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JPH11332211A - シリンダ形リニア同期モータ - Google Patents

シリンダ形リニア同期モータ

Info

Publication number
JPH11332211A
JPH11332211A JP13005198A JP13005198A JPH11332211A JP H11332211 A JPH11332211 A JP H11332211A JP 13005198 A JP13005198 A JP 13005198A JP 13005198 A JP13005198 A JP 13005198A JP H11332211 A JPH11332211 A JP H11332211A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic pole
linear
stator
axial direction
mover
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13005198A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Suzuki
信二 鈴木
Satoshi Sugita
聡 杉田
Shigeto Murata
茂人 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Denki Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Denki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd, Sanyo Denki Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP13005198A priority Critical patent/JPH11332211A/ja
Publication of JPH11332211A publication Critical patent/JPH11332211A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Linear Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定子コアの磁極部に励磁巻線を巻回するこ
となく磁極部を励磁できて、シリンダ形リニアステッピ
ングモータよりも推力の大きいシリンダ形リニア同期モ
ータを得る。 【解決手段】 直動軸27に固定した磁石取付体29の
磁石取付部30に円環状永久磁石31a〜31hを軸線
方向に交互にN極とS極が並ぶように嵌合して可動子3
2を構成する。複数の固定子コア35をフレーム5の内
壁部に可動子32の周方向に等しい間隔をあけて固定す
る。励磁巻線39a〜39eとして、それぞれ可動子3
2の周囲を周方向に囲むように巻線導体を環状に巻回し
て形成した環状巻線を用いる。励磁巻線39a〜39e
の一部を複数の固定子コア35の軸線方向に隣接する2
つの磁極部35c間にそれぞれ形成されたスロットにそ
れぞれ嵌合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可動子が固定子の
内部に配置されて直線運動をするシリンダ形リニア同期
モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、シリンダ形リニアモータとして実
際に販売されているものとしては、シリンダ形のリニア
ステッピングモータ(またはリニアパルスモータ)があ
る。この市販されているシリンダ形のリニアステッピン
グモータは、内周面に直動軸の軸線方向に沿って複数の
小歯が形成され且つ励磁巻線が巻装された複数の固定子
コアからなる固定子と、直動軸に固定され内部に永久磁
石を備えて外周面に直動軸の軸線方向に沿って複数の小
歯が形成された可動部を備えた可動子とを備えている。
そしてこのリニアステッピングモータでは、複数の固定
子コアの励磁巻線を順次励磁することにより固定子の小
歯と可動子の小歯との間に推力を発生させて直動軸を直
線運動させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】リニアステッピングモ
ータは、位置制御性能は高いものの、大きな推力を得る
ことができない。そのため大きな負荷トルクを必要とす
る用途には不向きである。
【0004】本発明の目的は、大きな推力を得ることが
できて、しかも構造が簡単なシリンダ形リニア同期モー
タを提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、励磁巻線を固定子コ
アに巻回する必要のないシリンダ形リニア同期モータを
提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、直動軸を支持するリ
ニア軸受の寿命を長くすることができるシリンダ形リニ
ア同期モータを提供することにある。
【0007】本発明の更に他の目的は直動軸を支持する
リニア軸受の寿命を長くすることができて、しかもより
大きな推力を得ることができるシリンダ形リニア同期モ
ータを提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、可動子と固定子との
間に位置関係を検出する位置検出センサを内蔵したシリ
ンダ形リニア同期モータを提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、可動子と固定子との
間に位置関係の検出精度が高いシリンダ形リニア同期モ
ータを提供することにある。
【0010】本発明の別の目的は、防水性能の高いシリ
ンダ形リニア同期モータを提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、組み立てが容易でし
