[go: up one dir, main page]

JPH11279912A - 不織布、拭き取り布、及びその製造方法 - Google Patents

不織布、拭き取り布、及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11279912A
JPH11279912A JP9658298A JP9658298A JPH11279912A JP H11279912 A JPH11279912 A JP H11279912A JP 9658298 A JP9658298 A JP 9658298A JP 9658298 A JP9658298 A JP 9658298A JP H11279912 A JPH11279912 A JP H11279912A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
fiber
fibers
fiber web
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9658298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3664873B2 (ja
Inventor
Satoru Kaneshiro
悟 金城
Tetsuo Kimura
哲夫 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd filed Critical Japan Vilene Co Ltd
Priority to JP9658298A priority Critical patent/JP3664873B2/ja
Publication of JPH11279912A publication Critical patent/JPH11279912A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3664873B2 publication Critical patent/JP3664873B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐磨耗性及び風合の優れる不織布、更に払拭
性、意匠性に優れる拭き取り布、及び生産性に優れる不
織布の製造方法を提供すること。 【解決手段】 不織布は高巻縮繊維を含むものであり、
不織布のたて方向又はよこ方向の少なくとも一方向にお
ける引張り伸度が、40%以下のものである。また、不
織布の製造方法は、潜在巻縮性繊維を含む繊維ウエブに
張力がかかっている状態で熱処理を実施し、この潜在巻
縮性繊維の巻縮を発現させる方法であり、不織布を容易
に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不織布、不織布から
なる拭き取り布、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】不織布は織物や編物などと異なり、紡績
糸を使用しておらず、その構造も規則正しく織り込まれ
たり、編み込まれたものではなく、不規則であるため、
外力によって繊維が遊離し、絡み合いやすいものであ
る。つまり、耐磨耗性の悪いものである。
【0003】そのため、耐磨耗性を向上させるために、
不織布表面に樹脂をプリントしたり、バインダーを含浸
するなどの方法を採っていた。しかしながら、このよう
な方法により耐磨耗性を向上させた不織布は、風合が低
下するなど、様々な問題点を有するものであった。
【0004】例えば、不織布を拭き取り布として使用し
た場合、風合の低下以外に、耐磨耗性を向上させるため
に使用した樹脂やバインダーによって、繊維表面(特に
繊維同士の交差点)が被覆された状態となるため、払拭
性が低下するという問題を生じるものであった。また、
樹脂をプリントする場合には、不織布全体に耐磨耗性を
付与する必要があることから、プリントする樹脂量が必
然的に多くなる傾向があるため、風合がより硬化すると
いう問題があり、また、そのプリント柄も単調で意匠性
が低いという問題があった。更には、このような耐摩耗
性を有する不織布を製造するには、樹脂をプリントした
