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JPH11275882A - 永久磁石モータの駆動装置 - Google Patents

永久磁石モータの駆動装置

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Publication number
JPH11275882A
JPH11275882A JP10077280A JP7728098A JPH11275882A JP H11275882 A JPH11275882 A JP H11275882A JP 10077280 A JP10077280 A JP 10077280A JP 7728098 A JP7728098 A JP 7728098A JP H11275882 A JPH11275882 A JP H11275882A
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JP
Japan
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permanent magnet
magnet motor
signal
torque
pulse
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JP10077280A
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Masami Hirata
雅己 平田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Publication of JPH11275882A publication Critical patent/JPH11275882A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロコンピュータを使用することなく、
高効率且つ高速回転においても適用可能な永久磁石モー
タの駆動装置を提供する。 【解決手段】 位置検出器19uで検出した位置信号H
uを回転数検出回路20において周波数−電圧変換する
ことにより回転数に比例した電圧Vfを生成し、電流検
出器21で検出した直流リンク電流IL をピークホール
ド回路22に入力して負荷トルクに比例した電圧Vpを
生成する。パルス発生回路24は、両電圧Vf、Vpの
加算電圧Vaの増加に対してパルス幅が減少するワンシ
ョットパルスPを発生し、通電制御回路25は、位置信
号Hu、Hv、Hwの位相を基準として、そのパルス幅
だけ遅延した位相を有する転流信号Sup〜Swnをインバ
ータ回路14のスイッチング素子2〜7に与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転流位相を調整す
る機能を持った永久磁石モータの駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石モータの駆動装置は、永久磁石
モータに装着された位置検出器から出力される位置信
号、または永久磁石モータの端子電圧に基づいて得られ
る位置信号を用いてロータの回転位置を検出し、その回
転位置に応じてインバータ回路を構成するスイッチング
素子に転流信号を与えるように構成されている。この構
成において、永久磁石モータが回転駆動されると固定子
巻線に誘起電圧が発生するので、その誘起電圧に対抗し
て電流を流すことができるように、誘起電圧に対して同
位相をなす端子電圧が印加される。
【0003】一方、永久磁石モータの固定子巻線は抵抗
とインダクタンスとにより決まる時定数を有しており、
固定子巻線に流れる電流は印加電圧に対して時定数に相
当する時間だけ遅れる。この遅れ時間は回転数によらず
一定であるため、回転数が高いほど電流の位相遅れが増
大する。また、電流の位相は負荷の大きさ(電流の大き
さ)によっても影響を受ける。
【0004】永久磁石モータのトルクは、誘起電圧と巻
線電流との積として発生するので、電流に上述のような
位相遅れが発生すると、トルクの低下や効率の低下を招
き、最悪の場合には脱調する虞もある。
【0005】このような不都合に対して、特開平7−1
11795号公報には、位置検出手段から出力される位
置検出信号を補正する補正手段を備えた永久磁石モータ
の制御装置が開示されている。すなわち、補正手段とし
てのマイクロコンピュータが、所定の演算プログラムに
従い、永久磁石モータの回転数及び負荷トルクに応じた
