JPH11342196A - バルーンカテーテルおよびカテーテル補助具 - Google Patents
バルーンカテーテルおよびカテーテル補助具Info
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- JPH11342196A JPH11342196A JP10155741A JP15574198A JPH11342196A JP H11342196 A JPH11342196 A JP H11342196A JP 10155741 A JP10155741 A JP 10155741A JP 15574198 A JP15574198 A JP 15574198A JP H11342196 A JPH11342196 A JP H11342196A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 カテーテルチューブを構成する外チューブの
外径を小さくし、患者の負担を軽減することができるに
もかかわらず、バルーン部の拡張・収縮の応答性を向上
させることができる画期的なバルーンカテーテルおよび
それに用いるカテーテル補助具を提供すること。 【解決手段】 内部に第1ルーメン12を持つ外チュー
ブ8と、外チューブ8の第1ルーメン12内を軸方向に
伸び、外チューブ8の遠位端部よりも遠位端側に突出
し、内部に第2ルーメン14を有する内チューブ10
と、第1ルーメン8に連通するバルーン空間が内部に形
成されるように、外チューブ8の遠位端部にバルーン部
4の近位端部が接合してあり、バルーン部4の遠位端部
が内チューブ10の遠位端部に対して接合してあり、バ
ルーン空間に第1ルーメン12を通して圧力流体を導入
および導出することにより、拡張状態および収縮状態と
なるバルーン部4と、第2ルーメン14内の少なくとも
近位端側内部を密封可能に第2ルーメン14内に装着さ
れる弁体60とを有する。
外径を小さくし、患者の負担を軽減することができるに
もかかわらず、バルーン部の拡張・収縮の応答性を向上
させることができる画期的なバルーンカテーテルおよび
それに用いるカテーテル補助具を提供すること。 【解決手段】 内部に第1ルーメン12を持つ外チュー
ブ8と、外チューブ8の第1ルーメン12内を軸方向に
伸び、外チューブ8の遠位端部よりも遠位端側に突出
し、内部に第2ルーメン14を有する内チューブ10
と、第1ルーメン8に連通するバルーン空間が内部に形
成されるように、外チューブ8の遠位端部にバルーン部
4の近位端部が接合してあり、バルーン部4の遠位端部
が内チューブ10の遠位端部に対して接合してあり、バ
ルーン空間に第1ルーメン12を通して圧力流体を導入
および導出することにより、拡張状態および収縮状態と
なるバルーン部4と、第2ルーメン14内の少なくとも
近位端側内部を密封可能に第2ルーメン14内に装着さ
れる弁体60とを有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルーンカテーテ
ルおよびカテーテル補助具に係り、さらに詳しくは、た
とえば大動脈内バルーンポンピング(Intra Aortic bal
loon pumping,以下、「IABP法」と略称する)用バルー
ンカテーテルとして好適に用いられるバルーンカテーテ
ルに関する。
ルおよびカテーテル補助具に係り、さらに詳しくは、た
とえば大動脈内バルーンポンピング(Intra Aortic bal
loon pumping,以下、「IABP法」と略称する)用バルー
ンカテーテルとして好適に用いられるバルーンカテーテ
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】IABP法は、心不全などによる心機能
の低下時の治療のため、大動脈内にバルーンカテーテル
を挿入し、心臓の拍動に合わせて、バルーン部を拡張お
よび収縮させることにより、心機能の補助を図る治療方
法である。
の低下時の治療のため、大動脈内にバルーンカテーテル
を挿入し、心臓の拍動に合わせて、バルーン部を拡張お
よび収縮させることにより、心機能の補助を図る治療方
法である。
【0003】このようなIABP法に用いられるバルー
ンカテーテルとしては、種々のものが提案されている
(特開昭63−206255号公報、特開昭62−11
4565号公報など)。
ンカテーテルとしては、種々のものが提案されている
(特開昭63−206255号公報、特開昭62−11
4565号公報など)。
【0004】このようなバルーンカテーテルにおいて、
ガイドワイヤに沿って、バルーンカテーテルを血管内に
挿入し、バルーン部を動脈血管内の心臓近くの所定位置
にまで案内することができる、いわゆるダブルルーメン
型バルーンカテーテルが知られている。このバルーンカ
テーテルは、カテーテルチューブを構成する外チューブ
の内部に内チューブを配置したものである。外チューブ
内部のルーメンが、バルーン部を拡張または収縮させる
ためのシャトルガスの通り道となり、内チューブのルー
メンが、バルーン部を動脈血管内の心臓近くの所定位置
にまで案内するためのガイドワイヤの通孔となる。この
通孔は、ガイドワイヤの抜去後、血圧モニターの為のラ
インとして使用することもできる。
ガイドワイヤに沿って、バルーンカテーテルを血管内に
挿入し、バルーン部を動脈血管内の心臓近くの所定位置
にまで案内することができる、いわゆるダブルルーメン
型バルーンカテーテルが知られている。このバルーンカ
テーテルは、カテーテルチューブを構成する外チューブ
の内部に内チューブを配置したものである。外チューブ
内部のルーメンが、バルーン部を拡張または収縮させる
ためのシャトルガスの通り道となり、内チューブのルー
メンが、バルーン部を動脈血管内の心臓近くの所定位置
にまで案内するためのガイドワイヤの通孔となる。この
通孔は、ガイドワイヤの抜去後、血圧モニターの為のラ
インとして使用することもできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
内チューブを有するバルーンカテーテルでは、次に示す
課題を有している。すなわち、カテーテルチューブを構
成する外チューブは、患者の動脈血管内に挿入されるこ
とから、患者の負担、特に挿入部よりさらに抹消側の組
織への血液の循環を考慮すれば、その外径は、小さいほ
ど好ましい。
内チューブを有するバルーンカテーテルでは、次に示す
課題を有している。すなわち、カテーテルチューブを構
成する外チューブは、患者の動脈血管内に挿入されるこ
とから、患者の負担、特に挿入部よりさらに抹消側の組
織への血液の循環を考慮すれば、その外径は、小さいほ
ど好ましい。
【0006】ところが、外チューブの外径が小さいと、
その内部に形成されるルーメンの流路断面が小さくな
る。外チューブの内部には、内チューブも配置され、ガ
ス流通のための実質的な流路断面積を狭めている。外チ
ューブのルーメンの実質的な流路断面積を大きくするた
めには、内チューブの外径も小さいことが好ましい。し
かしながら、内チューブのルーメンには、ガイドワイヤ
が挿通されるため、内チューブの外径を小さくするにも
限界がある。
その内部に形成されるルーメンの流路断面が小さくな
る。外チューブの内部には、内チューブも配置され、ガ
ス流通のための実質的な流路断面積を狭めている。外チ
ューブのルーメンの実質的な流路断面積を大きくするた
めには、内チューブの外径も小さいことが好ましい。し
かしながら、内チューブのルーメンには、ガイドワイヤ
が挿通されるため、内チューブの外径を小さくするにも
限界がある。
【0007】内チューブの横断面を除く外チューブのル
ーメンには、バルーン部を拡張または収縮するためのガ
スが流通する。外チューブの外径を小さくすると、この
ルーメンの流路断面積が益々小さくなり、流路抵抗が増
大し、ガスにより駆動されるバルーン部の拡張・収縮の
応答性が悪くなり、拡張・収縮のタイミングのズレが生
じるおそれがあり、心臓の補助作用を有効に発揮できな
いおそれがある。
ーメンには、バルーン部を拡張または収縮するためのガ
スが流通する。外チューブの外径を小さくすると、この
ルーメンの流路断面積が益々小さくなり、流路抵抗が増
大し、ガスにより駆動されるバルーン部の拡張・収縮の
応答性が悪くなり、拡張・収縮のタイミングのズレが生
じるおそれがあり、心臓の補助作用を有効に発揮できな
いおそれがある。
【0008】バルーン部の拡張・収縮の周期は、たとえ
ば心拍動を100拍/分とすると、0.6秒の周期であ
り、この周期より短い時間に外チューブのルーメン内を
ガスが往復するので、流路抵抗は小さいほど好ましい。
ば心拍動を100拍/分とすると、0.6秒の周期であ
り、この周期より短い時間に外チューブのルーメン内を
ガスが往復するので、流路抵抗は小さいほど好ましい。
【0009】しかしながら、前述したように、外チュー
ブのルーメン内部には、内チューブが配置してあり、内
チューブの外径を小さくすることにも限界があり、しか
も外チューブの外径を小さくするにも限界があった。
ブのルーメン内部には、内チューブが配置してあり、内
チューブの外径を小さくすることにも限界があり、しか
も外チューブの外径を小さくするにも限界があった。
【0010】そこで、従来では、患者の負担を著しく増
大させない範囲内で、カテーテルチューブを構成する外
チューブの外径をできるだけ大きく設定するしかなく、
満足できるレベルで、バルーン部の拡張・収縮の応答性
を得るためには、ある程度、患者の負担が大きくなるこ
とは仕方なかった。
大させない範囲内で、カテーテルチューブを構成する外
チューブの外径をできるだけ大きく設定するしかなく、
満足できるレベルで、バルーン部の拡張・収縮の応答性
を得るためには、ある程度、患者の負担が大きくなるこ
とは仕方なかった。
【0011】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、カテーテルチューブを構成する外チューブの外径を
小さくし、患者の負担を軽減することができるにもかか
わらず、バルーン部の拡張・収縮の応答性を向上させる
ことができる画期的なバルーンカテーテルおよびそれに
用いるカテーテル補助具を提供することを目的とする。
れ、カテーテルチューブを構成する外チューブの外径を
小さくし、患者の負担を軽減することができるにもかか
わらず、バルーン部の拡張・収縮の応答性を向上させる
ことができる画期的なバルーンカテーテルおよびそれに
用いるカテーテル補助具を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点に係
るバルーンカテーテル 上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る
バルーンカテーテルは、内部に第1ルーメンを持つ外チ
ューブと、前記外チューブの第1ルーメン内を軸方向に
伸び、前記外チューブの遠位端部よりも遠位端側に突出
し、内部に第2ルーメンを有する内チューブと、前記第
1ルーメンに連通するバルーン空間が内部に形成される
ように、前記外チューブの遠位端部にバルーン部の近位
端部が接合してあり、バルーン部の遠位端部が前記内チ
ューブの遠位端部に対して接合してあり、前記バルーン
空間に前記第1ルーメンを通して圧力流体を導入および
導出することにより、拡張状態および収縮状態となるバ
ルーン部と、前記第2ルーメン内の少なくとも近位端側
内部を密封可能に第2ルーメン内に装着される弁体と、
を有する。
るバルーンカテーテル 上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る
バルーンカテーテルは、内部に第1ルーメンを持つ外チ
ューブと、前記外チューブの第1ルーメン内を軸方向に
伸び、前記外チューブの遠位端部よりも遠位端側に突出
し、内部に第2ルーメンを有する内チューブと、前記第
1ルーメンに連通するバルーン空間が内部に形成される
ように、前記外チューブの遠位端部にバルーン部の近位
端部が接合してあり、バルーン部の遠位端部が前記内チ
ューブの遠位端部に対して接合してあり、前記バルーン
空間に前記第1ルーメンを通して圧力流体を導入および
導出することにより、拡張状態および収縮状態となるバ
ルーン部と、前記第2ルーメン内の少なくとも近位端側
内部を密封可能に第2ルーメン内に装着される弁体と、
を有する。
【0013】前記内チューブは、第2ルーメン内部を負
圧にすることにより潰れやすい材質で構成してあること
が好ましい。
圧にすることにより潰れやすい材質で構成してあること
が好ましい。
【0014】前記弁体は、前記第2ルーメンの内部で、
内チューブの内壁に対して、軸方向に移動自在装着また
は移動不能に固定してある。
内チューブの内壁に対して、軸方向に移動自在装着また
は移動不能に固定してある。
【0015】前記弁体を、前記第2ルーメンの内部で、
内チューブの内壁に対して、軸方向に移動不能に固定す
る場合には、前記弁体は、前記内チューブの遠位端側
で、前記第2ルーメン内に固定してあることが好まし
く、ガイドワイヤの通過が可能に、且つ当該弁体よりも
近位端側に位置する第2ルーメンの内部を密封可能に構
成してあることが好ましい。このような弁体としては、
特に限定されないが、通常の医療部品として用いられる
ダックビル弁などの止血弁に限らず、3方コック弁、圧
着バネ弁、吸水性ポリマースリット弁(ゲル状物質)な
どを例示することができる。また、本バルーンカテーテ
ルは、血圧測定を目的として、第2ルーメンに平行して
血圧測定用線材を具備していることが好ましい。
内チューブの内壁に対して、軸方向に移動不能に固定す
る場合には、前記弁体は、前記内チューブの遠位端側
で、前記第2ルーメン内に固定してあることが好まし
く、ガイドワイヤの通過が可能に、且つ当該弁体よりも
近位端側に位置する第2ルーメンの内部を密封可能に構
成してあることが好ましい。このような弁体としては、
特に限定されないが、通常の医療部品として用いられる
ダックビル弁などの止血弁に限らず、3方コック弁、圧
