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JPH11334624A - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

Info

Publication number
JPH11334624A
JPH11334624A JP13985298A JP13985298A JPH11334624A JP H11334624 A JPH11334624 A JP H11334624A JP 13985298 A JP13985298 A JP 13985298A JP 13985298 A JP13985298 A JP 13985298A JP H11334624 A JPH11334624 A JP H11334624A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
valve
shaft
return
power steering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13985298A
Other languages
English (en)
Inventor
Taku Yamamoto
卓 山本
Shogo Ishikawa
正吾 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jidosha Kiki Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Kiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jidosha Kiki Co Ltd filed Critical Jidosha Kiki Co Ltd
Priority to JP13985298A priority Critical patent/JPH11334624A/ja
Publication of JPH11334624A publication Critical patent/JPH11334624A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータリバルブを構成するロータまたはスリ
ーブの周方向や軸線方向への振動による油圧脈動音や、
入力軸を軸支する軸受で生じるレースの衝突音を防止す
る。 【解決手段】 入、出力軸11,13の軸端部間に設け
たロータリバルブ15を構成するロータ16およびスリ
ーブ17の少なくとも一方を、対応する軸に対して軸線
方向に移動可能な状態で一体的に設ける。入力軸を、圧
入された外輪21aと嵌合された内輪21bを有するボ
ールベアリング21によってロータリバルブの入力軸側
の端部に近接する部分でバルブハウジング2に回転自在
に軸支する。ロータリバルブの戻り側流路30の途中に
絞り40を設ける。この絞りによる差圧で前記一方のバ
ルブ構成部材を軸線方向に付勢し、前記ボールベアリン
グの被固定側に嵌合した内輪21bに押付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、舵取り操作に応じ
てパワーシリンダへの圧油の給排制御を行う流路切換弁
としてロータリコントロールバルブ(以下、ロータリバ
ルブという)を用いている動力舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からこの種の動力舵取装置として、
種々の構造を有するものが提案されている。その一例と
して、インテグラルタイプのボールスクリュ式動力舵取
装置の概要を本発明を図示している図4の全体図を用い
て簡単に説明する。符号1,2で示すものはステアリン
グボディおよびその開口端側を閉塞する弁カバーを兼る
バルブハウジングであり、これらによって形成される内
部空間には、図示しない舵取ハンドルの操舵操作に伴な
って軸線方向に進退動作し後述するセクタギヤに噛合う
ラック歯を有するピストン3が配設されている。このピ
ストン3の前後には二つの圧力室(左、右シリンダ室C
L,CR)4,5が形成され、これらの圧力室4,5に
よってパワーシリンダを構成している。
【0003】前記ピストン3が動作すると、このピスト
ン3の側方に形成したラック歯6がセクタギヤ8のセク
