JPH11343921A - エンジンのフロントカバー構造 - Google Patents
エンジンのフロントカバー構造Info
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- JPH11343921A JPH11343921A JP15083698A JP15083698A JPH11343921A JP H11343921 A JPH11343921 A JP H11343921A JP 15083698 A JP15083698 A JP 15083698A JP 15083698 A JP15083698 A JP 15083698A JP H11343921 A JPH11343921 A JP H11343921A
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- Japan
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- engine
- cam
- pulley
- front cover
- pump
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Abstract
(57)【要約】
【課題】エンジンEの動弁系カム軸3上のカムプーリ3
6と、カムプーリ36の隣りのポンププーリ38と、各
プーリをクランクプーリ38に駆動連結するタイミング
ベルト39とが、エンジン前側に配設されたフロントカ
バーC内に収められているものにおいて、エンジンEの
コンパクト化を図りつつ、フロントカバーCとタイミン
グベルト39との接触を防止する。 【解決手段】タイミングベルト39の緩み側寄りにカム
プーリ36を、張り側寄りにポンププーリ38を配置す
る。両プーリ間のタイミングベルト39の外周面に対向
するフロントカバーCの側壁部7a,64のうち、両プ
ーリ36,38間の中央位置Mからポンプ側へかけての
所定範囲Wに対応する部分をタイミングベルト39から
離れるように外側に膨出させる。カムプーリ36にねじ
りダンパ50を取り付け、タイミングベルト39のベル
ト張力をオートテンショナ51により調整する。
6と、カムプーリ36の隣りのポンププーリ38と、各
プーリをクランクプーリ38に駆動連結するタイミング
ベルト39とが、エンジン前側に配設されたフロントカ
バーC内に収められているものにおいて、エンジンEの
コンパクト化を図りつつ、フロントカバーCとタイミン
グベルト39との接触を防止する。 【解決手段】タイミングベルト39の緩み側寄りにカム
プーリ36を、張り側寄りにポンププーリ38を配置す
る。両プーリ間のタイミングベルト39の外周面に対向
するフロントカバーCの側壁部7a,64のうち、両プ
ーリ36,38間の中央位置Mからポンプ側へかけての
所定範囲Wに対応する部分をタイミングベルト39から
離れるように外側に膨出させる。カムプーリ36にねじ
りダンパ50を取り付け、タイミングベルト39のベル
ト張力をオートテンショナ51により調整する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの動弁系
カム軸や補機等を無端伝動部材を介してクランク軸によ
り駆動する伝動機構を、エンジン前側のフロントカバー
内に収めるようにしたエンジンのフロントカバー構造に
関する技術分野に属する。
カム軸や補機等を無端伝動部材を介してクランク軸によ
り駆動する伝動機構を、エンジン前側のフロントカバー
内に収めるようにしたエンジンのフロントカバー構造に
関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のエンジンのフロント
カバー構造として、例えば特開平8−326550号公
報に開示されるように、動弁系カム軸上のカムプーリ
と、該カムプーリに隣り合わせに配置された燃料噴射ポ
ンプの入力軸上のポンププーリと、これら両プーリをク
ランク軸上のクランクプーリに駆動連結するタイミング
ベルトとをエンジン前面に配設して、これらをフロント
カバー内に収容するようにしたものが知られている。こ
のものでは、タイミングベルトやプーリからなるベルト
伝動機構がフロントカバー内に略密閉状態で収容されて
いるので、タイミングベルトやプーリの雨水等による劣
化を防止して、ベルト伝動機構の信頼性向上を図ること
ができる。
カバー構造として、例えば特開平8−326550号公
報に開示されるように、動弁系カム軸上のカムプーリ
と、該カムプーリに隣り合わせに配置された燃料噴射ポ
ンプの入力軸上のポンププーリと、これら両プーリをク
ランク軸上のクランクプーリに駆動連結するタイミング
ベルトとをエンジン前面に配設して、これらをフロント
カバー内に収容するようにしたものが知られている。こ
のものでは、タイミングベルトやプーリからなるベルト
伝動機構がフロントカバー内に略密閉状態で収容されて
いるので、タイミングベルトやプーリの雨水等による劣
化を防止して、ベルト伝動機構の信頼性向上を図ること
ができる。
【0003】また、例えば特開昭57−198306号
公報には、カムプーリ及びポンププーリ間のタイミング
ベルトの外周面に対向するフロントカバー側壁部を、両
プーリ間の略中央位置が頂点となるように静止状態のタ
イミングベルトに対し外周側に膨出させたものが開示さ
れている。このものでは、タイミングベルトが走行時に
遠心力によって外側へ広がっても、そのタイミングベル
トの側壁部との接触を防止できる。
公報には、カムプーリ及びポンププーリ間のタイミング
ベルトの外周面に対向するフロントカバー側壁部を、両
プーリ間の略中央位置が頂点となるように静止状態のタ
イミングベルトに対し外周側に膨出させたものが開示さ
れている。このものでは、タイミングベルトが走行時に
遠心力によって外側へ広がっても、そのタイミングベル
トの側壁部との接触を防止できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えばディ
ーゼルエンジンの燃料噴射ポンプは、各気筒毎の噴射ノ
ズルに高圧燃料を供給するものであるので、燃料を吐出
するプランジャからの反力が大きく、ポンプ入力軸の1
回転する間の角速度変動も大きくなり易い。一方、動弁
系カム軸にも一回転する間にバルブ反力による角速度変
動があるので、カムプーリ及びポンププーリ間のタイミ
ングベルトは、カム軸及びポンプ入力軸の互いに異なる
角速度変動の相互作用を受けて大きく振動する(いわゆ
る弦振動)。
ーゼルエンジンの燃料噴射ポンプは、各気筒毎の噴射ノ
ズルに高圧燃料を供給するものであるので、燃料を吐出
するプランジャからの反力が大きく、ポンプ入力軸の1
回転する間の角速度変動も大きくなり易い。一方、動弁
系カム軸にも一回転する間にバルブ反力による角速度変
動があるので、カムプーリ及びポンププーリ間のタイミ
ングベルトは、カム軸及びポンプ入力軸の互いに異なる
角速度変動の相互作用を受けて大きく振動する(いわゆ
る弦振動)。
【0005】しかして、本発明者等は、上記弦振動の共
振による最大振幅位置が必ずしもカムプーリ及びポンプ
プーリ間の中央位置にはならないことを見出した。従っ
て、その場合、上記従来のフロントカバー構造では、弦
振動の最大振幅位置でタイミングベルトとフロントカバ
ーの側壁部とが接触してしまい、異音の発生やベルトの
信頼性低下等の不具合を生じる。
振による最大振幅位置が必ずしもカムプーリ及びポンプ
プーリ間の中央位置にはならないことを見出した。従っ
て、その場合、上記従来のフロントカバー構造では、弦
振動の最大振幅位置でタイミングベルトとフロントカバ
ーの側壁部とが接触してしまい、異音の発生やベルトの
信頼性低下等の不具合を生じる。
【0006】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、タイミングベルト等の
無端伝動部材の弦振動をも考慮した上でフロントカバー
の側壁部形状を決定することで、エンジンのコンパクト
化を図りつつ、フロントカバーと無端伝動部材との接触
に起因する不具合を防止することにある。
あり、その目的とするところは、タイミングベルト等の
無端伝動部材の弦振動をも考慮した上でフロントカバー
の側壁部形状を決定することで、エンジンのコンパクト
化を図りつつ、フロントカバーと無端伝動部材との接触
に起因する不具合を防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の解決手段では、無端伝動部材の弦振動の最
大振幅位置が2つの従動輪間の中央位置よりも無端伝動
部材の進行方向前側にずれることに着目し、フロントカ
バー側壁部の形状を上記弦振動の最大振幅位置に対応す
る部分で外側に膨出させるようにした。
に、本発明の解決手段では、無端伝動部材の弦振動の最
大振幅位置が2つの従動輪間の中央位置よりも無端伝動
部材の進行方向前側にずれることに着目し、フロントカ
バー側壁部の形状を上記弦振動の最大振幅位置に対応す
る部分で外側に膨出させるようにした。
【0008】具体的には、請求項1記載の発明では、エ
ンジンのクランク軸方向一端側に、動弁系カム軸上の歯
付のカム側従動輪と、燃料噴射ポンプの入力軸上の歯付
のポンプ側従動輪とが隣り合わせて、かつクランク軸上
の歯付の駆動輪に無端伝動部材を介して駆動連結されて
配設され、少なくとも上記両従動輪及び無端伝動部材が
フロントカバー内に収容されているエンジンのフロント
カバー構造を前提とする。そして、上記フロントカバー
は、上記カム側及びポンプ側従動輪の間の無端伝動部材
の外周面に対向してクランク軸方向に延びる側壁部を有
し、該側壁部のうち、上記両従動輪間の無端伝動部材の
中央位置に対し無端伝動部材の進行方向前側に対応する
前側対応部分が、後側に対応する後側対応部分に比べ
て、静止状態の無端伝動部材から離れるように外側に膨
出している構成とする。
ンジンのクランク軸方向一端側に、動弁系カム軸上の歯
付のカム側従動輪と、燃料噴射ポンプの入力軸上の歯付
のポンプ側従動輪とが隣り合わせて、かつクランク軸上
の歯付の駆動輪に無端伝動部材を介して駆動連結されて
配設され、少なくとも上記両従動輪及び無端伝動部材が
フロントカバー内に収容されているエンジンのフロント
カバー構造を前提とする。そして、上記フロントカバー
は、上記カム側及びポンプ側従動輪の間の無端伝動部材
の外周面に対向してクランク軸方向に延びる側壁部を有
し、該側壁部のうち、上記両従動輪間の無端伝動部材の
中央位置に対し無端伝動部材の進行方向前側に対応する
前側対応部分が、後側に対応する後側対応部分に比べ
て、静止状態の無端伝動部材から離れるように外側に膨
出している構成とする。
【0009】この構成によれば、エンジン運転状態で、
無端伝動部材はクランク軸上の駆動輪から順にカム側従
動輪とポンプ側従動輪とを経て、上記駆動輪に回行し、
これにより、カム軸及びポンプ入力軸がクランク軸によ
り回転駆動される。その際、上記無端伝動部材がカム側
従動輪から進出するところでは、両者の歯部同士の離脱
が遅れて、無端伝動部材に内周側への力が作用すること
があり、一方、無端伝動部材がポンプ側従動輪に進入す
るところで、両者の歯部同士の係合が遅れて、無端伝動
部材が外周側に押し出されることがある。そのため、上
記カム側従動輪からポンプ側従動輪へ進行する無端伝動
部材は、カム側従動輪の近傍で内周側への力を受ける一
方、ポンプ側従動輪の近傍で外周側への力を受けること
になり、その結果、上記無端伝動部材の弦振動の最大振
幅位置が両従動輪間の中央位置よりも無端伝動部材の進
行方向前側にずれるのである。
無端伝動部材はクランク軸上の駆動輪から順にカム側従
動輪とポンプ側従動輪とを経て、上記駆動輪に回行し、
これにより、カム軸及びポンプ入力軸がクランク軸によ
り回転駆動される。その際、上記無端伝動部材がカム側
従動輪から進出するところでは、両者の歯部同士の離脱
が遅れて、無端伝動部材に内周側への力が作用すること
があり、一方、無端伝動部材がポンプ側従動輪に進入す
るところで、両者の歯部同士の係合が遅れて、無端伝動
部材が外周側に押し出されることがある。そのため、上
記カム側従動輪からポンプ側従動輪へ進行する無端伝動
部材は、カム側従動輪の近傍で内周側への力を受ける一
方、ポンプ側従動輪の近傍で外周側への力を受けること
になり、その結果、上記無端伝動部材の弦振動の最大振
幅位置が両従動輪間の中央位置よりも無端伝動部材の進
行方向前側にずれるのである。
【0010】これに対し、本発明では、上記カム側及び
ポンプ側従動輪間の無端伝動部材外周面に対向するフロ
ントカバーの側壁部を、上記両従動輪間の中央位置より
も無端伝動部材の進行方向前側に対応する前側対応部分
が反対側の後側対応部分に比べて外側に膨出する形状と
している。すなわち、フロントカバーの側壁部のうち、
無端伝動部材の弦振動の最大振幅位置に対応する部分を
最大に膨出させることで、無端伝動部材が共振により大
きく弦振動してもフロントカバーの側壁部に接触しない
ようにすることができ、よって、上記フロントカバー側
壁部の膨出量を最小限に抑えてエンジンのコンパクト化
を図りつつ、フロントカバーと無端伝動部材との接触に
起因する不具合を防止できる。
ポンプ側従動輪間の無端伝動部材外周面に対向するフロ
ントカバーの側壁部を、上記両従動輪間の中央位置より
も無端伝動部材の進行方向前側に対応する前側対応部分
が反対側の後側対応部分に比べて外側に膨出する形状と
している。すなわち、フロントカバーの側壁部のうち、
無端伝動部材の弦振動の最大振幅位置に対応する部分を
最大に膨出させることで、無端伝動部材が共振により大
きく弦振動してもフロントカバーの側壁部に接触しない
ようにすることができ、よって、上記フロントカバー側
壁部の膨出量を最小限に抑えてエンジンのコンパクト化
を図りつつ、フロントカバーと無端伝動部材との接触に
起因する不具合を防止できる。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明におけるフロントカバーの側壁部は、カム側及びポ
ンプ側従動輪に外接する接線と無端伝動部材の進行方向
後側に位置する従動輪との接点に対応する部分から、上
記接線の中央位置に対応する中央部にかけて徐々に外側
に膨出するとともに、上記接線の中央位置から進行方向
前側へかけての所定範囲に対応する部分が上記中央部と
同じかより大きく外側に膨出している構成とする。この
ことで、フロントカバーの側壁部の望ましい膨出状態が
具体化される。
発明におけるフロントカバーの側壁部は、カム側及びポ
ンプ側従動輪に外接する接線と無端伝動部材の進行方向
後側に位置する従動輪との接点に対応する部分から、上
記接線の中央位置に対応する中央部にかけて徐々に外側
に膨出するとともに、上記接線の中央位置から進行方向
前側へかけての所定範囲に対応する部分が上記中央部と
同じかより大きく外側に膨出している構成とする。この
ことで、フロントカバーの側壁部の望ましい膨出状態が
具体化される。
【0012】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明において、カム側及びポンプ側従動輪はいず
れもエンジン上部に配置され、上記ポンプ側従動輪は、
カム側従動輪よりも低い位置でかつ無端伝動部材の進行
方向前側に位置しているこのことで、カム側及びポンプ
側従動輪が共にエンジン上部に配置されており、両従動
輪の上方に位置するフロントカバーの側壁部は相対的に
低位置のポンプ側で上方に膨出しているので、この膨出
形成に伴いフロントカバーのエンジン高さ方向寸法が増
大することはない。
記載の発明において、カム側及びポンプ側従動輪はいず
れもエンジン上部に配置され、上記ポンプ側従動輪は、
カム側従動輪よりも低い位置でかつ無端伝動部材の進行
方向前側に位置しているこのことで、カム側及びポンプ
側従動輪が共にエンジン上部に配置されており、両従動
輪の上方に位置するフロントカバーの側壁部は相対的に
低位置のポンプ側で上方に膨出しているので、この膨出
形成に伴いフロントカバーのエンジン高さ方向寸法が増
大することはない。
【0013】請求項4記載の発明では、請求項3記載の
発明におけるエンジンは、クランク軸が車両の左右方向
に延び、かつポンプ側従動輪がカム側従動輪よりも車両
前側に位置するように横置き搭載されているものであ
る。
発明におけるエンジンは、クランク軸が車両の左右方向
に延び、かつポンプ側従動輪がカム側従動輪よりも車両
前側に位置するように横置き搭載されているものであ
る。
【0014】すなわち、一般に、エンジン上方のボンネ
ットフードは、車両の空力特性向上のために車両前側か
ら車両後側に向かって徐々に高くなる形状とされてい
る。そこで、この発明では、カム側従動輪よりも低位置
