【発明の詳細な説明】
安定なN−アセチルシステイン組成物
技術分野
本発明は、N−アセチルシステインを含むシリコーン中水形エマルジョンの形
態の局所組成物に関する。これらの組成物は、悪臭発生の低い発生率によって実
証される場合の改良された安定性を有する。これらの組成物は、哺乳類の皮膚の
外観を処理し、可視的に改良することに有用である。これらの組成物は、特に、
しわを消すと共に発生しにくくし、皮膚のきめを改良し、望ましくない毛を皮膚
から取り除き、皮膚の孔のサイズを小さくし、皮膚を潤わせ、そして、皮膚の老
化に関連した組織学的変化を処理することに有用である。
発明の背景
皮膚は、多くの外在性及び内在性の因子による酷使(abuse)に付される。外在
性因子には、紫外線照射、風、低湿度、きつい界面活性剤、研磨剤などが含まれ
る。内在性因子には、年代的な老化及び他の皮膚内部の生化学的な変化が含まれ
る。外在性又は内在性であっても、これらの酷使因子は、しわの発生や、他の皮
膚老化に関連した組織学的な変化をもたらす。多くの人々にとって皮膚のしわは
、若さの消滅の遺物である。この結果、しわの排除は、若さを考慮する社会にお
いて爆発的なビジネスとなる。処理は、化粧品クリーム及びモイスチャライザー
から、多くの形態の美容外科までの範囲に及ぶ。
これらの老化プロセスは、皮膚を薄くし、皮膚の一般的な分解をもたらす。皮
膚が自然に老化するとき、細胞及び皮膚に供給する血管が減少する。また、皮膚
−表皮結合が平坦化し、この結果、この結合の機械的な抵抗性が弱くなる。例え
ば、Oikarinen,“The Aging of Skin:Chronoaging Versus Photoaging”,Photod
ermatol.Photoimmunol.Photomed.,vol.7,pp3-4,1990を参照のこと。これを全文
援用して本文の一部とする。
既知の皮膚しわ発生阻害剤(anti-skin wrinkling agents)には、N−アセチル
−L−システイン、レチノイド、例えばレチン酸、並びに、アルファーヒドロキ
シ酸、例えばグリコール酸及び乳酸のような物質が含まれる。例えば、1994年3
月22日発行のHillebrandの米国特許第5,296,500号;1989年12月19日発行のKligm
anの米国特許第4,888,342号;1989年10月31日発行のKligmanの米国特許第4,877,
805号;1995年2月14日発行のYuらの米国特許第5,389,677号;1995年1月31日発行
のYuらの米国特許第5,385,938号;1992年2月25日発行のYuらの米国特許第5,091,
171号を参照のこと。これらを全文援用して本文の一部とする。
N−アセチル−L−システインは、本発明の好ましい活性物である。しかしな
がら、この物質は、比較的変化しやすい。N−アセチル−L−システインは、配
合されているときに分解し、例えばH2Sのような悪臭のある硫黄含有化合物を
放出する傾向にある。この不安定さの問題は、N−アセチル−L−システインを
局所皮膚ケア組成物、特に顔に塗布される傾向にあるような組成物への配合の有
用性を制限する。
驚くべきことに、改良された安定性を有するN−アセチルシステインを含む組
成物が、シリコーン主体エマルジョンシステムを利用することによって達成でき
ることが、本発明において見出された。特に、これらの組成物は、シリコーン中
水形エマルジョンの形態にあり、ここで、このシリコーンは連続又は外部相を形
成し、水は不連続又は内部相を形成する。これらの組成物は、悪臭発生の低い発
生率を示す。
従って、本発明の目的は、改良された安定性を有するN−アセチルシステイン
を含む局所組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、悪臭発生の低い発生率を有するN−アセチルシステイン
を含む局所組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、シリコーン中水形エマルジョンの形態をしたN−アセチ
ルシステインを含む局所組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、N−アセチルシステインを含む組成物の安定性を改良す
る方法を提供することである。
本発明の他の目的は、ヒトの皮膚の外観を処理し、可視的に改良する方法を提
供することである。
本発明の他の目的は、皮膚のしわを消すと共に発生しにくくし、皮膚のきめを
改良し、望ましくない毛を皮膚から取り除き、皮膚の孔のサイズを小さくし、皮
膚を潤わせ、そして、皮膚の老化に関連した組織学的変化を処理する方法を改良
することである。
本発明のこれらの及び他の目的は、下記の開示に照らして明らかとなるであろ
う。
発明の要約
本発明は、局所組成物であって:
(a)約1%から約60%の、少なくとも1つの液体オルガノポリシロキサン
を含むシリコーン連続相、
(b)約30%から約90%の、N−アセチルシステイン、N−アセチルシス
テインの誘導体、N−アセチルシステインの医薬的に許容可能な塩、N−アセチ
ルシステインの誘導体の医薬的に許容可能な塩、及びこれらの混合物からなる群
より選択された安全かつ有効量の化合物を含む水性不連続相、並びに、
(c)約0.1%から約10%の乳化剤
を含有する局所組成物に関する。
さらに実施形態において、本発明は、
(a)約1%から約60%の、少なくとも1つの液体オルガノポリシロキサン
を含むシリコーン連続相、
(b)約30%から約90%の、N−アセチルシステイン、N−アセチルシス
テインの誘導体、N−アセチルシステインの医薬的に許容可能な塩、N−アセチ
ルシステインの誘導体の医薬的に許容可能な塩及びこれらの混合物よりなる群か
ら選択された安全かつ有効量の化合物を含む水性不連続相、
(c)約0.1%から約10%の乳化剤、
を含む有効量の組成物を局所的に塗布することを含む、ヒトの皮膚を処理し、可
視的に改良する方法を含む。
ここで用いられる全てのパーセンテージ及び割合は、他に示さない限り、全組
成物の重量換算によるものであり、全ての測定は、25℃において成されている
。全ての重量パーセンテージは、他に示さない限り、活性物の重量を基準とする
。この発明は、必須成分と、ここで記述される任意配合剤及び化合物を含み、こ
れから成り、又は実質的に成る。
発明の詳細な記載
本発明の組成物は、哺乳類の皮膚、特にヒトの皮膚の外観を処理して可視的に
改良することに有用である。
これらの組成物は、シリコーン連続又は外部相と水分散又は内部相とを有する
シリコーン中水形エマルジョンの形態をしている。シリコーン含有エマルジョン
組成物は、当分野において周知であるが、変化しやすい硫黄含有活性物、例えば
N−アセチルシステインの高められた安定性をもたらすその有用性は、現在まで
知られていなかった。後述する従来技術の文献は、その全文を援用して本文の一
部とするが、シリコーン主体エマルジョンシステムを開示している:1990年10月
2日発行のFigueroa,Jr.らの米国特許第4,960,764号;1989年8月30日公開のSaNog
