発明プロセスの好ましい実施例の全体像を示したものであ
る。
つまり、図に示した試験構成によれば、炭化水素供給原料とアルカノールと蒸
留カラム4からの側流とが混合されて、この混合物は加熱され、反応器セクショ
ン1、2を介して供給される。炭化水素供給原料は例えば、イソオレフィンを含
む炭化水素画分、例えばイソオレフィン混合物を含む接触分解装置の炭化水素留
分などにすることができる。反応器はイオン交換樹脂ベッドを充填された3つの
反応器で構成される。反応器は固定ベッドまたは流動ベッドもしくはチューブ状
反応器にす
ることができる。反応器は図に示すように直列(カスケード状)に接続されるか
、あるいは並列に接続される。3個以上の反応器が存在する場合、それらは直列
/並列に並べてもよい。反応のために予備反応器内ではイソオレフィンの量およ
び反応器の断熱効率に応じて約5〜約15℃の範囲で温度上昇が見られる。混合
物は反応器から蒸留カラム4へと導かれる。供給ポイントの位置は、以下により
詳細に規定する。蒸留カラム4の底部には、蒸気リボイラー9が設置される。蒸
留カラムは充填カラム、もしくはバルブ、シーブまたはバブルキャップトレーを
備えたカラムにすることができる。カラムのオーバーヘッドは凝縮器10を介し
て還流ドラム11へと取り出され、還流ドラム11からポンプ12によって除去
される。オーバーヘッドの一部はさらなる処理に供され、一部は蒸留カラムに戻
される。エーテルはボトム生成物と共に除去される。エーテルに加えて、ボトム
生成物はさらに未反応のC4+炭化水素を含む。カラムの還流比は約1〜500で
あるのが好ましい。パイロットプラント設備では、この比をさらに大きくするこ
とができる。本発明によれば、還流比は、プロセスから除去される蒸留物の量が
少なくとも供給材料のC3炭化水素の量にほぼ相当するように調節される。
蒸留カラム4から側流が抜き出され、上記のように新鮮な炭化水素及びアルカ
ノール供給材料と混合される。側流は新規供給材料の約10〜500%、好まし
くは約50〜約200%を占める。蒸留は通常反応よりも低い圧力の下で行われ
ることから、ポンプ14によって側流の圧力を上昇させる。側流はアルカノール
のK値が1未満である段よりも下側の段から抜き出されるのが好ましい。反応器
の流出液(蒸留カラムへの供給液)は、アルカノールK値が1よりも大きい段に
供給される。この構成の結果、アルカノールは気相中に炭化水素よりも多く含ま
れることになる。側流はカラム内の合計液体フローの40〜90%、典型的には
約60〜70%を占める。
蒸留は一般に約1.1〜20バール、エーテル化反応は6〜40バールの圧力
で行われる。TAMEを調製する場合、蒸留カラム頭部の温度は約40〜70℃
、典型的には約50〜60℃であり、カラム底部の温度は約100〜150℃、
典型的には約120〜130℃である。
上述のように、本発明によれば、反応蒸留ユニットの蒸留カラムは、蒸留カラ
ム
の頭部においてアルカノールが炭化水素よりも重く成るような方法で運転される
。従って共沸化合物の状態で炭化水素と結合していないアルカノールは、カラム
内を下方に向かって流れる傾向を有する。同時に、蒸留カラムの底部におけるC5
及びそれより重い炭化水素とアルカノールとの気/液平衡は、アルカノールが
炭化水素よりも軽くなるような値に維持される。これによってアルカノールはカ
ラムの底部から上方に向かって流れることになる。つまり、アルカノールは蒸留
システム内でカラムの底部と頭部との間を循環することになろう。蒸留カラム内
に反応ベッドを設置する、あるいはカラムから副反応器内の反応ベッドを介して
側流を設けることにより、アルカノールを消費する反応が起こり、システムから
アルカノールが除去される。
アルカノール、特にメタノール及びエタノールは、供給原料の炭化水素と共に
共沸混合物を構成する。炭化水素が重ければ重い程、炭化水素/アルカノール共
沸混合物中のアルカノール濃度が高い。本発明では、蒸留プロセスから除去され
る未反応アルカノールの量を最少にするために、実質的にC4炭化水素/アルカ
ノール共沸混合物のみをオーバーヘッド生成物として取り出す。これら共沸混合
物は最も軽い炭化水素/アルカノール共沸混合物であって、アルカノール濃度が
最も低い。
つまり、本発明によれば、未反応アルカノールの量は、供給材料中のC4炭化
水素の量をそれがアルカノールの量と相関するように調節することによって制御
される。供給材料中に含まれるC4炭化水素の量が少なければ少ないほど、除去
される蒸留物が少なくなり、プロセスから除去されるアルカノールの量も少ない
。供給材料中のC4炭化水素の量を増やすことによって、オーバーヘッド生成物
中のフリーの未反応アルカノールの相対的量を全く変化させることなく蒸留物の
流量を増加させることができる。従って、必要な場合には、所望の効果が得られ
るようにC4炭化水素(さらにはC3炭化水素)を意図的にプロセスに追加するこ
とができる。
本発明方法を実施する場合、カラムのボトム生成物中のアルカノール濃度は容
易に所望の値まで低下させることができる。メタノールの場合、ボトム生成物中
の濃度を100ppm未満まで低下させることが可能である。蒸留物中のアルカ
ノールの量は共沸混合物によって結合される量だけに相当する。共沸混合物の組
成、つまり除去されたアルカノールの量は、オーバーヘッド生成物の炭化水素組
成及び蒸留
の操作圧に依存する。TAMEの製造に基づく例を述べるならば、C4炭化水素
がオーバーヘッド生成物の主要部分(90%以上)を構成する場合、蒸留圧およ