補正位相値を記憶部(マップ記憶部)から読み出し、演
算によってその読み出した補正位相値に相当する補正時
間を得て、位置検出信号を補正するように構成されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に開
示された制御装置は、補正位相値データを予め記憶して
おく必要があり、またその補正位相値から補正時間を得
る演算及び位置検出信号の補正処理にはマイクロコンピ
ュータの使用が不可欠である。従って、マイクロコンピ
ュータを使用していない永久磁石モータの制御装置に対
して上記補正手段を適用する場合には、新たにマイクロ
コンピュータを追加する必要があり、その結果、制御装
置のコストアップ、制御プログラムの新規開発に伴う制
御装置全体の開発期間の遅延等の問題が発生する。
【0007】また、マイクロコンピュータを用いた処理
は、ソフトウェア処理速度の上で制約があり、高速処理
が要求される多極モータや高速回転で使用するモータに
対しては不向きである。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、マイクロコンピュータを使用すること
なく、高効率且つ高速回転においても適用可能な永久磁
石モータの駆動装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載した永久磁石モータの駆動装置は、
スイッチング素子を具備し永久磁石モータの固定子巻線
に順次通電するインバータ回路と、このインバータ回路
に電力を供給する直流電源回路と、前記永久磁石モータ
のロータの回転位置に対応した位置信号を検出する位置
検出手段と、前記永久磁石モータのトルクを検出するト
ルク検出手段及び前記永久磁石モータの回転数を検出す
る回転数検出手段の少なくとも一方と、前記位置信号に
応答して、前記トルク検出手段で検出したトルクまたは
前記回転数検出手段で検出した回転数の何れか一方また
は両方に応じた時間幅を有するワンショットパルスを発
生するパルス発生手段と、前記インバータ回路のスイッ
チング素子に対し、前記位置信号の位相を基準として前
記ワンショットパルスの時間幅だけ位相が遅れた転流信
号を出力する通電制御手段とを備える。
【0010】斯様に構成すれば、永久磁石モータのトル
ク及び回転数に基づいて、転流信号の位相補正量をハー
ドウェア構成であるパルス発生手段からワンショットパ
ルスの時間幅として得ることができ、通電制御手段は、
このワンショットパルスを用いて転流信号を遅延させる
ので、マイクロコンピュータを用いることなく最適な通
電位相を保つことができ、以て永久磁石モータの高効率
運転が可能となる。
【0011】この場合、通電制御手段は、位置検出手段
で検出した位置信号をワンショットパルスの時間幅だけ
遅らせて補正位置信号を生成するとともに、この補正位
置信号に基づいて転流信号を生成するように構成すると
良い(請求項2)。斯様に構成すれば、通電制御手段
は、ワンショットパルスの時間幅だけ転流信号を遅延さ
せることができる。
【0012】また、通電制御手段は、転流信号の変調信
号データを記憶した記憶手段と、位置検出手段で検出し
た位置信号に基づいて前記変調信号データを読み出すた
めのタイミング信号を出力する読み出し制御手段とを備
え、この読み出し制御手段のタイミング信号をワンショ
ットパルスの時間幅だけ遅らせるように構成するのが好
ましい(請求項3)。斯様に構成すれば、通電制御手段
は、ワンショットパルスの時間幅だけ遅らせた読み出し
制御手段のタイミング信号に基づいて記憶手段から転流
信号の変調信号データを読み出すので、ワンショットパ
ルスの時間幅だけ転流信号を遅延させることができる。
【0013】以上の場合において、トルク検出手段は、
直流電源回路からインバータ回路へ流れる直流リンク電
流に基づいてトルクを検出するように構成すると良い
(請求項4)。斯様に構成すれば、負荷トルクの大きさ
に応じて増大する直流リンク電流に基づいて、低コスト
且つ簡易にトルクを検出することができる。
【0014】また、回転数検出手段は、位置検出手段で
検出した位置信号の周波数に基づいて回転数を検出する
と良い(請求項5)。斯様に構成すれば、ロータリーエ
ンコーダ等の回転数検出器を具備すること無く回転数を
検出することができる。
【0015】さらに、パルス発生手段は、トルク検出手
段で検出したトルクの増加または回転数検出手段で検出
した回転数の増加の何れか一方または両方に伴ってワン
ショットパルスの時間幅を短くすると良い(請求項
6)。斯様に構成すれば、トルクまたは回転数の増加に
