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JPH11323015A - 難燃性樹脂組成物および難燃性繊維構造物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物および難燃性繊維構造物

Info

Publication number
JPH11323015A
JPH11323015A JP11073528A JP7352899A JPH11323015A JP H11323015 A JPH11323015 A JP H11323015A JP 11073528 A JP11073528 A JP 11073528A JP 7352899 A JP7352899 A JP 7352899A JP H11323015 A JPH11323015 A JP H11323015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flame
retardant
resin
resin composition
composition according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11073528A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanobu Takeda
昌信 武田
Masao Seki
昌夫 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP11073528A priority Critical patent/JPH11323015A/ja
Publication of JPH11323015A publication Critical patent/JPH11323015A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、難燃性、樹脂製膜性、樹脂膜強度に
ともに優れ、しかも難燃剤が表面にブリードしにくく、
燃焼時にハロゲン元素を含む有毒な物質を発生しない優
れた難燃性樹脂組成物および難燃性繊維構造物を提供せ
んとするものである。 【解決手段】本発明の難燃性樹脂組成物は、マイクロカ
プセルに包合された難燃剤と熱可塑性樹脂とで構成され
ていることを特徴とするものであり、また、本発明の難
燃性繊維構造物は、かかる難燃性樹脂組成物により、繊
維布帛の少なくとも片面が被覆されていることを特徴と
するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性、樹脂製膜
性、樹脂膜強度にともに優れ、かつ、ハロゲン元素を含
まず加工性に優れた難燃性樹脂組成物および該樹脂組成
物で処理された難燃性繊維構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から繊維布帛に軟質塩化ビニル樹脂
をカレンダー法、押出しラミネートやコーティング法な
ど種々の方法により被覆加工して各種イベント用あるい
は倉庫用、軒出しテント、トラック用幌、建築工事用養
生シート、などの各種シート、野積シート、看板用バッ
クリット、フレキシブルコンテナなど様々な用途に広く
使用されている。塩化ビニル樹脂は、低コストで取扱い
性が良いなど種々の長所を有するが、焼却時にハロゲン
元素を含む有毒なガスや煙り、残渣が発生するという重
大な欠点を有するものであり、地球環境的規模から環境
保全を目的にハロゲン元素を含まない樹脂による製品の
開発が切望されている。
【0003】かかる観点から、オレフィン樹脂などによ
る製品化の検討が各方面で行われているが、難燃性や物
性が重要視される分野、例えばテント用や建築工事用仮
設シート分野においては、満足できる製品が今だ提案さ
れていないのいが現状である。該用途は高度な難燃性が
必要であり、従来の水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウムなどの含水水酸化金属塩を難燃剤として使用する
場合、難燃規格を達成させるためには100重量部以上
の充填が必要となり、樹脂物性大幅な低下が避けられな
いものである。また、難燃剤として燐酸エステル系化合
物などの燐系化合物を使用する場合、ほとんどの燐系化
合物は常温で液体状で、熱可塑性樹脂との親和性に乏し
く均一に混和できないため、樹脂製膜性が大幅に低下
し、樹脂物性の低下、難燃剤の表面ブリードが起こり製
