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JPH11338245A - 現像ロ―ル - Google Patents

現像ロ―ル

Info

Publication number
JPH11338245A
JPH11338245A JP8244999A JP8244999A JPH11338245A JP H11338245 A JPH11338245 A JP H11338245A JP 8244999 A JP8244999 A JP 8244999A JP 8244999 A JP8244999 A JP 8244999A JP H11338245 A JPH11338245 A JP H11338245A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
developing roll
base rubber
range
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8244999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3997644B2 (ja
Inventor
Kenichi Ookuwa
憲一 大鍬
Akihiko Kachi
明彦 加地
Hitoshi Yoshikawa
均 吉川
Shoji Arimura
昭二 有村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP8244999A priority Critical patent/JP3997644B2/ja
Publication of JPH11338245A publication Critical patent/JPH11338245A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3997644B2 publication Critical patent/JP3997644B2/ja
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  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた耐圧性能を備え、かつ、複写画像に濃度
むらが発生しない現像ロールを提供する。 【解決手段】軸体1の外周面にベースゴム層2が形成さ
れ、上記ベースゴム層2の外周に中間層3が形成され、
上記中間層3の外周に表層4が形成された現像ロールで
ある。そして、上記ベースゴム層2の体積電気抵抗が1
×103 〜1×107 Ω・cmの範囲に設定され、上記
中間層3の表面電気抵抗が1×104 〜1×106 Ωの
範囲に設定され、かつ、上記表層4の体積電気抵抗が1
×105 〜1×109 Ω・cmの範囲に設定されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、ファクシミリ等の電子写真装置に用いられる現像ロ
ールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、複写機やプリンター等の電子写
真装置による複写はつぎのようにして行われる。すなわ
ち、軸中心に回転する感光ドラムに原稿像を静電潜像と
して形成し、これにトナーを付着させてトナー像を形成
する。ついで、このトナー像を複写紙に転写することに
より複写が行われる。この場合、上記感光ドラム表面に
対して静電潜像を形成させるためには、予め感光ドラム
表面を帯電させ、この帯電部分に対して原稿像を光学系
を介して投射し、光の当たった部分の帯電を打ち消すこ
とにより静電潜像をつくるということが行われている。
そして、感光ドラム上に静電潜像を現像し、可視像を形
成する現像方法としては、使用する現像剤の種類に応じ
て従来より各種の方法が提案されている。その一例とし
て、トナーのみを現像剤として用いる一成分現像方式が
知られている。
【0003】上記一成分現像方式における現像装置とし
ては、例えば図9に示すような現像装置が用いられてい
る。この現像装置は、一成分現像剤(トナー)71を担
持する現像ロール72が、感光ドラム73と圧接され、
かつ感光ドラム73側に開口したトナーボックス74の
内部に収容されている。さらに、上記現像ロール72に
は、ポリウレタンフォーム、スポンジ等からなる発泡体
を用いた弾性ロール75が当接され、この弾性ロール7
5によりトナー71が供給されるようになっている。一
方、上記トナーボックス74の開口縁部上端に、層形成
ブレード76が接着されている支持ホルダー77の一端
(層形成ブレード76の接着部と反対側)が固定され、
かつ他端側の層形成ブレード76は、その先端部(支持
ホルダー77との接着部から延びた先の部分)が現像ロ
ール72の外周面に圧接された構成となっている。
【0004】このような構成の現像装置においては、つ
ぎのようにして感光ドラム73の外周面にトナー像が形
成される。すなわち、まず現像ロール72と感光ドラム
73とが図示のとおり回転するとともに、上記層形成ブ
レード76と現像ロール72の外周面の摩擦によりトナ
ー71が摩擦帯電し、かつ上記現像ロール72の外周面
に均一なトナー層が形成される。そして、上記トナー層