タ歯7に噛合し、セクタギヤ軸を回転させる。この回転
が舵取り機構を構成するピットマンアーム(図示せず)
を介して操舵輪側に伝達されることにより操舵が行われ
る。
【0004】前記バルブハウジング2には、ハンドル操
作により回転される入力軸となるスタブシャフト11が
貫通支持され、さらにその先端側には一端が前記ピスト
ン3内に臨みボールねじ機構12を介して連結される出
力軸としてのウォームシャフト13が同軸上に配設され
ている。なお、14はこれらのシャフト11,13内に
同軸的に配設されその両端がそれぞれのシャフト11,
13側に一体的に結合されているトーションバーであ
る。このトーションバー14の働きによりスタブシャフ
ト11とウォームシャフト13とが相対的に回転して後
述するロータリバルブが作動する。
【0005】15は前記ハウジング2内に配設されたロ
ータリバルブで、このロータリバルブ15は、スタブシ
ャフト11の内方端に一体的に回転するように設けられ
その外周に複数のバルブ溝を有するロータ16と、前記
ウォームシャフト11と一体に設けられその内周に複数
のバルブ溝を有するスリーブ17とを備えている。な
お、前記ロータ16は、連結ピン18によってスタブシ
ャフト11と回転方向において連結され、軸線方向には
移動可能になっている。
【0006】このようなロータリバルブ15は、ロータ
16とスリーブ17との相対的な回転により作動して油
圧流路の切換え動作を行ない、オイルポンプPからの圧
油をハンドル操作に伴なって前記パワーシリンダの左、
右シリンダ室4,5に選択的に供給し、操舵輪に操舵補
助力を与えるピストン3を操舵方向に移動させる。
【0007】前記ウォームシャフト13は、前記スリー
ブ17のバルブハウジング2側の端部がボールベアリン
グ19によってバルブハウジング2に対して回動自在に
軸支されている。前記スタブシャフト11は、前記バル
ブハウジング2の舵取ハンドル側に設けたプラグ部材2
0内にボールベアリング21により回動自在に軸支され
るとともに、出力軸側の端部が前記ウォームシャフト1
3に対してニードルベアリング等の軸受22により回動
自在に軸支されている。なお、23は前記プラグ部材2
0内に設けたオイルシールである。
【0008】このようなロータリバルブ15の具体的な
構造、作動状態、さらに操舵時におけるピストン3の動
き、これによるラック歯6とセクタ歯7との噛合いに伴
なってセクタギヤ8が回動動作することにより操舵輪が
所要の方向に転舵動作する点は広く知られているから、
ここでの詳細な説明は省略する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来から知られている
上述した動力舵取装置用のロータリバルブ15では、以
下のような問題があった。すなわち、ロータリバルブ1
5において、スタブシャフト11を支持するボールベア
リング21は、そのレースとなる内、外輪のうち、外輪
21aがプラグ部材20の内孔部分20aに圧入固定さ
れ、また内輪21bはスタブシャフト11に嵌合されて
いる。そして、この内輪21bとスタブシャフト11と
の間にはクリアランスがある。
【0010】このようなボールベアリング21の内輪2
1bによれば、振動などの外部要因や、この内輪21b
に近接する部分に形成されたバルブ15における作動油
の流路(たとえばバルブ15からタンク側への作動油の
戻り流路)内を流れる作動油の流れまたは油圧変動の影
響によって、半径方向または軸線方向などに動き、スタ
ブシャフト11やボールと衝突して、いわゆるコトコト
音等のような衝突音を生じるという問題があった。
【0011】このような作動油の流れによる問題を解決
するには、ロータリバルブ15内からスリーブ17に形
成した戻り穴を通って流出する戻り側作動油の排出通路
を、上述した衝突音のような問題を生じない状態で形成
する必要がある。
【0012】また、上述したロータリバルブ15では、
バルブ構成要素であるロータ16またはスリーブ17
(この例ではロータ16)が、入力軸であるスタブシャ
フト11または出力軸であるウォームシャフト13(こ
の例ではスタブシャフト11)と別体に構成されてい
る。前記入、出力側のシャフト11,13が軸受(ボー
ルベアリング21,19またはニードルベアリング22
等)により支持されている。
【0013】このようなロータリバルブ15において、