膜品の品位を著しくていかさせるものである。燐系化合
物の中には常温で固体状のものも存在するが、その多く
は融点が100℃前後で樹脂成型時には液体状になるの
で同様な欠点を引き起こすものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現在のところ、製膜
性、膜物性、品質などを兼ね備えたハロゲン元素を含ま
ない樹脂組成物および該樹脂で処理された繊維構造物の
提案はない。
【0005】本発明は、難燃性、樹脂製膜性、樹脂膜強
度にともに優れ、しかも難燃剤が表面にブリードしにく
く、燃焼時にハロゲン元素を含む有毒な物質を発生しな
い優れた難燃性樹脂組成物および難燃性繊維構造物を提
供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、次のような手段を採用するものである。す
なわち、本発明の難燃性樹脂組成物は、マイクロカプセ
ルに包合された難燃剤と熱可塑性樹脂とで構成されてい
ることを特徴とするものであり、また、本発明の難燃性
繊維構造物は、かかる難燃性樹脂組成物により、繊維布
帛の少なくとも片面が被覆されていることを特徴とする
ものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり、難
燃性、樹脂製膜性、樹脂膜強度にともに優れ、しかも難
燃剤が表面にブリードしにくく、燃焼時にハロゲン元素
を含む有毒な物質を発生しない優れた難燃性樹脂組成物
について、鋭意検討し、難燃剤をマイクロカプセルに包
合させてみたところ、かかる課題を一挙に解決すること
を究明したものである。また、本発明によれば、さらに
かかる樹脂組成物により繊維布帛上に均一な製膜がで
き、難燃剤が樹脂表面にブリードしにくい品質に優れた
難燃性繊維構造物を提供できることを究明したものであ
る。
【0008】本発明に使用される難燃剤は特に限定され
るものではなく、一般に使用されている化合物を使用す
ることができるがハロゲン元素を含まないものが環境面
から好ましく、難燃性能の面からは燐系化合物が好まし
い。燐系化合物の中でも下記に示す難燃性化合物が特に
好ましく使用され、これらの少なくとも1種を使用する
ことができる。
【0009】
【化6】
【0010】★
【0011】
【化7】
【0012】★
【0013】
【化8】
【0014】★
【0015】
【化9】
【0016】★
【0017】
【化10】
【0018】★本発明は難燃剤をマイクロカプセル化す
るものである。マイクロカプセルを製造する方法は公知
の方法を使用することができ、例えば「新版マイクロカ
プセルその製法・性質・応用(三共出版株式会社)」に
記載されている方法等を採用することができ特に限定さ
れるものではなく、難燃剤の種類、熱可塑性樹脂の種類
に応じて適宜選択することができ、マイクロカプセル化
された難燃剤は熱可塑性樹脂樹脂の製膜方法に応じて水
分散液、溶剤分散液あるいは粉体状で使用することがで
きる。
【0019】本発明のマイクロカプセルの製造は、1種
類の難燃剤をマイクロカプセル化するのはもちろんのこ
とであるが2種以上の難燃剤を混合したものを使用する
こともできる。
【0020】本発明のマイクロカプセルの難燃剤の含有
量は特に限定されないが、難燃剤の量は多いほど熱可塑
性樹脂への配合量を少なくできるので好ましいが、マイ
クロカプセル外壁樹脂が薄すぎると外壁が破損し難燃剤
がブリードする結果を招くので、外壁樹脂の全重量に対
する重量比率は、好ましくは5%以上、さらに好ましく
は10%以上である。
【0021】本発明のマイクロカプセルの粒径は、細か
いほどよく、好ましくは10μm以下、さらに好ましく
は5μm以下、特に好ましくは3μm以下のものがよ
い。
【0022】本発明においては、難燃剤の種類の異なる
マイクロカプセルを2種以上混合して使用してもかまわ
ない。
【0023】本発明の熱可塑性樹脂は、一般に使用され
ているものを使用することができ、特に限定されるもの
ではないが、環境保護の面からはハロゲン元素を含まな
いものが好ましく、なかでもポリオレフィン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂およびポリウレタン系樹脂から選ばれ
た少なくとも1種が、製膜性、難燃性の点で好ましく使
用される。
【0024】かかるポリオレフィン系樹脂としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共
