JPH11291923A - 衝撃吸収式ステアリングシャフト - Google Patents
衝撃吸収式ステアリングシャフトInfo
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- JPH11291923A JPH11291923A JP9626298A JP9626298A JPH11291923A JP H11291923 A JPH11291923 A JP H11291923A JP 9626298 A JP9626298 A JP 9626298A JP 9626298 A JP9626298 A JP 9626298A JP H11291923 A JPH11291923 A JP H11291923A
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Abstract
荷重を安定させると共に、コラプス量とコラプス荷重と
の関係の調整を容易にする。 【解決手段】 インナーシャフト20の一端部に形成し
た雄セレーション25と、アウターシャフト21の一端
部に形成した雌セレーション23とを係合させる。イン
ナーシャフト20の一部で、通常時に上記アウターシャ
フト21から露出している部分に凸部27を設ける。衝
突時には、この凸部27がアウターシャフト21の内周
面に食い込みつつ、衝撃吸収式ステアリングシャフト1
9の全長を縮める。
Description
リング装置に組み込んで、ステアリングホイールの動き
をステアリングギヤに伝達する為に利用する衝撃吸収式
ステアリングシャフトの改良に関する。
グホイールの動きをステアリングギヤに伝達する為、図
9に示す様な伝達機構を使用している。この図9に示し
た様に、第一のステアリングシャフト1の上端部には、
ステアリングホイール2を固定している。又、ステアリ
ングコラム3は、上部、下部両ブラケット4、5によ
り、インスツルメントパネル6の下面等に於いて、車体
に固定している。上記第一のステアリングシャフト1
は、このステアリングコラム3の内側を、回転自在に挿
通している。又、上記第一のステアリングシャフト1の
下端部で上記ステアリングコラム3の下端開口から突出
した部分は、第一の自在継手7を介して、第二のステア
リングシャフト8の上端部に連結している。更に、この
第二のステアリングシャフト8の下端部は、第二の自在
継手9を介して、ステアリングギヤ(図示せず)に通じ
る第三のステアリングシャフト10に連結している。
に構成する為、上記ステアリングホイール2の動きは、
ステアリングコラム3を挿通した第一のステアリングシ
ャフト1、第一の自在継手7、第二のステアリングシャ
フト8、第二の自在継手9、第三のステアリングシャフ
ト10を介して、ステアリングギヤに伝達される。そし
て、このステアリングギヤが車輪に、上記ステアリング
ホイール2の動きに対応した舵角を付与する。
舵装置に於いて、衝突時に運転者を保護する為、ステア
リングコラム3、及び各ステアリングシャフト1、8
を、衝撃に伴なって全長が縮まる衝撃吸収式のものとす
る事が、一般的に行なわれてる。この様な、衝撃吸収式
のステアリングシャフトとして従来から、例えば、特開
平8−91231号公報、同9−267753号公報、
同9−267754号公報、同9−272447号公
報、特公昭47−46092号公報、実開平1−583
73号公報、同5−35542号公報、同5−3764
2号公報、同6−8150号公報、実公昭57−167
73号公報、同58−51096号公報等に記載された
ものが知られている。
16773号公報に記載された衝撃吸収式ステアリング
シャフト11を示している。この衝撃吸収式ステアリン
グシャフト11は、インナーシャフト12とアウターシ
ャフト13とを、回転力の伝達自在に、且つ、これらイ
ンナーシャフト12とアウターシャフト13との間に、
大きな軸方向荷重が加わった場合に軸方向寸法を収縮自
在に組み合わせている。この為に、上記インナーシャフ
ト12の一端部(図10の左端部)及び上記アウターシ
ャフト13の一端部(図10の右端部)の断面形状を小
判形に形成すると共に、これら両シャフト12、13の
一端部同士をテレスコープ状に組み合わせている。又、
上記インナーシャフト12の一端部外周面の2個所位置
には凹溝14、14を、上記アウターシャフト13の一
端部でこれら各凹溝14、14と整合する部分には通孔