伴って、転流信号の位相の遅れ量を小さくする(位相を
進める)ことができるので、通電位相を最適に制御する
ことができ、永久磁石モータを高効率で運転することが
できる。
【0016】加えて、位置検出手段は、ワンショットパ
ルスの時間幅が0の場合において、定格負荷運転時の永
久磁石モータへの入力電流が最小となるような位相を有
する位置信号を検出するように構成するのが好ましい
(請求項7)。
【0017】斯様に構成すれば、負荷の増加とともに転
流信号の位相の遅れを小さくし、定格負荷運転時には転
流信号を遅延させることなく最適な通電位相を得ること
ができる。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の第1実施例について、図1乃至図10を参照して説
明する。なお、説明における角度は全て電気角を用い
る。
【0019】永久磁石モータの駆動装置の電気的構成を
示す図1において、直流電源回路たる直流電源1の正端
子及び負端子の間には、例えばトランジスタ等のスイッ
チング素子2〜7及びこれらに並列に接続された還流ダ
イオード8〜13を三相ブリッジ接続してなるインバー
タ回路14が接続され、そのインバータ回路14の各相
の出力端子15u、15v、15wには、永久磁石モー
タ16のスター結線された固定子巻線16u、16v、
16wが夫々接続されている。この永久磁石モータ16
は、固定子に対し一定の空隙を介して位置する永久磁石
を装着したロータ17を有している。この永久磁石モー
タ16は、一例として、3相4極、定格回転数1800
[rpm](60[Hz])、定格トルク1[Nm]、
使用速度範囲300[rpm]〜1800[rpm]
(10[Hz]〜60[Hz])の仕様に定められてい
る。
【0020】この永久磁石モータ16が格納されている
フレーム18内には、位置検出手段として、例えばホー
ルICを主体として構成される位置検出器19u、19
v、19wが配設されている。これら位置検出器19
u、19v、19wは、夫々ロータ17の回転位置に応
じて、互いに120[deg]だけ位相を異にする位置
信号Hu、Hv、Hwをハイレベル又はロウレベルをも
って出力するように構成されている(図7参照)。
【0021】回転数検出手段としての回転数検出回路2
0は、位置信号Hu、Hv、Hwのうちの任意の1つの
信号、例えば位置信号Huを入力して、図2に示す変換
特性を有する周波数−電圧変換(F−V変換)を行い、
位置信号Huの周波数(回転数)に応じた電圧Vfを得
るようになっている。すなわち、図2は、横軸が位置信
号Huの周波数(回転数)、縦軸が変換された電圧Vf
を表しており、位置信号Huの周波数が0[Hz]から
60[Hz]までの間は周波数に比例した電圧Vfが得
られ、60[Hz]を越える周波数に対しては電圧Vf
は5[V]一定となる。
【0022】直流電源1の負端子とインバータ回路14
の負端子との間に挿入されるトルク検出手段としての電
流検出器21は、例えばホール素子を主体として構成さ
れており、インバータ回路14に流れ込む入力電流(直
流リンク電流)IL を検出してピークホールド回路22
に対して出力するようになっている。この場合、インバ
ータ回路14の負端子から直流電源1の負端子へ流れる
向きを正とする。
【0023】また、電流検出器21とともにトルク検出
手段として機能するピークホールド回路22は、図3に
示すように、60[deg]の周期を有した波形をなし
て流れる直流リンク電流IL のピーク値を保持し続ける
ように動作し、そのピークホールド値を電圧Vpとして
出力するように構成されている。この場合、電圧Vpと
永久磁石モータ16の負荷トルクとの間には図4に示す
関係が成立している。すなわち、図4において、横軸は
負荷トルク、縦軸は直流リンク電流IL のピークホール
ド値である電圧Vpを表しており、負荷トルクが0[N
m]から1[Nm]までの間は電圧Vpと負荷トルクは
比例関係を保ち、1[Nm]を越える負荷トルクに対し
ては電圧Vpは5[V]一定となる。
【0024】加算回路23は、例えばオペアンプと抵抗
によって構成され、回転数検出回路20から出力された
回転数に比例した電圧Vfと、ピークホールド回路22
から出力された負荷トルクに比例した電圧Vpとを加算
して、その加算結果である電圧Vaをパルス発生回路2
4に対して出力するようになっている。
【0025】パルス発生手段としてのパルス発生回路2
4は、図示しないCR充電回路と比較回路とを主体にワ
ンショットマルチバイブレータをなして構成されてお
り、位置信号Hu、Hv、Hwの立上りエッジまたは立
