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JPH11136889A - 永久磁石形モータ及びその製造方法 - Google Patents

永久磁石形モータ及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11136889A
JPH11136889A JP9295428A JP29542897A JPH11136889A JP H11136889 A JPH11136889 A JP H11136889A JP 9295428 A JP9295428 A JP 9295428A JP 29542897 A JP29542897 A JP 29542897A JP H11136889 A JPH11136889 A JP H11136889A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
permanent magnet
rotor core
rotor
magnet
stator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9295428A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadahiro Nakayama
忠弘 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP9295428A priority Critical patent/JPH11136889A/ja
Publication of JPH11136889A publication Critical patent/JPH11136889A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定子巻線のインダクタンスの値を小さくす
ると共に、その変化を小さくする。 【解決手段】 本発明の永久磁石形モータは、固定子巻
線を有する固定子と、積層鋼板からなる回転子鉄心22
に永久磁石26を組み込んで構成された回転子21とを
備えてなるものにおいて、永久磁石26を、回転子鉄心
22の内部に軸方向に延びるように形成された収納部2
2aに収納された内部永久磁石24と、回転子鉄心22
の外周部を覆うように設けられた円筒状永久磁石25と
から構成したものである。そして、内部永久磁石24及
び円筒状永久磁石25は、ボンド磁石を回転子鉄心22
に一体成形することにより形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転子鉄心に永久
磁石を組み込んで構成された回転子を備えた永久磁石形
モータ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の永久磁石形モータの一例を、図
17に示す。永久磁石形モータ1は、図17に示すよう
に、固定子2と、この固定子2の内部に回転可能に設け
られた回転子3とから構成されている。固定子2は、積
層鋼板からなる環状の固定子鉄心4と、この固定子鉄心
4に設けられたスロット5に挿入された固定子巻線6と
から構成されている。固定子巻線6は、図18に示すよ
うに、3相(U相、V相、W相)の巻線6u、6v、6
wから構成されている。
【0003】また、回転子3は、積層鋼板からなる回転
子鉄心7と、この回転子鉄心7の内部に設けられた4個
の収納部8に収納固定された4個の断面ほぼ円弧状の永
久磁石9とから構成されている。上記各永久磁石9は、
凸部が軸心側を向くように配設されている。回転子鉄心
7の軸心部には、回転軸10が貫通固定されている。そ
して、この永久磁石形モータ1は、図18に示すモータ
通電装置11により通電駆動されるように構成されてい
る。
【0004】このモータ通電装置11は、直流電源12
を入力して可変電圧可変周波数電源を出力するインバー
タ装置13と、このインバータ装置13を制御する制御
回路14とから構成されている。インバータ装置13
は、6個のトランジスタ13aを3相ブリッジ接続して
構成されており、各トランジスタ13aにはフリーホイ
ールダイオード13bが接続されている。上記制御回路
14は、固定子巻線6u、6v、6wの各誘起電圧を検
出し、これら検出信号に基づいて固定子巻線6u、6
v、6wを2相ずつ所定の順序で120度(電気角)通
電するための駆動信号を生成し、この駆動信号によりイ
ンバータ装置13の各トランジスタ13aをオンオフ制
御するように構成されている。即ち、モータ通電装置1
1は、いわゆるセンサレス駆動方式で永久磁石形モータ