重合体、エチレン・アクリル酸アルキレンエステル、エ
チレン・メタクリル酸アルキレンエステル、エチレン・
ビニルアセテート共重合体ナドを使用することができ
る。また、ポリエステル系樹脂としては、2種以上の芳
香族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸、
2種以上のアルキレングリコールからなる共重合体が好
ましく使用される。また、ポリウレタン系樹脂として
は、例えば、有機ジイソシアネートと長鎖ジオール及び
鎖伸長剤との反応で得られるポリウレタンが代表的であ
り、有機ジイソシアネートとしては、脂環族有機ジイソ
シアネート、脂肪族有機ジイソシアネート、芳香族有機
ジイソシアネートなどを使用することができ、長鎖ジオ
ールとしては、ポリエステル系ジオール、ポリエーテル
系ジオール、ポリアミドエステル系ジオール、ポリカー
ボネート系ジオールなどを使用することができ、鎖伸長
剤としては、低分子グリコール、低分子ジアミン、低分
子アミノアルコールなどの活性水素を2個含有する化合
物を使用することができる。これらのポリウレタンは、
2種以上混合して使用することもできる。なかでも、耐
候性、耐加水分解性などの点からポリカーボネート系ポ
リウレタンが好ましく使用される。
【0025】本発明の熱可塑性樹脂は、ペレットまたは
溶剤あるいは水に溶解または分散した形で使用すること
ができる。
【0026】本発明のマイクロカプセルと熱可塑性樹脂
の混合比は、難燃剤の種類、熱可塑性樹脂の種類や、目
的とする樹脂塗工量などにより決定されるもので、いち
がいには言えないが、一般的には熱可塑性樹脂100重
量部に対し、難燃剤が好ましくは10〜200重量部、
さらに好ましくは20〜80重量部になるようにマイク
ロカプセルを混合する。
【0027】本発明の樹脂組成物は、固体状の混合物ま
たは液体状の混合物として使用することができる。液体
状物においては溶剤を使用しない水分散系のものが作業
環境面から好ましい。
【0028】本発明の樹脂組成物は、着色剤を含有する
ものである。かかる着色剤は一般に使用されている顔料
系着色剤が相溶性、耐候性の面で好ましく使用される。
【0029】本発明の樹脂組成物は、紫外線吸収剤や光
安定剤をも含有させることができるものであり、一般に
使用されている化合物を使用することができるが、紫外
線吸収剤としては、好ましくはベンゾトリアゾール系、
ベンゾフェノン系またはトリアジン系のものを1種以上
の混合物として使用することができ、かかる紫外線吸収
剤は、熱可塑性樹脂100重量部に対して好ましくは
0.1〜3重量部添加する。かかる光安定剤としては、
ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系の化合物
などを使用することができ、かかる光安定剤は、熱可塑
性樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜3重
量部添加する。また、必要に応じて酸化防止剤、抗菌
剤、防黴剤を添加してもかまわない。
【0030】本発明のかかる難燃性樹脂組成物は、これ
を繊維布帛の少なくとも片面に被覆して使用してなる難
燃性繊維構造物として使用することができる。本発明の
樹脂の被覆方法は公知の方法を採用することができ、カ
レンダー法や押出し法で製膜し繊維布帛に圧着させる
か、溶液状の樹脂をコーティング法、ディッピング法等
で塗工し溶媒を乾燥して固着すればよい。
【0031】ここでいう繊維布帛としては、ポリエステ
ル、ポリアミド、ビニロン等の合成繊維や木綿、麻等の
天然繊維を単独あるいは混合して構成された編織物や、
不織布等を使用することができる。かかる布帛を構成す
る繊維は、長繊維でも短繊維でもよい。
【0032】本発明においては、繊維の強度、寸法安定
性などからポリエステル繊維の長繊維が好ましい。本発
明でいうポリエステル繊維とは、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートあるいはこれらに
第三成分、たとえばイソフタル酸、イソフタル酸スルホ
ネート、アジピン酸、ポリエチレングリコールなどを共
重合またはブレンドして得られるポリエステルからなる
繊維であってもよい。
【0033】かかるポリエステル繊維としては、ポリマ
ー固有粘度が、好ましくは0.65以上、さらに好まし
くは0.8〜1.0であるものがよい。さらに、繊維自
身の密度が1.38g/cm3 以上であり、引張強力が好ま
しくは6g/d 以上、さらに好ましくは7〜9g/d の高強