のトナー71により、感光ドラム73の外周面に形成さ
れた静電潜像がトナー像として顕在化する。このように
して、感光ドラム73の外周面にトナー像が形成され
る。このため、上記層形成ブレード76には、トナー7
1を摩擦帯電させるとともに、現像ロール72の外周面
に均一なトナー層を形成させる機能が要求される。そこ
で、このような要求を満足するものとして、従来から、
ステンレス等の金属製材料が用いられている。
【0005】一方、上記現像ロール72の形成材料とし
ては、従来よりウレタン樹脂が用いられている。最近の
電子写真装置は小型化等の要請から低トルクモータが使
用されることが多く、上記ウレタン樹脂の硬度が高すぎ
ると、スタート時にロールが円滑に回転しなかったり、
スティックスリップによるクリック音が発生する等の問
題が生じる。そのため、低硬度のウレタン樹脂を用いた
現像ロールが提案されている(特開平5−323777
号公報、特開平3−187732号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の現像装置に
おいては、現像ロール72、感光ドラム73、弾性ロー
ル75および層形成ブレード76の各構成部材にバイア
スがかかり、各構成部材間にバイアス差が生じている。
そのため、感光ドラム73や層形成ブレード76を現像
ロール72に圧接して使用する場合は、優れた耐電圧
(以下「耐圧」と略す)性能を備えた現像ロール72を
用いる必要がある。しかしながら、上記従来の現像ロー
ル72は、一般に、ウレタンベースゴム層の表面にウレ
タン樹脂からなる表層が形成された2層構造であるため
耐圧性能が劣り、耐圧性能を上げるために各層の抵抗を
上げると抵抗むらが発生しやすく、複写画像に濃度むら
が発生するという問題がある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、優れた耐圧性能を備え、かつ、複写画像に濃度
むらが発生しない現像ロールの提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の現像ロールは、軸体の外周面にベースゴ
ム層が形成され、上記ベースゴム層の外周に中間層が形
成され、上記中間層の外周に表層が形成された現像ロー
ルであって、上記ベースゴム層の体積電気抵抗が1×1
3 〜1×107 Ω・cmの範囲に設定され、上記中間
層の表面電気抵抗が1×104 〜1×106 Ωの範囲に
設定され、かつ、上記表層の体積電気抵抗が1×105
〜1×109 Ω・cmの範囲に設定されているという構
成をとる。
【0009】一般に、現像ロールを構成する各層の電気
抵抗を高くすると耐圧性能が向上するが、逆に残留電荷
が高くなり、ばらつきも大きくなるため、濃度の階調性
が出にくくなったり、ベースゴム層の抵抗むらによって
濃度むらが発生する等の問題が生じる。そこで、本発明
者らは、濃度の階調性に影響を与えず、濃度むらが発生
せず、しかも優れた耐圧性能を備えた現像ロールを得る
べく、現像ロールの電気特性を中心に研究を重ねた。そ
の結果、現像ロールをベースゴム層、中間層および表層
の3層構造とするとともに、現像ロール全体の電気抵抗
を中抵抗領域(1×105 〜1×108 Ω)に設定する
ことが望ましいことを突き止めた。そして、各層の電気
抵抗について鋭意研究を重ねた結果、ベースゴム層の体
積電気抵抗を1×103 〜1×107 Ω・cmの範囲、
中間層の表面電気抵抗を1×10 4 〜1×106 Ωの範
囲に、表層の体積電気抵抗を1×105 〜1×109 Ω
・cmの範囲にそれぞれ設定すると、現像ロール全体の
電気抵抗が中抵抗(1×105 〜1×108 Ω)に設定
され、所期の目的が達成できることを見出し本発明に到
達した。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0011】本発明の現像ロールの一例を図1に示す。
この現像ロールは、軸体1の外周面に沿ってベースゴム
層2が形成され、その外周面に中間層3が形成され、さ
らにその外周面に表層4が形成されて構成されている。
【0012】上記軸体1は特に制限するものではなく、
例えば金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空にく
り抜いた金属製の円筒体等が用いられる。そして、その
材料としては、ステンレス、アルミニウム、鉄にメッキ
を施したもの等があげられる。また、必要に応じ軸体1
上に接着剤、プライマー等を塗布することができる。な
お、接着剤、プライマー等は必要に応じて導電化しても
よい。
【0013】上記軸体1の外周面に形成されるベースゴ
ム層2形成材料としては、特に制限はなく、例えばシリ
コーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EP
DM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリウ
レタン系エラストマー等があげられる。なかでも、低硬
度でへたりが少ないという点から、シリコーンゴムが特
に好ましい。なお、ベースゴム層2形成材料としてシリ
コーンゴムを用いた場合には、シリコーンゴム表面をコ
ロナ放電、プラズマ等により活性化させる工程や、さら
