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JPH11301105A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

Info

Publication number
JPH11301105A
JPH11301105A JP10125372A JP12537298A JPH11301105A JP H11301105 A JPH11301105 A JP H11301105A JP 10125372 A JP10125372 A JP 10125372A JP 12537298 A JP12537298 A JP 12537298A JP H11301105 A JPH11301105 A JP H11301105A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
layer
ink
aluminum
recording paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10125372A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Hirabe
俊幸 平部
Sanehiro Shibuya
修弘 渋谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yupo Corp
Original Assignee
Yupo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yupo Corp filed Critical Yupo Corp
Priority to JP10125372A priority Critical patent/JPH11301105A/ja
Publication of JPH11301105A publication Critical patent/JPH11301105A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクを速やかに吸収し、耐滲み性や耐水性
が良好で、且つ高い光沢のある画像を与えることができ
る水性インクジェット記録用紙を提供する。 【解決手段】 水性インクを用いて記録画像を形成する
インクジェット記録用紙において、該記録用紙が、
(A)表面光沢度(JIS Z−8741;60度測
定)が70%以上である熱可塑性樹脂フィルムを支持体
とし、この光沢度が70%以上の表面層に、(B)表面
光沢度(JIS Z−8741;60度)が70%以上
のアルミニウムアルコキシド、バインダー、吸水性樹脂
を含有するインク受理層を設けることを特徴とするイン
クジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクを速やかに
吸収し、耐滲み性や耐水性が良好で、且つ高い光沢のあ
る画像を与えることができる水性インクジェット記録用
紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、染料を水に溶解
した水性インクを用いる記録方式であり、近年その高速
性、低騒音性、多色印字の容易性、記録パターンの融通
性が大きいこと及び現像、定着が不要であること等を特
徴として、漢字を含むカラー図形情報のハードコピー装
置をはじめ、種々の用途において急速に普及している。
さらに、多色インクジェット方式により形成される画像
は通常の多色印刷、例えばオフセット印刷など、による
ものに比較して遜色なく、作成部数が少ない場合には通
常の製版方式によるものより安価なことから、インクジ
ェット記録方式を単なる記録用途に留めず、多色印刷や
カラー写真の分野にまで応用する試みが為されている。
【0003】記録媒体として普通紙やピグメント塗工紙
を使うべくインクジェット記録装置やインク組成の面か
ら努力が成されてきた。しかし、装置の高速化、高精細
化あるいはフルカラー化などインクジェット記録装置の
性能の向上や用途の拡大に伴い、記録媒体に対してもよ
り高度な特性が要求されるようになった。インク吸収性
を満足させるためにはインク受理層を構成する水溶性あ
るいは水分散性樹脂バインダーに加えて無機微細粉末を
配合(特開昭55−51683号公報、特開平7−89
216号公報)すると、表面の平滑性がさらに低くな
り、光沢の低い記録画像となり、今一つ見映えがしな
い。
【0004】プラスチックフィルムやラミネート紙のよ
うに高平滑なシート状支持体上にインク受理層を設けて
写真印画紙並の高い光沢の画像を得ることが試みられて
いるが、水溶性あるいは水分散性樹脂に加えて無機微細
粉末を配合すると高い光沢性を有する画像は得られな
い。また、支持体へのインク受理層の密着強度低下を招
く。この点を改良する方法として、スーパーカレンダー
やグロスカレンダーで紙面を仕上げる方法が一般的に使
用されている。しかしこの様な方法はインク受理層を圧
縮し、緻密にするためインク吸収性を低下させるという
欠点を伴う。
【0005】又、固形分100%の電子線あるいは紫外
線により硬化し得る不飽和有機化合物を使用してインク
ジェット記録用紙を作製することも特開平2−6717
7号公報、特開平4−69277号公報等に開示されて
いるが、この方法だとインクジェット記録後の高い光沢
は得られても、インク吸収性やインク吸収速度が悪く、
汎用性のある水性インクを用いるインクジェット記録用
紙は得られない。高い光沢画像が得られる記録用紙とし
て特公平3−25352号公報では、支持体として表面
光沢度がJIS P−8142(75度測定)で80%
以上のキャストコート紙、又はハンター白色度がJIS
P−8123で80%以上のプラスチックシート上
に、けん化度が50〜90モル%であるポリビニルアル
コールと対ポリビニルアルコール(固形分換算)5〜5
0重量%の架橋剤を含有する皮膜を形成することを特徴
とするインクジェット記録用紙が提案されている。
【0006】近時、屋外広告ポスター用紙、立て看板、
吊るし広告用紙等の印刷にも水性インクジェット記録が
利用されるようになったが、支持体としてパルプ抄造紙
を用いる用紙は、支持体として用いられているパルプ抄
造紙が吸水性であるので印字後の乾燥時間が長くなった
り、印字された記録紙にしわやカールが発生する、破損
し易い(特に屋外で雨に晒された場合)、等の問題が生
じていた。これを防ぐために、支持体として二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(特開平7−761
