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JPH11293522A - 溶融液晶性ポリエステル繊維及びその製造方法 - Google Patents

溶融液晶性ポリエステル繊維及びその製造方法

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Publication number
JPH11293522A
JPH11293522A JP10240398A JP10240398A JPH11293522A JP H11293522 A JPH11293522 A JP H11293522A JP 10240398 A JP10240398 A JP 10240398A JP 10240398 A JP10240398 A JP 10240398A JP H11293522 A JPH11293522 A JP H11293522A
Authority
JP
Japan
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liquid crystalline
crystalline polyester
molten liquid
fiber
less
Prior art date
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Pending
Application number
JP10240398A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoji Ono
陽二 小野
Junyo Nakagawa
潤洋 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
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Publication of JPH11293522A publication Critical patent/JPH11293522A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的性能に優れ、かつ細デニール(具体的
には3d以下、特に1d以下)の溶融液晶性ポリエステ
ル繊維及びその効率的な製造方法を提供する。 【解決手段】 溶融液晶性ポリエステルに該溶融液晶性
ポリエステルと非相溶であるポリマーを0.1〜5重量
%配合した混合物を紡糸して繊度が3d以下の溶融液晶
性ポリエステル繊維を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細デニール溶融液晶性
ポリエステル繊維及びその効率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶融液晶性ポリエステル繊維は高
強度高弾性率を有していることが知られており、様々な
用途への展開が行われている。しかしながら、溶融液晶
性ポリエステル繊維は溶融紡糸したのみで高度に配向結
晶化しているため、さらに延伸を行って繊度を小さくす
ることができない問題があった。一般に、高度に延伸す
ると配向結晶化及び細デニール化が進行するが、紡糸原
糸の段階で高度に配向結晶化している溶融液晶性ポリエ
ステル繊維には、このような技術は適用できない。以上
のことから、細デニールの溶融液晶性ポリエステルを得
るための方法が検討されている。
【0003】たとえば、海島型繊維を紡糸したのち、海
成分を溶剤によって溶出または分解剤で分解除去し、島
成分のみを極細繊維をして得る方法や、非相溶な2成分
以上のポリマーからなる複合繊維を紡糸した後、薬液や
衝撃等の作用によりポリマー間をバラバラに分割して極
細繊維を得る方法などが特開昭54―77691号公
報、特公平1―174408号公報等に開示されてい
る。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では溶融紡糸の段階で複雑な構造の特殊な紡糸口金
が必要であること、溶出や分割等のための特殊な工程が
必要であること等のために工業的生産においてコストが
極めて高くなる問題がある。これに対して、細デニール
化を達成するために、直径0.1mm以下の細孔ノズル
を用い、ポリマーの溶融粘度、ノズル通過時の剪断速
度、ノズルにおける吐出線速度、巻取速度、ドラフト、
紡糸ノズル温度及び急冷条件を特定の範囲として紡糸す
る方法が特開平6―166909号公報に開示されてい
る。しかしながらかかる方法では生産効率が低く、また