にその後、プライマーを塗布する工程を行ってもよい。
【0014】上記ベースゴム層2形成材料には導電剤を
適宜に添加してもよい。上記導電剤としては、従来から
用いられているカーボンブラック、グラファイト、チタ
ン酸カリウム、酸化鉄、c−TiO2 、c−ZnO、c
−SnO2 、イオン導電剤(四級アンモニウム塩、ホウ
酸塩、界面活性剤等)等があげられる。なお、上記「c
−」は、導電性を有するという意味である。
【0015】上記ベースゴム層2の外周に形成される中
間層3形成材料としては、特に制限はなく、例えばアク
リロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム)(以下
「NBR」と略す)、水素添加アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴム(水素化ニトリルゴム)(以下「H−NB
R」と略す)、ポリウレタン系エラストマー、クロロプ
レンゴム(CR)、天然ゴム、ブタジエンゴム(B
R)、ブチルゴム(IIR)、ヒドリンゴム、ナイロン
等があげられる。なかでも、接着性およびコーティング
液の安定性の点から、H−NBRが特に好ましい。
【0016】上記H−NBRは、アクリロニトリル量が
40〜50%の範囲に設定され、かつ、ヨウ素価が18
〜56mg/100mgの範囲に設定されたものが好ま
しく、特に好ましくはアクリロニトリル量が45〜50
%の範囲で、かつ、ヨウ素価が18〜45mg/100
mgの範囲である。そして、このようなH−NBRは例
えばつぎのようにして製造することができる。すなわ
ち、まずアクリロニトリルとブタジエンの乳化重合を行
い、原料となるNBRを製造する。ついで、原料NBR
をアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン等の溶剤に溶解し、Rh、P
d、Pt等の貴金属触媒の存在下において水素付加反応
を行い(NBRに水素添加処理を施し)脱溶剤化するこ
とにより、目的とするH−NBRを製造することができ
る。なお、アクリロニトリル量は原料となるNBRによ
って上記範囲に設定でき、ヨウ素価(水素添加量)は反
応させる水素濃度等によって上記範囲に設定することが
できる。
【0017】上記中間層3形成材料には、導電剤、硫黄
等の加硫剤、グアニジン、チアゾール、スルフェンアミ
ド、ジチオカルバミン酸塩、チウラム等の加硫促進剤、
ステアリン酸、亜鉛華(ZnO)、軟化剤等を適宜に添
加してもよい。なお、導電剤としては、前記と同様のも
のが用いられる。
【0018】上記中間層3の外周に形成される表層4と
しては特に限定はなく、例えばシリコーングラフトアク
リルポリマー、アクリルグラフトシリコーンポリマー、
アクリルゴム、ウレタン等があげられる。これらは単独
でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0019】上記シリコーングラフトアクリルポリマー
としては、アクリル系単量体から誘導される直鎖状の構
造部分からなる主鎖に、シロキサンから誘導される構造
部分からなる側鎖がグラフト化したものが好ましい。具
体的には、下記の一般式(1)で表されるものが特に好
ましい。
【0020】
【化1】
【0021】上記一般式(1)において、繰り返し数k
は1〜3000の正数であり、好ましくは1〜300の
正数である。また、繰り返し数nは1〜3000の正数
であり、好ましくは1〜300の正数である。
【0022】上記一般式(1)において、Yはアクリル
系単量体から誘導される直鎖状の構造部分である。上記
アクリル系単量体としては、具体的には、アクリル酸、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸オク
チル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アク
リル酸tert−ブチル、アクリル酸2,2−ジメチル
プロピル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2
−tert−ブチルフェニル、アクリル酸2−ナフチ
ル、アクリル酸フェニル、アクリル酸4−メトキシフェ
ニル、アクリル酸2−メトキシカルボニルフェニル、ア
クリル酸2−エトキシカルボニルフェニル、アクリル酸
2−クロロフェニル、アクリル酸4−クロロフェニル、
アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−シアノベンジル、
アクリル酸4−シアノフェニル、アクリル酸p−トリ
ル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル
酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−シアノエチ
ル、アクリル酸3−オキサブチル、メタクリル酸、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸オ
クチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−
ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec
−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル
酸2,2−ジメチルプロピル、メタクリル酸シクロヘキ
シル、メタクリル酸−2−tert−ブチルフェニル、
メタクリル酸2−ナフチル、メタクリル酸フェニル、メ
タクリル酸4−メトキシフェニル、メタクリル酸2−メ
トキシカルボニルフェニル、メタクリル酸2−エトキシ
カルボニルフェニル、メタクリル酸2−クロロフェニ
ル、メタクリル酸4−クロロフェニル、メタクリル酸ベ
ンジル、メタクリル酸2−シアノベンジル、メタクリル
酸4−シアノフェニル、メタクリル酸p−トリル、メタ
クリル酸イソノニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル
酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−シアノエチ
ル、メタクリル酸3−オキサブチル、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリルアミ
ド、ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミ
ド、4−カルボキシフェニルメタクリルアミド、4−メ
トキシカルボキシフェニルメタクリルアミド、メチルク
ロロアクリレート、エチル−α−クロロアクリレート、
プロピル−α−クロロアクリレート、イソプロピル−α
−クロロアクリレート、メチル−α−フルオロアクリレ
ート、ブチル−α−ブトキシカルボニルメタクリレー
ト、ブチル−α−シアノアクリレート、メチル−α−フ
ェニルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソボ
ニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート等のラジカル重合性単量体があげられる。そして、
これらアクリル系単量体の1種が重合または2種以上が
共重合することにより、Yで表される直鎖状の構造部分
が構成される。
【0023】上記一般式(1)において、Zはアクリル
系単量体から誘導される構造部分であって、シロキサン
から誘導される構造部分を有するものである。これは、
下記の一般式(2)または一般式(3)で表されるもの
から誘導される。
【0024】
【化2】
【0025】
【化3】
【0026】そして、上記一般式(3)または一般式
(4)の好ましい具体例としては、下記の構造式(a)
〜(r)に示すものがあげられる。
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】上記一般式(1)で表される構造を備えた
シリコーングラフトアクリルポリマーは、シロキサンか
ら誘導される構造部分〔側鎖〕を除いたアクリルポリマ
ー部分〔主鎖〕のガラス転移温度が、−35〜30℃の
範囲にあることが好ましく、特に好ましくは−30〜0
℃の範囲である。すなわち、上記アクリルポリマー部分
〔主鎖〕のガラス転移温度が−35℃を下回ると、粘着
性が大きくなり摩擦係数も大きくなるためトナーフィル
ミングが生じ、複写画像が悪くなり、30℃を越えると
硬くなりすぎ、スタート時にロールが円滑に回転しなか
ったり、クリック音が発生する等の問題が生じるからで
ある。また、他部品との圧接時に跡がロールに残りやす
いという問題もある。
【0032】上記シロキサンから誘導される構造部分
〔側鎖〕を除いたアクリルポリマー部分〔主鎖〕のガラ
ス転移温度は、例えばつぎのようにして設定することが
できる。すなわち、上記アクリルポリマー部分〔主鎖〕
のガラス転移温度が−35〜30℃の範囲となるよう
に、下記のFox式に従い、各アクリル系重合体の重量
比率を設定することにより行われる。
【0033】
【数1】1/Tg=(W1 /Tg1 )+(W2 /T
2 )+…+(Wm /Tgm ) W1 +W2 +…+Wm =1 〔式中、Tgはアクリルポリマー部分のガラス転移温度
を示し、Tg1 ,Tg2,…,Tgm は各アクリル系単
量体のガラス転移温度を示す。また、W1 ,W2,…,
m は各アクリル系単量体の重量比率を示す。〕
【0034】上記ガラス転移温度(Tg )は、DSC
(示差走査熱量測定)または動的粘弾性のtanδピー
クにより測定することができる。
【0035】前記一般式(1)で表される構造を備えた
シリコーングラフトアクリルポリマーの数平均分子量
は、10,000〜300,000の範囲に設定するこ
とが好ましく、特に好ましくは30,000〜100,
000の範囲である。すなわち、上記シリコーングラフ
トアクリルポリマーの数平均分子量が10,000を下
回ると表層の強度が劣る傾向が見られ、300,000
を超えると表層の形成が困難になるからである。
【0036】上記一般式(1)で表される構造を備えた
シリコーングラフトアクリルポリマーにおける(Z)n
部分の数平均分子量は、260〜100,000の範囲
に設定することが好ましく、特に好ましくは2,000
〜50,000の範囲である。すなわち、上記(Z)n
部分の数平均分子量が260を下回ると、柔軟性、低摩
擦係数化、離型性等のシリコーンの効果が少なくなり、
100,000を超えると、べたつきが生じるからであ
る。