15、15を、それぞれ形成している。そして、これら
各凹溝14、14と通孔15、15との内側に合成樹脂
16、16を、これら各凹溝14、14と通孔15、1
5とに掛け渡す状態で充填している。
で、通常時(衝突事故発生以前)に上記アウターシャフ
ト13の一端縁(図10の右端縁)から露出した部分
に、硬球17を支持固定している。即ち、上記インナー
シャフト12の中間部に形成した係止凹部18に、上記
鋼球17を内嵌固定している。この状態でこの鋼球17
の一部は、上記インナーシャフト12の中間部外周面か
ら突出し、上記衝撃吸収式ステアリングシャフト11の
収縮に伴って、上記アウターシャフト13の内周面と衝
合自在としている。
グシャフト11の作用は、次の通りである。先ず、通常
時には、上記インナーシャフト12の一端部外周面とア
ウターシャフト13の一端部内周面との非円形嵌合に基
づき、これら両シャフト12、13との間で回転力の伝
達を行なわせる。この様な通常時には、上記合成樹脂1
6、16が、上記各凹部14、14と通孔15、15と
の係合に基づき、上記両シャフト12、13同士の変位
を阻止して、上記衝撃吸収式ステアリングシャフト11
の全長が不用意に縮む事を防止する。
軸方向に亙る衝撃的な荷重が加わると、上記合成樹脂1
6、16が、上記各凹部14、14と通孔15、15と
の連続部で裂断し、上記両シャフト12、13の相対変
位が開始されて、上記衝撃吸収式ステアリングシャフト
11の全長が縮む。そして、上記鋼球17が上記アウタ
ーシャフト13の一端縁に達した後、更に上記衝撃吸収
式ステアリングシャフト11の全長が縮む際には、上記
鋼球17が上記アウターシャフト13の内周面に食い込
む。この為、上記衝撃吸収式ステアリングシャフト11
の全長を縮める為に要する荷重が大きくなる。図12
は、この様な衝撃吸収式ステアリングシャフト11の全
長を縮める為に要する、所謂コラプス荷重と、この衝撃
吸収式ステアリングシャフト11の収縮量(コラプス
量)との関係を示している。この図12に表れた初期の
ピーク荷重は、上記合成樹脂16、16を裂断する瞬間
に対応しており、終期に荷重が大きくなっているのは、
上記鋼球17が上記アウターシャフト13の内周面に食
い込む部分に対応している。
な従来の衝撃吸収式ステアリングシャフト11の場合、
次のの様な点で、改良すべき余地がある。 コラプス荷重を安定させる事が難しい。 コラプス量の増大に伴って、コラプス荷重を徐々に
大きくする事ができない。この為、コラプス荷重が小さ
いと、衝撃吸収式ステアリングシャフト11が収縮し切
り(フルコラプスL)、収縮し切った、所謂底突き時に
大きな抵抗が生じる。これに対して、コラプス荷重が大
きいと、鋼球17がアウターシャフト13の内周面に食
い込み始める瞬間に大きな抵抗が生じ、運転者の保護充
実を図りにくくなる。
ンナーシャフト12の一端部及びアウターシャフト13
の一端部の断面形状を小判形に形成する事に伴って生じ
る。即ち、これら両シャフト12、13間での回転力の
伝達時にこれら両シャフト12、13の嵌合部ががたつ
く事を防止する為には、嵌合部に隙間が生じない様にす
る必要がある。一方、断面小判形の嵌合部にがたつきが
生じない様にする為には、寸法並びに形状の管理が難し
く、上記アウターシャフト13の内面への鋼球17の食
い込み時には、概略平面を塑性変形させる為に、僅かな
締め代変化でも嵌合抵抗のばらつきにつながり、上記コ
ラプス荷重が大きく変動してしまう。
記アウターシャフト13の内周面の塑性変形状態並びに
上記両シャフト12、13同士の摩擦係合状態が、コラ
プス量の増大に拘らず、変化しない事に基づいて生じ
る。これに対して、衝突事故の際に衝撃エネルギを効果
的に吸収し、運転者の保護を有効に図る為には、上記コ
ラプス荷重がコラプス量の増大に伴って大きくなる事が
好ましい。図10〜11に示す様な従来の衝撃吸収式ス
テアリングシャフト11の場合にはこの様な要求に対応
できず、運転者の保護充実を十分に図れる自動車用操舵
装置の設計が難しい。前述した他の公報に記載された衝
撃吸収式のステアリングシャフトも、ほぼ同様の問題を
有する。本発明の衝撃吸収式ステアリングシャフトは、
この様な事情に鑑みて発明したものである。
リングシャフトは何れも、前述した従来の衝撃吸収式ス
テアリングシャフトと同様に、少なくとも一端部外周面
に雄セレーションを形成したインナーシャフトと、少な
くとも一端部内周面に雌セレーションを形成したアウタ