着バネ弁、吸水性ポリマースリット弁(ゲル状物質)な
どを例示することができる。また、本バルーンカテーテ
ルは、血圧測定を目的として、第2ルーメンに平行して
血圧測定用線材を具備していることが好ましい。
【0016】前記弁体を、前記第2ルーメンの内部で、
内チューブの内壁に対して、軸方向に移動可能に装着す
る場合には、当該弁体は、カテーテル補助具に具備して
あることが好ましい。このような弁体としては、内チュ
ーブの第2ルーメン内部を軸方向に移動可能な形状であ
り、しかも弁体の位置よりも近位端側に位置する第2ル
ーメンの内部を密封可能な形状であれば、特に限定され
ないが、たとえば弾丸形状、球形状、楕円球形状などが
例示される。
内チューブの内壁に対して、軸方向に移動可能に装着す
る場合には、当該弁体は、カテーテル補助具に具備して
あることが好ましい。このような弁体としては、内チュ
ーブの第2ルーメン内部を軸方向に移動可能な形状であ
り、しかも弁体の位置よりも近位端側に位置する第2ル
ーメンの内部を密封可能な形状であれば、特に限定され
ないが、たとえば弾丸形状、球形状、楕円球形状などが
例示される。
【0017】本発明に係るカテーテル補助具は、第1ル
ーメンが形成してある外チューブと第2ルーメンが形成
してある内チューブとを持つバルーンカテーテルの内チ
ューブの第2ルーメン内に軸方向に沿って移動自在に装
着されるカテーテル補助具であって、遠位端部に装着さ
れて、前記内チューブの第2ルーメンの流路を密封可能
な弁体と、前記内チューブの近位端側に着脱自在に装着
され、前記弁体よりも近位端側に位置する第2ルーメン
の内部を密閉空間にすることが可能な補助コネクタ部
と、前記弁体および補助コネクタ部を長手方向に沿って
連結する線状部材と、を有することが好ましい。
ーメンが形成してある外チューブと第2ルーメンが形成
してある内チューブとを持つバルーンカテーテルの内チ
ューブの第2ルーメン内に軸方向に沿って移動自在に装
着されるカテーテル補助具であって、遠位端部に装着さ
れて、前記内チューブの第2ルーメンの流路を密封可能
な弁体と、前記内チューブの近位端側に着脱自在に装着
され、前記弁体よりも近位端側に位置する第2ルーメン
の内部を密閉空間にすることが可能な補助コネクタ部
と、前記弁体および補助コネクタ部を長手方向に沿って
連結する線状部材と、を有することが好ましい。
【0018】本発明において、線状部材としては、特に
限定されないが、金属ワイヤであることが好ましい。ま
た、線状部材の外径は、バルーンカテーテルを案内する
ためのガイドワイヤの外径よりも小さいことが好まし
い。本発明に係るカテーテル補助具は、ガイドワイヤを
内チューブの第2ルーメンから抜き出した後に、第2ル
ーメン内に挿入される。さらに、本発明に係る補助具
は、前記内チューブの第2ルーメンの流路を密封可能な
弁体のさらに遠位端部に装着され、周囲の圧力を検出可
能になっている圧力センサ部を有することが好ましい。
限定されないが、金属ワイヤであることが好ましい。ま
た、線状部材の外径は、バルーンカテーテルを案内する
ためのガイドワイヤの外径よりも小さいことが好まし
い。本発明に係るカテーテル補助具は、ガイドワイヤを
内チューブの第2ルーメンから抜き出した後に、第2ル
ーメン内に挿入される。さらに、本発明に係る補助具
は、前記内チューブの第2ルーメンの流路を密封可能な
弁体のさらに遠位端部に装着され、周囲の圧力を検出可
能になっている圧力センサ部を有することが好ましい。
【0019】本発明に係るバルーンカテーテルおよび/
またはカテーテル補助具は、前記弁体よりも近位端側に
位置する第2ルーメンの内部を負圧にする負圧手段をさ
らに有することが好ましい。
またはカテーテル補助具は、前記弁体よりも近位端側に
位置する第2ルーメンの内部を負圧にする負圧手段をさ
らに有することが好ましい。
【0020】本発明の第2の観点に係るバルーンカテー
テル 本発明の第2の観点に係るバルーンカテーテルは、内部
に第1ルーメンを持つ外チューブと、前記外チューブの
第1ルーメン内を軸方向に伸び、前記外チューブの遠位
端部よりも遠位端側に突出し、内部に第2ルーメンを有
する内チューブと、前記第1ルーメンに連通するバルー
ン空間が内部に形成されるように、前記外チューブの遠
位端部にバルーン部の近位端部が接合してあり、バルー
ン部の遠位端部が前記内チューブの遠位端部に対して接
合してあり、前記バルーン空間に前記第1ルーメンを通
して圧力流体を導入および導出することにより、拡張状
態および収縮状態となるバルーン部と、を有するバルー
ンカテーテルであって、前記内チューブの第2ルーメン
内部に長手状部材(たとえばガイドワイヤ)を挿入しな
い状態で、前記内チューブの長手方向に沿って少なくと
も一部が潰れる形状を、前記内チューブに記憶してある
ことを特徴とする。
テル 本発明の第2の観点に係るバルーンカテーテルは、内部
に第1ルーメンを持つ外チューブと、前記外チューブの
第1ルーメン内を軸方向に伸び、前記外チューブの遠位
端部よりも遠位端側に突出し、内部に第2ルーメンを有
する内チューブと、前記第1ルーメンに連通するバルー
ン空間が内部に形成されるように、前記外チューブの遠
位端部にバルーン部の近位端部が接合してあり、バルー
ン部の遠位端部が前記内チューブの遠位端部に対して接
合してあり、前記バルーン空間に前記第1ルーメンを通
して圧力流体を導入および導出することにより、拡張状
態および収縮状態となるバルーン部と、を有するバルー
ンカテーテルであって、前記内チューブの第2ルーメン
内部に長手状部材(たとえばガイドワイヤ)を挿入しな
い状態で、前記内チューブの長手方向に沿って少なくと
も一部が潰れる形状を、前記内チューブに記憶してある
ことを特徴とする。
【0021】すなわち、前記内チューブは、元々潰れた
形状を有し、内チューブの第2ルーメン内に無理矢理ガ
イドワイヤなどを挿入することにより、第2ルーメンが
広がる形状であっても良い。この場合、第2ルーメンか
らガイドワイヤを引き抜いた後は、内チューブは潰れた
形状に戻る。または、内チューブを形状記憶樹脂などで
構成し、前記内チューブの第2ルーメン内部から長手状
部材(たとえばガイドワイヤ)を抜き出した後に、温度
条件などを変化させることにより、記憶している潰れた
形状を回復させることにより、内チューブを潰れた形状
に戻しても良い。
形状を有し、内チューブの第2ルーメン内に無理矢理ガ
イドワイヤなどを挿入することにより、第2ルーメンが
広がる形状であっても良い。この場合、第2ルーメンか
らガイドワイヤを引き抜いた後は、内チューブは潰れた
形状に戻る。または、内チューブを形状記憶樹脂などで
構成し、前記内チューブの第2ルーメン内部から長手状
部材(たとえばガイドワイヤ)を抜き出した後に、温度
条件などを変化させることにより、記憶している潰れた
形状を回復させることにより、内チューブを潰れた形状
に戻しても良い。
【0022】共通事項 本発明において、バルーンカテーテルの内チューブは、
必ずしも外チューブの内壁に接合されていなくても良い
が、好ましくは外チューブの略全長にわたり、外チュー
ブの内壁に対して接合または一体化してある。接合のた
めの手段としては、接着または融着を例示することがで
きる。また、一体化のための手段としては、外チューブ
を押し出し成形などにより成形する際に、内チューブを
も同時に成形する二重チューブ押出成形などを例示する
ことができる。
必ずしも外チューブの内壁に接合されていなくても良い
が、好ましくは外チューブの略全長にわたり、外チュー
ブの内壁に対して接合または一体化してある。接合のた
めの手段としては、接着または融着を例示することがで
きる。また、一体化のための手段としては、外チューブ
を押し出し成形などにより成形する際に、内チューブを
も同時に成形する二重チューブ押出成形などを例示する
ことができる。
【0023】内チューブが、外チューブの略全長にわた
り、外チューブの内壁に対して接合または一体化してあ
ることが好ましいのは、内チューブが潰れている状態
で、外チューブの第1ルーメンを通過する流体の動きに
より内チューブが振動することなどを防止するためであ
る。また、潰れている内チューブが外チューブの内壁に
接合または一体化してあることで、外チューブの補強に
も成るからである。
り、外チューブの内壁に対して接合または一体化してあ
ることが好ましいのは、内チューブが潰れている状態
で、外チューブの第1ルーメンを通過する流体の動きに
より内チューブが振動することなどを防止するためであ
る。また、潰れている内チューブが外チューブの内壁に
接合または一体化してあることで、外チューブの補強に
も成るからである。
【0024】本発明において、外チューブの横断面形状
は、特に限定されず、円形でも多角形状でも良いが、円
形であることが好ましい。
は、特に限定されず、円形でも多角形状でも良いが、円
形であることが好ましい。
【0025】本発明において、バルーン部は、内部にバ
ルーン空間が形成してある筒状のフィルムで構成してあ
り、拡張状態において、外チューブよりも大きな外径を
持つ。拡張状態において、バルーン部の横断面形状は、
特に限定されず、円形でも多角形状でも良いが、円形で
あることが好ましい。
ルーン空間が形成してある筒状のフィルムで構成してあ
り、拡張状態において、外チューブよりも大きな外径を
持つ。拡張状態において、バルーン部の横断面形状は、
特に限定されず、円形でも多角形状でも良いが、円形で
あることが好ましい。
【0026】
【作用】本発明の第1および第2の観点に係るバルーン
カテーテルを患者の血管などの体腔内に差し込む際に
は、バルーン部および外チューブの内部には、軸方向に
沿って内チューブが装着してあるので、その内チューブ
の第2ルーメン内にガイドワイヤを通すことにより、バ
ルーンカテーテルのバルーン部を体腔内の所定位置まで
都合良く案内することができる。
カテーテルを患者の血管などの体腔内に差し込む際に
は、バルーン部および外チューブの内部には、軸方向に
沿って内チューブが装着してあるので、その内チューブ
の第2ルーメン内にガイドワイヤを通すことにより、バ
ルーンカテーテルのバルーン部を体腔内の所定位置まで
都合良く案内することができる。
【0027】バルーン部を体腔内の所定位置に位置させ
た後には、ガイドワイヤを内チューブの第2ルーメンか
ら抜き出す。
た後には、ガイドワイヤを内チューブの第2ルーメンか
ら抜き出す。
【0028】本発明の第1の観点に係るバルーンカテー
テルにおいて、バルーンカテーテルの内チューブの第2
ルーメン内部に予め弁体が固定してある場合には、次
に、弁体の近位端側に位置する第2ルーメンの内部を負
圧にすることで、内チューブを潰すことができる。その
結果、外チューブにおける第1ルーメンの流路断面積が
広がることになる。なお、第2ルーメン内部に予め弁体
が固定されていない場合には、弁体を第2ルーメンの内
部に挿入した後、弁体の近位端側に位置する第2ルーメ
ンの内部を負圧にすることで、内チューブを潰すことが
できる。
テルにおいて、バルーンカテーテルの内チューブの第2
ルーメン内部に予め弁体が固定してある場合には、次
に、弁体の近位端側に位置する第2ルーメンの内部を負
圧にすることで、内チューブを潰すことができる。その
結果、外チューブにおける第1ルーメンの流路断面積が
広がることになる。なお、第2ルーメン内部に予め弁体
が固定されていない場合には、弁体を第2ルーメンの内
部に挿入した後、弁体の近位端側に位置する第2ルーメ
ンの内部を負圧にすることで、内チューブを潰すことが
できる。
【0029】本発明の第2の観点に係るバルーンカテー
テルにおいては、ガイドワイヤを内チューブの第2ルー
メンから抜き出すことで、または抜き出した後に温度条
件などを変えることで、内チューブが潰れる。
テルにおいては、ガイドワイヤを内チューブの第2ルー
メンから抜き出すことで、または抜き出した後に温度条
件などを変えることで、内チューブが潰れる。
【0030】これらの状態では、カテーテルチューブを
構成する外チューブの第1ルーメンの流路断面積が、内
チューブが潰れた分、大きくなる。その結果、バルーン
部の内部へ圧力流体を送り込むための流路断面が大きく
なり、バルーン部を拡張および収縮するための応答性が
著しく向上する。また、このことは、従来のバルーンカ
テーテルに比較して、カテーテルチューブを構成する外
チューブの外径を小さくしても、従来と同等以上のバル
ーン部の拡張・収縮の応答特性を得られることを意味す
る。カテーテルチューブを構成する外チューブの外径を
小さくできれば、患者の負担を軽減することができるの
で、この点でも好ましい。
構成する外チューブの第1ルーメンの流路断面積が、内
チューブが潰れた分、大きくなる。その結果、バルーン
部の内部へ圧力流体を送り込むための流路断面が大きく
なり、バルーン部を拡張および収縮するための応答性が
著しく向上する。また、このことは、従来のバルーンカ
テーテルに比較して、カテーテルチューブを構成する外
チューブの外径を小さくしても、従来と同等以上のバル
ーン部の拡張・収縮の応答特性を得られることを意味す
る。カテーテルチューブを構成する外チューブの外径を
小さくできれば、患者の負担を軽減することができるの
で、この点でも好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。
形態に基づき説明する。
【0032】図1は本発明の1実施形態に係るバルーン
カテーテルの概略断面図、図2は図1に示すバルーンカ
テーテルの内チューブの遠位端部を示す要部拡大断面
図、図3(A)〜(C)は図1に示すIII−III線に沿う
要部断面図、図4はバルーンカテーテルを患者の血管内
に挿入するための前準備を示す概略図、図5は図1に示
すバルーンカテーテルの使用状態を示す概略図、図6は
図2に示す弁体の変形例を示す要部断面図、図7および
8は本発明の他の実施形態に係るバルーンカテーテルお
よびカテーテル補助具の概略断面図である。
カテーテルの概略断面図、図2は図1に示すバルーンカ
