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JPH11288128A - 静電記録装置 - Google Patents

静電記録装置

Info

Publication number
JPH11288128A
JPH11288128A JP9162498A JP9162498A JPH11288128A JP H11288128 A JPH11288128 A JP H11288128A JP 9162498 A JP9162498 A JP 9162498A JP 9162498 A JP9162498 A JP 9162498A JP H11288128 A JPH11288128 A JP H11288128A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image
charge transport
transport layer
electrostatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9162498A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsuneaki Kawanishi
恒明 川西
Masanari Norihashi
誠斉 法橋
Katsuya Kawai
克哉 河合
Koji Kato
孝二 加藤
Masayasu Anzai
正保 安西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Koki Co Ltd filed Critical Hitachi Koki Co Ltd
Priority to JP9162498A priority Critical patent/JPH11288128A/ja
Priority to US09/285,651 priority patent/US6157798A/en
Publication of JPH11288128A publication Critical patent/JPH11288128A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/043Photoconductive layers characterised by having two or more layers or characterised by their composite structure
    • G03G5/047Photoconductive layers characterised by having two or more layers or characterised by their composite structure characterised by the charge-generation layers or charge transport layers
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
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    • G03G13/06Developing
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    • G03G9/08Developers with toner particles
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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数枚印刷を繰り返しても画像濃度が低下せ
ず、カブリの少ない安定した画像が得られる静電記録装
置を提供する。 【解決手段】 有機光導電性感光体からなり最外周に耐
磨耗性を付与した像担持体と、その像担持体に静電潜像
を形成する露光手段と、その静電潜像をトナーで顕像化
する現像手段と、形成されたトナー像を記録媒体上に転
写する転写手段と、その記録媒体上に転写されたトナー
像を定着する定着手段とを備えた静電記録装置におい
て、前記現像手段に用いるトナーの表面に導電性微粉末
が付着されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繰り返し多数枚の
画像を形成する例えば電子写真装置などの静電記録装置
に係り、特に有機光導電性感光体からなり最外周に耐磨
耗性を付与した像担持体を使用するのに好適な静電記録
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種印刷もしくは記録法のうち、例えば
電子写真法においては、光導電性感光体を帯電、露光し
て感光体上に静電潜像を形成し、次いでこの静電潜像を
着色剤等を含む微粒子トナーによって現像し、得られた
トナー像を記録紙等の記録媒体上に転写、定着して記録
画像が得られる。
【0003】この様な静電像記録工程では、転写後の感
光体表面は残留した微粒子トナーの除去および感光体の
除電が行われて長期にわたり繰り返し使用されることが
多い。従って前記感光体として、電子写真特性は勿論、
帯電時に発生するオゾン、NOx等の活性ガスへの耐性
(耐コロナ性)が必要で、特に繰り返し使用時の耐久
性、耐摩耗性が要求される。
【0004】最近では情報機器の発展に伴い、光導電性
感光体の露光にレーザビームを用い、コンピュータの指
示による変調信号によって記録画像をドットで再現する
レーザビームプリンタが発達している。特に最近のレー
ザビームプリンタでは、より一層の高画質の画像形成が
要求されるため、レーザビームの径を絞り込んで小さく
し、ドット密度が600dpi(dots/inch)
ないし1200dpiと高くなっている。これに伴い、
微細になった静電潜像を保持する目的で、感光体の耐久
性、耐摩耗性が一層要求されている。
【0005】従来、電子写真感光体としては、アモルフ
ァスシリコーン、セレン等を用いた無機光導電性感光体
が多く用いられてきたが、近年低コストで毒性がなく、
且つ加工性に優れ、露光の波長域、特に半導体レーザ等
