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JPH11355878A - スピーカ装置 - Google Patents

スピーカ装置

Info

Publication number
JPH11355878A
JPH11355878A JP15934998A JP15934998A JPH11355878A JP H11355878 A JPH11355878 A JP H11355878A JP 15934998 A JP15934998 A JP 15934998A JP 15934998 A JP15934998 A JP 15934998A JP H11355878 A JPH11355878 A JP H11355878A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diaphragm
speaker
voice coil
forming member
space forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15934998A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Fujihira
正男 藤平
Akira Yamagishi
亮 山岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP15934998A priority Critical patent/JPH11355878A/ja
Publication of JPH11355878A publication Critical patent/JPH11355878A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Audible-Bandwidth Dynamoelectric Transducers Other Than Pickups (AREA)
  • Obtaining Desirable Characteristics In Audible-Bandwidth Transducers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つのスピーカの振動板と、この振動板の後
面に空間成形部材を設けて気密な空間を設けることで、
スピーカの振動板駆動時の作用力による反作用力を相殺
或は減衰させる。 【解決手段】 スピーカ3の振動板10の後方に設けた
空気成形部材23,23aに複数の透孔21を穿って振
動板10と空気成形部材23,23aとの間にキャビテ
ィ部を形成してスピーカ3の振動板10の反作用力を相
殺又は減衰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は小型軽量なスピーカ
装置に係わり、特に1個のスピーカを用いてスピーカ装
置の音放射の反作用を相殺させることが出来る様になし
たスピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からスピーカ装置の低域再生限界を
伸ばすための有効な手段として例えば、スピーカを設け
たバッフル板に開口及びダクトを設け、スピーカの振動
板の背面から出た音の位相を反転して、ダクトを介して
開口から外部に放射させて、スピーカの振動板から前面
に出る音波を強め、低音域を歪まない様にしたバスレフ
レックス型(位相反転型)のスピーカ装置は良く知られ
ている。
【0003】この様な位相反転型スピーカ装置は図4
(A)に示す様にスピーカボックス1の前面に設けたバ
ッフル板2に穿ったスピーカ放音孔2aに対向してスピ
ーカ3を固定している。
【0004】このスピーカ3は例えば、図4(A)に示
す如く、リング状マグネット4と、このリング状マグネ
ット4を挟むように取付けられた中心孔の穿たれたプレ
ート5及びヨーク6とを設け、ヨーク6は中心部に円柱
状のセンタポール6aを有する円盤状部材と成され、プ
レート5の内径側とヨーク6のセンタポール6aとの間
に磁気空隙7を形成する。またプレート5にはスピーカ
3のフレーム8が取付けられ、フレーム8の外周部には
エッジ9が設けられ、このエッジ9によってコーン型の
振動板10の外周部がガスケット等で保持されている。
【0005】一方、振動板10の内周部にボイスコイル
ボビン11が取付けられており、このボイスコイルボビ
ン11にはボイスコイル12が巻装され、ボイスコイル
12はプレート5及びヨーク6のセンタポール6aによ
って形成された磁気空隙7内に挿入する様になされてい
る。17はこのボイスコイル12をこの磁気空隙7内に
保持するためのダンパである。
【0006】又、スピーカボックス1の外部の所定位置
に設けられた入力端子13aよりの音響信号を接続線1
4aを介してスピーカ3の端子15に供給し、端子15
よりの音響信号を錦糸線16を介してボイスコイル12
に供給している。
【0007】又、バッフル板2のスピーカ放音孔2aと