テーテルの内チューブの遠位端部を示す要部拡大断面
図、図3(A)〜(C)は図1に示すIII−III線に沿う
要部断面図、図4はバルーンカテーテルを患者の血管内
に挿入するための前準備を示す概略図、図5は図1に示
すバルーンカテーテルの使用状態を示す概略図、図6は
図2に示す弁体の変形例を示す要部断面図、図7および
8は本発明の他の実施形態に係るバルーンカテーテルお
よびカテーテル補助具の概略断面図である。
【0033】第1実施形態 図1に示す第1実施形態に係るバルーンカテーテル2
は、IABPに用いられるものであり、心臓の拍動に合
わせて拡張および収縮するバルーン部4を有する。バル
ーン4部は、膜厚が40〜150μmの筒状のバルーン
膜22で構成されることが好ましく、内部にバルーン空
間が形成してある。膜厚が40μm以下では強度に劣
り、150μm以上では拡張がスムーズに行わないおそ
れがあるためである。本実施形態では、拡張状態のバル
ーン膜22の形状は円筒形状であるが、本発明では、こ
れに限定されず、多角筒形状であっても良い。
は、IABPに用いられるものであり、心臓の拍動に合
わせて拡張および収縮するバルーン部4を有する。バル
ーン4部は、膜厚が40〜150μmの筒状のバルーン
膜22で構成されることが好ましく、内部にバルーン空
間が形成してある。膜厚が40μm以下では強度に劣
り、150μm以上では拡張がスムーズに行わないおそ
れがあるためである。本実施形態では、拡張状態のバル
ーン膜22の形状は円筒形状であるが、本発明では、こ
れに限定されず、多角筒形状であっても良い。
【0034】IABP用バルーン膜22は耐屈曲疲労特
性に優れた材質であることが好ましく、例えばポリウレ
タン、シリコーン、軟質ポリエチレン、軟質ポリアミ
ド、軟質ポリエステルなどの材料で形成され、特にポリ
ウレタンで形成されたものが血栓の発生抑止能が高く、
耐摩耗性も高いので好適である。バルーン膜22の外径
および長さは、心機能の補助効果に大きく影響するバル
ーン膜22の内容積と、動脈血管の内径などに応じて決
定される。たとえば、バルーン部4の内容積が25〜6
5ccであり、バルーン部4の拡張時の外径Dが、好ま
しくは10〜30mm、さらに好ましくは15〜25m
mであり、バルーン部4の長さL(図1参照)が、好ま
しくは90〜300mm、さらに好ましくは110〜2
50mmである。バルーン部4の長さLは、カテーテル
チューブ6の遠位端部との接合部から先端チップ部20
の遠位端部との接合部までの長さとする。
性に優れた材質であることが好ましく、例えばポリウレ
タン、シリコーン、軟質ポリエチレン、軟質ポリアミ
ド、軟質ポリエステルなどの材料で形成され、特にポリ
ウレタンで形成されたものが血栓の発生抑止能が高く、
耐摩耗性も高いので好適である。バルーン膜22の外径
および長さは、心機能の補助効果に大きく影響するバル
ーン膜22の内容積と、動脈血管の内径などに応じて決
定される。たとえば、バルーン部4の内容積が25〜6
5ccであり、バルーン部4の拡張時の外径Dが、好ま
しくは10〜30mm、さらに好ましくは15〜25m
mであり、バルーン部4の長さL(図1参照)が、好ま
しくは90〜300mm、さらに好ましくは110〜2
50mmである。バルーン部4の長さLは、カテーテル
チューブ6の遠位端部との接合部から先端チップ部20
の遠位端部との接合部までの長さとする。
【0035】本実施形態に係るバルーン膜22の製造方
法は、特に限定されないが、たとえばバルーン膜を成形
するための型を成形溶液中に浸し、型の外周面に樹脂膜
を形成し、これを乾燥して脱型する方法(ディピッング
成形法)を例示することができる。また、パリソンをブ
ロー成形することにより、バルーン膜を形成する方法
(ブロー成形法)もある。
法は、特に限定されないが、たとえばバルーン膜を成形
するための型を成形溶液中に浸し、型の外周面に樹脂膜
を形成し、これを乾燥して脱型する方法(ディピッング
成形法)を例示することができる。また、パリソンをブ
ロー成形することにより、バルーン膜を形成する方法
(ブロー成形法)もある。
【0036】このバルーン膜22の遠位端には先細と成
る遠位端側テーパ部24が形成され、その最遠位端7が
先端チップ部20の遠位端外周に熱融着または接着など
の手段で取り付けてある。先端チップ部20は、円筒状
の短チューブで構成してあり、たとえば、ポリウレタ
ン、ポリアミド、ポリエステルなどの合成樹脂または金
属短チューブで構成してある。先端チップ部20の外径
は、特に限定されないが、1.0〜3.0mm程度が好
ましく、その内径は、0.5〜2.5mm程度が好まし
い。
る遠位端側テーパ部24が形成され、その最遠位端7が
先端チップ部20の遠位端外周に熱融着または接着など
の手段で取り付けてある。先端チップ部20は、円筒状
の短チューブで構成してあり、たとえば、ポリウレタ
ン、ポリアミド、ポリエステルなどの合成樹脂または金
属短チューブで構成してある。先端チップ部20の外径
は、特に限定されないが、1.0〜3.0mm程度が好
ましく、その内径は、0.5〜2.5mm程度が好まし
い。
【0037】バルーン膜22の近位端には、先細と成る
近位端側テーパ部26が形成され、その最近位端5が、
カテーテルチューブ6を構成する外チューブ8の遠位端
に接合してある。バルーン膜22と外チューブ8との接
合は、熱融着あるいは紫外線硬化樹脂などの接着剤によ
る接着により行われる。バルーン膜22は、その近位端
および遠位端以外の部分では、その他の部材に対して接
合されておらず、内部にバルーン拡張用空間が形成され
る。バルーン膜22が膨らんだ状態では、内チューブ1
0の軸芯とバルーン膜22の軸芯とは略同一軸芯とな
る。
近位端側テーパ部26が形成され、その最近位端5が、
カテーテルチューブ6を構成する外チューブ8の遠位端
に接合してある。バルーン膜22と外チューブ8との接
合は、熱融着あるいは紫外線硬化樹脂などの接着剤によ
る接着により行われる。バルーン膜22は、その近位端
および遠位端以外の部分では、その他の部材に対して接
合されておらず、内部にバルーン拡張用空間が形成され
る。バルーン膜22が膨らんだ状態では、内チューブ1
0の軸芯とバルーン膜22の軸芯とは略同一軸芯とな
る。
【0038】本実施形態では、カテーテルチューブ6
は、外チューブ8と内チューブ10とからなる二重チュ
ーブ構造となっており、外チューブ8と内チューブ10
との間の隙間に第1ルーメン12が形成してあり、内チ
ューブ10の内部には、バルーン膜22の内部およびカ
テーテルチューブ6内に形成された第1ルーメン12と
は連通しない第2ルーメン14が形成してある。
は、外チューブ8と内チューブ10とからなる二重チュ
ーブ構造となっており、外チューブ8と内チューブ10
との間の隙間に第1ルーメン12が形成してあり、内チ
ューブ10の内部には、バルーン膜22の内部およびカ
テーテルチューブ6内に形成された第1ルーメン12と
は連通しない第2ルーメン14が形成してある。
【0039】本実施形態では、図3(A)に示すよう
に、内チューブ10は、外チューブ略全長にわたり、外
チューブ8の内壁に対して、熱融着、接着または押出成
形による一体成形などの手段で接合してある。接着によ
る場合には、接着剤としては、紫外線硬化樹脂などが用
いられる。
に、内チューブ10は、外チューブ略全長にわたり、外
チューブ8の内壁に対して、熱融着、接着または押出成
形による一体成形などの手段で接合してある。接着によ
る場合には、接着剤としては、紫外線硬化樹脂などが用
いられる。
【0040】二重カテーテルチューブ6の内部に形成さ
れた第1ルーメン12を通じて、バルーン膜22内に、
圧力流体が導入または導出され、バルーン膜22が拡張
または収縮するようになっている。
れた第1ルーメン12を通じて、バルーン膜22内に、
圧力流体が導入または導出され、バルーン膜22が拡張
または収縮するようになっている。
【0041】内チューブ10の遠位端は、外チューブ8
の遠位端より遠方へ突き出ており、先端チップ20に対
して接合してある。
の遠位端より遠方へ突き出ており、先端チップ20に対
して接合してある。
【0042】カテーテルチューブ6の内チューブ10
は、後述するように、第2ルーメン14内にガイドワイ
ヤを挿通させることで、バルーンカテーテル2を動脈内
に挿入する際に、バルーン部4を都合良く動脈内の所定
位置に案内するために用いられる。バルーンカテーテル
2を血管などの体腔内に差し込む際には、バルーン部4
を構成するバルーン膜22は、内チューブ10および血
圧測定用線材42の外周に折り畳んで巻回される。血圧
測定用線材42の詳細については後述する。
は、後述するように、第2ルーメン14内にガイドワイ
ヤを挿通させることで、バルーンカテーテル2を動脈内
に挿入する際に、バルーン部4を都合良く動脈内の所定
位置に案内するために用いられる。バルーンカテーテル
2を血管などの体腔内に差し込む際には、バルーン部4
を構成するバルーン膜22は、内チューブ10および血
圧測定用線材42の外周に折り畳んで巻回される。血圧
測定用線材42の詳細については後述する。
【0043】図1に示す内チューブ10は、たとえば外
チューブ8と同様な材質で構成されて良く、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ
イミド等の合成樹脂チューブ等で構成されるが、本実施
形態では、後述するように、第2ルーメン14の内部を
負圧にすることにより潰れやすい材質で構成される。具
体的には、内チューブ10は、ショアA硬度で、好まし
くは50A〜97A(60D)、さらに好ましくは80
A〜97A程度のポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレン、ポリアミド、ポリイミドなどの合成樹脂で構
成される。内チューブ10の硬度が高すぎる場合には、
負圧によるチューブ10の潰れが困難になる傾向にあ
り、硬度が低すぎると、バルーンカテーテル2の全体の
強度が低下し、バルーンカテーテル2がキンクし易くな
る傾向にある。また、ガイドワイヤ通過時に破損し易く
なる傾向にある。
チューブ8と同様な材質で構成されて良く、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ
イミド等の合成樹脂チューブ等で構成されるが、本実施
形態では、後述するように、第2ルーメン14の内部を
負圧にすることにより潰れやすい材質で構成される。具
体的には、内チューブ10は、ショアA硬度で、好まし
くは50A〜97A(60D)、さらに好ましくは80
A〜97A程度のポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレン、ポリアミド、ポリイミドなどの合成樹脂で構
成される。内チューブ10の硬度が高すぎる場合には、
負圧によるチューブ10の潰れが困難になる傾向にあ
り、硬度が低すぎると、バルーンカテーテル2の全体の
強度が低下し、バルーンカテーテル2がキンクし易くな
る傾向にある。また、ガイドワイヤ通過時に破損し易く
なる傾向にある。
【0044】なお、内チューブ10の硬度が低すぎて、
バルーンカテーテル2の全体の強度が低下する場合に
は、内チューブ10の第2ルーメン14内に線状補強材
を配置しても良い。また、後述する血圧測定用線材で補
うこともできる。線状補強材として、ステンレス線、ニ
ッケル・チタン合金線などが例示される。この線状補強
材は、内チューブ10のチューブ壁に一体化(チューブ
壁の内部に埋め込みまたは内外壁面に接合)しても良
い。ただし、内チューブ10のチューブ壁に一体化する
場合には、内チューブ10が潰れやすいように、チュー
ブ壁の周囲の一部にのみ配置することが好ましい。さら
に好ましくは、このような線状補強材は、図3(A)に
示す内チューブ10と外チューブ8との接合部に配置す
る。この接合部に線状補強材を配置することで、内チュ
ーブ10の潰れ易さを保ちながら、内チューブ10およ
び/または外チューブ8の補強を兼ねることができる。
このような線状補強材は、外チューブ8の第1ルーメン
内部に配置することもできるし、外チューブ8のチュー
ブ壁に一体化しても良い。外チューブ8は、潰れない方
が好ましいことから、外チューブ8に一体化される補強
材としては、線状補強材に限らず、網状補強材などの平
面状補強材または粒状補強材であっても良い。
バルーンカテーテル2の全体の強度が低下する場合に
は、内チューブ10の第2ルーメン14内に線状補強材
を配置しても良い。また、後述する血圧測定用線材で補
うこともできる。線状補強材として、ステンレス線、ニ
ッケル・チタン合金線などが例示される。この線状補強
材は、内チューブ10のチューブ壁に一体化(チューブ
壁の内部に埋め込みまたは内外壁面に接合)しても良
い。ただし、内チューブ10のチューブ壁に一体化する
場合には、内チューブ10が潰れやすいように、チュー
ブ壁の周囲の一部にのみ配置することが好ましい。さら
に好ましくは、このような線状補強材は、図3(A)に
示す内チューブ10と外チューブ8との接合部に配置す
る。この接合部に線状補強材を配置することで、内チュ
ーブ10の潰れ易さを保ちながら、内チューブ10およ
び/または外チューブ8の補強を兼ねることができる。
このような線状補強材は、外チューブ8の第1ルーメン
内部に配置することもできるし、外チューブ8のチュー
ブ壁に一体化しても良い。外チューブ8は、潰れない方
が好ましいことから、外チューブ8に一体化される補強
材としては、線状補強材に限らず、網状補強材などの平
面状補強材または粒状補強材であっても良い。
【0045】内チューブ10の内径は、ガイドワイヤを
挿通できる径であれば特に限定されず、たとえば0.1
5〜1.5mm、好ましくは0.6〜1mmである。こ
の内チューブ10の肉厚は、0.05〜0.3mmが好
ましい。0.05mm以下では強度に劣り、0.3mm
以上では内チューブ10の外径が大きく成りすぎ好まし
くない。この内チューブ10の外径は、好ましくは0.