かも機械的強度の高いシリンダ形リニア同期モータを提
供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、可動子の構造及び組
み立てが簡単なシリンダ形リニア同期モータを提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のシリンダ形リニ
ア同期モータでは、シリンダ形のフレームを有するケー
スの両端に一対のリニア軸受が取付けられている。具体
的なものでは、内部に空洞を有するシリンダ形のフレー
ムの両端に固定された一対のエンドブラケットに一対の
リニア軸受がそれぞれ取付けられている。リニア軸受と
しては、一般的にはボールスプラインが用いられる。
【0014】可動子は、一対のリニア軸受に直線往復運
動可能に支持された直動軸と、直動軸に固定されてフレ
ームの空洞内に配置され且つ直動軸の軸線方向に延びる
磁石取付部を備えた透磁性材料からなる磁石取付体と、
この磁石取付体の磁石取付部に支持され且つ磁極面に交
互にN極とS極とが現れるように軸線方向に並べれられ
た複数の永久磁石からなる1以上の永久磁石列とを備え
て構成される。1つの永久磁石列を構成する複数の永久
磁石は、物理的に分離した複数の永久磁石であってもよ
いし、物理的に1つの磁性体が長手方向に交互にN極と
S極とに着磁されて構成された複数の永久磁石でもよ
い。
【0015】永久磁石列が複数列ある場合には、複数列
の永久磁石列は周方向にほぼ等しい間隔をあけて配置す
るのが好ましい。但し、径方向の外面にN極またはS極
が現れるように着磁された円環状永久磁石を用いて、永
久磁石列の集合体を構成してもよい。具体的には、可動
子の磁石取付体の外周部に軸線方向に所定の間隔をあけ
てN極とS極が交互に並ぶように円環状永久磁石を嵌合
させて固定する。このような複数の円環状永久磁石を用
いた場合には、複数の円環状永久磁石の固定子コアの複
数の磁極部と対向する部分が、それぞれ永久磁石列を構
成する複数の永久磁石となる。このような円環状永久磁
石を用いると、可動子の構造が簡単になるだけでなく、
永久磁石の磁石取付体への取付が容易になる。
【0016】固定子は、ケースのフレームの内周側に固
定された基部及び直動軸の径方向において磁極面が1以
上の永久磁石列と対向し且つ軸線方向に所定の間隔をあ
けて配置された複数の磁極部を有する1以上の固定子コ
アと、1以上の固定子コアの複数の磁極部の磁極面に所
定の極性の磁極が現れるように各磁極部を励磁する複数
の励磁巻線とから構成される。磁気的なバランスから見
ると固定子コアは複数あることが好ましく、複数の固定
子コアは可動子の複数の永久磁石列とそれぞれ対向する
ように周方向にほぼ等しい間隔をあけて配置するのが好
ましい。
【0017】シリンダ形リニア同期モータでは、固定子
の複数の励磁巻線に流れる励磁電流の通電方向を変えて
複数の磁極部の磁極面に現れる磁極の極性を変えること
により移動磁界を発生して、1以上の永久磁石列と複数
の磁極部との間に直動軸を軸線方向に変位さる推力を発
生する。励磁電流が交流電流であれば、その周波数に応
じて磁極部の磁極面に現れる磁極の極性が変化すること
になる。多相の交流電流を複数の励磁巻線に通電すれば
多相同期モータとなるため、大きな推力を得ることがで
きる。励磁電流の極性及び大きさを固定すれば固定子と
可動子との間には吸引力のみが働き、可動子の位置は固
定される。
【0018】固定子コアの磁極部を励磁する場合、回転
電機の発想に従えば、磁極部の外周に巻線導体を巻回す
ることになる。この回転電機の発想をリニア同期モータ
に持ち込むと、軸線方向の長さが長くなる上、巻線の巻
回作業が大変になる。そこで本発明では、固定子の複数
の励磁巻線として、それぞれ可動子の周囲を周方向に囲
むように巻線導体を環状に巻回してなる環状巻線を用い
る。そして1以上の固定子コアの軸線方向に隣接する2
つの磁極部間に形成されたスロットに対応する1つの励
磁巻線の一部を嵌合させる構造を採用する。このように
すると1つのスロットに嵌合された励磁巻線が発生する
磁束が隣接する2つの磁極部を循環するように流れて、
隣接する2つの磁極部の磁極面には極性の異なる磁極が
現れる。1以上の固定子コアの複数のスロットに嵌合し
た複数の励磁巻線に流す励磁電流を適当に切り替えるこ
とにより、固定子側に軸線方向の一方の方向から他方の
方向に向かって(または他方の方向から一方の方向に向
かって)N極とS極の磁界が所定の速度で移動している
のと同じ状態の移動磁界が得られる。この移動磁界は、
多相同期電動機で用いる回転磁界に相当するものであ
る。この移動磁界により、固定子コアの複数の磁極部と
可動子の永久磁石列との間に推力が発生して直動軸が軸
線方向に移動する。固定子コアの複数の磁極部の磁極面
に現れる磁極を一定にすれば、可動子と固定子との間に
は吸引力のみが発生して可動子は固定される。
【0019】複数の励磁巻線に位相の異なるp相(但し
pは2以上の正の整数)の励磁電流を流して移動磁界を
得る場合に、m個(但しmは2以上の正の整数)の固定
子コアを用いるときには、m個の固定子コアを周方向に
ほぼ等しい間隔をあけて配置する。また複数の励磁巻線
として、p×q個(但しqは1以上の正の整数)の環状
巻線を用意する。1つの固定子コアにn個の磁極部を設
けるとすると、この場合nはn=p×q+1の関係にな
る。そしてm個の固定子コアの軸線方向に隣接する2つ
の磁極部間にそれぞれ形成されるn−1個のスロット
に、それぞれ対応する1つの環状巻線の一部を嵌合させ
る。このようにするとm個の固定子コアのn個の磁極部
から、完全に同期した移動磁界を発生せることができ
る。スロットに環状巻線を嵌合させるだけでよいため、
スロットの軸線方向の寸法(隣接する2つの磁極部間の
間隔)が狭くなっても、固定子を簡単に構成することが
できる。
【0020】励磁巻線として用いる環状巻線を構成する