長波長に感度が得易い有機光導電性感光体(以下、有機
感光体と略称する)が主流となってきた。
【0006】前記感光体の繰り返し使用による疲労劣化
は、感光体上に形成されたトナー像の記録媒体上への転
写、分離および転写後の感光体上の残留トナーの除去等
各工程の摺擦による感光体表面の摩耗、損傷および感光
体表面への帯電、露光、除電等各工程における感光体表
面層の変質、分解等による劣化と考えられる。
【0007】従って、前記感光体の疲労劣化を防止する
ためには感光体表面層の改良が重要となり、特に有機感
光体では無機感光体に比べて軟質であり、且つ、光導電
性物質が有機材料であるため、繰り返し使用時の疲労劣
化が大きく、前記感光体表面層の改良がより重要とな
る。
【0008】一方、静電潜像をトナーを用いて現像する
方法には、トナーおよびキャリアから成る二成分現像剤
を用いる二成分現像法、あるいはトナーのみからなる一
成分現像方法があり、各々の現像方法に関しては種々提
案されている。特にレーザビームプリンタでは、高速
化、高画質化の要求からトナーおよびキャリアから成る
二成分現像剤を用いることが多く、それらの粒子径も小
さくなり、体積平均粒径が10μm以下の微粒子トナー
と重量平均粒径が100μm以下の微粒子キャリアの適
用が進められている。
【0009】更に、静電像記録工程では、記録媒体上へ
のトナー像の定着が重要な工程であり、従来、トナー像
を定着する方法としては、熱効率が高く高速定着が可能
な熱ローラ定着法、オーブン、フラッシュランプ等の熱
源による加熱定着法がよく用いられている。特に熱ロー
ラ定着法においては、(1)プリンタの過熱劣化を抑制
し、機内の部品の熱劣化を防止すること、(2)定着器
を作動せしめてから定着が可能になるまでのウォームア
ップ時間を短くすること、(3)記録紙に熱が吸収され
ることによる定着不良を防止して、連続通紙による画像
作製を可能にすること、等の観点から、定着用ヒータの
消費電力を下げて、熱ローラの温度をより低温で定着で
きるトナーの開発が望まれている。
【0010】ところで、トナーを10μm以下に微粒子
化した場合、次の様な問題が発生する。即ち、現像工程
においては、微粒子トナーを使用することにより高解像
性と高ドット密度再現性が得られ、同一画像濃度を得る
ために必要なトナーの重量が少なくて済むが、トナーの
比表面積が増大することによりトナーの単位重量当たり
の帯電量が増加するため、画像濃度の低下を招き易い。
【0011】また、トナー個々の帯電量は、トナー個々
の表面積が小さくなるため減少し、非画像部へのトナー
付着(カブリ)とトナー飛散が生じ易く、流動性の低下
によるトナー搬送等ハンドリング性の低下も生じ易い。
【0012】さらに、微粒子トナーの付着力の強さと耐
衝撃性の弱さにより、トナーによるキャリア汚染(キャ
リアスペント)が起こり易くなり、現像剤寿命が低下し
易い。また、トナーを感光体から清掃しにくくなり、印
刷中に感光体にトナーの薄膜(フィルミング)が発生し
易い。
【0013】また、定着に関しては同一の定着強度を得
るために、粒子径の大きなトナーよりも多くのエネルギ
ーを要し、定着時に画像を構成するトナーの一部が熱ロ
ーラの表面に転移し、これが次に送られてくる記録紙に
再転移して画像を汚す、いわゆるオフセット現象が生じ
易い。また、トナー製造時の粉砕、分級工程での歩留ま
りが低下するため、トナーのコストが高くなる。微粒子
トナーではこれら多くの問題が発生するため、通常6μ
m未満のトナーは実用化することが難しく、トナーの平
均粒径を6μmないし10μmの範囲に分級して用い
る。
【0014】しかし、この範囲においても前記の種々の
問題が発生するため、これらを克服して、高精細の画像
を高信頼で得る試みがなされている。例えば、帯電性の
面ではトナーが小粒径になると、トナー個々の帯電量が
低下して前記の不具合が生じるので、トナーの構成材料
である顔料や帯電制御剤の分散を高めて、帯電量を確保
する試みがなされている〔H.T.Macholdt:J
apan Hardcopy ’91 論文集P.13
(1991)〕。
【0015】また、分子中に無定形重合体ブロックと結
晶性重合体ブロックを適度な割合で含有した芳香族ポリ
エステル樹脂をバインダーに用い、トナーの低温定着性
と耐オフセット性の向上を試みた例がある(特公平8−
3660号公報)。
【0016】さらに、キャリアについてはトナーの小粒
径化に伴い、重量平均粒径を100μm以下の小粒径キ
ャリアとし、キャリアの比表面積を高めてトナーの摩擦
帯電性を向上させる。しかし、40μm未満のキャリア
ではキャリアの磁力が低下し、像担持体上に静電吸引力
で付着し易くなるため、キャリアの平均粒径を40μm
ないし100μmの範囲に分級して用いる。
【0017】この範囲では、現像剤自体が小粒径になる
が、小粒径現像剤では帯電性が向上するばかりでなく、
像担持体上から清掃回収したトナーをリサイクルする機
能も向上するという電子写真法の提案がある(特開平8
−15986号公報)。これらの改良により、微粒子ト
ナーおよび現像剤は複写機、プリンタ等で実用化されつ
つある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際の静電記
録装置で印刷を繰り返す場合、前記の微粒子トナー特有
の問題、特に印刷によるトナーの帯電量の増加が避け難
く、画像濃度を適正範囲に維持できないという問題が生
じる。
【0019】トナーの帯電量を適正範囲に制御するため
には、トナー中に含有せしめる帯電制御剤の種類と量を
適宜選定する必要がある。更に、トナー表面に添加する
流動化剤により、トナーの流動性を向上させ、トナー表
面の帯電性を均一化することも重要である。このような
流動化剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア等の無
機微粒子やアクリル樹脂、ポリアミド樹脂等の有機微粒
子が用いられ、特にシリカが最も一般的に用いられる。
しかしながら、トナーの流動性を向上させただけではト
ナーの帯電量を安定化できない。
【0020】本発明の目的は、多数枚の印刷を繰り返し
ても画像特性が低下せず、安定した画像が得られる静電
記録装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、例えばOPCなどの有機光導電性感光体