3〜2.5mm、特に好ましくは0.7〜1.5mmで
ある。内チューブ10の全長は、血管内に挿入されるバ
ルーンカテーテル2の軸方向長さなどに応じて決定さ
れ、特に限定されないが、たとえば400〜1200m
m、好ましくは600〜1000mm程度である。
挿通できる径であれば特に限定されず、たとえば0.1
5〜1.5mm、好ましくは0.6〜1mmである。こ
の内チューブ10の肉厚は、0.05〜0.3mmが好
ましい。0.05mm以下では強度に劣り、0.3mm
以上では内チューブ10の外径が大きく成りすぎ好まし
くない。この内チューブ10の外径は、好ましくは0.
3〜2.5mm、特に好ましくは0.7〜1.5mmで
ある。内チューブ10の全長は、血管内に挿入されるバ
ルーンカテーテル2の軸方向長さなどに応じて決定さ
れ、特に限定されないが、たとえば400〜1200m
m、好ましくは600〜1000mm程度である。
【0046】二重カテーテルチューブ6の外チューブ8
は、ある程度の可撓性を有する材質で構成されることが
好ましく、たとえばポリエチレン、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル
(PVC)、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リウレタン、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポ
リイミド、ポリイミドエラストマー、シリコーンゴム、
天然ゴムなどが使用でき、好ましくは、ポリウレタン、
ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミドで構成される。
カテーテルチューブ6の外チューブ8の外径は、軸方向
に均一でも良いが、バルーン膜22側近傍で小さく、そ
の他の部分(近位端側)で大きくなるように、途中に段
差部またはテーパ部を形成しても良い。第1ルーメン1
2の流路断面を大きくすることにより、バルーン膜22
を拡張および収縮させる応答性を良好にすることができ
る。外チューブ8の内径は、好ましくは1.0〜3.0
mm、特に好ましくは1.5〜2.6mmである。ま
た、外チューブ8の肉厚は、好ましくは0.05〜0.
4mmである。0.05mm以下では強度に劣り、0.
4mm以上ではチューブの外径が太くなり操作性が悪く
なるためである。また、外チューブ8の外径は、好まし
くは1.3〜3.3mm、特に好ましくは1.8〜3.
0mmであり、外チューブ8の第1ルーメン内に挿入さ
れる内チューブ10の外径との隙間が0に近くても良
い。外チューブ8の第1ルーメン12を通して、バルー
ン部4の内部に圧力流体を導入および導出する際には、
内チューブ10は潰されており、十分な流路断面が確保
してあるからである。本実施形態では、外チューブ8の
長さは、好ましくは300〜800mm程度である。
は、ある程度の可撓性を有する材質で構成されることが
好ましく、たとえばポリエチレン、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル
(PVC)、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リウレタン、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポ
リイミド、ポリイミドエラストマー、シリコーンゴム、
天然ゴムなどが使用でき、好ましくは、ポリウレタン、
ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミドで構成される。
カテーテルチューブ6の外チューブ8の外径は、軸方向
に均一でも良いが、バルーン膜22側近傍で小さく、そ
の他の部分(近位端側)で大きくなるように、途中に段
差部またはテーパ部を形成しても良い。第1ルーメン1
2の流路断面を大きくすることにより、バルーン膜22
を拡張および収縮させる応答性を良好にすることができ
る。外チューブ8の内径は、好ましくは1.0〜3.0
mm、特に好ましくは1.5〜2.6mmである。ま
た、外チューブ8の肉厚は、好ましくは0.05〜0.
4mmである。0.05mm以下では強度に劣り、0.
4mm以上ではチューブの外径が太くなり操作性が悪く
なるためである。また、外チューブ8の外径は、好まし
くは1.3〜3.3mm、特に好ましくは1.8〜3.
0mmであり、外チューブ8の第1ルーメン内に挿入さ
れる内チューブ10の外径との隙間が0に近くても良
い。外チューブ8の第1ルーメン12を通して、バルー
ン部4の内部に圧力流体を導入および導出する際には、
内チューブ10は潰されており、十分な流路断面が確保
してあるからである。本実施形態では、外チューブ8の
長さは、好ましくは300〜800mm程度である。
【0047】二重カテーテルチューブ6の外チューブ8
の近位端には患者の体外に設置されるコネクタ40が接
続してある。コネクタ40はカテーテルチューブ6の外
チューブ8とは別体に成形され、熱融着あるいは接着な
どの手段で固着される。コネクタ40にはカテーテルチ
ューブ6内の第1ルーメン12とバルーン膜22内に圧
力流体を導入または導出するための第1ポート16と、
第2ルーメン14に連通する第2ポート17と、端子取
出部分18とが形成してある。
の近位端には患者の体外に設置されるコネクタ40が接
続してある。コネクタ40はカテーテルチューブ6の外
チューブ8とは別体に成形され、熱融着あるいは接着な
どの手段で固着される。コネクタ40にはカテーテルチ
ューブ6内の第1ルーメン12とバルーン膜22内に圧
力流体を導入または導出するための第1ポート16と、
第2ルーメン14に連通する第2ポート17と、端子取
出部分18とが形成してある。
【0048】本実施形態では、第1ポート16は、コネ
クタ40の内部で長手方向に沿って直線状に配置してあ
る。直線状に配置することで、第1ポート16から第1
ルーメン12へと至る流路の抵抗が小さくなり、この点
でも、バルーン部4の拡張および収縮の応答特性が良好
になる。
クタ40の内部で長手方向に沿って直線状に配置してあ
る。直線状に配置することで、第1ポート16から第1
ルーメン12へと至る流路の抵抗が小さくなり、この点
でも、バルーン部4の拡張および収縮の応答特性が良好
になる。
【0049】このコネクタ40は、たとえばポリカーボ
ネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリスチレン、ポ
リアクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合体などの熱可塑性樹脂で射出成形などにより
成形される。
ネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリスチレン、ポ
リアクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合体などの熱可塑性樹脂で射出成形などにより
成形される。
【0050】第1ポート16の外周には、第1ルアー接
続部44が形成してある。第1ルアー接続部44には、
図5に示す駆動装置28の接続口が着脱自在に接続さ
れ、駆動装置28で発生した陽圧および陰圧のバルーン
駆動用シャトルガスが流通可能になっている。第2ポー
ト17の外周には、第2ルアー接続部46が形成してあ
る。この第2ルアー接続部46が形成してある第2ポー
ト17には、シリンジなどの負圧発生手段が着脱自在に
接続され、第2ポート17を通して、第2ルーメン14
内部を負圧にし、図3(B)に示すように、内チューブ
10を内側に潰すことが可能になっている。
続部44が形成してある。第1ルアー接続部44には、
図5に示す駆動装置28の接続口が着脱自在に接続さ
れ、駆動装置28で発生した陽圧および陰圧のバルーン
駆動用シャトルガスが流通可能になっている。第2ポー
ト17の外周には、第2ルアー接続部46が形成してあ
る。この第2ルアー接続部46が形成してある第2ポー
ト17には、シリンジなどの負圧発生手段が着脱自在に
接続され、第2ポート17を通して、第2ルーメン14
内部を負圧にし、図3(B)に示すように、内チューブ
10を内側に潰すことが可能になっている。
【0051】本実施形態では、図2に示すように、先端
チップ部20の内側に位置する内チューブ10の遠位端
部の第2ルーメン14の内部には、弁体60が接着また
は融着などの手段で固定してある。弁体60は、ガイド
ワイヤなどの長尺挿入物が挿入されていない状態で、第
2ルーメン14の遠位端部を閉塞し、このルーメン14
を密封するようになっている。
チップ部20の内側に位置する内チューブ10の遠位端
部の第2ルーメン14の内部には、弁体60が接着また
は融着などの手段で固定してある。弁体60は、ガイド
ワイヤなどの長尺挿入物が挿入されていない状態で、第
2ルーメン14の遠位端部を閉塞し、このルーメン14
を密封するようになっている。
【0052】このような弁作用を成す弁体60として
は、特に限定されないが、本実施形態では、たとえば特
願平9−155968号に示すような医療用弁体(弁構
成体)を背中合わせに組み合わせたものなどが用いられ
る。弁体60を構成する各弁構成体62は、中心部に、
ガイドワイヤなどを液密性を保持しつつ挿入可能な密着
孔65が形成してある。本実施形態では、密着孔65
は、貫通孔64と、スリット66とから成る。
は、特に限定されないが、本実施形態では、たとえば特
願平9−155968号に示すような医療用弁体(弁構
成体)を背中合わせに組み合わせたものなどが用いられ
る。弁体60を構成する各弁構成体62は、中心部に、
ガイドワイヤなどを液密性を保持しつつ挿入可能な密着
孔65が形成してある。本実施形態では、密着孔65
は、貫通孔64と、スリット66とから成る。
【0053】スリット66は、一文字形状、Y字形状ま
たは十字形状のスリットであり、スリット66の内側
は、貫通孔64に対して連通可能になっており、スリッ
ト66にガイドワイヤが貫通している状態および抜き取
られた状態で、スリット66側からの流体の流通が阻止
されるようになっている。貫通孔64の内径は、貫通孔
64に挿入されるガイドワイヤよりも小さく設計される
ことが好ましく、具体的には、0.3〜1.3mm程度
が好ましい。本実施形態では、これら弁構成体62は、
シリコーンゴムで構成してある。
たは十字形状のスリットであり、スリット66の内側
は、貫通孔64に対して連通可能になっており、スリッ
ト66にガイドワイヤが貫通している状態および抜き取
られた状態で、スリット66側からの流体の流通が阻止
されるようになっている。貫通孔64の内径は、貫通孔
64に挿入されるガイドワイヤよりも小さく設計される
ことが好ましく、具体的には、0.3〜1.3mm程度
が好ましい。本実施形態では、これら弁構成体62は、
シリコーンゴムで構成してある。
【0054】図2に示すように、本実施形態では、先端
チップ部20の近位端側外周に、バルーン部4の最遠位
端7が固着してあり、先端チップ部20の遠位端側外周
に、その付近の血圧を測定するための圧力センサ素子7
0が埋め込んである。圧力センサ素子70で検知した圧
力を外部に引き出すために、圧力センサ素子70には、
通常少なくとも4本の配線が接続してある。これらの配
線は、先端チップ部20の近位端側に固着されたチュー
ブ状の血圧測定用線材42の内部を挿通するようになっ
ている。血圧測定用線材42は、たとえばニッケル合金
やチタン合金またはステンレスなどの屈曲可能な金属チ
ューブで構成してある。この血圧測定用線材42の外径
は、内チューブ10の外径に比較して十分小さく、好ま
しくは0.2〜0.8mm、さらに好ましくは0.4〜
0.6mmである。血圧測定用線材42がチューブ状で
ある場合に、チューブ内径は、好ましくは0.1〜0.