場合には、巻線作業の作業性と巻回密度の向上及び励磁
巻線の保護の観点から、励磁巻線を絶縁材料からなるボ
ビンに巻回して構成するのが好ましい。この場合には、
ボビンの一部をスロットに嵌合する。各励磁巻線を巻装
するボビンは各励磁巻線ごとに独立していてもよいが、
各ボビンが一体に連結されていてもよい。
【0021】固定子コアの複数の磁極部の磁極面を実質
的に平坦に構成し、磁石取付体の磁石取付部に取付けら
れた永久磁石列を構成する複数の永久磁石の磁極面を複
数の磁極部の磁極面との間の間隙寸法が実質的に一定に
なるようにほぼ平坦にすると、固定子の磁極面と可動子
の磁極面との間の間隙寸法に実質的に変化がないため、
磁気的にみて最も大きな推力が得られ、直動軸に偏った
力が加わるのを阻止することができる。そのためリニア
軸受に大きな力が加わることがなく、リニア軸受の寿命
を延ばすことができる。なおこのような構成にすると、
永久磁石が固定された状態の可動子の磁石取付体の輪郭
の横断面形状はいわゆる角形となる。
【0022】回転電機の可動子のように、永久磁石が固
定された状態の可動子の磁石取付体の輪郭の横断面形状
が実質的に円形になるように、永久磁石の磁極面を円弧
状に形成すると、回転電機の製造設備を用いて可動子及
び固定子を構成する各部品を製造できるため、製造コス
トを下げることができる。その場合、固定子コアの複数
の磁極部の磁極面と永久磁石の磁極面との間の間隙寸法
のバラツキが余り大きくならないように固定子コアの複
数の磁極部の磁極面を湾曲させるのが好ましい。回転電
機の固定子コアと同様に、固定子コアは複数枚の鋼板を
積層して構成する。その場合には、複数の磁極部を構成
する歯部を備えた櫛歯状の複数枚の鋼板を用いる。そし
て櫛歯状の複数枚の鋼板を固定子コアの磁極面が円弧状
になるように(湾曲するように)積層する。この場合
に、可動子の構造を簡単にするためには、前述の円環状
永久磁石を用いればよい。
【0023】リニアステッピングモータと異なって、リ
ニア同期モータは、励磁巻線に流れる励磁電流を切り替
えるために、可動子と固定子との軸線方向における位置
関係を検出する位置検出センサを必要とする。ケースの
外部に突出する直動軸の変位を検出するように位置検出
センサを設けることも考えられるが、このようにすると
既存のモータと同様の感覚で取扱うことができず不便で
ある。またこのようにすると温度変化による各部材の熱
膨脹による検出誤差が大きくなって位置制御精度が悪く
なる問題も生じる。そこで可動子と固定子との軸線方向
における位置関係を検出する位置検出センサをフレーム
の内部に配置すれば、上記の問題はほぼ解消できる。位
置検出センサは、可動子に取付けられた光学的にまたは
磁気的に検出可能な被検出体と、フレームの内周部に固
定されて被検出部の位置または移動量を光学的にまたは
磁気的に検出する検出部とから構成できる。この場合
に、可動子の磁石取付体とフレームは熱膨脹係数が異な
る材料によって形成されているときには、被検出部を永
久磁石列よりも直動軸の負荷が接続される出力軸部に近
い位置に配置するのが好ましい。このようにすると検出
部も当然にして負荷が接続される出力軸部に近い位置に
配置されることになる。このようにすれば負荷が接続さ
せる出力軸部に近い位置に位置検出センサが配置される
ため、センサが検出する誤差が小さくなる。もし直動軸
の出力軸部と反対側の非出力軸部側に位置検出センサを
配置すると、出力軸部側から非出力軸部側に位置する各
部の膨脹が累積して被検出部及び検出部の取付位置の変
化として現れる。これに対して位置検出センサの被検出
部及び検出部を直動軸の出力軸部側に近い位置に配置す
ると、被検出部及び検出部の取付位置を変化させる熱膨
脹の累積値がわずかであるため、位置検出センサの検出
精度が高くなり、その分リニア同期モータの位置決め精
度が高くなる。なお磁石取付体の出力軸部側の外周に位
置検出センサの被検出部を取付ける部分を形成しておけ
ばよい。
【0024】また一対のエンドブラケットの直動軸の負
荷が接続されない非出力軸部側の端部を支持するリニア
軸受が取付けられる側のエンドブラケットに、該エンド
ブラケットから突出する直動軸の非出力軸部側の端部を
覆うカバー部材を取付けてもよい。このようにすると直
動軸の非出力軸部とリニア軸受部を保護できる。とくに
カバー部材として防水性を有する構造のものを用いれ
ば、直動軸の非出力軸部側からモータの内部に水分が入
り込むのを阻止できる。このような機能は、特に直動軸
の非出力軸部側が上側に位置するようにして直動軸を上
下方向に変位させる姿勢で本発明のリニア同期モータを
用いる場合に効果を発揮する。
【0025】また固定子コアのフレームに対する取付け
に関して次のようにするのが好ましい。フレームの内周
部に複数の固定子コアの基部がフレームの一方の開口端
部側から挿入可能な複数の嵌合溝を形成しておく。これ
ら複数の嵌合溝にはフレームの他方の開口端部側に固定
子コアの軸線方向の一方の端面と接触して固定子コアの
位置決めを図るストッパ面を設ける。そして固定子コア
の基部が嵌合溝に嵌合されて固定子コアの一方の端面が
ストッパ面と接触した状態で、固定子コアの軸線方向の
他方の端面と接触するストッパ部材をフレームに対して
固定する。更に固定子コア、複数の励磁巻線及びストッ
パ部材を絶縁モールド材料によりモールドする。ストッ
パ面とストッパ部材は、固定子コアに働く軸線方向への
反力を受けて、固定子コアが軸線方向に変位するのを阻
止する機能を果たす。この機能があるために、モールド
部に力が加わってモールド部にクラック等が入るのを防
止できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態の一例を
詳細に説明する。図1は、本発明をシリンダ形リニア三
相同期モータ1に適用した実施の形態の一例の一部破断
断面図であり、図2は図1の半部横断面図である。この
シリンダ形リニア三相同期モータ1のケース3は、非磁
