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JPH11302679A - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

Info

Publication number
JPH11302679A
JPH11302679A JP10115053A JP11505398A JPH11302679A JP H11302679 A JPH11302679 A JP H11302679A JP 10115053 A JP10115053 A JP 10115053A JP 11505398 A JP11505398 A JP 11505398A JP H11302679 A JPH11302679 A JP H11302679A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
lubricating oil
lubricating
antioxidant
alkyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10115053A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Shidara
裕治 設楽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Energy Corp filed Critical Japan Energy Corp
Priority to JP10115053A priority Critical patent/JPH11302679A/ja
Publication of JPH11302679A publication Critical patent/JPH11302679A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】高温、高圧、高出力条件下においても優れた耐
摩耗性を示し、耐熱・酸化安定性に優れ、特に加水分解
によるスラッジ発生防止効果の高い潤滑油組成物を提供
する。 【構成】鉱油及び/又は合成油からなる潤滑油基油に、
ジチオりん酸亜鉛を亜鉛として0.005〜0.3質量
%、アリールホスファイトを0.05〜1質量%、全塩
基価が0〜150mgKOH/gの金属系分散剤を0.
1〜2質量%、酸化防止剤を0.1〜2質量%含有する
潤滑油組成物とすることで、スラッジ発生を防止でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(ジアルキル)ジ
チオりん酸亜鉛を含む潤滑油組成物に係わり、特には、
優れた潤滑性を有し、熱・酸化劣化によるスラッジの発
生が少なく、加水分解安定性に優れ、長期間の使用が可
能な油圧作動油に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧作動油、変速機油などの潤滑油に
は、鉱油や合成油などの基油に、摩耗防止剤、酸化防止
剤等の添加剤を配合したものが使用されている。このよ
うな潤滑油は、長期間使用されるため、熱・酸化に対す
る耐久性が要求される。潤滑油が劣化すると、潤滑性の
低下による摩耗を引き起こすばかりでなく、スラッジが
発生し、油圧回路の制御バルブやフィルター等の閉塞に
至る場合がある。
【0003】(ジアルキル)ジチオりん酸亜鉛は、摩耗
防止能、酸化防止能を兼ね備えた多機能で比較的安価な
添加剤として広く使用されてきた。しかし、これを添加
したものは、熱・酸化劣化によりスラッジが発生しやす
いため、このスラッジ発生防止対策が重要となる。
【0004】また近年、潤滑システムは高温、高圧、コ
ンパクト化など高性能化しており、潤滑油にかかる熱負
荷がますます高まっている。さらに、潤滑システムの高
温化は、運転停止後の凝縮水の混入を引き起こしやすく
なる。このため、スラッジ発生防止能力が高いだけでは
なく、外部からの水分混入による劣化の少ない潤滑油が
求められるようになってきている。
【0005】熱・酸化劣化によるスラッジ発生を防止す
るには、酸化防止剤を添加してジチオりん酸亜鉛の熱酸
化分解を防止する方法と、金属系あるいは無灰系の分散
剤によりスラッジ成分を油中に分散させる方法がある。
【0006】酸化防止剤としては、フェノール系の2,
6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBP
C)が優れた性能を有することが知られており、潤滑油
などに多用されている。五十嵐は、潤滑油にフェノール
系やアミン系の添加剤が、ジチオりん酸亜鉛と共に添加
されていることを報告している(PETROTECH,
13,546(1990).)。また、大勝は、DBP
Cとジチオりん酸の組合わせについて報告している(石
油学会誌,17,786(1974).)。
【0007】またリン系酸化防止剤を用いた例では、特