にあるポンプ側従動輪を車両前側に位置づけることで、
両従動輪の上方に位置するフロントカバーの側壁部を上
記ボンネットフードに沿うような形状とすることがで
き、このことにより、エンジンルーム空間の有効利用が
図られる。
ットフードは、車両の空力特性向上のために車両前側か
ら車両後側に向かって徐々に高くなる形状とされてい
る。そこで、この発明では、カム側従動輪よりも低位置
にあるポンプ側従動輪を車両前側に位置づけることで、
両従動輪の上方に位置するフロントカバーの側壁部を上
記ボンネットフードに沿うような形状とすることがで
き、このことにより、エンジンルーム空間の有効利用が
図られる。
【0015】請求項5記載の発明では、請求項4記載の
発明におけるエンジンのカム軸の軸心は、シリンダヘッ
ドの上面と略同じ高さに位置し、燃料噴射ポンプは、車
両前後方向から見て少なくとも一部分が上記シリンダヘ
ッドに重なるように配置されている。このことで、燃料
噴射ポンプをエンジン上部のシリンダヘッドと略同一高
さに配置して、その下方を補機配置スペースとすること
ができる。
発明におけるエンジンのカム軸の軸心は、シリンダヘッ
ドの上面と略同じ高さに位置し、燃料噴射ポンプは、車
両前後方向から見て少なくとも一部分が上記シリンダヘ
ッドに重なるように配置されている。このことで、燃料
噴射ポンプをエンジン上部のシリンダヘッドと略同一高
さに配置して、その下方を補機配置スペースとすること
ができる。
【0016】請求項6記載の発明では、請求項4記載の
発明におけるエンジンには、各気筒毎に吸気弁及び排気
弁が合計で4つ以上設けられているものとする。
発明におけるエンジンには、各気筒毎に吸気弁及び排気
弁が合計で4つ以上設けられているものとする。
【0017】このことで、上記エンジンでは、例えば各
気筒毎に吸気弁及び排気弁が1つづつ配設されているエ
ンジンに比べて、カム軸へのバルブ反力が大きくなり、
該カム軸の1回転あたりの角速度変動が大きくなり易い
ので、無端伝動部材の弦振動の振幅が大きくなってフロ
ントカバーとの接触が発生し易い。したがって、このよ
うなエンジンのフロントカバー構造において、フロント
カバー側壁部の膨出形成により該側壁部と無端伝動部材
との接触を防止することが、特に有効になる。
気筒毎に吸気弁及び排気弁が1つづつ配設されているエ
ンジンに比べて、カム軸へのバルブ反力が大きくなり、
該カム軸の1回転あたりの角速度変動が大きくなり易い
ので、無端伝動部材の弦振動の振幅が大きくなってフロ
ントカバーとの接触が発生し易い。したがって、このよ
うなエンジンのフロントカバー構造において、フロント
カバー側壁部の膨出形成により該側壁部と無端伝動部材
との接触を防止することが、特に有効になる。
【0018】請求項7記載の発明では、請求項1、3又
は6のいずれか1つに記載の発明において、燃料噴射ポ
ンプは70MPa以上の高圧燃料を吐出するものとす
る。
は6のいずれか1つに記載の発明において、燃料噴射ポ
ンプは70MPa以上の高圧燃料を吐出するものとす
る。
【0019】このことで、燃料噴射ポンプの吐出圧が極
めて高く、ポンプ入力軸の角速度変動が極めて大きくな
るので、該燃料噴射ポンプを装備したエンジンにおいて
も、無端伝動部材とフロントカバーとの接触が発生し易
い。したがって、このようなエンジンのフロントカバー
構造においても、請求項6記載の発明と同様、フロント
カバー側壁部の膨出形成により該側壁部と無端伝動部材
との接触を防止することが、特に有効になる。
めて高く、ポンプ入力軸の角速度変動が極めて大きくな
るので、該燃料噴射ポンプを装備したエンジンにおいて
も、無端伝動部材とフロントカバーとの接触が発生し易
い。したがって、このようなエンジンのフロントカバー
構造においても、請求項6記載の発明と同様、フロント
カバー側壁部の膨出形成により該側壁部と無端伝動部材
との接触を防止することが、特に有効になる。
【0020】請求項8記載の発明では、請求項7記載の
発明におけるカム軸又はカム側従動輪の少なくとも一方
には、該カム軸の角速度変動を減衰させるねじりダンパ
ーが設けられているものとする。このことで、ねじりダ
ンパーによりカム軸の角速度変動が減衰されるので、無
端伝動部材の弦振動を抑制でき、その分、フロントカバ
ー側壁部の膨出度合を小さくすることが可能になる。
発明におけるカム軸又はカム側従動輪の少なくとも一方
には、該カム軸の角速度変動を減衰させるねじりダンパ
ーが設けられているものとする。このことで、ねじりダ
ンパーによりカム軸の角速度変動が減衰されるので、無
端伝動部材の弦振動を抑制でき、その分、フロントカバ
ー側壁部の膨出度合を小さくすることが可能になる。
【0021】請求項9記載の発明では、請求項7記載の
発明において、無端伝動部材の駆動輪及び従動輪間のス
パンのうちの緩み側スパンを押圧して、上記無端伝動部
材の張力を調整するオートテンショナが設けられてい
る。このことで、オートテンショナにより無端伝動部材
の張力が常時調整され、該無端伝動部材の張力変動が抑
えられて弦振動が抑制されるので、その分、フロントカ
バー側壁部の膨出度合を小さくすることが可能になる。
発明において、無端伝動部材の駆動輪及び従動輪間のス
パンのうちの緩み側スパンを押圧して、上記無端伝動部
材の張力を調整するオートテンショナが設けられてい
る。このことで、オートテンショナにより無端伝動部材
の張力が常時調整され、該無端伝動部材の張力変動が抑
えられて弦振動が抑制されるので、その分、フロントカ
バー側壁部の膨出度合を小さくすることが可能になる。
【0022】また、請求項10記載の発明では、エンジ
ンのクランク軸方向一端側に、該エンジンの上部に配設
された動弁系カム軸上のカム側タイミングプーリと、補
機の入力軸上の補機側タイミングプーリとが隣り合わせ
て、かつエンジン下部に配設したクランク軸上のクラン
ク側タイミングプーリにタイミングベルトを介して駆動
連結されて配設され、少なくとも上記カム側及び補機側
タイミングプーリ並びにタイミングベルトがフロントカ
バー内に収容されているエンジンのフロントカバー構造
を前提とする。そして、上記クランク側及び補機側タイ
ミングプーリ間には、両プーリ間のタイミングベルトを
巻掛けるアイドラプーリが配設され、上記クランク側及
びカム側タイミングプーリ間には、両プーリ間のタイミ
ングベルトを押圧してベルト張力を調整するテンショナ
が配設され、上記カム側及び補機側タイミングプーリの
うちのカム側タイミングプーリのみに、タイミングベル
トのベルト幅方向への移動を規制する鍔部が設けられて
おり、上記フロントカバーは、上記カム側及び補機側タ
イミングプーリ間のタイミングベルト外周面に対向して
クランク軸方向に延びる側壁部を有し、該側壁部のう
ち、上記両タイミングプーリ間の中央位置に対し補機側
の補機側部分が、該中央位置に対しカム側のカム側部分
に比べて、静止状態のタイミングベルトから離れるよう
に外側に膨出している構成とする。
ンのクランク軸方向一端側に、該エンジンの上部に配設
された動弁系カム軸上のカム側タイミングプーリと、補
機の入力軸上の補機側タイミングプーリとが隣り合わせ
て、かつエンジン下部に配設したクランク軸上のクラン
ク側タイミングプーリにタイミングベルトを介して駆動
連結されて配設され、少なくとも上記カム側及び補機側
タイミングプーリ並びにタイミングベルトがフロントカ
バー内に収容されているエンジンのフロントカバー構造
を前提とする。そして、上記クランク側及び補機側タイ
ミングプーリ間には、両プーリ間のタイミングベルトを
巻掛けるアイドラプーリが配設され、上記クランク側及
びカム側タイミングプーリ間には、両プーリ間のタイミ
ングベルトを押圧してベルト張力を調整するテンショナ
が配設され、上記カム側及び補機側タイミングプーリの
うちのカム側タイミングプーリのみに、タイミングベル
トのベルト幅方向への移動を規制する鍔部が設けられて
おり、上記フロントカバーは、上記カム側及び補機側タ
イミングプーリ間のタイミングベルト外周面に対向して
クランク軸方向に延びる側壁部を有し、該側壁部のう
ち、上記両タイミングプーリ間の中央位置に対し補機側
の補機側部分が、該中央位置に対しカム側のカム側部分
に比べて、静止状態のタイミングベルトから離れるよう
に外側に膨出している構成とする。
【0023】この構成によれば、エンジン運転状態で、
タイミングベルトはクランク側タイミングプーリから順
にカム側タイミングプーリと補機側タイミングプーリと
を経て、上記クランク側タイミングプーリに回行し、こ
れにより、カム軸及び補機入力軸がクランク軸により回
転駆動される。その際、上記カム側タイミングプーリの
角速度変動に起因して、該カム側及び補機側タイミング
プーリ間のタイミングベルトに弦振動が生じるが、該タ
イミングベルトはカム側タイミングプーリから進出する
ところでプーリの鍔部との間の摺動摩擦抵抗によりベル
ト内周側への力を受けるので、この力の影響によって、
タイミングベルトの弦振動の最大振幅位置は上記2つの
タイミングプーリ間の中央位置よりも補機側にずれるこ
とになる。尚、カム側と補機側の各タイミングプーリの
角速度の位相差もタイミングベルトの減振動の要因にな
っている。
タイミングベルトはクランク側タイミングプーリから順
にカム側タイミングプーリと補機側タイミングプーリと
を経て、上記クランク側タイミングプーリに回行し、こ
れにより、カム軸及び補機入力軸がクランク軸により回
転駆動される。その際、上記カム側タイミングプーリの
角速度変動に起因して、該カム側及び補機側タイミング
プーリ間のタイミングベルトに弦振動が生じるが、該タ
イミングベルトはカム側タイミングプーリから進出する
ところでプーリの鍔部との間の摺動摩擦抵抗によりベル
ト内周側への力を受けるので、この力の影響によって、
タイミングベルトの弦振動の最大振幅位置は上記2つの
タイミングプーリ間の中央位置よりも補機側にずれるこ
とになる。尚、カム側と補機側の各タイミングプーリの
角速度の位相差もタイミングベルトの減振動の要因にな
っている。
【0024】これに対し、この発明では、請求項1記載
の発明と同様に、上記カム側及び補機側タイミングプー
リ間のタイミングベルト外周面に対向するフロントカバ
ーの側壁部を、上記両プーリ間の中央位置よりも補機側
に対応する補機側部分でカム側部分よりも膨出させてい
る。つまり、タイミングベルトの弦振動の最大振幅位置
に対応する部分の側壁部を最大に膨出させる形状とする
ことで、エンジンのコンパクト化を図りつつ、フロント
カバーと無端伝動部材との接触に起因する不具合を防止
できる。
の発明と同様に、上記カム側及び補機側タイミングプー
リ間のタイミングベルト外周面に対向するフロントカバ
ーの側壁部を、上記両プーリ間の中央位置よりも補機側
に対応する補機側部分でカム側部分よりも膨出させてい
る。つまり、タイミングベルトの弦振動の最大振幅位置
に対応する部分の側壁部を最大に膨出させる形状とする
ことで、エンジンのコンパクト化を図りつつ、フロント
カバーと無端伝動部材との接触に起因する不具合を防止
できる。
【0025】請求項11記載の発明では、請求項10記
載の発明におけるフロントカバーの側壁部は、カム側及
び補機側タイミングプーリのピッチ円に外接する接線と
カム側タイミングプーリとの接点に対応する部分から、
上記接線の中央位置に対応する中央部にかけて徐々に外
側に膨出するとともに、上記接線の中央位置から補機側
へかけての所定範囲に対応する部分が上記中央部と同じ
かより大きく外側に膨出している構成とする。このこと
で、フロントカバーの側壁部の望ましい膨出状態が具体
化される。
載の発明におけるフロントカバーの側壁部は、カム側及
び補機側タイミングプーリのピッチ円に外接する接線と
カム側タイミングプーリとの接点に対応する部分から、
上記接線の中央位置に対応する中央部にかけて徐々に外
側に膨出するとともに、上記接線の中央位置から補機側
へかけての所定範囲に対応する部分が上記中央部と同じ
かより大きく外側に膨出している構成とする。このこと
で、フロントカバーの側壁部の望ましい膨出状態が具体
化される。
【0026】請求項12記載の発明では、請求項11記
載の発明において、エンジンのクランク軸はシリンダブ
ロックに支持され、カム軸は上記シリンダブロック上方
のシリンダヘッドに支持されており、鍔部はカム側タイ
ミングプーリの幅方向両端部に設けられている構成とす
る。
載の発明において、エンジンのクランク軸はシリンダブ
ロックに支持され、カム軸は上記シリンダブロック上方
のシリンダヘッドに支持されており、鍔部はカム側タイ
ミングプーリの幅方向両端部に設けられている構成とす
る。
【0027】すなわち、一般に、シリンダヘッドとシリ
ンダブロックの間には組み付け誤差があるので、カム側
タイミングプーリとクランク側タイミングプーリとの間
にもクランク軸方向の位置ずれが生じている。これに対
し、この発明では、上記カム側タイミングプーリの幅方
向両側にに鍔部を設けて、タイミングベルトのベルト幅
方向への移動を規制し、走行中のタイミングベルトと各
タイミングプーリとのずれを効果的に抑制できる。ま
た、補機側タイミングプーリには鍔部を設けていないの
で、タイミングベルトの弦振動が相対的に大きくなる補
機側で、鍔部との摺接によるタイミングベルトの負荷増
大を防止できる。
ンダブロックの間には組み付け誤差があるので、カム側
タイミングプーリとクランク側タイミングプーリとの間
にもクランク軸方向の位置ずれが生じている。これに対
し、この発明では、上記カム側タイミングプーリの幅方
向両側にに鍔部を設けて、タイミングベルトのベルト幅
方向への移動を規制し、走行中のタイミングベルトと各
タイミングプーリとのずれを効果的に抑制できる。ま
た、補機側タイミングプーリには鍔部を設けていないの
で、タイミングベルトの弦振動が相対的に大きくなる補
機側で、鍔部との摺接によるタイミングベルトの負荷増
大を防止できる。
【0028】請求項13記載の発明では、請求項12記
載のエンジンは、各気筒毎に吸気弁及び排気弁が合計で
4つ以上設けられているものとする。このことで、請求
項6記載の発明と同様、フロントカバー側壁部の膨出形
成により該側壁部とタイミングベルトとの接触を防止す
ることが特に有効になる。
載のエンジンは、各気筒毎に吸気弁及び排気弁が合計で
4つ以上設けられているものとする。このことで、請求
項6記載の発明と同様、フロントカバー側壁部の膨出形
成により該側壁部とタイミングベルトとの接触を防止す
ることが特に有効になる。
【0029】請求項14記載の発明では、請求項10記
載の発明におけるテンショナは、オートテンショナとす
る。このことで、請求項9記載の発明と同様、オートテ
ンショナによりタイミングベルトの弦振動を抑制できる
ので、その分、フロントカバー側壁部の膨出度合を小さ
くすることが可能になる。
載の発明におけるテンショナは、オートテンショナとす
る。このことで、請求項9記載の発明と同様、オートテ
ンショナによりタイミングベルトの弦振動を抑制できる
ので、その分、フロントカバー側壁部の膨出度合を小さ
くすることが可能になる。
【0030】請求項15記載の発明では、請求項10又
は14に記載の発明において、カム軸又はカム側タイミ
ングプーリの少なくとも一方には、軸の角速度変動を減
衰させるねじりダンパーが設けられている構成とする。
このことで、請求項8記載の発明と同様、ねじりダンパ
によりタイミングベルトの弦振動を抑制できるので、そ
の分、フロントカバー側壁部の膨出度合を小さくするこ
とが可能になる。
は14に記載の発明において、カム軸又はカム側タイミ
ングプーリの少なくとも一方には、軸の角速度変動を減
衰させるねじりダンパーが設けられている構成とする。
このことで、請求項8記載の発明と同様、ねじりダンパ
によりタイミングベルトの弦振動を抑制できるので、そ
の分、フロントカバー側壁部の膨出度合を小さくするこ
とが可能になる。
【0031】請求項16記載の発明では、請求項10、
14又は15のいずれか一つに記載の発明における補機
は、入力軸の回転によりカム機構を介してプランジャを
往復動させて、燃料を吐出する燃料噴射ポンプとする。
14又は15のいずれか一つに記載の発明における補機
は、入力軸の回転によりカム機構を介してプランジャを
往復動させて、燃料を吐出する燃料噴射ポンプとする。
【0032】このことで、補機は入力軸の1回転あたり
の角速度変動が大きい燃料噴射ポンプに特定され、カム
側及び補機側タイミングプーリ間のタイミングベルト
は、カム軸の角速度変動に加えてポンプ入力軸の角速度
変動が作用して、より大きく弦振動することになる。し
たがって、このような構成において、フロントカバー側
壁部の膨出形成により該側壁部とタイミングベルトとの
接触を防止することが特に有効になる。
の角速度変動が大きい燃料噴射ポンプに特定され、カム