1を通電駆動している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した構成の永久磁
石形モータ1においては、固定子巻線6のインダクタン
スLの値が回転子3と固定子2と相対位置によって大き
く変化する。このインダクタンスLが電気角に応じて変
化する様子を、図19において、実線の曲線L1で示
す。この曲線L1から、電気角で90度の位置、即ち、
回転子3の永久磁石9の端部である極間が固定子2の固
定子鉄心4のティース部4aに対向する位置(図20
(a)参照)で、インダクタンスLが最大になることが
わかる。これは、上記位置で、固定子鉄心4を経由して
隣接するティースとの間で磁路が形成されるためであ
る。
【0006】これに対して、回転子3が上記位置から9
0度回転した位置、即ち、図20(b)に示すように、
回転子3の永久磁石9の中間部分が固定子2の固定子鉄
心4のティース部4aに対向する位置に至ると、インダ
クタンスLが最小になる。これは、上記位置では、固定
子鉄心4を経由する磁路がほとんど形成されなくなるた
めである。
【0007】一方、上記永久磁石形モータ1は、センサ
レス駆動方式で通電駆動される。この場合、固定子巻線
6の誘起電圧に基づいて回転子3(の永久磁石9)の位
置を検出している。具体的には、固定子巻線6の3相の
うちの2相に通電をしているとき、通電していない残り
の1相の誘起電圧を検出するようにしている。
【0008】ここで、固定子巻線6のインダクタンスL
が極小の場合には、電流の位相がなく検出しようとする
巻線6には電流が流れていない。このため、誘起電圧の
波形がきれいであり、位置検出を正確に行うことができ
る。これに対して、固定子巻線6のインダクタンスLの
値が大きいまたはその変化が大きい場合には、位相遅れ
の電流が流れるため、誘起電圧が歪んでしまう。このた
め、位置検出の誤差が生じ、電流増加を招くという不具
合があった。
【0009】これに対して、位置検出の誤差を補正する
補正回路を設ける対策が考えられるが、この構成の場合
には、回路構成が複雑になると共に、部品点数が増えて
製造コストが高くなるという問題点が生ずる。また、固
定子巻線6のインダクタンスLが大きくなると、インピ
ーダンスが大きくなり、銅損が増加して、出力低下や効
率低下が生ずることがあった。
【0010】そこで、本発明の目的は、固定子巻線のイ
ンダクタンスの値を小さくすると共に、その変化を小さ
くすることができる永久磁石形モータ及びその製造方法
を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の永久磁石形モー
タは、固定子巻線を有する固定子と、回転子鉄心に永久
磁石を組み込んで構成された回転子とを備えてなるもの
において、前記永久磁石を、前記回転子鉄心の内部に軸
方向に延びるように形成された収納部に収納された第1
永久磁石と、前記回転子鉄心の外周部を覆うように設け
られた第2永久磁石とから構成したところに特徴を有す
る。
【0012】上記構成によれば、回転子鉄心の外周部を
覆うように第2永久磁石を設けるように構成したので、
固定子巻線のインダクタンスは、回転子と固定子との相
対位置に関係なく一定となると共に、該インダクタンス
の値が小さくなる。これにより、固定子巻線の誘起電圧
に基づいて回転子の位置検出を正確に行うことができ
る。また、上記構成の場合、固定子巻線のインダクタン
スLの値が小さいから、インピーダンスが小さくなり、
銅損が減少し、出力低下や効率低下が生ずることを防止
できる。
【0013】また、上記構成の場合、回転子鉄心の内部
の収納部に収納する第1永久磁石を、断面ほぼ円弧状に
形成すると共に、その凸側が回転子鉄心の軸心側に向く
ように配設することが好ましい。更に、第1永久磁石及
び第2永久磁石を、ボンド磁石を成形することにより構
成することが一層好ましい構成である。
【0014】本発明の他の永久磁石形モータは、固定子
巻線を有する固定子と、回転子鉄心に永久磁石を組み込
んで構成された回転子とを備えてなるものにおいて、前
記回転子鉄心を、外径寸法が異なる2種類の鋼板を1枚
或いは複数枚ずつ交互に積層して構成すると共に、前記
永久磁石を、前記回転子鉄心の外周部のうちの外径寸法
が小さい部分を覆うように設けられた複数の第3永久磁
石から構成したところに特徴を有する。この構成の場
合、回転子鉄心の内部に軸方向に延びるように形成され
た収納部に収納された第4永久磁石を備えることが一層
好ましい構成である。
【0015】また、上記各構成の永久磁石形モータにお
いて、永久磁石を、ボンド磁石を成形することにより構
成すると共に、その磁気配向を等方性とすることがより
一層好ましい構成である。
【0016】一方、上記各構成の永久磁石形モータを製