上述したスタブシャフト11と別体構造のロータ16で
は、このロータ16のバルブ溝とスリーブ17のバルブ
溝間を流れる作動油の流れによってロータ16が周方向
に振動する。このようにロータ16が周方向に振動する
と、バルブ溝間の流路切換部の開度が変化し、バルブ1
5が自励振動することにより油圧変動を生じ、油圧脈動
音が発生するという問題があった。
【0014】さらに、このようなロータリバルブ15に
おけるローラ16は、軸線方向にも動き、その動きによ
ってこのバルブによる油圧制御特性が不安定となるとい
う問題もあった。特に、動力舵取装置では、上述したロ
ータリバルブ15とパワーシリンダとからなる本体部は
スタブシャフト11が斜め上方を向いた状態で車輌に傾
斜して取付けられるから、この入、出力軸の軸線方向に
おいてバルブ構成部品にがたがあると振動音等の不具合
を生じる。
【0015】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、ロータリバルブを構成するロータまたはス
リーブの周方向や軸線方向への振動による油圧脈動音
や、入、出力軸を軸支する軸受であるボールベアリング
の圧入固定されていない嵌合側のレース(内輪)がタン
クへの戻り側の作動油の流れに伴って径方向や軸線方向
に振動することによる衝突音の発生を防止することがで
きる動力舵取装置を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような目的に応える
ために本発明に係る動力舵取装置は、バルブハウジング
に軸支され舵取り操作により回転する入力軸(スタブシ
ャフト)と、前記バルブハウジング内で入力軸とトーシ
ョンバーを介して相対的に回動可能に連結されている出
力軸(ウォームシャフト)と、これら両軸の軸端部間に
設けたロータおよびスリーブからなるバルブ構成部材を
有する回転型流路切換弁を備え、バルブ構成部材である
ロータまたはスリーブの少なくとも一方を、対応する軸
に対して軸線方向に移動可能な状態で一体的に設けてな
る動力舵取装置において、前記一方のバルブ構成部材の
前記入力軸側の端部に近接する部分であって、入力軸を
バルブハウジングに回転自在に軸支する圧入されたレー
スと嵌合されたレースを有する軸受を備え、前記一方の
バルブ構成部材を前記軸受の被固定側に嵌合したレース
側に付勢する差圧を与える絞りを、前記回転型流路切換
弁の戻り側流路の途中に設けたものである。
【0017】また、本発明に係る動力舵取装置は、前記
戻り側流路を、ロータリバルブにおけるロータまたはス
リーブの戻り側バルブ溝からの戻り側作動油を軸線方向
に導く溝部と、この溝部に連通するロータの一端部およ
びロータの内側通路と、この内側通路に連通するロータ
の他端部に形成された通路によって構成し、この戻り側
流路の途中に前記差圧を生じさせる絞りを設けたもので
ある。さらに、本発明に係る動力舵取装置は、バルブ構
成部材の舵取ハンドル側の端部に近接する部分で前記入
力軸を軸支する軸受を、ボールベアリングで構成したも
のである。
【0018】本発明によれば、ポンプから給送された圧
油はロータリバルブ内に送られ、流路切換え状態におい
てパワーシリンダの左、右シリンダ室のいずれかに供給
される。このとき、ロータリバルブを構成するバルブ構
成部材において、たとえば入力軸と別体にロータが構成
されている場合に、このロータリバルブからの戻り側作
動油は次のようにしてタンク側に還流される。すなわ
ち、ロータまたはスリーブの戻り側バルブ溝から溝部に
よって軸線方向に導かれ、この溝部に連通するロータの
一端部およびロータの内側通路を介して前記入力軸側に
向かって軸線方向に導かれる。そして、この内側通路内
の戻り側作動油は、ロータの他端部と前記入力軸をバル
ブハウジング(被固定部)に軸支する軸受(ボールベア
リング)に近接する部分との間に前記ロータの内側通路
に連通するように形成した通路を介してタンク側に還流
される。
【0019】このように構成される戻り側流路において
その途中に設けた絞りによって生じる差圧を、前記ロー
タの両端部に作用させることにより、このロータを軸線
方向に付勢する。この差圧によって得られる付勢力でロ
ータを軸線方向に動かし、ロータの入力軸側の端部を前
記軸受の被固定部に圧入固定されていないレース(内
輪)に押付けることにより、このレースの径方向や軸線
方向の振動を抑制することができる。また、入力軸とは