ueiraの欧州特許第330,369号;G.H.Dahmsら、“New Formulation Possibilities
Offered by Silicone Copolyols”,Cosmetics & Toiletries,vol.110,pp91-100
,1995年3月;M.E.Crlottiら、“Optimization of W/O-S Emulsions And Study O
f The Quantitative Relationships Between Ester Structure And Emulsion Pr
operties”,J.Dispersion Science And Technology,13(3),315-336(1992);P.Ham
eyer,“Comparative Technological Investigations of Organic and Organosil
icone Emulsifiers in Cosmetic Water-in-Oil Emulsion Preparations”,HAPPI
28(4)1991,pp.88-128;J.Smid-Korbarら、“Efficiency and usability of sili
cone surfactants in emulsion”,Provisional Communnication,International
Journal of Cosmetic Science,12,135-139(1990);及び、D.G.Krzysikら、“A Ne
w Silicone Emulsifier For Water-in-Oil Systems”,Drug and Cosmetic Indus
try,vol.146(4),pp.28-81(1990年4月)。
N−アセチルシステイン及び関連化合物を含む本発明のシリコーン中水形組成
物は、悪臭形成の低い発生率によって実証されるものとしての、改良された安定
性を有する。この安定性は、N−アセチル−L−システインのような活性配合剤
の変化しやすい特性のために驚くべきものである。
用語「局所塗布」とは、ここで用いられる場合、本発明の組成物を皮膚の表面
に塗り、又は広げることを意味する。
用語「医薬的に許容可能」とは、ここで用いられる場合、正に記述された組成
物又はその成分が、不適当な毒性、不相溶性、不安定性、アレルギー反応などを
伴うことなく、ヒトの組織と接触する使用に適することを意味する。
用語「安全かつ有効量」とは、ここで用いられる場合、正の治療利益を誘導す
ることに十分であるが、深刻な副作用を回避するには十分低い、すなわち、理論
的に確かな医学判定の範囲内において合理的な利益対危険率をもたらす化合物又
は組成物の量を意味する。
用語「長期処理」とは、ここで用いられる場合、対象者の一生の間の持続した
期間にわたって、皮膚に対して組成物を連続的に局所塗布又は処理することを意
味する。
用語「ヒトの皮膚の外観を処理し、可視的に改良する」とは、本発明の組成物
が、局所投与の有用であり、皮膚老化の兆候を改善すること、皮膚のきめを改良
すること、望ましくない毛を除去するための脱毛効果を改良すること、孔サイズ
を小さくすること及び、色素過剰斑点における皮膚美白効果を改良することなど
のような利益を提供することを意味する。「皮膚老化の兆候」には、全ての外見
の可視的な及び触覚的に知覚可能な現れ、全ての内部的な現れと、如何なる他の
マクロ又はミクロの効果とを含むが、これらに限定されない。例えば、用語「皮
膚老化」は、ここで用いられる場合、外在性因子又は内在性因子によって誘導さ
れる又は生じるかどうかのプロセスを含む。これらのプロセスには、表面の細か
いしわ及びきめの粗い深いしわの両方を含むしわの発生、皮膚の筋、たるみ、し
み、加齢斑点、角化、過角化、弾力線維症、コラーゲン分解、並びに、角質層、
真皮、表皮、血管系及び下層組織における他の組織学的変化が含まれるが、これ
らに限定されない。N−アセチルシステイン
本発明の組成物の水性相には、安全かつ有効量のN−アセチルシステイン、N
−アセチルシステインの誘導体及びその医薬的に許容可能な塩が含まれる。本発
明の組成物は、好ましくは、約0.01%から約50%、より好ましくは約0.
1%から約10%、及び最も好ましくは約0.25%から約5%のN−アセチル
システインを含む。これらの重量パーセンテージは、組成物の全重量に基づく。
N−アセチルシステインは、化学式C5H9NO3S及び下記の化学構造に相当
する:
N−アセチルシステインは、アミノ酸、システインの「アセチル化」誘導体であ
る。システイン及び、グリシンよりも複雑なアミノ酸全ては、2つのエナンチオ
マー形として存在し、これは天然由来の“L”形とその非天然由来の“D”形で
ある。N−アセチルシステインの“L”形は、N−アセチル−L−システインと
して示され、より容易に入手可能であるためここでの使用に好ましいが、“D”
形も使用することができる。また、システイン及びそのN−アセチル化誘導体は
、酸化二量体として存在することができるが、単量体形のN−アセチルシステイ
ンもここでの使用に適していることが認識されている。
また、N−アセチルシステインの誘導体も、ここで有用である。これらの誘導
体には、エステル、アミド、無水物並びに、スルフヒドリル部分のチオエステル
及びチオエーテルが含まれる。これらの誘導体の非限定例には、メチルN−アセ
チルシステイン、エチルN−アセチルシステイン、ステアリルN−アセチルシス
テイン、N−アセチルシステインメチルチオエーテル、N,S−ジアセチルシス
テイン、N−アセチルシステインアミド並びに、N−アセチルシステイン及び酢
酸の混合無水物が含まれる。
また、N−アセチルシステイン及びN−アセチルシステインの誘導体の医薬的
に許容可能な塩も、ここで有用である。これらの塩の非限定例には、ナトリウム
塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、アンモニウム塩、ア
ルキルアンモニウム及びアルカノールアンモニウム塩(言い換えれば、そのアン
モニウムイオンが1以上のアルキル又はアルカノール部分で置換されている)な
どが含まれる。
The Merck Index、第10版、エントリー82、第13頁、(1983);及び、1994年3月
22日発行のHillebrandの米国特許第5,296,500号を参照のこと。これらの全文を
共に援用して本文の一部とする。連続シリコーン相
本発明のシリコーン中水形エマルジョン組成物は、約1%から約60%、より
好ましくは約5%から約40%、及び最も好ましくは約10%から約20%の、
少なくとも1つの液体オルガノポリシロキサンを含む連続シリコーン相を含む。
エマルジョン技術では、用語「連続相」は、当業者にとって周知の用語であり、
この相が外部相として存在し、不連続相を包含することを意味する。
「液体」によって、約1気圧の圧力で約25℃又はそれより低い融点を有する
物質が意味される。