同一面に開口18aを有するダクト18を設け、スピー
カ3の振動板10の背面から出た音の位相を反転して、
このダクト18からスピーカボックス1の外に放射し、
この振動板10の前面からでる音の低音域を広げてい
る。
【0008】上述の如き、位相反転型のスピーカ装置で
の電気的な等価回路は図4(B)の様に表すことが出来
る。
【0009】図4(A)及び図4(B)で、S0 はスピ
ーカ3の支持系のスチフネス、M0はスピーカ3の支持
系の等価質量、Rms0 はスピーカ支持系の機械抵抗、R
m0はスピーカの空気負荷の機械抵抗、R0 はスピーカの
等価機械抵抗でRm0+Rms0=R0 で表せる。SC はス
ピーカボックス1内のスチフネス、RD はダクト18部
分の空気負荷の機械抵抗、MD はダクト18部分の空気
質量である。
【0010】上述の様に位相反転型のスピーカ装置とす
ることで、密閉型に比べて低音再生限界を低くすること
が出来て、スピーカ3の最低共振周波数f0 の約80%
程度まで低域再生範囲を拡げることが出来るとされてい
る。
【0011】この様なスピーカ装置では図4(A)でス
ピーカ3の振動板10の振動による音放射力F1 はスピ
ーカ3の等価質量M0 にスピーカの振動板10に働く加
速度α0 即ち、F1 =M0 ・α0 で表せる。この様な音
放射力F1 に対し、振動板10の背面側からスピーカボ
ックス1内に向かう反作用力−F1 も、スピーカ装置が
小型軽量でスピーカボックス1の容積が小さくなれば顕
著になり、振動板10の振動によってスピーカボックス
1内の空気は圧縮及び膨張を繰返し、この空気は振動板
10を元の位置に戻そうとする力となって働くためスピ
ーカボックス1を揺動させ、低音再生が阻害される問題
があった。
【0012】この様な問題を解決するために本出願人は
先に図5に示す様なスピーカ装置を提案した、図5で図
4との対応部分には同一符号を付して示す。
【0013】図5に於いて、スピーカボックス1は合成
樹脂の箱形でバッフル板2と一体に成型される。バッフ
ル板2の上側に穿設されたスピーカ放音孔2aに対向し
て、図4(A)で詳記したと同様構成のスピーカ3を固
定する。バッフル板2の下側に配された第1のダクト1
8及び開口18aはバッフル板2の成型時に一体に成型
される。
【0014】又、後面板1Bの上部にはバッフル板2に
穿ったスピーカ放音孔2aと対向する位置にスピーカ放
音孔2bを穿ち、第2のスピーカ3bを、好ましくはス
ピーカ3と背面同志が対向する様に、且つスピーカ放音
孔2bと対向する様に後面板1Bに固定すると共に第1
のダクト18よりダクト径の大きい第2のダクト18b
を第1のダクト18の所定長さ内でオーバラップし、且
つ同心円状断面が形成される様に後面板1Bと一体に植
立させ、第2のダクト18bの開口18cを通して第1
のダクト18の開口18aに放射する空気の等価質量M
D 及び等価抵抗RD を大きくする様に構成させている。
【0015】更に、第1及び第2のスピーカ3及び3b
には後面板1Bに配設した入力端子13a及び13b並
びに接続線14a及び14bを介して同一入力の音響信
号が供給されている。
【0016】上記した図5のスピーカ装置によれば第1
及び第2のダクト18及び18b間のダクト放射力FD1
及びFD2の反作用力−FD1は夫々相殺されるので、第1
及び第2のスピーカ3及び3bの放射力F1 及びF2
反作用力−F1 及び−F2 はF1 ≒F2 とすれば互いに
相殺することが出来る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】然し、上記した構成で
は小型軽量なスピーカボックス1のスピーカ3の作用力
1 による反作用力−F1 を支えて揺動させない様にす
るためにスピーカボックス1内に一対の略同一構造のス
ピーカ3及び3bを必要とし、小型化の隘路と成るだけ
でなく高価になる問題があった。
【0018】更に、従来の小型スピーカでは振動板を駆
動する磁気回路のマグネットが非常に小さく、スピーカ
の音圧を高くするため口径の小さなボイスコイルボビン
にボイスコイルを巻回しているためスピーカの最低共振
周波数(以下f0 と記す)の共振鋭度(以下Q0 と記
す)がどうしても大きくなっていた。
【0019】又、この様なQ0 の大きい小型スピーカを
小さな容積のスピーカボックス内に配設した場合は低域
の再生拡大が出来ずf0 でのQ0 は更に大きくなるため
低音域での音質が著しく劣化する問題があった。
【0020】一般には非常に小型のスピーカでは振動板
の抄紙時に同時にエッジを作製するフィックスエッジが
多用されているが、この様な小型スピーカのフィックス
エッジは硬く、ボイスコイルも軽量であるためにスピー
カのf0 を下げることも難しくなる問題があった。
【0021】更に、スピーカの振動系を等しく作った2
つのスピーカではf0 の高い方がQ0 はf0 に比例して
大きくなるため低域の再生には不向きになる弊害があっ
た。
【0022】本発明は叙上の問題点を解消したスピーカ
装置を提供しようとするものであり、発明が解決しよう