ーシャフトとを備える。そして、上記雄セレーションと
雌セレーションとを係合させる事により上記インナーシ
ャフトとアウターシャフトとを、回転力の伝達自在に組
み合わせると共に、これらインナーシャフトとアウター
シャフトとの間に、大きな軸方向荷重が加わった場合に
のみ軸方向寸法を収縮自在とする衝撃吸収部を設けてい
る。尚、本明細書で言うセレーションには、山と谷との
ピッチが大きい、スプライン状のものも含む。
ャフトのうち、請求項1に記載した衝撃吸収式ステアリ
ングシャフトに於いては、上記衝撃吸収部は、上記雄セ
レーションと雌セレーションとのうちの少なくとも一方
のセレーションの谷部の一部で、通常時に相手セレーシ
ョンとは係合せず、衝突事故に伴うステアリングシャフ
トの収縮時に相手セレーションと係合する部分に固設し
た凸部を含んで構成している。そして、この凸部は、上
記衝撃吸収式ステアリングシャフトの収縮に伴って、相
手セレーションの山部との係合によりこの山部を変形さ
せるものである。尚、この様な凸部は、上記一方のセレ
ーションの谷部の一部を他の部分よりも浅くする事によ
り、当該セレーションを形成したシャフトと一体に形成
する他、上記一方のセレーションの谷部の一部に嵌合固
定した鋼球等の他の硬質部材により構成する事もでき
る。
アリングシャフトに於いては、上記衝撃吸収部は、上記
雄セレーションと雌セレーションとのうちの少なくとも
一方のセレーションの一部で、通常時に相手セレーショ
ンとは係合せず、衝突事故に伴うステアリングシャフト
の収縮時に相手セレーションと係合する部分の形状を、
相手セレーションと円滑に係合する事のない形状とし
た、不完全係合部を含んで構成している。
アリングシャフトの場合、コラプス荷重を安定させると
共に、コラプス量の増大に伴って、コラプス荷重を徐々
に大きくする事ができる。即ち、インナーシャフトの一
端部とアウターシャフトの一端部とを、雄セレーション
と雌セレーションとの嵌合により、回転力の伝達自在に
組み合わせている。これら雄セレーションと雌セレーシ
ョンとの嵌合強度は、多少寸法精度並びに形状精度がず
れた程度で大きく変化する事はない。この為、嵌合部に
がたつきが発生する事を防止しつつ、上記コラプス荷重
を安定させる事ができる。
ステアリングシャフトの収縮時に、凸部又は不完全係合
部が相手セレーションと係合すると、この相手セレーシ
ョンが、塑性変形、むしれ、かじり、削れ等の変形をす
る。そして、更に上記衝撃吸収式ステアリングシャフト
が収縮するのに伴って、この相手セレーションの変形部
が、上記凸部又は不完全係合部を形成した一方のセレー
ションと摩擦係合する。この様な、変形部を含む摩擦係
合部での変位に要する荷重は、当接圧の増大、或はむし
れ等により生じた細片のかみ込み等に基づいて大きく、
しかもこの摩擦係合部は、コラプス量の増大に伴って次
第に長くなる。この結果、上記コラプス荷重が、コラプ
ス量の増大に伴って大きくなる。この様なコラプス荷重
の大きさは、上記雄セレーションと雌セレーションとの
嵌合強度に関係なく、自由に設定できる。従って、上記
コラプス荷重が、コラプス量の増大に伴って大きくなる
事とあいまって、衝突事故の際に於ける運転者の保護充
実を図る為の設計が容易になる。
る、本発明の実施の形態の第1例を示している。本発明
の衝撃吸収式ステアリングシャフト19は、インナーシ
ャフト20とアウターシャフト21とを、軸方向(図1
の左右方向)に亙る相対的変位自在に組み合わせる事に
より、軸方向に亙る衝撃力が加わった場合に全長が縮ま
る様に構成している。このうちのアウターシャフト21
は、全体を円管状としており、一端部(図1の左端部)
に絞り加工を施す事により、この一端部に小径部22を
形成している。そして、この小径部22の内周面に、雌
セレーション23を形成している。一方のインナーシャ
フト20も、全体を円管状としており、やはり一端部
(図1の右端部)に絞り加工を施す事により、小径部2
4を形成している。そして、この小径部24の外周面
に、上記アウターシャフト21の内周面に形成した雌セ
レーション23と係合する、雄セレーション25を形成
している。
ョン25とは、一般的なセレーションと同様に、それぞ
れの山部の頂部をそれぞれの谷部の底部に迄は進入させ
ず、これら雌セレーション23と雄セレーション25と
を係合させた場合に、これら頂部と底部との間に、図3
に示す様に、直径方向に亙る高さ寸法がhである隙間2