液体オルガノポリシロキサンは、広い範囲の揮発性及び粘性に広がる広範囲の
シリコーンから選択することができる。オルガノポリシロキサンの例には、ポリ
アルキルシロキサン、環状ポリアルキルシロキサン、及びポリアルキルアリール
シロキサンが含まれる。ここで有用なポリアルキルシロキサンには、例えば、2
5℃で約0.5から約1,000,000センチストークの粘性を有するポリア
ルキルシロキサンが含まれる。このようなポリアルキルシロキサンは、一般化学
式R3SiO[R2SiO]xSiR3に相当し、ここでRは、1から約30炭素原子
を有するアルキル基(好ましくは、Rはメチル又はエチルであり、より好ましく
はメチルである;また、混合アルキル基も同一分子内に用いられ得る)であり、
xは0から約10,000の整数であり、これは、約10,000,000を越
える範囲にすることができる所望の分子量を達成するために選択される。市販の
ポリアルキルシロキサンには、ポリジメチルシロキサンが含まれ、これは、また
ジメチコーンとして既知であり、これに含まれる非限定例には、General Electr
ic Companyから販売のVicasil(商品名)シリーズ、Dow Corning Corporationか
ら販売のDow Corning(商品名)200シリーズが含まれる。ここで有用なポリジメ
チルシロキサンの特定例には、0.65センチストークの粘性及び100℃の沸
点を有するDow Corning(商品名)200流体、10センチストークの粘性及び20
0℃を越える沸点を有する Dow Corning(商品名)225流体、並びに、50、3
50及び12,500センチストークの粘性をそれぞれ有し、200℃を越える
沸点を有する Dow Corning(商品名)200流体が含まれる。また、C2から約C30
の範囲のペンダントアルキル基を有するジメチコーンも有用であり、これらの物
質は、以下の化学式(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]x[CH3RSiO]ySi(C
H3)3で表すことができ、ここで、Rは、2から約30炭素原子を有する直鎖又
は分岐鎖のアルキルであり、x及びyは、それぞれ、約10,000,000を
越える範囲にすることができる所望の分子量を達成するために選択された1又は
それ以上の整数である。これらのアルキル置換ジメチコーンには、セチルジメチ
コーン及びラウリルジメチコーンが含まれる。
ここで有用な環状ポリアルキルシロキサンには、一般化学式[SiR2−O]nに
相当するものが含まれ、ここで、Rは、アルキル基(好ましくは、Rはメチル又
はエチルであり、より好ましくはメチルである)であり、nは約3から約8の整
数であり、より好ましくは、nは約3から約7の整数であり、最も好ましくは、
nは約4から約6の整数である。Rがメチルの場合には、これらの物質は、通常
、シクロメチコーンと呼ばれる。市販のシクロメチコーンには、2.5センチス
トークの粘性及び172℃の沸点を有し、主としてシクロメチコーン四量体(す
なわち、n=4)を含む Dow Corning(商品名)244流体、2.5センチストー
クの粘性及び178℃の沸点を有し、主としてシクロメチコーン五量体(すなわ
ち、n=5)を含むDow Corning(商品名)344流体、4.2センチストークの粘
性及び205℃の沸点を有し、主としてシクロメチコーン四量体及び五量体(す
なわち、n=4及び5)の混合物を含むDow Corning(商品名)245流体、並びに
4.5センチストークの粘性及び217℃の沸点を有し、主としてシクロメチコ
ーン四量体、五量体及び六量体(すなわち、n=4、5及び6)の混合物を含む
Dow Corning(商品名)345流体が含まれる。また、トリメチルシロキシシリケー
トのような物質も有用であり、これは、一般化学式[(CH2)3SiO1/2]x[Si
O2]yに相当する高分子物質であり、ここで、xは約1から約500の整数であ
り、y
は、約1から約500の整数である。市販のトリメチルシロキシシリケートは、
Dow Corning(商品名)593流体として、ジメチコーンとの混合物として販売され
ている。
また、ジメチコノールもここで有用であり、これは、ヒドロキシ停止ジメチル
シリコーンである。これらの物質は、一般化学式R3SiO[R2SiO]xSiR2
OH及びHOR2SiO[R2SiO]xSiR2OHによって表されることができ、
ここで、Rは、アルキル基(好ましくは、Rはメチル又はエチルであり、より好
ましくはメチルである)であり、xは、所望される分子量を達成するために選択
された0から約500の整数である。市販のジメチコノールは、通常、ジメチコ
ーン又はシクロメチコーンとの混合物として販売されている(例えば、Dow Corn
ing(商品名)1401、1402及び1403流体)。
また、ポリアルキルアリールシロキサンもここで有用であり、25℃で約15
から約65センチストークの粘性を有するポリメチルフェニルシロキサンである
ものが好ましい。これらの物質は、例えば、SF 1075メチルフェニル流体(Gener
al Electric Companyから販売)及び556 Cosmetic Gradeフェニルトリメチコー
ン流体(Dow Corning Corporationから販売)として入手可能である。
ここでの使用に好ましいのは、ポリアルキルシロキサン、アルキル置換ジメチ
コーン、シクロメリコーン、トリメチルシロキシシリケート、ジメチコノール、
ポリアルキルアリールシロキサン及びこれらの混合物からなる群より選択された
オルガノポリシロキサンである。ここでの使用に一層好ましいのは、ポリアルキ
ルシロキサン及びシクロメチコーンである。ポリアルキルシロキサンの中でも、
とりわけ、ジメリコーンが好ましい。分散水性相
本発明のシリコーン中水形エマルジョン組成物は、約30%から約90%、よ
り好ましくは約50%から約85%、最も好ましくは約70%から約80%の分
散された水性相を含む。エマルジョン技術において、用語「分散性相」は、当業
者にとって周知の用語であり、これは、相が連続相に分散して取り囲まれた小粒
子又は小滴として存在することを意味する。分散性相は、また、内部又は不連続
相としても既知である。
水性分散性相は、単純に水にすることができ、又は1以上の水溶性又は分散性
の医薬的に許容可能な配合剤を含む水にすることができる。これらの医薬的に許
容可能な配合剤の非限定例には、増粘剤、酸、塩基、塩、ガム、水溶性もしくは
分散性アルコール及びポリオール、緩衝剤、防腐剤、サンスクリーン剤、着色剤
、抗酸化剤などが含まれる。相分散用乳化剤
本発明の組成物は、約0.1%から約10%、好ましくは約0.5%から約7
.5%、最も好ましくは約1%から約5%の、不連続水性相を連続シリコーン相
に分散させるための乳化剤を含む。
広範の種々の乳化剤が、本発明のシリコーン中水形エマルジョンを形成するた
めにここで用いられ得る。乳化剤の混合物もまた、有用である。これらの乳化剤