性材料(例えばアルミニューム)製のシリンダ形のフレ
ーム5とアルミニューム製の一対のエンドブラケット7
及び9とから構成されている。フレーム5は、内部に円
筒状の空洞5aを有しており、またその両端開口部の内
側にエンドブラケット7及び9が嵌合される環状の段部
5b,5bを有している。エンドブラケット7及び9の
中央部の開口部7a及び9aには、ボールスプラインか
らなるリニア軸受11及び13が嵌合されている。リニ
ア軸受11及び13は、エンドブラケット7及び9に対
して4本の捩子15で固定されている。一対のエンドブ
ラケット7及び9のフレーム5の段部5b,5bに嵌合
される環状突出部7b及び9bの外周部には、径方向外
側に向かって開口する環状の溝7c及び9cが形成され
ており、この溝7c及び9c内にはシール用のオーリン
グ17及び19が嵌合されている。図2に示されるよう
にエンドブラケット7及び9には、輪郭形状がほぼ四角
形をなすフランジ部7d及び9dが一体に設けられてお
り、このフランジ部の四隅には、取付用のボルトを挿入
する孔21及び23がそれぞれ形成されている。なおエ
ンドブラケット7及び9は、フレーム5に対して捩子2
5により固定されている。
【0027】一対のリニア軸受11及び13には、直線
往復運動可能に鉄製の直動軸27が支持されている。図
1に示した状態は、直動軸27の負荷が接続される出力
軸部27aが最も外側に突出した状態である。ケース3
の内部に位置する直動軸27の部分には、磁性材料であ
る鉄製の磁石取付体29が直動軸27と同心になるよう
に固定されている。磁石取付体29は、基本的には円筒
形形状を成しており、その内部には直動軸27の外周に
嵌合される嵌合孔29aと、この嵌合孔29aの両側に
位置して嵌合孔29aよりも径寸法の大きい第1及び第
2の大径孔29b及び29cが形成されている。第1の
大径孔29bは、リニア軸受11の内側端部の外周面と
接触しない径寸法を有しており、また第2の大径孔29
cもリニア軸受13の外周面と接触しない径寸法を有し
ている。磁石取付体29の第1の大径孔29bが形成さ
れている部分(直動軸27の出力軸部27a側の端部)
の外周には、後に説明する位置検出センサの被検出部5
1として用いられるリニアスケールが取付けられる段部
29dが形成されている。また第2の大径孔29cが形
成される部分の外周部が磁石取付部30を構成してい
る。磁石取付部30は、直動軸27の軸線方向に延びる
ほぼ円筒形状を有してり、その外周には8個の円環状永
久磁石31a〜31hが嵌合されている。隣接する2つ
の円環状永久磁石の間及び円環状永久磁石31hの軸線
方向外側には非磁性材料からなり一部が切断されたほぼ
環状またはC字状のストッパ部材33…が嵌合されてい
る。磁石取付部30の外周部には、ストッパ部材33…
が嵌合される嵌合溝が形成されている。なお円環状永久
磁石31a〜31hは接着剤を介して磁石取付部30に
固定してもよいし、円環状永久磁石31a〜31hの全
体を合成樹脂によりモールドしてもよい。更に円環状永
久磁石31a〜31hが嵌合された磁石取付部30の外
側に熱収縮チューブを被せた後、熱収縮チューブを加熱
して熱収縮させて、円環状永久磁石31a〜31hを全
体的に包み込むようにしてもよい。円環状永久磁石31
a,31c,31e及び31gは、径方向の外面にN極
が現れるように着磁されており、円環状永久磁石31
b,31d,31f及び31hは、径方向の外面にN極
が現れるように着磁されている。その結果、直動軸27
の軸線方向にN極とS極とが交互に並ぶ永久磁石の列が
形成されることになる。なお後述する6個の固定子コア
の7個の磁極部と対向する各円環状永久磁石の部分が、
それぞれ本発明における周方向に所定の間隔を明けて配
置された複数の永久磁石列を構成する複数の永久磁石を
構成する。この例では、直動軸27と、磁石取付体29
と円環状永久磁石31a〜31hによって可動子32が
構成されている。
【0028】なお磁石取付体29の直動軸27への固定
の態様は任意であるが、この例では直動軸27の2か所
に周方向に4つずつ設けた嵌合孔にピン34を嵌合して
磁石取付体29を直動軸27に対して固定している。
【0029】フレーム5の内周部には、6個の固定子コ
ア35…が固定されている。6個の固定子コア35…
は、それぞれフレーム5の内周側に固定された基部35
a及び直動軸27の径方向において磁極面35b…が円
環状永久磁石31a〜31hによって形成される永久磁
石列と対向し且つ直動軸27の軸線方向に所定の間隔を
あけて配置された7つの磁極部35c…を有している。
固定子コア35は、複数枚の鋼板を積層して構成されて
いる。鋼板としては、磁極部35c…を構成する歯部を
備えた櫛歯状の複数枚の鋼板を用いる。そして櫛歯状の
複数枚の鋼板を固定子コアの磁極面35bが円弧状にな
るように(湾曲するように)積層する。なお積層した各
鋼板はレーザ溶接等により相互に結合されている。6個
の固定子コア35…は、磁極面35bが可動子の永久磁
石列とそれぞれ対向するように周方向にほぼ等しい間隔
(この例では60度間隔)をあけて配置されている。
【0030】フレーム5の内周部に固定子コア35の基
部35aを固定するための構造は任意である。この例で
はフレーム5の内周部に一方の開口端部(エンドブラケ
ット9側の開口端部)側から挿入可能な6つの嵌合溝5
c…を周方向に等しい間隔を明けて形成している。そし
てこれら嵌合溝5cには、フレーム5の他方の開口端部
(エンドブラケット7側の開口端部)側に固定子コア3
5の軸線方向の一方の端面と接触して固定子コア35の
位置決めを図るストッパ面5dを設けてある。そして固
定子コア35の基部35aは、嵌合溝5cに圧入嵌合さ
れている。固定子コア35の軸線方向の一方の端面がス
トッパ面5dと接触した状態で、固定子コア35の軸線
方向の他方の端面と接触するように、環状のストッパ部
材37がフレーム5の内周部に対して固定されている。
