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JPH11503402A - 精製された天然ガラス生成物 - Google Patents

精製された天然ガラス生成物

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JPH11503402A
JPH11503402A JP9526108A JP52610897A JPH11503402A JP H11503402 A JPH11503402 A JP H11503402A JP 9526108 A JP9526108 A JP 9526108A JP 52610897 A JP52610897 A JP 52610897A JP H11503402 A JPH11503402 A JP H11503402A
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ケイ. パルム,スコット
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、低い可溶性物質濃度を有する、精製された天然ガラス生成物に関する。より詳細には、本発明は、スラリー電気伝導度が低い(すなわち、約18μS・cm-1未満)、精製された天然ガラス生成物に関する。好ましい実施態様は、低い可溶性鉄濃度(すなわち、約2mg Fe/kg(生成物))および/または低い可溶性アルミニウム濃度(すなわち、約10mg Al/kg(生成物))によってさらに特徴付けられる。これらの生成物は、天然ガラスおよび天然ガラス生成物(例えば、膨張パーライト、軽石、膨張軽石、および火山灰を包含する)から調製され得る。本発明の生成物は、原材料の複雑かつ多孔質の性質を保持するが、低い可溶性物質濃度を有するので、特に濾過用途における、より高い有用性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】 精製された天然ガラス生成物 技術分野 本発明は、低濃度の可溶性物質を含有する、精製された天然ガラス生成物に関 する。より詳細には、本発明は、スラリー電気伝導度が低い(すなわち、約18μ S・cm-1未満)、精製された天然ガラス生成物に関する。好ましい実施態様は、低 い可溶性鉄濃度(すなわち、約2mg Fe/kg(生成物))および/または低い可溶性 アルミニウム濃度(すなわち、約10mg Al/kg(生成物))によってさらに特徴付け られる。これらの生成物は、天然ガラスおよび天然ガラス生成物(例えば、膨張 (expanded)パーライト、軽石、膨張軽石、および火山灰を包含する)から調製さ れ得る。本発明の生成物は、原材料の複雑かつ多孔質の性質を保持するが、低濃 度の可溶性物質を有するので、特に濾過用途における、より高い有用性が得られ る。 関連技術の説明 本出願全体を通して、種々の刊行物、特許、および公開特許明細書が、引用を 確認しながら言及される。これらの文献の完全な引用は、本明細書の最後に見ら れる。本出願において言及される刊行物、特許、および公開特許明細書は、本発 明が関係する技術の水準をより詳細に説明するために、本開示中に参考として援 用される。 流体から粒子を分離するための多くの方法は、ケイソウ土、パーライト、およ び軽石のような多孔質のシリカ質媒体材料を濾過助剤として使用する。これらの シリカ質材料に独特の複雑な多孔質の構造は、濾過プロセスにおいて粒子を物理 的に捕捉するために特に有効である。本発明は、天然ガラスおよび天然ガラス生 成物由来の精製された生成物に関する。これは濾過用途において特に有用性を有 し、そして以下、「精製された天然ガラス生成物」または「精製された天然ガラ ス濾過助剤生成物」と称される。 用語「天然ガラス」は、本明細書において従来の意味で用いられ、一般に火山 性ガラスとよばれる天然ガラスを意味する。これはシリカ質マグマまたは溶岩の 急速な冷却によって形成される。いくつかのタイプの天然ガラスが既知であり、 例えば、黒曜石、ピッチストン、パーライト、および軽石が挙げられる。黒曜石 は、通常、暗色でガラス質の光沢を有し、そして貝殻様の破面によって特徴付け られる。ピッチストンは、ロウのような樹脂状の光沢を有し、そして褐色、緑色 、または灰色であることが多い。パーライトは、一般に灰色から緑色であり、多 くの球状の割れ目を有し、これによりパーライトは割れて小さい真珠様の塊にな る。軽石は非常に軽量なガラス質の小胞状の岩石である。パーライトおよび軽石 のような火山性ガラスは、塊状の析出物として生じ、そして広範囲な商業的用途 がある。火山灰は、固結形態の場合しばしば凝灰岩と呼ばれ、小さい粒子または 断片(これらはガラス質形態であることが多い)から構成される。本明細書にお いて、天然ガラスという用語は、火山灰を包含する。 ほとんどの天然ガラスは流紋岩と化学的に等価である。粗面岩、石英安山岩、 ラタイト、および玄武岩と化学的に等価の天然ガラスも知られているが、あまり 一般的ではない。黒曜石という用語は通常シリカ(すなわち、SiO2)に富む塊状の 天然ガラスに適用される。黒曜石ガラスはそのシリカ含有量に応じてサブカテゴ リーに分類され得る。