8、28が形成される様にしている。
ャフト19に於いては、図1〜2に示す様に、上記雄セ
レーション25を構成する1乃至複数の谷部26の底部
のうちの軸方向一部に、凸部27を形成している。この
凸部27を形成する軸方向位置は、通常時には上記雌セ
レーション23とは係合せず、衝突事故に伴う上記衝撃
吸収式ステアリングシャフト19の収縮時に上記雌セレ
ーション23と係合する部分としている。上記凸部27
の高さ寸法Hは、上記各隙間28、28の高さ寸法hよ
りも大きくしている(H>h)。尚、上述の様に、谷部
26の一部に凸部27を設けた雄セレーション25は、
転造加工により造れる為、インナーシャフト20の製作
費が嵩む事はない。又、図示の例では、上記凸部27の
軸方向両端面を緩やかに傾斜させて、この凸部27の軸
方向寸法が、上記雄セレーション25の谷部26の底面
に向かう程大きくなる様にしている。
と雄セレーション25とを有するインナーシャフト20
とアウターシャフト21とを組み合わせて、上記本発明
の衝撃吸収式ステアリングシャフト19を構成するに
は、上記雄セレーション25の先半部(図1の右半部)
を上記雌セレーション23に押し込む。この様にして上
記両セレーション23、25同士を係合させた状態で、
これら両セレーション23、25同士の係合部ががたつ
くのを防止する為に、適宜のがたつき防止手段を設け
る。このがたつき防止手段としては、例えば上記インナ
ーシャフト20とアウターシャフト21との一方又は双
方の断面形状を楕円形に変形させた後、上記雄セレーシ
ョン25の先半部を上記雌セレーション23に押し込む
等が考えられる。例えば、実開平6−8150号公報に
記載されている様に、上記雌セレーション23と雄セレ
ーション25との嵌合部の軸方向一端部(図1の左端
部)に存在するアウターシャフト21の先端部、並びに
上記嵌合部の軸方向他端部(図1の右端部)に存在する
インナーシャフト20の先端部の断面形状を楕円形に変
形させた後、これら両シャフト21、20同士を嵌合さ
せれば、嵌合部を軸方向にずらせる為に要する荷重を小
さくし、且つ、曲げ剛性を確保できる等、好ましい特性
を得られる。
ステアリングシャフト19の場合、コラプス荷重を安定
させると共に、コラプス量の増大に伴って、コラプス荷
重を徐々に大きくする事ができる。即ち、上記インナー
シャフト20の一端部とアウターシャフト21の一端部
とを、上記雄セレーション25と雌セレーション23と
の嵌合により、回転力の伝達自在に組み合わせている。
これら雄セレーション25と雌セレーション23との嵌
合強度は、寸法精度並びに形状精度が多少ずれた程度で
大きく変化する事はない。言い換えれば、嵌合強度が多
少緩くても、大きながたつきに結び付きにくく、嵌合強
度の許容値が広い。この為、上記雄セレーション25と
雌セレーション23との嵌合部にがたつきが発生する事
を防止しつつ、上記コラプス荷重を安定させる事ができ
る。特に、上述した様に、上記インナーシャフト20と
アウターシャフト21との一方又は双方の断面形状を楕
円形に変形させた後、上記雄セレーション25の先半部
を上記雌セレーション23に押し込む構造を採用した場
合には、上記がたつき防止とコラプス荷重の安定化と
を、より有効に図れる。
テアリングシャフト19が、上記インナーシャフト20
の一端部とアウターシャフト21の一端部との嵌合部に
作用する摩擦力に抗して収縮を開始する。そして、上記
衝撃吸収式ステアリングシャフト19が、所定量(図1
のL分)だけ収縮すると、前記凸部27が上記雌セレー
ション23の山部と係合し、この雌セレーション23の
山部の頂部を塑性変形させる。図示の例の場合には、上
記凸部27の軸方向両端面を傾斜させている為、この凸
部27による上記雌セレーション23の山部の頂部の塑
性変形は円滑に行なわれ、塑性変形開始時にコラプス荷
重に好ましくないピーク値が生じる事はない。尚、この
ピーク値の発生を防止する為には、上記凸部27の両端
面のうち、上記雌セレーション23の山部の頂部と係合
する側(図1の右側)の端面を傾斜させれば足りる。上
述の様にして形成される、上記山部の頂部の塑性変形部
の軸方向長さは、上記衝撃吸収式ステアリングシャフト
19の収縮量が増大するのに伴って長くなる。そして、
上記塑性変形部は、この衝撃吸収式ステアリングシャフ
ト19が収縮するのに伴って、上記雄セレーション25
と摩擦係合する。
た、上記雌セレーション23の山部の頂部の、円周方向