ストッパ部材は溶接または捩子止め等によりフレーム5
に対してしっかりと固定されている。
【0031】各固定子コア35の隣接する2つの磁極部
35c間に形成される6個のスロットには、巻線導体を
環状に巻回してなる環状巻線からなる励磁巻線39a〜
39fの一部がそれぞれ嵌合されている。なお図1の例
では、各励磁巻線39a〜39fは、図4(A)及び
(B)に示すような合成樹脂製のボビン41に巻線導体
が巻回されて構成されており、ボビン41の一部と一緒
に励磁巻線が各スロットに嵌合されている。理解を容易
にするために、図2及び図3においては、ボビン41を
省略してある。ボビンは、円筒部41aの両端に環状の
2枚の鍔部41bが結合された構造になっており、2枚
の鍔部41b,41bの間に絶縁材料により被覆された
巻線導体39が巻回されて各励磁巻線が構成されてい
る。図4(B)において40は励磁巻線の引出し線であ
る。図2及び図3に示した概略斜視図を見ると分かるよ
うに、隣接する2つの固定子コア35の間には、軸線方
向に延びる6本の空間43が形成される。各励磁巻線3
9a〜39fからの引出し線40は、この空間43を利
用して引き回されて給電線または所定の励磁巻線の引出
し線と接続される。なお本質的にはボビン41を用いる
必要はないが、ボビン41を用いると作業性及び絶縁性
は大幅に向上する。
【0032】この例では固定子コア35…、励磁巻線3
9a〜39f及びストッパ部材37を絶縁モールド材料
によりモールドしてモールド部45を形成する。なお図
1においては、モールド部45を破線で示してある。ス
トッパ面5dとストッパ部材37は、固定子コア35…
に働く軸線方向への反力を受けて、固定子コア35…が
軸線方向に変位するのを阻止する機能を果たす。この機
能があるために、モールド部45に力が加わってモール
ド部45にクラック等が入るのを防止できる。なおこの
例では、固定子コア35…と励磁巻線39a〜39fと
により固定子47が構成されている。
【0033】リニアステッピングモータと異なって、リ
ニア同期モータは、励磁巻線39a〜39fに流れる励
磁電流を切り替えるために、可動子32と固定子47と
の軸線方向における位置関係を検出する位置検出センサ
を必要とする。ケースの外部に突出する直動軸27の変
位を検出するように位置検出センサを設けることも考え
られるが、このようにすると既存のモータと同様の感覚
で取扱うことができず不便である。またこのようにする
と温度変化による各部材の熱膨脹による検出誤差が大き
くなって位置制御精度が悪くなる問題も生じる。そこで
この例では、図1に示すように可動子32と固定子47
との軸線方向における位置関係を検出する位置検出セン
サ49をフレーム5の内部に配置している。位置検出セ
ンサ49は、可動子32に取付けられた光学的にまたは
磁気的に検出可能な被検出部51と、フレーム5の内周
部に固定されて被検出部51の位置または移動量を光学
的にまたは磁気的に検出する検出部53とから構成でき
る。光学的に位置を検出する位置検出センサでは、被検
出部51として所定の反射パターンを備えたリニアスケ
ールを用いる。そして発光部と受光部とを備えた検出部
53から被検出部51に光を照射して反射してきた光に
含まれる情報に基づいて位置を検出する。この例では、
可動子32の磁石取付体29とフレーム5は熱膨脹係数
が異なる材料によって形成されている。そこで被検出部
51を直動軸27の負荷が接続される出力軸部27aに
近い位置に配置し、検出部53も出力軸部27aに近い
位置に配置してある。直動軸27の出力軸部27aを通
して負荷側から伝達される熱が直動軸27を通して、モ
ータ1のケース3の内部に伝わると、直動軸27、磁石
取付体29及びフレーム5がそれぞれ熱膨脹を起こす。
もし直動軸27の出力軸部27aと反対側の非出力軸部
27b側に位置検出センサを配置すると、出力軸部27
a側から非出力軸部側27bに位置する各部の膨脹が累
積して被検出部及び検出部の取付位置の変化として現れ
る。これに対してこの例のように位置検出センサ49の
被検出部51及び検出部53を直動軸27の出力軸部側
に近い位置に配置すると、被検出部51及び検出部53
の取付位置を変化させる熱膨脹の累積値がわずかである
ため、位置検出センサ49の検出精度が高くなり、その
分リニア同期モータの位置決め精度が高くなる。
【0034】図1の例では、直動軸27の負荷が接続さ
れない非出力軸部27b側の端部を支持するリニア軸受
13が取付けられる側のエンドブラケット9には、エン
ドブラケット9から突出する直動軸28の非出力軸部2
7b側の端部を覆う金属製または合成樹脂製のカバー部
材55が取付けられている。カバー部材55を設ける
と、直動軸27の非出力軸部27bとリニア軸受部13
を保護できる。特にこの例ではカバー部材55として防
水性を有する構造のものを用いている。具体的には、カ
バー部材55のフランジ部55aに、エンドブラケット
9の外面に向かう方向に開口する環状の嵌合溝が形成し
てあり、この嵌合溝にシール用のオーリング57が圧縮
状態で嵌合されている。なおカバー部材55は、フラン
ジ部55aに設けた図示しない複数の貫通孔に捩子を挿
入してエンドブラケット9に対して捩子止めされてい
る。このような構造にすると、直動軸27の非出力軸部
27b側からモータの内部に水分が入り込むのを阻止で
きる。このような機能は、特に直動軸27の非出力軸部
側27bが上側に位置するようにして直動軸27を上下
方向に変位させる姿勢でこのリニア三相同期モータ1を
用いる場合に効果を発揮する。
【0035】シリンダ形リニア同期モータでは、固定子
47の励磁巻線39a〜39fに流れる励磁電流の通電
方向を変えて各固定子コア35の磁極部35c…の磁極
面35b…に現れる磁極の極性を変えることにより移動
磁界を発生し、可動子32の永久磁石列と固定子47の
磁極部35c…との間に直動軸27を軸線方向に変位さ
せる推力を発生する。この例では励磁電流として正弦波
の三相交流を用いる。三相交流の周波数に応じて磁極部