開平10−17882号公報に、本発明者らによる開示
があり、アリールホスファイトの添加がスラッジ発生防
止に有効であることを示している。
【0008】一方、分散剤を用いる方法であるが、特開
平5−311187号公報には、ジチオりん酸亜鉛とサ
リチル酸のアルカリ土類金属塩、水分離剤として非イオ
ン性化合物からなる耐熱作動油組成物が開示されてい
る。
【0009】上記のように、酸化防止剤、スラッジ分散
剤を用いれば、熱・酸化劣化によるスラッジの発生防止
には効果的である。しかし、従来用いられて来た添加
剤、特に分散剤は、水分の混入を考慮していないものが
多かった。従来、一般的に使用されてきた過塩基性の金
属系分散剤は、加水分解により過塩基成分の炭酸塩が粗
大化し、また銅金属の腐食を促進する問題があった。特
に、建設機械、産業用油圧機器などのように、水分が混
入しやすい用途では、改善が求められていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な問題を解決するためのもので、熱・酸化劣化によるス
ラッジの発生が生じ難く、加水分解劣化によるスラッジ
発生、銅触媒の腐食が少なく、かつ抗乳化性に優れる長
寿命の潤滑油を提供しようとするものである。つまり本
発明の目的は、ジチオりん酸亜鉛を含む潤滑油組成物の
耐スラッジ性(ジチオりん酸亜鉛の分解抑制・スラッジ
分散化)と耐水性(抗乳化性、加水分解安定性)の両立
化にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ジチオりん
酸亜鉛を添加した潤滑油の耐スラッジ性と耐水性の両立
化のために鋭意検討を進めた結果、ジチオりん酸亜鉛、
アリールホスファイト及び酸化防止剤に加え、全塩基価
0〜150mgKOH/g以下の金属系清浄分散剤(例
えば、サリチル酸のアルカリ土類金属塩、好適にはサリ
チル酸カルシウム塩)を添加することによって、長期に
渡り安定に使用できる潤滑油組成物が得られることを見
出した。
【0012】すなわち、本発明による潤滑油組成物は、
鉱油及び/又は合成油からなる潤滑油基油に、ジチオり
ん酸亜鉛を亜鉛として0.005〜0.3質量%、アリ
ールホスファイトを0.05〜1質量%、全塩基価が0
〜150mgKOH/gの金属系分散剤を0.1〜2質
量%、酸化防止剤を0.1〜2質量%含有する潤滑油組
成物である。金属系分散剤は、サリシレート、フェネー
ト、スルホネート、ホスホネート、カルボキシレートか
ら選ばれる1種以上であり、かつCa、Mg、Baから
選ばれる1種以上の塩である。また、酸化防止剤として
は、フェノール系酸化防止剤が好適に使用できる。この
ような組成物とすることで、長期に渡ってスラッジの発
生を防止できるばかりでなく、抗乳化性、加水分解安定
性も十分な性能を有し、優れた耐摩耗性を示すことがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】[(a)潤滑油基油]本発明で用
いる潤滑油基油は、公知の鉱油及び/又は合成油を単
独、もしくは混合して用いることができる。例えば、公
知の方法により、原油を原料として製造されたニュート
ラル油や、ブライトストック、常圧蒸留抽出油を溶剤脱
ろう処理した油、それをさらに高圧下にて水素精製し硫
黄分などの不純物を除去した油などを挙げることができ
る。本発明では、水素化精製度を下げた潤滑油基油や、
溶剤脱ろう潤滑油基油であっても、長期に渡って安定に
使用できるため、このような基油であっても問題なく使
用できる。また、合成油としては、ポリ−α−オレフィ
ン、多価アルコールエステル、ポリアルキレングリコー
ルなどを挙げることができる。油圧作動油として用いる
場合は、動粘度(40℃)が15〜150mm/s
のものが通常用いられる。
【0014】[(b)ジチオりん酸亜鉛]ジチオりん酸
亜鉛は、代表的には、次の化1の構造を有する化合物で
ある。
【0015】
【化1】
【0016】ここで、R11、R12、R13、及びR
14は、炭素数3〜12の1級アルキル基、炭素数3〜
12の2級アルキル基、又は炭素数3〜18のアルキル
基で置換されたアリール基である。なお、R11〜R
14は、同一でも異なっていてもよく、化1で示される
異なった構造のジチオりん酸亜鉛を組み合わせて用いて
もよい。
【0017】これらのアルキル基の中でも、1級アルキ
ル基のものが、熱・酸化劣化しにくく、潤滑性能も良好
であるため好ましい。しかし、2級アルキル基のもの
は、さらに潤滑性が優れるため、1級アルキル基を有す
るジチオりん酸亜鉛と組み合わせて用いることもでき
る。
【0018】また、不純物として、炭化水素基が1個の
ジチオりん酸亜鉛が混入することは避けられないが、基
油への溶解性が問題にならない範囲であれば、そのまま
使用できる。
【0019】ジチオりん酸亜鉛の添加量は、潤滑油基油
に溶解する範囲であって、潤滑油全重量に対し、亜鉛重
量として0.005〜0.3質量%であり、特には0.