側及び補機側タイミングプーリ間のタイミングベルト
は、カム軸の角速度変動に加えてポンプ入力軸の角速度
変動が作用して、より大きく弦振動することになる。し
たがって、このような構成において、フロントカバー側
壁部の膨出形成により該側壁部とタイミングベルトとの
接触を防止することが特に有効になる。
【0033】さらに、請求項17記載の発明によれば、
エンジンのシリンダブロックにクランク軸が支持されて
いる一方、該シリンダブロック上方のシリンダヘッドに
動弁系カム軸が支持され、少なくとも該シリンダヘッド
にブラケットを介して燃料噴射ポンプが取り付けられて
おり、上記クランク軸方向一端側のエンジン前側に、上
記カム軸上のカム側タイミングプーリと、上記燃料噴射
ポンプの入力軸上のポンプ側タイミングプーリとが隣り
合わせて、かつ、上記クランク軸上のクランク側タイミ
ングプーリに駆動連結されて配設され、少なくとも上記
カム側及び補機側タイミングプーリ並びにタイミングベ
ルトがフロントカバー内に収容されているエンジンのフ
ロントカバー構造を前提とする。そして、上記カム側及
びポンプ側タイミングプーリのうちのカム側タイミング
プーリのみに、タイミングベルトのベルト幅方向の移動
を規制する鍔部が設けられており、上記ポンプ側及びク
ランク側タイミングプーリの間には、両プーリの回転軸
心を結ぶ平面に対しカム軸側に、タイミングベルト背面
を巻き掛けるアイドラプーリが設けられ、上記フロント
カバーは、上記シリンダブロック前面に重合された主壁
部と、該主壁部から上記タイミングベルトの外周面に対
向するようにクランク軸方向に延びる側壁部とを有する
金属製のプレート部材と、該プレート部材の側壁部に連
結された樹脂製のカバー部材とを備え、上記プレート部
材の側壁部は、少なくともポンプ側タイミングプーリの
下方の部分が該プーリの幅方向中央位置よりも前側まで
延びている構成とする。
エンジンのシリンダブロックにクランク軸が支持されて
いる一方、該シリンダブロック上方のシリンダヘッドに
動弁系カム軸が支持され、少なくとも該シリンダヘッド
にブラケットを介して燃料噴射ポンプが取り付けられて
おり、上記クランク軸方向一端側のエンジン前側に、上
記カム軸上のカム側タイミングプーリと、上記燃料噴射
ポンプの入力軸上のポンプ側タイミングプーリとが隣り
合わせて、かつ、上記クランク軸上のクランク側タイミ
ングプーリに駆動連結されて配設され、少なくとも上記
カム側及び補機側タイミングプーリ並びにタイミングベ
ルトがフロントカバー内に収容されているエンジンのフ
ロントカバー構造を前提とする。そして、上記カム側及
びポンプ側タイミングプーリのうちのカム側タイミング
プーリのみに、タイミングベルトのベルト幅方向の移動
を規制する鍔部が設けられており、上記ポンプ側及びク
ランク側タイミングプーリの間には、両プーリの回転軸
心を結ぶ平面に対しカム軸側に、タイミングベルト背面
を巻き掛けるアイドラプーリが設けられ、上記フロント
カバーは、上記シリンダブロック前面に重合された主壁
部と、該主壁部から上記タイミングベルトの外周面に対
向するようにクランク軸方向に延びる側壁部とを有する
金属製のプレート部材と、該プレート部材の側壁部に連
結された樹脂製のカバー部材とを備え、上記プレート部
材の側壁部は、少なくともポンプ側タイミングプーリの
下方の部分が該プーリの幅方向中央位置よりも前側まで
延びている構成とする。
【0034】この構成によれば、カム側及びポンプ側タ
イミングプーリのうち、ポンプ側タイミングプーリには
鍔部を設けず、その分、小径のものとしている。しか
も、ポンプ側及びクランク側タイミングプーリ間のタイ
ミングベルトは、アイドラプーリにより向きを変えられ
て、少なくとも上記ポンプ側及びクランク側タイミング
プーリの回転軸心を結ぶ平面に対しカム軸側まで、ベル
ト内周側に移動したレイアウトとされている。このこと
で、ポンプ側タイミングプーリの下方に補機配置スペー
スが十分に確保される。
イミングプーリのうち、ポンプ側タイミングプーリには
鍔部を設けず、その分、小径のものとしている。しか
も、ポンプ側及びクランク側タイミングプーリ間のタイ
ミングベルトは、アイドラプーリにより向きを変えられ
て、少なくとも上記ポンプ側及びクランク側タイミング
プーリの回転軸心を結ぶ平面に対しカム軸側まで、ベル
ト内周側に移動したレイアウトとされている。このこと
で、ポンプ側タイミングプーリの下方に補機配置スペー
スが十分に確保される。
【0035】また、上記各タイミングプーリ及びタイミ
ングベルト等を収容するフロントカバーとして、シリン
ダブロックに取り付けられた金属製のプレート部材と、
該プレート部材に連結された樹脂製のカバー部材とを備
える構成としているので、該カバー部材を取り外すだけ
でタイミングベルトやタイミングプーリを容易に点検で
きる。
ングベルト等を収容するフロントカバーとして、シリン
ダブロックに取り付けられた金属製のプレート部材と、
該プレート部材に連結された樹脂製のカバー部材とを備
える構成としているので、該カバー部材を取り外すだけ
でタイミングベルトやタイミングプーリを容易に点検で
きる。
【0036】さらに、上記プレート部材の側壁部はポン
プ側タイミングプーリの下方で該プーリの幅方向中央位
置よりも前側まで延びており、このことで、上記ポンプ
側タイミングプーリ下方のフロントカバー側壁部は上記
プレート部材の側壁部により構成されることになる。す
なわち、上記プレート部材はシリンダヘッドに直接取り
付けられていて、該シリンダヘッドに対する位置精度が
カバー部材に比べて高いので、側壁部とポンプ側タイミ
ングプーリとの間のクリアランスを相対的に小さく設定
でき、しかも、金属製のプレート部材は樹脂製のカバー
部材よりも薄く形成できる。よって、燃料噴射ポンプ及
び補機を可及的に近接配置できる。
プ側タイミングプーリの下方で該プーリの幅方向中央位
置よりも前側まで延びており、このことで、上記ポンプ
側タイミングプーリ下方のフロントカバー側壁部は上記
プレート部材の側壁部により構成されることになる。す
なわち、上記プレート部材はシリンダヘッドに直接取り
付けられていて、該シリンダヘッドに対する位置精度が
カバー部材に比べて高いので、側壁部とポンプ側タイミ
ングプーリとの間のクリアランスを相対的に小さく設定
でき、しかも、金属製のプレート部材は樹脂製のカバー
部材よりも薄く形成できる。よって、燃料噴射ポンプ及
び補機を可及的に近接配置できる。
【0037】請求項18記載の発明では、請求項17記
載の発明におけるプレート部材の側壁部は、カム側タイ
ミングプーリの上方を囲む部分からポンプ側タイミング
プーリ上方に至るタイミングベルトの被点検部分に対応
する点検対応部において、上記カム側タイミングプーリ
の幅方向中央位置よりも後側に位置するように形成され
ており、カバー部材の少なくとも上記点検対応部に連結
される部分には、クランク軸方向に延びるカバー側側壁
部が形成されているものとする。
載の発明におけるプレート部材の側壁部は、カム側タイ
ミングプーリの上方を囲む部分からポンプ側タイミング
プーリ上方に至るタイミングベルトの被点検部分に対応
する点検対応部において、上記カム側タイミングプーリ
の幅方向中央位置よりも後側に位置するように形成され
ており、カバー部材の少なくとも上記点検対応部に連結
される部分には、クランク軸方向に延びるカバー側側壁
部が形成されているものとする。
【0038】このことで、カバー部材を取り外せば、カ
ム側タイミングプーリに巻掛けられた部分からポンプ側
タイミングプーリに至るタイミングベルトの被点検部分
が露出するので、その被点検部分を押圧して張り具合を
容易に点検できる。
ム側タイミングプーリに巻掛けられた部分からポンプ側
タイミングプーリに至るタイミングベルトの被点検部分
が露出するので、その被点検部分を押圧して張り具合を
容易に点検できる。
【0039】請求項19記載の発明では、請求項18記
載の発明におけるカバー部材には、クランク軸が挿通す
る貫通孔が形成され、該カバー部材よりも前側のクラン
ク軸に補機駆動用プーリが設けられており、燃料噴射ポ
ンプの下方には、前側に突出する入力軸上に従動プーリ
を有する第1補機が配設されていて、該従動プーリは上
記補機駆動用プーリにベルトにより駆動連結されてい
る。そして、上記第1補機は略円筒状のケーシングを有
し、該ケーシングの外径寸法は後側よりも前側が小さく
されているものとする。
載の発明におけるカバー部材には、クランク軸が挿通す
る貫通孔が形成され、該カバー部材よりも前側のクラン
ク軸に補機駆動用プーリが設けられており、燃料噴射ポ
ンプの下方には、前側に突出する入力軸上に従動プーリ
を有する第1補機が配設されていて、該従動プーリは上
記補機駆動用プーリにベルトにより駆動連結されてい
る。そして、上記第1補機は略円筒状のケーシングを有
し、該ケーシングの外径寸法は後側よりも前側が小さく
されているものとする。
【0040】このことで、燃料噴射ポンプ下方に配置さ
れた第1補機のケーシング外径寸法は、フロントカバー
の下方に位置する前側部分が後ろ側部分よりも小さくさ
れているので、第1補機を燃料噴射ポンプに対し可及的
に近接配置していても、上記ケーシングとフロントカバ
ーとの間のクリアランスを確保できる。
れた第1補機のケーシング外径寸法は、フロントカバー
の下方に位置する前側部分が後ろ側部分よりも小さくさ
れているので、第1補機を燃料噴射ポンプに対し可及的
に近接配置していても、上記ケーシングとフロントカバ
ーとの間のクリアランスを確保できる。
【0041】請求項20記載の発明では、請求項19記
載の発明におけるエンジンは、クランク軸を車両の左右
方向に向けて横置き搭載されていて、カム軸はシリンダ
中心線よりも車両後側に位置する一方、燃料噴射ポンプ
は上記シリンダ中心線よりも車両前側に位置し、かつポ
ンプ入力軸が上記カム軸よりも低い位置にあり、上記エ
ンジンの第1補機の下方には、上記クランク軸により駆
動される第2補機が配設されており、カム側及びポンプ
側タイミングプーリの上方のフロントカバーは、車両の
ボンネットフード内面に沿うように車両後側から車両前
側に徐々に低くなる形状とされている構成とする。
載の発明におけるエンジンは、クランク軸を車両の左右
方向に向けて横置き搭載されていて、カム軸はシリンダ
中心線よりも車両後側に位置する一方、燃料噴射ポンプ
は上記シリンダ中心線よりも車両前側に位置し、かつポ
ンプ入力軸が上記カム軸よりも低い位置にあり、上記エ
ンジンの第1補機の下方には、上記クランク軸により駆
動される第2補機が配設されており、カム側及びポンプ
側タイミングプーリの上方のフロントカバーは、車両の
ボンネットフード内面に沿うように車両後側から車両前
側に徐々に低くなる形状とされている構成とする。
【0042】すなわち、一般に、エンジン上方のボンネ
ットフードは、車両の空力特性向上のために車両前側か
ら車両後側に向かって徐々に高くなる形状とされてい
る。これに対し、この発明では、カム軸を車両後側に、
また、燃料噴射ポンプを車両前側に位置づけ、かつポン
プ入力軸をカム軸よりも低く配置するとともに、このカ
ム軸及びポンプ入力軸の配置に対応して、カム側及びポ
ンプ側タイミングプーリの上方のフロントカバーを上記
ボンネットフード内面に沿うような形状とし、さらに、
上記燃料噴射ポンプの下方に第1及び第2補機を上下に
並べて配置している。つまり、燃料噴射ポンプを車両の
ボンネットフードに沿うように最大限にエンジン上方位
置に配置し、その下方に確保したスペースに上下に2つ
の補機を配置することで、エンジンルーム空間を最大限
に有効利用している。
ットフードは、車両の空力特性向上のために車両前側か
ら車両後側に向かって徐々に高くなる形状とされてい
る。これに対し、この発明では、カム軸を車両後側に、
また、燃料噴射ポンプを車両前側に位置づけ、かつポン
プ入力軸をカム軸よりも低く配置するとともに、このカ
ム軸及びポンプ入力軸の配置に対応して、カム側及びポ
ンプ側タイミングプーリの上方のフロントカバーを上記
ボンネットフード内面に沿うような形状とし、さらに、
上記燃料噴射ポンプの下方に第1及び第2補機を上下に
並べて配置している。つまり、燃料噴射ポンプを車両の
ボンネットフードに沿うように最大限にエンジン上方位
置に配置し、その下方に確保したスペースに上下に2つ
の補機を配置することで、エンジンルーム空間を最大限
に有効利用している。
【0043】請求項21記載の発明では、請求項17〜
20のいずれか1つに記載の発明におけるプレート部材
には、シリンダブロック又は該シリンダブロックに固設
した補機のいずれか一方に締結される第1締結部と、カ
ム側タイミングプーリの近傍でシリンダヘッド又はシリ
ンダヘッドカバーのいずれか一方にラバーマウントを介
して締結される第2締結部と、燃料噴射ポンプのブラケ
ットにラバーマウントを介して締結される第3締結部と
が設けられているものとする。
20のいずれか1つに記載の発明におけるプレート部材
には、シリンダブロック又は該シリンダブロックに固設
した補機のいずれか一方に締結される第1締結部と、カ
ム側タイミングプーリの近傍でシリンダヘッド又はシリ
ンダヘッドカバーのいずれか一方にラバーマウントを介
して締結される第2締結部と、燃料噴射ポンプのブラケ
ットにラバーマウントを介して締結される第3締結部と
が設けられているものとする。
【0044】このことで、プレート部材は第1締結部に
おいてシリンダブロック又は該シリンダブロックに固設
した補機に締結されるので、プレート部材のシリンダブ
ロックに対する位置精度は極めて高くなる。しかも、プ
レート部材をシリンダブロックに直接重ね合わせるよう
にすれば、それらの間のクリアランスを最小限にでき
る。
おいてシリンダブロック又は該シリンダブロックに固設
した補機に締結されるので、プレート部材のシリンダブ
ロックに対する位置精度は極めて高くなる。しかも、プ
レート部材をシリンダブロックに直接重ね合わせるよう
にすれば、それらの間のクリアランスを最小限にでき
る。
【0045】また、上記プレート部材は、シリンダヘッ
ド又はシリンダヘッドカバー並びに燃料噴射ポンプのブ
ラケットに対しそれぞれラバーマウントを介して締結さ
れており、上記シリンダブロックに対するシリンダヘッ
ド及びブラケットの組み付け誤差がラバーマウントによ
り吸収されるので、プレート部材をシリンダヘッド側に
取付けた状態で、その歪みを低減できる。さらに、各締
結部を介してプレート部材に伝わるエンジンの振動は上
記第1及び第2締結部においてラバーマウントにより減
衰されるので、上記プレート部材の膜振動を減衰させ
て、騒音の低減化が図られる。
ド又はシリンダヘッドカバー並びに燃料噴射ポンプのブ
ラケットに対しそれぞれラバーマウントを介して締結さ
れており、上記シリンダブロックに対するシリンダヘッ
ド及びブラケットの組み付け誤差がラバーマウントによ
り吸収されるので、プレート部材をシリンダヘッド側に
取付けた状態で、その歪みを低減できる。さらに、各締
結部を介してプレート部材に伝わるエンジンの振動は上
記第1及び第2締結部においてラバーマウントにより減
衰されるので、上記プレート部材の膜振動を減衰させ
て、騒音の低減化が図られる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
基いて説明する。
【0047】(エンジンの全体構成)図2及び図3は、
本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンEの外観を
示す。このエンジンEは、図6にも示すように、シリン
ダブロック1の上面にシリンダヘッド2が取り付けられ
て一体とされ、その内部に、上記シリンダブロック1に
支持されたクランク軸3の延びる前後方向(図3の上下
方向)に沿って、図示しない4つのシリンダ(気筒)が
形成された直列4気筒エンジンである。また、上記エン
ジンEは、クランク軸3が図示しない車両の左右方向に
延びるように横置き搭載されるものである。
本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンEの外観を
示す。このエンジンEは、図6にも示すように、シリン
ダブロック1の上面にシリンダヘッド2が取り付けられ
て一体とされ、その内部に、上記シリンダブロック1に
支持されたクランク軸3の延びる前後方向(図3の上下
方向)に沿って、図示しない4つのシリンダ(気筒)が
形成された直列4気筒エンジンである。また、上記エン
ジンEは、クランク軸3が図示しない車両の左右方向に
延びるように横置き搭載されるものである。
【0048】尚、この明細書では、説明の便宜のために
上記シリンダブロック1の長手方向、即ちクランク軸3
の延びる方向をエンジンEの前後方向とし、図3におけ