とする課題は1つのスピーカユニットに空間形成部材を
付加することで小型軽量なスピーカボックスに配設した
スピーカの放射力の反作用力を相殺又は減衰させて、ス
ピーカ装置の揺動を防止させて、強力な低域を放射させ
ると共にQ0 を小さくし、スピーカのf0 を低域側に遷
移させて低域の拡大と良質な低域放射を行なう様に成し
たものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明のスピーカ装置は
振動板と、この振動板の後方に配した空間形成部材との
間に音響コンプライアンスを形成し、この空間形成部材
に透孔を穿って、振動板に所定方向の音放射力が与えら
れた時、透孔を介して空気を流出入させる様に成したも
のである。
【0024】本発明のスピーカ装置によれば1つのスピ
ーカの振動板の後方に空間形成部材を設けるだけで、小
型軽量なスピーカボックスに内蔵させたスピーカ放射力
による反作用を相殺して、揺動を防止し低域増大すると
共に空間形成部材を構成する振動板に穿った複数の透孔
を通過する空気の等価質量によってスピーカのQ0 を下
げf0 を低域側に拡大可能なものが得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の小型のスピーカ装
置を図1乃至図3によって詳記する。尚本発明で図4及
び図5で示したスピーカ装置との対応部分には同一符号
を付して示している。
【0026】図1(A)は本例のスピーカ装置に用いる
スピーカの側断面図、図1(B)は図1(A)のA−
A′線に沿う断面矢視図を示し、3は全体として本例の
小型スピーカを示し、ヨーク6は純鉄等の板材から成る
円盤状部と、この円盤状部の中心位置に立設された円柱
状のセンタポール6aと、このセンタポール6aと同心
円状に円盤状部に形成された段部から成るマグネットガ
イド部6bが一体に形成されている。
【0027】上述のヨーク6の円盤状部上にフェライト
等の厚み方向に着磁されたリング状のマグネット4を接
着剤を介して接着させる。リング状のマグネット4の内
径はヨーク6の円盤状部に形成されたマグネットガイド
部6bの段部に嵌合されて、位置決めされる。
【0028】このマグネット4にプレート5を接合す
る。この場合はギャップガイドをセンタポール6aに差
し込んだままにして置き、マグネット4の上面に接着剤
を塗布し、プレート5の内径をギャップガイドの外径に
挿入して接着固定する。プレート5は純鉄等を円盤状と
なし、中心部に透孔が穿たれた打抜板材で透孔の内径周
縁とセンタポール6aの外径間に形成される磁気空隙7
内にボイスコイル12が配設される。
【0029】プレート5には鋼材等で漏斗状に形成され
たフレーム8を固定することで磁気回路の金物部分が構
成され、磁気空隙7の下方にはセンタポール6aの外周
とマグネット4の内径で囲まれた第2の空間部20bが
形成される。
【0030】上述の磁気回路の磁気空隙7内には円筒状
のボイスコイルボビン11に巻回したボイスコイル12
を挿入し、上下方向に振動可能に波形のコルゲーション
を有するダンパ17を介してボイスコイルボビン11を
保持する。
【0031】上述の如きダンパ17の内径はボイスコイ
ルボビン11の中間部に接着剤を介して接合され、外径
部はフレーム8の底面部の外周に接合されている。更
に、紙等から成るフリー或はフィックスエッジ9bの付
いた空間形成部材となる漏斗状の第2の振動板23の内
径をボイスコイルボビン11の上部外径部に接合し、第
2の振動板23の最大直径部をフレーム8の段部8aに
接着剤を介して接合する。
【0032】第2の振動板23には図1(A)のA−
A′断面矢視図である図1(B)の平面図に示す様に所
定の位置に複数の細い透孔21を穿つ、図1(B)では
例えば第2の振動板23の内径の中心から3等分する所
定半径位置に3個の透孔21を穿っているが、透孔21
の位置をランダムに穿ってもよく、これら透孔21の直
径は0.5mmφ乃至1mmφ程度に選択される。
【0033】更に、第2の振動板23と同様に紙等から
成るフリー或はフィックスエッジ9の付いた漏斗状の第
1の振動板10の内径をボイスコイルボビン11の上部
外径に接合し、第1の振動板10の最大直径部をフレー
ム8の上部開口縁部にガスケット19を介して固定する
ことで第1の振動板10と第2の振動板23間に所定の
気密な空間部25を形成する。
【0034】ボイスコイルボビン11の上端、或は振動
板10の傾斜部にはドーム状にアルミニウム等の気密性
の高い材料で形成された、キャップ22がボイスコイル
ボビン11の上端又は第1の振動板10の中心開口近傍
の傾斜部を気密に覆う様に接着剤を介して接合される。
【0035】又、錦糸線16はボイスコイル12に接続
され、フレーム8に取り付けられた入力端子15を介し
て音声信号がボイスコイル12に供給される。
【0036】上述の様に小型のスピーカを組立てること
で、第2の振動板23とプレート5の上面との間の第1
の空間部20aと上述の第2の空間部20bとが形成さ
れる。