流紋岩質黒曜石(典型的には約73重量%のSiO2を含む)が 最も一般的である(Berryら、1983)。 パーライトは水和した天然ガラスであり、典型的には約72〜75%SiO2、12〜14 %Al2O3、0.5〜2%Fe2O3、3〜5%Na2O、4〜5%K2O、0.4〜1.5%CaO(重量 基準)、および少量の他の金属元素を含む。パーライトは高含有量(2〜5重量 %)の化学的結合水、ガラス質の真珠光沢、および特徴的な同心または弧状のタ マネギ皮様の(すなわちパーライト状(perlitic)の)破面によって他の天然ガ ラスと区別される。 パーライト生成物は、しばしばミリングおよび熱膨張によって調製され、そし て高い多孔度、低いバルク密度、および化学的不活性などの独特の物理特性を有 する。その品質および加工に応じて、パーライト生成物は濾過助剤、軽量な絶縁 材料、フィルター材料、および化学的キャリアとして使用される。膨張パーライ トは、およそ1940年代後半から濾過用途に使用されてきた(BreeseおよびBarker 、1994)。膨張パーライトはまた、こぼれた油の処理のための吸収剤としても使 用される(例えば、Stowe、1991)。 従来のパーライトの加工は、最終生成物の仕様に合わせるために、粉砕(破砕 および磨砕)、空気によるサイズ分級、熱膨張、および膨張材料の空気によるサ イズ分級から構成される。例えば、パーライト鉱石を破砕、磨砕、および分級し て所定の粒子サイズ範囲(例えば、30メッシュの通過)とし、次いでこの分級さ れた材料を空気中で870〜1100℃の温度まで膨張炉(expansion furnace)中で加 熱し、ここで同時にガラスの軟化と含有水の気化によってガラス粒子を急速に膨 張させて、非膨張の鉱石の最高20倍のバルク体積を有する泡状の(frothy)ガラ ス材料を形成する。次いでこの膨張パーライト生成物は、最終生成物のサイズ仕 様に合わせるために、空気分級される。膨張パーライト生成物は、濾過助剤また はフィルター材料としての使用のために、さらにミリングおよび分級され得る(B reeseおよびBarker、1994)。他の天然ガラス(例えば、軽石および火山灰)中の 化学的結合水の存在はしばしば、パーライトについて通常使用されている方法と 同様の方法での「熱膨張」を可能とする。 軽石はメソ多孔質(mesoporous)構造(これは、例えば、約1mmまでのサイズの 孔または小胞)によって特徴付けられる。軽石は高度の多孔性のために見かけの 密度が非常に低く、多くの場合、水面に浮くことができる。ほとんどの市販の軽 石は約60重量%から約70重量%のSiO2を含む。軽石は典型的には(パーライトに ついて上記のように)ミリングおよび分級によって加工され、そして主として軽 量な凝集体として、そしてまた研磨剤、吸収剤、および充填剤として使用される 。非膨張の軽石、および(パーライトについて使用されたのと同様の方法で調製 された)熱膨張軽石はまた、いくつかの場合には濾過助剤として使用され得る(G eitgey、1994)。 天然ガラス生成物(例えば、膨張パーライト、軽石、および膨張軽石を包含す る)は、濾過用途に広範囲な有用性が見出されている。用語「濾過」は本明細書 において従来の意味で用いられ、粒子が懸濁している流体から粒子状物質を除去 することを意味する。一般的な濾過プロセスは、セプタム(例えば、メッシュス クリーン、膜、またはパッド)上に担持した濾過助剤材料に流体を通す工程を包 含する。多孔質の媒体を用いる濾過の作動原理は長年かけて開発されており(Car man、1937;Heertjes、1949、1966;Ruth、1946;Sperry、1916;Tiller、1953 、1962、1964)、そして近年、実用的な観点(Cain、1984;Kiefer、1991)ならび に されている。 例えば膨張パーライト、軽石、および膨張軽石を包含する多くの天然ガラス生 成物の複雑な多孔質構造は、濾過プロセスにおける粒子の物理的捕捉のために特 に有効である。例えば、天然ガラス生成物はしばしば、ときに「プレコーティン グ」と呼ばれる工程で、濾過プロセスにおける透明度の向上および流速の増大の ためにセプタムに適用される。天然ガラス生成物はまた、しばしば「ボディーフ ィーディング(body feeding)」と呼ばれる工程で、しばしば、流体が濾過される につれて流体に直接添加され、設計された液体流速を維持しながら、セプタムで の所望されない粒子の負荷を低減させる。関与する特定の分離に応じて、天然ガ ラス生成物は、プレコーティング、ボディーフィーディング、またはその両方で 用いられ得る。 いくつかの濾過用途においては、異なる天然ガラス生成物(例えば、異なるグ レードおよび/または異なる天然ガラス生成物)が一緒にブレンドされて、濾過 プロセスをさらに改変または最適化する。また、天然ガラス生成物はときに他の 物質と組み合わされる。いくつかの場合では、これらの組み合わせは、例えば、 他の濾過助剤成分(例えばケイソウ土、セルロース、活性炭、粘土、または他の 物質を包含する)との単純な混合を伴い得る。他の場合では、これらの組み合わ せは、天然ガラス生成物が他の成分と緊密に混ぜ合わされた複合体であり、シー ト、パッド、またはカートリッジを形成する。