別体に構成したバルブ部材であるロータを前記軸受の嵌
合側のレースに押付けることにより、このロータの周方
向や軸線方向の振動を抑制することができる。
【0020】動力舵取装置とはたとえばインテグラルタ
イプのボールスクリュ式のものがあるが、これに限定さ
れず、ロータリバルブ(回転型流路切換弁)を備えてい
る動力舵取装置であればよい。ロータリバルブにおいて
入、出力軸のいずれかと別体構造のバルブ構成部材と
は、ロータまたはスリーブの少なくともいずれか一方で
あればよい。
【0021】入力軸をボディ側に軸支する軸受とは基本
的にはボールベアリングをいうが、これに限らず、たと
えばニードルベアリング等でもよい。要するに、軸受を
構成するレースにおいて、被固定側に圧入固定していな
い側のレースに前述した別体構造のバルブ構成部材を当
接させる構造であればよい。軸とは別体に構成したバル
ブ構成部材を軸受側に移動させるためのバルブからタン
ク側への戻り側作動油の流路の途中に設けた絞りとして
は、バルブ構成部材に形成したスリット溝、小孔、その
他適宜の構造のものでもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】図1(a),(b)ないし図4は
本発明に係る動力舵取装置の第1の実施の形態を示す。
これらの図において、図4に示すインテグラルタイプの
ボールスクリュ式動力舵取装置の概要は前述した通りで
あり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0023】動力舵取装置用の流路切換弁となるロータ
リバルブ15において、入力軸であるスタブシャフト1
1と出力軸であるウォームシャフト13に一体的に設け
られるロータ16およびスリーブ17の少なくともいず
れか一方(この実施の形態ではロータ16)を、対応す
る軸(スタブシャフト11)に対して別体に構成してい
る。そして、このロータ16の反入力軸側の軸端部をウ
ォームシャフト13の軸端部に対して連結ピン18によ
り回転方向に一体に回転するように連結し、軸線方向に
は移動可能になっている。
【0024】本発明によれば、このようにシャフト13
と別体に構成しているロータ16を、このバルブ15部
分を通る流路構造を改良して油圧を作用させることによ
って軸線方向に変位させるように構成している。すなわ
ち、このロータ16を、油圧によってスタブシャフト1
1を軸支する軸受であるボールベアリング21側に押圧
し、このボールベアリング21の被固定側(プラグ部材
20)に圧入固定されていない嵌合側のレースである内
輪21bに当接させるように、このバルブ15からタン
クTへの戻り側作動油の流路30を構成している。
【0025】これを詳述すると、ロータリバルブ15を
構成するロータ16の外周面とスリーブ17の内周面に
は、図3に示すように円弧状を呈するバルブ溝が複数条
(この実施の形態では8条)ずつ形成されている。これ
らのバルブ溝は、ポンプPからの圧油が流入するバルブ
溝と、その周方向両側に位置しパワーシリンダの左、右
シリンダ室CL,CRに接続されるバルブ溝と、タンク
T側に接続される戻り側のバルブ溝とで構成されてい
る。なお、このようなバルブ溝によるロータリバルブ1
5の流路切換えは従来から広く知られている通りであ
り、ここでの説明は省略する。
【0026】上述したバルブ溝のうち、ロータ16の外
周面に形成した戻り側のバルブ溝31からタンクTに至
る戻り側作動油の流路30は、以下のように構成されて
いる。すなわち、前記ロータ16の外周面には、前記戻
り側のバルブ溝31からウォームシャフト13側の一端
部にかけて溝部32が軸線方向に形成されている。そし
て、このロータ16のウォームシャフト13側の一端部
に径方向に形成した溝部33およびこの一端部分に形成
される第1の室34を介して戻り油をロータ16の内側
で前記スタブシャフト11の外周面との間に形成した通
路35に導くように構成している。
【0027】前記戻り側の作動油は、このロータ16内
側の通路35を前記スタブシャフト11側に導かれ、こ
のスタブシャフト11をプラグ部材20に軸支している
ボールベアリング21と前記ロータ16のスタブシャフ
ト11側の他端部との間に形成される第2の室36を通
り、さらにスリーブ17をバルブハウジング2に軸支し
ているボールベアリング19の側部空間37、このボー