35c…の磁極面35b…に現れる磁極の極性が変化す
る。多相の交流電流を励磁巻線に通電すれば多相同期モ
ータとなるため、大きな推力を得ることができるのであ
る。励磁電流を変化させなければ(極性及び大きさを固
定すれば)固定子47と可動子32との間には吸引力の
みが働き、可動子32の位置は固定されることになる。
【0036】この例の励磁巻線39a〜39fの励磁態
様について、図5を及び図6を用いて簡単に説明する。
まずこの例では、電気角で120度ずつ位相がずれた3
相の励磁電流U,V及びWを用いる。そこで6個の固定
子コア35…の隣接する2個のスロットに嵌合される2
個の励磁巻線39a及び39bにはU相の励磁電流を流
し、その次に隣接する2個のスロットに嵌合される2個
の励磁巻線39c及び39dにはV相の励磁電流を流
し、その次に隣接する2個のスロットに嵌合される2個
の環状巻線39e及び39fにはW相の励磁電流を流
す。そして6個の固定子コア35…のそれぞれの軸線方
向に隣接する2つの磁極部35c…に現れる極性が異極
性になるように6個の励磁巻線39a〜39fを結線す
る。この例では、図5に示した磁束の流れを生じさせる
ために、U相の励磁電流を流す励磁巻線39a及び39
bにはそれぞれ逆方向にU相の励磁電流が流れるように
引出し線を結線して、結線した引出し線にU相の給電線
を接続する。なお図5に示した記号は電流の流れる方向
を示している。V相の励磁電流を流す励磁巻線39c及
び39dも,それぞれ逆方向にV相の励磁電流が流れる
ように引出し線を結線して、結線した引出し線にV相の
給電線を接続する。同様にして、W相の励磁電流を流す
励磁巻線39e及び39fも,それぞれ逆方向にW相の
励磁電流が流れるように引出し線を結線して、結線した
引出し線にW相の給電線を接続する。
【0037】このように結線して、位置検出センサ49
の出力に基づいて、各励磁巻線に流れる励磁電流を切り
替えることにより、見掛け上軸線方向に移動する移動磁
界を発生させると、同期電動機の原理と同様の動作原理
で、可動子32が軸線方向に移動する。励磁電流の切り
替えを停止すれば、可動子32と固定子47との間には
吸引力のみが働き可動子32は停止する。
【0038】この例で用いた励磁態様を一般的に説明す
ると次のようになる。まず複数の励磁巻線に位相の異な
るp相(但しpは2以上の正の整数)の励磁電流を流し
て移動磁界を得る場合には、m個(但しmは2以上の正
の整数)の固定子コアを用いるときには、m個の固定子
コアを周方向にほぼ等しい間隔をあけて配置する。また
複数の励磁巻線として、p×q個(但しqは1以上の正
の整数)の環状巻線を用意する。1つの固定子コアにn
個の磁極部を設けるとすると、この場合nはn=p×q
+1の関係になる。そしてm個の固定子コアの軸線方向
に隣接する2つの磁極部間にそれぞれ形成されるn−1
個のスロットに、それぞれ対応する1つの環状巻線の一
部を嵌合させる。このようにするとm個の固定子コアの
n個の磁極部から、完全に同期した移動磁界を発生せる
ことができる。スロットに環状巻線を嵌合させるだけで
よいため、スロットの軸線方向の寸法(隣接する2つの
磁極部間の間隔)が狭くなっても、固定子を簡単に構成
することができる。そして多相の励磁電流を用いて推力
を高める場合には、m個の固定子コアの軸線方向に連続
して並ぶq個のスロットに嵌合されたq個の環状巻線に
同じ相の励磁電流を流す。そしてこのときでもm個の固
定子コアのそれぞれの軸線方向に隣接する2つの磁極部
に現れる極性が異極性になるようにp×q個の環状巻線
を結線する。このようにすると、多相化した場合でも配
線が複雑にならない。推力を増減する場合には、同じ相
の励磁電流が流れる環状巻線の数を増減すればよい。図
1の例で、更に推力を大きくするためには、1相に対し
て3個の励磁巻線を用意する。その場合、各固定子コア
の磁極部の数は10個となり、励磁巻線の数は9個とな
る。
【0039】上記例では、円環状永久磁石31a〜31
hを用いたが、各固定子コア35…に対応して設けられ
る永久磁石列を独立した複数の永久磁石により構成して
もよいのは勿論である。その場合には、実際的に複数の
永久磁石列は、可動子32の周方向に間隔をあけて設け
られることになる。
【0040】上記例では、6個の固定子コア35を周方
向にほぼ等しい間隔をあけて配置したが、理論的には固
定子コアは1つでもよい。しかしながら固定子コアを1
つにすると、可動子と固定子との間に働く吸引力により
直動軸に径方向の一方向に偏った力が働き、その力がリ
ニア軸受に作用してリニア軸受の寿命を短くする。その
ためこの例のように、複数の固定子コアを磁気バランス
良く配置するのが好ましい。また固定子コアの数を多く
すると、その分合成推力も大きくなるので、得ようとす
る推力に応じて固定子コアの数を決定してもよい。
【0041】上記例の可動子のように、永久磁石が固定
された状態の可動子の磁石取付体の輪郭の横断面形状が
実質的に円形になるように、永久磁石の磁極面を円弧状
に形成すると、回転電機の製造設備を用いて可動子及び
固定子を構成する各部品を製造できるため、製造コスト
を下げることができる。しかしながらこの構造では、固
定子コア35の磁極部35cの磁極面35bと永久磁石
の磁極面との間の間隙寸法にバラツキが生じる。そこで
図7に示すように、固定子コア135の複数の磁極部1
35cの磁極面135bを実質的に平坦に構成し、磁石
取付体129の磁石取付部130に取付けられた永久磁
石列を構成する複数の永久磁石131として平板状の磁
石を用いると、永久磁石131の磁極面131aが平坦
になって、複数の磁極部135c…の磁極面135bと
の間の間隙寸法が実質的に一定になる。このようにする
と固定子147の磁極面135bと可動子132の磁極
面131aとの間の間隙寸法に実質的に変化がないた
め、磁気的に見て最も大きな推力が得られ、しかも直動
軸を回転させるようなトルクが発生するのを阻止するこ