いかなるこれらの天然ガラス生成 物のさらなる精巧な改変(例えば、天然ガラス生成物、混合物、またはそれらの 複合体に対する表面処理および化学物質の添加を含む)が分離または濾過のため に使用される。ある状況においては、パーライト生成物、特に表面処理されたも のはまた、流体の透明化または精製を大幅に向上させ得るという、濾過の際の独 特の特性を示す(Ostreicher、1986)。 例えば、膨張パーライト、軽石、および膨張軽石を含む多くの天然ガラス生成 物の複雑な多孔質構造はまた、独特な充填剤特性をもたらす。例えば、膨張パー ライト生成物は、しばしば、絶縁充填剤、樹脂充填剤として使用され、そして質 感を有する(textured)コーティングの製造において使用される。 パーライトおよび軽石生成物のような多くの天然ガラス生成物はアルミノケイ 酸塩であり、従ってほとんどの環境で本質的に化学的に不活性である。天然で生 じるガラスと同様、天然ガラス生成物もまた鉱物粒、流体の包含物(fluid incl usion)、および表面混入物などの種々の不純物を含む。流体相と接触して置か れた場合(例えば、濾過助剤または充填剤として使用された場合)、可溶性物質 は天然ガラス生成物から濾液または充填された生成物中へと放出され、その流体 の品質を著しく低下させる。これらの可溶性物質は、混入物が注意深く制御され ることを必要とする生成物の品質に害を与え得る。ポリマー、プラスチック、塗 料、コーティング、および他の処方中の成分として、パーライトおよび軽石生成 物のような天然ガラス生成物はまた、その処方中の他の成分のほとんどと接触す る。この理由のため、高純度、表面の清浄さ、および低い化学的反応性を有する 天然ガラス生成物がしばしば所望される。 本明細書において、用語「可溶性物質」は、天然ガラス生成物の成分であって 、(i)天然ガラス生成物を流体と接触して置いた場合に、その流体中に溶解する 成分;および(ii)結果的な流体の電気伝導度に寄与する成分に関する。特に興味 のある可溶性物質は、鉄(すなわちFe)および/またはアルミニウム(すなわちAl )を含む物質であり、これらは、溶解した鉄イオン(例えばFe+2、Fe+3)および 溶解したアルミニウムイオン(例えばAl+3)を生じる。特に興味のある流体は水を 含む流体である。特に興味のある可溶性物質は、水または他の水性媒体中に可溶 の物質である。 世界中の供給源から市販されている膨張パーライト生成物の可溶性物質の濃度 についての試験結果(後述の標準方法を用いる)を、以下の表Iに示す。ビール 可溶性鉄(BSI)の最低値は3mg Fe/kg(生成物)であることが見出され、そしてビ ール可溶性アルミニウム(BSAl)の最低値は、11mg Al/kg(生成物)であることが見 出された。 熱膨張の前に、磨砕された(非膨張の)パーライトを無機酸の溶液で浸出する 方法が記載されている(Houston、1959)。この方法によって、パーライト鉱石 、ならびに得られる膨張パーライトから調製される濾過助剤の膨張特性は、改変 された流速特性および向上した光反射特性を有することが見出された。しかしこ の参考文献は可溶性物質の濃度の低減に関係しない。対照的に、本発明の精製さ れた天然ガラス生成物および精製された天然ガラス生成物濾過助剤生成物は、可 溶性物質の濃度を低減させるように精製される。 飲料可溶性鉄含有量が低い濾過助剤を製造するためにタンニン酸(ガロタンニ ン酸またはタンニンとしても知られ、典型的な化学式はC76H52O46)または没食 子酸(3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸としても知られる。C7H6O5)を使用する方 法が開示されている(BradleyおよびMcAdam、1979)。この方法においては、タン ニン酸または没食子酸を最初に濾過助剤と混合し、そして次にこの処理された材 料 を直接熱乾燥するか、あるいは濾過し、精製水ですすいで過剰の酸を除去し、そ して次に熱乾燥する。得られる生成物におけるより低濃度の飲料可溶性鉄は、錯 形成酸(complexing acid)によって金属を表面固定することによって達成され る。すなわち金属は生成物中に残留するが、錯形成した(それゆえ不溶性の)形 態である。しかし実際には、残留酸(これはこの固定化法に必須である)の存在 は多くの用途において所望されない。対照的に、本発明の精製された天然ガラス 生成物および精製された天然ガラス濾過助剤生成物は、低濃度の可溶性物質(飲 料可溶性鉄を包含するが、しばしばそれのみではない)を含有し、そしてまた酸 残留物を含まない。 膨張パーライトを酸と混合することを伴う、青物飼料(green fodder)の保存料 の調製のための方法が提案されている(Jung、1965)。活性化されたシリカ質の多 孔質鉱物物質を含む精製剤の調製法もまた記載されている(MorisakiおよびWatan abe、1976)。この方法において、膨張パーライトなどのシリカ質材料が、塩酸お よび/または硫酸と混合および焼成され、そして得られたシリカ質材料中の可溶 化金属は、廃水処理のための微粒子の凝集剤または凝集部位として作用する。