度繊維であるのがよい。
【0034】かかる繊維布帛には、さらに難燃化合物が
含有されていてもよい。かかる繊維布帛の難燃剤処理
は、難燃性化合物が繊維にブレンドあるいは共重合され
ていてもよく、また、繊維表面に付着させたものでもよ
く、特に限定はされない。
【0035】たとえば、ポリエステル繊維に難燃性を付
与するには、難燃性化合物をポリエステルの重合時に共
重合したもの、また重合時あるいは製糸時にブレンドし
た難燃原糸、またはポリエステル繊維を形成した後に、
難燃性化合物を後加工のいずれの方法でもよく、公知の
難燃化されたポリエステル繊維を使用することができる
が、難燃性化合物をポリエステルの重合時に共重合した
ポリエステル繊維が難燃性能の安定性の面から好まし
い。
【0036】かかる共重合により難燃化されたポリエス
テル繊維を製造するための化合物としては、トリフェニ
ルホスフェートのような燐酸エステル類あるいはエチレ
ンジメチルホスホン酸、ベンゼンホスホン酸誘導体のよ
うなホスホン酸類などのような燐系化合物や臭素化ビス
フェノール類、そのヒドロキシアルキル誘導体、臭素化
芳香族ジカルボン酸などのハロゲン系化合物などを使用
することができるが、本発明に特に好ましい難燃化され
たポリエステル繊維としては、ポリエステルの繰り返し
単位の少なくとも85モル%がポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン2,6ナフタレートなどのポリエス
テルであり、かつ、その繰り返し単位の中に、燐原子含
有量が0.2〜1.0重量%の範囲にある2官能燐化合
物を含むコポリマーからなる繊維を使用することができ
る。
【0037】また、本発明のかかる繊維布帛には、目的
に応じて、さらに撥水処理、接着剤処理、制電剤処理、
耐候剤、抗菌剤、防カビ剤等の処理が施されたものも使
用することができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により詳しく説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0039】なお、実施例及び比較例に示す性能値は次
の方法で測定した。 (難燃性A)JIS L 1091のA−1法で炭化面
積、残炎時間、残塵時間、を、D法で接炎回数を測定
し、合格を○、不合格を×で表示した。なお、難燃性の
測定は加工布を50℃のお湯に30分間浸漬し、
自然乾燥したものについても実施した。 (難燃性B)JIS A 1322に規定される方法で
残炎時間、残塵時間、炭化長を測定し、防炎2級以上の
ものを○、2級未満のものを×として表示した。 (樹脂表面タック) 難燃剤による表面タックを触感で
判定し級表示した。
【0040】 1:粘着性が著しい 2:若干粘着性がある 3:粘着性がない (防水性)JIS−L−1096に準じ、耐水圧を測定
した。 (防汚性)JIS−A−1410に規定される屋外曝露
45度法で180日間の汚染試験を行い、汚染前と汚染
後の表面をデジタル測色色差計(スガ試験機株式会社
製)でL値を測定し次の計算式により汚染の程度を求
めた。
【0041】汚染度(%)=A/B×100 ここでAは汚染後のL値、Bは汚染前のL値であり汚染
度の数値が小さい程、汚染がひどいことを表す。 実施例1〜9、比較例1〜6 1000デニール、96フィラメントのポリエステル糸
(東レ株式会社製)を経糸および緯糸に使用して経糸/
緯糸密度が13本/インチの目空き状のメッシュ織物を
製織し、次に示す方法で処理し性能を評価した結果を表
1に示す。(難燃剤カプセル)壁材にウレア系樹脂を使
用して下記難燃剤をマイクロカプセル水分散液を作成し
た。難燃剤/壁材の重量比は90/10、水分散液中の
固形分濃度は50%、平均粒子系は3μmである。
【0042】難燃剤A:下記の化合物を使用した。
【0043】
【化11】
【0044】★難燃剤B:下記の化合物を使用した。
【0045】
【化12】
【0046】★難燃剤C:下記の化合物を使用した。
【0047】
【化13】
【0048】★難燃剤D:下記の化合物を使用した。
【0049】
【化14】
【0050】★難燃剤E:下記の化合物を使用した。
【0051】
【化15】
【0052】★(熱可塑性樹脂) 樹脂a:エチレン・ビニルアセテート共重合体の水分散
液(固形分30%) 樹脂b:ポリカーボネート系ウレタンの水分散液(固形
分37%) (樹脂加工)樹脂aまたはbに難燃剤マイクロカプセル
を混合し、樹脂固形分に対して難燃剤の量が40%にな