り、バインダーを含浸するなどの工程を経る必要がある
ため、生産作業性が低下したり、コストアップにつなが
るなどの問題点も有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、耐磨耗性及び風
合の優れる不織布、更に払拭性、意匠性に優れる拭き取
り布、及び生産性に優れる不織布の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の不織布は高巻縮
繊維を含むものであり、不織布のたて方向又はよこ方向
の少なくとも一方向における引張り伸度が、40%以下
のものである。高巻縮繊維は巻縮が多く伸縮性を有する
ため、高巻縮繊維を含む不織布は高い伸縮性を有するは
ずであるのに、本発明の高巻縮繊維を含む不織布の引張
り伸度が40%以下という伸縮性の低いレベルにあるた
め、本発明の不織布を構成する繊維(例えば、高巻縮繊
維、高巻縮繊維以外の繊維など)は自由度が低い状態に
ある。つまり、高巻縮繊維が繊維(例えば、高巻縮繊
維、高巻縮繊維以外の繊維など)と高度に絡みあった状
態にある。このように、高巻縮繊維が高度に絡んだ状態
にあり、繊維が遊離しにくいため、本発明の不織布は耐
磨耗性に優れている。このように、本発明の不織布は樹
脂をプリントしたりバインダーを含浸するなどの処理を
施さなくても耐磨耗性に優れているため、風合も優れて
いる。
【0007】上記のような不織布からなる拭き取り布
は、樹脂やバインダーなどが付着していなくても使用で
きるため、払拭性に優れている。また、樹脂やバインダ
ーを使用することにより耐磨耗性を付与しているわけで
はないため、少量かつ自由なデザインでプリントを施す
ことができる。したがって、意匠性にも優れた拭き取り
布である。
【0008】本発明の不織布の製造方法は、潜在巻縮性
繊維を含む繊維ウエブに張力がかかっている状態で熱処
理を実施し、この潜在巻縮性繊維の巻縮を発現させる方
法であり、上述のような不織布を容易に製造することが
できる。このように、プリントやバインダーを含浸する
工程を必ずしも必要としないため、生産性に優れ、不織
布を安く製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の不織布は高巻縮繊維を含
み、この高巻縮繊維が高度に絡んでおり、高巻縮繊維自
身の自由度、場合により高巻縮繊維以外の繊維の自由度
を制限しているため、耐磨耗性に優れている。この高巻
縮繊維とは、巻縮数が30個/インチ以上の繊維をい
い、本発明における巻縮数はJIS L 1015(化
学繊維ステープル試験方法)に規定される方法により測
定される値をいう。なお、高巻縮繊維は上記の巻縮数で
不織布中に存在する必要はなく、高巻縮繊維が単独で上
記の巻縮数で存在可能であれば良い。
【0010】この高巻縮繊維はもともと上記のような巻
縮数を有するものであっても良いが、熱によって巻縮を
発現することのできる潜在巻縮性繊維は、より高度に絡
んだ状態で存在することができ、また、製造上も好適で
あるため、好適に使用することができる。
【0011】この好適である潜在巻縮性繊維としては、
例えば、(1)2種類の樹脂成分からなり、これらの樹
脂成分が繊維断面において偏芯状又は貼り合わせ状に配
置した複合繊維や、(2)緊張下の繊維に対して加熱刃
を擦過させたり、加熱下の繊維に刃を擦過させて、分子
の配列を乱して熱履歴を与えた繊維、などを使用でき
る。本発明においては、高巻縮繊維がより高度に絡むこ
とができるように、巻縮発現力の強い(1)の複合繊維
を使用するのが好ましい。
【0012】この好ましい潜在巻縮性複合繊維を構成す
る樹脂成分の組み合わせは特に限定するものではない
が、例えば、ポリプロピレン/変性ポリプロピレン、ポ
リエステル/変性ポリエステル、ポリエステル/変性ポ
リアミド、などの組み合わせがある。これらの中でも、
ポリプロピレン/変性ポリプロピレンとの組み合わせか
らなると、比較的低温で巻縮を発現させることができ、
高巻縮繊維以外の繊維への影響が小さいため、好適に使
用することができる。
【0013】このような潜在巻縮性繊維は、例えば、常
法により溶融紡糸した後に熱延伸することにより容易に
製造することができる。また、市販されているため容易