い ずれの方法においても、処理された材料中に酸が残留する。さらに、これらの文 献は、得られた処理材料に対して可溶性物質の濃度が低いことが要求される用途 を意図していない。 本発明の精製された天然ガラス生成物および精製された天然ガラス濾過助剤生 成物は、膨張パーライトまたは軽石のような天然ガラスに独特の複雑な多孔質構 造を保持するが、可溶性物質の濃度が非常に低く、そのため、特に、可溶性物質 の混入が注意深く制御されなければならない生成物のための濾過助剤または充填 剤として、より高い有用性が得られる。 多くの天然ガラス(例えば、パーライト、軽石、火山灰)は、化学的結合水を 含有し、しばしば、含有水とよばれる。これらのガラスを、例えば、膨張炉中で 加熱すると、ガラスは軟化し、同時に化学結合水が気化し、その結果、急速に「 熱膨張」し、非膨張鉱石の20倍までのバルク密度を有する泡状のガラス物質(こ れは、「熱膨張天然ガラス生成物」という)を生じることが、1940年後半に発見 された。用語「熱膨張天然ガラス」および「膨張天然ガラス」は、完全に従 来的であり、そして当業者により広く使用される。 天然ガラスの熱膨張の際に、新しい生成物が得られ、これは、物理的、化学的 、および形態学的的に、それが得られた非膨張鉱石とは異なる。オリジナルの天 然ガラス原料とは異なる、熱膨張生成物は、広い表面積の、新たに露出された物 質を有する、多孔性の軽量物質である。さらに、膨張過程の間、熱ガラス化(th ermal vitrification)が種々の程度で起こり、それによって、物質の化学組成 (脱水和による)および微細構造(microstructural feature)が変化する。 例えば、園芸用パーライトは、典型的には非粉砕(unmilled)の、約2〜5mm の粒子サイズを有する膨張パーライト生成物であって、これは、粒子サイズ約0. 3〜1mmのパーライト鉱石の粉(ground prelite ore)の熱膨張によって形成さ れる。簡便なアナロジーは、ポップコーンのポッピングである;すなわち、小さ く、濃密な実を、化学的にも物理学的にも特性の異なる、大きく、多孔性のポッ プコーンパフに変換する。 膨張天然ガラス(例えば、膨張パーライト)は、多くの適用(例えば、濾過を 含む)における使用が見出されている。このような適用では、膨張天然ガラス生 成物が、低い濃度の表面可溶性物質を有することは、しばしば重要である。なぜ なら、これらの物質は、しばしば使用時に放出されるからである。例えば、濾過 媒体中に、高濃度のビール可溶性鉄および/またはビール可溶性アルミニウムが 存在することは、媒体を使用して濾過されたビールに有害な影響を及ぼす、すな わち、ビール可溶性鉄および/またはビール可溶性アルミニウムの大部分が、濾 過されたビール中に放出される。従って、熱膨張天然ガラス(これは、しばしば 、優れた濾過挙動および非常に低い濃度の表面可溶性物質の両方を含有する)を 使用する濾過媒体のような濾過媒体を有することが所望される。 発明の要旨 本発明の1つの局面は、約18μS・cm-1未満、好ましくは約15μS・cm-l未満、よ り好ましくは約10μS・cm-1未満、さらにより好ましくは約8μS・cm-l未満のスラ リー電気伝導度で定義される低い可溶性物質濃度を有する精製された天然ガラス 生成物に関連する。好ましい実施態様において、精製された天然ガラス生成物は 約2mg Fe/kg(生成物)未満、より好ましくは約1mg Fe/kg(生成物)以下のビール 可溶性鉄含有量によってさらに特徴付けられる。他の好ましい実施態様において 、精製された天然ガラス生成物は、約10mg Al/kg(生成物)、より好ましくは8mg Al/kg(生成物)未満、さらに好ましくは約5mg Al/kg(生成物)未満、さらにより 好ましくは約1mg Al/kg(生成物)未満のビール可溶性アルミニウム含有量によっ てさらに特徴付けられる。さらに他の好ましい実施態様において、精製された天 然ガラス生成物は、約2mg Fe/kg(生成物)未満のビール可溶性鉄含有量および約 10mg Al/kg(生成物)未満のビール可溶性アルミニウム含有量によってさらに特徴 付けられる。好ましい実施態様において、精製された天然ガラス生成物は膨張パ ーライト、軽石、膨張軽石、または火山灰由来である。 本発明の他の局面は、本明細書において記載されるような精製された天然ガラ ス生成物を含む濾過助剤組成物(すなわち、フィルター複合体媒体)に関連する 。好ましい実施態様において、フィルター複合体媒体は、混合物(すなわち、例 えばケイソウ土、セルロース、活性炭、および粘土を包含する1つまたはそれ以 上の他の濾過助剤成分との混合物)の形態である。他の好ましい実施態様におい て、濾過複合体媒体はシート、パッド、またはカートリッジの形態である。 本発明のさらに他の局面は、セプタム上に担持された濾過助剤材料に、懸濁し た粒子を含む流体を通す工程を包含する。ここで上記濾過助剤は本明細書におい て記載される精製された天然ガラス生成物を含む。好ましい実施態様において、 この濾過方法は、水、飲料、植物抽出物、動物抽出物、発酵ブロス、血液または 血液製剤、ワクチン、または化学物質を含む流体および/または流体懸濁物の濾 過を伴う。 