6mm、特に好ましくは0.2〜0.4mmである。な
お、配線は線材の外面に巻き付けた構造とすることも出
来る。
チップ部20の近位端側外周に、バルーン部4の最遠位
端7が固着してあり、先端チップ部20の遠位端側外周
に、その付近の血圧を測定するための圧力センサ素子7
0が埋め込んである。圧力センサ素子70で検知した圧
力を外部に引き出すために、圧力センサ素子70には、
通常少なくとも4本の配線が接続してある。これらの配
線は、先端チップ部20の近位端側に固着されたチュー
ブ状の血圧測定用線材42の内部を挿通するようになっ
ている。血圧測定用線材42は、たとえばニッケル合金
やチタン合金またはステンレスなどの屈曲可能な金属チ
ューブで構成してある。この血圧測定用線材42の外径
は、内チューブ10の外径に比較して十分小さく、好ま
しくは0.2〜0.8mm、さらに好ましくは0.4〜
0.6mmである。血圧測定用線材42がチューブ状で
ある場合に、チューブ内径は、好ましくは0.1〜0.
6mm、特に好ましくは0.2〜0.4mmである。な
お、配線は線材の外面に巻き付けた構造とすることも出
来る。
【0055】血圧測定用線材42の近位端部は、図1に
示すように、コネクタ40の端子取出部分18付近に固
定してある。血圧測定用線材42の内部通孔に挿通して
ある圧力センサ素子70のための配線は、コネクタ40
の端子取出部分18を通して、コネクタ外部に引き出さ
れ、他の機器との電気的接続を図るための端子72に接
続してある。
示すように、コネクタ40の端子取出部分18付近に固
定してある。血圧測定用線材42の内部通孔に挿通して
ある圧力センサ素子70のための配線は、コネクタ40
の端子取出部分18を通して、コネクタ外部に引き出さ
れ、他の機器との電気的接続を図るための端子72に接
続してある。
【0056】本実施形態に係るバルーンカテーテル2を
用いて、IABPによる治療を行うには、まず、図1に
示すバルーンカテーテル2を準備する。そして、バルー
ンカテーテル2を血管内に導入する前に、コネクタ40
の第1ポート16から負圧を導入し、ポート16および
第1ルーメン12を通して、バルーン部4の内部を負圧
とする。バルーン膜22は、内チューブ10および血圧
測定用線材42の回りに折り畳んで巻回させ、バルーン
部4の付近の外径を小さくしておく。
用いて、IABPによる治療を行うには、まず、図1に
示すバルーンカテーテル2を準備する。そして、バルー
ンカテーテル2を血管内に導入する前に、コネクタ40
の第1ポート16から負圧を導入し、ポート16および
第1ルーメン12を通して、バルーン部4の内部を負圧
とする。バルーン膜22は、内チューブ10および血圧
測定用線材42の回りに折り畳んで巻回させ、バルーン
部4の付近の外径を小さくしておく。
【0057】次に、図4に示すように、患者の皮膚30
の上から、図示省略してある外套針(カニューラ)と内
套針より構成される穿刺針を突き刺し、その先端を、血
管32内に位置させる。次に、外套針(カニューラ)を
残したまま内套針を抜き出し、内套針を抜き出した穴か
ら、ガイドワイヤ34を血管32内に挿入する。
の上から、図示省略してある外套針(カニューラ)と内
套針より構成される穿刺針を突き刺し、その先端を、血
管32内に位置させる。次に、外套針(カニューラ)を
残したまま内套針を抜き出し、内套針を抜き出した穴か
ら、ガイドワイヤ34を血管32内に挿入する。
【0058】使用するガイドワイヤは、通常、外径が
0.2〜1.2mm、好ましくは0.6〜1.0mm
で、長さが700〜2000mm、好ましくは1000
〜1800mm、材質が、ステンレス、ニッケル−チタ
ン合金のものであって、必要に応じてフッ素樹脂やウレ
タン樹脂などでコーティングしたものなどが用いられ
る。
0.2〜1.2mm、好ましくは0.6〜1.0mm
で、長さが700〜2000mm、好ましくは1000
〜1800mm、材質が、ステンレス、ニッケル−チタ
ン合金のものであって、必要に応じてフッ素樹脂やウレ
タン樹脂などでコーティングしたものなどが用いられ
る。
【0059】次に、挿入したガイドワイヤ34に沿っ
て、外套針を抜き出し、その後、ガイドワイヤ34をダ
イレータ内に通し、このガイドワイヤ34に沿って、イ
ントロデューサ35とダイレータ(図示省略)とを一体
化したカテーテル管挿入具の先端部を血管の挿入口36
に差し込む。
て、外套針を抜き出し、その後、ガイドワイヤ34をダ
イレータ内に通し、このガイドワイヤ34に沿って、イ
ントロデューサ35とダイレータ(図示省略)とを一体
化したカテーテル管挿入具の先端部を血管の挿入口36
に差し込む。
【0060】一体化されたイントロデューサ36とダイ
レータとから成るカテーテル管挿入具の先端を、図4に
示すように、血管の挿入口36に差し込めば、ダイレー
タの先端に形成してあるテーパ状先端部が、血管の挿入
口36を押し広げる。さらにカテーテル管挿入具の先端
を押し込めば、イントロデューサ35の先端も、血管3
2内に挿入される。
レータとから成るカテーテル管挿入具の先端を、図4に
示すように、血管の挿入口36に差し込めば、ダイレー
タの先端に形成してあるテーパ状先端部が、血管の挿入
口36を押し広げる。さらにカテーテル管挿入具の先端
を押し込めば、イントロデューサ35の先端も、血管3
2内に挿入される。
【0061】その後、イントロデューサ35からダイレ
ータを抜き出し、その代わりに、ガイドワイヤ34の近
位端を、図1に示すバルーンカテーテル2のバルーン部
4側から、内チューブ10の第2ルーメン14内に通
す。その際に、ガイドワイヤ34の近位端は、弁体60
の密着孔65を通過し、第2ルーメン14を通過し、コ
ネクタ40の第2ポート17から引き出される。
ータを抜き出し、その代わりに、ガイドワイヤ34の近
位端を、図1に示すバルーンカテーテル2のバルーン部
4側から、内チューブ10の第2ルーメン14内に通
す。その際に、ガイドワイヤ34の近位端は、弁体60
の密着孔65を通過し、第2ルーメン14を通過し、コ
ネクタ40の第2ポート17から引き出される。
【0062】ガイドワイヤ34に沿って、イントロデュ
ーサ35内にバルーンカテーテル2を差し込めば、バル
ーンカテーテル2は、血管32内に都合良く挿入され
る。そして、図5に示すように、バルーン部4の先端
が、心臓1の近くの血管内に位置した状態で、まず、図
4に示すガイドワイヤ34の近位端を、図1に示すコネ
クタ40の第2ポート17から引っ張り、第2ルーメン
14内からガイドワイヤ34を抜き取る。
ーサ35内にバルーンカテーテル2を差し込めば、バル
ーンカテーテル2は、血管32内に都合良く挿入され
る。そして、図5に示すように、バルーン部4の先端
が、心臓1の近くの血管内に位置した状態で、まず、図
4に示すガイドワイヤ34の近位端を、図1に示すコネ
クタ40の第2ポート17から引っ張り、第2ルーメン
14内からガイドワイヤ34を抜き取る。
【0063】次に、コネクタ40の第2ポート17にシ
リンジなどの負圧発生手段を接続し、弁体60より近位
端側の密閉された第2ルーメン14の内部を負圧状態と
する。第2ルーメン14の内部を負圧にする結果、内チ
ューブ10は、図3(B)に示すように、外チューブ8
との接続内壁面側に潰れ、第1ルーメン12の流路断面
積が広がる。負圧としては、内チューブ10が図3
(B)に示すように潰れる程度の負圧であれば特に限定
されないが、大気圧よりも、好ましくは0.2〜1.0
気圧、さらに好ましくは0.5〜1.0気圧程度の低い
圧力がよい。負圧の程度が大きすぎると、弁体60によ
るシールが困難になり、弁体60を通して血液が吸引さ
れる可能性があることから好ましくなく、負圧の程度が
小さすぎると、内チューブ10が潰れにくい傾向にあ
る。なお、本実施形態では、内チューブ10が、図3
(B)に示すように、外チューブ8との接続内壁面側に
潰れる軸方向範囲は、内チューブ10における先端チッ
プ部20との接続部から、コネクタ40との接続部まで
の範囲である。
リンジなどの負圧発生手段を接続し、弁体60より近位
端側の密閉された第2ルーメン14の内部を負圧状態と
する。第2ルーメン14の内部を負圧にする結果、内チ
ューブ10は、図3(B)に示すように、外チューブ8
との接続内壁面側に潰れ、第1ルーメン12の流路断面
積が広がる。負圧としては、内チューブ10が図3
(B)に示すように潰れる程度の負圧であれば特に限定
されないが、大気圧よりも、好ましくは0.2〜1.0
気圧、さらに好ましくは0.5〜1.0気圧程度の低い
圧力がよい。負圧の程度が大きすぎると、弁体60によ
るシールが困難になり、弁体60を通して血液が吸引さ
れる可能性があることから好ましくなく、負圧の程度が
小さすぎると、内チューブ10が潰れにくい傾向にあ
る。なお、本実施形態では、内チューブ10が、図3
(B)に示すように、外チューブ8との接続内壁面側に
潰れる軸方向範囲は、内チューブ10における先端チッ
プ部20との接続部から、コネクタ40との接続部まで
の範囲である。
【0064】内チューブ10が図3(B)に示すように
潰れる結果、外チューブ8の内部に位置する第1ルーメ
ン12の流路断面積が大きくなる。
潰れる結果、外チューブ8の内部に位置する第1ルーメ
ン12の流路断面積が大きくなる。
【0065】その状態で、図1に示すコネクタ40の第
1ポート16に、図5に示す駆動装置28を接続し、こ
のポンプ装置28により、シャトルガスを、図1に示す
第1ポート16、拡大された第1ルーメン12を通し
て、バルーン膜22内に導入または導出する。導入され
るシャトルガスは特に限定されないが、駆動装置28の
駆動に応じて素早くバルーン膜22が拡張または収縮す
るように、粘性および質量の小さいヘリウムガスなどが
用いられる。なお、駆動装置28としては、例えば特公
平2−39265号公報に示すような装置が用いられ
る。
1ポート16に、図5に示す駆動装置28を接続し、こ
のポンプ装置28により、シャトルガスを、図1に示す
第1ポート16、拡大された第1ルーメン12を通し
て、バルーン膜22内に導入または導出する。導入され
るシャトルガスは特に限定されないが、駆動装置28の
駆動に応じて素早くバルーン膜22が拡張または収縮す
るように、粘性および質量の小さいヘリウムガスなどが
用いられる。なお、駆動装置28としては、例えば特公
平2−39265号公報に示すような装置が用いられ
る。
【0066】図1に示すコネクタ40から引き出された
端子72は、図5に示す血圧変動測定装置29に接続さ
れ、図2に示す圧力センサ素子70で検知した動脈内の
血圧の変動を測定可能になっている。この血圧測定装置
29で測定した血圧の変動に基づき、図5に示す心臓1
の拍動に応じてポンプ装置28を制御し、0.2〜1秒
の短周期で、バルーン部4の拡張・収縮を行い、心臓1
の補助治療を行う。
端子72は、図5に示す血圧変動測定装置29に接続さ
れ、図2に示す圧力センサ素子70で検知した動脈内の
血圧の変動を測定可能になっている。この血圧測定装置
29で測定した血圧の変動に基づき、図5に示す心臓1
の拍動に応じてポンプ装置28を制御し、0.2〜1秒
の短周期で、バルーン部4の拡張・収縮を行い、心臓1
の補助治療を行う。
【0067】本実施形態に係るバルーンカテーテル2で
は、バルーンカテーテル2を患者の血管32内に差し込
む際には、潰れる前の内チューブ10の第2ルーメン1
4内にガイドワイヤ34を通すことにより、図5に示す
ように、バルーンカテーテル2のバルーン部4を心臓1
近くの血管32内の所定位置まで都合良く案内すること
ができる。
は、バルーンカテーテル2を患者の血管32内に差し込
む際には、潰れる前の内チューブ10の第2ルーメン1
4内にガイドワイヤ34を通すことにより、図5に示す
ように、バルーンカテーテル2のバルーン部4を心臓1
近くの血管32内の所定位置まで都合良く案内すること
ができる。
【0068】図5に示すように、バルーン部4を血管3
2内の心臓1近くの所定位置に位置させた後には、バル
ーンカテーテル2の体外側に位置するコネクタ40の第
2ポート17からガイドワイヤ34を引き抜く。その
後、この第2ポート17から負圧を導入し、弁体60よ
りも近位端側に位置する内チューブ10を、図3(B)
に示すように、外チューブ8との接続内壁面側に潰す。
2内の心臓1近くの所定位置に位置させた後には、バル
ーンカテーテル2の体外側に位置するコネクタ40の第
2ポート17からガイドワイヤ34を引き抜く。その
後、この第2ポート17から負圧を導入し、弁体60よ
りも近位端側に位置する内チューブ10を、図3(B)