01〜0.2質量%が好ましい。添加量が、この範囲未
満では潤滑性が十分でなく、この範囲を超えても潤滑特
性は飽和し、スラッジ増加の原因となり、長期間に渡る
安定性が低下し使用が難しくなる。
【0020】[(c)アリールホスファイト]アリール
ホスファイトは、少なくとも1つのアリール基を有する
亜りん酸エステルである。1つのアリール基が少なくと
も1つの、特には2つ以上のアルキル基を有すること
が、加水分解安定性の点から好ましい。このアルキル基
が分岐アルキル基であること、特に3級アルキル基であ
るとさらに加水分解安定性がよい。亜りん酸エステルと
して、通常、3価のりんに3つのエステル結合を有する
亜りん酸トリエステルが用いられる。
【0021】代表的な亜りん酸トリエステルは次の化2
の構造を有する化合物である。トリフェニルホスファイ
トを用いることができるが、加水分解安定性の観点よ
り、トリフェニルホスファイト以外のトリアリールホス
ファイト、特に、トリアリールホスファイトのアリール
基がかさ高いことが好ましく、例えば、分岐アルキル
基、特には3級アルキル基で置換されたアリール基を有
することが好ましい。
【0022】
【化2】
【0023】ここで、R21、R22、R23
24、R25及びR26は、水素又は炭素数1〜20
のアルキル基である。R21〜R26は、同一でも異な
っていてもよい。加水分解されにくいことから、R21
〜R26の一部分が、特にはR21〜R26の全部が炭
素数3〜12の分岐アルキル基、特には炭素数4〜8の
3級アルキル基であることが好ましい。
【0024】本発明のアリールホスファイトとして、次
の化3、化4、化5の構造を有する化合物を用いること
もできる。
【0025】
【化3】
【0026】ここで、R31、R32、R33
34、R35及びR36は、水素又は炭素数1〜20
のアルキル基である。R31〜R36は、同一でも異な
っていてもよい。加水分解されにくいことから、R31
〜R36の一部分が、特にはR31〜R36の全部が炭
素数3〜12の分岐アルキル基、特には炭素数4〜8の
3級アルキル基であることが好ましい。
【0027】
【化4】
【0028】ここで、R41、R42、R43、及びR
44は、水素又は炭素数1〜20のアルキル基である。
41〜R44は、同一でも異なっていてもよい。Xは
ふっ素などのハロゲン元素又は−OR45基である。R
45は炭素数1〜20のアルキル基である。加水分解さ
れにくいことから、R41〜R44の一部分が、特には
41〜R44の全部が炭素数3〜12の分岐アルキル
基、特には炭素数4〜8の3級アルキル基であることが
好ましい。
【0029】
【化5】
【0030】ここで、R51、R52、R53
54、R55及びR56は、水素又は炭素数1〜20
のアルキル基である。R51〜R56は、同一でも異な
っていてもよい。加水分解されにくいことから、R51
〜R56の一部分が、特にはR51、R52、R54
及びR55が炭素数3〜12の分岐アルキル基、特には
炭素数4〜8の3級アルキル基であることが好ましい。
【0031】アリールホスファイトの添加量は、潤滑油
基油に溶解する範囲であって、潤滑油全重量に対し、
0.05〜1質量%であり、特には0.1〜0.5質量
%が好ましい。添加量が、この範囲未満ではスラッジの
抑制が十分でなく、この範囲を超えても酸化防止能は飽
和する。なお、上述のアリールホスファイトは、組み合
わせて用いることもできる。
【0032】[(d)金属系清浄分散剤]本潤滑油組成
物では、全塩基価が0〜150mgKOH/g、好まし
くは50〜100mgKOH/gの金属系清浄分散剤を
用いることを特徴とする。炭酸塩等(例えば、炭酸カル
シウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム等)をコロイ