る下側をエンジンEの前側と呼び、反対側(図3の上
側)をエンジンEの後側と呼ぶ。また、上記エンジンE
の前後方向に直交する左右方向(図2及び図3における
左右方向)において、上記エンジンEの前側を向いて右
側(図2及び図3における左側)をエンジンEの右側と
呼び、反対側(図2及び図3の右側)をエンジンEの左
側と呼ぶこととする。
上記シリンダブロック1の長手方向、即ちクランク軸3
の延びる方向をエンジンEの前後方向とし、図3におけ
る下側をエンジンEの前側と呼び、反対側(図3の上
側)をエンジンEの後側と呼ぶ。また、上記エンジンE
の前後方向に直交する左右方向(図2及び図3における
左右方向)において、上記エンジンEの前側を向いて右
側(図2及び図3における左側)をエンジンEの右側と
呼び、反対側(図2及び図3の右側)をエンジンEの左
側と呼ぶこととする。
【0049】上記エンジンEの前端には、クランク軸3
の回転に同期してカム軸4(図4参照)や燃料噴射ポン
プ5(図7参照)等を駆動する後述のベルト伝動機構A
(図1参照)が配設されており、該ベルト伝動機構A
は、図2に示すように、シリンダブロック1の前端面に
重合されて配設された鋼板製のシールプレート(プレー
ト部材)6と、該シールプレート6に締結されたアッパ
ーカバー7及びロアカバー8からなる樹脂製のベルトカ
バー(カバー部材)とを備えたフロントカバーC内に収
容されている。また、上記クランク軸3の前端部にはV
プーリ9が取り付けられ、このVプーリ9と、オルタネ
ータ(第1補機)10の入力軸に設けたVプーリ10a
と、図示しない空調装置用コンプレッサ(第2補機)の
入力軸に設けたVプーリ11とが2本のVベルト12
(1本のみ図示する)により駆動連結されている。さら
に、上記シリンダブロック1の前端面には、図示しない
エンジンマウントに連結される連結部材13が4本のボ
ルト14,14,…により取り付けられている。
の回転に同期してカム軸4(図4参照)や燃料噴射ポン
プ5(図7参照)等を駆動する後述のベルト伝動機構A
(図1参照)が配設されており、該ベルト伝動機構A
は、図2に示すように、シリンダブロック1の前端面に
重合されて配設された鋼板製のシールプレート(プレー
ト部材)6と、該シールプレート6に締結されたアッパ
ーカバー7及びロアカバー8からなる樹脂製のベルトカ
バー(カバー部材)とを備えたフロントカバーC内に収
容されている。また、上記クランク軸3の前端部にはV
プーリ9が取り付けられ、このVプーリ9と、オルタネ
ータ(第1補機)10の入力軸に設けたVプーリ10a
と、図示しない空調装置用コンプレッサ(第2補機)の
入力軸に設けたVプーリ11とが2本のVベルト12
(1本のみ図示する)により駆動連結されている。さら
に、上記シリンダブロック1の前端面には、図示しない
エンジンマウントに連結される連結部材13が4本のボ
ルト14,14,…により取り付けられている。
【0050】また、上記シリンダヘッド2の上面には、
図3に示すようにシリンダヘッドカバー18が設けら
れ、さらに、該シリンダヘッドカバー18の一部と、燃
料噴射ポンプ5及び該燃料噴射ポンプ5からの燃料供給
管19とを覆う樹脂製の遮音カバー20が設けられてい
る。この遮音カバー20は、図2に示すように、フロン
トカバーCの上方も覆うものであり、車両のボンネット
ラインBに沿うように車両後側から車両前側に向かって
徐々に低くなっている。
図3に示すようにシリンダヘッドカバー18が設けら
れ、さらに、該シリンダヘッドカバー18の一部と、燃
料噴射ポンプ5及び該燃料噴射ポンプ5からの燃料供給
管19とを覆う樹脂製の遮音カバー20が設けられてい
る。この遮音カバー20は、図2に示すように、フロン
トカバーCの上方も覆うものであり、車両のボンネット
ラインBに沿うように車両後側から車両前側に向かって
徐々に低くなっている。
【0051】尚、上記図2において、22はシリンダブ
ロック1の下面に取り付けられたオイルパン、23はタ
ーボ過給機、24はオイルフィルタであり、25は一端
(図の左端)がシリンダヘッド2に接続される一方、他
端が図示しないラジエータに接続されるウオータアウト
レットホースである。また、上記図3において、26は
カム軸4により駆動されるバキュームポンプである。
ロック1の下面に取り付けられたオイルパン、23はタ
ーボ過給機、24はオイルフィルタであり、25は一端
(図の左端)がシリンダヘッド2に接続される一方、他
端が図示しないラジエータに接続されるウオータアウト
レットホースである。また、上記図3において、26は
カム軸4により駆動されるバキュームポンプである。
【0052】(シリンダヘッドの構成)上記エンジンE
は、いわゆるSOHC( Single Over Head Cam )型エ
ンジンであり、図示しないが、リンダヘッド2の左右方
向中央部よりも左側に偏位した位置において、4つのシ
リンダが前後方向に所定間隔で配置されている。一方、
図4及び図5に示すように、上記シリンダヘッド2の右
側(両図の左側)に偏位した位置、即ちエンジンEの車
載状態で上記シリンダの中心線よりも車両後側の位置に
は、カム軸4が前後方向に延びるように、かつ軸心位置
がシリンダヘッド上面と略同一高さになるように配置さ
れていて、互いに所定間隔を空けて配置された6つの軸
受部28,28,…により回動自在に支持されている。
は、いわゆるSOHC( Single Over Head Cam )型エ
ンジンであり、図示しないが、リンダヘッド2の左右方
向中央部よりも左側に偏位した位置において、4つのシ
リンダが前後方向に所定間隔で配置されている。一方、
図4及び図5に示すように、上記シリンダヘッド2の右
側(両図の左側)に偏位した位置、即ちエンジンEの車
載状態で上記シリンダの中心線よりも車両後側の位置に
は、カム軸4が前後方向に延びるように、かつ軸心位置
がシリンダヘッド上面と略同一高さになるように配置さ
れていて、互いに所定間隔を空けて配置された6つの軸
受部28,28,…により回動自在に支持されている。
【0053】上記シリンダヘッド2は、各シリンダを周
方向等間隔に4カ所で囲むように配置されたヘッドボル
ト29,29,…によりシリンダブロック1に締結され
ており、上記各シリンダ中心線に対応する位置には、噴
射ノズル30,30,…がそれぞれ噴孔を燃焼室に直接
臨ませて、かつ上記シリンダ中心線に沿って延びるよう
に配設されている。また、該噴射ノズル30,30,…
をそれぞれ取り囲むように、各シリンダ毎に2つの吸気
バルブ31,31及び2つの排気バルブ32,32が配
設されている。そして、上記吸気バルブ及び排気バルブ
31,32,…は、それぞれ、カム軸4に設けられた吸
気用カム4a,4a,…及び排気用カム4b,4b,…
により、ロッカーアーム33,33,…を介して開閉さ
れるようになっている。
方向等間隔に4カ所で囲むように配置されたヘッドボル
ト29,29,…によりシリンダブロック1に締結され
ており、上記各シリンダ中心線に対応する位置には、噴
射ノズル30,30,…がそれぞれ噴孔を燃焼室に直接
臨ませて、かつ上記シリンダ中心線に沿って延びるよう
に配設されている。また、該噴射ノズル30,30,…
をそれぞれ取り囲むように、各シリンダ毎に2つの吸気
バルブ31,31及び2つの排気バルブ32,32が配
設されている。そして、上記吸気バルブ及び排気バルブ
31,32,…は、それぞれ、カム軸4に設けられた吸
気用カム4a,4a,…及び排気用カム4b,4b,…
により、ロッカーアーム33,33,…を介して開閉さ
れるようになっている。
【0054】詳しくは、上記図5のみに示すように、排
気用ロッカーアーム33は、それぞれ、カム軸4の斜め
上方に平行に支持されたロッカーシャフト34に揺動可
能に支持されていて、一端部に設けられたカムローラ3
3aを介してカム軸4の排気用カム4bに摺接する一
方、他端部に設けられた押接ボルト33bを介して略T
字形状の押接部材35に当接している。一方、上記カム
軸4の前端部には、図1に示すようにカムプーリ(カム
側タイミングプーリ、カム側従動輪)36が取り付けら
れていて、このカムプーリ36と、クランク軸3の前端
側に取り付けたクランクプーリ(クランク側タイミング
プーリ、駆動輪)37と、燃料噴射ポンプ5の入力軸5
aに取り付けたポンププーリ(ポンプ側タイミングプー
リ、ポンプ側従動輪)38とが、内周側に歯部を有する
タイミングベルト39により駆動連結されて、ベルト伝
動機構Aが構成されている。
気用ロッカーアーム33は、それぞれ、カム軸4の斜め
上方に平行に支持されたロッカーシャフト34に揺動可
能に支持されていて、一端部に設けられたカムローラ3
3aを介してカム軸4の排気用カム4bに摺接する一
方、他端部に設けられた押接ボルト33bを介して略T
字形状の押接部材35に当接している。一方、上記カム
軸4の前端部には、図1に示すようにカムプーリ(カム
側タイミングプーリ、カム側従動輪)36が取り付けら
れていて、このカムプーリ36と、クランク軸3の前端
側に取り付けたクランクプーリ(クランク側タイミング
プーリ、駆動輪)37と、燃料噴射ポンプ5の入力軸5
aに取り付けたポンププーリ(ポンプ側タイミングプー
リ、ポンプ側従動輪)38とが、内周側に歯部を有する
タイミングベルト39により駆動連結されて、ベルト伝
動機構Aが構成されている。
【0055】そして、上記クランク軸3の回転に同期し
てカム軸4が回転されると、排気用カム4b,4b,…
により排気用ロッカーアーム33,33,…が各シリン
ダ毎に所定のタイミングで揺動され、押接ボルト33b
が押接部材35を押し下げることで、2つの排気バルブ
32,32がクランク軸3の回転に同期して開閉作動さ
れる。また、詳しくは示さないが、吸気バルブ31,3
1,…も上記排気バルブ32,32,…と同様に開閉作
動される。このように、1本のカム軸4によりロッカー
アーム33,33,…を介して多数のバルブを開閉作動
させる構成なので、このエンジンEでは上記カム軸4へ
のバルブ反力が大きくなり、これに伴いカム軸4の角速
度変動も極めて大きくなる。
てカム軸4が回転されると、排気用カム4b,4b,…
により排気用ロッカーアーム33,33,…が各シリン
ダ毎に所定のタイミングで揺動され、押接ボルト33b
が押接部材35を押し下げることで、2つの排気バルブ
32,32がクランク軸3の回転に同期して開閉作動さ
れる。また、詳しくは示さないが、吸気バルブ31,3
1,…も上記排気バルブ32,32,…と同様に開閉作
動される。このように、1本のカム軸4によりロッカー
アーム33,33,…を介して多数のバルブを開閉作動
させる構成なので、このエンジンEでは上記カム軸4へ
のバルブ反力が大きくなり、これに伴いカム軸4の角速
度変動も極めて大きくなる。
【0056】(燃料噴射ポンプの取付け構造)上記燃料
噴射ポンプ5は、図6及び図7に示すように、エンジン
Eの左側、即ち車載状態でシリンダ中心線よりも車両前
側において、エンジン左右方向から見て少なくとも一部
分がシリンダヘッド2に重なるように配置され、シリン
ダブロック1及びシリンダヘッド2に跨って取り付けら
れたブラケット41によりエンジン側に固定されてい
る。
噴射ポンプ5は、図6及び図7に示すように、エンジン
Eの左側、即ち車載状態でシリンダ中心線よりも車両前
側において、エンジン左右方向から見て少なくとも一部
分がシリンダヘッド2に重なるように配置され、シリン
ダブロック1及びシリンダヘッド2に跨って取り付けら
れたブラケット41によりエンジン側に固定されてい
る。
【0057】すなわち、上記ブラケット41は、上記シ
リンダブロック1及びシリンダヘッド2の左側面に沿っ
て後方に延びるフランジ部42が4本のボルト43,4
3,…によりシリンダブロック1の左側面に締結され、
かつ1本のボルト44によりシリンダヘッド2の左側面
に締結されており、また、該フランジ部42の前端部か
らシリンダブロック1の前端面に沿って延びる連結部4
2aが、エンジンマウントの連結部材13と共にボルト
14によりシリンダブロック1前端面に締結されてい
る。さらに、上記ブラケット41には、フランジ部42
の前端部からシリンダブロック1前端面と略同一平面内
で反対側に延びる取付けフランジ部46が一体的に形成
されている。
リンダブロック1及びシリンダヘッド2の左側面に沿っ
て後方に延びるフランジ部42が4本のボルト43,4
3,…によりシリンダブロック1の左側面に締結され、
かつ1本のボルト44によりシリンダヘッド2の左側面
に締結されており、また、該フランジ部42の前端部か
らシリンダブロック1の前端面に沿って延びる連結部4
2aが、エンジンマウントの連結部材13と共にボルト
14によりシリンダブロック1前端面に締結されてい
る。さらに、上記ブラケット41には、フランジ部42
の前端部からシリンダブロック1前端面と略同一平面内
で反対側に延びる取付けフランジ部46が一体的に形成
されている。
【0058】そして、上記燃料噴射ポンプ5は、入力軸
5aが上記取付けフランジ部46の孔部46aを貫通
し、かつ該入力軸5aの軸心位置がちょうどシリンダブ
ロック1及びシリンダヘッド2の合わせ面の高さになる
ように、上記取付けフランジ部46にボルトにより取り
付けられている。この燃料噴射ポンプ5は、図示しない
が、1つのプランジャの作動により各シリンダ毎の噴射
ノズル30に個別に燃料を供給する分配型のもので、4
つのカム山によりそれぞれプランジャを往復動させるカ
ム機構と、該プランジャからの燃料を分配して、燃料供
給管19,19,…により噴射ノズル30,30,…に
個別に送給する分配器とを備えている。そして、上記入
力軸5aはクランク軸3の回転に同期して回転され、そ
の1回転する間に各シリンダ毎の所定の燃料噴射タイミ
ングで合計4回プランジャが作動されて、送給される燃
料の圧力によって噴射ノズル30,30,…が開き、各
燃焼室に高圧の燃料が直接噴射される。上記燃料噴射ポ
ンプ5の吐出圧力は例えば70MPa以上と極めて高く
設定されているので、プランジャを作動させるための入
力軸5aの回転トルク変動が大きくなり、これに伴い、
ポンププーリ38の角速度変動は極めて大きくなる。
5aが上記取付けフランジ部46の孔部46aを貫通
し、かつ該入力軸5aの軸心位置がちょうどシリンダブ
ロック1及びシリンダヘッド2の合わせ面の高さになる
ように、上記取付けフランジ部46にボルトにより取り
付けられている。この燃料噴射ポンプ5は、図示しない
が、1つのプランジャの作動により各シリンダ毎の噴射
ノズル30に個別に燃料を供給する分配型のもので、4
つのカム山によりそれぞれプランジャを往復動させるカ
ム機構と、該プランジャからの燃料を分配して、燃料供
給管19,19,…により噴射ノズル30,30,…に
個別に送給する分配器とを備えている。そして、上記入
力軸5aはクランク軸3の回転に同期して回転され、そ
の1回転する間に各シリンダ毎の所定の燃料噴射タイミ
ングで合計4回プランジャが作動されて、送給される燃
料の圧力によって噴射ノズル30,30,…が開き、各
燃焼室に高圧の燃料が直接噴射される。上記燃料噴射ポ
ンプ5の吐出圧力は例えば70MPa以上と極めて高く
設定されているので、プランジャを作動させるための入
力軸5aの回転トルク変動が大きくなり、これに伴い、
ポンププーリ38の角速度変動は極めて大きくなる。
【0059】(ベルト伝動機構の構成)上記ベルト伝動
機構Aにおいて、図1に示すように、タイミングベルト
39はカムプーリ36、クランクプーリ37及びポンプ
プーリ38の他、ウオータポンプ(図示せず)を駆動す
るウオータポンププーリ53に巻掛けられるとともに、
オートテンショナ51のテンショナプーリ54及びアイ
ドラプーリ55によりベルト内周側に指向されたレイア
ウトとされている。そして、クランク軸3が同図におけ
る時計回り方向に回転すると、上記カムプーリ36、ク
ランクプーリ37、ポンププーリ38、及びウオータポ
ンププーリ53が時計回り方向に回転され、同時に、上
記テンショナプーリ54及びアイドラプーリ55が反時
計回り方向に回転される。
機構Aにおいて、図1に示すように、タイミングベルト
39はカムプーリ36、クランクプーリ37及びポンプ
プーリ38の他、ウオータポンプ(図示せず)を駆動す
るウオータポンププーリ53に巻掛けられるとともに、
オートテンショナ51のテンショナプーリ54及びアイ
ドラプーリ55によりベルト内周側に指向されたレイア
ウトとされている。そして、クランク軸3が同図におけ
る時計回り方向に回転すると、上記カムプーリ36、ク
ランクプーリ37、ポンププーリ38、及びウオータポ
ンププーリ53が時計回り方向に回転され、同時に、上
記テンショナプーリ54及びアイドラプーリ55が反時
計回り方向に回転される。