ルベアリング19のボールを保持している保持器などの
空隙19aを介して、スリーブ17の外周部でスタブシ
ャフト11側に位置するようにバルブハウジング2に形
成した環状溝38、この環状溝38に接続した通路39
に導かれ、図4に示したタンクポート30aからタンク
T側に還流されるようになっている。
【0028】上述したような戻り油の戻り側流路30に
おいて、前記ロータ16のスタブシャフト11側の軸端
部端面には、図1(a),(b)や図2に示すように径
方向に一個または複数個のスリット溝40が形成されて
いる。これらのスリット溝40によって戻り側流路30
の途中に絞りが形成され、その上、下流側の圧力がロー
タ16の両端側の第1、第2の室34,36に差圧とし
て作用することになる。したがって、このロータ16
は、上述したような戻り側流路30における絞り(4
0)による差圧によってスタブシャフト11側に付勢さ
れ、前記ボールベアリング21において圧入固定されて
いない嵌合側のレースである内輪21bの側部に当接
し、押付けられた状態になる。
【0029】このような構成によれば、ポンプPからロ
ータリバルブ15に給送された圧油のうち、タンクT側
への戻り側作動油は、ロータ16の戻り側バルブ溝31
から溝部32を通って、ロータ16の出力軸(ウォーム
シャフト13)側に向かって軸線方向に沿って流れ、そ
のロータ16の軸端部の溝33や室34を介してロータ
16内側の通路35に至り、この内側通路35を今度は
入力軸(スタブシャフト11)側に流れる。そして、こ
のスタブシャフト11をプラグ部材(被固定部)20に
軸支する軸受であるボールベアリング21に近接する部
分(スリット溝40、室36)を介してタンクT側に流
れる戻り油の流路30において、流路30の途中に形成
されている絞り(スリット溝40)によって生じる差圧
がロータ16の両端部に作用する。
【0030】このような差圧によって前記ロータ16は
軸線方向に動き、入力軸側の軸端部を前記ボールベアリ
ング21の被固定部に圧入固定されていないレース(内
輪21b)に押付けることにより、この内輪21bの径
方向や軸線方向の振動を抑制することができる。したが
って、このような本発明によれば、従来問題となってい
た圧入固定されていない内輪21bの振動による衝突音
(コトコト音)を低減または解消することができる。
【0031】また、このようにロータ16をスタブシャ
フト11を軸支するボールベアリング21の内輪21b
に押付けることにより、このロータ16の周方向や軸線
方向の振動を抑制することができる。したがって、従来
問題となっていたロータ16が周方向に振動することに
より生じていた油圧脈動やこれによって生じる油圧脈動
音を抑制することができる。また、このロータ16の軸
線方向の動きを抑制できるから、油圧特性を安定させる
ことができる。
【0032】さらに、上述した構成によれば、バルブ構
成部材であるロータ16の外周面またはスリーブ17の
内周面に、作動油戻り用の溝部32をたとえば冷間鍛造
によって簡単に形成でき、またロータ16をボールベア
リング21側に押付ける差圧力を得る絞り(40)も比
較的簡単な加工によって形成できるから、特別な加工を
要することなく、上述した油圧脈動音の抑制等といった
作用効果を得ることができる。
【0033】なお、本発明は上述した実施の形態で説明
した構造には限定されず、各部の形状、構造等を適宜変
形、変更し得ることはいうまでもない。たとえば上述し
た実施の形態では、差圧を発生させるための絞りを、前
記ロータ16のボールベアリング21の側部に対向する
端面部に径方向に形成した複数条のスリット溝40で形
成している。しかし、このようなスリット溝40に限ら
ず、孔や通路を形成する隙間の狭小部分等によって差圧
を発生させるための絞りを形成したものでもよい。勿
論、孔、溝、隙間の個数や量は、ロータリバルブ15を
構成するバルブ構成部材(ロータ16)を移動させるに
必要となる発生圧が得られる程度の絞りを形成できるも
のであって、しかも戻り側の流路に負荷を不要に発生さ
せないものであればよい。
【0034】図5では、ロータ16の内周面とスタブシ
ャフト11の外周面との間の環状通路35の一部に、ス
タブシャフト11側に大径部50aを形成することによ
りロータ16の内周面との間に隙間通路50を形成し、
この部分を上述した絞りとしている。この場合には、ロ