ド状に分散させた全塩基価150mgKOH/g以上の
金属系清浄分散剤は、抗乳化性、加水分解安定性、銅腐
食性の面で性能が劣る。この点を改善するためには、さ
らに水分離剤等を添加する必要があるが、水分離剤の添
加は、酸化安定性等の他性能への性能低下を招き、好ま
しくない。
【0033】これに対し、全塩基価0〜150mgKO
H/gの低塩基性金属清浄分散剤は、抗乳化性、加水分
解安定性に支障をきたすことなく、熱酸化劣化において
有効なスラッジ分散性能を示す。この全塩基価が0mg
KOH/gを切るものは、市販の添加剤に見当たらな
い。このため、入手することは困難である。仮に入手で
きたとしても、酸化劣化時に生成する酸性物質等の中和
能力がなくなり、潤滑油の寿命が短くなることがある。
【0034】金属系分散剤としては、通常用いられてい
るものが使用できる。例えば、サリシレート、フェネー
ト、スルホネート、ホスホネート、カルボキシレート等
から選ばれる1種以上を挙げることができる。これらは
アルカリ土類金属塩の形で添加する。アルカリ土類金属
としては、カルシウム、マグネシウム、バリウム、スト
ロンチウムから選ばれる1種以上が使用できる。これら
の中でも、サリシレート(化6)のカルシウム塩が、添
加効果、入手の容易さの点で好適に使用できる。
【0035】
【化6】
【0036】ここで、R61、水素又は炭素数1〜30
のアルキル基である。
【0037】金属系清浄分散剤の添加量は、潤滑油基油
に溶解する範囲であって、潤滑油全重量に対し、0.1
〜2質量%、好ましくは0.2〜1質量%である。0.
1質量%以下ではスラッジ分散性能が不足し、2質量%
を越えると抗乳化性、長期の安定性が低下することがあ
るため好ましくない。
【0038】[(e)酸化防止剤]酸化防止剤として
は、公知の酸化防止剤を使用できる。例えば、フェノー
ル誘導体であるフェノール系酸化防止剤、フェニルナフ
チルアミン誘導体であるナフチルアミン系酸化防止剤、
及びジフェニルアミン誘導体であるアルキル化ジフェニ
ルアミン系酸化防止剤等を用いることができる。
【0039】フェノール系酸化防止剤としては、2、6
−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC、
化7)が優れた性能を示すことが知られている。さらに
高温での熱酸化安定性を要求される場合には、分子量が
大きく昇華しにくいフェノール系酸化防止剤を用いるこ
とができる。その例としては、化8に示されるように、
化7のR73をプロピオン酸エステルで置換したもの
や、化9に示される4、4’−メチレン−ビス−(2、
6−ジ−tert−ブチルフェノール)等のヒンダード
フェノール系酸化防止剤を挙げることができる。
【0040】
【化7】
【0041】ここで、R71、R72及びR73は、水
素又は炭素数1〜20のアルキル基である。R71〜R
73は、同一でも異なっていてもよい。これらの中で、
及びR72がt−ブチル基、R73がメチル基で
あるDBPCなどを好適な例として挙げることができ
る。
【0042】
【化8】
【0043】ここで、R81、R82及びR83は、水
素又は炭素数1〜20のアルキル基である。R81〜R
83は、同一でも異なっていてもよい。これらの中で、
及びR82がt−ブチル基、R83が炭素数5〜
15のアルキル基などを好適な例として挙げることがで
きる。
【0044】
【化9】
【0045】ここで、R91、R92、R93及びR
94は、水素又は炭素数1〜20のアルキル基である。
91〜R94は、同一でも異なっていてもよい。これ
らの中で、R91、R92、R93及びR94がt−ブ
チル基である4、4’−メチレン−ビス−(2、6−ジ
−tert−ブチルフェノール)などを好適な例として
挙げることができる。
【0046】ナフチルアミン系酸化防止剤としては、フ