からなり最外周に耐磨耗性を付与した像担持体と、その
像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、その静電潜
像をトナーで顕像化する現像手段と、形成されたトナー
像を記録媒体上に転写する転写手段と、その記録媒体上
に転写されたトナー像を定着する定着手段とを備えた静
電記録装置において、前記現像手段に用いるトナーの表
面に例えば磁性粉末や酸化スズなどの導電性微粉末が付
着されていることを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】前記の様に体積平均粒径が6μm
ないし10μmの微粒子トナーを用いると、トナーの比
表面積が大きくなり、トナーの単位重量当たりの帯電量
が増加するため現像性能が悪くなり、画像濃度が低下し
易い。この様な微粒子トナーを用いた静電像記録工程、
特に電子写真法のレーザビームプリンタにおいて、図1
に示したように像担持体として導電性基体1上に下引き
層2、電荷発生層3および電荷輸送層4を順次一層ずつ
積層した標準型の有機感光体(Normal−laye
r type Organic Photocondu
ctor 以下、N−OPCと略称する)を用い、N−
OPC上に作製した静電潜像を反転現像方式(静電潜像
の極性と同極性のトナーを、静電荷のない部分に付着さ
せる現像方式)で現像し、得られたトナー像を記録用紙
に転写、定着し、OPC上に残留したトナー像をブレー
ドクリーナーで除去する工程で得た画像の印刷による濃
度の変化を調べると図2のようになる。
【0023】同図の横軸は印刷枚数(単位1000頁)
を、左縦軸はトナー帯電量とトナー濃度、右縦軸は画像
濃度をそれぞれ示し、図中の一点鎖線はトナー帯電量の
変化を示す特性曲線、実線はトナー濃度の特性曲線、点
線は画像濃度の変化を示す特性曲線である。
【0024】このテストにおいて、N−OPCの電荷輸
送層4中の電荷輸送剤の濃度を45重量%とした。また
現像剤として、体積平均粒径が9μm、ガラス転移点が
62℃、軟化点が125℃のスチレン−アクリル系の負
トナーと重量平均粒径が95μmの導電剤を含有したシ
リコーン樹脂コートマグネタイト系キャリアより成る現
像剤を用い、トナーの表面には疎水性シリカ(日本アエ
ロジル社製アエロジルR−972)をトナーに対して
0.3重量%添加した。これを現像剤Aと略称する。
【0025】トナーの現像はN−OPCの帯電電位−7
50V、残留電位−50V、現像バイアス電位−450
V、現像部コントラスト電位400Vで、毎分60枚の
印刷速度(印刷プロセス速度27cm/sec)で反転
現像を行った。現像剤のトナー濃度(トナーの現像剤に
対する混合割合)は、初期2.0重量%とし、10,0
00頁の連続印刷を行った。
【0026】ここで、トナーの帯電量の測定法として、
負圧(約0.26kgf/cm2)によりキャリアから
トナーを吸引分離し、キャリアに蓄えられたトナーとは
逆極性の帯電量をファラデーケージを用いて測定する、
いわゆる「吸引ファラデー法」〔特開平7−26155
3号公報、または宮坂 徹ほか:Japan Hard
copy ’96 論文集P.97(1996)〕を用
い、現像機の現像部から採取した現像剤中のトナーの帯
電量とトナー濃度を測定した。
【0027】この図2より、印刷枚数の増加と共に画像
濃度が低下し、通常必要とされる画像濃度1.3以上が
得られるのは、初期の2,000頁程度であることがわ
かる。また、連続印刷によりトナーの帯電量が増加し、
2,000頁を越える印刷枚数での画像濃度の低下は、
トナーの帯電量の増大が原因であると推定できる。
【0028】一方、前記のトナーに更に導電剤として磁
性微粉末(関東電化工業社製立方状マグネタイトKBC
−100S、平均粒径約0.25μm)をトナーに対し
0.5重量%添加混合してトナーの表面に磁性微粉末を
付着し、同一のキャリアで現像剤Bを調製して、同様の
画像作製条件で、10,000頁の連続印刷を行った。
【0029】その結果を図3に示す。この図から明らか
なように、印刷枚数が増加しても画像濃度が低下せず、
通常必要とされる画像濃度1.3以上を維持できること
がわかった。また、この場合のトナー帯電量の変化をみ
ると同図に示されているように、連続印刷によっても増
加率が少なく安定している。
【0030】以上の現象は次のように考えられる。即
ち、現像剤Aでは印刷初期には帯電量の適正なトナーが
選択的に現像され、一定以上の画像濃度が得られる。し
かし、印刷枚数の増加とともに現像性の悪い帯電量の不
適正な(帯電量が大きすぎるか小さすぎる)トナーがキ
ャリアの表面に蓄積して行き、現像剤の嵩比重が小さく
なる(単位体積当たりのキャリアの存在割合が減少す
る)。
【0031】そのため、通常の透磁率検知方式のトナー
濃度制御装置ではトナーは十分に在ると判定し、トナー
の補給を抑制する動作をするため、トナー量が減少し、
帯電量は更に大きくなる。同時に、キャリアのコート層
が磨耗、剥離し、トナーの帯電量を一定範囲に制御する
能力が低下し、帯電量が増大し、キャリアの表面からト
ナーが遊離しにくくなり、現像剤の嵩比重が小さくな
る。この悪循環が繰り返される内に、トナーの帯電量は
キャリアとの摩擦により益々増大し、トナー濃度は減少
し、画像濃度が許容範囲以下に低下してしまう。
【0032】これに対し、現像剤Bではトナー表面に導
電性微粉粉が付着しているため、トナーの帯電の立ち上
がりが早くなり、帯電量が適正化し易いため、前述の様
な現象が起こりにくく、そのため画像濃度が安定したも
のと考えられる。
【0033】本発明においてトナーの表面に外添(付
着)する導電性微粉末としては、例えば下記のような材
料が適用可能である。
【0034】 .磁性粉(Fe3 4 ) :抵抗値104 〜109 Ω−cm .酸化スズ(SnO2 ) :抵抗値102 〜104 Ω−cm .酸化インジウム(In2 3 )にスズ(4価)を適宜添加したITO そこで、前記現像剤Bを用いて300,000頁の連続
印刷を行った。その結果、現像剤のトナー帯電量、トナ
ー濃度の変化は少なく安定していたが、画像特性、特に
画像の地汚れ(カブリ)が印刷と共に増加した。この原