に亙る幅寸法は広くなる。この為、この頂部と上記雄セ
レーション25の谷部内側面との間の摩擦係合部に作用
する摩擦力は、上記山部の頂部が塑性変形する以前に比
べて相当に大きくなる。この様に、上記山部の頂部の塑
性変形部を含む摩擦係合部での変位に要する荷重は大き
く、しかもこの摩擦係合部は、コラプス量の増大に伴っ
て次第に長くなる。この結果、上記コラプス荷重が、コ
ラプス量の増大に伴って大きくなる。図4は、本発明の
衝撃吸収式ステアリングシャフト19の全長を縮める為
に要するコラプス荷重と、この衝撃吸収式ステアリング
シャフト19の収縮量(コラプス量)との関係を示して
いる。この図4と、前述の図12に示した、従来構造の
場合に於けるコラプス荷重とコラプス量との関係とを比
較すれば明らかな通り、本発明の構造によれば、コラプ
ス量の増大に伴ってコラプス荷重が増大すると言った、
運転者保護の面から見て好ましい特性を得られる。この
為、コラプス量が小さくても、衝突事故の際に上記衝撃
吸収式ステアリングシャフト19に加わった衝撃エネル
ギを有効に吸収する構造を実現できる。
シャフト19の場合には、上記コラプス荷重の大きさ
を、上記雄セレーション25の一端部と雌セレーション
23の一端部との嵌合部の嵌合強度に関係なく、自由に
設定できる。この嵌合部の嵌合強度がコラプス荷重に及
ぼす影響は、上記衝撃吸収式ステアリングシャフト19
の収縮開始直後の初期値のみである。従って、上述の様
に、コラプス荷重がコラプス量の増大に伴って大きくな
る事とあいまって、衝突事故の際に於ける運転者の保護
充実を図る為の設計が容易になる。この事は、特に小型
自動車の操舵装置に於いて、運転者の保護充実を図る為
の設計の容易化に結び付く。尚、上記コラプス荷重をよ
り安定させる為に、上記雄セレーション25と雌セレー
ション23との少なくとも一方の表面に、金属石鹸等の
表面処理を施せば、上記凸部27による雌セレーション
23の山部の頂部の塑性変形時、或はこの結果生じた塑
性変形部と雄セレーション25の谷部の内側面との摩擦
係合時に、かじり等、変形若しくは変位に要する荷重を
著しく増大させる現象が発生するのを防止できる。
明の実施の形態の第2例を、衝突事故が発生して衝撃吸
収式ステアリングシャフト19が既に縮んだ状態で示し
ている。本例の場合には、雄セレーション25の谷部2
6の軸方向2個所位置に凸部27、27を形成して、コ
ラプス量とコラプス荷重との関係をより任意に調整自在
とした例を示している。本例の場合も、上記各凸部2
7、27の軸方向両端面を傾斜させて、これら各凸部2
7による雌セレーション23の山部の頂部の塑性変形を
円滑に行なわせる様に構成している。尚、図示の例で
は、上記各凸部27、27を同一の谷部26に形成した
例を示している。但し、上記コラプス量とコラプス荷重
との関係の調整をより任意に行なわせる為には、異なる
谷部にそれぞれ凸部27、27を、軸方向位置を互いに
ずらせて形成する事もできる。その他の構成及び作用
は、上述した第1例の場合と同様である。
明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合に
は、雄セレーション25の谷部の一部に形成する凸部2
7aを、鋼球29により構成している。即ち、この雄セ
レーション25の谷部26の一部に凹孔30を形成する
と共に、この凹孔30に上記鋼球29を、一部がこの凹
孔30から突出する状態で嵌合固定している。この為
に、この凹孔30の内径を上記鋼球29の外径よりも少
し小さくして、この鋼球29を凹孔30内に圧入した
り、或はこの鋼球29を凹孔30内に挿入後、この凹孔
30の開口部をかしめ付ける。この様な本例の構造の場
合、衝突事故の際には、上記鋼球29の一部で上記凹孔
30から突出した部分が雌セレーション23の山部の頂
部を塑性変形させる。その他の部分の構成及び作用は、
前述した第1例の場合と同様である。
明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合に
は、雄セレーション25の複数個所(図示の例では3個
所)の谷部26、26の一部にそれぞれ凹孔30、30
を形成し、これら各凹孔30、30にそれぞれ鋼球2
9、29を内嵌固定して、凸部27a、27aとしてい
る。鋼球29、29の数が増えた以外の構成及び作用
は、上述した第3例の場合と同様である。尚、本例を実