ータ16のスタブシャフト11側の軸端部に形成したス
リット溝40の溝幅を前述した実施の形態よりも広く形
成すればよい。
【0035】図6では、ロータ16のスタブシャフト1
1側の軸端部寄りの部分に径方向に小径孔51を一個ま
たは複数個形成し、この小径孔51を絞りとして機能さ
せるとよい。前記スタブシャフト11において、この小
径孔51を設けた位置よりも入力軸側の部分を大径部5
2を形成し、ロータ16の内周面との間にも絞りとなる
隙間通路53を形成している。
【0036】この実施の形態では、上述した小径孔51
を、パワーシリンダの左、右シリンダ室CL,CRへの
圧油の供給がないときに、ロータ16が自重によりウォ
ームシャフト13側に移動した状態とすることによりロ
ータ16に形成した戻り側流路30を閉じるように構成
している。すなわち、この種の動力舵取装置は、スタブ
シャフト11が斜め上方を向いた状態で車輌に搭載され
ることから、ロータ16は自重によりウォームシャフト
13側に位置することになる。このとき、小径孔51が
ボールベアリング19の内輪部分で閉塞されるようにす
る。
【0037】このような構成によれば、左、右シリンダ
室のいずれかに圧油が供給されると、他方のシリンダ室
からの圧油が上述した戻り側流路30を流れ、絞りによ
り差圧が発生して前述した通り、ロータ16がボールベ
アリング21に押付けられる。したがって、このような
構成では、ロータ16をパワーシリンダの作動時にボー
ルベアリング21に押付けることができるから、このロ
ータ16の軸線方向での振動を必要時に確実に抑制でき
る。
【0038】図7(a),(b)は前述した動力舵取装
置用のロータリバルブ15において、スタブシャフト
(入力軸)11の外周またはロータ16の内周に設けら
れる戻り側流路となる通路35を形成する溝54の形状
の変形例を示す図である。なお、同図(a)では、溝幅
が戻り側流路30の下流に行く程またはその途中から狭
い絞り部55となっている場合を示している。同図
(b)は溝幅が戻り側流路30の下流側の端部または端
部近傍で急に狭い絞り部55となっている場合を示して
いる。すなわち、ロータ16を軸線方向に移動させるた
めの絞りを、上述したような通路35を形成する溝54
の形状を変更することによって形成してもよい。
【0039】図8は図7のさらに変形例を示す図であ
る。この実施の形態では、ロータ16の内周とスタブシ
ャフト11の外周との間に形成される戻り側流路30と
なる通路35の溝深さを、戻り側流路30の下流側に行
く程または途中から徐々にもしくはロータ16の軸端部
近傍で狭くなって絞り部を形成するように構成してい
る。
【0040】図9は本発明に係る動力舵取装置の別の実
施の形態を示す図である。この実施の形態では、動力舵
取装置がラックピニオン型のものであって、またロータ
リバルブ15において、入、出力軸のいずれか一方に連
結ピン61を介して連結した部材がスリーブ17である
場合である。なお、前述した各実施の形態で説明した部
分と同一または相当する部分には同一番号を付して詳細
な説明は省略する。
【0041】この実施の形態では、スタブシャフト11
を軸支するボールベアリング21において、被固定部側
に圧入固定されるレースが内輪21bであって、圧入固
定されていない外輪21aに、スリーブ17の軸端部6
0を当接させて押付けている例である。また、バルブ1
5からのタンクTへの戻り側流路30は、戻り側バルブ
溝31から溝部32を介して出力軸側に導いた戻り油
を、ロータ16(スタブシャフト11)に形成した孔部
62を介してスタブシャフト11内部空間64に導き、
この内部空間64内を舵取ハンドル側に向って軸線方向
に導いた後、ロータ16(スタブシャフト11)に径方
向に形成した孔部、さらにスリーブ17の軸端部60と
ボールベアリング21との間の室36を形成する溝部6
6を介してバルブボディ2に形成した戻り側の通路39
からタンクTに還流させるように構成している。
【0042】このような戻り側流路30において、前記
溝部32に連通する溝部63を前記スリーブ17の出力
軸側の室34との間に形成している。また、この実施の
形態では、前記孔部62の通路径を小径に絞ることによ
り戻り側流路30の途中に絞りを設けている。この孔部
62による絞りによって得られる戻り側流路30での差
圧が、前記スリーブ17の両端側で溝部63を介して連