因を調べると、N−OPCの連続印刷時の摩耗による表
面電位の低下が一因と考えられ、N−OPCの摩耗を調
べた結果を図4の実線で示す。
【0035】同図は横軸に印刷枚数(単位1000
頁)、縦軸に有機感光体の膜厚を示した図である。この
図から明らかなように、N−OPCでは初期の膜厚28
μmが300,000頁の連続印刷により18.4μm
まで摩耗し、帯電電位が100Vないし150V程度低
下し、画像にカブリが発生することが分かった。そこで
次のような対策を施して、連続印刷による画像特性の低
下を防いだ。
【0036】すなわちこの対策は、トナー表面に流動化
剤と磁性粉を添加し、帯電特性と画像特性が安定した現
像剤Bに対して、導電性基体上に少なくとも電荷発生層
および複数の電荷輸送層を積層してなる多層型有機感光
体(Multi−layertype Organic
Photoconductor 以下、M−OPCと
略称する)を用い、このM−OPCによる摩耗低減効果
により、研磨性の高いトナーを含む現像剤Bを用いて
も、画像特性の安定化を図るようにしたものである。
【0037】このようなM−OPCの具体例としては、
下記のような構成がある。 (1)電荷輸送層を熱硬化性樹脂と電荷輸送剤を含む中
間層を介して2層に分離形成し、電荷発生層に近い電荷
輸送層中の電荷輸送剤の濃度を20%ないし83%と高
くして、表面に近い電荷輸送層中の電荷輸送剤の濃度を
10%ないし20%未満に低く設定し、耐コロナ性を向
上させたOPC。
【0038】(2)電荷輸送層を2層以上とし、少なく
とも表面領域側の層が、粘度平均分子量4.0×104
以上のポリカーボネート樹脂と有機または無機微粒子と
を含有し、表面領域側の電荷輸送層中の電荷輸送剤の濃
度を基体側の電荷輸送層中の濃度より小さくして表面硬
度を高めたOPC。
【0039】(3)電荷輸送層が少なくとも2層からな
り、これらの電荷輸送層のうち導電性基体側の電荷輸送
層に感度、電位安定性、残留電位の点で優れた特定構造
の電荷輸送剤を含有させたOPC。
【0040】(4)電荷輸送層が少なくとも2層からな
り、最表面の電荷輸送層にケイ素を含むポリカーボネー
ト樹脂を含有させ、耐摩耗性を向上させたOPC。
【0041】前述の(1)構成のOPCは図5に示すよ
うに、導電性基体1上に下引き層2を介して電荷発生層
3が形成され、さらにその上に第1電荷輸送層4a、中
間層5ならびに第2電荷輸送層4bが設けられている。
前記第1電荷輸送層4aならびに第2電荷輸送層4bは
電荷輸送剤と熱可塑性樹脂を含み、電荷発生層3に近い
第1電荷輸送層4a中の電荷輸送剤の濃度を20%ない
し83%と高くして、表面に近い第2電荷輸送層4b中
の電荷輸送剤の濃度を10%ないし20%未満に低く設
定されている。前記中間層5は電荷輸送剤と熱硬化性樹
脂から構成されている。
【0042】前記導電性基体としては、例えばアルミニ
ウム、アルミニウム合金、鋼、鉄、銅などの金属または
導電性プラスチックなどが使用される。
【0043】前記電荷発生剤としては、例えば金属フタ
ロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニ
ン類、アントラキノン類、インジゴイド類、キナクリド
ン類、ベリレン類、多環キノン類、スクアリック酸メチ
ン類などがあり、これらを単独または2種以上混合する
ことができる。
【0044】前記電荷搬送剤としては、例えばオキサジ
アゾール、トリアゾール、イミダゾロン、オキサゾー
ル、ピラゾリン、イミダゾール、イミダゾリジン、ベン
ゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、トリフェニルアミ
ン、およびこれらの誘導体などがあり、これらを単独ま
たは2種以上混合することができる。
【0045】前記電荷発生層、電荷輸送層ならびに中間
層を構成するための結着剤としては、例えばシリコーン
樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フ
ラン樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル−メ
タクリル共重合体樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂などが
適用可能である。
【0046】前述の(2)構成のOPCは電荷輸送層を
2層以上とし、導電性基体側の電荷輸送層が下記の一般
構造式(1),(2)または(3)を有する電荷輸送剤
を含有し、表面領域側の電荷輸送層が下記の一般構造式
(1)を有する電荷輸送剤を含有する。
【0047】一般構造式(1)
【0048】
【化1】
【0049】式中Ar1 およびAr2 はアルキル基また
はアリール基を表し、Ar3 はフェニレン基を表し、A
1 ,Ar2 の一方とAr3 とが結合して窒素を含む環
を形成してもよい。R1 ,R2 およびR3 はそれぞれ水
素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R2 とR
3 とが結合して環を形成してもよい。
【0050】一般構造式(2)
【0051】
【化2】
【0052】式中Ar4 はアルキル基またはアリール基
を表し、Ar5 はフェニレン基を表す。R4 およびR5
はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアリール基を表
し、R4 とR5 とが結合して環を形成してもよい。
【0053】一般構造式(3)
【0054】
【化3】
【0055】式中Ar6 およびAr7 はアルキル基また
はアリール基を表し、Ar6 ,Ar7 の一方と窒素原子
に結合しているフェニレン基とが結合して環を形成して
もよい。R6 は水素原子、アルキル基またはアリール基
を表し、R7 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基ま
たはハロゲン原子を表す。
【0056】表面領域側の電荷輸送層に添加される有機
微粒子として、例えばシリコーン系樹脂、フッ素系樹
脂、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル
系樹脂などが使用可能である。