【0037】更に、センタポール6a又はヨーク6に破
線で示す様に必要に応じて透孔26a又は26bを穿つ
ことでダンパ17の下部の第1及び第2の空間部20a
及び20bに形成されるインピーダンスを下げてスピー
カ装置の低域の音圧レベルを上げる様にしてもよい。
【0038】図2は図1(A)及び図1(B)に示した
スピーカ3を図5と同一構成の位相反転型ダクト18及
び18bを有するスピーカボックス1内に配設した場合
のスピーカ装置の側断面図を示すものである。図2でス
ピーカ3は図1(A)及び図1(B)で説明したものに
センタポール6a又は/及びヨーク6に透孔26a及び
26bを穿っていない以外は略同一の構成であるので、
図1(A)及び図1(B)との重複説明は省略する。
【0039】上述のスピーカボックス1はABS樹脂等
で容積が1〜3リットル程度の小型軽量なものであり、
スピーカ3の口径も直径8cmφ以下のものを考えた場
合に、音響信号を端子13aからボイスコイル12に供
給して、スピーカ3を駆動すれば第1の振動板10には
1 方向の駆動力F1 =M0 ・α0 及び反作用力−F1
=M0 ・α0 が働く。
【0040】一方、第2の振動板23に穿った複数の透
孔21の数をnとすると気密な空間部25内の空気は第
1及び第2の振動板10及び23のF1 の駆動に対応
し、透孔21を介してスピーカ3の第1及び第2の空間
部20a及び20b方向から流入し、−F1 方向の駆動
に対して空間部25からスピーカ3の第1及び第2の空
間部20a及び20b方向に流出する。即ち、空間部2
5間の容積内の圧力は変動することになる。
【0041】空間部25内に流入出する空気によって振
動板23の透孔21部分では作用力FD /n及びこの作
用力の反作用力−FD /nを発生する。
【0042】従って、この様なFD /n≒F1 になる様
に釣り合わせれば図7で説明した様に2個のスピーカ3
及び3bを用いて反作用力−F1 及び−F2 を相殺する
と同様に−F1 の反作用力と−FD /nの反作用力を相
殺することが出来る。
【0043】又、図2の場合は第1のダクト18及び第
2のダクト18bを用いて、第1のダクト18の開口1
8aのダクト放射力FD1(又は−FD1)に対し第2のダ
クト18bの開口18cのダクト放射力FD2(又は−F
D2)をFD1≒FD2とすることで互いに相殺して支え合っ
ているので、スピーカボックス1を揺動させない為の条
件としては上記したF1 ≒FD /nを満足させればよい
ことになる。
【0044】今、図2のスピーカ装置に於いてスピーカ
ボックス1の容積をVB 、第1及び第2の振動板10及
び23間の空間部25の容積をVC 、振動板10及び2
3が動くことで容積VC (VB )からVB (VC )に流
出入する容積をΔVC 、第1及び第2の振動板10及び
23の振幅をX、第2の振動板23の有効面積をS、透
孔21の総面積をSK とすれば、第1及び第2の振動板
10及び23が駆動されていないときは容積VB 及びV
C は1気圧(以下Pと記す)と考えてよいので と(1)式の関係が成り立つまで、ΔVC はスピーカボ
ックス1内に空気を放出或は吸入される。
【0045】(1)式は簡略化すれば容積の変化量ΔV
C となる。
【0046】ここで、VC <<VB であるので(2)式
の容積の変化を起こすことでFD /nを発生させること
が出来る。
【0047】従って、振動板10の音放射力F1 の反作
用力−F1 と振動板23の透孔21の空気の放射力FD
/n及びその反作用力−FD /nを支え合すためには透
孔21を通る空気の加速度はS/SK ・α0 (ここで、
第1の振動板10の等価質量をM0 、振動板の加速度を
α0 、第2の振動板23の等価質量をMU とすれば) FD /n=S/SK ・α0 ・MU ≒M0 ・α0 ・・・・(4) と設定すればスピーカボックス21に取り付けられたス
ピーカ3自身で−F1 ≒−FD /nと成って互いに支え
合すことが出来る。
【0048】図3は本発明のスピーカ装置に用いるスピ
ーカの他の構成を示すもので、図1との相違点のみ、以
下説明し、同一部分には同一符号を付して重複説明を省
略する。
【0049】図3の構成では振動板10の後面に配設す
る空間成形部材を気密性のダンパ23aと成したもので
ある。気密性のあるダンパ23aを得るためには例えば
薄布を2〜3枚重ねて気密性のあるダンパ23aを作製
するか、1枚の布等のダンパ表面に合成樹脂性の溶液等
を塗布したものを用いればよい。
【0050】ダンパ23aは略凹状に逆ドーム状に形成
され、中心部にはボイスコイルボビン11の外径と略同
一径の内径が穿たれて、ボイスコイルボビン11の第1
の振動板10の取付部位置の下側に接着剤等で接合され
ている。
【0051】又、同心円状の複数のコルゲーションが施
された、これら山又は谷部に図1と同様にダンパ23a
の中心部から所定の角度範囲位置に透孔21が穿たれ
る。例えば、図3では1つの同心円状のコルゲーション
位置に3個の透孔21を穿ったことでダンパ23aの透
孔21から流出入する空気によって生ずる空気の放射力