造する方法においては、回転子鉄心にボンド磁石を一体
成形するステップと、この一体成形されたボンド磁石を
着磁装置により着磁して永久磁石を形成するステップと
を備えることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を4極6スロットの
永久磁石形モータに適用した第1の実施例について、図
1ないし図3を参照しながら説明する。本実施例の永久
磁石形モータの固定子は、図17に示す従来技術の固定
子2と同じ構成であり、ここでは、回転子についてだけ
説明する。また、本実施例の永久磁石形モータを通電駆
動するモータ通電装置も、図18に示す従来技術のモー
タ通電装置11と同じ構成であり、ここでは説明を省略
する。
【0018】図1は本実施例の永久磁石形モータの回転
子21の斜視図である。この図1に示すように、回転子
21の回転子鉄心22は、例えば円板状のけい素鋼板2
3(図2参照)を積層して構成されている。各けい素鋼
板23には、図2に示すように、中心部に円形の貫通孔
23aが形成されていると共に、その回りにほぼ円弧状
の貫通孔23bが4個形成されている。これら円弧状の
貫通孔23bは、中心側(内側)に向けて凸状となるよ
うに形成されている。このようなけい素鋼板23を積層
することにより、回転子鉄心22には、その中心部に軸
孔22aが形成されると共に、その回りに収納部22b
が4個形成されるように構成されている。
【0019】そして、回転子鉄心22の軸孔22a内に
は、回転軸(図示しない)が挿入固定されている。ま
た、回転子鉄心22の4個の収納部22b内には、4個
の断面ほぼ円弧状をなす内部永久磁石(第1永久磁石)
24が組み込まれて固定されている。各内部永久磁石2
4は、凸側が軸心側を向くように配設されている。更
に、各内部永久磁石24は、図1に示すように、着磁さ
れている。
【0020】また、回転子鉄心22の外周部には、円筒
状永久磁石(第2永久磁石)25が覆うように設けられ
ている。この円筒状永久磁石25は、上記4個の内部永
久磁石24の磁極に対応するように着磁されている。上
記円筒状永久磁石25と上記4個の内部永久磁石24と
から、回転子21に組み込む永久磁石26が構成されて
いる。
【0021】ここで、回転子鉄心22に内部永久磁石2
4及び円筒状永久磁石25を組み込む方法について説明
する。各永久磁石24、25は、例えばネオジウム系の
磁性粉体と例えばナイロン樹脂を結合してなるボンド磁
石から構成されている。このボンド磁石の磁気配向は、
等方性を有するように構成されている。この場合、ま
ず、回転子鉄心22にボンド磁石を一体成形するステッ
プを実行する。
【0022】具体的には、回転子鉄心22に回転軸を挿
通固定したものを成形型(図示しない)内に収容した
後、成形型内にボンド磁石の硬化前の流体状材料を充填
して硬化させる。尚、この場合、回転軸を挿通固定させ
る前の回転子鉄心22だけを成形型内に収容して、ボン
ド磁石を一体成形し、この一体成形後または着磁後、回
転子鉄心22に回転軸を挿通固定するように構成しても
良い。これにより、回転子鉄心22の収納部22b内
に、内部永久磁石24に対応するボンド磁石部分が充填
されて一体成形される。これと共に、回転子鉄心22の
外周部に、円筒状永久磁石25に対応するボンド磁石部
分が覆うように一体成形される。
【0023】続いて、回転子鉄心22に一体成形された
各ボンド磁石部分を着磁装置により着磁するステップを
実行する。ここでは、図3に示すように、着磁装置27
にボンド磁石を一体成形した回転子鉄心22をセット
し、ボンド磁石、即ち、内部永久磁石24に対応する部
分と円筒状永久磁石25に対応する部分とを同時に着磁
する。これにより、永久磁石24及び円板状永久磁石2
5は、図1に示すように着磁され、回転子21(の回転
子鉄心22)に永久磁石24及び円板状永久磁石25を
組み込む作業が完了する。尚、上記着磁装置27は、着
磁ヨーク28と着磁用巻線29とから構成されている。
【0024】このような構成の本実施例によれば、回転
子鉄心22の外周部を覆うように円筒状永久磁石25を
設けるように構成したので、固定子巻線のインダクタン
スLは、回転子21と固定子との相対位置に関係なく一
定となると共に、該インダクタンスLの値が小さくな
る。本実施例の固定子巻線のインダクタンスLの値の変
化を図4において実線L2で示す。尚、この図4におい
て、2点鎖線L1は、従来構成(図19参照)のインダ
クタンスLの変化を示す。
【0025】この図4から明らかなように、上記実施例
では、固定子巻線のインダクタンスLは、回転子21の
電気角に関係なく一定となると共に、その値が小さくな
る。このため、固定子巻線に生ずる誘起電圧の波形がき