62号公報)を用いたり、無機微細粉末を含有する樹脂
延伸フィルムよりなる合成紙(特開平7−89218号
公報、特公平6−62003号公報)を用いることが提
案され、実用化されているが、高い光沢の画像を得るこ
とができない。高い光沢の画像を得るには、特公平3−
25352号公報で提案されているように高い表面光沢
度を有する樹脂製支持体を用いればよいが、支持体とイ
ンク受理層が剥離し易すく、実用性がない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクを速
やかに吸収し、耐滲み性や耐水性が良好で、且つ高い光
沢のある画像を与えることができる水性インクジェット
記録用紙の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、水性インクを
用いて記録画像を形成するインクジェット記録用紙にお
いて、該記録用紙が、表面光沢度(JIS Z−874
1;60度測定)が70%以上である熱可塑性樹脂フィ
ルムを支持体とし、この光沢度が70%以上の表面層
に、(B)表面光沢度(JIS Z−8741;60
度)が70%以上のアルミニウムアルコキシド、バイン
ダー、吸水性樹脂を含有するインク受理層を設けること
を特徴とするインクジェット記録用紙である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明のインクジェット記
録用紙について、更に詳細に説明する。 支持体(A) 支持体(A)は、JIS Z−8741規定の60度で
測定した表面光沢度が70%以上、好ましくは80%以
上の熱可塑性樹脂フィルム(i)である。熱可塑性樹脂
フィルム(i)に於いて、使用される熱可塑性樹脂とし
ては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のエ
チレン系樹脂、あるいはプロピレン系樹脂等のポリオレ
フィン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−
環状オレフィン共重合体、ナイロン−6、ナイロン−
6,6、ナイロン−6,T等のポリアミド系樹脂、ポリ
エチレンテレフタレートやその共重合体、ポリブチレン
テレフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリ
エステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポ
リスチレン、シンジオタクティックポリスチレン等の熱
可塑性樹脂が挙げられる。これらは2種以上混合して用
いることもできる。
【0010】これらの熱可塑性樹脂の中でも、非極性の
ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。更にポ
リオレフィン系樹脂の中でも、プロピレン系樹脂が、耐
薬品性、コストの面などから好ましい。
【0011】係るプロピレン系樹脂としては、プロピレ
ン単独重合体でありアイソタクティックないしはシンジ
オタクティック及び種々の程度の立体規則性を示すポリ
プロピレン、プロピレンを主成分とし、これと、エチレ
ン、ブテン−1、ヘキサン−1、ヘプタン−1、4−メ
チルペンテン−1等のα−オレフィンとの共重合体が使
用される。この共重合体は、2元系でも3元系でも4元
系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合
体であってもよい。
【0012】又、プロピレン単独重合体よりも融点が低
い樹脂、たとえば、高密度ないしは低密度のポリエチレ
ンを2〜25重量%配合することが好ましい。無機微細
粉末を添加する場合には、その具体例としては、炭酸カ
ルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、
酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ等、粒径が0.0
1〜15μm、好ましくは0.01〜5μmのものが使
用される。有機微細粉末としては、主成分である熱可塑
性樹脂とは異なる種類の樹脂を選択すれば良く、一例と
して熱可塑性樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂フィ
ルムである場合には、有機フィラーとしては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート、ナイロン−6,ナイロン−6,6、ナ
イロン−6,T、環状オレフィン、ポリスチレン、ポリ
メタクリレート等のポリオレフィン樹脂の融点よりは高
い融点(例えば170〜300℃)ないしはガラス転移
温度(例えば170〜280℃)有する重合体の微細粉
末が使用される。
【0013】更に必要により、安定剤、光安定剤、分散
剤、滑剤等を配合してもよい。安定剤として、立体障害
フェノール系やリン系、アミン系等の安定剤を0.00
1〜1重量%、光安定剤として、立体障害アミンやベン
ゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの光安定剤を
0.001〜1重量%、無機微細粉末の分散剤例えば、
シランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の
高級脂肪酸、金属石鹸、ポリアクリル酸、ポリメタクリ
ル酸ないしはそれらの塩等を0.01〜4重量%配合し
てもよい。
【0014】[樹脂フィルムの成形]熱可塑性樹脂フィ
ルムの成型方法は特に限定されず、公知の種々の方法が
使用できるが、具体例としてはスクリュー型押出機に接
続された単層または多層のTダイやIダイを使用して溶
融樹脂をシート状に押し出すキャスト成形、カレンダー
成形、圧延成形、インフレーション成形、熱可塑性樹脂
と有機溶媒やオイルとの混合物のキャスト成形またはカ
レンダー成形後の溶剤やオイルの除去、熱可塑性樹脂の
溶液からの成形と溶媒除去など、を挙げることができ
る。延伸する場合には、公知の種々の方法が使用できる
が、具体例としては、ロール群の周速差を利用した縦延
伸、テンターオーブンを使用した横延伸などを挙げるこ
とができる。
【0015】[延伸]延伸には、公知の種々の方法が使
用できるが、具体例としては、非結晶樹脂の場合は使用
する熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂
の場合には非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶
部の融点以下のそれぞれの熱可塑性樹脂に好適な公知の
温度範囲で行うことができ、ロール群の周速差を利用し
た縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧延、
テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる
同時二軸延伸などを挙げることができる。延伸倍率は、
特に限定されず、目的と使用する熱可塑性樹脂の特性に
より適宜選択される。例を挙げると、熱可塑性樹脂とし
てポリプロピレンないしはその共重合体を使用する時に
は、一方向に延伸する場合は約1.2〜12倍、好まし
くは2〜10倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で
1.5〜60倍、好ましくは10〜50倍である。その
他の熱可塑性樹脂を使用する時には、一方向に延伸する
場合は1.2〜10倍、好ましくは2〜5倍であり、二
軸延伸の場合には面積倍率で1.5〜20倍、好ましく
は4〜12倍である。更に、必要に応じて高温での熱処
理が施される。
【0016】延伸温度は使用する熱可塑性樹脂の融点よ
り2〜60℃低い温度であり、樹脂がプロピレン単独重
合体(融点155〜167℃)のときは152〜164
℃、高密度ポリエチレン(融点121〜134℃)のと
きは110〜120℃、ポリエチレンテレフタレート
(融点246〜252℃)のときは104〜115℃で
ある。また、延伸速度は20〜350m/分である。熱
可塑性樹脂フィルムが、無機微細粉末ないしは有機フィ
ラーを含有する場合、フィルム内部には微細な空孔が生
じるケースがある。
【0017】[樹脂フィルム]熱可塑性樹脂フィルム
は、熱可塑性樹脂を用い、延伸されたものでも、延伸さ
れていないものでも良い。また、単層で5重量%以下、
好ましくは3重量%以下の無機微細粉末や有機フィラー
を含有しているもの、含有していないものであって良
い。また、延伸された基層の少なくとも片面に延伸され
ていない樹脂層を設けたものであっても良い。熱可塑性
樹脂フィルム(i)がポリオレフィン系樹脂フィルムで
あり、単層である場合は、ポリオレフィン系樹脂95〜
100重量%、好ましくは97〜100重量%と、無機
微細粉末5〜0重量%、好ましくは3〜0重量%を含有
する樹脂組成物より成る樹脂フィルムを、上記成分のポ
リオレフィン系樹脂の融点より低い温度、好ましくは3
〜60℃低い温度で一軸方向、又は二軸方向に延伸する
ことにより、延伸樹脂フィルムが得られる。また、熱可
塑性樹脂フィルム(i)が多層構造であって基材層(i
i)のポリオレフィン系樹脂40〜100重量%と、無
機微細粉末60〜0重量%、好ましくは50〜0重量%
を含有する樹脂組成物より成る樹脂フィルムを基材層
(ii)のポリオレフィン系樹脂の融点より低い温度、
好ましくは3〜60℃低い温度で縦方向に延伸し、次い
で表面層(iii)がポリオレフィン系樹脂95〜10
0重量%、好ましくは97〜100重量%と、無機微細
粉末5〜0重量%、好ましくは3〜0重量%を含有する
樹脂組成物より成る樹脂フィルム表面層(iii)を基
材層の(ii)の少なくとも片面に積層して使用でき
る。
【0018】多層構造の基材層(ii)に含有される無
機ないしは有機の微細粉末が60重量%を越えては、縦
延伸後に行う横延伸時に延伸樹脂フィルムが破断し易
い。単層構造及び、多層構造の場合の表面層(iii)
に含有される無機ないしは有機の微細粉末5重量%を越
えては、横延伸後の表面層の光沢が不満足となるケース
がある。上記フィルムの中でより好ましいのは、焼成ク
レイ、重質炭酸カルシウムないしは軽質炭酸カルシウ
ム、酸化チタン及びタルク等の微細粉末を5〜60重量
%含有するポリオレフィン樹脂フィルムを一軸延伸し
て、この微細無機粉末粒子を中心として内部に無数の亀
裂を生じさせて半透明或いは不透明化せしめたものの表
面に5〜0重量%、好ましくは3〜0重量%の無機微細
粉末を含む樹脂組成物を積層形成したフィルム、たとえ
ば、特公平1−60411号、特開昭61−3748号
の各公報等に記載されているような、表面に無機微細粉
末を実質的に含まないポリオレフィン樹脂フィルム層を
形成した積層体である合成紙等が挙げられる。
【0019】(延伸後のフィルムの物性)この延伸後の
熱可塑性樹脂フィルムは、基材部分の次式(1)で示さ
れる空孔率が10〜50%、密度0. 650〜1. 20
g/cm3 、不透明度75%以上、ベック平滑度が50
〜25,000秒である物性を有する。
【式1】
【0020】本発明に使用する支持体(A)すなわち熱
可塑性樹脂フィルム(i)の肉厚は20〜350μm、
好ましくは35〜300μmである。支持体(A)すな
わち熱可塑性樹脂フィルム(i)の表面光沢度はJIS
Z−8741(60度)が70%以上、好ましくは8
0%以上である。表面光沢度が70%未満では、インク
受理層(B)の表面光沢を70%以上とすことが困難で
ある。支持体(A)の白色度は印刷画像の見映えの面か
ら80%以上が好ましい。
【0021】(B)インク受理層 インク受理層は、表面光沢度が70%以上、好ましくは
75%以上のものであり、以下に本インク受理層につい
て説明する。 受理層の構成成分 アルミニウムアルコキシド 受理層は親水性溶媒と、次の一般式(1)で示されるア
ルミニウムアルコキシドをゾルの状態で含有し、基材上
に塗被される間ないしは塗被された後に、含有されたア
ルミニウムアルコキシドが、ゾルゲル反応によりアルミ
ニウム水和物になるものである。 R1 (3-n) Al(OR2 n (1) (式中、R1 とR2 は、それぞれ独立して炭素数が1〜
6のアルキル基であり、nは2または3を表す。)
【0022】一般式(1)で示されるアルミニウムアル
コキシドとしては、例えば、アルミニウムトリイソプロ
ポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウム
トリエトキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシ
ド、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロポキ
シド、ジsec−ブトキシアルミニウムモノイソプロポ
キシド、モノsec−ブトキシアルミニウムジn−ブト
キシド、ジsec−ブトキシアルミニウムモノn−ブト
キシド、アルミニウムトリn−プロポキシド、イソプロ
ポキシアルミニウムn−プロポキシド、ジイソプロポキ
シアルミニウムn−プロポキシド、ジイソプロポキシア