【0057】前述の(3)構成のOPCは電荷輸送層を
2層以上とし、導電性基体側の電荷輸送層が下記の一般
構造式(4),または(5)を有する電荷輸送剤を含有
し、表面領域側の電荷輸送層が下記の一般構造式(6)
を有する電荷輸送剤を含有する。
【0058】一般構造式(4)
【0059】
【化4】
【0060】式中Ar8 は置換、無置換アルキル基また
はアリール基を表し、Ar9 はフェニレン基を表す。R
8 ,R9 はそれぞれ水素原子、置換、無置換アルキル基
またはアリール基を表し、R8 とR9 とが結合して環を
形成してもよい。
【0061】一般構造式(5)
【0062】
【化5】
【0063】式中Ar10およびAr11は置換、無置換ア
ルキル基またはアリール基を表す。R10は水素原子、置
換、無置換アルキル基またはアリール基を表し、R11
水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原
子を表す。
【0064】一般構造式(6)
【0065】
【化6】
【0066】式中Ar12およびAr13は置換、無置換ア
ルキル基またはアリール基を表し、Ar14はフェニレン
基を表す。R12,R13,R14は水素原子、置換、無置換
アルキル基またはアリール基を表す。
【0067】本発明では、これらM−OPCを適宜選定
して用いることができるが、特に前記複数の電荷輸送層
において、表面領域側の構成層中の電荷輸送剤の濃度を
導電性基体側の構成層中の電荷輸送剤の濃度より必要最
大限に小さくすることにより、耐摩耗性、耐コロナ性が
向上したOPCが得られ、安定した画像形成が可能とな
る。
【0068】例えば前記N−OPCの電荷輸送層を2層
に分離し、表面領域側の構成層中の電荷輸送剤の濃度を
20重量%、膜厚10μm、導電性基体側の構成層中の
電荷輸送剤の濃度を50重量%、膜厚18μmとしたM
−OPCを用い、前記現像剤Bを用いて300,000
頁の連続印刷を行った結果、M−OPCの耐摩耗性は図
4の一点鎖線のようになる。
【0069】これより、M−OPCでは初期の膜厚28
μmが300,000頁の連続印刷後に22μmまで摩
耗し、帯電電位が50Vないし100V程度低下する
が、帯電電位の低下が比較的小さいため、画像にカブリ
が発生せず、良好な画像を維持できることがわかった。
また、これらの印刷試験により、研磨性の高い磁性粉を
外添したトナーを用いても、M−OPCではN−OPC
より100,000頁以上耐刷寿命を伸ばすことがで
き、印刷枚数当たりの消耗品のコストを低減できること
がわかった。
【0070】本発明を実施するに当たって、一般的に
は、トナーのバインダーには、前記熱ローラ定着用とし
てスチレン系樹脂もしくはポリエステル樹脂、オーブン
ないしフラッシュ定着用にはポリエステル樹脂もしくは
エポキシ樹脂が用いられる。また、本発明のように低温
定着を目指す場合には、ポリエステル樹脂またはエポキ
シ樹脂はガラス転移点が高く、軟化点を低く設定できる
ため、トナーの耐ブロッキング性、流動性を確保しなが
ら低温定着性を得るために有効である。ポリエステル樹
脂には多種類があるが、トナー用として、熱ローラ定着
での耐オフセット性を高めるため、部分的に架橋成分を
有するポリエステル樹脂が有効である。
【0071】一方、オーブンないしフラッシュ定着用に
は架橋成分のないポリエステル樹脂が有効である。部分
的に架橋成分を有するポリエステル樹脂としては、以下
のような単量体を用いて合成されたものがある。即ち、
架橋成分を構成するための三官能以上の多官能性単量体
としては、例えば多価アルコール単量体として、ソルビ
トール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソ
ルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
ール、トリペンタエリスリトール、蔗糖、1,2,4−ブ
タントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリ
セロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル
−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキ
シメチルベンゼン等が挙げられる。
【0072】また、多価カルボン酸単量体として、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼン
トリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボ
ン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4
−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカル
ボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチルカルボキシ
プロペン、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メ
チレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキ
シ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン
酸、エンポール三量体酸、及びこれらの酸無水物等が挙
げられる。
【0073】さらに、ポリエステル樹脂の基本骨格を構
成する二価のアルコール単量体として、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類、1,
4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、及びビ
スフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキ
シエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン
化ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノールA
類、その他の二価のアルコール単量体を挙げることがで
きる。
【0074】また、二価のカルボン酸単量体としては、
マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、
イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク
酸、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、これらの酸の
無水物、低級アルキルエステルとリノレン酸の二量体、
その他の二価の有機酸単量体を挙げることができる。
【0075】これらのアルコールと酸を脱水重縮合する
ことにより、部分架橋型ポリエステル樹脂を合成するこ
とができる。また、二価のアルコールと二価の酸のみを
脱水重縮合することにより、架橋成分の無いポリエステ
ル樹脂を合成することができる。しかし、ポリエステル
樹脂は分子末端あるいは分子主鎖中に未反応の水酸基や
カルボキシル基を多く含むため、吸湿し易く、トナーの
電気特性、特に帯電特性が環境により変化し易い。
【0076】これを防ぐ目的で、ポリエステル樹脂中の
水酸基もしくはカルボキシル基と反応する極性基を持つ
スチレン〜アクリル系樹脂をポリエステル樹脂にグラフ
ト共重合させて、耐環境性を改善する試みもなされてい
る。この様なスチレン〜アクリル変性ポリエステル樹脂
も本発明において好適に用いられる。これらポリエステ
ル樹脂において、三官能以上の多官能単量体成分の含有
量は、1ないし30モル%の範囲が適当である。この範
囲より多官能単量体成分が少ない場合には、熱ローラ定
着においてオフセットが発生し、多い場合には定着性が
低下する。
【0077】以上、スチレン系樹脂、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、またはスチレン〜アクリル変性ポリ
エステル樹脂を用いたトナーでは、ガラス転移点は50
℃ないし70℃の範囲が適当である。ガラス転移点が5
0℃未満では、トナーの流動性、粉砕性、耐ブロッキン
グ性、耐フィルミング性、耐久性が不良となり、70℃
を越える場合にはトナーの低温定着性が悪くなる。ま
た、トナーの軟化点は90℃ないし140℃の範囲が適
当である。軟化点が90℃未満ではトナーの流動性、耐
オフセット性、粉砕性、耐ブロッキング性、耐フィルミ
ング性、耐久性が悪くなり、140℃を越えるとトナー
の低温定着性が悪くなる。
【0078】本発明におけるトナーのガラス転移点、軟
化点は次のようにして測定することができる。ガラス転
移点は、示差走査熱量測定法(DSC)に従い、トナー
約10mgを一定の昇温速度(10℃/分)で窒素雰囲
気中で室温から約150℃まで加熱し、ベースラインと
吸熱ピークの傾斜との交点よりガラス転移点を求める。
【0079】軟化点は、高架式フローテスターを用い、
荷重20kgf/cm2ないし30kgf/cm2、ノズ
ルの直径1mm、ノズルの長さ1mm、予備加熱80℃
で数分間加熱後、昇温速度6℃/分とし、試料量約1g
を測定記録した際、フローテスターのプランジャー降下
量―温度曲線(軟化流動曲線)におけるS字曲線の高さ
の1/2における温度(1/2流出温度)を軟化点とし
て定義する。
【0080】以上の溶融物性を有するスチレン系樹脂、
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、またはスチレン〜ア
クリル変性ポリエステル樹脂を用いたトナーでは、本発
明の目的とする、微粒子での低温定着が可能となる。
【0081】また、本発明は、特に非磁性二成分用負ト
ナーおよび現像剤について言及したが、非磁性二成分用
正トナーおよび現像剤、非磁性一成分用正トナーまたは
負トナー、磁性一成分用正トナーまたは負トナー、磁性
二成分用正トナーまたは負トナーおよび現像剤について
も全く同様のことが判明し、トナーとOPCの構成を本
発明の組み合わせで用いれば、連続印刷を行った場合に
画像特性を維持出来、良好な画像を安定して得ることが
できる。
【0082】以下、本発明の実施例について説明する
が、これらによって本発明が限定されるものではない。
【0083】(実施例1)像担持体としてOPCを用い
た電子写真方式のレーザビームプリンタにおいて、OP
Cの電荷輸送層を2層構成とし、表面領域側電荷輸送層
中の電荷輸送剤濃度を25重量%、膜厚8μm、導電性
基体側電荷輸送層中の電荷輸送剤濃度を45重量%、膜
厚20μmとし、帯電電位−800V、残留電位−50
V、現像バイアス電位−500V、現像部コントラスト
電位450Vで、毎分70枚の印刷速度(印刷プロセス
速度31cm/sec)で印刷を行った。
【0084】トナーとして、スチレン−アクリル系共重
合体をバインダーとして88重量%、低分子量ポリプロ
ピレン(三洋化成工業社製ハイマー330P)3重量
%、クロム含金属染料(オリエント化学工業社製ボント
ロンS−34)1重量%、カーボンブラック(三菱化学
社製#44)8重量%からなる体積平均粒径9μm、ガ
ラス転移点60℃、軟化点118℃の負帯電型非磁性ト
ナーを調製した。
【0085】トナーの表面には、流動化剤として疎水性
シリカ(日本アエロジル社製アエロジルR−972)を
0.3重量%、導電剤として磁性粉(関東電化工業社製
立方状マグネタイトKBC−100、平均粒径約0.3
μm)を0.7重量%添加した。
【0086】また、キャリアとして、導電剤を含有した
シリコーン系樹脂でコートした重量平均粒径が95μm
のマグネタイトキャリア(電気抵抗2.0×108 Ω・
cm)を使用し、トナー濃度2.5重量%で現像剤を調
製し、磁気ブラシ現像法で現像ギャップ(OPCと現像
ロールスリーブ間の距離)を0.8mmとして、OPC
と現像ロールを同方向で移動し、両者の周速比(現像ロ
ール/OPC)を3とし、反転現像で画像を作製した。
画像を作製後用紙へ転写、熱ロール定着し、OPC上に
残留したトナー像は、ブレードクリーナーで清掃、除去
した。
【0087】前記レーザビームプリンタで連続印刷を3
00,000頁以上行い、トナーの帯電量の変化を調べ
ると、初期が吸引ファラデー法で−15.7μC/g、
300,000頁印刷後のトナーの帯電量は、−16.