には、シリコーン乳化剤、非シリコーン含有乳化剤及びこれらの混合物からなる
群より選択されるものが含まれる。好ましくは、これらの乳化剤は約14未満、
より好ましくは約2から約14、最も好ましくは約4から約14のHLB値を有
する。前掲文中で記述された範囲内に落ち着く組み合わせのための効果的な重量
平均LHB値が達成されるように、他の乳化剤を組み合わせて用いられるならば
、これらの範囲外のHLB値を有する乳化剤を用いることができることがわかっ
た。略語「HLB値」は、親水性親油性バランスを表す。HLBシステムは、当
業者に周知であり、これは、“The HLB system,A Time-Saving Guide to Emuls
ifier Selection”,ICI Americas Inc.,1984年8月に詳細に記述されており、こ
れを全文援用して本文の一部とする。
広範なシリコーン乳化剤がここで有用である。これらのシリコーン乳化剤は、
通常、有機的に改質されたオルガノポリシロキサンである。これらの物質も、シ
リコーン界面活性剤として当業者に既知である。有用なシリコーン乳化剤には、
ジメチコーンコポリオールが含まれる。これらの物質は、ポリエーテル側鎖、例
えばポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、これらの鎖の混合物
、並びに、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの両方から誘導されたポリ
エーテル鎖含有部分を含むように改質されたポリジメチルシロキサンである。他
の例には、アルキル改質ジメチコーンコポリオール、すなわち、ペンダントC2
−
C30ペンダント側鎖を含む化合物が含まれる。さらに他の有用なジメチコーンコ
ポリオールには、種々のカチオン性、アニオン性、両性及び双性イオン性ペンダ
ント部分を有する物質が含まれる。
本発明に有用なこれらのジメチコーンコポリオールは、下記の一般構造によっ
て記述されることができる:
ここでRは、C1−C30の直鎖、分岐鎖又は環状アルキルであり、R2は、下記の
群から選択されたものであり:
及び
ここで、nは、3から約10の整数であり;R3及びR4は、R3及びR4が同時に
同一とならないようなH及びC1−C6の直鎖又は分岐鎖のアルキルからなる群よ
り選択され;m、o、x及びyは、全分子量が約200から約10,000,0
00となる分子となるように選択されると共に、m、o、x及びyは、m及びo
が共に同時に0とならないように0以上の整数から独立して選択され、並びに、
zは、1以上の整数から独立して選択される。これらのコポリオールの位置異性
体が達成され得ることは理解される。R3及びR4基を含有するR2部分について
上記で示された化学表示は、限定のために意図されることなく、このような便宜
のためとして示される。
ジメチコーンコポリオールとして厳密に分類されている訳ではないが、上記段
落において構造で示されたR2が:
であり、ここでR5は、カチオン性、アニオン性、両性又は双性イオン性部分で
あるシリコーン界面活性剤も、ここで有用である。
ジメチコーンコポリオール及びここで乳化剤として有用な他のシリコーン界面
活性剤の非限定例には、ペンダントポリエチレンオキシド側鎖を有するポリジメ
チルシロキサンポリエーテルコポリマー、ペンダントポリプロピレンオキシド側
鎖を有するポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー、ポリエチレンオキ
シド及びポリプロピレンオキシド側鎖が混合したペンダントを有するポリジメチ
ルシロキサンポリエーテルコポリマー、ポリ(エチレン)(プロピレン)オキシドが
混合したペンダントを有するポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー、
ペンダントオルガノベタイン側鎖を有するポリジメチルシロキサンポリエーテル
コポリマー、ペンダントカルボキシル化側鎖を有するポリジメチルシロキサンポ
リエーテルコポリマー、ペンダント四級アンモニウム側鎖を有するポリジメチル
シロキサンポリエーテルコポリマーが含まれ;また、ペンダントC2−C30直鎖
、分岐鎖又は環状アルキル部分を含有する前掲のコポリマーの更なる改質物も含
まれる。Dow Corning Corporationから販売のここで有用な市販ジメチコーンコ
ポリオールの例には、Dow Corning(商品名)190、193、Q2-5220、2501ワックス
、2-5324流体、及び3225Cである(この後者の物質は、シクロメチコーンとの混
合物として販売されている)。セチルジメチコーンコポリオールは、ポリグリセ
リル−4−イソステアレート(及び)ヘキシルラウレートとの混合物として市販
されており、ABIL WE-09の商品名で販売されている(Goldschmidtから入手可能
)。セチルジメチコーンコポリオールは、また、ヘキシルラウレート(及び)ポ
リグリセリル−3オレエート(及び)セチルジメチコーンとの混合物として市販
されており、ABIL WS-08の商品名で販売されている(これも、Goldschmidtから
入手可能)。また、ジメチコーンコポリオールの他の非限定例には、ラウリルジ
メチコーンコポリオール、ジメチコーンコポリオールアセテート、ジメチコーン
コポリオールアジペート、ジメチコーンコポリオールアミン、ジメチコーンコポ
リオールベヘネート、ジメチコーンコポリオールブチルエーテル、ジメチコーン
コポリオールヒドロキシステアレート、ジメチコーンコポリオールイソステアレ
ート、ジメチコーンコポリオールラウレート、ジメチコーンコポリオールメチル
エーテ
ル、ジメチコーンコポリオールホスフェート及びジメチコーンコポリオールステ
アレートも含まれる。International Cosmetic Ingredient Dictionary,第5版
、1993年を参照のこと。これを全文援用して本文の一部とする。
ここで有用なジメチコーンコポリオール乳化剤は、1990年10月2日発行のFigue
roa,Jr.らの米国特許第4,960,764号;1989年8月30日公開のSaNogueiraの欧州特
許第EP330,369号;G.H.Dahmsら、“New Formulation Possibilities Offered by
Silicone Copolyols”,Cosmetics & Toiletries,vol.110,pp91-110,1995年3月
;M.E.Carlottiら、“Optimization of W/O-S Emulsions And Study Of The Qua
ntitative Relationships Between Ester Structure And Emulsion Properties
”,J.Dispersion Science And Technology,13(3),315-336(1992);P.Hameyer,“
Comparative Technological Investigations of Organic and Organosilicone E