れいになり、回転子21の位置検出を正確に行うことが
できる。従って、固定子巻線に120度(電気角)通電
するタイミングが適正なタイミングとなるから、駆動電
圧と誘起電圧の位相が合うようになり、電流がリップル
が小さくなると共に、トルクむらが小さくなる。そし
て、上記実施例の場合、補正回路が不要であるから、回
路構成が簡単になると共に部品点数が少なくなり、製造
コストを低減することができる。
【0026】また、上記実施例の場合、固定子巻線のイ
ンダクタンスLの値が小さいから、インピーダンスが小
さくなり、銅損が減少し、出力低下や効率低下が生ずる
ことを極力防止できる。
【0027】更に、上記実施例においては、回転子鉄心
22の内部の収納部22bに収納する内部永久磁石24
を、断面ほぼ円弧状に形成すると共に、その凸部が回転
子鉄心22の軸心側に向くように配設するように構成し
た。この構成によれば、図3に示すように、着磁装置2
7により内部永久磁石24及び円筒状永久磁石25を着
磁する場合、内部永久磁石24については、その形状が
断面ほぼ逆円弧状であるから、着磁磁界(図3にて環状
の実線で示す)が内部永久磁石24の中間部分及び端部
のいずれの部分に対しても該内部永久磁石24の径方向
を通過するように分布する。即ち、着磁磁界は着磁が容
易な方向に分布するようになる。このため、内部永久磁
石24を端部まで良好に着磁することができる。
【0028】ちなみに、回転子鉄心の外周部に円筒状永
久磁石だけを設けた構成を着磁装置27により着磁する
場合について、図21を参照して説明する。この構成の
場合、図21に示すように、回転子鉄心30の外周部に
設けられた円筒状永久磁石31の極の中央部分について
は、着磁磁界は該円筒状永久磁石31の径方向に通過す
るように分布する。しかし、円筒状永久磁石31の極の
端部部分については、着磁磁界は該円筒状永久磁石31
の周方向に通過するように分布してしまう。このため、
着磁された円筒状永久磁石31の極の端部部分からギャ
ップ(回転子と固定子との間の隙間)に向かう磁束成
分、即ち、有効磁束が少なくなるという不具合が発生す
る。尚、円筒状永久磁石31を単独で良好に着磁した
後、回転子鉄心に取り付けるように構成する方法もある
が、この場合には、後加工等の作業が増えてしまうた
め、製造作業性が悪くなるという不具合が発生する。
【0029】これに対して、上記実施例では、回転子2
1に組み込む永久磁石26を、断面ほぼ円弧状をなす内
部永久磁石24と円筒状永久磁石25とから構成したの
で、内部永久磁石24については、上述したように、そ
の中央部分から端部まで全て良好に着磁することがで
き、有効磁束が多くなる。更に、上記実施例では、各永
久磁石24、25(即ち、ボンド磁石)の磁気配向を等
方性に構成したので、着磁するときに、磁束の向きの制
御が簡単になる。
【0030】また、上記実施例においては、成形型を用
いてボンド磁石を回転子鉄心22に一体成形(いわゆる
インサート成形)することにより、内部永久磁石24及
び円筒状永久磁石25を回転子鉄心22に組み込むよう
に構成した。この構成によれば、円筒状永久磁石25の
寸法精度の確保が容易であり、その結果、ギャップを小
さくすることが可能となる。
【0031】尚、上記実施例では、内部永久磁石24を
断面ほぼ円弧状に構成したが、図5ないし図9に示す本
発明の第2ないし第6の実施例のような断面形状に内部
永久磁石32〜36を構成しても良い。また、図10に
示す本発明の第7の実施例のように、断面ほぼ円弧状の
内部永久磁石37を径方向に2重に配設するように構成
しても良い。この場合、内部永久磁石を3重以上の多重
に配設するように構成しても良い。また、図5ないし図
9に示す本発明の第2ないし第6の実施例においても、
内部永久磁石を径方向に多重に配設するように構成して
も良い。
【0032】図11及び図12は本発明の第8の実施例
を示すものであり、第1の実施例と異なるところを説明
する。この第8の実施例では、回転子鉄心38を、外径
寸法が異なる2種類の円形の鋼板39、40を1枚或い
は複数枚ずつ交互に積層して構成している。具体的に
は、外径寸法の小さい鋼板39を所定枚数積層した鉄心
部分と、1枚の外径寸法の大きい鋼板40からなる鉄心
部分を、交互に積層することにより回転子鉄心38を構
成している。
【0033】そして、回転子鉄心38の外周部のうちの
外径寸法が小さい部分を覆うように、複数の短円筒状永
久磁石(第3永久磁石)41を設けるように構成した。
この構成の場合、複数の短円筒状永久磁石41から回転
子21に組み込む永久磁石42が構成されている。尚、
本実施例においては、回転子鉄心38の内部には内部永
久磁石が配設されていない。また、本実施例において、