に示すように、外チューブ8との接続内壁面側に潰す。
【0069】本実施形態では、カテーテルチューブ6を
構成する外チューブ8の第1ルーメン12の流路断面積
が、内チューブ10が潰れた分だけ大きくなる。その結
果、図5に示す駆動装置28を駆動して、バルーン部4
の内部へシャトルガスを送り込むための流路断面が大き
くなり、バルーン部4を拡張および収縮するための応答
性が著しく向上する。また、このことは、従来のバルー
ンカテーテルに比較して、カテーテルチューブ6を構成
する外チューブ8の外径を小さくしても、従来と同等以
上のバルーン部4の拡張・収縮の応答特性を得られるこ
とを意味する。カテーテルチューブ6を構成する外チュ
ーブ8の外径を小さくできれば、患者の負担を軽減する
ことができるので、この点でも好ましい。
構成する外チューブ8の第1ルーメン12の流路断面積
が、内チューブ10が潰れた分だけ大きくなる。その結
果、図5に示す駆動装置28を駆動して、バルーン部4
の内部へシャトルガスを送り込むための流路断面が大き
くなり、バルーン部4を拡張および収縮するための応答
性が著しく向上する。また、このことは、従来のバルー
ンカテーテルに比較して、カテーテルチューブ6を構成
する外チューブ8の外径を小さくしても、従来と同等以
上のバルーン部4の拡張・収縮の応答特性を得られるこ
とを意味する。カテーテルチューブ6を構成する外チュ
ーブ8の外径を小さくできれば、患者の負担を軽減する
ことができるので、この点でも好ましい。
【0070】第2実施形態 本実施形態に係るバルーンカテーテルは、図1に示すバ
ルーンカテーテル2の変形例であり、図1に示すバルー
ンカテーテル2の内チューブ10の遠位端側第2ルーメ
ン14の内部に装着される弁体60の構成を、図6に示
す弁体60aとしている。それ以外のバルーンカテーテ
ルの構成は、前記第1実施形態と全く同様である。
ルーンカテーテル2の変形例であり、図1に示すバルー
ンカテーテル2の内チューブ10の遠位端側第2ルーメ
ン14の内部に装着される弁体60の構成を、図6に示
す弁体60aとしている。それ以外のバルーンカテーテ
ルの構成は、前記第1実施形態と全く同様である。
【0071】本実施形態に係るバルーンカテーテルに用
いる弁体60aは、図6に示すように、いわゆるダック
ビル弁62a,62aを背中合わせに組み合わせた弁体
である。各ダックビル弁62aは、貫通孔64aと、開
閉可能なスリット部66aとを有し、スリット部66a
に内チューブ10が挿通してある状態、および挿通して
いない状態の双方において、スリット部66a側から貫
通孔64a側への流体の流通を阻止するようになってい
る。
いる弁体60aは、図6に示すように、いわゆるダック
ビル弁62a,62aを背中合わせに組み合わせた弁体
である。各ダックビル弁62aは、貫通孔64aと、開
閉可能なスリット部66aとを有し、スリット部66a
に内チューブ10が挿通してある状態、および挿通して
いない状態の双方において、スリット部66a側から貫
通孔64a側への流体の流通を阻止するようになってい
る。
【0072】このような一対のダックビル弁62a,6
2aから成る弁体60aを、先端チップ部20の内側に
位置する第2ルーメン14の内部に装着することで、前
記実施形態に係る弁体60と同様な弁作用を成すことが
できる。なお、本発明では、第2ルーメン14の内側に
装着することができる弁体60,60aは、図2または
図6に示すものに限定されない。また、弁体60,60
aの固定位置も、先端チップ部20の内側に限定され
ず、それよりもさらに近位端側に位置する第2ルーメン
14の内部でも良い。ただし、カテーテルチューブ8の
遠位端よりは遠位端側に位置する第2ルーメン14の内
部が好ましい。弁体60,60aの固定位置よりも近位
端側の内チューブ10のみが、図3(B)に示すように
潰れるからである。
2aから成る弁体60aを、先端チップ部20の内側に
位置する第2ルーメン14の内部に装着することで、前
記実施形態に係る弁体60と同様な弁作用を成すことが
できる。なお、本発明では、第2ルーメン14の内側に
装着することができる弁体60,60aは、図2または
図6に示すものに限定されない。また、弁体60,60
aの固定位置も、先端チップ部20の内側に限定され
ず、それよりもさらに近位端側に位置する第2ルーメン
14の内部でも良い。ただし、カテーテルチューブ8の
遠位端よりは遠位端側に位置する第2ルーメン14の内
部が好ましい。弁体60,60aの固定位置よりも近位
端側の内チューブ10のみが、図3(B)に示すように
潰れるからである。
【0073】第3実施形態 図7および8に示すように、本実施形態に係るバルーン
カテーテル2bは、図1に示すバルーンカテーテル2の
変形例であり、図1に示す弁体60を内チューブ10の
遠位端側内壁面に固定する代わりに、弁体60bを、バ
ルーンカテーテル2bとは別のカテーテル補助具80に
固定してある。すなわち、バルーンカテーテル2bの構
成自体は、図1に示すバルーンカテーテル2に比較し、
弁体60を有さない以外は、全く同じ構成であり、その
詳細な説明は省略する。
カテーテル2bは、図1に示すバルーンカテーテル2の
変形例であり、図1に示す弁体60を内チューブ10の
遠位端側内壁面に固定する代わりに、弁体60bを、バ
ルーンカテーテル2bとは別のカテーテル補助具80に
固定してある。すなわち、バルーンカテーテル2bの構
成自体は、図1に示すバルーンカテーテル2に比較し、
弁体60を有さない以外は、全く同じ構成であり、その
詳細な説明は省略する。
【0074】図7および8に示すように、本実施形態に
係るカテーテル補助具80は、第1ルーメン12が形成
してある外チューブ8と第2ルーメン14が形成してあ
る内チューブ10とを持つバルーンカテーテル2bの内
チューブ10の第2ルーメン内14に軸方向に沿って移
動自在に装着されるカテーテル補助具である。本実施形
態のカテーテル補助具80は、必要に応じて遠位端部に
装着されて周囲の圧力を検出可能になっている圧力セン
サ部84を有する。圧力センサ部84は、内チューブ1
0の第2ルーメン14の内径よりも小さな外径を持つ圧
力センサ素子などで構成される。または、圧力センサ部
84は、中空チューブ状の血圧測定用線材42bの遠位
端部に設けられた血圧導入口であっても良い。圧力セン
サ部84が、単なる血圧導入口である場合には、その血
圧導入口に作用する血圧は、血圧測定用線材42bの近
位端側に接続される圧力測定装置により測定される。
係るカテーテル補助具80は、第1ルーメン12が形成
してある外チューブ8と第2ルーメン14が形成してあ
る内チューブ10とを持つバルーンカテーテル2bの内
チューブ10の第2ルーメン内14に軸方向に沿って移
動自在に装着されるカテーテル補助具である。本実施形
態のカテーテル補助具80は、必要に応じて遠位端部に
装着されて周囲の圧力を検出可能になっている圧力セン
サ部84を有する。圧力センサ部84は、内チューブ1
0の第2ルーメン14の内径よりも小さな外径を持つ圧
力センサ素子などで構成される。または、圧力センサ部
84は、中空チューブ状の血圧測定用線材42bの遠位
端部に設けられた血圧導入口であっても良い。圧力セン
サ部84が、単なる血圧導入口である場合には、その血
圧導入口に作用する血圧は、血圧測定用線材42bの近
位端側に接続される圧力測定装置により測定される。
【0075】圧力センサ部84の近位端側には、血圧測
定用線材42bを介して、弁体60bが接続固定してあ
る。弁体60bの近位端側には、血圧測定用線材42b
を介して、補助コネクタ86が接続固定してある。血圧
測定用線材42bは、補助コネクタ86の近位端側に装
着してある端子72に接続してある。
定用線材42bを介して、弁体60bが接続固定してあ
る。弁体60bの近位端側には、血圧測定用線材42b
を介して、補助コネクタ86が接続固定してある。血圧
測定用線材42bは、補助コネクタ86の近位端側に装
着してある端子72に接続してある。
【0076】弁体60bは、圧力センサ部84に引き続
いて第2ポート17から第2ルーメン14の内部に挿入
され、第2ルーメン14の内部を軸方向に沿って移動可
能になっている。弁体60bは、第2ルーメン14の内
部を軸方向に移動可能な形状および材質であり、しかも
図8に示すように、弁体60bが先端チップ20の内側
に位置する第2ルーメン内に位置した状態で、弁体60
bよりも近位端側の第2ルーメン14の内部を密閉する
ことができるものである。このような観点から、本実施
形態では、弁体60bの形状は、弾丸形状であり、弁体
60bの材質は、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミ
ド、天然ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体などで構
成してある。また、図8に示すように、弁体60bが第
2ルーメン14の遠位端部まで到達した段階で、それ以
上遠位端方向に移動することを防止し、第2ルーメン1
4の流路を良好に閉塞するために、第2ルーメン14の
内径を、遠位端側で小さくしても良い。第2ルーメン1
4の内径を小さくする範囲は、少なくとも先端チップ部
20の内側であるが、バルーン部4の内側の全長にわた
り小さくしても良い。
いて第2ポート17から第2ルーメン14の内部に挿入
され、第2ルーメン14の内部を軸方向に沿って移動可
能になっている。弁体60bは、第2ルーメン14の内
部を軸方向に移動可能な形状および材質であり、しかも
図8に示すように、弁体60bが先端チップ20の内側
に位置する第2ルーメン内に位置した状態で、弁体60
bよりも近位端側の第2ルーメン14の内部を密閉する
ことができるものである。このような観点から、本実施
形態では、弁体60bの形状は、弾丸形状であり、弁体
60bの材質は、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミ
ド、天然ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体などで構
成してある。また、図8に示すように、弁体60bが第
2ルーメン14の遠位端部まで到達した段階で、それ以
上遠位端方向に移動することを防止し、第2ルーメン1
4の流路を良好に閉塞するために、第2ルーメン14の
内径を、遠位端側で小さくしても良い。第2ルーメン1
4の内径を小さくする範囲は、少なくとも先端チップ部
20の内側であるが、バルーン部4の内側の全長にわた
り小さくしても良い。
【0077】ただし、第2ルーメン14の遠位端部にお
いて縮径された内径は、図4に示すガイドワイヤ34が
挿通できる程度の内径である必要がある。また、その縮
径された第2ルーメン14の内径は、弁体60bの外径
と同等以下であることが好ましい。弁体60bが第2ル
ーメン14の流路を良好に閉塞するためである。具体的
には、縮径された第2ルーメン14の内径は、弁体60
bの外径に比較して、好ましくは0〜40%、さらに好
ましくは5〜20%程度に小さい。
いて縮径された内径は、図4に示すガイドワイヤ34が
挿通できる程度の内径である必要がある。また、その縮
径された第2ルーメン14の内径は、弁体60bの外径
と同等以下であることが好ましい。弁体60bが第2ル
ーメン14の流路を良好に閉塞するためである。具体的
には、縮径された第2ルーメン14の内径は、弁体60
bの外径に比較して、好ましくは0〜40%、さらに好
ましくは5〜20%程度に小さい。
【0078】本実施形態では、少なくともバルーン部4
の近位端よりもさらに近位端に位置する内チューブ10
の軸方向範囲では、第2ルーメン14の内径は、弁体6
0bの外径よりも大きくすることが好ましい。弁体60
bが第2ルーメン14の軸方向に沿ってスムーズに軸方
向に移動させるためである。具体的には、第2ルーメン
14の内径は、弁体60bの外径に比較して、好ましく
は0〜40%、さらに好ましくは5〜20%程度に大き
い。ただし、血圧測定用線材42bに付加される操作力
を用いて、弁体60bを、第2ルーメン14の軸方向に
沿って良好に軸方向移動させることができることを条件
に、第2ルーメン14の内径は、弁体60bの外径に比
較して、小さくしても良い。その場合には、弁体60b
が通過する部分の第2ルーメン14の内径は、内チュー
ブ10が半径方向外側に弾性変形することにより拡大さ
れる。
の近位端よりもさらに近位端に位置する内チューブ10
の軸方向範囲では、第2ルーメン14の内径は、弁体6
0bの外径よりも大きくすることが好ましい。弁体60