mulsifiers in Cosmetic Water-in Oil Emulsion Preparations”,HAPPI 28(4),
pp88-128(1991);J.Smid-Korbarら、“Efficiency and usability of silicone
surfactants in emulsion”,Provisional Communication,International Journa
l of Cosmetic Science,12,135-139(1990);及び、D.G.Krzysikら、“A New Sil
icone Emulsifier For Water-in-Oil Sysytem”,Drug and Cosmetic Industry,v
ol.146(4),pp.28-81(1990年4月)に更に記述されており、これらを全文援用して
本文の一部とする。
ここで有用な非シリコーン含有エマルジョンには、種々の非イオン性及びアニ
オン性乳化剤、例えば糖エステル及びポリエステル、アルコキシル化糖エステル
及びポリエステル、C1−C30脂肪アルコールのC1−C30脂肪酸エステル、C1
−C30脂肪アルコールのC1−C30脂肪酸エステルのアルコキシル化誘導体、C1
−C30脂肪アルコールのアルコキシル化エーテル、C1−C30脂肪酸のポリグリ
セリルエステル、ポリオールのC1−C30エステル、ポリオールのC1−C30エー
テル、アルキルホスフェート、ポリオキシアルキレン脂肪エーテルホスフェート
、脂肪酸アミド、アシルラクチレート、セッケン及びこれらの混合物がある。Al
lured Publishing Corporation刊行のMcCutcheon's,Detergents and Emulsifier s
,North American Edition(1986);1991年4月30日発行のCiottiらの米国特許第5
,011,681号;1983年12月20日発行のDixonらの米国特許第4,421,769号;及び、19
7
3年8月28日発行のDickertらの米国特許第3,755,560号を参照のこと。これを全文
援用して本文の一部とする。
これらの非シリコーン含有エマルジョンの非限定例には、以下のものが含まれ
る:ポリエチレングリコール20ソルビタンモノラウレート(Polysorbate20)
、ポリエチレングリコール5ソイヤステロール、Sreareth−20、Ceteareth−
20、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、Ceteth−10、Po
lysorbate80、セチルホスフェート、カリウムセチルホスフェート、ジエタノ
ールアミンセチルホスフェート、Polysorbate60、グリセリルステアレート、
PEG−100ステアレート、ポリオキシエチレン20ソルビタントリオレエー
ト(Polysorbate85)、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン4ラ
ウリルエーテルナトリウムステアレート、ポリグリセリル−4イソステアレート
、ヘキシルラウレート、Steareth−20、Ceteareth−20、PPG−2メチル
グルコースエーテルジステアレート、Ceteth−10、ジエタノールアミンセチル
ホスフェート、グリセリルステアレート、PEG−100ステアレート及びこれ
らの混合物。追加成分
広範の追加成分が、ここでの局所皮膚組成物中に用いられ得る。非限定例には
、下記のものが含まれる:亜鉛塩
好ましい実施形態では、本発明の組成物は、1以上の亜鉛塩をさらに含む。亜
鉛は、臭気減少利益を、H2Sと他のN−アセチル−L−システインの悪臭分解
生成物とを複合化することによってもたらすと考えられているが、この理論に拘
束されない。
亜鉛塩が存在する場合、塩は、本発明の組成物の約0.001%から約10%
、好ましくは約0.01%から約5%、最も好ましくは約0.1%から約0.5
%を構成する。
本発明に有用な亜鉛塩には、下記のものが含まれるが、これらに限定されない
:亜鉛アセテート、亜鉛アセテート水和物、例えば亜鉛アセテート2水、亜鉛ア
ルミニウムオキシド複合体、例えばガーナイト、亜鉛ジアミン、亜鉛アンチモナ
イド、亜鉛ブロメート水和物、例えば、亜鉛ブロメート6水、亜鉛ブロミド、亜
鉛カルボネート、例えばジンクスパール(zincspar)及びスミソナイト、亜鉛クロ
レート水和物、例えば亜鉛クロレート4水、亜鉛クロリド、亜鉛ジアミンジクロ
リド、亜鉛クロメート、亜鉛ジクロメート、亜鉛ジホスフェート、亜鉛ヘキサシ
アノフルオリドフェレート(II)、亜鉛フルオリド、亜鉛フルオリド水和物、例
えば亜鉛フルオリド4水、亜鉛フォルメート、亜鉛フォルメート水和物、例えば
亜鉛ホルメート2水、亜鉛ヒドロキシド、亜鉛ヨーデート、亜鉛ヨーデート水和
物、例えば亜鉛ヨーデート2水、亜鉛ヨーダイド、亜鉛酸化鉄複合体、亜鉛ニト
レート水和物、例えば亜鉛ニトレート6水、亜鉛ニトリッド、亜鉛オキザレート
水和物、例えば亜鉛オキザレート2水、亜鉛オキシド、例えばジンサイト、亜鉛
パークロレート水和物、例えば亜鉛パークロレート6水、亜鉛パーマンガネート
水和物、例えば亜鉛パーマンガネート6水、亜鉛パーオキシド、亜鉛p−フェノ
ールスルホネート水和物、例えば亜鉛p−フェノールスルホネート8水、亜鉛ホ
スフェート、亜鉛ホスフェート水和物、例えば亜鉛ホスフェート4水、亜鉛ホス
フィド、亜鉛プロピオネート、亜鉛セレネート水和物、例えば亜鉛セレネート5
水、亜鉛セレニド、亜鉛シリケート、例えば亜鉛シリケート(2)及び亜鉛シリ
ケート(4)、亜鉛酸化ケイ素水複合体、例えばヘミモーファイト、亜鉛ヘキサ
フルオロシリケート水和物、例えば亜鉛ヘキサフルオロシリケート6水、亜鉛ス
テアレート、亜鉛スルフェート亜鉛スルフェート水和物、例えば亜鉛スルフェー
ト7水、亜鉛スルフィド、亜鉛スルフィット水和物、例えば亜鉛スルフィット2
水、亜鉛テルリド、亜鉛チオシアネート、N−アセチル−L−システインの亜鉛
(II)塩、並びにこれらの混合物。
好ましい亜鉛塩は、亜鉛オキシド、亜鉛クロリド、亜鉛アセテート、亜鉛ステ
アレート、亜鉛スルフェート及びこれらの混合物からなる群より選択されたもの
である。より好ましいのは、亜鉛オキシド、亜鉛クロリド及びこれらの混合物か
らなる群より選択されたものである。最も好ましいのは、亜鉛オキシドである。サンスクリーン、人工日焼け剤及び皮膚美白剤
また、サンスクリーン剤もここで有用である。広範のサンスクリーン剤が、19
92年2月11日発行のHaffeyらの米国特許第5,087,445号;1991年12月17日発行のTu
rnerらの米国特許第5,073,372号;1991年12月17日発行のTurnerらの米国特許第5
,073,371号;及び、Segarinら、Cosmetics Science and Technologyの第13章第1