【0037】上記(Z)n 部分の含有率は、上記シリコ
ーングラフトアクリルポリマー全重量の5〜60重量%
の範囲になるよう設定することが好ましい。すなわち、
上記(Z)n 部分の含有率が5重量%を下回ると、柔軟
性、低摩擦係数化、離型性等のシリコーンの効果が少な
くなり、60重量%を超えるとシリコーン特有のべたつ
きが生じるからである。
【0038】上記特定のシリコーングラフトアクリルポ
リマーは、例えばつぎのようにして製造することができ
る。すなわち、上記(Y)k 部分と(Z)n 部分を、ア
ゾ系重合開始剤の存在下に、ラジカル共重合させること
により製造することができる。このような重合は、溶媒
を用いる溶液重合法、バルク重合法、エマルジョン重合
法等によって行うことが好ましく、特に好ましくは溶液
重合法である。
【0039】上記アゾ系重合開始剤としては、アゾビス
イソブチロニトリル(AIBN)、アゾビス−4−シア
ノバレリン酸、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブ
チレート、アゾビス−1−シクロヘキサカルボニトリル
等があげられ、特にAIBNが好ましい。また、上記ラ
ジカル共重合の際の重合温度は50〜150℃の範囲に
設定することが好ましく、特に好ましくは60〜100
℃である。また、重合時間は3〜100時間の範囲が好
ましく、特に好ましくは5〜10時間である。
【0040】なお、上記シリコーングラフトアクリルポ
リマーとしては、前記一般式(1)で表される構造を備
えたものが好ましいが、この構造にさらに別のアクリル
系単量体から誘導される直鎖状の構造部分〔(X)m
分〕が連結された、下記の一般式(4)で表される構造
を備えたものを使用することもできる。
【0041】
【化8】
【0042】上記一般式(4)において、Xはアクリル
系単量体から誘導される直鎖状の構造部分であり、上記
アクリル系単量体としては、前記一般式(1)において
例示したものと同様のものがあげられる。
【0043】上記表層4の形成材料であるアクリルグラ
フトシリコーンポリマーとしては、特に限定はないが、
シロキサンから誘導される直鎖状の構造部分からなる主
鎖に、アクリル系単量体から誘導される構造部分からな
る側鎖がグラフト化したものが好ましい。具体的には、
下記の一般式(5)〜(7)で表されるものが特に好ま
しい。
【0044】
【化9】
【0045】上記一般式(5)で表される構造部分の好
ましい具体例としては、下記の構造式に示すものがあげ
られる。
【0046】
【化10】
【0047】前記一般式(6)および一般式(7)にお
けるXは、水素またはハロゲン化炭化水素基、シアン化
炭化水素基等の炭素官能性基を示す。上記ハロゲン化炭
化水素基としては、例えばハロゲン化アルキル基、ハロ
ゲン化アリール基、ハロゲン化アラルキル基、ハロゲン
化アルケニル基等があげられ、上記シアン化炭化水素基
としては、例えばシアノ基、シアン化アラルキル基、シ
アン化アリール基、シアン化アラルキル基、シアン化ア
ルケニル基等があげられる。
【0048】上記アクリルグラフトシリコーンポリマー
は、アクリル系単量体から誘導される構造部分〔側鎖〕
のガラス転移温度(Tg)が、30〜150℃の範囲に
設定されていることが好ましく、特に好ましくは60〜
120℃の範囲である。すなわち、上記ガラス転移温度
(Tg)が30℃未満であると、低摩擦係数化、離型
性、べたつき防止効果が減少する傾向がみられ、150
℃を超えると、溶剤への溶解性が低下し、トナー離型性
に劣る傾向がみられるからである。なお、上記アクリル
系単量体から誘導される構造部分〔側鎖〕のガラス転移
温度(Tg)の測定は、前述したFox式に準じて行う
ことができる。
【0049】上記アクリルグラフトシリコーンポリマー
において、シロキサンから誘導される直鎖状の構造部分
からなる主鎖の分子量は、1,500〜20,000の
範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは3,0
00〜10,000の範囲である。すなわち、上記分子
量が1,500未満であると、適度な帯電性、低摩擦係
数化、離型性等のシリコーンの効果が得にくくなり、2
0,000を超えると、相溶性が低下し、効果が減少し
たり、シリコーンのべたつきが生じる傾向がみられるか
らである。
【0050】上記アクリルグラフトシリコーンポリマー
における、アクリル系単量体から誘導される構造部分
は、特に限定はなく、例えば下記の一般式(8)で表さ
れるものがあげられる。上記アクリル系単量体として
は、前述と同様のものがあげられ、これらアクリル系単
量体の1種が重合または2種以上が共重合することによ
り、アクリル系単量体から誘導される構造部分が構成さ
れる。
【0051】
【化11】
【0052】上記一般式(8)で表される構造部分の好
ましい具体例としては、下記の構造式に示すものがあげ
られる。
【0053】
【化12】
【0054】上記アクリルグラフトシリコーンポリマー
において、アクリル系単量体から誘導される構造部分か
らなる側鎖の分子量は、200〜20,000の範囲に
設定することが好ましく、特に好ましくは1,000〜
10,000の範囲である。すなわち、上記分子量が2
00未満であると、適度な帯電性が得られにくいため前