下りエッジが入力されると同時に、通電制御回路25に
対してハイレベルを有するワンショットパルスPを発生
するようになっている。この場合、加算回路23より与
えられる電圧Vaの値に応じて、上記比較回路の反転し
きい値を可変する構成とすることによって、電圧Vaに
対して図5に示すパルス幅を有するワンショットパルス
Pを発生することができる。すなわち、図5において、
横軸は加算回路23からの電圧Va、縦軸はワンショッ
トパルスPのパルス幅を表しており、パルス幅は電圧V
aの増加とともに次第に減少する特性を有している。
【0026】通電制御手段としての通電制御回路25
は、位置信号Hu、Hv、Hwの位相を基準として、パ
ルス発生回路24からのワンショットパルスPのパルス
幅だけ遅延した転流信号Sup、Svp、Swp、Sun、Sv
n、Swnを生成し、その転流信号Sup〜Swnを夫々イン
バータ回路14のスイッチング素子2〜7のベースに与
えるようになっている。
【0027】図6は、この通電制御回路25の構成をブ
ロック図で示したものである。このブロック図におい
て、位相遅延回路26は、位置信号Hu、Hv、Hwを
ワンショットパルスPのパルス幅だけ遅延させて補正位
置信号Hu'、Hv'、Hw'を生成するようになっている
(図8参照)。
【0028】逓倍回路27は、この補正位置信号Hu'、
Hv'、Hw'を3逓倍することにより60[deg]幅を
有する逓倍信号Qを生成する(図8参照)。また、PL
L回路により構成されている逓倍同期パルス発生回路2
8は、その逓倍信号Qを入力し、さらに256逓倍した
逓倍同期パルスを得る。
【0029】読み出し制御手段としてのカウンタ29
は、60[deg]幅を256逓倍した逓倍同期パルス
をアップカウントするもので、そのカウント値は後述す
るROM30〜32からの変調信号データの読み出しア
ドレスを指示するためのタイミング信号Rとして使用さ
れる。
【0030】さらに、通電制御回路25は、正弦波PW
M変調された転流信号Sup〜Swnを生成するために、
U、V、W各相について、正弦波変調信号データが格納
された記憶手段としてのメモリ、例えばROM30〜3
2を有している。これらのROM30〜32には、連続
したアドレスに(60/256)[deg]の角度間隔
で、互いに120[deg]位相のずれた正弦波の振幅
データがバイナリーデータ形式で格納されている。この
ROM30〜32からタイミング信号Rに従って読み出
された正弦波変調信号データは、夫々D/Aコンバータ
33〜35に入力されてアナログ値を有する変調信号に
変換される。
【0031】U、V、W各相毎に設けられた比較器36
〜38は、その反転入力端子に夫々D/Aコンバータ3
3〜35から出力される変調信号が入力され、その非反
転入力端子に三角波発生回路39から出力されるキャリ
ア信号としての三角波信号が入力される。比較器36、
37、38からは夫々PWM変調された転流信号Sup、
Svp、Swpが出力され、転流信号Sup、Svp、Swpの反
転信号である転流信号Sun、Svn、Swnは、夫々反転回
路40、41、42から出力される。
【0032】次に、本実施例の作用について図7乃至図
10も参照して説明する。永久磁石モータ16が回転す
ると、固定子巻線16u、16v、16wには、図7に
示すような正弦波状の誘起電圧Eu、Ev、Ewが発生
する。この誘起電圧Eu、Ev、Ewの位相はロータ1
7の回転位置に対応しており、各相の位置検出器19
u、19v、19wは、夫々の出力する位置信号Hu、
Hv、Hwが誘起電圧Eu、Ev、Ewのゼロクロス点
に対して所定の位相、例えば10[deg]だけ遅れ位
相となるような位置に配置されている。この所定の位相
は、ワンショットパルスPのパルス幅が0の場合、すな
わち位置信号Hu、Hv、Hwの位相に一致した転流信
号Sup〜Swnを用いて運転した場合に、定格負荷運転時
における永久磁石モータ16への入力電流が最小(効率
が最大)となるように決定される。このようにして検出
された位置信号Hu、Hv、Hwは、以下に述べる通電
位相の制御において、転流信号Sup〜Swnの位相を遅延
させる際の基準位相となる。
【0033】さて、前述したように、永久磁石モータ1
6を駆動する場合、回転数が高いほど、また負荷トルク
が大きいほどモータ電流の位相遅れが増大する。そのた
め、回転数と負荷トルクに応じて転流信号Sup〜Swnの
通電位相制御を以下のようにして行う。
【0034】パルス発生回路24は、図8に示すよう
に、位置信号Hu、Hv、Hwの立上りエッジまたは立
下りエッジが入力されると、回転数検出回路20から出