89頁以降に記述されており、これらを全文援用して本文の一部とする。本発明の
組成物中に利用されるようなサンスクリーンの中でも好ましいのは、2−エチル
ヘキシルp−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシルN,N−ジメチル−p
−アミノベンゾエート、p−アミノ安息香酸、2−フェニルベンズイミダゾール
−5−スルホン酸、オクトクリレン(octocrylene)、オキシベンゾン、ホモメン
チルサリチレート、オクチルサリチレート、4,4’−メトキシ−t−ブチルジ
ベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、3−ベンジリデンカ
ンフル、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、二酸化チタン、亜鉛オキシ
ド、シリカ、酸化鉄及びこれらの混合物からなる群より選択されたものである。
さらに他の有用なサンスクリーンは、1990年6月26日発行のSabatelliの米国特
許第4,937,370号;1991年3月12日発行のSabatelliらの米国特許第4,999,186号に
記述されているものであり、これら2つの文献は、全文援用して本文の一部とす
る。ここに開示されたサンスクリーン剤は、単一分子内に異なる2つの原子団部
分を有し、これらは、異なる紫外線照射吸収スペクトルを示す。原子団部分の1
つは、主としてUVB照射範囲内に吸収し、他は、UVA照射範囲に強く吸収す
る。これらのサンスクリーン剤は、慣用のサンスクリーンと比較して、より高い
効能、より広いUV吸収、より低い皮膚浸透及びより長く持続する効能をもたら
す。このようなサンスクリーンの特に好ましい例には、2,4−ジヒドロキシベ
ンゾフェノンの4−N,N−(2−エチルヘキシル)メチルアミノ安息香酸エス
テル、4−ヒドロキシジベンゾイルメタンによる4−N,N−(2−エチルヘキ
シル)メチルアミノ安息香酸エステル、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)ベンゾフェノンの4−N,N−(2−エチルヘキシル)メチルアミノ
安息香酸エステル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)ジベンソイルメタンの4−
N,N−(2−エチルヘキシル)−メチルアミノ安息香酸エステル及び、これら
の混合物からなる群より選択されるものが含まれる。
一般に、サンスクリーンは、ここで有用な組成物の約0.5%から約20%を
構成することができる。実際量は、選択されたサンスクリーン及び所望されるサ
ンプロテクションファクター(SPF)に依存して変更できる。SPFは、紅斑
に対抗するサンスクリーンの一般的に使用される光防御の基準である。Federal
Register,vol.43,No.166,pp.38206-38269,1978年8月25日を参照のこと。これを
全文援用して本文の一部とする。
また、サンレス日焼け剤も本発明に有用であり、これには、ジヒドロキシアセ
トン、グリセロアルデヒド、インドール及びその誘導体、ホスファーDOPA、
チロシン、チロシンエステル、例えばエチルチロシネートなどが含まれる。
他の有用な活性物には、皮膚漂白(又は美白)剤も含まれ、これには、ヒドロ
キノン、アスコルビン酸、コウジ酸及びナトリウムメタビスルフィットが含まれ
るが、これらに限定されない。湿潤剤、モイスチャライザー及び皮膚コンディショナー
本発明の組成物は、また1以上の湿潤剤、モイスチャライザー又は皮膚コンデ
ィショニング物質も含むことができる。種々のこれらの物質は使用され得、約0
.1%から約20%、より好ましくは約1%から約10%、最も好ましくは約2
%から約5%のレベルで存在することができる。これらの物質には、グアニジン
;グリコール酸及びグリコレート塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルア
ンモニウム);乳酸及びラクテート塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキル
アンモニウム);種々の形態のいずれかの真性アロエ(例えば真性アロエゲル)
;ポリヒドロキシアルコール、例えばソルビトール、グリセロール、ヘキサント
リオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール
など;ポリエチレングリコール;糖及びデンプン;糖及びデンプン誘導体(例え
ば、アルコキシル化グルコース);ヒアルロン酸;ラクトアミドモノエタノール
アミン;アセトアミドモノエタノールアミン;並びに、これらの混合物が含まれ
る。また、プロポキシル化グリセロールもここで有用であり、これは、1990年12
月11日発行のOrrらの米国特許第4,976,953号に記載されており、これを全文援用
して本文の一部とする。
また、糖及び関連物質の種々のC1−C30モノエステル及びポリエステルも
有用である。これらのエステルは、糖又はポリオール部分及び1以上のカルボン
酸部分に由来する。構成酸及び糖に依存して、これらのエステルは、室温で液体
か又は固体のものとすることができる。液体エステルの例には、グルコーステト
ラオレエート、大豆油脂肪酸(不飽和)のグルコーステトラエステル、混合大豆
油脂肪酸のマンノーステトラエステル、オレイン酸のガラクトーステトラエステ
ル、リノレン酸のアラビノーステトラエステル、キシローステトラリノレエート
、ガラクトースペンタオレエート、ソルビトールテトラオレエート、不飽和大豆
油脂肪酸のソルビトールヘキサエステル、キシリトールペンタオレエート、スク
ローステトラオレエート、スクロースペンタオレエート、スクロースヘキサオレ
エート、スクロースヘパトオレエート、スクロースオクタオレエート並びに、こ
れらの混合物が含まれる。固体エステルの例には、カルボン酸エステル部分が1
:2モル比のパルミトオレエート及びアラキデートであるソルビトールヘキサエ
ステル;カルボン酸エステル部分が1:3モル比のリノレエート及びベヘネート
であるラフィノースのオクタエステル:エステル化カルボン酸部分が3:4モル
比のヒマワリ種油脂肪酸及びリグノセレート(lignocerate)であるマルトースの
ヘプタエステル;エステル化カルボン酸部分が2:6モル比のオレエート及びベ
ヘネートであるスクロースのオクタエステル;並びに、エステル化カルボン酸部
分が1:3:4モル比のラウレート、リノレエート及びベヘネートであるスクロ
ースのオクタエステルが含まれる。好ましい固体物質は、エステル化の度合いが
7−8であるスクロースポリエステルであり、ここで脂肪酸部分は、C18モノ−
及び/又はジ−不飽和とベヘニックであり、不飽和:ベヘニックのモル比は1:
7から3:5である。特に好ましい固体糖ポリエステルは、約7のベヘン脂肪酸
部分及び約1のオレイン酸部分を分子内に有するスクロースのオクタエステルで
ある。このエステル物質は、米国特許第2,831,854号、1977年1月25日発行のJand