とができる。そのためリニア軸受に偏った力が加わるこ
とがなく、リニア軸受の寿命を延ばすことができる。な
おこのような構成にすると、永久磁石131が固定され
た状態の可動子132の磁石取付体129の輪郭の横断
面形状はいわゆる角形となり、角形シリンダ形リニア同
期モータとなる。
【0042】なお図7の角形シリンダ形リニア同期モー
タを構成する場合には、図8に示すように、永久磁石1
31を少しずつ傾けて即ちスキューさせて磁石取付体1
29の磁石取付部130に配置するのが好ましい。図8
の例では、磁石取付体129の磁石取付部130の平面
上に軸線方向に間隔をあけて円柱状のピン140…を固
定する。そしてこのピン140の間に隣接する永久磁石
とは異なる極性が磁極面に現れるように永久磁石131
を2本のピン140の間に配置する。このようにすると
隣接する磁石どうしは吸引力によって角部が引き合い、
図示のように交互に異なった方向に傾斜(スキュー)し
た状態になる。そしてこの状態で、磁石取付部130の
周囲に熱収縮チューブを被せ、熱収縮チューブを収縮さ
せれば、永久磁石131…をそれぞれ軸線方向に対して
傾けた状態で磁石取付部130に固定することができ
る。このような永久磁石131の取付構造を採用すれ
ば、コギングトルクを向上させることができる。なお永
久磁石をスキューさせる構造を上記図1の例に適用して
も良いのは勿論である。
【0043】なお上記の例で説明した励磁巻線の励磁態
様または方法は一例であって、本発明を実施する場合の
励磁巻線の励磁方法は移動磁界を発生できるものであれ
ば任意である。
【0044】
【発明の効果】本発明のシリンダ形リニア同期モータで
は、固定子の複数の励磁巻線に流れる励磁電流の通電方
向を変えて複数の磁極部の磁極面に現れる磁極の極性を
変えることにより移動磁界を発生して、1以上の永久磁
石列と複数の磁極部との間に直動軸を軸線方向に変位さ
る推力を発生するため、公知のシリンダ形リニアステッ
ピングモータよりも大きな推力を得ることができる。特
に本発明によれば、固定子の複数の励磁巻線として、そ
れぞれ可動子の周囲を周方向に囲むように巻線導体を環
状に巻回してなる環状巻線を用い、固定子コアの軸線方
向に隣接する2つの磁極部間に形成されたスロットに対
応する励磁巻線の一部を嵌合させる構造を採用するた
め、励磁巻線を固定子コアの磁極部に巻回する必要がな
くなる。そのため本発明によれば、大きな推力を発生す
ることができるシリンダ形リニア同期モータを簡単な構
造で構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をシリンダ形リニア三相同期モータに適
用した実施の形態の一例の一部破断断面図である。
【図2】図1の半部横断面図である。
【図3】図1の例の固定子の概略斜視図である。
【図4】(A)はボビンの斜視図、(B)はボビンに励
磁巻線を巻装した状態の断面図である。
【図5】図1のシリンダ形リニア三相同期モータの固定
子側の励磁巻線の配置状態を説明するために用いる図で
ある。
【図6】図1のシリンダ形リニア三相同期モータの固定
子と可動子の関係を示す図である。
【図7】本発明を角形シリンダ形リニア同期モータに適
用した場合の固定子と可動子の関係を示す図である。
【図8】図7の角形シリンダ形リニア同期モータにおけ
る永久磁石の取付け方の一例を説明するために用いる図
である。
【符号の説明】
1 シリンダ形リニア三相同期モータ 3 ケース 5 フレーム 7,9 エンドブラケット 11,13 リニア軸受 27 直動軸 27a 出力軸部 29,129 磁石取付体 31a〜31h 円環状永久磁石 131 永久磁石 32,132 可動子 35,135 固定子コア 35b,135b 磁極面 35c,135c 磁極部 39a〜39f 励磁巻線(環状巻線) 41 ボビン 47,147 固定子 55 カバー部材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ形のフレームを有するケースの
    両端に取付けられた一対のリニア軸受と、 前記一対のリニア軸受に直線往復運動可能に支持された
    直動軸、前記直動軸に固定されて前記フレーム内に配置
    され且つ前記直動軸の軸線方向に延びる磁石取付部を備
    えた透磁性材料からなる磁石取付体及び前記磁石取付体
    の前記磁石取付部に支持され且つ磁極面に交互にN極と
    S極とが現れるように軸線方向に並べれられた複数の永
    久磁石からなる1以上の永久磁石列を備えた可動子と、 前記フレームの内周側に固定された基部及び前記直動軸
    の径方向において磁極面が前記1以上の永久磁石列と対
    向し且つ前記軸線方向に所定の間隔をあけて配置された
    複数の磁極部を有する1以上の固定子コア並びに前記1
    以上の固定子コアの前記複数の磁極部を励磁する複数の
    励磁巻線を備えた固定子とを具備し、 前記複数の励磁巻線に流れる励磁電流の方向を変えて前
    記複数の磁極部の磁極面に現れる磁極の極性を変えるこ
    とにより移動磁界を発生させて、前記1以上の永久磁石
    列と前記複数の磁極部との間に前記直動軸を前記軸線方
    向に変位させる推力を発生するように構成されたシリン
    ダ形リニア同期モータであって、 前記固定子の前記複数の励磁巻線はそれぞれ前記可動子
    の周囲を周方向に囲むように巻線導体が環状に巻回され
    て構成されており、 前記1以上の固定子コアの前記軸線方向に隣接する2つ
    の前記磁極部間に形成されたスロットに対応する1つの
    前記励磁巻線の一部が嵌合されていることを特徴とする
    シリンダ形リニア同期モータ。
  2. 【請求項2】 内部に空洞を有するシリンダ形のフレー
    ムと、 前記フレームの両端に固定された一対のエンドブラケッ
    トと、 前記一対のエンドブラケットに取り付けられた一対のリ
    ニア軸受と、 前記一対のリニア軸受に直線往復運動可能に支持された