力される図2に示す変換特性を有する電圧Vfと、ピー
クホールド回路22から出力される図4に示す特性を有
する電圧Vpとの加算電圧Vaに基づいて、転流信号S
up〜Swnの遅延時間に等しいパルス時間幅を有するワン
ショットパルスPを発生する。このワンショットパルス
Pのパルス時間幅は、図5の特性図に示すように、回転
数が高いほど、また、負荷トルクが大きいほど短くな
る。従って、そのパルス時間幅に相当する位相補正量は
負荷トルクの増加とともに減少する。
【0035】なお、図5に示す特性は、周波数に比例し
た電圧Vfと負荷トルクに比例した電圧Vpとの加算合
成された電圧Vaに対するものなので、パルス幅に対し
て周波数と負荷トルクが互いに影響を及ぼし合うが、永
久磁石モータ16が定常的に運転される状態(回転数、
負荷トルク)に合わせて、予め図5に示す特性曲線を設
定すれば、最適な通電位相に制御することができる。
【0036】その後、図8に示すように、通電制御回路
25内の位相遅延回路26において、位置信号Hu、H
v、Hwは上記パルス幅だけ遅れた補正位置信号Hu'、
Hv'、Hw'となり、さらに逓倍回路27で3逓倍されて
逓倍信号Qとなった後、逓倍同期パルス発生回路28を
経て、(60/256)[deg]の分解能を有する逓
倍同期パルスが作られる。この逓倍同期パルスはカウン
タ29によってアップカウントされて、正弦波変調信号
データが格納されたROM30〜32の読み出しアドレ
ス(読み出しタイミング信号)となる。
【0037】ROM30〜32から出力された正弦波変
調信号データは、夫々D/Aコンバータ33〜35によ
ってアナログ電圧に変換され、図9に示す正弦波変調信
号が得られる。この正弦波変調信号と三角波発生回路3
9から出力されるキャリア信号としての三角波信号は、
通常のPWM変調と同様に比較器36〜38に入力さ
れ、図9に示す端子電圧Vu、Vv,Vwと同一波形の
上アーム転流信号Sup、Svp、Swp、及びこれらの反転
信号である下アーム転流信号Sun、Svn、Swnが得られ
る。
【0038】これら転流信号Sup〜Swnがスイッチング
素子2〜7のベースに印加されると、インバータ回路1
4から位置信号Hu、Hv、Hwに対してワンショット
パルスPのパルス幅だけ遅延した電圧が出力され、固定
子巻線16u、16v、16wに正弦波状の電流が流れ
て永久磁石モータ16が回転駆動する。
【0039】なお、ROM30〜32に格納される変調
信号データは、図10に示すような波形であっても良
い。この場合の端子電圧波形は、同図に示すように略半
周期の間が0[V]となる。このような変調信号データ
を用いると、インバータ回路14の最大出力電圧を高め
ることができる。
【0040】以上のように本実施例によれば、位置検出
器19uで検出した位置信号Huを周波数−電圧変換す
ることにより回転数に比例した電圧Vfを生成し、直流
リンク電流IL をピークホールド回路22に入力するこ
とにより負荷トルクに比例した電圧Vpを生成する。そ
して、両電圧Vf、Vpの加算電圧Vaに応じてパルス
幅が変化するワンショットパルスPを発生させ、位置信
号Hu、Hv、Hwの位相を基準として、そのパルス幅
だけ遅延させた転流信号Sup〜Swnを用いて永久磁石モ
ータ16を駆動する。
【0041】こうした処理には高価なマイクロコンピュ
ータを使用せず、周波数−電圧変換回路からなる回転数
検出回路20、ピークホールド回路22、オペアンプか
らなる加算回路23、CR回路や比較回路からなるパル
ス発生回路24、PLL回路方式の逓倍同期パルス発生
回路28、カウンタ29等のハードウェア回路のみで構
成することができるので、コストを低減でき、プログラ
ム開発が不要となることから駆動装置の開発期間を短縮
することができる。また、高速回転用または多極の永久
磁石モータ16を駆動する場合であっても、ソフトウェ
ア処理の場合のような処理速度の問題が生じない。
【0042】この場合、回転数と負荷トルクは、夫々位
置信号Huと直流リンク電流IL から求めているので、
高価な回転数検出器やトルク検出器を用いる場合と比較
して低コスト且つ簡易な構成となる。
【0043】さらに、ハードウェア構成であっても、回
転数と負荷トルクに応じて通電位相を制御する構成とな
っているので、永久磁石モータ16の高効率運転が可能
となる。この場合、回転数に比例した電圧Vfと負荷ト
ルクに比例した電圧Vpとの加算電圧Vaの関数とし
て、位相補正量であるパルス幅を制御するような構成と
なっているので、回転数と負荷トルク夫々について独立