回転子鉄心38の外周部に複数の短円筒状永久磁石41
を設けるに当たっては、第1の実施例とほぼ同様にし
て、成形型を用いてボンド磁石を回転子鉄心38に一体
成形するように構成している。そして、このときに用い
るボンド磁石は、第1の実施例と同様に、例えばネオジ
ウム系の磁性粉体と例えばナイロン樹脂を結合してなる
ボンド磁石である。
【0034】尚、上述した以外の第8の実施例の構成
は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従っ
て、第8の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ
作用効果を得ることができる。特に、第8の実施例で
は、回転子鉄心38の外周部を軸方向に電気的に分割さ
れた複数の短円筒状永久磁石41で覆うように構成した
ので、図12に示すように、固定子巻線による交番磁界
により短円筒状永久磁石41の表面に発生する渦電流損
失を低減することができる(図12中小さい矢印参
照)。
【0035】ここで、ネオジウム系のボンド磁石からな
る永久磁石を回転子に組み込んだ構成の場合、永久磁石
の表面に発生する渦電流損失がかなり問題になるという
事情がある。具体的には、図22に示すように、回転子
鉄心43の外周部を円筒状永久磁石44で覆うと共に、
この円筒状永久磁石44をネオジウム系のボンド磁石か
ら構成した場合、固定子巻線による交番磁界により円筒
状永久磁石44の表面にかなり大きな渦電流損失が発生
する(図22中大きい矢印参照)。そして、この渦電流
損失により円筒状永久磁石44が発熱すると共に、熱膨
脹してしまうという問題点がある。この場合、ギャップ
の寸法が変化するため、トルクむらが発生し、ひいては
振動及び騒音が大きくなるという不具合がある。また、
大きな渦電流損失が発生するため、固定子巻線に流れる
電流が増加して、駆動効率が低下するという不具合もあ
る。
【0036】これに対して、上記実施例によれば、回転
子鉄心38の外周部を軸方向に電気的に分割された複数
の短円筒状永久磁石41で覆う構成としたので、図12
に示すように、各短円筒状永久磁石41の表面に発生す
る渦電流損失が大幅に小さくなる。このため、各短円筒
状永久磁石41の発熱が少なくなり、熱膨脹が少なくな
る。また、固定子巻線に流れる電流が増加しないから、
駆動効率を十分高くすることができる。
【0037】図13は本発明の第9の実施例を示すもの
であり、第8の実施例と異なるところを説明する。尚、
第8の実施例と同一部分には同一符号を付している。上
記第9の実施例では、図13に示すように、回転子鉄心
38の内部に第1の実施例の収納部22bと同じ構成の
収納部38bを設け、この収納部38b内に第1の実施
例と同じ構成の内部永久磁石(第4永久磁石)25を収
納固定するように構成した。
【0038】この第9の実施例によれば、第8の実施例
の作用効果に加えて、回転子鉄心38の内部に断面ほぼ
円弧状の内部永久磁石25を組み込む構成としたので、
高トルク化及び高効率化を実現することができる。
【0039】図14及び図15は本発明の第10の実施
例を示すものであり、第1の実施例と異なるところを説
明する。尚、第1の実施例と同一部分には同一符号を付
している。上記第10の実施例では、図14に示すよう
に、断面ほぼ円弧状の内部永久磁石45と円筒状永久磁
石46を一体化してなる永久磁石47を回転子鉄心48
に組み込むように構成されている。この構成の場合は、
回転子鉄心48は、中心に配置された中心部分48a
と、その外側に配置された4個の外周部分48bとから
構成されている。中心部分48a及び外周部分48b
は、それぞれ積層鉄心から構成されている。そして、こ
れら中心部分48a及び外周部分48bは、上記永久磁
石47によって一体成形されることにより、回転子鉄心
48ひいては回転子21が形成されるように構成されて
いる。
【0040】ここで、上記回転子鉄心48(中心部分4
8a及び外周部分48b)と永久磁石47とを一体成形
するときの製造作業について説明する。この場合、ま
ず、図示しない成形型内に回転子鉄心48を構成するば
らばらの中心部分48a及び外周部分48bを入れると
共に、これらの部品を位置決めピン等により位置決めす
る。これにより、成形型内に4個の内部永久磁石45及
び円筒状永久磁石46(即ち、永久磁石47)用のキャ
ビティティが形成される。
【0041】続いて、成形型内にボンド磁石の硬化前の
流体状材料を充填して硬化させる。これにより、回転子
鉄心48と内部永久磁石45及び円筒状永久磁石46
(ボンド磁石)とが一体成形される。そして、この後、
図15に示すように、上記ボンド磁石を一体成形した回
転子鉄心48を着磁装置27にセットして着磁するよう