ルミニウムn−プロポキシド、ジイソプロポキシアルミ
ニウムモノエトキシド、モノイソプロポキシアルミニウ
ムジエトキシド、ジsec−ブトキシアルミニウムモノ
メトキシド、ジイソプロポキシアルミニウムモノメトキ
シド、ジイソプロポキシアルミニウムモノヘキシルオキ
シド、モノn−プロポキシアルミニウムジエトキシド、
ジn−プロポキシアルミニウムモノエトキシド、モノs
ec−ブトキシアルミニウムジエトキシド、ジsec−
ブトキシアルミニウムモノエトキシド、アルミニウムト
リペンチルオキシド、アルミニウムエチルジイソプロポ
キシド、アルミニウムエチルジエトキシド、アルミニウ
ムエチルジブトキシド、アルミニウムイソプロピルジエ
トキシド、アルミニウムメチルジエトキシド等が挙げら
れる。これらの中でも、アルミニウムトリイソプロポキ
シド、アルミニウムトリsec−ブトキシド、アルミニ
ウムトリエトキシド、モノsec−ブトキシアルミニウ
ムジイソプロポキシドが特に好ましい。
【0023】バインダー 本発明の受理層に使用するバインダーの具体例として
は、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セル
ロース、ポリビニルホルムアミド、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体、スチレン・アクリル酸アルキルエステ
ル共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニル
アルコール共重合体、シラノール基を含むエチレン・ビ
ニルアルコール共重合体、ポリビニルピロリドン、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体あるいはその部分ケン化物、
メチルエチルセルロース、酸化でんぷん、ポリエチレン
ポリアミン、ポリエステル、ポリアクリルアミド、酢酸
ビニル共重合体、カチオン変性ポリウレタン樹脂、第3
級窒素含有アクリル系樹脂(特開昭62−148292
号公報)等が挙げられ、これらの中でも、好ましくは、
ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルホルムアミド、ヒドロキシプロピルセルロースであ
る。
【0024】バインダーの使用量は、アルミニウムアル
コキシドの種類と使用量に応じて適宜選択されるが、好
ましくは下記の式(1)で示す範囲である。即ち、アル
ミニウムアルコキシドの使用量を100重量部として、
これを使用するアルミニウムアルコキシドの分子量で除
して得られる商(モル数に相当)に60を乗じて得られ
る値をαとして、次式(1)で示す範囲であり、より好
ましくは、2α〜8α重量部の範囲である。 0.2α〜40α重量部 (1) (式中、α=6000/アルミニウムアルコキシドの分
子量、である。)
【0025】親水性溶媒 親水性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、1−プロパノール、2−プロパノール、イソブチル
アルコール、tert−ブチルアルコール、ジメチルエ
ーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、
フェネトール、メトキシトルエン、ジオキサン、トリオ
キサン、フラン、2−メチルフラン、テトラヒドロフラ
ン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル、アセトン、メチルエチ
ルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキ
サノン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸プロピル、ホルムアミド、メチルホルムアミ
ド、ジメチルホルムアミド等をが利用することができ、
これらは単独で、又は二種以上混合して用いられる。こ
れらの中でも、テトラヒドロフラン、ブタノール、イソ
プロピルアルアルコール、エチルアルコール、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、
メチルエチルエーテルが好ましい。親水性溶媒の使用量
は、アルミニウムアルコキシドの種類や、バインダーの
種類、量比に応じて、適宜選択されるが、好ましくはア
ルミニウムアルコキシドの使用量を100重量部とし
て、300〜10,000重量部、さらに好ましくは、
900〜4,000重量部の範囲である。
【0026】吸水性樹脂 吸水性樹脂としては、例えば、自重の5〜2000倍、
好ましくは100〜1500倍の水吸収能力を有する樹
脂粒子である。具体的には、架橋ポリアクリル酸ナトリ
ウム、架橋ポリアクリル酸リチウム、架橋ポリアクリル
酸カリウム、ビニルアルコール−アクリルアミド共重合
系ポリマー、アクリル酸ナトリウム−アクリルアミド共
重合系ポリマー等やカルボキシメチルセルロースやアク
リル酸グラフト化セルロース、アクリロニトリルグラフ
ト化澱粉の加水分解物やアクリル酸グラフト化物、イソ
ブチレン−無水マレイン酸共重合系ポリマー、ビニルア
ルコール−アクリル酸共重合系ポリマー、ポリエチレン
オキサイド変性物、ポリジアリルジメチルアンモニウム
塩、ポリアクリル酸エステル四級アンモニウム塩等が挙
げられ、これらの1種以上を用いることができる。これ
らのうちで好ましくは、架橋ポリアクリル酸ナトリウ
ム、イソブチレン−無水マレイン酸共重合系ポリマーで
あり、より好ましくは架橋ポリアクリル酸ナトリウムで
ある。
【0027】吸水性樹脂粒子の平均粒子径としては、
0.1〜50μmのものが良く、均一かつ速やかなイン
ク吸収性と解像度の面から好ましくは0.5〜30μm
で、より好ましく1〜20μmである。吸水性樹脂の使
用量は、アルミニウムアルコキシドの種類や、バインダ
ーの種類、量比に応じて、適宜選択されるが、好ましく
はアルミニウムアルコキシドの使用量を100重量部と
して、0.1〜150重量部、好ましくは10〜120
重量部の範囲である。使用量が0.1重量部未満では、
印字の乾燥を速くする効果が不充分であり、150重量
部を超えると、印字の滲みが目立ち、受理層の強度が著
しく弱くなる。
【0028】安定化剤 本発明の受理層には、受理層自体の保存安定性向上の観
点から、安定化剤を使用することができる。安定化剤の
具体例としては、例えば、アセト酢酸メチル、アセト酢
酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル、ア
セト酢酸ヘキシル、プロパノイル酢酸メチル、プロパノ