acekの米国特許第4,005,196号;1977年1月25日発行のJandacekの米国特許第4,00
5,195号;1994年4月26日発行のLettonらの米国特許第5,306,516号;1994年4月26
日発行のLettonらの米国特許第5,306,515号;1994年4月26日発行のLettonらの米
国特許第5,305,514号;1989年1月10日発行のJandacekらの米国特許第4,797,300
号;1976年6月15日発行のRizziらの米国特許第3,963,699号;1985年5月21日発行
のVolpenheinの米国特許第4,518,772号;及び、1985年5月21日発行のVolpenhein
の米国特許第4.517.360号にさらに記述されており、これらの全てを全文援用し
て
本文の一部とする。他の追加成分
本発明の組成物は、広範の他の追加成分を含むことができる。全文援用して本
文の一部とされているCTFA Cosmetic Ingradient Handbook,第2版、1992年は、
スキンケア産業において通常用いられる非限定の広範の化粧品及び医薬品配合剤
を記述しており、これらは、本発明の組成物での使用に適している。配合剤の機
能的な一群の非限定例は、この文献の第537頁に記載されている。これらの機能
的な一群の例には、以下のものが含まれる:吸収剤、研磨剤、抗アクネ剤、凝結
防止剤、消泡剤、抗微生物剤、抗酸化剤、バインダー、生物学的活性剤、緩衝剤
、増量剤、キレート剤、化学的活性剤、着色剤、化粧品収斂剤、化粧品殺生剤、
変性剤、薬物収斂剤(drug astringents)、外部鎮静剤、薄膜形成剤、芳香成分、
保湿剤、乳白剤、pH調整財、可塑剤、防腐剤、液体発泡剤、還元剤、追加皮膚
コンディショニング剤、皮膚保護剤、溶媒、懸濁化剤(非界面活性剤)、紫外線
吸収剤、及び粘性増加剤(水性及び非水性)。当業者に周知であり、ここで有用
な他の機能的な一群の物質の例には、乳化剤、可溶化剤、金属イオン封鎖剤など
が含まれる。
CTFA Cosmetic Ingredient Handbookに挙げられた追加成分と、ここで有用な
他の物質との非限定例には、下記のものが含まれる:水溶性ビタミン及びその誘
導体(例えば、ビタミンC);抗酸化剤;ポリエチレングリコール及びポリプロ
ピレングリコール;組成物の薄層形成特性及び持続性を補助するポリマー(例え
ば、エイコセン及びビニルピロリドンのコポリマー、この例は、GAF Chemical C
orporationから Ganex(商品名)V-220として入手可能);組成物の抗微生物集
結性を保持するための防腐剤;抗酸化剤;キレート剤及び金属イオン封鎖剤。ま
た、架橋及び非架橋の非イオン性及びカチオン性ポリアクリルアミドも有用であ
る(例えば、CTFA 規格polyquaternium 32(及び)鉱油を有するSalcare SC92、
並びに、CTFA規格polyquaternium37(及び)鉱油(及び)PPG−1トリデセス
−6を有するSalcare SC95と、Seppic Corp.から入手可能な非イオン性Seppi-Ge
l ポリアクリルアミド)。また、架橋及び非架橋カルボン酸ポリマー及びコポリ
マー、例えば、1以上のアクリル酸由来モノマー、置換されたアクリル酸、並
びにこれらのアクリル酸及び置換アクリル酸の塩及びエステルを含むようなもの
で、ここで、この架橋剤は2以上の炭素−炭素二重結合を含み、これは多価アル
コール由来のものも有用である(ここで有用な例には、スクロース又はペンタエ
リトリトールのアリルエーテルと架橋したアクリル酸のホモポリマーであり、ま
たB.F.GoodrichからのCarbopol(商品名)900として入手可能ものであるカルボ
マー、並びに、アクリル酸、メタクリル酸、もしくはこれらの短鎖(すなわちC1-4
アルコール)エステルの1つのうちの1以上のモノマーとC10-30アルキルア
クリレートとのコポリマーで、ここで、この架橋剤はスクロース又はペンタエリ
トリトールのアリルエーテルであり、これらのコポリマーは、アクリレート/C10-30
アルキルアクリレート架橋ポリマーとして既知であり、Carbopol(商品名
)1342、Pemulen TR-1及びPemulen TR-2として、BF.Goodrichから市販されてい
るものが含まれる)。これらのカルボン酸ポリマー及びコポリマーは、1992年2
月11日発行のHaffeyらの米国特許第5,087,445号;1985年4月5日発行のHuangらの
米国特許第4,509,949号;1957年7月2日発行のBrownの米国特許第2,798,053号に
より一層記述されており、これらを援用して本文の一部とする。また、CTFA Int ernational Cosmetic Ingredient Dictionary
,第4版、1991年、pp.12及び80も参
照のこと。これも援用して本文の一部とする。また、美的成分、例えば、芳香剤
、顔料、着色剤、精油、皮膚セナイト(skin senates);収斂剤、皮膚平滑化剤、
皮膚創傷治癒剤なども有用であり、これらの美的成分の非限定例には、クローブ
油、メントール、カンフル、ユーカリ油、オイゲノール、メンチルラクテート、
マンサクチンキ蒸留物、ビサボロール、ジカリウムグリチルリチネートなどが含
まれる。皮膚の外観を処理し、可視的に改良する方法
本発明の組成物は、ヒトの皮膚の外観を処理し、可視的に改良することに有用
である。組成物は、ヒトの皮膚のしわを減らし、消しそして発生を抑制すること
、皮膚のきめを改良すること、皮膚から望ましくない毛を取り除くこと、皮膚の
孔のサイズを小さくすること、皮膚を潤すこと並びに、皮膚の老化に関連した組
織学的変化を処理することに有用である。処理方法は、皮膚を、安全かつ有効量
の本発明の組成物で処理することを含む。組成物中に存在するN−アセチルシス
テ
イン活性物の量及び処理の頻度は、皮膚ダメージ若しくは老化表示のレベル又は
、ヒト対象体の除去されるべき毛の量、さらに皮膚が老化する又は毛が成長する
速度及び、所望される調整のレベルに、大きく依存して変更され得る。
好ましい皮膚処理方法は、長期の局所塗布を介する。「長期の塗布」とは、塗
布の期間が対象体の一生にわたることができることを意味し、好ましい期間は約
1週間、より好ましくは約1カ月、さらにより好ましくは約3カ月から約20年
、さらにより好ましくは約6カ月から約10年、そしてさらにより好ましくは約
1年から約5年である。通常、塗布は、1日当たりに約1回の単位とすることが
できるが、塗布の率は、1週間当たり約1回から1日当たり約3回までか、それ
以上に変更することができる。
本発明の組成物の広範囲の量が、治療利益をもたらすために使用できる。利益
をもたらすために通常塗布される本組成物の量は、約0.1mg/cm2から約
10mg/cm2の範囲にすることができる。使用される特に有用な量は、約2
mg/cm2である。
実施例
下記の実施例は、本発明の範囲内の好適実施形態を更に説明し、実証する。実