bが第2ルーメン14の軸方向に沿ってスムーズに軸方
向に移動させるためである。具体的には、第2ルーメン
14の内径は、弁体60bの外径に比較して、好ましく
は0〜40%、さらに好ましくは5〜20%程度に大き
い。ただし、血圧測定用線材42bに付加される操作力
を用いて、弁体60bを、第2ルーメン14の軸方向に
沿って良好に軸方向移動させることができることを条件
に、第2ルーメン14の内径は、弁体60bの外径に比
較して、小さくしても良い。その場合には、弁体60b
が通過する部分の第2ルーメン14の内径は、内チュー
ブ10が半径方向外側に弾性変形することにより拡大さ
れる。
【0079】カテーテル補助具80の血圧測定用線材4
2bは、可撓性のある合成樹脂製または金属製の中空チ
ューブなどで構成されることが好ましい。圧力センサ部
84が圧力センサ素子で構成してある場合には、この中
空チューブ状の血圧測定用線材42bの中空部は、配線
を通す孔となる。その場合には、端子72は、圧力セン
サ部84を構成する圧力センサ素子により検出された血
圧信号を他の機器に送信するための端子である。また、
圧力センサ部84が、血圧を導入するための開口部で構
成してある場合には、中空チューブ状の血圧測定用線材
42bの中空部は、血液などの液体が充填される孔とな
る。その場合には、端子72は不必要となり、その代わ
りに、中空チューブ状の血圧測定用線材42bの中空部
に作用する血圧を測定するための血圧測定装置のための
接続ポートが必要になる。
2bは、可撓性のある合成樹脂製または金属製の中空チ
ューブなどで構成されることが好ましい。圧力センサ部
84が圧力センサ素子で構成してある場合には、この中
空チューブ状の血圧測定用線材42bの中空部は、配線
を通す孔となる。その場合には、端子72は、圧力セン
サ部84を構成する圧力センサ素子により検出された血
圧信号を他の機器に送信するための端子である。また、
圧力センサ部84が、血圧を導入するための開口部で構
成してある場合には、中空チューブ状の血圧測定用線材
42bの中空部は、血液などの液体が充填される孔とな
る。その場合には、端子72は不必要となり、その代わ
りに、中空チューブ状の血圧測定用線材42bの中空部
に作用する血圧を測定するための血圧測定装置のための
接続ポートが必要になる。
【0080】血圧測定用線材42bの外径は、図4に示
すガイドワイヤ34の外径よりも可能な限り小さいこと
が好ましい。ただし、線材42bの外径があまりに小さ
いと、強度が不足し、線材42bの近位端部自体または
補助コネクタを掴んで、線材42bを弁体60bと共
に、第2ルーメン14の内部へ軸方向に押し込むことが
困難になる。具体的には、線材42bの外径は、好まし
くは0.2〜0.8mm、さらに好ましくは0.4〜
0.6mmである。
すガイドワイヤ34の外径よりも可能な限り小さいこと
が好ましい。ただし、線材42bの外径があまりに小さ
いと、強度が不足し、線材42bの近位端部自体または
補助コネクタを掴んで、線材42bを弁体60bと共
に、第2ルーメン14の内部へ軸方向に押し込むことが
困難になる。具体的には、線材42bの外径は、好まし
くは0.2〜0.8mm、さらに好ましくは0.4〜
0.6mmである。
【0081】圧力センサ部84と弁体60bとを連絡す
る線材42bの軸方向長さは、特に限定されないが、2
00〜900mm、さらに好ましくは400〜700m
mである。この長さがあまりに長いと、弁体60bを第
2ルーメン14の遠位端側所定位置まで挿入した状態
で、圧力センサ部84が先端チップ20から外側に飛び
出しすぎるので好ましくない。弁体60bと補助コネク
タ86とを連絡する線材42bの軸方向長さは、カテー
テルチューブ6の長さなどに応じて決定され、少なくと
も、バルーン部4の近位端部からコネクタ40の第2ポ
ート17までの長さ以上の長さであることが好ましい。
また、この長さは、先端チップ部20の遠位端からコネ
クタ40の第2ポート17までの長さよりも短いことが
好ましい。
る線材42bの軸方向長さは、特に限定されないが、2
00〜900mm、さらに好ましくは400〜700m
mである。この長さがあまりに長いと、弁体60bを第
2ルーメン14の遠位端側所定位置まで挿入した状態
で、圧力センサ部84が先端チップ20から外側に飛び
出しすぎるので好ましくない。弁体60bと補助コネク
タ86とを連絡する線材42bの軸方向長さは、カテー
テルチューブ6の長さなどに応じて決定され、少なくと
も、バルーン部4の近位端部からコネクタ40の第2ポ
ート17までの長さ以上の長さであることが好ましい。
また、この長さは、先端チップ部20の遠位端からコネ
クタ40の第2ポート17までの長さよりも短いことが
好ましい。
【0082】本実施形態では、補助コネクタ86の材質
は、特に限定されないが、たとえばコネクタ40と同じ
材質である。補助コネクタ86には、図8に示すよう
に、バルーンカテーテル2bのコネクタ40の第2ポー
ト17の第2ルアー接続部46に着脱自在に嵌合する嵌
合凹所87が形成してある。また、補助コネクタ86に
は、負圧導入ポート88が形成してある。負圧導入ポー
ト88には、シリンジなどの負圧発生装置が接続可能で
あり、補助コネクタ86がコネクタ40の第2ポート1
7に接続された状態で、負圧導入ポート88から負圧を
導入することで、弁体60bよりも近位端側に位置する
第2ルーメン14の内部が負圧になり、図3(C)に示
すように、内チューブ10の横断面が外チューブ8との
接続部方向に潰れ、第1ルーメン12の流路断面積が大
きくなる。なお、図3(C)に示すように、内チューブ
10の内部には、線材42aが配置されるが、その横断
面積は十分に小さいので、第1ルーメン12の流路断面
積の拡大効果にはほとんど影響しない。
は、特に限定されないが、たとえばコネクタ40と同じ
材質である。補助コネクタ86には、図8に示すよう
に、バルーンカテーテル2bのコネクタ40の第2ポー
ト17の第2ルアー接続部46に着脱自在に嵌合する嵌
合凹所87が形成してある。また、補助コネクタ86に
は、負圧導入ポート88が形成してある。負圧導入ポー
ト88には、シリンジなどの負圧発生装置が接続可能で
あり、補助コネクタ86がコネクタ40の第2ポート1
7に接続された状態で、負圧導入ポート88から負圧を
導入することで、弁体60bよりも近位端側に位置する
第2ルーメン14の内部が負圧になり、図3(C)に示
すように、内チューブ10の横断面が外チューブ8との
接続部方向に潰れ、第1ルーメン12の流路断面積が大
きくなる。なお、図3(C)に示すように、内チューブ
10の内部には、線材42aが配置されるが、その横断
面積は十分に小さいので、第1ルーメン12の流路断面
積の拡大効果にはほとんど影響しない。
【0083】本実施形態に係るバルーンカテーテル2b
およびカテーテル補助具80を用いたIABP治療で
は、カテーテル補助具80の遠位端部をコネクタ40の
第2ポート17から挿入する時期は、図4に示すガイド
ワイヤ34を、コネクタ40の第2ポート17から抜い
た後である。ガイドワイヤを抜いた後、線材42bの近
位端部自体または補助コネクタを掴んで、線材42bを
弁体60bと共に、コネクタ40の第2ポート17から
第2ルーメン14の内部へ軸方向に押し込み、図8に示
すように、弁体60bを、内チューブ10の第2ルーメ
ン14内の遠位端部所定位置に位置させる。その状態で
は、弁体60bは、第2ルーメン14の遠位端側流路を
密封する。同時に、補助コネクタ86をコネクタ40の
第2ポート17に取り付け、第2ポート17を密封す
る。
およびカテーテル補助具80を用いたIABP治療で
は、カテーテル補助具80の遠位端部をコネクタ40の
第2ポート17から挿入する時期は、図4に示すガイド
ワイヤ34を、コネクタ40の第2ポート17から抜い
た後である。ガイドワイヤを抜いた後、線材42bの近
位端部自体または補助コネクタを掴んで、線材42bを
弁体60bと共に、コネクタ40の第2ポート17から
第2ルーメン14の内部へ軸方向に押し込み、図8に示
すように、弁体60bを、内チューブ10の第2ルーメ
ン14内の遠位端部所定位置に位置させる。その状態で
は、弁体60bは、第2ルーメン14の遠位端側流路を
密封する。同時に、補助コネクタ86をコネクタ40の
第2ポート17に取り付け、第2ポート17を密封す
る。
【0084】次に、補助コネクタ86の負圧導入ポート
88から負圧を導入し、弁体60よりも近位端側に位置
する内チューブ10を、図3(C)に示すように、外チ
ューブ8との接続内壁面側に潰す。
88から負圧を導入し、弁体60よりも近位端側に位置
する内チューブ10を、図3(C)に示すように、外チ
ューブ8との接続内壁面側に潰す。
【0085】その後、前記第1実施形態と同様にして、
図1に示すコネクタ40の第1ポート16に、図5に示
す駆動装置28を接続し、このポンプ装置28により、
シャトルガスを、図1に示す第1ポート16、拡大され
た第1ルーメン12を通して、バルーン膜22内に導入
または導出し、IABP治療を行う。
図1に示すコネクタ40の第1ポート16に、図5に示
す駆動装置28を接続し、このポンプ装置28により、
シャトルガスを、図1に示す第1ポート16、拡大され
た第1ルーメン12を通して、バルーン膜22内に導入
または導出し、IABP治療を行う。
【0086】本実施形態に係るバルーンカテーテル2b
においても、図3(C)に示すように、カテーテルチュ
ーブ6を構成する外チューブ8の第1ルーメン12の流
路断面積が、内チューブ10が潰れた分だけ大きくな
る。その結果、図5に示す駆動装置28を駆動して、バ
ルーン部4の内部へシャトルガスを送り込むための流路
断面が大きくなり、バルーン部4を拡張および収縮する
ための応答性が著しく向上する。また、このことは、従
来のバルーンカテーテルに比較して、カテーテルチュー
ブ6を構成する外チューブ8の外径を小さくしても、従
来と同等以上のバルーン部4の拡張・収縮の応答特性を
得られることを意味する。カテーテルチューブ6を構成
する外チューブ8の外径を小さくできれば、患者の負担
を軽減することができるので、この点でも好ましい。
においても、図3(C)に示すように、カテーテルチュ
ーブ6を構成する外チューブ8の第1ルーメン12の流
路断面積が、内チューブ10が潰れた分だけ大きくな
る。その結果、図5に示す駆動装置28を駆動して、バ
ルーン部4の内部へシャトルガスを送り込むための流路
断面が大きくなり、バルーン部4を拡張および収縮する
ための応答性が著しく向上する。また、このことは、従
来のバルーンカテーテルに比較して、カテーテルチュー
ブ6を構成する外チューブ8の外径を小さくしても、従
来と同等以上のバルーン部4の拡張・収縮の応答特性を
得られることを意味する。カテーテルチューブ6を構成
する外チューブ8の外径を小さくできれば、患者の負担
を軽減することができるので、この点でも好ましい。
【0087】第4実施形態 本実施形態に係るバルーンカテーテルは、前記第1実施
形態に係るバルーンカテーテル2の変形例であり、図1
に示す弁体60を内チューブ10の遠位端側内壁面に固
定しない。その代わりに本実施形態では、内チューブ1
0の第2ルーメン内にガイドワイヤが挿入されていない
状態で、内チューブ10の長手方向に沿って少なくとも
一部が潰れる形状を、内チューブ10に記憶してある。
その他の構成は、前記実施形態と同様であるので、共通
する部分の詳細な説明は省略する。
形態に係るバルーンカテーテル2の変形例であり、図1
に示す弁体60を内チューブ10の遠位端側内壁面に固
定しない。その代わりに本実施形態では、内チューブ1
0の第2ルーメン内にガイドワイヤが挿入されていない
状態で、内チューブ10の長手方向に沿って少なくとも
一部が潰れる形状を、内チューブ10に記憶してある。
その他の構成は、前記実施形態と同様であるので、共通
する部分の詳細な説明は省略する。
【0088】本実施形態に係るバルーンカテーテルの内
チューブ10は、たとえば図3(B)に示すように、元
々潰れた形状を有し、内チューブ10の第2ルーメン1
4内に無理矢理ガイドワイヤなどを挿入することによ
り、第2ルーメン14が広がる形状である。この場合、
第2ルーメン14からガイドワイヤを引き抜いた後は、
図3(B)に示すように、内チューブ10は潰れた形状
に戻る。内チューブ10に対して、潰れた形状を記憶さ
せるには、円筒状の内チューブ10を押出成形などによ
り成形した後、このチューブを加熱プレス成形して図3
(B)に示すように潰し、その後、急速冷却することな
どにより行うことができる。または内チューブ10を形