通している室34と前記孔部65を介して連通している
室36とに導かれることにより、このスリーブ17を軸
線方向に付勢し、その軸端部60をボールベアリング2
1の外輪21aに押付けることができる。なお、この絞
りとしては、前記孔部62に限らず、孔部65の通路
径、あるいは両方の孔部62,65の通路径を小径に形
成することにより形成してもよい。このような構成によ
っても前述したと同様の作用効果を得ることができる。
【0043】なお、上述した実施の形態では、ボールス
クリュ式動力舵取装置、ラックピニオン式動力舵取装置
の一例を説明したが、本発明はこれに限定されず、従来
から広く知られている構造の動力舵取装置に適用するこ
とができる。要するに、入、出力軸11,13に一体的
に設けられるロータリバルブ15を構成するロータ16
およびスリーブ17(バルブ構成部材)の少なくともい
ずれか一方を、対応する軸11または13に対して別体
構造で構成した動力舵取装置用のロータリバルブにおい
て、そのバルブ構成部材(ロータ16またはスリーブ1
7)の両室に戻り側流路30での絞りの上、下流側の圧
力を導くことにより、入力軸11を軸支する軸受(たと
えばボールベアリング21)において、圧入固定されて
いない嵌合側のレースに付勢して押付ける構成であれば
よい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る動力舵
取装置によれば、入、出力軸の少なくともいずれか一方
に別体に構成され一体的に連結されるロータリバルブを
構成するバルブ構成部材であるロータまたはスリーブ
を、バルブからタンクへの戻り油の流路途中に設けた絞
りによって得られる差圧で付勢し、バルブ構成部材の入
力側の端部に近接する部分で入力軸を軸支するたとえば
ボールベアリングのような軸受において圧入固定されて
いない嵌合側のレース側に付勢して当接させることによ
り、以下に述べたような優れた効果を奏する。
【0045】本発明によれば、ロータリバルブを構成す
るバルブ構成部材のうち軸と別体に構成しているロータ
またはスリーブを、このロータリバルブからの戻り側流
路の途中に設けた絞りによって得られる差圧を導くこと
により、軸線方向に付勢することができる。
【0046】そして、このような差圧によって得られる
付勢力でロータまたはスリーブを軸線方向に動かし、入
力軸側の他端部を前記軸受の被固定部に圧入固定されて
いない嵌合側のレース(内輪)に押付けることにより、
この軸受のレースの径方向や軸線方向の振動を抑制する
ことができる。したがって、従来問題となっていた圧入
固定されていない嵌合側のレースの振動による衝突音
(コトコト音)を低減または解消することができる。
【0047】また、本発明によれば、上述したようにロ
ータリバルブを構成するバルブ構成部材において入、出
力軸に別体に構成されているロータまたはスリーブを、
入力軸を軸支する軸受の圧入固定されていない嵌合側の
レースに押付けることにより、このバルブ構成部材の周
方向や軸線方向の振動を抑制することができる。したが
って、従来問題となっていたバルブ構成部材が周方向に
振動することにより生じていた油圧脈動、これによって
生じる油圧脈動音を抑制することができる。また、この
バルブ構成部材の軸線方向の動きを抑制できるから、油
圧特性を安定させることができる。
【0048】さらに、本発明によれば、バルブ構成部材
であるロータの外周面またはスリーブの内周面に、作動
油の戻り側溝部や通路等をたとえば冷間鍛造によって簡
単に形成でき、またバルブ構成部材を軸受側に押付ける
差圧力を得る絞りも比較的簡単な加工によって形成でき
るから、本発明の作用効果を得るために特別な加工は必
要ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明に係る動力舵取装置の第1の
実施の形態を示し、インテグラルタイプのボールスクリ
ュ式動力舵取装置におけるバルブハウジング部分を示す
断面図、(b)は(a)におけるロータの軸端部を示す
端面図である。
【図2】 本発明を特徴づけるロータリバルブの要部構
造を拡大した要部拡大断面図である。
【図3】 ロータリバルブを構成するロータおよびスリ
ーブの関係を示す断面図である。
【図4】 本発明に係る動力舵取装置の一つの実施の形
態を示し、インテグラルタイプのボールスクリュ式動力
舵取装置の全体構成を説明するための断面図である。