    直動軸、前記直動軸に固定されて前記フレームの前記空
    洞内に配置され且つ前記直動軸の軸線方向に延びる磁石
    取付部を備えた透磁性材料からなる磁石取付体及び前記
    磁石取付体の前記磁石取付部に支持され且つ磁極面に交
    互にN極とS極とが現れるように軸線方向に並べれられ
    た複数の永久磁石からなり周方向に間隔をあけて配置さ
    れたm列(但しmは2以上の正の整数)の永久磁石列を
    備えた可動子と、 前記フレームの内周側に固定された基部及び前記直動軸
    の径方向において磁極面が前記m列以上の永久磁石列と
    対向し且つ前記軸線方向に所定の間隔をあけて配置され
    たn個(但しnは3以上の正の整数)の磁極部を有する
    m個の固定子コア及び前記m個の固定子コアの前記n個
    の磁極部の磁極面に所定の極性の磁極が現れるように各
    磁極部を励磁する複数の励磁巻線を備えた固定子とを具
    備し、 前記複数の励磁巻線に位相の異なるp相(但しpは2以
    上の正の整数)の励磁電流を流して前記複数の磁極部の
    磁極面に現れる磁極の極性を変えることにより移動磁界
    を発生して、前記m列の永久磁石列と前記m個の固定子
    コアの前記n個の磁極部との間に前記直動軸を前記軸線
    方向に変位させる推力を発生するように構成されたシリ
    ンダ形リニア同期モータであって、 前記m個の固定子コアは前記可動子の周方向にほぼ等し
    い間隔をあけて配置されており、 前記複数の励磁巻線は、それぞれ前記可動子の周囲を周
    方向に囲むように巻線導体が環状に巻回されてなるp×
    q個(但しqは1以上の正の整数)の環状巻線からな
    り、 前記nはn=p×q+1の関係にあり、 前記m個の固定子コアの前記軸線方向に隣接する2つの
    前記磁極部間にそれぞれ形成されたn−1個のスロット
    にそれぞれ対応する1つの前記環状巻線の一部が嵌合さ
    れていることを特徴とするシリンダ形リニア同期モー
    タ。
  3. 【請求項3】 前記励磁巻線は絶縁材料からなるボビン
    に巻回されており、前記ボビンの一部が前記スロットに
    嵌合されている請求項1または2に記載のシリンダ形リ
    ニア同期モータ。
  4. 【請求項4】 前記固定子コアの前記複数の磁極部の前
    記磁極面は実質的に平坦に構成されており、 前記磁石取付体の前記磁石取付部に取付けられた前記永
    久磁石列を構成する前記複数の永久磁石の前記磁極面は
    前記複数の磁極部の前記磁極面との間の間隙寸法が実質
    的に一定になるようにほぼ平坦である請求項1に記載の
    シリンダ形リニア同期モータ。
  5. 【請求項5】 前記m個の固定子コアは偶数個ある請求
    項2に記載のシリンダ形リニア同期モータ。
  6. 【請求項6】 前記可動子と前記固定子との前記軸線方
    向における位置関係を検出する位置検出センサが、前記
    フレームの内部に配置されている請求項1または2に記
    載のシリンダ形リニア同期モータ。
  7. 【請求項7】 前記位置検出センサは、前記可動子に取
    付けられた光学的にまたは磁気的に検出可能な被検出体
    と、前記フレームに固定されて前記被検出部の位置また
    は移動量を光学的にまたは磁気的に検出する検出部とか
    ら構成され、 前記可動子の前記磁石取付体と前記フレームは熱膨脹係
    数が異なる材料によって形成されており、 前記被検出部は前記永久磁石列よりも前記直動軸の負荷
    が接続される出力軸部に近い位置に配置されている請求
    項6に記載のシリンダ形リニア同期モータ。
  8. 【請求項8】 前記一対のエンドブラケットの前記直動
    軸の負荷が接続されない非出力軸部側の端部を支持する
    前記リニア軸受が取付けられる側の前記エンドブラケッ
    トには、該エンドブラケットから突出する前記直動軸の
    前記非出力軸部側の端部を覆うカバー部材が取付けられ
    ている請求項1または2に記載のシリンダ形リニア同期
    モータ。
  9. 【請求項9】 前記フレームの内周部には前記複数の固
    定子コアの前記基部が前記フレームの一方の開口端部側
    から挿入可能な複数の嵌合溝が形成されており、 前記複数の嵌合溝は前記フレームの他方の開口端部側に
    前記固定子コアの前記軸線方向の一方の端面と接触して
    前記固定子コアの位置決めをするストッパ面を有してお
    り、 前記固定子コアの前記基部が前記嵌合溝に嵌合されて前
    記固定子コアの前記一方の端面が前記ストッパ面と接触
    した状態で、前記固定子コアの前記軸線方向の他方の端
    面と接触するストッパ部材が前記フレームに対して固定
    されており、 前記固定子コア、前記複数の励磁巻線及び前記ストッパ
    部材が絶縁モールド材料によりモールドされている請求
    項1に記載のシリンダ形リニア同期モータ。
  10. 【請求項10】 前記可動子の前記磁石取付体の外周部
    には径方向の外面にN極またはS極が現れるように着磁
    された複数の円環状永久磁石が、前記軸線方向にN極と
    S極とが交互に並ぶように前記軸線方向に所定の間隔を
    あけて嵌合されており、 前記1以上の固定子コアの磁極部と対向する円環状永久
    磁石の部分が、前記永久磁石列を構成する前記複数の永
    久磁石を構成している請求項1に記載のシリンダ形リニ
    ア同期モータ。
  11. 【請求項11】 前記固定子コアは櫛歯状の複数枚の鋼
    板が、前記固定子コアの前記磁極面が円弧状になるよう
    に積層されて構成されている請求項10に記載のシリン
    ダ形リニア同期モータ。
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