に入手することもできる。
【0014】この高巻縮繊維が不織布中に多く存在して
いると、高度に絡んでいるとはいえ、伸縮性が生じやす
く、形態安定性が悪くなる傾向があるため、不織布全体
の質量の30mass%以下で存在しているのが好まし
く、25mass%以下であるのがより好ましい。な
お、3mass%未満であると、高巻縮繊維の絶対量が
少なく、耐磨耗性を向上させる効果があまり期待できな
いため、3mass%以上の存在しているのが好まし
く、5mass%以上であるのがより好ましい。
【0015】本発明の不織布はその使用用途によって、
適宜、高巻縮繊維以外の繊維を存在させることができ
る。この高巻縮繊維以外の繊維としては、例えば、一般
的な合成繊維(例えば、ナイロン繊維、ビニロン繊維、
ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊
維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維やポリプロピレン
繊維などのポリオレフィン系繊維など)、分割性及び/
又は融着性を有する繊維、再生繊維(例えば、レーヨン
繊維など)、半合成繊維(例えば、アセテート繊維な
ど)、植物繊維(例えば、綿、麻など)、動物繊維(例
えば、羊毛、絹など)、或いは各種機能が付与された機
能性繊維(例えば、抗菌性、防黴性、除電性、吸湿性、
撥水性、難燃性、吸水性など)を1種類以上混在させる
ことができる。
【0016】本発明の不織布を拭き取り布として使用す
る場合、吸水性に優れるようにレーヨン繊維を含んでい
るのが好ましい。このレーヨン繊維を含む拭き取り布
(不織布)は耐磨耗性が低く、拭き取り布を繰り返し使
用するために繰り返し洗濯するだけで、個々の繊維にば
らけやすいものであったが、本発明の拭き取り布は高巻
縮繊維を含んでいることによって、耐磨耗性(この場
合、耐洗濯性)に優れるものである。また、拭き取り布
を繰り返し使用する場合、雑菌によって汚染されないよ
うに、抗菌性の繊維を混在させるのが好ましい。
【0017】本発明の不織布を構成する繊維の繊度は特
に限定するものではないが、7×10-5デニール〜6デ
ニールであるのが好ましい。また、繊維長も特に限定す
るものではないが、高巻縮繊維が絡みやすいように、3
〜110mm程度であるのが好ましい。また、高巻縮繊
維は1種類である必要はなく、2種類以上含んでいても
良いし、高巻縮繊維以外の繊維を含んでいる場合、3種
類以上(高巻縮繊維を含めて)の繊維を含んでいても良
い。
【0018】本発明の不織布は高巻縮繊維が高度に絡ん
だものであるが、高巻縮繊維以外の繊維も絡んでいるの
が好ましい。このように不織布構成繊維全部が絡んでい
ることによって、耐磨耗性がより向上するからである。
この絡みは、例えば、水流などの流体流やニードルを作
用させることによって形成できる。
【0019】また、本発明の不織布は繊維の全く存在し
ない開口部を有するのが好ましい。つまり不織布の片面
から観察した時に、不織布を通じて不織布の反対側の情
景が部分的に観察できるのが好ましい。このような開口
部を有する不織布の繊維の存在する部分は繊維密度が高
く、繊維の自由度が低いため、高巻縮繊維がより多くの
繊維に絡んで、耐磨耗性が向上するためである。また、
この開口部を有する不織布からなる拭き取り布は、払拭
性がより優れ、しかも払拭したものをこの開口部周辺で
保持できるため、保持量の多いものである。
【0020】この開口部は、例えば、水流などの流体流
で絡合する際に、繊維ウエブを支持する支持体として、
目の粗いものを使用することにより形成することができ
る。なお、このような方法で開口部を形成する場合、繊
維ウエブに対していきなり水流などの流体流を作用させ
ると、繊維の抜けなどが生じやすいため、ニードルや流
体流などにより、ある程度絡合させた後に実施するのが
好ましい。
【0021】このように高巻縮繊維を含む本発明の不織
布は、不織布のたて方向又はよこ方向の少なくとも一方
向における引張り伸度が40%以下(好ましくは30%
以下、より好ましくは25%以下、最も好ましくは20
%以下)である程度に、高巻縮繊維が高度に絡んだもの
であるため、耐磨耗性に優れている。また、樹脂やバイ