に構成されている。
【0042】尚、上述した以外の第10の実施例の構成
は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従っ
て、第10の実施例においても、第1の実施例とほぼ同
じ作用効果を得ることができる。特に、第10の実施例
では、内部永久磁石45及び円筒状永久磁石46を、ボ
ンド磁石を成形することにより構成すると共に、一体化
するように構成したので、固定子巻線のインダクタンス
Lをより一層小さくすることができる。
【0043】図16は本発明の第11の実施例を示すも
のであり、第1の実施例と異なるところを説明する。
尚、第1の実施例と同一部分には同一符号を付してい
る。この第11の実施例では、図16に示すように、固
定子鉄心22の内部に、収納部49a〜49cを径方向
に例えば3重に設けた。そして、各収納部49a〜49
c内には、内部永久磁石50a、50b、50cを収納
固定している。この場合、収納部49a〜49c内と、
内部永久磁石50a、50b、50cとの間には、適宜
空間が形成されるように組み込んでいる。具体的には、
収納部49aと内部永久磁石50aとの間は隙間無く嵌
合されており、収納部49bと内部永久磁石50bとの
間、並びに、収納部49cと内部永久磁石50cとの間
には、それぞれ空間が形成されている。
【0044】この構成によれば、内部永久磁石50a、
50b、50cの形状を調節することにより、ギャップ
の磁束分布を容易にコントロールすることができる。例
えば、ギャップの磁束分布が正弦波形状をなすように構
成することが容易に可能である。尚、上記構成におい
て、回転子鉄心22の収納部49a〜49c内に内部永
久磁石50a、50b、50cを収納する場合、予めボ
ンド磁石により成形しておいた未着磁の内部永久磁石5
0a、50b、50cを収納部49a〜49c内に挿入
して固定することが好ましい。また、回転子鉄心22の
外周部の円筒状永久磁石25は、第1の実施例と同様に
してボンド磁石を回転子鉄心22に一体成形して形成す
ることが好ましい。そして、内部永久磁石50a、50
b、50c及び円筒状永久磁石25は、着磁装置27に
よって同時に着磁するように構成することが好ましい。
【0045】また、上述した以外の第11の実施例の構
成は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従
って、第11の実施例においても、第1の実施例とほぼ
同じ作用効果を得ることができる。特に、第11の実施
例においては、内部永久磁石50a、50b、50cの
形状を調節してギャップの磁束分布が正弦波形状をなす
ように構成すれば、コギングトルクを最小にすることが
できる。
【0046】尚、上記実施例では、3重の収納部49a
〜49cを設けたが、これに限られるものではなく、4
重以上の収納部を設けても良いし、2重の収納部を設け
ても良い。また、上記実施例では、円筒状永久磁石を予
め成形し、この成形しておいた未着磁の円筒状永久磁石
を回転子鉄心22の外周部に嵌合して取り付けるように
構成しても良い。更に、着磁した後の内部永久磁石50
a、50b、50cを回転子鉄心22の収納部49a〜
49c内に挿入嵌合すると共に、成形及び着磁した後の
円筒状永久磁石を回転子鉄心22の外周部に嵌合するよ
うに構成しても良い。
【0047】また、上記各実施例では、ネオジウム系の
磁性粉体及びナイロン樹脂を用いたボンド磁石により内
部永久磁石及び円板状永久磁石を構成したが、他の磁性
粉体や他の樹脂を用いたボンド磁石により内部永久磁石
及び円板状永久磁石を構成しても良い。
【0048】
【発明の効果】本発明は、以上の説明から明らかなよう
に、回転子鉄心に組み込む永久磁石を、回転子鉄心の内
部に軸方向に延びるように形成された収納部に収納され
た第1永久磁石と、回転子鉄心の外周部を覆うように設
けられた第2永久磁石とから構成したので、固定子巻線
のインダクタンスの値を小さくできると共に、その変化
を小さくでき、ひいては固定子巻線の誘起電圧に基づい
て回転子の位置検出を行う際にその位置検出を正確に行
うことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す回転子の斜視図
【図2】けい素鋼板の上面図
【図3】着磁装置により着磁するときの作用を説明する
【図4】固定子巻線のインダクタンスの変化を示す図
【図5】本発明の第2の実施例を示す回転子の上面図
【図6】本発明の第3の実施例を示す図5相当図
【図7】本発明の第4の実施例を示す図5相当図
【図8】本発明の第5の実施例を示す図5相当図
【図9】本発明の第6の実施例を示す図5相当図
【図10】本発明の第7の実施例を示す図5相当図