好ましい実施態様の説明 A.本発明の精製された天然ガラス生成物および精製された天然ガラス濾過助剤 の調製方法 上記のように、本発明の精製された天然ガラス生成物および精製された天然ガ ラス濾過助剤生成物は、低い可溶性物質の濃度を有し、そして原材料の複雑で多 孔質の性質を保持する。本発明の精製された天然ガラス生成物および精製された 天然ガラス濾過助剤生成物を調製するための任意の公知の方法が使用され得る。 本発明の生成物を調製する1つの好ましい方法は、制御された酸浸出による。 この方法は、原材料表面のクリーニングを達成し、そして天然ガラスから可溶性 物質を除去し、その結果、所望の低い可溶性物質の濃度が得られる。 市販の原材料などの原材料が使用され得る。例えば、パーライト生成物の調製 an)が通常の原材料である。原材料のさらなる質の向上のために、重力分離、例 えばハイドロサイクロン分離を使用して、多孔度がより低い粒子(例えば、非膨 張パーライト)および鉱物不純物を除去し得る。 原材料は、例えば、原材料を酸溶液でスラリー化することによって浸出され得 る。酸溶液は無機酸または有機酸(例えば、硫酸(すなわちH2SO4)、塩酸、(す なわちHCl)、硝酸(すなわちHNO3)、リン酸(すなわちH3PO4)、酢酸(すなわちC H3COOH)またはクエン酸(例えばC6H3O7・H2O)、あるいはそれらの組み合わせ) を含み得る。天然ガラスは、フッ化水素酸(すなわちHF)および重フッ化アンモ ニウム(すなわちNH4F・HF)中でより高い溶解度を有する。後者の化学物質によ る浸出は天然ガラスの複雑な多孔質構造を失う結果となり得るので、わずかな表 面エッチングを提供するために、厳密に制御された条件下のみで使用されるべき である。 浸出は、周囲条件(例えば、室温、大気圧)、あるいは加熱および/または加 圧下条件のいずれかで行われ得る。固体含有量(すなわち液体に対する固体の重 量比)、酸濃度、および浸出条件(例えば、温度、圧力、および浸出時間)のよ うなパラメーターは、原材料の特性、および最終生成物において所望の溶解度レ ベルを達成するために選択される酸に基づいて最適化され得る。典型的なパラメ ーターの例としては、約1:5から約1:100の固形分含量;約0.01モル/リット ルから約15モル/リットル(すなわち「濃縮された」)の酸濃度;およそ室温( すなわち20℃)から約250℃、より普通には約100℃の浸出温度;約0.1大気圧か ら約20大気圧、より普通には約1大気圧の浸出圧;および約10分間から約10時間 、より普通には約1〜2時間の浸出時間が挙げられる。 浸出材料を例えば濾過によって脱水して、費やされた酸および可溶化された物 質を除去し、そして次に精製水(例えば蒸留水、脱イオン水、または同等の品質 の水)ですすがれる。濾液および洗液(wash)の伝導度は、完全なすすぎを確実 にするために注意深くモニターされる。クエン酸(例えば、C6H3O7・H2O)または クエン酸アンモニウム(例えば(C6H7O7)NH4)のようなキレート化剤の溶液です すぎ、そして精製水中でのフィルターケーキの再分散を使用して溶解度のレベル をさらに低減させ得る。脱水され、そしてすすぎされた材料を、次に、およそ一 定の重量となるまで熱的に乾燥する(例えば空気中で約110℃)。B.本発明の精製された天然ガラス生成物および精製された天然ガラス濾過助剤 生成物の特徴付けのための方法 1.スラリー伝導度 純粋な水は、非常に乏しい電導体である。水の電気伝導度は溶解した電解質( 例えば、カチオンおよびアニオン)の存在によって増大する。純粋な水中の固体 粉体のスラリーの電気伝導度(以下、スラリー電気伝導度とよぶ)は、固体材料 中の水溶性電解質の総濃度を評価するための手段を提供する。スラリーの伝導度 が高いほど、固体粉体中の水溶性電解質(すなわち可溶性物質)濃度が高い。 本開示において、スラリー電気伝導度は、伝導度セルを用いて、粉体生成物お よび脱イオン水から作成される10%(w/v)スラリーの上澄みの伝導度を測定する ことによって決定された。試料材料を恒量になるまで空気中110℃で乾燥し、そ して次に空気中で室温まで放冷する(すなわち乾燥する)。10gの試料を、最大 電気伝導度が1マイクロシーメンス毎センチメーター未満(<1μS・cm-1)の蒸 留水または脱イオン水100mLを入れた250mLビーカーに加える。混合物を15秒間回 してスラリーを完全に懸濁させ、次いで沈降させる。15分後、混合物を再び回し 、そして1時間以上沈降させる。上澄みをセルチューブ中にデカントし、そして 伝導度セル(Cole-Parmer Instrument Co.Electric Conductivity Meter、Mode l 1481-61、500シリーズのセル)をこの液体の中に漬ける。セルを数回上下させ てセル中にトラップされた気泡を全て逃し、そしてメーター内に含まれる伝導度 ブリッジを用いて抵抗を測定する。既知の電気伝導度の溶液でこの伝導度セルを 較正する(セルの較正定数を得る)。 