施する場合に、上記各凸部27a、27aの軸方向位置
を互いに異ならせれば、コラプス量とコラプス荷重との
関係の調整を、より任意に行なう事ができる。
明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合に
は、前述した実施の形態の第1例を示す図1のB−B線
部分、即ち、インナーシャフト20の一端部外周面に形
成した雄セレーション25の一部で、通常時にアウター
シャフト21の一端部内周面に形成した雌セレーション
23とは係合せず、衝突事故に伴う衝撃吸収式ステアリ
ングシャフト19の収縮時に上記雌セレーション23と
係合する部分の形状を、この雌セレーション23と円滑
に係合する事のない形状とした、不完全係合部としてい
る。この為に本例の場合には、上記部分の形状を楕円形
としている。
ングシャフト19が収縮し、上記アウターシャフト21
が上記楕円形の断面形状を有する不完全係合部に達する
と、上記雌セレーション23と雄セレーション25との
間に作用する摩擦力が大きくなり、上記衝撃吸収式ステ
アリングシャフト19を収縮させる為に要するコラプス
荷重が大きくなると同時に、上記アウターシャフト21
が塑性変形する。この結果、相対変位に要する荷重を大
きくする摩擦係合部が、コラプス量の増大に伴って次第
に長くなり、上記コラプス荷重が、コラプス量の増大に
伴って大きくなる。その他の構成及び作用は、前述した
第1例の場合と同様である。
に中空のインナーシャフト20の断面形状を楕円形にす
るものの他、充実体のインナーシャフトを押し潰して断
面形状を楕円形に押し潰したもの、或は雄セレーション
と雌セレーションとの少なくとも一方の谷部の一部を埋
めたもの、又はこれら雄セレーションと雌セレーション
との少なくとも一方の山部の中間部を円周方向に変形さ
せたもの等が考えられる。
トは、以上に述べた通り構成され作用する為、通常時に
於けるがたつき防止を十分に図りつつ、コラプス荷重を
安定させ、更に、コラプス量の増大に伴ってコラプス荷
重を増大させる等、これらコラプス量とコラプス荷重と
の関係を所望通りに調整する設計が容易になる。
図。
の関係を示す線図。
後の状態で示す、要部断面図。
図。
ャフトを組み込んだ、ステアリング機構の1例を示す側
面図。
関係を示す線図。
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも一端部外周面に雄セレーショ
ンを形成したインナーシャフトと、少なくとも一端部内
周面に雌セレーションを形成したアウターシャフトとを
備え、上記雄セレーションと雌セレーションとを係合さ
せる事により上記インナーシャフトとアウターシャフト
とを、回転力の伝達自在に組み合わせると共に、これら
インナーシャフトとアウターシャフトとの間に、大きな
軸方向荷重が加わった場合にのみ軸方向寸法を収縮自在
とする衝撃吸収部を設けた衝撃吸収式ステアリングシャ
フトに於いて、この衝撃吸収部は、上記雄セレーション
と雌セレーションとのうちの少なくとも一方のセレーシ
ョンの谷部の一部で、通常時に相手セレーションとは係
合せず、衝突事故に伴うステアリングシャフトの収縮時
に相手セレーションと係合する部分に固設した凸部を含
んで構成したものであり、この凸部は、上記衝撃吸収式
ステアリングシャフトの収縮に伴って、相手セレーショ
ンの山部との係合によりこの山部を変形させるものであ
る事を特徴とする衝撃吸収式ステアリングシャフト。 - 【請求項2】 少なくとも一端部外周面に雄セレーショ
ンを形成したインナーシャフトと、少なくとも一端部内
周面に雌セレーションを形成したアウターシャフトとを
備え、上記雄セレーションと雌セレーションとを係合さ
せる事により上記インナーシャフトとアウターシャフト
とを、回転力の伝達自在に組み合わせると共に、これら
インナーシャフトとアウターシャフトとの間に、大きな
軸方向荷重が加わった場合にのみ軸方向寸法を収縮自在
とする衝撃吸収部を設けた衝撃吸収式ステアリングシャ
フトに於いて、この衝撃吸収部は、上記雄セレーション
と雌セレーションとのうちの少なくとも一方のセレーシ
ョンの一部で、通常時に相手セレーションとは係合せ
ず、衝突事故に伴うステアリングシャフトの収縮時に相
手セレーションと係合する部分の形状を、相手セレーシ
ョンと円滑に係合する事のない形状とした、不完全係合
部を含んで構成したものである事を特徴とする衝撃吸収