【0060】上記カムプーリ36は、張力が相対的に小
さい緩み側スパン(図1の左側)のタイミングベルト3
9が進入するように配置されており、該緩み側スパンの
途中にウオータポンププーリ38及びテンショナプーリ
54が配置されている。また、上記カムプーリ36は、
ピッチ円の直径がクランクプーリ37の2倍の長さとさ
れ、図8及び図9に示すように、内周側で回転軸の軸線
x1が延びる方向に突出した円筒状のボス部36aが設
けられる一方、外周側には、タイミングベルト39の歯
部と噛み合う歯部が全周に亘って形成されている。
さい緩み側スパン(図1の左側)のタイミングベルト3
9が進入するように配置されており、該緩み側スパンの
途中にウオータポンププーリ38及びテンショナプーリ
54が配置されている。また、上記カムプーリ36は、
ピッチ円の直径がクランクプーリ37の2倍の長さとさ
れ、図8及び図9に示すように、内周側で回転軸の軸線
x1が延びる方向に突出した円筒状のボス部36aが設
けられる一方、外周側には、タイミングベルト39の歯
部と噛み合う歯部が全周に亘って形成されている。
【0061】さらに、上記カムプーリ36の外周側に
は、軸線x1方向の両端部にそれぞれ鍔部36b,36
bが設けられ、タイミングベルト39のベルト幅方向へ
の移動が規制されている。すなわち、一般に、シリンダ
ヘッド2とシリンダブロック1の間には組み付け誤差に
よりエンジン前後方向の位置ずれがあるので、カムプー
リ36とクランクプーリ37との間にも位置ずれが生じ
ている。そこで、上記カムプーリ36に鍔部36b、3
6bを設けるとともに、クランクプーリ37にも同様の
鍔部を設けることで、エンジンEの上下方向に互いに離
れた2カ所でタイミングベルト39のベルト幅方向の移
動を規制し、このことにより、走行中のタイミングベル
ト39の各プーリ36,37、38からのずれを効果的
に抑制できるようになっている。
は、軸線x1方向の両端部にそれぞれ鍔部36b,36
bが設けられ、タイミングベルト39のベルト幅方向へ
の移動が規制されている。すなわち、一般に、シリンダ
ヘッド2とシリンダブロック1の間には組み付け誤差に
よりエンジン前後方向の位置ずれがあるので、カムプー
リ36とクランクプーリ37との間にも位置ずれが生じ
ている。そこで、上記カムプーリ36に鍔部36b、3
6bを設けるとともに、クランクプーリ37にも同様の
鍔部を設けることで、エンジンEの上下方向に互いに離
れた2カ所でタイミングベルト39のベルト幅方向の移
動を規制し、このことにより、走行中のタイミングベル
ト39の各プーリ36,37、38からのずれを効果的
に抑制できるようになっている。
【0062】また、上記カムプーリ36のボス部36a
には、先端側から環状のねじりダンパ50が外嵌合状態
で圧入されていて、カムプーリ36及びねじりダンパ5
0が一体回転するようになっている。このねじりダンパ
50は、外周側のマス部材50aと内周側のスリーブ5
0bとその間の制震ゴム50cとを一体的に加硫接着し
たもので、マス部材50aの重量及び制震ゴム50cの
振動吸収特性の設定により所要の減衰特性が得られるも
のである。例えば、上記ねじりダンパ50の重量はカム
プーリ36の単体としての重量と略同一にすればよい。
には、先端側から環状のねじりダンパ50が外嵌合状態
で圧入されていて、カムプーリ36及びねじりダンパ5
0が一体回転するようになっている。このねじりダンパ
50は、外周側のマス部材50aと内周側のスリーブ5
0bとその間の制震ゴム50cとを一体的に加硫接着し
たもので、マス部材50aの重量及び制震ゴム50cの
振動吸収特性の設定により所要の減衰特性が得られるも
のである。例えば、上記ねじりダンパ50の重量はカム
プーリ36の単体としての重量と略同一にすればよい。
【0063】尚、上記カムプーリ36には、軸線x1方
向に貫通する2つの貫通孔36c,36cが直径方向に
互いに対称位置に形成され、一方、上記ねじりダンパ5
0にも、上記カムプーリ36の貫通孔36c,36cに
対応する位置に貫通孔50d,50d,…が形成されて
いて、作業者がカムプーリ36をカム軸4へ取り付ける
際、上記貫通孔50d,36cを通してシリンダヘッド
2側に記された合わせマーク(図示せず)を確認できる
ようになっている。
向に貫通する2つの貫通孔36c,36cが直径方向に
互いに対称位置に形成され、一方、上記ねじりダンパ5
0にも、上記カムプーリ36の貫通孔36c,36cに
対応する位置に貫通孔50d,50d,…が形成されて
いて、作業者がカムプーリ36をカム軸4へ取り付ける
際、上記貫通孔50d,36cを通してシリンダヘッド
2側に記された合わせマーク(図示せず)を確認できる
ようになっている。
【0064】一方、上記ポンププーリ38は、張り側ス
パン(図1の右側)のタイミングベルト39が進出する
ように配置されており、カムプーリ36と同様にピッチ
円の直径がクランクプーリ37の2倍の長さとされてい
るが、鍔部が設けられていない分だけ全体としてカムプ
ーリ36よりも小径になっている。また、上記ポンププ
ーリ38の重量は、本来、略同径のカムプーリ36単体
の重量と同程度になるところを、この実施形態では、該
カムプーリ36単体の約2倍の重量として、イナーシャ
(回転慣性)の増大によりポンププーリ38の角速度変
動を減少させている。さらに、上記ポンププーリ38と
クランクプーリ37との間に配置されたアイドラプーリ
55は、回転軸が上記両プーリ37,38の回転軸心を
結ぶ線分に対しカム軸4のある側に配置され、タイミン
グベルト39を大きく内周側に移動させている。このこ
とで、上記ポンププーリ38の下方には、比較的大きな
スペースが確保されている。
パン(図1の右側)のタイミングベルト39が進出する
ように配置されており、カムプーリ36と同様にピッチ
円の直径がクランクプーリ37の2倍の長さとされてい
るが、鍔部が設けられていない分だけ全体としてカムプ
ーリ36よりも小径になっている。また、上記ポンププ
ーリ38の重量は、本来、略同径のカムプーリ36単体
の重量と同程度になるところを、この実施形態では、該
カムプーリ36単体の約2倍の重量として、イナーシャ
(回転慣性)の増大によりポンププーリ38の角速度変
動を減少させている。さらに、上記ポンププーリ38と
クランクプーリ37との間に配置されたアイドラプーリ
55は、回転軸が上記両プーリ37,38の回転軸心を
結ぶ線分に対しカム軸4のある側に配置され、タイミン
グベルト39を大きく内周側に移動させている。このこ
とで、上記ポンププーリ38の下方には、比較的大きな
スペースが確保されている。
【0065】上記オートテンショナ51は、図10及び
図11にも示すように、タイミングベルト39の緩み側
スパンにベルト外周側から係合するテンショナプーリ5
4と、該テンショナプーリ54をエンジン前端側(回転
軸の軸線方向の一側)から回転自在に片持ち支持し、か
つ回動軸(回動支点)51aの周りに回動させる回動ア
ーム56とを備えており、シリンダブロック1側に締結
固定された油圧シリンダ57により、上記回動アーム5
6を上記タイミングベルト39側に回動付勢するように
なっている。
図11にも示すように、タイミングベルト39の緩み側
スパンにベルト外周側から係合するテンショナプーリ5
4と、該テンショナプーリ54をエンジン前端側(回転
軸の軸線方向の一側)から回転自在に片持ち支持し、か
つ回動軸(回動支点)51aの周りに回動させる回動ア
ーム56とを備えており、シリンダブロック1側に締結
固定された油圧シリンダ57により、上記回動アーム5
6を上記タイミングベルト39側に回動付勢するように
なっている。
【0066】すなわち、上記油圧シリンダ57は、シリ
ンダボディ57aに進退可能に設けられたピストンロッ
ド57bにより回動アーム56に連結されていて、図示
しないが、上記シリンダボディ57aの内部に配設した
コイルバネにより上記ピストンロッド57bを伸び側に
移動させるようになっている。この油圧シリンダ57に
より、上記テンショナプーリ54がタイミングベルト3
9の動きに追随して該タイミングベルト39を押圧し、
その張力を常時調整する。また、上記油圧シリンダ57
は、シリンダボディ57a内に圧油の流通抵抗によりピ
ストンロッド57bの縮み側への移動を規制する油圧ダ
ンパ構造を備えており、回動アーム56及びテンショナ
プーリ54を介して伝達されるタイミングベルト39か
らの反力を減衰するようになっている。
ンダボディ57aに進退可能に設けられたピストンロッ
ド57bにより回動アーム56に連結されていて、図示
しないが、上記シリンダボディ57aの内部に配設した
コイルバネにより上記ピストンロッド57bを伸び側に
移動させるようになっている。この油圧シリンダ57に
より、上記テンショナプーリ54がタイミングベルト3
9の動きに追随して該タイミングベルト39を押圧し、
その張力を常時調整する。また、上記油圧シリンダ57
は、シリンダボディ57a内に圧油の流通抵抗によりピ
ストンロッド57bの縮み側への移動を規制する油圧ダ
ンパ構造を備えており、回動アーム56及びテンショナ
プーリ54を介して伝達されるタイミングベルト39か
らの反力を減衰するようになっている。
【0067】上記の構成のベルト伝動機構Aにおいて、
エンジンが運転状態になってクランク軸3が回転される
と、タイミングベルト39はクランクプーリ37から順
番に、テンショナプーリ54、ウオータポンププーリ5
3、カムプーリ36、ポンププーリ38、及びアイドラ
プーリ55を経て、上記クランクプーリ37に回行す
る。その際、上記カムプーリ36とポンププーリ38と
の間のタイミングベルト39は、遠心力により外周側に
広がるとともに、カム軸4の角速度変動及びポンプ入力
軸5aの角速度変動の相互作用を受けて弦振動する。
エンジンが運転状態になってクランク軸3が回転される
と、タイミングベルト39はクランクプーリ37から順
番に、テンショナプーリ54、ウオータポンププーリ5
3、カムプーリ36、ポンププーリ38、及びアイドラ
プーリ55を経て、上記クランクプーリ37に回行す
る。その際、上記カムプーリ36とポンププーリ38と
の間のタイミングベルト39は、遠心力により外周側に
広がるとともに、カム軸4の角速度変動及びポンプ入力
軸5aの角速度変動の相互作用を受けて弦振動する。
【0068】また、タイミングベルト39がカムプーリ
36から進出するときには、両者の歯部同士の離脱が遅
れて、タイミングベルト39に内周側への力が作用する
ことがあり、一方、上記タイミングベルト39がポンプ
プーリ38に進入するときには、両者の歯部同士の係合
が遅れて、タイミングベルト39が外周側に押し出され
ることがある。つまり、上記カムプーリ36からポンプ
プーリ38へ進行するタイミングベルト39には、カム
プーリ36の近傍で内周側への力が作用する一方、ポン
ププーリ38の近傍で外周側への力が作用し、その結
果、弦振動の最大振幅位置がカムプーリ36及びポンプ
プーリ38間の中央位置よりもポンプ側にずれる。その
上、上記タイミングベルト39には、カムプーリ36の
鍔部36bとの間で摺動摩擦力が作用するので、該カム
プーリ36の近傍では弦振動が規制され、そのことによ
っても、タイミングベル路30における弦振動の最大振
幅位置は2つのプーリ36,プーリ38間の中央位置よ
りもポンプ側にずれることになる。
36から進出するときには、両者の歯部同士の離脱が遅
れて、タイミングベルト39に内周側への力が作用する
ことがあり、一方、上記タイミングベルト39がポンプ
プーリ38に進入するときには、両者の歯部同士の係合
が遅れて、タイミングベルト39が外周側に押し出され
ることがある。つまり、上記カムプーリ36からポンプ
プーリ38へ進行するタイミングベルト39には、カム
プーリ36の近傍で内周側への力が作用する一方、ポン
ププーリ38の近傍で外周側への力が作用し、その結
果、弦振動の最大振幅位置がカムプーリ36及びポンプ
プーリ38間の中央位置よりもポンプ側にずれる。その
上、上記タイミングベルト39には、カムプーリ36の
鍔部36bとの間で摺動摩擦力が作用するので、該カム
プーリ36の近傍では弦振動が規制され、そのことによ
っても、タイミングベル路30における弦振動の最大振
幅位置は2つのプーリ36,プーリ38間の中央位置よ
りもポンプ側にずれることになる。
【0069】(フロントカバーの構成)この実施形態で
は、上述の如きタイミングベルト39の弦振動を考慮し
た上で、ベルト伝動機構Aを収容するフロントカバーC
の構成を決定している。以下、このフロントカバーCの
構成について、図1及び図12〜図17に基づいて詳細
に説明する。
は、上述の如きタイミングベルト39の弦振動を考慮し
た上で、ベルト伝動機構Aを収容するフロントカバーC
の構成を決定している。以下、このフロントカバーCの
構成について、図1及び図12〜図17に基づいて詳細
に説明する。
【0070】図1に示すように、フロントカバーCは、
主に、シリンダブロック1からシリンダヘッド2、シリ
ンダヘッドカバー18及び燃料噴射ポンプ5のブラケッ
ト41に跨って(図6参照)配設されたシールプレート
6と、該シールプレート6よりも下側のシリンダブロッ
ク1を覆い、中央部にクランク軸3が貫通する貫通孔が
形成されたシリンダブロックカバー62と、上記シール
プレート6に締結されるアッパーカバー7と(図2及び
図3参照)、上記シールプレート6及びシリンダブロッ
クカバー62に締結されるびロアカバー8とにより構成
されている。
主に、シリンダブロック1からシリンダヘッド2、シリ
ンダヘッドカバー18及び燃料噴射ポンプ5のブラケッ
ト41に跨って(図6参照)配設されたシールプレート
6と、該シールプレート6よりも下側のシリンダブロッ
ク1を覆い、中央部にクランク軸3が貫通する貫通孔が
形成されたシリンダブロックカバー62と、上記シール
プレート6に締結されるアッパーカバー7と(図2及び
図3参照)、上記シールプレート6及びシリンダブロッ
クカバー62に締結されるびロアカバー8とにより構成
されている。
【0071】上記シールプレート6は、図12〜14の
各図にも示すように鋼製の薄板をプレス成形したもの
で、シリンダブロック1等の前端面に重合される主壁部
63と、タイミングベルト39の外周を囲むように上記
主壁部63からエンジン前後方向に延びる外周側壁部
(側壁部)64と、上記主壁部63の略中央部におい
て、エンジンマウント連結部材13の周囲を囲んでエン
ジン前後方向に延びる環状の内周側壁部65とにより構
成されている。
各図にも示すように鋼製の薄板をプレス成形したもの
で、シリンダブロック1等の前端面に重合される主壁部
63と、タイミングベルト39の外周を囲むように上記
主壁部63からエンジン前後方向に延びる外周側壁部
(側壁部)64と、上記主壁部63の略中央部におい
て、エンジンマウント連結部材13の周囲を囲んでエン
ジン前後方向に延びる環状の内周側壁部65とにより構
成されている。
【0072】また、上記シールプレート6には、シリン
ダブロック1側(詳しくは、シリンダブロックの右側面
に固設されたウオータポンプケース1a)に直接締結さ
れる第1締結部6aと、カムプーリ36の近傍に位置す
る外周側壁部64においてシリンダヘッドカバー18の
フロントカバー部18aに締結される第2締結部6b
と、燃料噴射ポンプ5のブラケット41に締結される第
3締結部6c及び第4締結部61dとが設けられてい
る。すなわち、シールプレート6は、上記第1締結部6
aにおいてボルト66によりウオータポンプケース1a
に締結されて、シリンダブロック1の前端面にに直接重
ね合わされており、このことで、シールプレート6とシ
リンダブロック1との間のクリアランスは最小限度のも
のになり、かつシールプレート6のシリンダブロック1
に対する位置精度が極めて高くなる。
ダブロック1側(詳しくは、シリンダブロックの右側面
に固設されたウオータポンプケース1a)に直接締結さ
れる第1締結部6aと、カムプーリ36の近傍に位置す
る外周側壁部64においてシリンダヘッドカバー18の
フロントカバー部18aに締結される第2締結部6b
と、燃料噴射ポンプ5のブラケット41に締結される第
3締結部6c及び第4締結部61dとが設けられてい
る。すなわち、シールプレート6は、上記第1締結部6
aにおいてボルト66によりウオータポンプケース1a
に締結されて、シリンダブロック1の前端面にに直接重
ね合わされており、このことで、シールプレート6とシ
リンダブロック1との間のクリアランスは最小限度のも
のになり、かつシールプレート6のシリンダブロック1
に対する位置精度が極めて高くなる。
【0073】一方、上記第2、第3及び第4締結部にお
いては、上記シールプレート6は図15に示すようにボ
ルト66によりラバーマウント67を介して取り付けら