本発明の精製された天然ガラス生成物および精製された天然ガラス濾過助剤は 、18μS・cm-1未満(通常約0.5〜約18μS・cm-1の範囲)、好ましくは15μS・cm-l 未満(通常約0.5〜約15μS・cm-1の範囲)、より好ましくは10μS・cm-l未満(通 常約0.5〜約10μS・cm-1の範囲)、さらにより好ましくは8μS・cm-1未満(通常 約0.5〜約8μS・cm-1の範囲)の電気伝導度を有する。従来のパーライト濾過助 剤の電気伝導度(典型的には20μS・cm-1より高い(表Iに示すように))と比べ て、これは本発明の精製された天然ガラス生成物中の可溶性物質濃度の顕著な低 下を表す。2.ビール可溶性鉄(BSI)およびビール可溶性アルミニウム(BSAl) 大量のパーライトおよび他の濾過助剤生成物が、飲料および発酵ブロスを濾過 するために使用される。ビールはそのような適用の、便利かつ詳しく特徴付けら れた例である。濾過された液体への鉄(すなわち、Fe2+イオンおよび/またはFe3+ イオンとしてのFe)またはアルミニウム(すなわちAl3+イオンとしてのAl)の ような金属の混入がしばしば関心事となる。 濾過助剤生成物からの鉄の、ビール中への溶解度(ビール可溶性鉄、またはBSI )を測定するための信頼性のある分析方法が醸造業界で確立されている(America n Society of Brewing Chemists、1987)。本発明において使用される好ましい 分析方法は、脱炭酸ビールによる抽出、およびビール濾液中の抽出された鉄濃度 の熱量分析法による測定を伴う。 試料を空気中110℃で恒量まで乾燥し、そして次に空気中で室温まで冷却する (すなわち乾燥する)。5gの試料を200mLの脱炭酸ビール(この場合、BUDWEISE 間5分と50秒に渡って間欠的に回す。次いでこの混合物を直径25cmの(Reeve An gel#802、Whatman、Clifton、New Jersey)濾紙を入れた漏斗に即座に移し、そ こから最初の30秒間の間に採取される濾液を捨てる。次の150秒間で濾液を採取 し、そしてその一部の25mLを約25mgのアスコルビン酸(すなわちC6H8O6)で処理し て、溶解した鉄イオンを第一鉄(すなわちFe2+)状態に還元する(こうして「試料 抽出物」が得られる)。1mLの0.3%(w/v)1,10-フェナントロリン(すなわちo-フ ェナントロリン、C12H8N2)を添加することによって発色させ、そして30分後、 得られた試料溶液の吸光度を標準検量線と比較する。検量線はビール中の既知濃 度の標準鉄溶液から作成される。未処理濾液を濁度および色の補正のための方法 ブランクとして使用する。吸光度を分光光度計(この場合はMilton & Bradley Spectronic)を用いて505nmで測定する。この方法の定量限界はおよそ1mg Fe/kg (生成物)である。 本発明において、濾過助剤生成物からのアルミニウムの、ビール中での溶解度 (ビール可溶性アルミニウム、またはBSAl)を測定するための好ましい方法は、黒 鉛炉原子吸光分光光度計(GFAAS)を用いる。試料抽出物をビール可溶性イオンに ついての(上記のような)American Society of Brewing Chemists法に従って調 製し、そして遠心分離して、懸濁した微粒子を除去する。最適な分析範囲を超え るアルミニウム濃度を有する試料は適度に希釈する。固体から溶解したアルミニ ウムの量を計算するために、抽出に使用したのと同じビール中に存在するアルミ ニウムの量で試料中のアルミニウム濃度を補正する。この方法は0.2mg Al/kg(生 成物)の定量限界を有する。 本発明の精製された天然ガラス生成物および精製された天然ガラス濾過助剤生 成物は、約2mg Fe/kg(生成物)未満(通常、定量限界付近から約2mg Fe/kg(生 成物)までの範囲)のビール可溶性鉄(BSI)含有量、および約10mg Al/kg(生成物) 未満(通常、約0.5から約10mg Al/kg(生成物)までの範囲)のビール可溶性アル ミニウム(BSAl)含有量;好ましくは約2mg Fe/kg(生成物)未満(通常、定量限界 付近から約2mg Fe/kg(生成物)までの範囲)のビール可溶性鉄(BSI)含有量、およ び約8mg Al/kg(生成物)未満(通常、約0.5から約8mg Al/kg(生成物)までの範 囲)のビール可溶性アルミニウム(BSAl)含有量;より好ましくは約2mg Fe/kg( 生成物)未満(通常、定量限界付近から約2mg Fe/kg(生成物)までの範囲)のビ ール可溶性鉄(BSI)含有量、および約5mg Al/kg(生成物)未満(通常、約0.5から 約5mg Al/kg(生成物)までの範囲)のビール可溶性アルミニウム(BSAl)含有量; さらにより好ましくは約1mg Fe/kg(生成物)以下(通常、定量限界以下)のビー ル可溶性鉄(BSI)含有量、および約1mg Al/kg(生成物)未満(通常、約0.5から約 1mg Al/kg(生成物)までの範囲)のビール可溶性アルミニウム(BSAl)含有量を有 する。従来のパーライト濾過助剤のビール可溶性鉄およびビール可溶性 アルミニウムの含有量(典型的には3mg Fe/kg(生成物)を超え、そして10mg Al/ kg(生成物)を超える)と比べて、これらは本発明の精製された天然ガラス生成物 におけるビール可溶性鉄および/またはビール可溶性アルミニウムの濃度の顕著 な低減を表す。