5μC/gであった。この連続印刷における画像濃度の
変化を調べると、初期1.40、300,000頁印刷
後1.35であり、カブリも少なく良好な画像が得られ
た。また、トナーの定着性は、定着機の熱ロールの温度
を180℃に設定しても良好であった。
【0088】(実施例2)実施例1において、トナーと
して、トリメリット酸20モル%、テレフタル酸20モ
ル%、ヘキサデセンジカルボン酸10モル%を酸成分、
ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加物38モ
ル%、ビスフェノールA型エチレンオキサイド付加物1
2モル%をアルコール成分とする部分架橋型ポリエステ
ル樹脂をバインダーとし、実施例1と同様の組成でトナ
ーを調製後、実施例1と同様の外添剤を添加し、体積平
均粒径8μm、ガラス転移点57℃、軟化点110℃の
負帯電型非磁性トナーを得た。
【0089】実施例1と同様のキャリアを用いて現像剤
を調製し、実施例1と同様のレーザビームプリンタで連
続印刷を300,000頁以上行い、トナーの帯電量の
変化を調べると、初期が吸引ファラデー法で−16.3
μC/g、300,000頁印刷後のトナーの帯電量
は、−18.5μC/gであった。この連続印刷におけ
る画像濃度の変化を調べると、初期1.35、300,
000頁印刷後1.30であり、カブリもなく良好な画
像が得られた。また、トナーの定着性は、定着機の熱ロ
ールの温度を170℃に設定しても良好であった。
【0090】(実施例3)実施例1において、トナーと
して、フマル酸50モル%を酸成分、ビスフェノールA
型プロピレンオキサイド付加物50モル%をアルコール
成分とするポリエステル樹脂50重量%、テレフタル酸
35モル%、イソフタル酸15モル%を酸成分、ビスフ
ェノールA型エチレンオキサイド付加物25モル%、エ
チレングリコール25モル%をアルコール成分とするポ
リエステル樹脂50重量%から成るポリエステル樹脂混
合物をバインダーとし、実施例1と同様の組成でトナー
を調製後、実施例1と同様の外添剤を添加し、体積平均
粒径7.5μm、ガラス転移点60℃、軟化点100℃
の負帯電型非磁性トナーを得た。
【0091】実施例1と同様のキャリアを用いて現像剤
を調製し、実施例1と同様のレーザビームプリンタで毎
分35枚の印刷速度(印刷プロセス速度15.5cm/
sec)で印刷を行った。連続印刷を300,000頁
以上行い、トナーの帯電量の変化を調べると、初期が吸
引ファラデー法で−16.2μC/g、300,000
頁印刷後のトナーの帯電量は、−17.5μC/gであ
った。この連続印刷における画像濃度の変化を調べる
と、初期1.35、300,000頁印刷後1.30で
あり、カブリもなく良好な画像が得られた。また、トナ
ーの定着はオーブン加熱で行ったが、定着性は用紙表面
温度が100℃程度でも良好であった。
【0092】以上、実施例で述べた如く、微粒子トナー
および微粒子キャリアから成る現像剤において、トナー
の体積平均粒径を6μmないし10μmとし、キャリア
の重量平均粒径を40μmないし100μmとすること
により実用的な高精細現像剤を得ることができる。トナ
ーの平均粒径が6μm未満では帯電制御が不十分とな
り、非画像部へのトナー付着やトナー飛散が生じる。ま
た、トナーの平均粒径が10μmを越える場合には、が
さついた画像となり、精緻な画像が得られない。一方、
キャリアの平均粒径が40μm未満では、感光体へのキ
ャリア付着を生じ、100μmを越える場合には、がさ
ついた画像となる。この様な微粒子トナー/現像剤にお
いて、トナーの表面に流動化剤として無機または有機粒
子、導電剤として磁性粉を添加し、帯電量の安定化を図
った場合に、有機感光体の電荷輸送層を多層化し、表面
の耐久性と耐摩耗性を高めて用いることにより、多数枚
印刷を繰り返しても画質の劣化の少ない安定した靜電記
録装置を得ることができる。
【0093】本発明の実施の形態によれば、体積平均粒
径が6μmないし10μmの微粒子トナー、および/ま
たは重量平均粒径が40μmないし100μmの微粒子
キャリアから成る現像剤を有機感光体に適用した場合に
あって、多数枚印刷を繰り返してもトナーの帯電量が安
定しており、感光体の摩耗も少なく、画像濃度が低下せ
ず、カブリの少ない安定した画像を得ることができる。
【0094】また、トナーのバインダーにスチレン系樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、および/または
ポリエステルにスチレン〜アクリルをグラフト共重合さ
せた樹脂を用い、トナーの溶融物性を本発明の範囲内と
することにより、低温定着が可能で画像特性の良好な現
像剤を得ることができる。
【0095】図6は、本発明の適用例を示す電子写真装
置の概略構成図である。この適用例においては、正およ
び負の異なる極性の帯電したトナーを使用して2色印刷
を行なう3値露光方式を用いた2色電子写真装置で説明
する。
【0096】同図において感光体ドラム11は矢印の方
向に一定の速度で回転し、その周囲に帯電器12、光学
装置13、第1現像装置14、第2現像装置15、転写
前帯電器16、転写器17、清掃装置18が順次配置さ
れている。
【0097】符号19、20、21は帯電器12、転写
前帯電器16、転写器17のコロトロンワイヤに高電圧
を印加してコロナ放電を発生させるための帯電器用高圧
電源、転写前帯電器用高圧電源、転写器用高圧電源であ
る。また符号22、23は第1現像装置14、第2現像
装置15にバイアス電圧を印加するバイアス電圧用高圧
電源である。
【0098】次にこの2色電子写真装置の動作について
説明する。感光体ドラム11の表面は帯電器12により
均一に帯電され、光学装置13により照射されるレーザ
光で露光されることにより、感光体ドラム11には3段
階の電圧からなる静電潜像が形成される。