イル酢酸エチル、プロパノイル酢酸プロピル、プロパノ
イル酢酸ブチル、ブタノイル酢酸エチル、ベンゾイル酢
酸メチル、ベンゾイル酢酸エチル等のβ−ケト酸エステ
ル;アセト酢酸、プロパノイル酢酸、ブタノイル酢酸、
ベンゾイル酢酸等のβ−ケト酸;アセチルアセトン、プ
ロパノイルアセトン、ブタノイルアセトン、ペンタノイ
ルアセトン、ヘキサノイエルアセトン、ベンゾイルアセ
トン、ペンタン−3,5−ジオン、オクタン−3,5−
ジオン等のβ−ジケトン等のβ−ジケトン構造を持つ化
合物;メチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロ
ピレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソ
プロピレート、プロピルアセトアセテートアルミニウム
ジイソプロピレート、イソプロピルアセトアセテートア
ルミニウムジイソプロピレート、ブチルアセトアセテー
トアルミニウムジイソプロピレート、ヘキシルアセトア
セテートアルミニウムジイソプロピレート、sec−ブ
チルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレー
ト、メチルアセトアセテートアルミニウムジ−sec−
ブチレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジ−
sec−ブチレート、プロピルアセトアセテートアルミ
ニウムジ−sec−ブチレート、イソプロピルアセトア
セテートアルミニウムジ−sec−ブチレート、ブチル
アセトアセテートアルミニウムジ−sec−ブチレー
ト、sec−ブチルアセトアセテートアルミニウムジ−
sec−ブチレート、アルミニウムモノアセチルアセト
ネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム
トリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリ
ス(アセチルアセトネート)、アルミニウムモノイソプ
ロポキシモノオレイルオキシエチルアセトアセテート等
のアルミニウムキレート化合物等が挙げられる。これら
の中で、好ましくは、β−ジケトン構造を持つ化合物で
あり、更に好ましくは、脂肪族β−ケト酸のエステルで
ある。これらの化合物は、2種以上を併用することもで
きる。
【0029】受理層に使用する安定化剤の量は、アルミ
ニウムアルコキシド使用量をその分子量で除して得られ
るモル数との比により決められる。アルミニウムアルコ
キシド1モルに対して0.05〜1モル、好ましくは
0.05〜0.7モル、より好ましくは0.2〜0.6
モルの範囲である。使用量が0.05モル未満では安定
剤の効果が不十分であり、また1モル超ではゾル−ゲル
反応の速度が遅く、工業生産上不利である。
【0030】架橋剤 本発明の受理層に使用する架橋剤は、同一分子内にエチ
レン性不飽和基を複数有する化合物である。以下に示す
具体例のうち「(メタ)アクリレート」とは、アクリレ
ート及びメタクリレートを示す。具体例としては、例え
ば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,
3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2
−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−
ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフ
ェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイ
ド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ
トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
ジアリルフタレート、ジアリルフタレート等、プロパン
−1,2−ジオールやプロパン−1,2,3−トリオー
ル、ペンタエリスリトール、2−メチルプロパン−1,
2,3−トリオール、ジトリメチロールプロパン等の多
価アルコールに脂肪族ないしは芳香族成分を含むポリエ
ステルオリゴマーを結合させ、末端を(メタ)アクリル
酸とのエステルとした分子量1000〜10000の範
囲の多官能オリゴマー、プロパン−1,2−ジオールや
プロパン−1,2,3−トリオール、ペンタエリスリト
ール、2−メチルプロパン−1,2,3−トリオール、
ジトリメチロールプロパン等の多価アルコールに不飽和
のポリエステルオリゴマーを結合させた分子量1000
〜10000の範囲の多官能オリゴマーやその末端を
(メタ)アクリル酸とのエステルとした分子量1000
〜10000の範囲の多官能オリゴマー、ビスフェノー
ル−A、ビスフェノール−F、2,2,2−トリ(4−
ヒドロキシフェニル)エタン等の多価フェノールにエピ
クロロヒドリンを反応させて得られるオリゴマーの末端
を(メタ)アクリル酸とのエステルとした分子量100
0〜10000の範囲の多官能オリゴマー等が挙げられ
る。これらは、単独でもまた複数を組み合わせて用いて
も良い。これらの中で、好ましくは、ペンタエリスリト
ールに脂肪族ないしは芳香族成分を含むポリエステルオ
リゴマーを結合させ、末端を(メタ)アクリル酸とのエ
ステルとした分子量1000〜10000の範囲の多官
能オリゴマーと、ビスフェノール−Aにエピクロロヒド
リンを反応させて得られるオリゴマーの末端を(メタ)
アクリル酸とのエステルとした分子量1000〜100
00の範囲の多官能オリゴマーである。
【0031】架橋剤を使用する場合の使用量は、次式
(2)で示す範囲であり、好ましくは2α〜8α重量部
の範囲であり、且つ、上記バインダー使用量と同量また
は少ない量、より好ましくはバインダーの半分以下の量
である。 0.2α〜40α重量部 (2) (式中、α=6000/アルミニウムアルコキシドの分
子量、である。) 使用量が0.2α重量部未満では架橋効果が不充分であ
り、また40α重量部を超えると塗被された被記録材に
水性インクジェットプリントをする際に印字部のインク
の吸収や乾燥が遅くなる。また、バインダーの使用量を
超えても、同様の傾向となる。
【0032】水酸基含有不飽和化合物 本発明の受理層材料の架橋剤に、水酸基含有不飽和化合
物を併用することは、支持体上に形成された受理層の強
度向上や支持体との接着向上に有効である。水酸基含有
不飽和化合物としては、水酸基と不飽和基、すなわち、
架橋剤と共重合可能な炭素−炭素二重結合とを同一分子
内に含有する化合物である。水酸基を含有する不飽和化
合物としては、例えば、α,β−不飽和カルボン酸のヒ
ドロキシ基含有エステル、すなわち、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル−3−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,2−ビス
ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、炭
素数4〜40のエチレングリコールのオリゴマーのアク
リル酸エステルやメタクリル酸エステル〔ただし(メ
タ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレート
を意味する〕等が挙げられ、
【0033】また、N−メチロールアクリルアミド、N
−メチロールメタクリルアミド、さらに、ビス(2−ヒ
ドロキシエチル)マレート、ビス(2−ヒドロキシプロ
ピル)マレート、ビス(2,3−ジヒドロキシプロピ
ル)マレート、ビス(2−ヒドロキシメチル−2−ヒド
ロキシプロピル)マレート、ビス(2,2−ビスヒドロ
キシメチル−3−ヒドロキシプロピル)マレート、並び
にこれらの異性体等であり、フマレート、炭素数4〜4
0のエチレングリコールまたはプロピレングリコールの
オリゴマーのマレイン酸もしくはフマル酸エステルは、
上述のように、両方のカルボン酸がヒドロキシアルキル
基のエステルでなく、一方の場合も同様の化合物として
例示することができる。
【0034】さらにまた、アリルアルコール、クロチル
アルコール、4−(2−ヒドロキシエチル)スチレン、
3−(2−ヒドロキシエチル)スチレン、4−(ヒドロ
キシメチル)スチレン、3−(ヒドロキシメチル)スチ
レン、4−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレ
ン等が挙げられる。以上の水酸基含有不飽和化合物は、
単独または2種以上併用して用いることができる。これ
らのなかで、受理層の強度向上の観点から、好ましく
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートである。
【0035】水酸基含有不飽和化合物を使用する場合の
使用量は、次式(3)で示される範囲であり、好ましく
は、2α〜8α重量部の範囲であり、且つ、上記バイン
ダー使用量と等重量以下、より好ましくは、バインダー
の半分以下の量である。 0.2α〜40α重量部 (3) (式中、α=6000/アルミニウムアルコキシドの分
子量、である。) 使用量が0.2α重量部未満では、受理層の強度向上や
支持体との接着改善の効果が不充分であり、また40α
重量部を超えると、塗被された被記録材に水性インクジ
ェットプリントをする際に印字部のインクの吸収や乾燥
が遅くなる。また、バインダーの使用量を超えても、同
様の傾向となる。
【0036】その他の単量体 本発明の受理層材料には、必要に応じて、架橋剤と反応
可能なその他の単量体を使用することができる。その他
の単量体の具体例としては、例えば、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート
等[但し、(メタ)アクリレートは、アクリレート及び
メタアクリレートを意味する。]の(メタ)アクリル酸
エステル;スチレン、α−メチルスチレン、α−メトキ
シスチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、2,
4,6−トリメチルスチレン、クロロスチレン、ジクロ
ロスチレン、ブロモスチレン、ニトロスチレン、クロロ
メチルスチレン、シアノスチレン、t−ブチルスチレ
ン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル系単量体;アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノビニル系
単量体;酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体;メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニ
ルエーテル等のビニルエーテル系単量体;複素環含有ビ
ニル化合物;等が挙げられる。これらは二種以上併用し
てもよい。その他の単量体の使用量は架橋剤重量の20
重量%以下の範囲である。
【0037】開始剤 開始剤としては、紫外線や、電子線、電離放射線の照射
による架橋剤のラジカル重合開始の効率を高めるもので
あり、具体例としては、例えば、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン、ベンゾイル、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイ
ソプロピルエーテル等のベンゾイン類;ジエトキシアセ
トフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン等
のアセトフェノン類;チオキシサンソン、2−クロルチ
オキサンソン等のチオキサンソン類等が挙げられる。開
始剤を使用する場合の配合量は、アルミニウムアルコキ
シド100重量部に対して、0.05〜20重量部、好
ましくは1〜15重量部の範囲である。配合量が0.0
5重量部未満では開始剤の効果が不充分であり、20重
量部を超えると塗被された後の受理層に変色が起こり易
い。
【0038】水 本発明の受理層においては、含有するアルミニウムアル
コキシドの加水分解により、アルミニウム酸化物が生成
してゆく。加水分解に必要な水分は、塗被前の受理層へ
の添加ないしは基材上への塗被中や塗被後に供給されて
もよく、また空気中の水蒸気や加湿により供給されても
よい。また、水を含有するマイクロカプセルからの放出
させるという方法であってもよい。
【0039】塗被前ないしは、塗被工程にて水が添加さ
れる場合には、水の使用量はそのモル数で示され、使用
されるアルミニウムアルコキシド1モルに対して2モル
以下、より好ましくは、1.2モル以下である。アルミ
ニウムアルコキシド1モルに対して2モル超の水の添加
は、受理層の保存安定性を低下させる。水の添加量がア
ルミニウムアルコキシドの加水分解とそれに続く縮合反
応での化学量論量以下であっても塗被工程ないしはその
後に空気中の水蒸気が受理層に拡散して反応を進めてゆ
くので問題はない。
【0040】受理層の製造方法 本発明の受理層形成材料は、親水性有機溶媒にアルミニ
ウムアルコキシドおよび他の成分が溶解しているもので
ある。溶解の方法としては、親水性溶媒に、構成成分の
少なくとも一部を逐次または同時に添加して撹拌する、
構成成分をそれぞれに親水性溶媒に溶解して溶液とした
のち加え合わせる、構成成分の少なくとも一種と残りの
成分をそれぞれ親水性溶媒に溶解して溶液としたのち加
え合わせる、あらかじめ濃厚溶液としたのち希釈する、
あらかじめ希薄溶液としたのち親水性溶媒の一部を除去
して適度な濃度とする、などの種々の方法が可能であ
り、製造プロセスや条件に合わせて種々の選択が可能で
ある。同一容器にて各成分を順次添加する場合には、製
造時のアルミニウムアルコキシドの加水分解を抑制する
という観点から添加の順は、好ましくは、親水性溶媒に
対して、バインダー、必要に応じてキレート剤、次にア
ルミニウムアルコキシド、次いで必要に応じて少量の
水、更に吸水性樹脂の順である。
【0041】ゾル・ゲル反応:基材表面層側に、次の一
般式(1)で示されるアルミニウムアルコキシドを親水
性溶媒に溶解した溶液をアルミニウムアルコキシドが
0.3〜30g/m2 、好ましくは1〜15g/m2
なる量塗布し、次いで親水性溶媒を揮散させて多孔質の
アルミニウム水和物の薄膜(0.1〜20μm)を基材
の表面に形成させることにより目的とする被記録材を製
造する。 R1 (3-n) Al(OR2 n (1) (式中、R1 とR2 は、それぞれ独立して炭素数が1〜
6のアルキル基であり、nは2または3を表す。) 大気中の水分、或いは親水性有機溶媒中に含有される水
分を吸収して、該水分により、アルミニウムアルコキシ
ドは加水分解し、縮合し、基材表面に多孔質のアルミニ
ウム酸化物、アルミニウム水酸化物等からなるベーマイ
ト層ないしは擬ベーマイト層が形成される。
【0042】アルミニウムアルコキシドとしてアルミニ
ウムトリsec−ブトキシドを用いた場合の例(実施例
1参照)に採ると、それらの反応は次式で示される。 Al〔OCH(CH3 )(C2 5 )〕3 +3H2 O → Al(OH)3 +3CH3 2 5 CHOH 〔1〕 Al(OH)3 +Al(OH)3 → (HO)2 Al−O−Al(OH)2 +H2 O 〔2〕 (HO)2 Al−O−Al(OH)2 +Al(OH)3 → (HO)2 Al−O−Al(OH)−O−Al(OH)2 +H2 O 〔3〕
【0043】支持体へのインク受理層の形成は、上記成
分を含有する塗工剤を支持体(A)に5〜50g/
2 、好ましくは10〜40g/m2 (固型分量)の割
合で塗布し、乾燥させることにより得られる。必要によ
り乾燥した塗工層の表面にスーパーカレンダー処理を行
って塗工層(インク受理層)を平滑にする。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。 支持体(A)の製造例 (例1) (1) メルトフローレート(MFR)1.2g/10
分のポリプロピレン(融点164℃)80重量%に、高
密度ポリエチレン3.5重量%及び平均粒径1.5μm
の炭酸カルシウム16重量%、チタンホワイト0.5重
量%を混合した組成物(A)を270℃に設定した押出
機にて混練した後、シート状に押し出し、冷却装置によ
り冷却して、無延伸シートを得た。そして、このシート
を140℃の温度にまで再度加熱した後、縦方向に5倍
延伸した。
【0045】(2) MFRが4.0g/10分のポリ
プロピレン55重量%と、平均粒径1.5μmの炭酸カ
ルシウム44.5重量%、チタンホワイト0.5重量%
を混合した組成物(B)を別の押出機にて混練させた
後、ストランド状に押し出してカッティングし、ペレッ
トとした。次いで、この組成物(B)と、MFRが4.
0のポリプロピレン(C)とを別個の押出機にて溶融混
練させた後、これをダイ内で二層に積層したものを、上
記(1)の組成物(A)からなる延伸フィルムの両側
に、ポリプロピレン(C)が外側になるように積層し
て、五層構造の積層フィルムを得た。
【0046】次いで、この五層構造の積層フィルムを6
0℃まで冷却した後、再び約160℃の温度にまで加熱
して、テンターを用いて横方向に7.5倍延伸し、16
5℃の温度でアニーリング処理して、60℃の温度にま
で冷却し、コロナ放電処理した後耳部をスリットして肉
厚が120μm(C/B/A/B/C=10μm/10
μm/80μm/10μm/10μm)、の五層構造の
合成紙を得た。各層のボイド率は(C/B/A/B/C
=0%/45%/16%/45%/0%)であった。
又、この表面層Cの表面光沢度は、76.8%であっ
た。
【0047】(例2)肉厚が150μm、表面光沢度
8.7%のプロピレン系樹脂延伸積層フィルムよりなる
合成紙“ユポFPG−150”(王子油化合成紙(株)
製:商品名)を用いた。
【0048】(例3)240℃に設定した中心層用押出
機と、同じく240℃に設定した表裏層用押出機を接続
した3層のTダイを用い、中心層よりメルトフローレー
ト(MFR)3.5g/10分のポリプロピレンに平均
粒径1.5μmの炭酸カルシウム15重量%、チタンホ
ワイト0.5重量%を配合した組成物(A)を、表裏の
層よりMFR4.5g/10分のポリプロピレン(B)
を、3層構造のシート状に押し出し、冷却装置にて冷却
して無延伸シートを得た。各層の押出量の比率は、B/
A/Bの順に10/80/10の3層構造のシートを得
た。次いでこのシートを135℃の温度に加熱して、周
速の異なるロール群からなる縦延伸機で縦方向に5倍延
伸した。ついで、この縦延伸シートをコロナ放電処理し
た後耳部をスリットして肉厚が150μm(B/A/B
=30μm/90μm/30μm)の3層構造の合成紙
を得た。この表面層の表面光沢度は78.2%であっ
た。
【0049】(B)インク受理層の製造例 (例1)イソプロピルアルコール67.6gに対してポ
リビニルピロリドン4.36g(K−90、ISP T
echnology Inc.製:商品名)を撹拌溶解
させた後、アセト酢酸エチル1.30gを加え、次いで
アルミニウムトリsec−ブトキシド4.92gを加え
溶解させた。この溶液に0.15gの水を加え1時間加
水分解を行った。この溶液にアクリレートオリゴマー
3.0g(フォトマー5018、サンノプコ製:商品
名)を加え、更に吸水性樹脂0.7g(サンフレシュS
T−100SP、三洋化成工業製:商品名)と光開始剤
として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
(イルガキュア184、日本チバガイキー社製:商品
名)0.3g加え溶解させた。
【0050】(例2)イソプロピルアルコール67.6