述の効果が得にくくなり、20,000を超えると前述
の効果が得にくくなるからである。
【0055】上記アクリルグラフトシリコーンポリマー
は、例えば前記シロキサンから誘導される構造部分と、
アクリル系単量体から誘導される構造部分とを、前述の
アゾ系重合開始剤の存在下に前述のラジカル共重合させ
ることにより製造することができる。また、上記アクリ
ルグラフトシリコーンポリマーは、例えば上記シロキサ
ンから誘導される構造部分と、アクリル系単量体から誘
導される構造部分とを、アニオン重合触媒の存在下にア
ニオン重合反応させることにより製造することもでき
る。上記アニオン重合触媒としては、リチウム、ナトリ
ウム等のアルカリ金属、メチル、エチル、プロピル、ブ
チル等の脂肪族炭化水素、ナフタリン、アントラセン、
フェナントレン、トリフェニレン、ナフタセン、アセナ
フチレン、トランススチルベン、ビフェニル、スチレ
ン、メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ベンゾニトリ
ル、ジフェニルエチレン、ジフェニルブタジエン等の芳
香族炭化水素等があげられる。これらは単独でもしくは
2種以上併せて用いられる。
【0056】このようにして得られるアクリルグラフト
シリコーンポリマーは、分子量が3,000〜300,
000の範囲に設定することが好ましく、特に好ましく
は10,000〜100,000の範囲である。すなわ
ち、上記分子量が3,000未満であると前述の効果が
得にくくなり、ブリードして感光体を汚染する傾向がみ
られ、300,000を超えると、他の材料との相溶性
が低下し、分離して低摩擦等の効果が得にくくなるから
である。
【0057】上記アクリルグラフトシリコーンポリマー
において、前記シロキサンから誘導される直鎖状の構造
部分からなる主鎖と、アクリル系単量体から誘導される
構造部分からなる側鎖との比率は、重量比で、主鎖/側
鎖=5/95〜60/40の範囲に設定することが好ま
しく、特に好ましくは主鎖/側鎖=10/90〜40/
60の範囲である。すなわち、主鎖の比率が60を超え
る(側鎖の比率が40を下回る)と、シリコーン成分が
増えすぎ、他の材料との相溶性が悪くなる傾向がみら
れ、主鎖の比率が5を下回る(側鎖の比率が95を超え
る)と、シリコーン成分が減少するため適度な帯電性、
離型性が得にくく、強度への効果が減少する傾向がみら
れるからである。
【0058】上記表層4形成材料には、導電剤、帯電制
御剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、補強剤、滑
剤、離型剤、染料、顔料、難燃剤、オイル、架橋剤等を
適宜に添加することもできる。上記導電剤としては前述
と同様のものがあげられ、上記帯電制御剤としては、従
来から用いられている四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、
アジン系(ニグロシン系)化合物、アゾ化合物、オキシ
ナフトエ酸金属錯体、界面活性剤(アニオン系、カチオ
ン系、ノニオン系)等があげられ、上記架橋剤として
は、イソシアネート基含有物や、アミノ基、エポキシ
基、カルボキシル基、−SH基等を含有する硬化剤があ
げられる。
【0059】上記表層4形成材料は、例えばつぎのよう
にして作製することができる。すなわち、まず先に述べ
た方法に従いシリコーングラフトアクリルポリマー、ア
クリルグラフトシリコーンポリマー等を作製し、これら
を有機溶剤に溶解する。ついで、必要により、導電剤、
帯電制御剤等を加えたものをサンドミル等で分散するこ
とにより、塗工用のコーティング液を作製する。上記有
機溶剤としては、メチルエチルケトン、トルエン、テト
ラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン、
メタノール、イソプロピルアルコール等があげられる。
これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0060】あるいは、上記シリコーングラフトアクリ
ルポリマー、アクリルグラフトシリコーンポリマー、導
電剤等を2軸混練機等で分散し、これらを前記有機溶剤
に溶解することにより、塗工用のコーティング液を作製
してもよい。
【0061】そして、本発明の現像ロールは、例えばつ
ぎのようにして作製することができる。すなわち、ま
ず、前記ベースゴム層2形成材料用の各成分をニーダー
等の混練機を用いて混練し、ベースゴム層2形成材料を
作製する。また、前記中間層3形成材料用の各成分をロ
ール等の混練機を用いて混練し、この混合物に前記有機
溶剤を加えて混合、攪拌することにより、中間層3形成
材料(コーティング液)を作製する。さらに、先に述べ
た方法に従い、前記表層4形成材料(コーティング液)
を作製する。
【0062】つぎに、図2に示すように、軸体1を準備
し、その外周面に必要に応じて接着剤、プライマー等を
塗布した後、下蓋5を外嵌した円筒型6内に上記軸体1
をセットする。つぎに、前記ベースゴム層2形成材料を
注型等した後、上記円筒型6に上蓋7を外嵌する。つい
で、上記ロール型全体を加熱して上記ベースゴム層2形
成材料を加硫し(150〜220℃×30分)、ベース
ゴム層2を形成する。続いて、このベースゴム層2が形