【0099】感光体ドラム11に形成された3段階電圧
の静電潜像のうち、高電位部VH(−900V)は第1
現像装置14により感光体ドラム11と逆極性の正帯電
トナーで正規現像される。なお、本適用例においては、
第1現像装置14において例えば赤トナーなど、黒以外
のカラートナーを使用する。このとき、第1現像装置1
4の現像ローラ14aにはバイアス電圧(−600V)
が印加されており、中間電位部VM、低電位部VLには
トナー現像はなされない。
【0100】次に、低電位部VL(−50V)は第2現
像装置15により感光体ドラム11と同極性の負帯電ト
ナーで反転現像される。第2現像装置15は黒トナーを
使用している。このとき、第2現像装置15の現像ロー
ラ15aにはバイアス電圧(−300V)が印加されて
おり、中間電位部VM、高電位部VHにはトナー現像は
なされない。
【0101】次に、転写前帯電器16によりトナーの帯
電を揃え、用紙24の裏面より転写器17によりトナー
と逆極性の電荷を用紙24に与えて感光体ドラム11上
のトナーを用紙24に転写させる。用紙24に転写され
ず感光体ドラム11上に残留した未転写トナーは、清掃
装置18により除去される。また用紙24上に転写され
たトナーは定着装置25により加熱、加圧されて用紙2
4上に定着される。これらのプロセスを繰り返すことに
より、連続的に印刷が行なわれる。
【0102】この構成の2色電子写真装置においては、
第1現像装置14と第2現像装置15とで、トナーに外
添(付着)する導電性微粉末の材料を違わせてもよく、
黒トナーに比べて色濁りなどが目立ち易いカーラートナ
ーを扱う現像装置には、鮮明な色表現を実現する点を配
慮して、導電性微粉末として例えば白色系若しくは透明
材料、例えば酸化スズ、酸化インジウム(含スズ)など
を用い、流動化剤として酸化チタン、酸化アルミニウム
などを用いるとよい。
【0103】
【発明の効果】本発明によれば、トナーの表面に導電性
微粉末を付着させることにより、帯電量の安定化が図ら
れ、そのため多数枚の印刷を繰り返しても画像特性が低
下せず、安定した画像が得られる静電記録装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】N−OPCの一部拡大断面図である。
【図2】現像剤Aを使用した場合の連続印刷によるトナ
ー濃度、トナー帯電量、画像濃度の変化を示す特性図で
あ。
【図3】現像剤Bを使用した場合の連続印刷によるトナ
ー濃度、トナー帯電量、画像濃度の変化を示す特性図で
ある。
【図4】連続印刷による有機感光体の膜厚の変化を示す
説明図。
【図5】N−OPCの一部拡大断面図である。
【図6】本発明の適用例を示す2色電子写真装置の概略
構成図である。
【符号の説明】
1 導電性基体 2 下引き層 3 電荷発生層 4 電荷輸送層 4a 第1電荷輸送層 4b 第2電荷輸送層 5 中間層 11 感光体ドラム 12 帯電器 13 光学装置 14 第1現像装置 15 第2現像装置 16 転写前帯電器 17 転写器 24 用紙 25 定着装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 9/09 G03G 9/08 361 (72)発明者 加藤 孝二 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 安西 正保 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機光導電性感光体からなり最外周に耐
    磨耗性を付与した像担持体と、その像担持体に静電潜像
    を形成する露光手段と、その静電潜像をトナーで顕像化
    する現像手段と、形成されたトナー像を記録媒体上に転
    写する転写手段と、その記録媒体上に転写されたトナー
    像を定着する定着手段とを備えた静電記録装置におい
    て、前記現像手段に用いるトナーの表面に導電性微粉末
    が付着されていることを特徴とする静電記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、前記導電性微粉
    末が磁性粉、酸化スズ、スズを添加した酸化インジウム
    のグループから選択された少なくとも1種の無機粉末で
    あることを特徴とする静電記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載において、前記トナーの表
    面に流動化剤が付着されていることを特徴とする静電記
    録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載において、前記有機感光体
    の電荷輸送層が複数に分割され、表面領域側電荷輸送層
    中の電荷輸送物質の濃度が、導電性基体側電荷輸送層中
    の電荷輸送物質の濃度よりも小さいことを特徴とする静
    電記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載において、前記有機感光体
    の電荷輸送層が複数に分割され、表面領域側電荷輸送層
    中に有機微粉末または無機微粉末が含有されていること
    を特徴とする静電記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載において、前記現像手段は
    カラートナーを使用する第1の現像手段と黒色トナーを
    使用する第2の現像手段とを有し、前記第1の現像手段
    に使用されるカラートナーには白色系または透明な導電
    性微粉末が付着しており、前記第2の現像手段に使用さ
    れる黒色トナーには黒色系の導電性微粉末が付着してい
    ることを特徴とする静電記録装置。
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