びC5炭化水素の量に応じて、0.1〜5.0重量%程度のメタノールが残るこ
とになろう。オーバーヘッド生成物中に含まれるC5炭化水素が多ければ多いほ
ど、それと共に除去されるメタノールの量が多くなる(オーバーヘッド生成物中
のC4炭化水素を90%未満にすることができる)。
上記エーテル化は、従来型の陽イオン交換樹脂を用いて行うのが好ましい。し
かし、各種のゼオライトをエーテル化触媒として使用することも可能である。つ
まり、樹脂はスルホン酸基を含むことができ、芳香族ビニル化合物を重合または
共重合させてからスルホン化して得ることができる。重合体または共重合体を調
製するのに適した芳香族ビニル化合物の例として、スチレン、ビニルトルエン、
ビニルナフタレン、ビニルエチル−ベンゼン、メチルスチレン、ビニルクロロベ
ンゼン及びビニルキシレンを挙げることができる。酸性の陽イオン交換樹脂は通
常、芳香核1つに付き1.3〜1.9個程度のスルホン酸基を含む。好ましい樹
脂は芳香族モノビニル化合物と芳香族ポリビニル化合物、特にジビニル化合物と
の共重合体をベースとするもので、ポリビニルベンゼン含有率が共重合体に対し
て約1〜20重量%である。イオン交換樹脂は約0.15〜1mmの粒子サイズ
を有するのが好ましい。上記樹脂に加えてペルフルオロスルホン酸樹脂(スルホ
ニルフルオロビニルエチルとフルオロカーボンとの共重合体である)を使用する
ことができる。
本発明は、MTBE、ETBE、TAMEおよびTAEEプロセスとの関連で
実行されるのが望ましい。
TAMEプロセスと関連して、得られたオーバーヘッド生成物をMTBEユニ
ットへと導入することができる。オーバーヘッド生成物が幾分不純物(MTBE
プロセスに関する限りはC5炭化水素)を含むことから、この生成物はMTBE
ユニットの供給材料に導入する(C5炭化水素がMTBE生成物中に留まること
を意味する)か、あるいはMTBEユニットのメタノール洗浄ユニットへと導入
されることができる。後者の場合、C5炭化水素は最終的にMTBEユニットの
ラフィネート流(主にC4炭化水素を含む)に入ることになる。
あるいは、蒸留で得られるオーバーヘッド生成物は、含有されるメタノール量
が
最少限であって且つオーバーヘッドが供給材料に比べて非常に少量であることか
ら、蒸留のボトム生成物と合わせてガソリン成分を構成することができる。必要
に応じて、混合物をさらなる処理に供する。しかしながら、本発明の好ましい実
施例では、オーバーヘッド生成物とボトム生成物との混合物をそのまま自動車燃
料の成分として使用することができるよう、供給材料中のC4炭化水素含有率は
意図的に非常に低く保たれる。
本発明によって大きな利点が得られる。つまり、反応性C6の変換率が大きく
上昇するだけでなく、設備が簡素化されることによって、エーテル化プロセスに
対する資本投資が軽減され、さらに従来技術に比べてエーテルの収量が増加する
。蒸気や水などのユーティリティーの使用が減ることから、運転コストも減少す
る。
以下、実施例を挙げて本発明を明らかに説明する。実施例 第3メチル及びエチルエーテルの調製
図1のプロセス構成を用いて、以下の条件でオレフィン系炭化水素供給材料か
らメチル及びエチルエーテルを調製した:
蒸留
カラム: 内径160mm、高さ11,000mm、カラム充填剤を充填され
ている。充填層の数は6。
反応器: 内径154.1mm、高さ1,150mm、触媒DOWEX M−
32が充填されている。
側流抜取位置: 第2充填層と第3充填層の間
供給ポイント: 第4充填層と第5充填層の間
メチルエーテルを調製するにはカスケード状に配置された2つの反応器を使用
し、エチルエーテルはカスケード状に配置された3個の反応器を用いて調製した
。
いずれの場合も、表1及び2に示した30kg/hの炭化水素(組成を表1及
び2に示す)を含むオレフィン供給材料流とアルコール(量を表1及び2に示す
)とを混合して加熱する。次に、抜き出された側流を合わせ、そのようにして得
られた変性供給材料流を反応器に導入する。発熱エーテル化反応の結果、断熱効
率に応じ
て反応器内の温度が5〜15℃上昇した。得られた反応混合物を蒸留カラムへと
導入し、蒸留に供した。
メチルエーテルを調製する場合、反応器の供給材料温度は39℃であり、反応
器の出口における反応混合物の温度はそれぞれ46.5℃及び40℃であった。
エタノールの場合、供給材料流はそれぞれ59℃、59℃及び49℃で反応器に
導入され、反応器出口における反応混合物流の温度はそれぞれ、69℃、61℃
及び50.5℃であった。
蒸留カラムの頭部から、蒸留物を回収した(組成を表1及び2に示す)。
カラムから抜き出した側流の組成も表1及び2に示す。側流を反応器に導入す
る前にポンプを用いて圧力を上昇させた。
蒸留物の還流比は、供給材料がMeOHの場合には100で、EtOHの場合
には20であった。
結果を表1及び表2に示す。
各種反応物の変換率を国際特許WO93/19031号に記載のTAME法で
得られた結果を比較したところ、2−メチル−1−ブテン及び2−メチル−2−
ブテンの変換率は同じレベルであったのに対して、反応性C6の変換率は明らか
に向上した。結果を下記の表にまとめて示す。
表3 変換率の比較
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
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