ンダーなどの付与を必ずしも必要とせず、繊維のみで構
成することが可能であるため、風合も優れている。
【0022】本発明の不織布のたて方向とは、不織布の
長さ方向を意味し、不織布を製造する上での繊維ウエブ
の流れ方向と一致する。また、本発明のよこ方向とは前
記たて方向と直交する方向をいう。更に、引張り伸度は
幅5cmの不織布を、チャック間距離(A)20cmに
設定された、引張り強さ試験機(オリエンテック製、テ
ンシロンUCT−500)により、引張り速度20cm
/分で引張り、不織布が破断した時の長さ(B)から、
次の式により算出される値をいう。 引張り伸度(%)={(B−A)/A}×100
【0023】また、本発明の不織布は前述のように高巻
縮繊維が高度に絡んでいるため、引張り強度も大きいも
のである。例えば、面密度50g/m2程度の不織布
の、たて方向又はよこ方向の少なくとも一方向における
10%モジュラス強度は、30N/5cm幅以上(好ま
しくは50N/5cm幅以上、より好ましくは60N/
5cm幅以上、最も好ましくは70N/5cm幅以上)
である。この10%モジュラス強度は、幅5cmの不織
布を、チャック間距離20cmに設定された、引張り強
さ試験機(オリエンテック製、テンシロンUCT−50
0)により、引張り速度20cm/分で、2cm(チャ
ック間距離の10%)だけ引張るのに要する力をいう。
【0024】本発明の不織布の面密度は使用用途によっ
て異なり、一概にいえないが、20〜300g/m2
度であることができる。また、厚さは0.1〜1mmで
あることができる。
【0025】このように、本発明の不織布は耐磨耗性及
び風合に優れているため、芯地、衣料用中入綿、寝具用
中入綿、医療用貼付基布、マスク、防漏シート、拭き取
り布、気体又は液体フィルタ、壁装材、内装材、などと
して使用することができる。特に、本発明の不織布を拭
き取り布として使用すると、払拭性にも優れるものであ
る。
【0026】次に、不織布の製造方法について説明す
る。
【0027】まず、高巻縮繊維及び/又は潜在巻縮性繊
維を含む繊維ウエブを形成する。この繊維ウエブの形成
方法としては、例えば、カード法、エアレイ法、スパン
ボンド法などの乾式法や湿式法がある。これらの中で
も、繊維長のより長い繊維を使用できる乾式法により繊
維ウエブを形成するのが好ましい。なお、乾式法により
繊維ウエブを形成する場合、高巻縮繊維を使用すると繊
維ウエブを形成することが困難であったり、地合の悪い
繊維ウエブしか形成できない場合があるため、潜在巻縮
性繊維を使用するのが好ましい。また、繊維ウエブを形
成した後、製法の異なる繊維ウエブを積層したり、繊維
配合の異なる繊維ウエブを積層したり、繊維の配向方向
の異なる繊維ウエブを積層するなど、種類の異なる繊維
ウエブを積層しても良い。
【0028】次いで、この繊維ウエブに対して張力がか
かっている状態で熱処理を実施して、潜在巻縮性繊維の
巻縮を発現させても良いが、高巻縮繊維の絡合度合をよ
り高めるため、及び形態安定性に優れるように、予め繊
維ウエブを絡合するのが好ましい。
【0029】この繊維ウエブの絡合方法としては、例え
ば、ニードルや水流などの流体流による方法があり、よ
り具体的には、ニードルにより絡合する場合には、針密
度50〜200本/cm2程度で絡合し、流体流の場合
には、ノズル径0.05〜0.3mm、ピッチ0.2〜
3mmで一列又は二列以上に配列したノズルプレートか
ら、圧力0.1〜30MPa程度の流体を噴出して絡合
するのが好ましい。なお、これらの絡合処理は繊維ウエ
ブの片面又は両面に対して実施することができ、2回以
上作用させることもできる。
【0030】また、流体流で絡合する場合に、繊維ウエ
ブを支持する支持体として、目の開きが0.295mm
以上程度の目の粗いネット又はこれに相当する多孔板を
使用すると、開口部を有する不織布を製造することがで
きる。この方法により開口部を形成する場合には、繊維
の抜けなどが生じにくいように、ニードルや流体流など
で、ある程度絡合させた後に開口部を形成するのが好ま
しい。
【0031】このように絡合処理を施すか、施すことな
く、繊維ウエブに張力がかかっている状態で熱処理を実
施して、潜在巻縮性繊維の巻縮を発現させる。そのた