D 及び−FD をFD /3及び−FD /3としている。
【0052】図3の場合はダンパ23aの開口面積をS
K として、上記した(4)式を定めればよい。
【0053】更に、一般的にスピーカ3の振動系の低域
特性はf0 に於けるQ0 によって定まることはよく知ら
れている。
【0054】今、上記した図1及び図3のスピーカの振
動系の実効質量をM0 、振動支持部分のスチフネスをS
0 、出力アンプの内部抵抗をR0 、ボイスコイルの抵抗
をRv、ボイスコイルの長さをLv(cm)、振動系の
機械抵抗をRm、スピーカボックスの内容積のスチフネ
スをSc、スピーカボックス内の抵抗をRa、磁束をB
gとするとQ0 は次の(5)式で表すことができる。
【0055】上述の(5)式からも明らかな様に振動板
10を駆動した場合に空気形成部材23及び23aに穿
った複数の透孔21を介して透孔21内を通過する機械
抵抗Rmが増加し、(5)式の分母は大きくなって、Q
0 の値を下げる様に働くことは明らかである。
【0056】従って、Q0 の低下に伴ってf0 の高域側
への遷移が防止出来て低域が拡大し、良質な低域放射可
能なスピーカ装置が得られる。
【0057】
【発明の効果】本発明のスピーカ装置によれば1つのス
ピーカユニットを用い、振動板の下方に設けた空間形成
部材に複数の透孔を穿つだけの簡単な構造によって、振
動板の駆動時の作用力に対する反作用力を相殺又は減衰
させて、小型軽量なスピーカ装置を揺動させずに低域を
拡大して放音可能なスピーカ装置が得られる。更に、本
発明のスピーカによれば最低共振周波数f0 に於ける共
振鋭度Q0 の値を空間形成部材である第2の振動板又は
ダンパに透孔を穿つだけで小さくすることが出来て低域
共振周波数f0 を低域側に遷移可能となる。更に、スピ
ーカボックス内に上記した第2の振動板又はダンパに透
孔を穿ったスピーカを1つ配設するだけでスピーカの反
作用力を減衰させてスピーカボックスの揺動を防止する
ことの出来るスピーカ装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピーカの側断面図である。
【図2】本発明のスピーカ装置の側断面図である。
【図3】本発明の他のスピーカの側断面図である。
【図4】従来のスピーカ装置の断面図及びその電気等価
回路図である。
【図5】従来のスピーカ装置の構成を示す側断面図であ
る。
【符号の説明】 1‥‥スピーカボックス、3,3b‥‥スピーカ、10
‥‥第1の振動板、17‥‥ダンパ、18,18b‥‥
ダクト、21‥‥透孔、22‥‥キャップ、23,23
a‥‥第2の振動板及びダンパ(空間成形部材)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板と該振動板の後方に配した空間形
    成部材との間に音響コンプライアンスを形成し、該空間
    形成部材に透孔を穿って、該振動板に所定方向の音放射
    力が与えられた時、該透孔を介して空気を流出入させる
    様に成したことを特徴とするスピーカ装置。
  2. 【請求項2】 前記空間形成部材が振動板であることを
    特徴とする請求項1記載のスピーカ装置。
  3. 【請求項3】 前記空間形成部材がダンパであることを
    特徴とする請求項1記載のスピーカ装置。
JP15934998A 1998-06-08 1998-06-08 スピーカ装置 Pending JPH11355878A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15934998A JPH11355878A (ja) 1998-06-08 1998-06-08 スピーカ装置

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JP15934998A JPH11355878A (ja) 1998-06-08 1998-06-08 スピーカ装置

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ID=15691913

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JP15934998A Pending JPH11355878A (ja) 1998-06-08 1998-06-08 スピーカ装置

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JP (1) JPH11355878A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007281669A (ja) * 2006-04-04 2007-10-25 Nec Corp スピーカ
JP2021034998A (ja) * 2019-08-29 2021-03-01 株式会社Jvcケンウッド スピーカ

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