状記憶樹脂などで構成し、図3(B)に示すような潰れ
た形状を記憶させておいても良い。
チューブ10は、たとえば図3(B)に示すように、元
々潰れた形状を有し、内チューブ10の第2ルーメン1
4内に無理矢理ガイドワイヤなどを挿入することによ
り、第2ルーメン14が広がる形状である。この場合、
第2ルーメン14からガイドワイヤを引き抜いた後は、
図3(B)に示すように、内チューブ10は潰れた形状
に戻る。内チューブ10に対して、潰れた形状を記憶さ
せるには、円筒状の内チューブ10を押出成形などによ
り成形した後、このチューブを加熱プレス成形して図3
(B)に示すように潰し、その後、急速冷却することな
どにより行うことができる。または内チューブ10を形
状記憶樹脂などで構成し、図3(B)に示すような潰れ
た形状を記憶させておいても良い。
【0089】内チューブ10において、図3(B)に示
すような潰れた形状を記憶させる範囲は、最大で、先端
チップ部20の近位端から、コネクタ40との接続部ま
での範囲であることが好ましく、内チューブ10の遠位
端部および近位端部には、潰れない部分が存在すること
が好ましい。内チューブ10の遠位端部または近位端部
から、第2ルーメン14内にガイドワイヤなどの長尺挿
入物が挿入されるからである。これらの端部が潰れてい
ると、ガイドワイヤなどの長尺挿入物の挿入性が低下す
る。
すような潰れた形状を記憶させる範囲は、最大で、先端
チップ部20の近位端から、コネクタ40との接続部ま
での範囲であることが好ましく、内チューブ10の遠位
端部および近位端部には、潰れない部分が存在すること
が好ましい。内チューブ10の遠位端部または近位端部
から、第2ルーメン14内にガイドワイヤなどの長尺挿
入物が挿入されるからである。これらの端部が潰れてい
ると、ガイドワイヤなどの長尺挿入物の挿入性が低下す
る。
【0090】本実施形態に係るバルーンカテーテルにお
いては、ガイドワイヤを内チューブの第2ルーメンから
抜き出すことで、または抜き出した後に温度条件などを
変えることで、内チューブが潰れる。
いては、ガイドワイヤを内チューブの第2ルーメンから
抜き出すことで、または抜き出した後に温度条件などを
変えることで、内チューブが潰れる。
【0091】これらの状態では、カテーテルチューブ6
を構成する外チューブ8の第1ルーメン12の流路断面
積が、内チューブ10が潰れた分、大きくなる。その結
果、バルーン部4の内部へ圧力流体を送り込むための流
路断面が大きくなり、バルーン部4を拡張および収縮す
るための応答性が著しく向上する。また、このことは、
従来のバルーンカテーテルに比較して、カテーテルチュ
ーブ6を構成する外チューブ8の外径を小さくしても、
従来と同等以上のバルーン部4の拡張・収縮の応答特性
を得られることを意味する。カテーテルチューブ6を構
成する外チューブ8の外径を小さくできれば、患者の負
担を軽減することができるので、この点でも好ましい。
を構成する外チューブ8の第1ルーメン12の流路断面
積が、内チューブ10が潰れた分、大きくなる。その結
果、バルーン部4の内部へ圧力流体を送り込むための流
路断面が大きくなり、バルーン部4を拡張および収縮す
るための応答性が著しく向上する。また、このことは、
従来のバルーンカテーテルに比較して、カテーテルチュ
ーブ6を構成する外チューブ8の外径を小さくしても、
従来と同等以上のバルーン部4の拡張・収縮の応答特性
を得られることを意味する。カテーテルチューブ6を構
成する外チューブ8の外径を小さくできれば、患者の負
担を軽減することができるので、この点でも好ましい。
【0092】その他の実施形態 なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるもので
はなく、本発明の範囲内で種々に改変することができ
る。
はなく、本発明の範囲内で種々に改変することができ
る。
【0093】たとえば、血圧測定用線材42としては、
必ずしもチューブ状のものでなくても良い。たとえば図
3に示す圧力センサ素子70からの出力信号を、光ファ
イバーなどで伝達する場合には、血圧測定用線材42を
光ファイバーなどで構成することもできる。
必ずしもチューブ状のものでなくても良い。たとえば図
3に示す圧力センサ素子70からの出力信号を、光ファ
イバーなどで伝達する場合には、血圧測定用線材42を
光ファイバーなどで構成することもできる。
【0094】さらに、前述した実施例形態では、本発明
に係るバルーンカテーテルをIABP用に用いたが、そ
の他の用途(たとえばPTCA用)に用いても良い。
に係るバルーンカテーテルをIABP用に用いたが、そ
の他の用途(たとえばPTCA用)に用いても良い。
【0095】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
バルーンカテーテルおよびカテーテル保持具によれば、
バルーン部へ圧力流体を送り込む時には、カテーテルチ
ューブの内チューブを潰してある。このため、カテーテ
ルチューブの外チューブの第1ルーメンの流路断面積
が、内チューブが潰れている分、大きくなる。その結
果、バルーン部の内部へ圧力流体を送り込むための流路
断面が大きくなり、バルーン部を拡張および収縮するた
めの応答性が著しく向上する。また、このことは、従来
のバルーンカテーテルに比較して、カテーテルチューブ
を構成する外チューブの外径を小さくしても、従来と同
等以上のバルーン部の拡張・収縮の応答特性を得られる
ことを意味する。カテーテルチューブを構成する外チュ
ーブの外径を小さくできれば、患者の負担を軽減するこ
とができる。
バルーンカテーテルおよびカテーテル保持具によれば、
バルーン部へ圧力流体を送り込む時には、カテーテルチ
ューブの内チューブを潰してある。このため、カテーテ
ルチューブの外チューブの第1ルーメンの流路断面積
が、内チューブが潰れている分、大きくなる。その結
果、バルーン部の内部へ圧力流体を送り込むための流路
断面が大きくなり、バルーン部を拡張および収縮するた
めの応答性が著しく向上する。また、このことは、従来
のバルーンカテーテルに比較して、カテーテルチューブ
を構成する外チューブの外径を小さくしても、従来と同
等以上のバルーン部の拡張・収縮の応答特性を得られる
ことを意味する。カテーテルチューブを構成する外チュ
ーブの外径を小さくできれば、患者の負担を軽減するこ
とができる。
【図1】 図1は本発明の1実施形態に係るバルーンカ
テーテルの概略断面図である。
テーテルの概略断面図である。
【図2】 図2は図1に示すバルーンカテーテルの内チ
ューブの遠位端部を示す要部拡大断面図である。
ューブの遠位端部を示す要部拡大断面図である。
【図3】 図3(A)〜(C)は図1に示すIII−III線
に沿う要部断面図である。
に沿う要部断面図である。
【図4】 図4はバルーンカテーテルを患者の血管内に
挿入するための前準備を示す概略図である。
挿入するための前準備を示す概略図である。
【図5】 図5は図1に示すバルーンカテーテルの使用
状態を示す概略図である。
状態を示す概略図である。
【図6】 図6は図2に示す弁体の変形例を示す要部断
面図である。
面図である。
【図7】 図7は本発明の他の実施形態に係るバルーン
カテーテルおよびカテーテル補助具の概略断面図であ
る。
カテーテルおよびカテーテル補助具の概略断面図であ
る。
【図8】 図8は本発明の他の実施形態に係るバルーン
カテーテルおよびカテーテル補助具の概略断面図であ
る。
カテーテルおよびカテーテル補助具の概略断面図であ
る。
2,2b… バルーンカテーテル 4… バルーン部 6… カテーテルチューブ 8… 外チューブ 10… 内チューブ 12… 第1ルーメン 14… 第2ルーメン 20… 先端チップ部 22… バルーン膜 34… ガイドワイヤ 40… コネクタ 42,42b… 血圧測定用線材 60,60a,60b… 弁体 70… 圧力センサ素子 72… 端子 80… カテーテル補助具 84… 圧力センサ部 86… 補助コネクタ 88… 負圧導入口
Claims (5)
- 【請求項1】 内部に第1ルーメンを持つ外チューブ
と、 前記外チューブの第1ルーメン内を軸方向に伸び、前記
外チューブの遠位端部よりも遠位端側に突出し、内部に
第2ルーメンを有する内チューブと、 前記第1ルーメンに連通するバルーン空間が内部に形成
されるように、前記外チューブの遠位端部にバルーン部
の近位端部が接合してあり、バルーン部の遠位端部が前
記内チューブの遠位端部に対して接合してあり、前記バ
ルーン空間に前記第1ルーメンを通して圧力流体を導入
および導出することにより、拡張状態および収縮状態と
なるバルーン部と、 前記第2ルーメン内の少なくとも近位端側内部を密封可
能に第2ルーメン内に装着される弁体と、 を有するバルーンカテーテル。 - 【請求項2】 前記弁体は、前記内チューブの遠位端側
で、前記第2ルーメン内に固定してあり、ガイドワイヤ
の通過が可能に、且つ当該弁体よりも近位端側に位置す
る第2ルーメンの内部を密封可能に構成してあることを
特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテル。 - 【請求項3】 前記内チューブは、潰れやすい材質で構
成してある請求項1または2に記載のバルーンカテーテ
ル。 - 【請求項4】 第1ルーメンが形成してある外チュー
ブと第2ルーメンが形成してある内チューブとを持つバ
ルーンカテーテルの内チューブの第2ルーメン内に軸方
向に沿って移動自在に装着されるカテーテル補助具であ
って、 遠位端部に装着されて、前記内チューブの第2ルーメン
の流路を密封可能な弁体と、 前記内チューブの近位端側に着脱自在に装着され、前記
弁体よりも近位端側に位置する第2ルーメンの内部を密
閉空間にすることが可能な補助コネクタ部と、 前記弁体および補助コネクタ部を長手方向に沿って連結
する線状部材と、 を有するカテーテル補助具。 - 【請求項5】 内部に第1ルーメンを持つ外チューブ
と、 前記外チューブの第1ルーメン内を軸方向に伸び、前記
外チューブの遠位端部よりも遠位端側に突出し、内部に
第2ルーメンを有する内チューブと、 前記第1ルーメンに連通するバルーン空間が内部に形成
されるように、前記外チューブの遠位端部にバルーン部
の近位端部が接合してあり、バルーン部の遠位端部が前
記内チューブの遠位端部に対して接合してあり、前記バ
ルーン空間に前記第1ルーメンを通して圧力流体を導入
および導出することにより、拡張状態および収縮状態と
なるバルーン部と、を有するバルーンカテーテルであっ
て、 前記内チューブの第2ルーメン内部に長手状部材を挿入
しない状態で、前記内チューブの長手方向に沿って少な
くとも一部が潰れる形状を、前記内チューブに記憶して
あることを特徴とするバルーンカテーテル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10155741A JPH11342196A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | バルーンカテーテルおよびカテーテル補助具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10155741A JPH11342196A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | バルーンカテーテルおよびカテーテル補助具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11342196A true JPH11342196A (ja) | 1999-12-14 |
Family
ID=15612430
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10155741A Pending JPH11342196A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | バルーンカテーテルおよびカテーテル補助具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11342196A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-06-04 JP JP10155741A patent/JPH11342196A/ja active Pending
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