施例は、説明の目的にのみ与えられるので、本発明の制限として取り扱われるべ
きではなく、その多くの変更は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく可能
である。
配合剤は、化学名又はCTFA名によって同定される。
実施例1 エマルジョン組成物
N−アセチル−L−システイン含有シリコーン水形エマルジョンを、下記の配
合剤を慣用の混合技術を用いて組み合わせることにより調製する。配合剤
重量%
水 qs100
シクロメチコーン1 15.0
エタノール 3.0
グリセリン 3.0
ポリグリセリル−4イソステアレート(及び)
セチルジメチコーンコポリオール(及び)
ヘキシルラウレート2 2.50
シクロメチコーン(及び)ジメチコーンコポリオール3 2.50
ヘキシレングリコール 2.0
水酸化ナトリウム(50重量%水溶液) 0.95
N−アセチル−L−システイン 2.00
テトラナトリウムEDTA 0.50
ベンジルアルコール 0.30
メチルパラベン 0.20
クエン酸 0.20
芳香剤 0.20
亜鉛オキシド 0.10
1:Dow CorningからのDow Corning(商品名)345流体
2:GoldschmidtからのΛbil WE-09
3:Dow CorningからのDow Corning(商品名)3225C
適当な容器にメチルパラベン、ベンジルアルコール及びエタノールを、溶液が
得られるまで混合しながら組み合わせる。次に、水、グリセリン、ヘキシレング
リコール、テトラナトリウムEDTA、クエン酸を、混合しながら添加する。次
に、N−アセチル−L−システイン、亜鉛オキシド及び水酸化ナトリウムを、溶
解するまで混合しながら、この順で添加する。別の容易に、シクロメチコーン、
ポリグリセリル−4イソステアレート(及び)セチルジメチコーンコポリオール
(及び)ヘキシルラウレート、並びにシクロメチコーン(及び)ジメチコーンコ
ポリオールを最初に組み合わせ、それから混合しながら添加して、エマルジョン
を形成する。次いで、芳香剤を撹拌しながら添加する。
このN−アセチル−L−システインシリコーン水形エマルジョンは、皮膚の外
観を処理して可視的に改良するためのヒト皮膚に対する局所塗布に有用である。
このエマルジョンは、悪臭形成を減少することにより証明される改良された安定
性を実証する。
実施例2 エマルジョン組成物
N−アセチル−L−システイン含有シリコーン水形エマルジョンを、下記の配
合剤を慣用の混合技術を用いて組み合わせることにより調製する。配合剤
重量%
水 qs100
シクロメチコーン1 13.0
エタノール 3.0
グリセリン 3.0
ポリグリセリル−4イソステアレート(及び)
セチルジメチコーンコポリオール(及び)
ヘキシルラウレート2 2.50
ヘキシレングリコール 2.0
シクロメチコーン(及び)ジメチコーンコポリオール3 2.50
シクロメチコーン(及び)ジメチコノール4 2.00
水酸化ナトリウム(50重量%水溶液) 0.95
N−アセチル−L−システイン 2.00
テトラナトリウムEDTA 0.50
ベンジルアルコール 0.30
メチルパラベン 0.20
クエン酸 0.20
芳香剤 0.20
亜鉛オキシド 0.10
1:Dow CorningからのDow Corning(商品名)345流体
2:GoldschmidtからのAbil WE-09
3:Dow CorningからのDow Corning(商品名)3225C
4:Dow CorningからのDow Corning(商品名)1401 持続性補助流体
適当な容器にメチルパラベン、ベンジルアルコール及びエタノールを、溶液が
得られるまで混合しながら組み合わせる。次に、水、グリセリン、ヘキシレング
リコール、テトラナトリウムEDTA、クエン酸を、混合しながら添加する。次
に、N−アセチル−L−システイン、亜鉛オキシド及び水酸化ナトリウムを、溶
解するまで混合しながら、この順で添加する。別の容易に、シクロメチコーン、
ポリグリセリル−4イソステアレート(及び)セチルジメチコーンコポリオール
(及び)ヘキシルラウレート、シクロメチコーン(及び)ジメチコノール、並び
にシクロメチコーン(及び)ジメチコーンコポリオールを最初に組み合わせ、そ
れから混合しながら添加して、エマルジョンを形成する。
このN−アセチル−L−システインシリコーン水形エマルジョンは、皮膚の外
観を処理して可視的に改良するためのヒト皮膚に対する局所塗布に有用である。
このエマルジョンは、悪臭形成を減少することにより証明される改良された安定
性を実証する。
実施例3 エマルジョン組成物
N−アセチル−L−システイン含有シリコーン水形エマルジョンを、下記の配
合剤を慣用の混合技術を用いて組み合わせることにより調製する。配合剤
重量%
水 qs100
シクロメチコーン1 15.0
エタノール 3.0
グリセリン 3.0
ポリグリセリル−4イソステアレート(及び)
セチルジメチコーンコポリオール(及び)
ヘキシルラウレート2 2.50
シクロメチコーン(及び)ジメチコーンコポリオール3 2.50
ヘキシレングリコール 2.0
ペトロラタム 1.5
水酸化ナトリウム(50重量%水溶液) 0.95
N−アセチル−L−システイン 2.00
テトラナトリウムEDTA 0.50
ベンジルアルコール 0.30
メチルパラベン 0.20
クエン酸 0.20
芳香剤 0.20
亜鉛オキシド 0.10
1:Dow CorningからのDow Corning(商品名)345流体
2:GoldschmidtからのAbil WE-09
3:Dow CorningからのDow Corning(商品名)3225C
適当な容器にメチルパラベン、ベンジルアルコール及びエタノールを、溶液が
得られるまで混合しながら組み合わせる。次に、水、グリセリン、ヘキシレング
リコール、ペトロラタム、テトラナトリウムEDTA、クエン酸を、混合しなが
ら添加する。次に、N−アセチル−L−システイン、亜鉛オキシド及び水酸化ナ
トリウムを、溶解するまで混合しながら、この順で添加する。別の容易に、シク
ロメチコーン、ポリグリセリル−4イソステアレート(及び)セチルジメチコー
ンコポリオール(及び)ヘキシルラウレート、並びにシクロメチコーン(及び)
ジメチコーンコポリオールを最初に組み合わせ、それから混合しながら添加して
、エマルジョンを形成する。次いで、芳香剤を撹拌しながら添加する。
このN−アセチル−L−システインシリコーン水形エマルジョンは、皮膚の外
観を処理して可視的に改良するためのヒト皮膚に対する局所塗布に有用である。
このエマルジョンは、悪臭形成を減少することにより証明される改良された安定
性を実証する。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ロビンソン,ラリー リチャード
アメリカ合衆国オハイオ州、リバノン、デ
ィア、ラン、トレイル 593
(72)発明者 ヒルブランド,グレッグ ジョージ
アメリカ合衆国オハイオ州、フェアフィー
ルド、ジェネヴィーヴ、プレイス 5750