【図5】 本発明に係る動力舵取装置の第2の実施の形
態を示すバルブハウジング部分の断面図である。
【図6】 本発明に係る動力舵取装置の第3の実施の形
態を示すバルブハウジング部分の断面図である。
【図7】 (a),(b)は本発明に係る動力舵取装置
の第4の実施の形態およびその変形例を示す戻り側流路
の概略図である。
【図8】 本発明に係る動力舵取装置の第5の実施の形
態を示す戻り側流路の概略図である。
【図9】 本発明に係る動力舵取装置の第6の実施の形
態を示すロータリバルブの要部構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…ステアリングボディ、2…バルブハウジング、3…
ピストン、4,5…左、右シリンダ室(圧力室CL,C
R)、6…ラック歯、7…セクタ歯、8…セクタギヤ、
11…スタブシャフト(入力軸)、12…ボールねじ機
構、13…ウォームシャフト(出力軸)、14…トーシ
ョンバー、15…回転型流路切換弁(ロータリバル
ブ)、16…ロータ、17…スリーブ、18…連結ピ
ン、19…ボールベアリング、19a…空隙、20…プ
ラグ部材、21…ボールベアリング(軸受)、21a…
外輪(レース)、21b…内輪(レース)、22…ニー
ドルベアリング(軸受)、23…オイルシール、30…
戻り油の流路(戻り側流路)、30a…タンクポート、
31…戻り側バルブ溝、32…溝部、33…溝部、34
…第1の室、35…通路、36…第2の室、37…側部
空間、38…環状溝、39…通路、40…スリット溝
(絞り)、50…隙間通路(絞り)、50a…大径部、
51…小径孔(絞り)、52…大径部、53…隙間通
路、54…溝、55…絞り部、60…軸端部、61…連
結ピン、62…孔部、63…溝部、64…内部空間、6
5…孔部、66…溝部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブハウジングに軸支され舵取り操作
    により回転する入力軸と、前記バルブハウジング内で入
    力軸とトーションバーを介して相対的に回動可能に連結
    されている出力軸と、これら両軸の軸端部間に設けたロ
    ータおよびスリーブからなるバルブ構成部材を有する回
    転型流路切換弁を備え、 前記バルブ構成部材であるロータまたはスリーブの少な
    くとも一方を、対応する軸に対して軸線方向に移動可能
    な状態で一体的に設けてなる動力舵取装置において、 前記一方のバルブ構成部材の前記入力軸側の端部に近接
    する部分であって、前記入力軸を前記バルブハウジング
    に回転自在に軸支する圧入されたレースと嵌合されたレ
    ースを有する軸受を備え、 前記一方のバルブ構成部材を前記軸受の被固定側に嵌合
    したレース側に付勢する差圧を与える絞りを、前記回転
    型流路切換弁の戻り側流路の途中に設けたことを特徴と
    する動力舵取装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の動力舵取装置におい
    て、 前記戻り側流路を、ロータリバルブにおけるロータまた
    はスリーブの戻り側バルブ溝からの戻り側作動油を軸線
    方向に導く溝部と、この溝部に連通するロータの一端部
    およびロータの内側通路と、この内側通路に連通するロ
    ータの他端部に形成された通路によって構成し、 この戻り側流路の途中に前記差圧を生じさせる絞りを設
    けたことを特徴とする動力舵取装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の動力舵
    取装置において、 前記バルブ構成部材の舵取ハンドル側の端部に近接する
    部分で前記入力軸を軸支する軸受を、ボールベアリング
    で構成したことを特徴とする動力舵取装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010125869A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Hitachi Automotive Systems Ltd 油圧式パワーステアリング用コントロールバルブ

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