【図11】本発明の第8の実施例を示す回転子の破断斜
視図
【図12】作用説明用の図11相当図
【図13】本発明の第9の実施例を示す図11相当図
【図14】本発明の第10の実施例を示す図5相当図
【図15】図3相当図
【図16】本発明の第11の実施例を示す図5相当図
【図17】従来構成を示す永久磁石モータの断面図
【図18】永久磁石モータ及びモータ通電装置の電気的
構成図
【図19】図4相当図
【図20】(a)はインダクタンスが最大となる回転子
と固定子との位置関係を示す図、(b)はインダクタン
スが最小となる回転子と固定子との位置関係を示す図
【図21】図3相当図
【図22】回転子の斜視図
【符号の説明】
21は回転子、22は回転子鉄心、22bは収納部、2
4は内部永久磁石、25は円筒状永久磁石、26は永久
磁石、27は着磁装置、30は回転子鉄心、31は円筒
状永久磁石、32〜37は内部永久磁石、38は回転子
鉄心、39、40は鋼板、41は短円筒状永久磁石、4
2は永久磁石、43は回転子鉄心、44は円筒状永久磁
石、45は内部永久磁石、46は円筒状永久磁石、47
は永久磁石、48は回転子鉄心、49a〜49cは収納
部、50a、50b、50cは内部永久磁石を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子巻線を有する固定子と、回転子鉄
    心に永久磁石を組み込んで構成された回転子とを備えて
    なる永久磁石形モータにおいて、 前記永久磁石を、前記回転子鉄心の内部に軸方向に延び
    るように形成された収納部に収納された第1永久磁石
    と、前記回転子鉄心の外周部を覆うように設けられた第
    2久磁石とから構成したことを特徴とする永久磁石形モ
    ータ。
  2. 【請求項2】 前記第1永久磁石は、断面ほぼ円弧状に
    形成されていると共に、その凸側が前記回転子鉄心の軸
    心側に向くように配設されていることを特徴とする請求
    項1記載の永久磁石形モータ。
  3. 【請求項3】 前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石
    は、ボンド磁石を成形することにより構成されているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の永久磁石形モー
    タ。
  4. 【請求項4】 固定子巻線を有する固定子と、回転子鉄
    心に永久磁石を組み込んで構成された回転子とを備えて
    なる永久磁石形モータにおいて、 前記回転子鉄心を、外径寸法が異なる2種類の鋼板を1
    枚或いは複数枚ずつ交互に積層して構成すると共に、 前記永久磁石を、前記回転子鉄心の外周部のうちの外径
    寸法が小さい部分を覆うように設けられた複数の第3永
    久磁石から構成したことを特徴とする永久磁石形モー
    タ。
  5. 【請求項5】 前記回転子鉄心の内部に軸方向に延びる
    ように形成された収納部に収納された第4永久磁石を備
    えたことを特徴とする請求項4記載の永久磁石形モー
    タ。
  6. 【請求項6】 前記永久磁石は、ボンド磁石を成形する
    ことにより構成されていると共に、その磁気配向を等方
    性としたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか
    に記載の永久磁石形モータ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれかの永久磁石
    形モータを製造する方法において、 回転子鉄心にボンド磁石を一体成形するステップと、 この一体成形されたボンド磁石を着磁装置により着磁し
    て永久磁石を形成するステップとを備えたことを特徴と
    する永久磁石形モータの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001197689A (ja) * 2000-01-11 2001-07-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電動機の固定子
JP2009033968A (ja) * 2001-12-21 2009-02-12 Johnson Electric Sa ブラシレス直流電動機
JP2012098399A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Hitachi Via Mechanics Ltd ガルバノスキャナ及びレーザ加工機

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