め、潜在巻縮性繊維が巻縮を発現し、潜在巻縮性繊維の
みが縮んだような状態となる際に、周囲の繊維に高度に
絡みつき、不織布を構成する繊維の自由度が低い状態と
なる。そのため、本発明の不織布は耐磨耗性に優れてい
る。
【0032】この「繊維ウエブに張力がかかっている状
態」とは、繊維ウエブに対して潜在巻縮性繊維が巻縮を
発現可能な熱処理を実施した際に、面積収縮率が5%以
下である状態をいう。なお、面積収縮率は次の式により
得られる値をいう。 面積収縮率(%)={(A−B)/A}×100 A:熱処理前の面積、B:熱処理後の面積
【0033】この張力をかける方法としては、例えば、
ピンテンターなどの装置を使用することにより張力を作
用させても良いし、不織布を製造する際の繊維ウエブを
移動させるのにかかる張力を作用させても良い。後者の
方法であると、特別な装置を必要としないため、生産性
に優れている。後者の場合、少なくとも不織布のたて方
向における引張り伸度が40%以下の不織布を製造でき
る。
【0034】本発明における熱処理は潜在巻縮性繊維の
巻縮が発現可能な温度で実施する。なお、潜在巻縮性繊
維以外の繊維を含んでいる場合には、その繊維が融着す
るなど、熱の影響を受けない範囲内で実施するのが好ま
しい。この熱処理は無風下で実施しても良いが、潜在巻
縮性繊維が巻縮をより発現しやすいように、熱風を作用
させるのが好ましい。なお、繊維ウエブを流体流で絡合
した後に熱処理を実施する場合、繊維ウエブの乾燥と潜
在巻縮性繊維の巻縮の発現とを同時に行うと、効率的に
不織布を製造することができる。勿論、別々の工程で実
施しても良い。
【0035】このようにして製造された不織布は耐磨耗
性及び風合の優れるものであるが、各種用途に適合する
ように、各種後加工(例えば、樹脂加工、撥水加工、染
色加工、着色加工、抗菌剤加工、帯電防止加工など)を
実施しても良い。
【0036】以下に、本発明の実施例を記載するが、本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0037】
【実施例】(実施例)ポリプロピレン芯成分と変性ポリ
プロピレン鞘成分とからなり、偏芯状の断面形状を有す
る潜在巻縮性繊維(繊度:2デニール、繊維長44m
m、30個/インチ以上の巻縮を発現可能)25mas
s%と、レーヨン繊維(繊度:1.5デニール、繊維長
38mm)75mass%とをカード機により開繊し
て、一方向性繊維ウエブAを形成した。他方、同じ繊維
組成からなる一方向性繊維ウエブBを形成した。次い
で、一方向性繊維ウエブA上に、クロスレイヤーによ
り、一方向性繊維ウエブBを一方向性繊維ウエブAの長
さ方向に対して交差するように積層して、積層繊維ウエ
ブ(一方向性繊維ウエブAと一方向性繊維ウエブBとの
質量比は1:4)を形成した。
【0038】次いで、この積層繊維ウエブを100メッ
シュ(目の開き:0.147mm)のネット支持体で支
持した状態で、積層繊維ウエブの一方向性繊維A側に対
して、ノズル径0.13mm、ピッチ0.6mmで一列
に配列したノズルプレートから10MPaの水流を噴出
した。次いで、積層繊維ウエブの交差繊維ウエブ側に対
して、同様のノズルプレートから10MPaの水流を噴
出して絡合した。
【0039】次いで、この絡合した繊維ウエブを16メ
ッシュ(目の開き:0.991mm)のネット支持体で
支持した状態で、積層繊維ウエブの交差繊維ウエブ側に
対して、前記と同様のノズルプレートから13MPaの
水流を噴出することにより繊維を再配列させ、開口部を
有する、面密度48g/m2の繊維ウエブを形成した。
【0040】次いで、この開口部を有する繊維ウエブを
30m/分の速度で移動(面積収縮率:5%未満)させ
ながら、この開口部を有する繊維ウエブに対して、温度
160℃に設定された熱風を吹き付けて、開口部を有す
る繊維ウエブを乾燥すると同時に潜在巻縮性繊維の巻縮
を発現させて、面密度50g/m2、厚さ0.6mmの
不織布を製造した。この不織布の引張り伸度及び10%
モジュラス強度は表1に示す通りであった。
【0041】
【表1】
【0042】(比較例)実施例と全く同様にして形成し
た開口部を有する、面密度46g/m2の繊維ウエブを
カーテン状に垂らし、重力が作用しているものの自由に