式ステアリングシャフト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9626298A JPH11291923A (ja) | 1998-04-08 | 1998-04-08 | 衝撃吸収式ステアリングシャフト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9626298A JPH11291923A (ja) | 1998-04-08 | 1998-04-08 | 衝撃吸収式ステアリングシャフト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11291923A true JPH11291923A (ja) | 1999-10-26 |
Family
ID=14160271
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9626298A Pending JPH11291923A (ja) | 1998-04-08 | 1998-04-08 | 衝撃吸収式ステアリングシャフト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11291923A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6935657B2 (en) | 2000-12-27 | 2005-08-30 | Fuji Kiko Co., Ltd. | Steering shaft for energy absorbing steering column and manufacturing method thereof |
GB2429438A (en) * | 2005-08-25 | 2007-02-28 | Nsk Steering Sys Europ Ltd | Telescopic assembly, in particular a vehicle steering column assembly |
JP2009269518A (ja) * | 2008-05-09 | 2009-11-19 | Nsk Ltd | ステアリング装置 |
WO2014038269A1 (ja) | 2012-09-05 | 2014-03-13 | カヤバ工業株式会社 | 衝撃吸収式ステアリングシャフト |
-
1998
- 1998-04-08 JP JP9626298A patent/JPH11291923A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6935657B2 (en) | 2000-12-27 | 2005-08-30 | Fuji Kiko Co., Ltd. | Steering shaft for energy absorbing steering column and manufacturing method thereof |
GB2429438A (en) * | 2005-08-25 | 2007-02-28 | Nsk Steering Sys Europ Ltd | Telescopic assembly, in particular a vehicle steering column assembly |
JP2009269518A (ja) * | 2008-05-09 | 2009-11-19 | Nsk Ltd | ステアリング装置 |
WO2014038269A1 (ja) | 2012-09-05 | 2014-03-13 | カヤバ工業株式会社 | 衝撃吸収式ステアリングシャフト |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050201 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050419 |
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A521 | Written amendment |
Effective date: 20050613 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20050712 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051206 |