の位相補正量を準備する従来例と比較して、2次元のテ
ーブルマップを有することなく容易に位相補正量を制御
することができる。また、定格負荷運転時の位相補正量
が0となるように位置信号Hu、Hv、Hwの検出位相
が設定されているので、全体として位相補正量が大きく
なり過ぎることがなく、安定した駆動を行うことができ
る。
【0044】加えて、補正位置信号Hu'、Hv'、Hw'を
逓倍して十分な角度分解能を得た後、その角度位置情報
に基づいて正弦波PWM変調を行う構成としたので、固
定子巻線16u、16v、16wには正弦波状の電流が
流れ、運転中の振動や騒音を低減することができる。
【0045】なお、定速駆動または定トルク駆動の用途
に供する場合、または回転数若しくは負荷トルクの何れ
か一方についてのみ通電位相制御を行えば十分である場
合には、電圧Vf、Vpを加算することなく何れか一方
の電圧を直接パルス発生回路24に入力すれば良い。
【0046】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
実施例について、図11を参照して説明する。なお、図
6と同一の構成部分には同一符号を付して説明を省略
し、以下異なる構成部分について説明する。
【0047】図11は、この通電制御回路25の構成を
ブロック図で示したものであり、図6に示す第1実施例
とは位置信号Hu、Hv、Hwを遅延させるための構成
が異なる。すなわち、位置信号Hu、Hv、Hwは、直
接逓倍回路27に入力されて3逓倍された逓倍信号Q´
が作られ、その後逓倍同期パルス発生回路28において
(60/256)[deg]の分解能を有する逓倍同期
パルスが作られる。
【0048】読み出し制御手段としてのカウンタ43
は、この逓倍同期パルスをアップカウントするととも
に、ワンショットパルスPの立ち下がりでカウント値を
特定の値にプリセットする。この場合、ワンショットパ
ルスPは1周期に6回発生する(図8参照)が、プリセ
ットは1周期に1回以上行えば良い。このカウンタ43
のプリセット動作により、カウンタ43から位置信号H
u、Hv、Hwに対しワンショットパルスPのパルス幅
だけ遅れた読み出しアドレス(読み出しタイミング信
号)が出力される。従って、ROM30〜32から出力
される正弦波変調信号データの位相、すなわち転流信号
Sup〜Swnの位相は、上記ワンショットパルスPのパル
ス幅に従って最適に制御される。
【0049】このような構成によれば、第1実施例と同
じ効果を得ることができる他、第1実施例において使用
した位相遅延回路26を用いることなく、転流信号Sup
〜Swnの位相を制御することができる。
【0050】(その他の実施の形態)なお、本発明は上
記し且つ図面に示す実施例に限定されるものではなく、
以下のような拡張または変更が可能である。キャリア信
号は三角波の他、鋸波であっても良い。回転数検出回路
20は、位置信号Hu、Hv、Hwのうちの任意の1つ
の信号に基づいて周波数−電圧変換を行うが、位置信号
Hu、Hv、Hwの3逓倍された逓倍信号Q、Q´を用
いて周波数−電圧変換を行っても良い。斯様に構成すれ
ば、回転数の検出精度を高めることができる。
【0051】トルクは、電流検出器21で検出した直流
リンク電流IL をピークホールド回路22に入力するこ
とにより検出したが、直流リンク電流IL を平均化処
理、またはサンプルホールドすることにより検出しても
良い。
【0052】
【発明の効果】本発明の永久磁石モータの駆動装置は、
以上説明した通りマイクロコンピュータを使用すること
なくハードウェア回路のみで構成されている。すなわ
ち、位置信号に応答して、トルク検出手段で検出したト
ルクまたは回転数検出手段で検出した回転数に応じた時
間幅を有するワンショットパルスを発生するパルス発生
手段と、位置信号の位相を基準としてワンショットパル
スの時間幅だけ転流信号の位相を遅延させる通電制御手
段を備える。
【0053】従って、高価なマイクロコンピュータが不
要となることからコストを低減でき、プログラム開発が
不要となることから駆動装置の開発期間を短縮すること
ができる。また、処理速度の問題が発生しないので、高
速回転用または多極の永久磁石モータにも好適である。
【0054】さらに、パルス発生手段は、トルクの増加
または回転数の増加に伴ってワンショットパルスの時間
幅を短くするので、通電位相を最適に制御することがで
き、永久磁石モータを高効率で運転することができる。
この場合、直流リンク電流に基づいてトルクを検出し、
位置信号の周波数に基づいて回転数を検出する構成とし