れている。すなわち、シールプレート6は、シリンダブ
ロック1との間で組み付け誤差による位置ずれがあるシ
リンダヘッドカバー18やブラケット41に対してラバ
ーマウント67を介して取り付けられているので、この
ラバーマウント67により上記の組み付け誤差に起因す
る位置ずれが吸収され、組み付け状態でのシールプレー
ト6の歪みが低減される。このことで、カムプーリ36
やポンププーリ38のシールプレート6に対するクリア
ランスを極めて小さくすることができ、そのことによっ
て、エンジン前後方向の寸法低減が図られる。
いては、上記シールプレート6は図15に示すようにボ
ルト66によりラバーマウント67を介して取り付けら
れている。すなわち、シールプレート6は、シリンダブ
ロック1との間で組み付け誤差による位置ずれがあるシ
リンダヘッドカバー18やブラケット41に対してラバ
ーマウント67を介して取り付けられているので、この
ラバーマウント67により上記の組み付け誤差に起因す
る位置ずれが吸収され、組み付け状態でのシールプレー
ト6の歪みが低減される。このことで、カムプーリ36
やポンププーリ38のシールプレート6に対するクリア
ランスを極めて小さくすることができ、そのことによっ
て、エンジン前後方向の寸法低減が図られる。
【0074】上記シールプレート6の主壁部63には、
ポンププーリ38に対応する部位に該ポンププーリ38
よりもやや小径の略円形の孔部63aが形成され、その
孔部63aの略中心位置を燃料噴射ポンプ5の入力軸5
aが貫通している。同様に、ウオータポンププーリ53
に対応する部位に該ウオータポンププーリ53よりも大
径の円形孔部63bが形成され、その孔部63bの略中
心位置ををウオータポンプの入力軸が貫通している。ま
た、上記主壁部63のカムプーリ36に対応する部位は
上方に開口するように切り欠かれていて、図16及び図
17に示すように、シリンダヘッドカバー18のフロン
トカバー部18aが上記切欠部63cに対応して配置さ
れて、フロントカバーCの一部分を構成している。
ポンププーリ38に対応する部位に該ポンププーリ38
よりもやや小径の略円形の孔部63aが形成され、その
孔部63aの略中心位置を燃料噴射ポンプ5の入力軸5
aが貫通している。同様に、ウオータポンププーリ53
に対応する部位に該ウオータポンププーリ53よりも大
径の円形孔部63bが形成され、その孔部63bの略中
心位置ををウオータポンプの入力軸が貫通している。ま
た、上記主壁部63のカムプーリ36に対応する部位は
上方に開口するように切り欠かれていて、図16及び図
17に示すように、シリンダヘッドカバー18のフロン
トカバー部18aが上記切欠部63cに対応して配置さ
れて、フロントカバーCの一部分を構成している。
【0075】上記シールプレート6の外周側壁部64
は、主壁部63の切欠部63cを境に、ポンププーリ3
8側とカムプーリ36側とに2つに分けられており、本
発明の第1の特徴部分として、上記外周側壁部64の主
壁部63からの突出高さは場所により異なっている。す
なわち、図13に示すように、ポンププーリ38の真上
から外周を囲んでシールプレート6の下端部に至る部分
では、外周側壁部64はその前端部がポンププーリ38
の前端面と略同一位置まで延びていて、該ポンププーリ
38をエンジン前後方向について覆うように高く形成さ
れている。
は、主壁部63の切欠部63cを境に、ポンププーリ3
8側とカムプーリ36側とに2つに分けられており、本
発明の第1の特徴部分として、上記外周側壁部64の主
壁部63からの突出高さは場所により異なっている。す
なわち、図13に示すように、ポンププーリ38の真上
から外周を囲んでシールプレート6の下端部に至る部分
では、外周側壁部64はその前端部がポンププーリ38
の前端面と略同一位置まで延びていて、該ポンププーリ
38をエンジン前後方向について覆うように高く形成さ
れている。
【0076】すなわち、上記ポンププーリ38の下方で
は、フロントカバーCの側壁部はシールプレート6の外
周側壁部64により構成されており、該シールプレート
6のシリンダブロック1に対する位置精度は極めて高い
ので、外周側壁部64とポンププーリ38との間のクリ
アランスを十分に小さく設定しても、それらが組み付け
誤差などに起因して接触することはない。しかも、鋼板
製のシールプレート6は樹脂製のロアカバー8よりも薄
く形成できる。よって、燃料噴射ポンプ5及びオルタネ
ータ10を可及的に近接配置できる。
は、フロントカバーCの側壁部はシールプレート6の外
周側壁部64により構成されており、該シールプレート
6のシリンダブロック1に対する位置精度は極めて高い
ので、外周側壁部64とポンププーリ38との間のクリ
アランスを十分に小さく設定しても、それらが組み付け
誤差などに起因して接触することはない。しかも、鋼板
製のシールプレート6は樹脂製のロアカバー8よりも薄
く形成できる。よって、燃料噴射ポンプ5及びオルタネ
ータ10を可及的に近接配置できる。
【0077】一方、図13、図14及び図17に示すよ
うに、上記外周側壁部64は、カムプーリ36の周囲か
らポンプ側へかけての所定の部分において、該カムプー
リ36及びタイミングベルト39が露出するように前後
方向に低く形成されている。また、この部分に対応し
て、上記図17に仮想線で示すようにアッパーカバー7
側の側壁部7aが前後方向に深く形成されている。すな
わち、例えば、作業者がカムプーリ36及びポンププー
リ38の間のタイミングベルト39の被点検部分を押圧
してその張り具合を容易に点検できるように、上記被点
検部分に対応するフロントカバーCの側壁部を、大部分
がアッパーカバー7の側壁部7aにより構成されるよう
にしており、このことで、該アッパーカバー7を取り外
すだけで、上記被点検部分のタイミングベルト39を露
出させ、容易に点検できる用にな手いる。
うに、上記外周側壁部64は、カムプーリ36の周囲か
らポンプ側へかけての所定の部分において、該カムプー
リ36及びタイミングベルト39が露出するように前後
方向に低く形成されている。また、この部分に対応し
て、上記図17に仮想線で示すようにアッパーカバー7
側の側壁部7aが前後方向に深く形成されている。すな
わち、例えば、作業者がカムプーリ36及びポンププー
リ38の間のタイミングベルト39の被点検部分を押圧
してその張り具合を容易に点検できるように、上記被点
検部分に対応するフロントカバーCの側壁部を、大部分
がアッパーカバー7の側壁部7aにより構成されるよう
にしており、このことで、該アッパーカバー7を取り外
すだけで、上記被点検部分のタイミングベルト39を露
出させ、容易に点検できる用にな手いる。
【0078】本発明の第二の特徴部分として、上記カム
プーリ36及びポンププーリ38の間に張架されたタイ
ミングベルト39の外周面に対向するフロントカバーC
の側壁部、即ちカムプーリ36及びポンププーリ38の
上方に位置するアッパーカバー7の側壁部7a及びシー
ルプレート6の外周側壁部64は、上記両プーリ36,
38間の中央位置よりもポンプ側(図の右側)のポンプ
側部分がカム側(図の左側)のカム側部分に比べてタイ
ミングベルト39に対し外周側(図の上側)に膨出する
形状とされている。
プーリ36及びポンププーリ38の間に張架されたタイ
ミングベルト39の外周面に対向するフロントカバーC
の側壁部、即ちカムプーリ36及びポンププーリ38の
上方に位置するアッパーカバー7の側壁部7a及びシー
ルプレート6の外周側壁部64は、上記両プーリ36,
38間の中央位置よりもポンプ側(図の右側)のポンプ
側部分がカム側(図の左側)のカム側部分に比べてタイ
ミングベルト39に対し外周側(図の上側)に膨出する
形状とされている。
【0079】より具体的に、シールプレート6の外周側
壁部64について説明すると、図12に示すように、カ
ムプーリ36及びポンププーリ38の上方の外周側壁部
64は、両プーリ36,38のピッチ円O1,O2に外
接する接線Lを基準とし、該接線Lとカムプーリ36の
ピッチ円O1との接点P1に対応する部分から接線Lの
中央位置mに対応する中央部(同図に示す接線Lの垂直
2等分線M上の部位)にかけて徐々に上方に膨出すると
ともに、上記接線Lの中央位置mからポンプ側へかけて
の所定範囲Wに対応する部分が上記中央部と略同じだけ
外周側に膨出する形状とされている。
壁部64について説明すると、図12に示すように、カ
ムプーリ36及びポンププーリ38の上方の外周側壁部
64は、両プーリ36,38のピッチ円O1,O2に外
接する接線Lを基準とし、該接線Lとカムプーリ36の
ピッチ円O1との接点P1に対応する部分から接線Lの
中央位置mに対応する中央部(同図に示す接線Lの垂直
2等分線M上の部位)にかけて徐々に上方に膨出すると
ともに、上記接線Lの中央位置mからポンプ側へかけて
の所定範囲Wに対応する部分が上記中央部と略同じだけ
外周側に膨出する形状とされている。
【0080】すなわち、上記所定範囲Wは、タイミング
ベルト39が走行時に上述の如く弦振動したときの共振
による最大振幅位置に対応するように実験的に定められ
ており、該所定範囲Wに対応するシールプレート6の外
周側壁部64が最大に膨出した形状とされている。その
結果、図1に示すように、カムプーリ36及びポンププ
ーリ38間の静止状態のタイミングベルト39と上記外
周側壁部64との間隔は、上記ポンプ側部分における間
隔d1が上記カム側部分における間隔d2よりも常に大
きくなっている。また、詳しくは図示しないがアッパー
カバー7の側壁部7aも同様に上記タイミングベルト3
9の所定範囲Wに対応する部分が該タイミングベルト3
9に対して外周側に膨出した形状にされている。つま
り、上記タイミングベルト39の弦振動の最大振幅位置
に対応して、フロントカバーCの側壁部が外周側に膨出
形成されているので、上記タイミングベルト39は共振
により大きく弦振動してもフロントカバーCの側壁部に
接触しないようになっている。
ベルト39が走行時に上述の如く弦振動したときの共振
による最大振幅位置に対応するように実験的に定められ
ており、該所定範囲Wに対応するシールプレート6の外
周側壁部64が最大に膨出した形状とされている。その
結果、図1に示すように、カムプーリ36及びポンププ
ーリ38間の静止状態のタイミングベルト39と上記外
周側壁部64との間隔は、上記ポンプ側部分における間
隔d1が上記カム側部分における間隔d2よりも常に大
きくなっている。また、詳しくは図示しないがアッパー
カバー7の側壁部7aも同様に上記タイミングベルト3
9の所定範囲Wに対応する部分が該タイミングベルト3
9に対して外周側に膨出した形状にされている。つま
り、上記タイミングベルト39の弦振動の最大振幅位置
に対応して、フロントカバーCの側壁部が外周側に膨出
形成されているので、上記タイミングベルト39は共振
により大きく弦振動してもフロントカバーCの側壁部に
接触しないようになっている。
【0081】(オルタネータの配置)図18及び図19
に示すように、燃料噴射ポンプ5の下方に配置されたオ
ルタネータ10は、略円筒状のケーシング80の一側に
一体的に設けた連結部80aにおいて燃料噴射ポンプ5
のブラケット41に締結される一方、上記ケーシング8
0の他側に一体的に設けた連結部80bにおいてストラ
ップ81に締結されている。そして、上記他側連結部8
0bの位置をストラップ81に形成された長孔81aの
範囲内で上下に変えることで、上記オルタネータ10を
一側連結部80aの回りに回動させて、固定位置を調整
できるようになっている。
に示すように、燃料噴射ポンプ5の下方に配置されたオ
ルタネータ10は、略円筒状のケーシング80の一側に
一体的に設けた連結部80aにおいて燃料噴射ポンプ5
のブラケット41に締結される一方、上記ケーシング8
0の他側に一体的に設けた連結部80bにおいてストラ
ップ81に締結されている。そして、上記他側連結部8
0bの位置をストラップ81に形成された長孔81aの
範囲内で上下に変えることで、上記オルタネータ10を
一側連結部80aの回りに回動させて、固定位置を調整
できるようになっている。
【0082】また、上記ケーシング80の前端部(図1
9の左側端部)からは図示しない入力軸が突出してお
り、該入力軸に取り付けられたVプーリ10aがエンジ
ンEのクランク軸3上のVプーリ9にVベルト12(図
2参照)により駆動連結されている。そして、オルタネ
ータ10の位置を連結部80aの回りに回動させて調整
することにより、上記Vベルト12の張力を調整できる
ようになっている。
9の左側端部)からは図示しない入力軸が突出してお
り、該入力軸に取り付けられたVプーリ10aがエンジ
ンEのクランク軸3上のVプーリ9にVベルト12(図
2参照)により駆動連結されている。そして、オルタネ
ータ10の位置を連結部80aの回りに回動させて調整
することにより、上記Vベルト12の張力を調整できる
ようになっている。
【0083】さらに、上記オルタネータ10のケーシン
グ80の前端側はポンププーリ38の下方に位置し、フ
ロントカバーCの側壁部を構成するシールプレート6の
外周側壁部64に近接している。上記ケーシング80の
前端側は前側に向かって外径寸法が徐々に小さくされて
いて、上方のシールプレート6に設けられたロアカバー
8との接合フランジとの間に十分な間隔が確保されてい
る。すなわち、上記ケーシング80が燃料噴射ポンプ5
に最大限に近接するように該ケーシング80の他側連結
部80bを長孔81aの最上位置に固定しても、ケーシ
ング80の前端側とその上方のシールプレート6との間
には十分なクリアランスが確保される。
グ80の前端側はポンププーリ38の下方に位置し、フ
ロントカバーCの側壁部を構成するシールプレート6の
外周側壁部64に近接している。上記ケーシング80の
前端側は前側に向かって外径寸法が徐々に小さくされて
いて、上方のシールプレート6に設けられたロアカバー
8との接合フランジとの間に十分な間隔が確保されてい
る。すなわち、上記ケーシング80が燃料噴射ポンプ5
に最大限に近接するように該ケーシング80の他側連結
部80bを長孔81aの最上位置に固定しても、ケーシ
ング80の前端側とその上方のシールプレート6との間
には十分なクリアランスが確保される。
【0084】(実施形態の作用効果)したがって、この
実施形態に係るエンジンのフロントカバー構造によれ
ば、上述の如くカムプーリ36とポンププーリ38との
間のタイミングベルト39の弦振動を考慮して、両プー
リ36,38の上方のフロントカバーCの側壁部をタイ
ミングベルト39の弦振動の最大振幅位置に対応する部
分で最大に膨出する形状としているので、フロントカバ
ーCの外形寸法を無為に増大させることがなく、かつ、
タイミングベルト39が共振により大きく弦振動して
も、該タイミングベルト39とフロントカバーCの側壁
部との接触を防止できる。よって、エンジンのコンパク
ト化を図りつつ、フロントカバーCとタイミングベルト
39との接触に起因する騒音発生や信頼性低下等の不具
合を防止できる。
実施形態に係るエンジンのフロントカバー構造によれ
ば、上述の如くカムプーリ36とポンププーリ38との
間のタイミングベルト39の弦振動を考慮して、両プー
リ36,38の上方のフロントカバーCの側壁部をタイ
ミングベルト39の弦振動の最大振幅位置に対応する部
分で最大に膨出する形状としているので、フロントカバ
ーCの外形寸法を無為に増大させることがなく、かつ、
タイミングベルト39が共振により大きく弦振動して
も、該タイミングベルト39とフロントカバーCの側壁
部との接触を防止できる。よって、エンジンのコンパク
ト化を図りつつ、フロントカバーCとタイミングベルト
39との接触に起因する騒音発生や信頼性低下等の不具
合を防止できる。
【0085】特に、この実施形態に係るディーゼルエン
ジンEは、各シリンダ毎に4つのバルブ31,32,…
が配設され、カム軸4の1回転あたりの角速度変動が大
きくなり易い上、燃料噴射ポンプ5の吐出圧が極めて高
く、ポンプ入力軸5aの角速度変動も極めて大きいの
で、タイミングベルト39の弦振動も大きくなり易いも
のである。従って、このようなエンジンEにおいて、フ
ロントカバーCの側壁部の膨出形成により該側壁部とタ
イミングベルト39との接触を防止できることの効果
は、特に有効なものになる。
ジンEは、各シリンダ毎に4つのバルブ31,32,…
が配設され、カム軸4の1回転あたりの角速度変動が大
きくなり易い上、燃料噴射ポンプ5の吐出圧が極めて高
く、ポンプ入力軸5aの角速度変動も極めて大きいの
で、タイミングベルト39の弦振動も大きくなり易いも
のである。従って、このようなエンジンEにおいて、フ
ロントカバーCの側壁部の膨出形成により該側壁部とタ
イミングベルト39との接触を防止できることの効果