C.本発明の精製された天然ガラス生成物および精製された天然ガラス濾過助剤 の使用方法 本発明の精製された天然ガラス生成物は、現在入手可能な天然ガラス生成物と 同様の方式(例えば、濾過(例えば濾過助剤として)において、および充填剤と して)で使用され得る。 これらの天然ガラス材料に独特の複雑な多孔質構造は濾過プロセスにおける粒 子の物理的捕捉のために特に有効である。さらに、これらの生成物の可溶性物質 が非常に低濃度であるため、濾過助剤からの可溶性物質が注意深く制御されなけ ればならない流体の濾過における高い有用性が得られる。 本発明の精製された天然ガラス生成物は、濾過プロセスにおける透明度の向上 および流速の増大のためにセプタムに適用され得る(すなわち「プレコーティン グ」を用いて)。本発明の精製された天然ガラス生成物はまた、濾過されるにつ れて流体に直接添加され得、設計された液体流速を維持しながら、セプタムにて 所望されない粒子の負荷を低減させる(すなわち「ボディーフィーディング」を 用いて)。 いくつかの濾過用途においては、本発明の精製された天然ガラス生成物は、他 の濾過助剤との混合物として、あるいは複合体として(すなわち、複合フィルタ ー媒体として)使用され得る。複合体において、本発明の精製された天然ガラス 生成物は他の成分と緊密に混ぜ合わされて、シート、パッド、またはカートリッ ジを形成する。本発明の精製された天然ガラス生成物はまた、より精巧な改変( 例えば表面処理を包含する)のためのベース材料として使用される。ある状況に おいては、精製された天然ガラス生成物、特に表面処理されたものはまた、流体 の透明化または精製を大幅に向上させ得、あるいは所望されない物質の選択的除 去を達成し得るという、濾過の際の独特の特性を示す。 本発明の精製された天然ガラス生成物は濾過における濾過助剤として使用され 得る。すなわち、粒子状物質が懸濁した流体から粒子状物質を除去するために、 セプタム上に担持された本発明の精製された天然ガラス生成物(すなわち濾過助 剤材料)に懸濁粒子を含む流体を通す工程を包含する方法で、使用され得る。 本発明の精製された天然ガラス生成物を用いて濾過され得る流体および/また は流体懸濁物の例としては、水、飲料(例えば、ビール、果汁)、植物抽出物( 例えば、糖溶液、植物油、香料、抗生物質)、動物抽出物(例えば、脂肪、油) 、発酵ブロス(例えば、細胞懸濁物および細胞培養物(例えば、酵母抽出物、細 菌ブロスを包含する))、血液および血液製剤(例えば、全血、血漿、血清アル ブミン、免疫グロブリン)、ワクチン(例えば、百日咳ワクチン)、および化学 物質(例えば、有機化学物質および無機化学物質、例えばメタノールのような溶 媒、および水性次亜リン酸ナトリウムのような溶液を包含する)が挙げられる。D.実施例 本発明の精製された天然ガラス生成物およびその調製方法を以下の実施例で説 明する。この実施例は例示のために提供され、限定のためではない。 0)との間のPSDを有した。この2種の原材料の各々の2バッチを、0.5Nの硫酸(す なわちH2SO4)溶液中、固形分含量(すなわち液体に対する固体の重量比)1:20( バッチ1)および1:10(バッチ2)で、沸騰温度で60分間かけて浸出した。浸出 された生成物を15cmのブフナー漏斗中で濾過し、そして濾過ケーキを濾液が3μ S・cm-1未満の伝導度を示すまで脱イオン水ですすいだ。使用したすすぎ水の量は 浸出に用いた酸溶液の量の約5倍であった。次いでケーキを、120℃で終夜オー ブン中、空気中で乾燥し、室温まで冷却し、本発明の精製された天然ガラス生成 物を得た。 可溶性物質の濃度を測定する試験を上述の方法に従って行った。本発明の精製 された生成物および原材料の両方についての結果を表IIに示す。これらの実施例 の精製された天然ガラス生成物は7μm・cm-1未満の電気伝導度、2mg Fe/kg(生 成物)未満のビール可溶性鉄イオン含有量、および5mg Al/kg(生成物)未満のビ ール可溶性アルミニウム含有量を有した。これらの実施例の精製された天然ガラ ス生成物の粒子サイズ分布を、原材料の粒子サイズ分布と本質的に同じ方法によ って測定した。 本発明は、熱膨張ガラス生成物が処理されて、極限的な低いスラリー電気伝導 度によって示されるような、例外的に低い濃度の可溶性物質を有する、精製され た熱膨張天然ガラスを得ることができるという、驚くべきかつ予期されない発明 に関する。 表Iに示されるように、17種の世界で最も普通に市販される膨張パーライト生 成物は、少なくとも20μS/cmのスラリー電気伝導度(大部分は30μs/cmを超え、 そしていくつかは70μS/cmを超える)を有する。明らかに対照的に、実施例にお いて示される、精製された熱膨張天然ガラス生成物は、7μS/cm未満のスラリー 電気伝導度を有した。 同様に際だった結果は、ビール可溶性鉄およびビール可溶性アルミニウムにつ いて示される。市販の膨張パーライト生成物は全て、少なくとも4mg/kgのビー ル可溶性鉄濃度を有する。明らかに対照的に、実施例に記載される精製された熱 膨張天然ガラス生成物は、1mg/kgの検出限界以下のビール可溶性鉄濃度を有し た。