ェニル−1−ナフチルアミン(化10)を例として挙げ
ることができる。
【0047】
【化10】
【0048】ここで、R101及びR102は、水素又
は炭素数1〜20のアルキル基である。R101及びR
102は、同一でも異なっていてもよい。
【0049】アルキル化ジフェニルアミン系酸化防止剤
としては、例えば、p、p’−ジオクチルジフェニルア
ミン(化11)等を挙げることができる。
【0050】
【化11】
【0051】ここで、R111及びR112は、水素又
は炭素数1〜20のアルキル基である。R111及びR
112は、同一でも異なっていてもよい。これらの中
で、R 111及びR112が炭素数8のアルキル基から
なるp、p’−ジオクチルジフェニルアミンなどを好適
な例として挙げることができる。
【0052】酸化防止剤の添加量は、潤滑油基油に溶解
する範囲であって、潤滑油全重量に対し、0.1〜2質
量%であり、特には0.2〜1質量%が好ましい。添加
量が、この範囲未満では酸化防止能が十分でなく、この
範囲を超えても酸化防止能は飽和する。なお、酸化防止
剤は、上述のフェノール系酸化防止剤、ナフチルアミン
系酸化防止剤、アルキル化ジフェニルアミン系酸化防止
剤をそれぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用
いてもよい。
【0053】[他の添加剤]以上の添加剤の他に、本発
明の目的が損なわれない範囲で、従来から潤滑油に用い
られる防錆剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、金属不
活性化剤、消泡剤等を適宜添加することもできる。
【0054】防錆剤としては、スルホン酸塩、カルボン
酸、りん酸エステルなどを使用できる。粘度指数向上剤
としては、ポリアルキルメタクリレート、ポリイソブチ
レン、オレフィン共重合体などが挙げられる。また流動
点降下剤には、ポリアルキルメタクリレートやポリアル
キルナフタレンなどが例として挙げられる。金属不活性
化剤としては、例えばベンゾトリアゾール、トリルトリ
アゾール、炭素数2〜10の炭化水素基を有するベンゾ
トリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール、炭素数2〜
20の炭化水素基を有するイミダゾール誘導体、炭素数
2〜20炭化水素基を有するチアゾール誘導体、2−メ
ルカプトベンゾチアゾール等を挙げることができる。さ
らに消泡剤としては、シリコーン、ポリアクリレートな
どを使用してもよい。
【0055】
【実施例】以下、油圧作動油を実施例として本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定
されるものではない。潤滑油組成物の外観、諸性能は以
下に示す試験方法で求めた。
【0056】[試験方法] (1)色相(ASTM) JIS K2580に準じた。 (2)全酸価 JIS K2501に準じた。 (3)抗乳化性(54℃) JIS K2520に準じた。 (4)熱酸化試験 JIS K2514の内燃機関用潤滑油酸化安定度試験
(ISOT:165.5℃、96時間、銅及び鉄触媒)
に準拠して行った。また、生成するスラッジ量に対応す
る汚染度の測定は、JIS B9931に準拠して行っ
た。 (5)加水分解安定度試験 ASTM D2619(93.5℃、48時間、銅触
媒)に準拠して行った。
【0057】[実施例1〜3及び比較例1〜4]本発明
における実施例及び比較例の添加成分及び評価結果を表
1、2に示す。潤滑油組成物の添加量は、試験油に対す
る質量%で示している。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】[潤滑油基油] ※1:溶剤脱ろう基油 溶剤脱ろう基油であり、その動粘度は40℃において4