は、特に有効なものになる。
【0086】また、この実施形態では、ベルト伝動機構
Aにおいて、オートテンショナ51によりタイミングベ
ルト39の張力を常時調整するとともに、カムプーリ3
6に配設したねじりダンパー50によりカム軸4の角速
度変動を減衰させることで、タイミングベルト39の弦
振動を抑制しているので、その分、フロントカバー側壁
部の膨出度合は小さくできる。
Aにおいて、オートテンショナ51によりタイミングベ
ルト39の張力を常時調整するとともに、カムプーリ3
6に配設したねじりダンパー50によりカム軸4の角速
度変動を減衰させることで、タイミングベルト39の弦
振動を抑制しているので、その分、フロントカバー側壁
部の膨出度合は小さくできる。
【0087】さらに、この実施形態のエンジンEは車両
へ横置き搭載されるものであり、車載状態でカム軸4及
びカムプーリ36並びに燃料噴射ポンプ5及びポンププ
ーリ38がいずれもエンジン上部に位置し、かつ、上記
カムプーリ36よりも車両前側に位置するポンププーリ
38が該カムプーリ36よりも低く位置している。そし
て、上記の配置に対応してフロントカバーCの上部をボ
ンネットフードBの内面に沿うように形成しているの
で、相対的に低位置のポンプ側でフロントカバーCを上
方に膨出形成していても、エンジンの全高寸法は増大し
ない。
へ横置き搭載されるものであり、車載状態でカム軸4及
びカムプーリ36並びに燃料噴射ポンプ5及びポンププ
ーリ38がいずれもエンジン上部に位置し、かつ、上記
カムプーリ36よりも車両前側に位置するポンププーリ
38が該カムプーリ36よりも低く位置している。そし
て、上記の配置に対応してフロントカバーCの上部をボ
ンネットフードBの内面に沿うように形成しているの
で、相対的に低位置のポンプ側でフロントカバーCを上
方に膨出形成していても、エンジンの全高寸法は増大し
ない。
【0088】しかも、上記フロントカバーCの上方の遮
音カバー20を、上記ボンネットフードBに近接して略
平行に配置する一方、上記ポンププーリ38の下方で
は、フロントカバーCの側壁部をシールプレート6によ
り薄く構成した上に、該側壁部とポンププーリ38との
クリアランスを最小限に設定して、燃料噴射ポンプ5の
下方に確保したスペースにオルタネータ10及び空調装
置用コンプレッサを上下に並べて配置している。つま
り、燃料噴射ポンプ5をエンジンルーム内の最上方位置
に配置し、その下方に確保したスペースに2つの補機を
配置して、エンジンルーム空間の有効利用が図られてい
る。
音カバー20を、上記ボンネットフードBに近接して略
平行に配置する一方、上記ポンププーリ38の下方で
は、フロントカバーCの側壁部をシールプレート6によ
り薄く構成した上に、該側壁部とポンププーリ38との
クリアランスを最小限に設定して、燃料噴射ポンプ5の
下方に確保したスペースにオルタネータ10及び空調装
置用コンプレッサを上下に並べて配置している。つま
り、燃料噴射ポンプ5をエンジンルーム内の最上方位置
に配置し、その下方に確保したスペースに2つの補機を
配置して、エンジンルーム空間の有効利用が図られてい
る。
【0089】(他の実施形態)尚、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その他、種々の実施形態
を包含するものである。すなわち、上記実施形態のベル
ト伝動機構Aでは、カムプーリ36にねじりダンパ50
を設けるとともに、オートテンショナ51を用いている
が、いずれか一方のみを用いるか或いはいずれも用いな
いようにしてもよい。さらに、オートテンショナの代わ
りに初期張力調整用の固定テンショナを用いてもよい。
態に限定されるものではなく、その他、種々の実施形態
を包含するものである。すなわち、上記実施形態のベル
ト伝動機構Aでは、カムプーリ36にねじりダンパ50
を設けるとともに、オートテンショナ51を用いている
が、いずれか一方のみを用いるか或いはいずれも用いな
いようにしてもよい。さらに、オートテンショナの代わ
りに初期張力調整用の固定テンショナを用いてもよい。
【0090】上記実施形態では、フロントカバーCの側
壁部のうち、カムプーリ36と燃料噴射ポンプ5のポン
ププーリ38との間のタイミングベルト39外周面に対
向する部分の形状に本発明を適用しているが、これに限
らず、燃料噴射ポンプ5以外でも入力軸に角速度変動を
有する補機であれば、該補機の入力軸に設けたプーリと
カムプーリとの間に関して、本発明を適用できる。
壁部のうち、カムプーリ36と燃料噴射ポンプ5のポン
ププーリ38との間のタイミングベルト39外周面に対
向する部分の形状に本発明を適用しているが、これに限
らず、燃料噴射ポンプ5以外でも入力軸に角速度変動を
有する補機であれば、該補機の入力軸に設けたプーリと
カムプーリとの間に関して、本発明を適用できる。
【0091】上記実施形態のベルト伝動機構Aでは、カ
ムプーリ36をタイミングベルト39の緩み側よりに配
置する一方、ポンププーリ38を張り側寄りに配置して
いるが、反対に、カムプーリ36をタイミングベルト3
9の張り側よりに、またポンププーリ38を緩み側より
に配置してもよい。その場合、エンジンEの車載状態で
上記ポンププーリ38をカムプーリ36よりも高位置か
つ車両後側に位置づけることが望ましい。また、上記カ
ムプーリ36及びポンププーリ38のうちポンププーリ
38のみに鍔部を設けることが望ましい。
ムプーリ36をタイミングベルト39の緩み側よりに配
置する一方、ポンププーリ38を張り側寄りに配置して
いるが、反対に、カムプーリ36をタイミングベルト3
9の張り側よりに、またポンププーリ38を緩み側より
に配置してもよい。その場合、エンジンEの車載状態で
上記ポンププーリ38をカムプーリ36よりも高位置か
つ車両後側に位置づけることが望ましい。また、上記カ
ムプーリ36及びポンププーリ38のうちポンププーリ
38のみに鍔部を設けることが望ましい。
【0092】上記実施形態のベルト伝動機構Aでは、カ
ムプーリ36に鍔部36bを設ける一方、ポンププーリ
38には鍔部を設けない構成としているが、どちらのプ
ーリにも鍔部を設けない構成としてもよい。
ムプーリ36に鍔部36bを設ける一方、ポンププーリ
38には鍔部を設けない構成としているが、どちらのプ
ーリにも鍔部を設けない構成としてもよい。
【0093】上記実施形態では、カム軸4及び燃料噴射
ポンプ5をタイミングベルト39を介して駆動する構成
としているが、これに限らず、例えばスプロケット及び
チェーンを介して駆動する構成としてもよい。
ポンプ5をタイミングベルト39を介して駆動する構成
としているが、これに限らず、例えばスプロケット及び
チェーンを介して駆動する構成としてもよい。
【0094】上記実施形態のエンジンEは、各気筒毎に
4つのバルブ31,32,…が配設されたものとしてい
るが、これに限らず、例えば、各気筒毎に2ないし3個
のバルブ31,32,…が配設されたエンジンや、或い
は各気筒毎に5以上のバルブが配設されたエンジンに適
用してもよい。また、上記実施形態のエンジンEは直接
噴射式ディーゼルエンジンであるが、これに限らず、例
えば副室式ディーゼルエンジンやガソリンエンジンにも
本発明を適用可能である。
4つのバルブ31,32,…が配設されたものとしてい
るが、これに限らず、例えば、各気筒毎に2ないし3個
のバルブ31,32,…が配設されたエンジンや、或い
は各気筒毎に5以上のバルブが配設されたエンジンに適
用してもよい。また、上記実施形態のエンジンEは直接
噴射式ディーゼルエンジンであるが、これに限らず、例
えば副室式ディーゼルエンジンやガソリンエンジンにも
本発明を適用可能である。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明におけるエンジンのフロントカバー構造によれば、カ
ム側及びポンプ側従動輪間の無端伝動部材の外周面に対
向するフロントカバーの側壁部を、両従動輪間の中央位
置よりも無端伝動部材の進行方向前側に対応する前側対
応部分、即ち無端伝動部材の弦振動の最大振幅位置に対
応する部分で最大に膨出する形状としたことで、上記フ
ロントカバーの外形寸法を最小限に抑えてエンジンのコ
ンパクト化を図りつつ、フロントカバーと無端伝動部材
との接触に起因する騒音発生や信頼性低下を防止でき
る。
明におけるエンジンのフロントカバー構造によれば、カ
ム側及びポンプ側従動輪間の無端伝動部材の外周面に対
向するフロントカバーの側壁部を、両従動輪間の中央位
置よりも無端伝動部材の進行方向前側に対応する前側対
応部分、即ち無端伝動部材の弦振動の最大振幅位置に対
応する部分で最大に膨出する形状としたことで、上記フ
ロントカバーの外形寸法を最小限に抑えてエンジンのコ
ンパクト化を図りつつ、フロントカバーと無端伝動部材
との接触に起因する騒音発生や信頼性低下を防止でき
る。
【0096】請求項3記載の発明では、エンジン上方に
配置されたカム側及びポンプ側従動輪のうち、相対的に
低位置のポンプ側でフロントカバーの側壁部を膨出させ
ることで、この膨出形成に伴うフロントカバーの高さ寸
法の増大、ひいてはエンジン全高の増大を防止できる。
配置されたカム側及びポンプ側従動輪のうち、相対的に
低位置のポンプ側でフロントカバーの側壁部を膨出させ
ることで、この膨出形成に伴うフロントカバーの高さ寸
法の増大、ひいてはエンジン全高の増大を防止できる。
【0097】請求項4記載の発明では、カム側従動輪よ
りも低位置にあるポンプ側従動輪を車両前側に位置づけ
て、両従動輪上方のフロントカバー側壁部を車両のボン
ネットフードに沿うような形状とすることができ、よっ
て、エンジンルーム空間の有効利用が図られる。
りも低位置にあるポンプ側従動輪を車両前側に位置づけ
て、両従動輪上方のフロントカバー側壁部を車両のボン
ネットフードに沿うような形状とすることができ、よっ
て、エンジンルーム空間の有効利用が図られる。
【0098】請求項5記載の発明によれば、燃料噴射ポ
ンプをエンジン上部に配置し、その下方に補機配置スペ
ースを確保できる。
ンプをエンジン上部に配置し、その下方に補機配置スペ
ースを確保できる。
【0099】請求項6記載の発明では、バルブ反力によ
るカム軸の角速度変動が大きいエンジンにおいて、フロ
ントカバーを膨出形成して無端伝動部材との接触を防止
することの効果が特に有効なものになる。
るカム軸の角速度変動が大きいエンジンにおいて、フロ
ントカバーを膨出形成して無端伝動部材との接触を防止
することの効果が特に有効なものになる。
【0100】請求項8記載の発明によれば、ねじりダン
パーによりカム軸の角速度変動を減衰させて無端伝動部
材の弦振動を抑制することで、フロントカバー側壁部の
膨出度合を小さくできる。
パーによりカム軸の角速度変動を減衰させて無端伝動部
材の弦振動を抑制することで、フロントカバー側壁部の
膨出度合を小さくできる。
【0101】請求項9記載の発明によれば、オートテン
ショナにより無端伝動部材の張力を常時調整して無端伝
動部材の弦振動を抑制することで、フロントカバー側壁
部の膨出度合を小さくできる。
ショナにより無端伝動部材の張力を常時調整して無端伝
動部材の弦振動を抑制することで、フロントカバー側壁
部の膨出度合を小さくできる。
【0102】また、請求項10記載の発明におけるエン
ジンのフロントカバー構造によれば、請求項1記載の発
明と同様、フロントカバーの側壁部のうちタイミングベ
ルトの弦振動の最大振幅位置に対応する部分を最大に膨
出させる形状とすることで、上記フロントカバー側壁部
の膨出量を最小限に抑えてエンジンのコンパクト化を図
りつつ、フロントカバーと無端伝動部材との接触に起因
する騒音発生や信頼性低下を防止できる。
ジンのフロントカバー構造によれば、請求項1記載の発
明と同様、フロントカバーの側壁部のうちタイミングベ
ルトの弦振動の最大振幅位置に対応する部分を最大に膨
出させる形状とすることで、上記フロントカバー側壁部
の膨出量を最小限に抑えてエンジンのコンパクト化を図
りつつ、フロントカバーと無端伝動部材との接触に起因
する騒音発生や信頼性低下を防止できる。
【0103】請求項12記載の発明では、カム側タイミ
ングプーリの幅方向両側に鍔部を設けて、走行中のタイ
ミングベルトと各プーリとのずれを効果的に抑制できる
上、タイミングベルトの弦振動が相対的に大きくなる補
機側において、鍔部との摺接によるタイミングベルトの
負荷増大を防止できる。
ングプーリの幅方向両側に鍔部を設けて、走行中のタイ
ミングベルトと各プーリとのずれを効果的に抑制できる
上、タイミングベルトの弦振動が相対的に大きくなる補
機側において、鍔部との摺接によるタイミングベルトの
負荷増大を防止できる。
【0104】請求項13記載の発明によれば、請求項6
記載の発明と同様、フロントカバーとタイミングベルト
との接触を防止することの効果が特に有効なものにな
る。
記載の発明と同様、フロントカバーとタイミングベルト
との接触を防止することの効果が特に有効なものにな
る。
【0105】請求項14記載の発明によれば、請求項9
記載の発明と同様の効果が得られる。
記載の発明と同様の効果が得られる。
【0106】請求項15記載の発明によれば、請求項8
記載の発明と同様の効果が得られる。
記載の発明と同様の効果が得られる。
【0107】請求項16記載の発明では、トルク変動の
大きい燃料噴射ポンプを装備したエンジンにおいて、フ
ロントカバーを膨出形成してタイミングベルトとの接触
を防止することの効果が特に有効なものになる。
大きい燃料噴射ポンプを装備したエンジンにおいて、フ
ロントカバーを膨出形成してタイミングベルトとの接触
を防止することの効果が特に有効なものになる。
【0108】さらに、請求項17記載の発明におけるエ
ンジンのフロントカバー構造によれば、フロントカバー
をプレート部材及びカバー部材を備える構成としている
ので、該カバー部材を取り外すだけでタイミングベルト
等を容易に点検できる。また、ポンプ側タイミングプー
リに鍔部を設けず小径のものとし、かつ該プーリ下方の
タイミングベルトを内周側に移動させることで、補機配
置スペースを十分に確保できる。さらに、上記ポンプ側
タイミングプーリ下方のフロントカバー側壁部を金属製
のプレート部材により構成して、相対的に薄くし、かつ
ポンプ側タイミングプーリとのクリアランスを最小限に
できるので、燃料噴射ポンプ及びその下方の補機を可及
的に近接配置できる。
ンジンのフロントカバー構造によれば、フロントカバー
をプレート部材及びカバー部材を備える構成としている
ので、該カバー部材を取り外すだけでタイミングベルト
等を容易に点検できる。また、ポンプ側タイミングプー
リに鍔部を設けず小径のものとし、かつ該プーリ下方の
タイミングベルトを内周側に移動させることで、補機配
置スペースを十分に確保できる。さらに、上記ポンプ側
タイミングプーリ下方のフロントカバー側壁部を金属製
のプレート部材により構成して、相対的に薄くし、かつ
ポンプ側タイミングプーリとのクリアランスを最小限に
できるので、燃料噴射ポンプ及びその下方の補機を可及
的に近接配置できる。
【0109】請求項18記載の発明によれば、カム側タ
イミングプーリを囲む部分からポンプ側へかけての点検
対応部分でプレート部材の側壁部を低めに形成すること
で、カバー部材を取り外すだけでタイミングベルトを露
出させ、容易に点検できる。
イミングプーリを囲む部分からポンプ側へかけての点検
対応部分でプレート部材の側壁部を低めに形成すること
で、カバー部材を取り外すだけでタイミングベルトを露
出させ、容易に点検できる。
【0110】請求項19記載の発明によれば、燃料噴射
ポンプ下方の第1補機を燃料噴射ポンプに対し可及的に
近接配置していても、該第1補機のケーシングとその上
方のフロントカバーとの間のクリアランスを確保でき
る。
ポンプ下方の第1補機を燃料噴射ポンプに対し可及的に
近接配置していても、該第1補機のケーシングとその上
方のフロントカバーとの間のクリアランスを確保でき
る。
【0111】請求項20記載の発明によれば、燃料噴射
ポンプをボンネットフードに沿うように最大限にエンジ
ン上方位置に配置し、その下方スペースに2つの補機を
上下に配置して、エンジンルーム空間を最大限に有効利
用できる。
ポンプをボンネットフードに沿うように最大限にエンジ
ン上方位置に配置し、その下方スペースに2つの補機を
上下に配置して、エンジンルーム空間を最大限に有効利
用できる。
【0112】請求項21記載の発明によれば、プレート
部材とシリンダブロックとの間のクリアランスを最小限
度とし、かつ位置精度も極めて高くできる。また、ラバ
ーマウントによりシリンダブロックに対するシリンダヘ
ッド等の組み付け誤差を吸収でき、これにより、プレー
ト部材の歪みを低減し、かつプレート部材の膜振動を減
衰させて、騒音を低減できる。
部材とシリンダブロックとの間のクリアランスを最小限
度とし、かつ位置精度も極めて高くできる。また、ラバ
ーマウントによりシリンダブロックに対するシリンダヘ
ッド等の組み付け誤差を吸収でき、これにより、プレー
ト部材の歪みを低減し、かつプレート部材の膜振動を減
衰させて、騒音を低減できる。
【図1】本発明の実施形態に係るフロントカバー構造を
示す正面図である。
示す正面図である。
【図2】図1のフロントカバー構造を適用したエンジン
の正面図である。
の正面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】ロッカーシャフト等を省略した状態でシリンダ
ヘッドの構成を示す正面図である。
ヘッドの構成を示す正面図である。
【図5】ロッカーアームにより排気バルブを開閉作動さ
せる構成を示す説明図である。
せる構成を示す説明図である。
【図6】燃料噴射ポンプのブラケットをエンジン側へ取
り付ける構成を示す正面図である。
り付ける構成を示す正面図である。
【図7】図6の左側面図である。
【図8】カムプーリ及びねじりダンパの構成を示す正面
図である。
図である。
【図9】図8の IX-IX 線における断面図である。
【図10】オートテンショナの構成を示す正面図であ
る。
る。
【図11】図10の XI-XI 線における断面図である。
【図12】シールプレートの構成を示す正面図である。
【図13】図12の平面図である。
【図14】図12の右側面図である。
【図15】ラバーマウントの構成を示す断面図である。
【図16】シリンダヘッド、シリンダヘッドカバー及び
シールプレートの配置構成を示す正面図である。
シールプレートの配置構成を示す正面図である。
【図17】シリンダヘッドカバー、シールプレート及び
アッパカバーの配置構成を示す平面図である。
アッパカバーの配置構成を示す平面図である。
【図18】オルタネータの配置構成を示す正面図であ
る。
る。
【図19】オルタネータ及びシールプレートの位置関係
を示す図である。
を示す図である。
A ベルト伝動機構 B ボンネットフード C フロントカバー E ディーゼルエンジン 1 シリンダブロック 2 シリンダヘッド 3 クランク軸 4 カム軸 5 燃料噴射ポンプ 5a 燃料噴射ポンプの入力軸 6 シールプレート(プレート部材) 6a シールプレートの第1締結部 6b シールプレートの第2締結部 6c シールプレートの第3締結部 7 アッパーカバー(カバー部材) 7a アッパーカバーの側壁部(カバー側側壁
部) 8 ロアカバー(カバー部材) 9 Vプーリ(補機駆動用プーリ) 10 オルタネータ(第1補機) 31 吸気バルブ(吸気弁) 32 排気バルブ(排気弁) 36 カムプーリ(カム側従動輪) 36b カムプーリの鍔部 37 クランクプーリ(駆動輪) 38 ポンププーリ(ポンプ側プーリ) 39 タイミングベルト(無端伝動部材) 41 燃料噴射ポンプの取付ブラケット 50 ねじりダンパー 51 オートテンショナ 55 アイドラプーリ 63 シールプレートの主壁部 64 シールプレートの外周側壁部(側壁部) 67 ラバーマウント 80 オルタネータのケーシング
部) 8 ロアカバー(カバー部材) 9 Vプーリ(補機駆動用プーリ) 10 オルタネータ(第1補機) 31 吸気バルブ(吸気弁) 32 排気バルブ(排気弁) 36 カムプーリ(カム側従動輪) 36b カムプーリの鍔部 37 クランクプーリ(駆動輪) 38 ポンププーリ(ポンプ側プーリ) 39 タイミングベルト(無端伝動部材) 41 燃料噴射ポンプの取付ブラケット 50 ねじりダンパー 51 オートテンショナ 55 アイドラプーリ 63 シールプレートの主壁部 64 シールプレートの外周側壁部(側壁部) 67 ラバーマウント 80 オルタネータのケーシング
Claims (21)
- 【請求項1】 エンジンのクランク軸方向一端側に、動
弁系カム軸上の歯付のカム側従動輪と、燃料噴射ポンプ
の入力軸上の歯付のポンプ側従動輪とが隣り合わせて、
かつクランク軸上の歯付の駆動輪に無端伝動部材を介し
て駆動連結されて配設され、少なくとも上記両従動輪及
び無端伝動部材がフロントカバー内に収容されているエ
ンジンのフロントカバー構造において、 上記フロントカバーは、上記カム側及びポンプ側従動輪
の間の無端伝動部材の外周面に対向してクランク軸方向
に延びる側壁部を有し、該側壁部のうち、上記両従動輪
間の無端伝動部材の中央位置に対し無端伝動部材の進行
方向前側に対応する前側対応部分が、後側に対応する後
側対応部分に比べて、静止状態の無端伝動部材から離れ
るように外側に膨出していることを特徴とするエンジン
のフロントカバー構造。 - 【請求項2】 請求項1において、 フロントカバーの側壁部は、カム側及びポンプ側従動輪
に外接する接線と無端伝動部材の進行方向後側に位置す
る従動輪との接点に対応する部分から、上記接線の中央
位置に対応する中央部にかけて徐々に外側に膨出すると
ともに、上記接線の中央位置から進行方向前側へかけて
の所定範囲に対応する部分が上記中央部と同じかより大
きく外側に膨出していることを特徴とするエンジンのフ
ロントカバー構造。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、 カム側及びポンプ側従動輪はいずれもエンジン上部に配
置され、 上記ポンプ側従動輪は、カム側従動輪よりも低い位置で
かつ無端伝動部材の進行方向前側に位置していることを
特徴とするエンジンのフロントカバー構造。 - 【請求項4】 請求項3において、 エンジンは、クランク軸が車両の左右方向に延び、かつ
ポンプ側従動輪がカム側従動輪よりも車両前側に位置す
るように横置き搭載されていることを特徴とするエンジ
ンのフロントカバー構造。 - 【請求項5】 請求項4において、 エンジンのカム軸の軸心はシリンダヘッドの上面と略同
じ高さに位置し、 燃料噴射ポンプは、車両前後方向から見て少なくとも一
部分が上記シリンダヘッドに重なるように配置されてい
ることを特徴とするエンジンのフロントカバー構造。 - 【請求項6】 請求項4において、 各気筒毎に吸気弁及び排気弁が合計で4つ以上設けられ
ていることを特徴とするエンジンのフロントカバー構
造。 - 【請求項7】 請求項1、3又は6のいずれか1つにお
いて、 燃料噴射ポンプは70MPa以上の高圧燃料を吐出する
ものであることを特徴とするエンジンのフロントカバー
構造。 - 【請求項8】 請求項7において、 カム軸又はカム側従動輪の少なくとも一方には、該カム
軸の角速度変動を減衰させるねじりダンパーが設けられ
ていることを特徴とするエンジンのフロントカバー構
造。 - 【請求項9】 請求項7において、 無端伝動部材の駆動輪及び従動輪間のスパンのうちの緩
み側スパンを押圧して、上記無端伝動部材の張力を調整
するオートテンショナが設けられていることを特徴とす
るエンジンのフロントカバー構造。 - 【請求項10】 エンジンのクランク軸方向一端側に、
該エンジンの上部に配設された動弁系カム軸上のカム側
タイミングプーリと、補機の入力軸上の補機側タイミン
グプーリとが隣り合わせて、かつエンジン下部に配設し
たクランク軸上のクランク側タイミングプーリにタイミ
ングベルトを介して駆動連結されて配設され、少なくと
も上記カム側及び補機側タイミングプーリ並びにタイミ
ングベルトがフロントカバー内に収容されているエンジ
ンのフロントカバー構造において、 上記クランク側及び補機側タイミングプーリ間には、両
プーリ間のタイミングベルトを巻掛けるアイドラプーリ
が配設され、 上記クランク側及びカム側タイミングプーリ間には、両
プーリ間のタイミングベルトを押圧してベルト張力を調
整するテンショナが配設され、 上記カム側及び補機側タイミングプーリのうちのカム側
タイミングプーリのみに、タイミングベルトのベルト幅
方向への移動を規制する鍔部が設けられており、 上記フロントカバーは、上記カム側及び補機側タイミン
グプーリ間のタイミングベルト外周面に対向してクラン
ク軸方向に延びる側壁部を有し、該側壁部のうち、上記
両タイミングプーリ間の中央位置に対し補機側の補機側
部分が、該中央位置に対しカム側のカム側部分に比べ
て、静止状態のタイミングベルトから離れるように外側
に膨出していることを特徴とするエンジンのフロントカ
バー構造。 - 【請求項11】 請求項10において、 フロントカバーの側壁部は、カム側及び補機側タイミン
グプーリのピッチ円に外接する接線とカム側タイミング
プーリとの接点に対応する部分から、上記接線の中央位
置に対応する中央部にかけて徐々に外側に膨出するとと
もに、上記接線の中央位置から補機側へかけての所定範
囲に対応する部分が上記中央部と同じかより大きく外側
に膨出していることを特徴とするエンジンのフロントカ
バー構造。 - 【請求項12】 請求項11において、 エンジンのクランク軸はシリンダブロックに支持され、 カム軸は上記シリンダブロック上方のシリンダヘッドに
支持されており、 鍔部はカム側タイミングプーリの幅方向両端部に設けら
れていることを特徴とするエンジンのフロントカバー構
造。 - 【請求項13】 請求項12において、 各気筒毎に吸気弁及び排気弁が合計で4つ以上設けられ
ていることをことを特徴とするエンジンのフロントカバ
ー構造。 - 【請求項14】 請求項10において、 テンショナはオートテンショナであることを特徴とする
エンジンのフロントカバー構造。 - 【請求項15】 請求項10又は14において、 カム軸又はカム側タイミングプーリの少なくとも一方に
は、該カム軸の角速度変動を減衰させるねじりダンパー
が設けられていることを特徴とするエンジンのフロント
カバー構造。 - 【請求項16】 請求項10、14又は15のいずれか
一つにおいて、 補機は、入力軸の回転によりカム機構を介してプランジ
ャを往復動させて、燃料を吐出する燃料噴射ポンプであ
ることを特徴とするエンジンのフロントカバー構造。 - 【請求項17】 エンジンのシリンダブロックにクラン
ク軸が支持されている一方、該シリンダブロック上方の
シリンダヘッドに動弁系カム軸が支持され、少なくとも
該シリンダヘッドにブラケットを介して燃料噴射ポンプ
が取り付けられており、 上記クランク軸方向一端側のエンジン前側に、上記カム
軸上のカム側タイミングプーリと、上記燃料噴射ポンプ
の入力軸上のポンプ側タイミングプーリとが隣り合わせ
て、かつ、上記クランク軸上のクランク側タイミングプ
ーリに駆動連結されて配設され、少なくとも上記カム側
及び補機側タイミングプーリ並びにタイミングベルトが
フロントカバー内に収容されているエンジンのフロント
カバー構造において、 上記カム側及びポンプ側タイミングプーリのうちのカム
側タイミングプーリのみに、タイミングベルトのベルト
幅方向の移動を規制する鍔部が設けられており、 上記ポンプ側及びクランク側タイミングプーリの間に
は、両プーリの回転軸心を結ぶ平面に対しカム軸側に、
タイミングベルト背面を巻き掛けるアイドラプーリが設
けられ、 上記フロントカバーは、 上記シリンダブロック前面に重合された主壁部と、該主
壁部から上記タイミングベルトの外周面に対向するよう
にクランク軸方向に延びる側壁部とを有する金属製のプ
レート部材と、 上記プレート部材の側壁部に連結された樹脂製のカバー
部材とを備え、 上記プレート部材の側壁部は、少なくともポンプ側タイ
ミングプーリの下方の部分が該プーリの幅方向中央位置
よりも前側まで延びていることを特徴とするエンジンの
フロントカバー構造。 - 【請求項18】 請求項17において、 プレート部材の側壁部は、カム側タイミングプーリの上
方を囲む部分からポンプ側タイミングプーリ上方に至る
タイミングベルトの被点検部分に対応する点検対応部に
おいて、上記カム側タイミングプーリの幅方向中央位置
よりも後側に位置するように形成されており、 カバー部材の少なくとも上記点検対応部に連結される部
分には、クランク軸方向に延びるカバー側側壁部が形成
されていることを特徴とするエンジンのフロントカバー
構造。 - 【請求項19】 請求項18において、 カバー部材にはクランク軸が挿通する貫通孔が形成さ
れ、該カバー部材よりも前側のクランク軸に補機駆動用
プーリが設けられており、 燃料噴射ポンプの下方には、前側に突出する入力軸上に
従動プーリを有する第1補機が配設されていて、該従動
プーリは上記補機駆動用プーリにベルトにより駆動連結
されており、 上記第1補機は略円筒状のケーシングを有し、該ケーシ
ングの外形寸法は後側よりも前側が小さくされているこ
とを特徴とするエンジンのフロントカバー構造。 - 【請求項20】 請求項19において、 エンジンはクランク軸を車両の左右方向に向けて横置き
搭載されていて、 カム軸はシリンダ中心線よりも車両後側に位置する一
方、燃料噴射ポンプは上記シリンダ中心線よりも車両前
側に位置し、かつポンプ入力軸が上記カム軸よりも低い
位置にあり、 上記エンジンの第1補機の下方には、上記クランク軸に
より駆動される第2補機が配設されており、 カム側及びポンプ側タイミングプーリの上方のフロント
カバーは、車両のボンネットフード内面に沿うように車
両後側から車両前側に徐々に低くなる形状とされている
ことを特徴とするエンジンのフロントカバー構造。 - 【請求項21】 請求項17〜20のいずれか1つにお
いて、 プレート部材には、 シリンダブロック又は該シリンダブロックに固設した補
機のいずれか一方に締結される第1締結部と、 カム側タイミングプーリの近傍でシリンダヘッド又はシ
リンダヘッドカバーのいずれか一方にラバーマウントを
介して締結される第2締結部と、 燃料噴射ポンプのブラケットにラバーマウントを介して
締結される第3締結部とが設けられていることを特徴と
するエンジンのフロントカバー構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15083698A JPH11343921A (ja) | 1998-06-01 | 1998-06-01 | エンジンのフロントカバー構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15083698A JPH11343921A (ja) | 1998-06-01 | 1998-06-01 | エンジンのフロントカバー構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11343921A true JPH11343921A (ja) | 1999-12-14 |
Family
ID=15505451
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15083698A Pending JPH11343921A (ja) | 1998-06-01 | 1998-06-01 | エンジンのフロントカバー構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH11343921A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105318147A (zh) * | 2014-08-04 | 2016-02-10 | 许炎章 | 一种飞轮壳 |
CN105318146A (zh) * | 2014-08-04 | 2016-02-10 | 许炎章 | 一种柴油机用飞轮壳 |
IT202300004938A1 (it) * | 2023-03-15 | 2024-09-15 | Fca Italy Spa | “motore a combustione interna con pompa del combustibile integrata nella testa cilindri” |
-
1998
- 1998-06-01 JP JP15083698A patent/JPH11343921A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105318147A (zh) * | 2014-08-04 | 2016-02-10 | 许炎章 | 一种飞轮壳 |
CN105318146A (zh) * | 2014-08-04 | 2016-02-10 | 许炎章 | 一种柴油机用飞轮壳 |
IT202300004938A1 (it) * | 2023-03-15 | 2024-09-15 | Fca Italy Spa | “motore a combustione interna con pompa del combustibile integrata nella testa cilindri” |
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