たので、低コスト且つ簡易な駆動装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す永久磁石モータの駆
動装置の電気的構成図
【図2】周波数と電圧Vfとの関係図
【図3】ピークホールド動作を示す図
【図4】負荷トルクと電圧Vpとの関係図
【図5】電圧Vaとワンショットパルスのパルス幅との
関係図
【図6】通電制御回路25の構成を示すブロック図
【図7】誘起電圧と位置信号のタイミングを示す図
【図8】位置信号、ワンショットパルス、補正位置信
号、及び逓倍信号のタイミングを示す図
【図9】キャリア信号、変調信号、端子電圧、及び線間
電圧の波形図
【図10】図9相当図
【図11】本発明の第2実施例を示す図6相当図
【符号の説明】
1は直流電源(直流電源回路)、2〜7はスイッチング
素子、14はインバータ回路、16は永久磁石モータ、
16u、16v、16wは固定子巻線、17はロータ、
19u、19v、19wは位置検出器(位置検出手
段)、20は回転数検出回路(回転数検出手段)、21
は電流検出器(トルク検出手段)、22はピークホール
ド回路(トルク検出手段)、24はパルス発生回路(パ
ルス発生手段)、25は通電制御回路(通電制御手
段)、29、43はカウンタ(読み出し制御手段)、3
0〜32はROM(記憶手段)である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチング素子を具備し永久磁石モー
    タの固定子巻線に順次通電するインバータ回路と、 このインバータ回路に電力を供給する直流電源回路と、 前記永久磁石モータのロータの回転位置に対応した位置
    信号を検出する位置検出手段と、 前記永久磁石モータのトルクを検出するトルク検出手段
    及び前記永久磁石モータの回転数を検出する回転数検出
    手段の少なくとも一方と、 前記位置信号に応答して、前記トルク検出手段で検出し
    たトルクまたは前記回転数検出手段で検出した回転数の
    何れか一方または両方に応じた時間幅を有するワンショ
    ットパルスを発生するパルス発生手段と、 前記インバータ回路のスイッチング素子に対し、前記位
    置信号の位相を基準として前記ワンショットパルスの時
    間幅だけ位相が遅れた転流信号を出力する通電制御手段
    とを備えたことを特徴とする永久磁石モータの駆動装
    置。
  2. 【請求項2】 通電制御手段は、位置検出手段で検出し
    た位置信号をワンショットパルスの時間幅だけ遅らせて
    補正位置信号を生成するとともに、この補正位置信号に
    基づいて転流信号を生成することを特徴とする請求項1
    記載の永久磁石モータの駆動装置。
  3. 【請求項3】 通電制御手段は、転流信号の変調信号デ
    ータを記憶した記憶手段と、位置検出手段で検出した位
    置信号に基づいて前記変調信号データを読み出すための
    タイミング信号を出力する読み出し制御手段とを備え、
    この読み出し制御手段のタイミング信号をワンショット
    パルスの時間幅だけ遅らせることを特徴とする請求項1
    記載の永久磁石モータの駆動装置。
  4. 【請求項4】 トルク検出手段は、直流電源回路からイ
    ンバータ回路へ流れる直流リンク電流に基づいてトルク
    を検出することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに
    記載の永久磁石モータの駆動装置。
  5. 【請求項5】 回転数検出手段は、位置検出手段で検出
    した位置信号の周波数に基づいて回転数を検出すること
    を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の永久磁石
    モータの駆動装置。
  6. 【請求項6】 パルス発生手段は、トルク検出手段で検
    出したトルクの増加または回転数検出手段で検出した回
    転数の増加の何れか一方または両方に伴ってワンショッ
    トパルスの時間幅を短くすることを特徴とする請求項1
    乃至5の何れかに記載の永久磁石モータの駆動装置。
  7. 【請求項7】 位置検出手段は、ワンショットパルスの
    時間幅が0の場合において、定格負荷運転時の永久磁石
    モータへの入力電流が最小となるような位相を有する位
    置信号を検出することを特徴とする請求項1乃至6の何
    れかに記載の永久磁石モータの駆動装置。
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