市販の膨張パーライト生成物は全て、少なくとも11mg/kgのビール可溶性ア ルミニウム濃度を有する。明らかに対照的に、実施例に記載される精製された熱 膨張ガラス生成物は、0.8〜4mg/kgのビール可溶性アルミニウム濃度を有した。 本発明以前に、これらの驚くべき特性を有する熱膨張天然ガラス生成物は作製 されていなかった。さらに、本発明以前には、当業者は、これらの驚くべき特性 を有するこのような生成物を作れるとは予期しなかった。 本発明は、部分的に加工された、または部分的に精製された天然ガラス鉱石に 関するものではない。その代わり、これは、驚くべき低い濃度の可溶性物質を有 する、精製された熱膨張天然ガラス生成物(これは、天然ガラス鉱石から得られ る)に関する。 ほとんどの天然ガラス鉱石は、本来「汚れ」ており、実質量の、不純な岩石、 鉱物、岩屑を含有する。もちろん、天然ガラス鉱石はまた、何十年もの間、標準 的技術(例えば、磨砕、摩擦、スクラビング、分級)を用いて加工され、このよ うな不純物の量を低減させてきた。天然ガラス鉱石は、化学的に加工されており 、しばしば、酸を用いてこのような不純物(典型的には、鉱石中の分離した粒子 として、またはその中に存在する)のいくらかを部分的または完全に溶解させる 。これらのグロス精製(gross purification)工程は、不変に使用されて、天然 鉱石自身の量および有用性を改善する。しばしば、このグロス精製は、二次的生 成物(例えば、熱膨張天然ガラス生成物)の製造において、初期鉱石(primary ore)の使用前に行われる。 対照的に、本発明は、精製された熱膨張天然ガラス生成物に関する。上で議論 したように、膨張天然ガラス生成物は、化学的にも物理的にも、それらが得られ る天然ガラス鉱石とは異なる。熱膨張過程の間、新しい構造が形成され、ここで 、天然ガラス鉱石粒子中に「埋め込まれる」天然ガラス物質が、軽量で多孔質の 広い表面積の膨張天然ガラス生成物の表面にて新たに出現する。これらの新鮮な 表面は、非膨張鉱石粒子の表面とは実質的に異なる、化学的および物理的特性を 有し、そしてこれらの新鮮な表面の特性は、非膨張鉱石に行われるいかなる化学 的加工にも実質的に依存しない。例えば、非膨張鉱石粒子の比較的小さな表面積 の酸浸出は、新鮮で、新たに出現した、広い表面積(これは、膨張鉱石中に露出 される)の特性にほとんど影響しない。 上記のように、本発明は、熱膨張天然ガラス生成物が、精製されて、驚くべき 低い濃度の可溶性物質を有する生成物を生じ得るという、驚くべきかつ予期され ない発見に関する。本発明以前に、このような生成物は、作製されることも意図 されることもなかった。E.参考文献 以下に引用する刊行物、特許、および公開特許明細書の開示は、本発明が関連 する技術の水準をより詳細に説明するために、本開示中に参考として援用される 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ, VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.10μS・cm-1末満のスラリー電気伝導度で定義される低濃度の可溶性物質を有 する、精製された熱膨張天然ガラス生成物。 2.8μS・cm-1未満のスラリー電気伝導度で定義される低濃度の可溶性物質を有 する、請求項1に記載の精製された熱膨張天然ガラス生成物。 3.2mg Fe/kg(生成物)未満のビール可溶性鉄含有量でさらに特徴付けられる、 請求項1または2に記載の精製された熱膨張天然ガラス生成物。 4.10mg Al/kg(生成物)未満のビール可溶性アルミニウム含有量でさらに特徴付 けられる、請求項1から3のいずれか1項に記載の精製された熱膨張天然ガラス 生成物。 5.膨張パーライト、軽石、膨張軽石または火山灰由来である、請求項1から4 のいずれか1項に記載の精製された熱膨張天然ガラス生成物。 6.精製された熱膨張パーライト生成物である、請求項1から5のいずれか1項 に記載の精製された熱膨張天然ガラス生成物。 7.精製された熱膨張軽石生成物である、請求項1から5のいずれか1項に記載 の精製された熱膨張天然ガラス生成物。 8.精製された熱膨張火山灰生成物である、請求項1から5のいずれか1項に記 載の精製された熱膨張天然ガラス生成物。 9.請求項1から8のいずれか1項に記載の精製された熱膨張天然ガラス生成物 を含む、複合フィルター媒体。 10.少なくとも1種の他の濾過助剤成分をさらに含む、請求項9に記載の複合 フィルター媒体。 11.シート、パッド、またはカートリッジの形態である、請求項9または10 に記載の複合フィルター媒体。 12.粒子を含む流体をセプタム上に担持された濾過助剤材料に通す工程を包含 する濾過方法であって、ここで該濾過助剤材料が、請求項1から8のいずれか1 項に記載の精製された熱膨張天然ガラス生成物、あるいは請求項9から11のい ずれか1項に記載の複合フィルター媒体を含む、方法。 13.前記流体が、水、飲料、植物抽出物、動物抽出物、発酵ブロス、血液また は血液製剤、ワクチン、あるいは化学物質を含む、請求項12に記載の方法。
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