収縮できる状態(面積収縮率:6%)で、温度160℃
に設定された熱風を吹き付けて、開口部を有する繊維ウ
エブを乾燥すると同時に潜在巻縮性繊維の巻縮を発現さ
せて、面密度50g/m2、厚さ0.6mmの不織布を
製造した。この不織布の引張り伸度及び10%モジュラ
ス強度は表1に示す通りであった。
【0043】(耐洗濯性試験)実施例及び比較例の不織
布を、洗濯時間を90分間としたこと以外は、JISL
1085(不織布しん地試験方法)の洗濯強さ試験方
法に規定される方法にそって、洗濯を実施した。その
後、実施例及び比較例の不織布の表面状態を観察した。
この結果は表1に示す通りであった。この結果から、本
発明の不織布は耐磨耗性に優れていることが確認され
た。
【0044】
【発明の効果】本発明の不織布は高巻縮繊維を含むもの
であり、不織布のたて方向又はよこ方向の少なくとも一
方向における引張り伸度が、40%以下のものである。
高巻縮繊維は巻縮が多く伸縮性を有するため、高巻縮繊
維を含む不織布は高い伸縮性を有するはずであるのに、
本発明の高巻縮繊維を含む不織布の引張り伸度が40%
以下という伸縮性の低いレベルにあるため、本発明の不
織布を構成する繊維(例えば、高巻縮繊維、高巻縮繊維
以外の繊維など)は自由度が低い状態にある。つまり、
高巻縮繊維が繊維(例えば、高巻縮繊維、高巻縮繊維以
外の繊維など)と高度に絡みあった状態にある。このよ
うに、高巻縮繊維が高度に絡んだ状態にあり、繊維が遊
離しにくいため、本発明の不織布は耐磨耗性に優れてい
る。このように、本発明の不織布は樹脂をプリントした
りバインダーを含浸するなどの処理を施さなくても耐磨
耗性に優れているため、風合も優れている。
【0045】上記のような不織布からなる拭き取り布
は、樹脂やバインダーなどが付着していなくても使用で
きるため、払拭性に優れている。また、樹脂やバインダ
ーを使用することにより耐磨耗性を付与しているわけで
はないため、少量かつ自由なデザインでプリントを施す
ことができる。したがって、意匠性にも優れた拭き取り
布である。
【0046】本発明の不織布の製造方法は、潜在巻縮性
繊維を含む繊維ウエブに張力がかかっている状態で熱処
理を実施し、この潜在巻縮性繊維の巻縮を発現させる方
法であり、上述のような不織布を容易に製造することが
できる。このように、プリントやバインダーを含浸する
工程を必ずしも必要としないため、生産性に優れ、不織
布を安く製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高巻縮繊維を含む不織布であり、この不
    織布のたて方向又はよこ方向の少なくとも一方向におけ
    る引張り伸度が、40%以下であることを特徴とする不
    織布。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の不織布からなることを特
    徴とする拭き取り布。
  3. 【請求項3】 潜在巻縮性繊維を含む繊維ウエブに張力
    がかかっている状態で熱処理を実施し、この潜在巻縮性
    繊維の巻縮を発現させることを特徴とする、不織布の製
    造方法。
JP9658298A 1998-03-24 1998-03-24 不織布、拭き取り布、及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3664873B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9658298A JP3664873B2 (ja) 1998-03-24 1998-03-24 不織布、拭き取り布、及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9658298A JP3664873B2 (ja) 1998-03-24 1998-03-24 不織布、拭き取り布、及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11279912A true JPH11279912A (ja) 1999-10-12
JP3664873B2 JP3664873B2 (ja) 2005-06-29