繊度が小さくなると断糸等が発生しやすくなり、効率的
に製造できる繊維のデニールには限界があった。
【0004】また溶融粘度500poise以下の溶融
液晶性ポリエステルを配合して3デニール以下の繊維を
製造することが特開平6―257015号公報に開示さ
れているが、かかる方法により細デニール繊維を得るに
は溶融粘度500poise以下の溶融液晶性ポリエス
テルを多量に配合する必要があるため、曳糸性や繊維性
能が低下しやすくなる問題があり、特に1d以下の繊維
を工業的に生産するのは実質的に困難であった。本発明
の目的は、以上の問題を鑑み、3d以下、特に1d以下
の溶融液晶性ポリエステル繊維を高い繊維性能を損うこ
となく効率的に提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 溶融
液晶性ポリエステルを含む繊維であって、該溶融液晶性
ポリエステルと非相溶であるポリマーを0.1〜5重量
%含み、かつ繊度が3d以下である溶融液晶性ポリエス
テル繊維、(2) 溶融液晶性ポリエステルを含む繊維
であって、該溶融液晶性ポリエステルと非相溶であるポ
リマーを0.1〜5重量%含み、かつ繊度が1d以下で
ある溶融液晶性ポリエステル繊維、(3) 溶融液晶性
ポリエステルを含む繊維であって、メタクリレート系ポ
リマーを0.1〜5重量%含む請求項1又は請求項2に
記載の溶融液晶性ポリエステル繊維、(4) 溶融液晶
性ポリエステル95〜99.9重量部及び該液晶性ポリ
エステルと非相溶であるポリマーを0.1〜5重量部含
む混合物を、吐出線速度と巻取速度の比(ドラフト)5
0以上、巻取速度1500〜9000m/分で溶融紡糸
する繊度3d以下の溶融液晶性ポリエステル繊維の製造
方法、に関する。
【0006】本発明に用いられる異方性溶融相を形成し
得る芳香族ポリエステルとしては、例えば芳香族ジオー
ル、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸
等より得られるポリマーであり、好適には化1〜化3に
示す反復構成単位の組み合わせからなるポリマーが挙げ
られる。
【0007】
【化1】
【0008】
【化2】
【0009】
【化3】
【0010】溶融液晶性ポリエステルの融点Tmは、紡
糸性等の点から260〜360℃、特に270〜320
℃であるのが好ましい。とりわけ好ましくは、化3に示
す(A)、(B)の構成単位から成る部分が60モル%
以上である溶融液晶性ポリエステルであり、特に(A)
と(B)の合計量に対する(B)の成分が5〜45モル
%である芳香族ポリエステルが紡糸性や繊維物性等の点
でもっとも好ましい。成分中には、その強力が実質的に
低下しない範囲で、他のポリマーあるいは添加剤(顔
料、カーボン、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、蛍光増
白剤等)を含んでいても良い。
【0011】本発明は、溶融液晶性ポリエステルに対し
て非相溶のポリマー(以下単に非相溶性ポリマーと称す
場合がある)を少量配合することにより、高い繊維性能
を損うことなく細デニール繊維を効率的に製造できるこ
とを見出したものである。非相溶性ポリマーを配合する
ことにより細デニール繊維が得られる理由は明らかでは
ないが、非相溶性ポリマーが滑剤として作用し、伸長流
動性が変化することによって配向結晶化が抑制され、細
デニール化が容易になるものと推定される。本発明によ
れば3デニール以下、特に1デニール以下、さらに0.
6d以下の繊維を効率的にかつ繊維性能を実質的に損う
ことなく製造できる。
【0012】なお本発明にいう非相溶性ポリマーとは、
該ポリマーを溶融液晶性ポリエステルに配合しこれを透
過型顕微鏡(TEM)で観察した際、溶融液晶性ポリエ
ステル相中に島成分(粒子状)となって存在するポリマ
ーをいう。相溶性の高いポリマーを用いた場合には本発
明の効果は得られない。本発明においては、溶融液晶性
ポリエステル中に非相溶性ポリマーが微分散しているの
が好ましく、非相溶性ポリマーにより形成された島の直
径が3μm以下、特に1μm以下であるのが好ましい。
【0013】本発明に使用できる非相溶性ポリマーは特
に限定されないが、繊維の諸性能に与える影響が小さ
く、かつ曳糸性及び繊維性能を大きく損うことなく細デ
ニール繊維が得られることから特に化4に示された繰り
返し単位を有するものを用いるのが好ましい。なおここ
でR1、R2はC、H、N、O、S、P、ハロゲン原子
から選ばれた任意の原子を組み合せてなる置換基であ
り、nは1以上の整数を示す。細デニール化の点からは
R1とR2の分子量の和は40以上であるのが好まし
く、非相溶性ポリマーの分子量は1000以上であるの
が好ましい。
【0014】
【化4】
【0015】具体的にはポリメタクリレート及びその誘
導体、ポリアクリレート及びその誘導体、ポリスチレン
及びその誘導体、ポリ(4―メチルー1―ペンテン)、
ポリオクタジセンー1、ポリビニルベンジル及びその誘
導体等が挙げられる。特にメタクリレート系ポリマー及
び/又はスチレン系ポリマーを用いるのが好ましく、な
かでもメタクリレート系ポリマー(PMMA)を用いる
のが好ましい。PMMAを用いた場合、高い繊維性能を
維持したままで通常の方法では効率的に得られにくい1
d以下、特に0.6d以下の繊維を得ることができる。
【0016】非相溶性ポリマーは0.1〜5重量%/繊
維重量、特に1〜4重量%/繊維重量配合するのが好ま
しい。本発明においては非相溶性ポリマーをごく少量配
合するのみで顕著な細デニール化効果が得られ、また繊
維性能に与える影響も小さいことから優れた効果が得ら
れる。
【0017】本発明の繊維の製造方法は特に限定されな
いが、以下のような方法で製造するのが好ましい。まず
溶融液晶性ポリエステル95〜99.9重量部(好適に
は96〜99重量部)及び非相溶性ポリマーを0.1〜
5重量部(好適には1〜4重量部)を混合して紡糸用チ
ップを製造する。紡糸用チップは紡糸前に乾燥して水分
を除去するのが好ましい。
【0018】該紡糸用チップを溶融してノズルから気体
中に吐出するが、細デニール化及び曳糸性の点から直径
0.2mm以下、特に0.11〜0.15mmのノズル
を用いるのが好ましい。このとき、細デニール化、繊維
性能及び曳糸性の点から、吐出線速度と巻取速度の比
(ドラフト)を50以上、特に100以上、さらに20
0以上、なかでも300以上500以下とするのが好ま
しい。従来の方法ではドラフトをあげると断糸等が発生
しやすくなる問題があるが、本発明においてはドラフト
を上げても断糸等が発生しにくく、また細デニール化を
大きくすすめることができる。同様の理由から、吐出線
速度は15〜80m/分、特に16〜40m/分とする
のが好ましく、巻取速度は1500〜9000m/分、
特に2500〜8500m/分、さらに5000〜80
00m/分、なかでも6000〜8000m/分とする
のが好ましい。
【0019】従来、巻取速度を高くするとドラフトが大
きくなり、繊維性能を損うことなく細デニール化できる
反面、断糸が発生しやすくなる問題があった。本発明に
おいては紡糸速度を6000m/分以上、特に7000
m/分以上にした場合であっても実質的に断糸が生じ
ず、繊維性能に優れた細デニール繊維を効率的に製造す
ることができる。巻取速度が大きくなると生産効率が高
くなり、短時間に多量の繊維が得られるために工程性及
びコストの点からも優れた効果が得られる。
【0020】また紡糸ノズル通過時の剪断速度は104
〜109sec-1、特に1×104〜3×104sec―1
とするのが好ましい。一般に細デニール繊維を得るため
にノズル孔径の小さいノズルが用いられるが、ノズル径
があまりにも小さくなると剪断力が高くなって断糸等が
生じ易い問題が生じる。しかしながら、本発明において
は、ノズル孔を過度に小さく(剪断速度を過度に大き
く)することなく、ドラフトを高めることにより細デニ
ール化繊維を得ることが可能であるため、断糸等の問題
が発生しにくく優れた効果が得られる。断糸は2回/8
時間程度以下、さらに0〜1回/8時間程度であるのが
好ましい。なお本発明に言う剪断速度(γ)とは、ノズ
ル平均半径をr(cm)、単孔当たりのポリマー吐出量
をQ(cm3/sec)とするとき、γ=4Q/πr3
計算される。
【0021】本発明により得られた紡糸原糸をそのまま
用いても良いが、場合によっては次のような熱処理を施
すことにより強度、弾性率の繊維性能を改善することも
できる。熱の供給は、気体等の媒体を行う場合、加熱
板、赤外ヒーター等による輻射を利用する方法、熱ロー
ラー、プレート等に接触して行う方法、高周波等を利用
した内部加熱方法等がある。加熱媒体として用いる気体
は、窒素等の不活性ガス、あるいは窒素と酸素、炭酸ガ
ス等の混合気体及び空気等が用いられる。熱処理雰囲気
は露点が−20℃以下、好ましくは−40℃以下の気体
が良い。熱処理は、目的により緊張下あるいは無緊張下
どちらで行ってもよい。また形状は、カセ状やチーズ
状、トウ状(金網にのせて処理する)、あるいはローラ
間で行われる。好ましい熱処理温度条件は、Tm−60
℃からTm+20℃(ここでTmは溶融液晶性ポリエス
テルの融点)の範囲で、Tm−40℃から順次昇温して
いくパターンがより好ましい。熱処理時間は、目的の性
能により数秒から数十時間行うことができる。
【0022】本発明によれば、繊維性能を実施的に損う
ことなく細デニール繊維が得られる。繊維の強度は12
g/d以上、特に15g/d以上、さらに20g/d以
上、なかでも25g/d以上であるのが好ましく、弾性
率は400g/d以上、さらに500g/d以上、特に
550g/d以上であるのが好ましい。
【0023】本発明の繊維はあらゆる形態で用いること
ができる。たとえばフィラメント糸、カットファイバ
ー、紡績糸、紐状物、ロープ状物、布帛(織物、編物、
不織布等)などが挙げられる。特に細デニール繊維であ
ることから、布帛とした場合に優れた効果が得られる。
勿論、他の繊維と併用してもかまわない。
【0024】本発明の繊維はあらゆる用途に使用でき、
たとえば次のようなものが挙げられる。 1.樹脂補強用(カーボン、ガラス繊維との複合化を含
む)に使用されるもの スキー板、ゴルフクラブ、ホッケー、ゲートボールのヘ
ッドおよびシャフト、テニス、バトミントン、スカッシ
ュ等のラケットフレーム、芝刈機用のパイプ、ヘルメッ
ト、バット、メガネフレーム、プリント基盤、モーター
回転子のスロット、絶縁物、パイプ、高圧容器、二輪
車、自動二輪車、自動車、列車、リニアモーターカー、
船、ヘリコプター、飛行機、宇宙船等の一次あるいは二
次構造体、壁板、柱等、住宅用建材
【0025】2.ゴム補強用に使用されるもの タイヤ、コンベヤベルト、動力伝達用ベルト、各種タイ
ミングベルト、ホース等のゴム補強用資材 3.パルプ状で使用されるもの 1)摩耗材(他繊維との混合使用、樹脂の補強) ブレーキライニング、クラッチフェーシング、軸受け 2)その他 パッキン材、ガスケット、濾過材、研磨材
【0026】4.カットファイバー、チョップドヤーン
状で使用されるもの 紙(絶縁紙、耐熱紙)、スピーカー用振動材、セメント
補強材、樹脂補強材 5.フィラメント、紡績糸ヤーン状で使用されるもの コントロールケーブル、ヒーター線芯糸、テンションメ
ンバー(光ファイバー、電線、ヘッドコーン等)、ロー
プ、コード、ザイル、命綱、釣糸、漁網、延縄 6.織物あるいは編物状で使用されるもの スクリーン紗、ヨットセール、テント、膜類、防弾チョ
ッキ、安全手袋、安全ネット、耐熱用品、前掛け等保護
具、ゴム補強用基布、自動車、列車、リニアモーターカ
ー、船、飛行機、飛行船等の内張が挙げられる。
【0027】なかでも機械的性能等に優れ、かつ細デニ
ールを有していることから、人工皮革、各種織物、ワイ
ピングクロス、フィルター、スクリーン紗、電気絶縁紙
等の衣料用及び産業用の用途に広く使用できる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明は、これらにより限定されるものでは
ない。本実施例、比較例に記載されている重量平均分子
量の測定は次のようにして行った。 [融点 ℃]溶融液晶性ポリエステルの融点(MP)
は、示差走査熱量計(DSC:例えばmettler社製、T
A3000)で観察される主吸熱ピ−クのピ−ク温度を測定
する(JIS K7121)。具体的には、DSC(例えば
Mettler社製 TA3000)装置に、サンプルを10〜2
0mgをとりアルミ製パンへ封入した後、キャリア−ガス
として窒素を100cc/分流し、20℃/分で昇温したとき
の吸熱ピ−クを測定する。ポリマ−の種類により上記1
st Runで明確な吸熱ピ−クが現れない場合は、50℃
/分の昇温速度で予想される流れ温度よりも50℃高い
温度まで昇温し、その温度で3分間完全に溶融した後、
80℃/分の速度で50℃まで冷却し、しかる後に20
℃/分の昇温速度で吸熱ピ−クを測定する。
【0029】[溶融粘度 MV]300 ℃、剪断速度r=
1000sec -1の条件で東洋精機キャピログラフ1C型を用
いて測定した。 [対数粘度ηinh ]試料をペンタフルオロフェノ−ルに
0.1 重量%溶解し(60〜80℃)、60℃の恒温槽中でウッ
ペロ−デ型粘度計を用いて相対粘度(ηrel)を測定し、
ηinh =ln(ηrel)/cにより算出した。なおcはポリ
マ−濃度(g/dl)である。
【0030】〔重量平均分子量の測定〕試料8.6mg
をペンタフルオロフェノール10mlに60〜80℃で
溶解し、30℃に冷却した後18.6mlのクロロホル
ム(試薬、特級)を加え、室温でも系が凝固しない状態
にしてGPC測定試料に供した。ペンタフルオロフェノ
ール/クロロホルム=35/65の移動相、流速1.0
ml/分、注入量200μl、示差屈折計を検出器に用
いて行った。得られた分子量分布曲線より常法により重
量平均分子量を求めた(例えば、高分子学会編“高分子
科学実験法”東京化学同人 P202(1986)東
京)。
【0031】[強度g/d、伸度%]JIS L 10
13に準じ、試長20cm、初荷重0.1g/d、引張速度10cm
/minの条件で破断強伸度を求め、5点以上の平均値を採
用した。 [弾性率 g/d]強伸度曲線を作成し、該曲線の原点
付近においてフックの法則に従う直線部分から、弾性率
=(w/D)/(ΔL/L)により算出される。なお、
wはΔL伸長したときの荷重g、Dは繊維のデニ−ル、
ΔLは荷重により伸長した長さ、Lは繊維原長を示す。
【0032】[実施例1]前記構成単位(A)と(B)
が73/27モル%比である溶融液晶性ポリエステル
(MP=280℃、MV=430poise、ηinh=5.21dl/
g、重量平均分子量2.68×105、)97重量部に、
PMMA(旭化成株式会社製「デルペット80N」:化
4におけるR1とR2の分子量の和74)を3重量部混
合し紡糸用チップを得た。該チップの断面を透過型電子
顕微鏡を用いて観察すると、溶融液晶性ポリエステル中
にPMMAが直径約1μmの島成分を形成して分散して
いた。該混合物を140℃の真空乾燥機中10時間乾燥
させた後、単軸ベント押出し機より押出してサンド(ス
テンレスパウダー)層と金属細線からなる平均空孔径2
0μmのフィルターで濾過した後、ノズル径0.125
mmφ、ノズル温度320℃及び表1に記載の条件で紡
糸したところ、曳糸性良好であり、8時間全く断糸しな
かった。
【0033】得られた紡糸原糸を引続き、ステンレスの
穴あきボビンに無機繊維からなるクッション材(厚さ1
2.5mm)でカバーしたものの上に巻密度0.60g
/cm3で約6kg巻き、この状態で150℃で1時
間、200℃で4時間、280℃で11時間窒素と空気
雰囲気の組み合わせで熱処理した。得られた熱処理糸の
力学的性能を表1に示す。
【0034】[実施例2]紡糸条件を表1に記載の条件
に変更した以外は実施例1と同様に紡糸したところ、曳
糸性良好であり8時間全く断糸しなかった。また巻取速
度が大きいことから生産効率の点でも優れた効果が得ら
れた。得られた紡糸原糸は引続き実施例1と同一条件で
熱処理した。得られた熱処理糸の力学的性能を表1に示
す。
【0035】[比較例1]非相溶性ポリマーのかわり
に、化3に示された構成単位(A)と(B)が73/2
7モル%比である重量平均分子量4.25×103のオ
リゴマーを12重量部配合した混合物を紡糸チップとし
て用いた以外は実施例1と同様に行った。曳糸性は実施
例1及び実施例2よりも劣り8時間紡糸したなかで3回
の断糸があった。熱処理糸の性能を表1に示す。
【0036】[比較例2]比較例1で得られた混合物を
用いて実施例2と同様の条件で紡糸を行い、1d以下の
繊維を紡糸しようとしたが、1時間の7回の断糸が発生
し実質的に紡糸できなかった。 [比較例3]PMMAを含まないチップを用いた以外は
実施例1と同様に行った。しかし、1時間に5回の断糸
が発生し、実質的に紡糸できなかった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、機械的性能に優れ、か
つ細デニール(具体的には3d以下、特に1d以下)の
溶融液晶性ポリエステル繊維を効率的に得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融液晶性ポリエステルを含む繊維であ
    って、該溶融液晶性ポリエステルと非相溶であるポリマ
    ーを0.1〜5重量%含み、かつ繊度が3d以下である
    溶融液晶性ポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】 溶融液晶性ポリエステルを含む繊維であ
    って、該溶融液晶性ポリエステルと非相溶であるポリマ
    ーを0.1〜5重量%含み、かつ繊度が1d以下である
    溶融液晶性ポリエステル繊維。
  3. 【請求項3】 溶融液晶性ポリエステルを含む繊維であ
    って、メタクリレート系ポリマーを0.1〜5重量%含
    む請求項1又は請求項2に記載の溶融液晶性ポリエステ
    ル繊維。
  4. 【請求項4】 溶融液晶性ポリエステル95〜99.9
    重量部及び該液晶性ポリエステルと非相溶であるポリマ
    ーを0.1〜5重量部含む混合物を、吐出線速度と巻取
    速度の比(ドラフト)50以上、巻取速度1500〜9
    000m/分で溶融紡糸する繊度3d以下の溶融液晶性
    ポリエステル繊維の製造方法。
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