るように樹脂を混合し、さらに緑色顔料(固形分60%
の水分散液)を4%混合し処理液とした。該液にメッシ
ュ織物を浸漬し、付着固形分が150g/m2 になるよ
うに調整し、130℃で乾燥し、160℃で熱処理し
た。
【0053】比較として難燃剤A、B、C、D、Eを4
0%濃度のエマルジョンとし同様に処理した。結果を表
1に示した。
【0054】表1から明らかなように、本発明のマイク
ロカプセル化した難燃剤を使用したものは表面タックが
なく、汚染しにくいものであり、建築工事用の養生メッ
シュとして好適なものであることが判る。一方、比較と
して用いた難燃剤をエマルジョン化したものは樹脂との
相溶性が悪く、樹脂表面がべたつき汚染の著しいもので
ある。
【0055】実施例10、比較例7 難燃剤として化学式16の化合物をマイクロカプセル化
したものと(実施例10)、エマルジョン化したものを
用い(比較例7)、樹脂固形分に対する難燃剤の固形分
配合量を100%とした以外は実施例1と同様に処理し
性能を評価した結果を表1に示した。
【0056】難燃剤F:下記の化合物を使用した。
【0057】
【化16】
【0058】表1から明らかなように、実施例10のも
のは、湯処理後の難燃性能も満足するものであったが、
比較例7のものは、難燃剤の耐水性が悪いため湯処理後
の難燃性が不合格となった。すなわち、実施例10のも
のは、難燃剤の耐水性も改善されているものであること
が判る。
【0059】
【表1】
【0060】実施例11、比較例8〜9 ポリエステルスパン糸の20番手双糸(東レ株式会社
製)を経糸、緯糸に使用して経糸/緯糸密度が54/4
8本/インチの平織物を製織し、次に示す方法で処理し
性能を評価した結果を表2に示した。 (難燃剤のマイクロカプセル)化合物12をウレア系樹
脂を壁材として、難燃剤/壁材の重量比が85/15の
水分散型のマイクロカプセルとした。マイクロカプセル
の濃度は60%で、平均粒子系は4μmである。 (樹脂)ポリカーボネート系ウレタンのエマルジョン
(固形分38%) (処理液の調整)樹脂固形分に対する難燃剤固形分が5
0%になるように混合し、該液に更に黄色顔料(固形分
70%水分散液)を3部混合した。
【0061】処理液に織物を浸漬して、処理液の固形分
が300g/m2 になるように付着させた後、120℃
で乾燥、160℃で熱処理した。
【0062】比較として難燃剤を35%のエマルジョン
とした以外は実施例と同様に処理した。
【0063】
【表2】
【0064】表2から明らかなように、実施例11のも
のは、比較例8、9のものに比して、表面タックがな
く、汚染しにくいものであり、テント等の防水シートと
として好適なものであることが判る。
【0065】実施例12、比較例10〜11 ポリエステルスパン糸の20番手双糸(東レ株式会社
製)を経糸、緯糸に使用して経糸/緯糸密度が54/4
8本/インチの平織物を製織し、次に示す方法で処理し
性能を評価した結果を表3に示した。 (難燃剤のマイクロカプセル)化合物12をウレア系樹
脂を壁材として、難燃剤/壁材の重量比が85/15の
水分散型のマイクロカプセルとし、該分散液をスプレー
ドライ法により平均粒径30μの粉体状マイクロカプセ
ルとした。 (樹脂)ポリカーボネート系ウレタンの溶剤溶解樹脂
(固形分25%) (処理液の調整)樹脂固形分に対する難燃剤固形分が5
0%になるように混合し、該液に更に緑色顔料(固形分
30%)を20部混合した。
【0066】処理液をコンマコーターにて織物に処理液
の固形分が150g/m2 になるように塗布した後、1
20℃で乾燥、160℃で熱処理した。
【0067】比較例として難燃剤をカプセル化していな
いものとした以外は実施例と同様に処理した。
【0068】
【表3】
【0069】表3から明らかなように、実施例12のも
のは、比較例10、11に比べ表面タックが少なく、ま
た汚染されにくいものでありテントなどの防水布として
好適なものであることがわかる。
【0070】実施例13、比較例12〜13 実施例1の難燃剤Cのマイクロカプセル水分散液をスプ
レードライ法により水を蒸発させ平均粒径約30μの粉
末状カプセルとし、エチレン・酢酸ビニル共重合体ペレ
ットとともに180℃のロール混練機にに投入して混合
して300μm厚みのシートを作成した。
【0071】該エチレン・酢酸ビニル共重合体ペレット
としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体に、紫外線吸
収剤/光安定剤/酸化防止剤として、チヌビン326/