成された軸体1を脱型し、必要に応じ反応を完結させる
(200℃×4時間)。ついで、必要に応じロール表面
にコロナ放電処理を行う。さらに必要に応じロール表面
にカップリング剤の塗布を行う。そして、上記ベースゴ
ム層2の外周に中間層3形成材料となるコーティング液
を塗布し、もしくは上記ベースゴム層2形成済みのロー
ルを前記コーティング液中に浸漬して引き上げた後、乾
燥および加熱処理を行うことにより、ベースゴム層2の
外周に中間層3を形成する。さらに、上記中間層3の外
周に表層4形成材料となるコーティング液を塗布し、も
しくは上記中間層3形成済みのロールを前記コーティン
グ液中に浸漬して引き上げた後、乾燥および加熱処理を
行うことにより、中間層3の外周に表層4を形成する。
上記コーティング液の塗布方法は、特に制限するもので
はなく、従来公知のディッピング法、スプレーコーティ
ング法、ロールコート法等があげられる。このようにし
て、軸体1の外周面に沿ってベースゴム層2が形成さ
れ、その外周に中間層3が形成され、さらにその外周に
表層4が形成された3層構造の現像ロールを作製するこ
とができる。
【0063】本発明の現像ロールは、各層の電気抵抗が
下記の範囲になるように製造する必要がある。上記ベー
スゴム層2の体積電気抵抗は1×103 〜1×107 Ω
・cmの範囲に設定する必要があり、好ましくは1×1
4 〜1×106 Ω・cmの範囲である。すなわち、上
記ベースゴム層2の体積電気抵抗が1×103 Ω・cm
未満であると耐圧性能に劣り、1×107 Ω・cmを超
えると、濃度むらが生じ、濃度の階調性に再現性がなく
なるからである。また、上記中間層3の表面電気抵抗は
1×104 〜1×106 Ωの範囲に設定する必要があ
り、好ましくは5×104 〜2×105 Ωの範囲であ
る。すなわち、上記中間層3の表面電気抵抗が1×10
4 Ω未満であると耐圧性能に劣り、1×106 Ωを超え
ると濃度むらが生じるからである。そして、上記表層4
の体積電気抵抗は1×105 〜1×109 Ω・cmの範
囲に設定する必要があり、好ましくは1×106 〜1×
108Ω・cmの範囲である。すなわち、上記表層4の
体積電気抵抗が1×105 Ω・cm未満であると耐圧性
能に劣り、1×109 Ω・cmを超えると、電荷がたま
りやすく残像が出たり、ベースゴム層の抵抗むらをひろ
いやすく濃度むらが発生するからである。
【0064】なお、各層の電気抵抗は、つぎのようにし
て測定する。
【0065】〔ベースゴム層の体積電気抵抗〕図3に示
すように、ステンレス板31上に、上記ベースゴム層形
成材料からなるシート32(厚み2mm)を載置した
後、上記ステンレス板31に10Vの電圧を印加し、上
記シート32の体積電気抵抗を測定する。
【0066】〔中間層の表面電気抵抗〕図4に示すよう
に、ポリエチレンテレフタレートフィルム41上に、上
記中間層形成材料を塗布して塗膜42(厚み50〜60
μm)を形成する。一方、長方形状の筐体43を準備
し、筐体43の下面に2本の銅テープ44(10×50
mm)を10mm間隔で貼りつける。そして、上記銅テ
ープ44の1本に1000Vの電圧を印加したものを上
記塗膜42上に荷重3000gで押圧し、塗膜42の表
面電気抵抗を測定する。
【0067】〔表層の体積電気抵抗〕図5に示すよう
に、導電性ポリエチレンテレフタレートフィルム(マイ
ラーシート)21上に、上記表層形成材料を塗布して塗
膜22(厚み50〜60μm)を形成する。そして、こ
れをSME−8311電極23(東亜電波社製)で挟
み、1Vの電圧を印加した時の電流を電流計24(KE
ITHLEY−6517、ケスレー社製)を用いて測定
し、これを体積電気抵抗に換算する。なお、図におい
て、25はアルミ箔であり、上記導電性ポリエチレンテ
レフタレートフィルム(マイラーシート)21とクリッ
プ(図示せず)で固定されている。
【0068】本発明の現像ロールにおいて、ベースゴム
層2の厚みは、通常1〜15mmの範囲に設定すること
が好ましく、特に好ましくは1〜5mmの範囲である。
また、中間層3の厚みは、通常5〜40μmの範囲に設
定することが好ましく、特に好ましくは10〜20μm
の範囲である。そして、表層4の厚みは通常5〜30μ
mの範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは5
〜20μmの範囲である。
【0069】本発明の現像ロールにおける硬度は、JI
S Aによる硬度の測定値が、70(Hs:JIS
A)以下の範囲にあるものが好ましく、特に好ましくは
60(Hs:JIS A)以下の範囲である。
【0070】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0071】まず、実施例および比較例に先立ち、下記
の繰り返し単位から構成されたシリコーングラフトアク
リルポリマーを前述の方法に準じて作製した。
【0072】
【化13】
【0073】
【実施例1〜5、比較例1〜6】まず、下記の表1〜表
3に示す各成分を同表に示す割合で配合し、前記方法に
従い各層の形成材料を調整した。そして、軸体となる芯
金(直径10mm、SUS304製)を準備し、前記方
法に従い、上記芯金上にベースゴム層を形成した。つい
で、上記ベースゴム層の表面にコロナ放電処理を行った
後、さらにカップリング剤の塗布を行った。そして、上