gに対してポリビニルピロリドン4.36g(K−9
0、ISP Technology Inc.製:商品
名)を撹拌溶解させた後、アセト酢酸エチル1.30g
を加え、次いでアルミニウムトリiso−ブトキシド
4.41gを加え溶解させた。この溶液に0.15gの
水を加え1時間加水分解を行った。その後、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート1.2g、エチレングリコー
ルジメタクリレート1.7gを加え、次いで吸水性樹脂
0.7g(サンフレッシュST−100SP、三洋化成
製:商品名)と光開始剤として1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン(イルガキュア184、日本チバ
ガイキー製:商品名)を0.3g加え溶解させた。
【0051】 (例3) 水澤化学工業社製のゲル型シリカ(ミズカシルP−78D) 80重量部 エンゲルハード社製の焼成クレイ(アンシレックス93) 20重量部 クラレ製のポリビニルアルコール(PVA−117) 10重量部 ポリアミドポリアミンのエピクロルヒドリン付加物 5重量部 エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン(固形分40重量%)100重量部 4級アンモニウム塩を含むアクリル共重合体エマルジョン(固形分25重量%) 40重量部 以上の組成を固形分濃度が12重量%となるように水で
希釈した。
【0052】(実施例1)例1で得た支持体の表面層
に、例1で得たインク受理層をバーコーターを用いて、
塗布と90℃のオーブン中で5分間乾燥を3回繰り返
し、インク受理層をもつインクジェット記録用紙を得
た。このインクジェット記録用紙の表面光沢度は79%
であった。又、このインクジェット記録用シートに、イ
ンクジェットプリンタ(エプソン(株)製 マッハジェ
ットMJ−700C)で記録を行った場合のベタ部分の
光沢、インク発色、耐水性を以下に示す方法で評価し
た。 (1)光沢 イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラーインク
で発色させたベタ部分と白紙部分について、JIS Z
−8741の方法(入射角60度、受光角60度の鏡面
光沢度)に従い、グロスメーター(スガ試験機(株)製
UCV−5D)で測定し10回の測定値を平均した。
【0053】(2)インク発色 イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラーインク
で網点率10%の印字部分について、倍率100倍の光
学顕微鏡でドット形状を観察し、目視で下記の3段階に
評価した。 ○:真円 △:偏平した円 ×:円として判別できない
【0054】(3)耐水性 イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラーインク
で発色させたベタ部分を充分な量の水道水(水温25
℃)の中に24時間浸漬させた後、紙面を風乾しインク
の残留程度を目視判定した。 インク残留率:100〜80% 良好 (○) 80〜50% やや良 (△) 50〜 0% 不良 (×) 実施例1の結果を表−1に示す。
【0055】(比較例1)合成紙として例2のものを用
い、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得
た。このインクジェット記録用紙の表面光沢度は64%
であった。
【0056】(実施例2)例3で得た支持体の表面層
に、例2で得たインク受理層を実施例1と同様にしてイ
ンクジェット記録用紙を得た。このインクジェット記録
用紙の表面光沢度は80%であった。
【0057】(比較例2)合成紙として例3のものを用
い、例3で得たインク受理層をバーコーターを用いて固
形分含量が30g/m2 となるように塗布し、乾燥した
後、スーパーカレンダーで平滑処理を行ってインクジェ
ット記録用紙を得た。このインクジェット記録用紙の表
面光沢度は24%であった。
【0058】(比較例3)合成紙として例1のものを用
い、大日本インキ化学工業(株)製カチオン性変性ポリ
ウレタン樹脂(パテラコールIJ−2;商品名)をバー
コーターを用いて塗工量が20g/m2 になるように、
塗工し、乾燥してインクジェット記録用紙を得た。以上
の結果を表−1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、インクを速やかに吸収
し、耐滲み性や耐水性が良好で且つ高い光沢のある画像
を与えることができる水性インクジェット記録用紙を提
供できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性インクを用いて記録画像を形成する
    インクジェット記録用紙において、該記録用紙が、
    (A)表面光沢度(JIS Z−8741;60度測
    定)が70%以上である熱可塑性樹脂フィルムを支持体
    とし、この光沢度が70%以上の表面層に、(B)表面
    光沢度(JIS Z−8741;60度)が70%以上
    のアルミニウムアルコキシド、バインダー、吸水性樹脂
    を含有するインク受理層を設けることを特徴とするイン
    クジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 支持体(A)が、無機微細粉末を0〜3
    0重量%含有する少なくとも一方向に延伸された樹脂フ
    ィルムを基材層とし、この表裏面に、無機微細粉末を8
    〜65重量%の割合で含有する樹脂の一軸延伸フィルム
    を紙状層とし、この紙状層の少なくとも一方の表面に、
    無機微細粉末を0〜3重量%含有する樹脂の一軸延伸フ
    ィルムを表面層とする複層合成紙であることを特徴とす
    る請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】 支持体(A)が、プロピレン系樹脂フィ
    ルムであることを特徴とする請求項1又は2記載のイン
    クジェット記録用紙。
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JP2009067013A (ja) * 2007-09-18 2009-04-02 Dainippon Printing Co Ltd 中間転写記録媒体、及び転写された被転写体

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