6mm/s、100℃において6.8mm/s、引
火点は222℃、硫黄分は0.15重量%、C%は
5.6%である。なお、C%はn−d−M環分析法に
より算出した。
【0061】※2:水素化改質基油 水素化改質基油であり、その動粘度は40℃において4
6mm/s、100℃において7.3mm/s、引
火点は223℃、硫黄分は15ppm以下、C%は
0.1%以下である。
【0062】[ジチオりん酸亜鉛] ※3:ZnDTP アルキル基の炭素数が8である1級アルキル基を有する
ジアルキルジチオりん酸亜鉛である。添加量は、ジアル
キルジチオりん酸亜鉛として0.4質量%、亜鉛として
0.03質量%とした。
【0063】[酸化防止剤] ※4:亜りん酸エステル トリス−(アルキル化フェニル)ホスファイト。
【0064】[分散剤] ※5:CaサリシレートA(全塩基価70mgKOH/
g) ※7:CaサリシレートB(全塩基価170mgKOH
/g) ※8:CaフィネートA (全塩基価180mgKOH
/g) ※9:CaサリシレートC(全塩基価280mgKOH
/g) ※10:CaフィネートB (全塩基価286mgKOH
/g) なお全塩基価はJIS K2501に準拠して求めた。
【0065】[防錆剤] ※6:Caスルホネート。
【0066】表1の実施例に示すとおり、ジチオりん酸
亜鉛を含む潤滑油組成物において、酸化防止剤としてフ
ェノール系酸化防止剤及び亜りん酸エステル、分散剤と
して低塩基性の金属系分散剤、特には全塩基価70mg
KOH/gのCaサリシレートを添加して使用すること
により、長期の熱酸化劣化におけるスラッジ分散性、及
び加水分解安定性を両立できることが明らかになった。
【0067】一方、分散剤として全塩基価が170mg
KOH/g以上の金属系分散剤を用いると、スラッジ分
散性、加水分解安定性を両立できないことが分かった。
【0068】
【発明の効果】本発明による潤滑油組成物は、所定量の
ジチオりん酸亜鉛、酸化防止剤(フェノール系及び亜り
ん酸エステル)、分散剤を含有するものであり、ジチオ
りん酸亜鉛の添加により十分な潤滑性が得られるととも
に、ジチオりん酸亜鉛の熱酸化劣化が少なく、かつ加水
分解によるスラッジを生じにくく長寿命である。特に、
劣悪な環境で使用される建設機械などの油圧機器用、変
速機用として好適に使用できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 159/22 C10M 159/22 159/24 159/24 // C10N 10:04 20:00 30:00 30:04 30:06 30:08 30:10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油及び/又は合成油からなる潤滑油基
    油に、ジチオりん酸亜鉛を亜鉛として0.005〜0.
    3質量%、アリールホスファイトを0.05〜1質量
    %、全塩基価が0〜150mgKOH/gの金属系分散
    剤を0.1〜2質量%、酸化防止剤を0.1〜2質量%
    含有する潤滑油組成物。
  2. 【請求項2】 前記ジチオりん酸亜鉛のアルキル基が、
    1級アルキル基である請求項1に記載の潤滑油組成物。
  3. 【請求項3】 前記金属系分散剤がサリシレート、フェ
    ネート、スルホネート、ホスホネート、カルボキシレー
    トから選ばれる1種以上であり、その塩がCa、Mg、
    Baから選ばれる1種以上である請求項1〜2いずれか
    一つの請求項に記載の潤滑油組成物。
  4. 【請求項4】 前記酸化防止剤が、フェノール系酸化防
    止剤である請求項1〜3いずれか一つの請求項に記載の
    潤滑油組成物。
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