記ベースゴム層の外周に中間層および表層を順次形成し
て3層構造の現像ロールを得た。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】このようにして得られた実施例品および比
較例品の現像ロールについて、下記の基準に従い、残留
電荷、残留電荷むら、ロールの電気抵抗、耐圧、画出時
濃度むら、および画出時濃度階調性について比較評価を
行った。これらの結果を、後記の表4〜表6に併せて示
した。
【0078】〔残留電荷〕図6に示すように、現像ロー
ル51を回転数60rpmで矢印方向に回転させなが
ら、コロナ放電線(コロトロン)52を用いて100μ
Aのコロナ電流を印加し現像ロール51の表面を帯電し
た。そして、表面電位計53により上記現像ロール51
表面の残留電荷を測定した。なお、各層の残留電荷も上
記と同様にして測定した。
【0079】〔残留電荷むら〕現像ロールの残留電荷の
最大値と平均値の差を残留電荷むらとして表示した。
【0080】〔ロールの電気抵抗〕図7に示すような装
置を用いて金属ロール法により測定した。すなわち、ス
テンレス製の金属ロール61上に現像ロール62を接触
させ、現像ロールの両端を荷重700gで押圧した。つ
いで、上記現像ロール62の一端に100Vの電圧を印
加しロールの電気抵抗を測定した。
【0081】〔耐圧〕図8(A),(B)に示した装置
を用いて測定した。すなわち、接触していない2本のス
テンレス製の金属ロール61,61上に現像ロール62
を載置し、現像ロール62の両端を荷重500gで押圧
した。ついで、一方の金属ロール61に300Vの電圧
を印加した時の電流値を測定した。そして、電流値が1
0μA未満の場合を○、電流値が10μA以上の場合を
×として表示した。
【0082】〔画出時濃度むら〕現像ロールを電子写真
複写機に組み込みハーフトーンの画像出しを行った。そ
して、マクベス濃度計で濃度を測定し、最大値と最小値
の差が0.05以内の場合を○、0.05〜0.10の
場合を△、0.1以上の場合を×として表示した。
【0083】〔画出時濃度階調性〕現像ロールを電子写
真複写機に組み込みグレースケールの画像出しを行っ
た。そして、色階調が10以上のものを○、7〜9のも
のを△、6以下のものを×として表示した。
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】上記表4〜表6の結果から、実施例品の現
像ロールは、優れた耐圧性能を備え、しかも濃度むらが
発生せず、濃度階調性にも優れていることがわかる。こ
れに対して、比較例品の現像ロールは、耐圧、画出時濃
度むら、画出時濃度階調性の少なくとも1つの特性に劣
ることがわかる。
【0088】
【発明の効果】以上のように、本発明の現像ロールは、
ベースゴム層と中間層と表層の3層構造からなり、しか
も上記ベースゴム層の体積電気抵抗が1×103 〜1×
107Ω・cmの範囲に設定され、上記中間層の表面電
気抵抗が1×104 〜1×10 6 Ωの範囲に設定され、
かつ、上記表層の体積電気抵抗が1×106 〜1×10
9 Ω・cmの範囲に設定されている。その結果、現像ロ
ール全体の電気抵抗が中抵抗(1×105 〜1×108
Ω)となり、優れた耐圧性能を備えるようになるととも
に、濃度むらも発生しなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像ロールの一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の現像ロールの製法の一例を示す断面図
である。
【図3】ベースゴム層の体積電気抵抗の測定方法を示す
説明図である。
【図4】中間層の表面電気抵抗の測定方法を示す説明図
である。
【図5】表層の体積電気抵抗の測定方法を示す説明図で
ある。
【図6】残留電荷の測定方法を示す説明図である。
【図7】ロールの電気抵抗の測定方法を示す説明図であ
る。
【図8】(A)は耐圧の測定方法を示す説明図、(B)
は耐圧の測定方法を示す断面図である。
【図9】従来の現像装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 軸体 2 ベースゴム層 3 中間層 4 表層
フロントページの続き (72)発明者 有村 昭二 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸体の外周面にベースゴム層が形成さ
    れ、上記ベースゴム層の外周に中間層が形成され、上記
    中間層の外周に表層が形成された現像ロールであって、
    上記ベースゴム層の体積電気抵抗が1×103 〜1×1
    7 Ω・cmの範囲に設定され、上記中間層の表面電気
    抵抗が1×104 〜1×106 Ωの範囲に設定され、か
    つ、上記表層の体積電気抵抗が1×105 〜1×109
    Ω・cmの範囲に設定されていることを特徴とする現像
    ロール。
  2. 【請求項2】 上記表層が金属製層形成ブレードと接触
    しており、かつ、表層と金属製層形成ブレードの間に電
    位差が生じている請求項1記載の現像ロール。
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