キマソーブ944/イルガノックス1010(いずれも
チバガイギー社製)を、該共重合体100重量部に対し
て、0.5重量部/0.5重量部/0.05重量部と、
顔料として酸化チタン(粒子径0.2μ)を3重量部配
合したものを使用した。
【0072】作成された該シートを実施例1と同じ織物
の両面に、170℃の平板プレス機で圧着した。
【0073】比較として、難燃剤Cをそのまま同様に混
練機に投入し混合したが、ロール表面で難燃剤が溶融し
樹脂がスリップしてしまい、シートを得ることができな
かった。結果を表4に示す。
【0074】
【表4】
【0075】表4から明らかなように、実施例13は、
比較例12〜13に比して、製膜性、難燃性、防汚性等
に優れた建築用膜材として好適なシートを得ることがで
きることがわかる。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、加工性、難燃性、防汚
性に優れた難燃性樹脂組成物および難燃性繊維構造物を
安定に供給することができる。本発明の樹脂組成物、繊
維構造物は燃焼してもハロゲン元素を含む有害な物質の
発生がないので環境保護の面からも好ましいものであ
る。
【0077】本発明の難燃性繊維構造物は建築工事用の
各種養生シート、テント倉庫やトラック用幌などの帆
布、建築用膜材、バックリット、コンテナ基布として好
適に使用することができる。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロカプセルに包合された難燃剤と
    熱可塑性樹脂とで構成されていることを特徴とする難燃
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 該難燃剤が、ハロゲン元素を含まない化
    合物である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 該ハロゲン元素を含まない化合物が、燐
    系化合物である請求項2記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 該燐系化合物が、下記式で表される化合
    物から選ばれた少なくとも1種である請求項3記載の難
    燃性樹脂組成物。 【化1】 ★ 【化2】 ★ 【化3】 ★ 【化4】 ★ 【化5】
  5. 【請求項5】 該熱可塑性樹脂が、ハロゲン元素を含ま
    ない樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 該ハロゲン元素を含まない樹脂が、ポリ
    オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹
    脂およびポリウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1
    種である請求項5記載の難燃性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 該熱可塑性樹脂が、着色剤を含有してい
    るものである請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性樹
    脂組成物。
  8. 【請求項8】 該熱可塑性樹脂が、紫外線吸収剤および
    光安定剤から選ばれた少なくとも1種を含有しているも
    のである請求項1〜7のいずれかに記載の難燃性樹脂組
    成物。
  9. 【請求項9】 該樹脂組成物が、水分散液である請求項
    1〜8のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の難燃
    性樹脂組成物により、繊維布帛の少なくとも片面が被覆
    されていることを特徴とする難燃性繊維構造物。
  11. 【請求項11】 該繊維布帛が、ポリエステル系繊維性
    布帛である請求項10記載の難燃性繊維構造物。
  12. 【請求項12】 該繊維布帛が、難燃性化合物を含有す
    るものである請求項10または11記載の難燃性繊維構
    造物。
  13. 【請求項13】 該難燃性繊維構造物が、建築用膜材、
    テント倉庫用帆布、建築工事用シートまたは建築工事用
    ネット用である請求項10〜12のいずれかに記載の難
    燃性繊維構造物。
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