Family

ID=14168950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9658298A Expired - Fee Related JP3664873B2 (ja) 1998-03-24 1998-03-24 不織布、拭き取り布、及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3664873B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004057083A1 (de) * 2002-12-19 2004-07-08 Carl Freudenberg Kg Scheuerkörper und verfahren zur seiner herstellung
JP2013163878A (ja) * 2012-02-10 2013-08-22 Japan Vilene Co Ltd 不織布
JP2015190065A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 日本バイリーン株式会社 不織布及びその製造方法
JP2016175879A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 旭化成株式会社 ウェットワイパー及びその製造方法
US11826229B2 (en) 2015-05-29 2023-11-28 Kuraray Co., Ltd. Fibrous sheet

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004057083A1 (de) * 2002-12-19 2004-07-08 Carl Freudenberg Kg Scheuerkörper und verfahren zur seiner herstellung
JP2013163878A (ja) * 2012-02-10 2013-08-22 Japan Vilene Co Ltd 不織布
JP2015190065A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 日本バイリーン株式会社 不織布及びその製造方法
JP2016175879A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 旭化成株式会社 ウェットワイパー及びその製造方法
US11826229B2 (en) 2015-05-29 2023-11-28 Kuraray Co., Ltd. Fibrous sheet

Also Published As

Publication number Publication date
JP3664873B2 (ja) 2005-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2095427C (en) Apparatus and method for hydroenhancing fabric
US4147574A (en) Suede-like sheet materials and method of producing the same
EP1768838A2 (en) Durable and fire resistant nonwoven composite fabric based military combat uniform garments
KR101156985B1 (ko) 피혁모양 시트 및 그 제조방법
JP3058187B2 (ja) 中空繊維布帛
JP4419929B2 (ja) 皮革様シートおよびその製造方法
JP4869784B2 (ja) セルロース系不織布の製造方法
JP2001521846A (ja) 耐久性・吸収性のスパンレ−ス布構造体
JP4575199B2 (ja) ぬれ感の少ない織編物および繊維製品
JP3664873B2 (ja) 不織布、拭き取り布、及びその製造方法
US20040255440A1 (en) Three-dimensionally imaged personal wipe
US6715189B2 (en) Method for producing a nonwoven fabric with enhanced characteristics
JP3910738B2 (ja) 開孔不織布およびその製造方法
JP2004149933A (ja) 伸縮性不織布
JP5113094B2 (ja) 撥水性布帛およびその製造方法および繊維製品
JP3464842B2 (ja) 伸縮性不織布及びその製造方法
JP2005009008A (ja) 高級感のある複合繊維構造体
JP5894729B2 (ja) ニット生地用接着芯地の製造方法
JP2002105825A (ja) 伸縮性開孔不織布及びその製造方法
KR100631413B1 (ko) 대마 및 실크를 이용한 벽지 및 그 제조방법
JP2000301635A (ja) 複合弾性シートおよびその製造方法
JPS6160185B2 (ja)
JP2010007188A (ja) ビニロン短繊維スパンレース不織布の製造方法
JPH0754257A (ja) ポリビニルアルコール系水溶性長繊維不織布
JPH11200213A (ja) 不織布及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041026

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050330

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080408

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090408

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090408

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100408

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110408

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120408

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120408

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130408

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130408

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130408

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140408

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees