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JPH11269644A - パーティクル発生防止方法及びスパッタリング装置 - Google Patents

パーティクル発生防止方法及びスパッタリング装置

Info

Publication number
JPH11269644A
JPH11269644A JP9675298A JP9675298A JPH11269644A JP H11269644 A JPH11269644 A JP H11269644A JP 9675298 A JP9675298 A JP 9675298A JP 9675298 A JP9675298 A JP 9675298A JP H11269644 A JPH11269644 A JP H11269644A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
chamber
film
etching
sputtering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9675298A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Kobayashi
正彦 小林
Nobuyuki Takahashi
信行 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Anelva Corp
Original Assignee
Anelva Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anelva Corp filed Critical Anelva Corp
Priority to JP9675298A priority Critical patent/JPH11269644A/ja
Publication of JPH11269644A publication Critical patent/JPH11269644A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 前処理エッチングの際にチャンバー内露出面
に堆積した自然酸化膜または保護膜が剥離することによ
り生じるパーティクルの発生を防止する。 【解決手段】 スパッタリングによる成膜の前に基板9
は前処理エッチングチャンバー2に搬送され、ガス導入
手段21が導入したガスにプラズマ形成手段23によっ
てエネルギーが与えられて形成されたプラズマPによ
り、基板9の表面の自然酸化膜又は保護膜がエッチング
除去される前処理エッチングが行われる。表面にアルミ
膜を形成したシリコン基板である疑似基板10がロード
ロックチャンバー5内に配置されており、所定回数の前
処理エッチングの度に、基板9の搬送系が兼用された搬
送手段により疑似基板10は前処理エッチングチャンバ
ー2内に搬送されて基板9と同様にエッチングされる。
前処理時堆積膜の上にアルミ膜が堆積して応力が緩和さ
れ、前処理時堆積膜の剥離が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、各種半導体デ
バイス等の製作に使用されるスパッタリング装置に関
し、特に、そのようなスパッタリング装置においてパー
ティクルの発生を防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス等の製作においては、基
板の表面に所定の薄膜を作成する工程が存在する。この
ような薄膜の作成においては、所定の材料よりなるター
ゲットをスパッタすることにより、基板上にこの材料の
薄膜を堆積させるスパッタリングが広く実施されてい
る。そして、デバイスを高い歩留まりで製作する過程に
おいて、良質な薄膜を作成することは重要な位置を占め
る。
【0003】ここで基板の表面には、自然酸化膜や保護
膜が形成されている場合がある。自然酸化膜や保護膜が
形成されたまま成膜を行うと、薄膜の密着性が悪くなる
等の問題がある。特に、導電膜を作成する場合には、自
然酸化膜や保護膜は絶縁膜であるため、これらの膜が間
に介在することによって電気的なコンタクトが十分とれ
なくなり、その結果デバイスの特性が劣化するという問
題がある。そのため、スパッタリングに先立って、この
自然酸化膜や保護膜を除去する必要がある。このような
自然酸化膜や保護膜の除去は、従来、エッチングにより
行われている。以下このエッチングを「前処理エッチン
グ」という。前処理エッチングでは、通常、基板の表面
をプラズマに晒し、プラズマ中のイオンの作用によって
基板の表面の自然酸化膜や保護膜を除去している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような前処理エッ
チングを行うチャンバーには、通常、排気系が設けられ
ている。エッチングによって基板から除去された自然酸
化膜や保護膜の材料は、排気系によってチャンバー外に
排出されるが、すべては排出されず、排出されなかった
自然酸化膜や保護膜の材料はチャンバー内の露出面に堆
積する。
【0005】前処理エッチングの回数が増加するに従
い、チャンバー内の露出面に堆積する膜の量は増える。
この膜は堆積量が多くなると、内部応力等によって剥離
する場合がある。剥離した膜の破片は、パーティクルと
なり、さらに前処理エッチングの回数が増加すると、チ
ャンバー内に生じるパーティクルの数が増加する。具体
的には、基板一枚当たりのエッチングする厚さを約50
nmとした場合、処理枚数が約1000枚となるとチャ
ンバー内には約50個のパーティクルが発生する。この
パーティクルが基板に付着すると、上述したように、自
然酸化膜や保護膜は絶縁物であるため、回路の断線や配
線抵抗の増大等の回路欠陥や回路不良が生じる。パーテ
ィクルの発生数が多くなると、このような回路欠陥や回
路不良の発生確率が高くなり、歩留まりが低下する原因
となる。
【0006】通常、前処理エッチングを行うチャンバー
内には、前処理エッチングにより除去した材料が付着す
るようシールドが設けられている。前処理エッチングに
より基板の表面から除去された材料は、このシールドの
表面に堆積し膜を形成する。このシールドは、チャンバ
ーの内側面に比べ前処理エッチングにより堆積した膜の
剥離が少なくなるようできているが、この堆積した膜の
厚さが一定以上になると内部応力等によって剥離する可
能性がある。このため、基板の前処理エッチングを所定
数行った後、このシールドを新しいものに交換すること
によってパーティクルの発生を防ぐようにしている。具
体的には、チャンバーをいったん大気圧に開放し、膜が
堆積したシールドを取り出し、別の新しいシールドに交
換する。その後、再び基板の処理を開始するため、チャ
ンバー内を排気をし、パーティクル数が基準値以内にな
ったことを確認するとともに、処理の再現性が得られる
かどうか確認する作業を行う。そしてその後、処理を再
開する。これら処理を再開するまでの一連の作業は、お
よそ8時間を要し、生産性を著しく低下させる原因とな
っている。
【0007】このように、従来、パーティクルの発生を
防ぎ、処理を再開するまでの作業は、長時間を要し、生
産性を著しく低下させていた。そこで本願発明は、パー
ティクル発生防止のための作業に要する時間を飛躍的に
短くし、生産性の低下を防ぐことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、基板の表面に所定の
薄膜をスパッタリングによって作成する成膜処理を行う
スパッタリング装置であって、その成膜処理の前に基板
の表面の自然酸化膜又は保護膜をエッチングによって除
去する前処理エッチングを行う前処理エッチング機構を
有するスパッタリング装置において、前記前処理エッチ
ングの際に基板が配置されるチャンバー内の露出面に堆
積した前記自然酸化膜又は保護膜の材料よりなる膜の剥
離によるパーティクルの発生を防止する方法であり、前
記前処理エッチングの際に前記チャンバー内の露出面に
堆積した前記膜よりも小さな応力で堆積する材料で表面
が形成された被覆用部材をエッチングすることにより、
前記膜の上にこの被覆用部材の材料の膜を堆積させ、こ
れによって前記パーティクルの発生を防止するという構
成を有する。また、上記課題を解決するため、請求項2
記載の発明は、排気系を備えたスパッタチャンバーと、
スパッタチャンバー内に被スパッタ面を露出させるよう
にして設けたターゲットと、ターゲットをスパッタする
スパッタ電源とを備え、スパッタリングによって基板の
表面に所定の薄膜を作成するとともに、請求項1記載の
パーティクル発生防止方法が実施されるスパッタリング
装置であって、前記スパッタチャンバー又はこのスパッ
タチャンバーに気密に接続された他のチャンバーには、
前記前処理エッチング機構が設けられており、さらにこ
の前処理エッチング機構が設けられたチャンバーに、前
記被覆用部材を搬入するとともに、このチャンバーから
前記被覆用部材を搬出する搬送手段が設けられており、
前記被覆用部材の表面をエッチングして前記小さな応力
の材料の膜を前記チャンバー内の露出面に堆積させる被
覆オペレーションが行えるという構成を有する。また、
上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、上記
請求項2の構成において、前記被覆用部材の表面の前記
小さな応力で堆積する材料の残存量が所定の量になった
際に、この被覆用部材を別の新たな被覆用部材に交換す
る必要があることを知らせる表示を行うという構成を有
する。また、上記課題を解決するため、請求項4記載の
発明は、上記請求項2又は3の構成において、前記スパ
ッタチャンバーへ基板を搬送する搬送系が設けられてお
り、この搬送系は、前記搬送手段に兼用されているとい
う構成を有する。また、上記課題を解決するため、請求
項5記載の発明は、上記請求項4記載の構成において、
前記被覆用部材は、前記基板と同等又は同様の寸法形状
であり、同等又は同様の重量を有するという構成であ
る。また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発
明は、上記請求項5記載の構成において、前記被覆用部
材は、前記基板と同じ板材の表面に前記小さな応力で堆
積する材料の膜を所定の厚さで作成した疑似基板である
という構成を有する。また、上記課題を解決するため、
請求項7記載の発明は、上記請求項4,5又は6記載の
構成において、前記成膜処理の前または後に一時的に前
記基板が滞留するロードロックチャンバーが備えられて
おり、このロードロックチャンバーには内部を排気する
排気系が設けられているとともに、前記被覆用部材を収
容する収容部材が設けられており、前記被覆用部材は大
気側に取り出されることなくロードロックチャンバーか
ら複数回前記チャンバーに搬入されて複数回の前記被覆
オペレーションに使用されるようになっているという構
成を有する。また、上記課題を解決するため、請求項8
記載の発明は、上記請求項7記載の構成において、前記
ロードロックチャンバー内には、複数の前記基板を収容
するロック内カセットが設けられており、このロック内
カセットは、前記被覆用部材も収容できるよう構成され
ていて前記収容部材を兼ねているという構成を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。図1は、本願発明の実施の形態であるス
パッタリング装置の構成を説明する平面概略図である。
このスパッタリング装置は、マルチチャンバータイプの
装置であり、中央に配置されたセパレーションチャンバ
ー1と、セパレーションチャンバー1の周囲に設けられ
た複数の処理チャンバー2、3,4及び二つのロードロ
ックチャンバー5とからなるチャンバー配置になってい
る。各チャンバー1,2,3、4,5は、専用又は兼用
の排気系を備えており、所定の圧力まで排気されるよう
になっている。各チャンバー1,2,3、4,5同士の
接続箇所には、ゲートバルブ6が設けられている。そし
て、ロードロックチャンバー5の外側には、オートロー
ダ7が設けられている。オートローダ7は、大気側にあ
る外部カセット8から基板9を一枚ずつ取り出し、ロー
ドロックチャンバー5内のロック内カセット51に収容
するようになっている。
【0010】また、セパレーションチャンバー1内に
は、搬送ロボット11が設けられている。この搬送ロボ
ット11は多関節ロボットが使用されている。搬送ロボ
ット11は、いずれか一方のロードロックチャンバー5
から基板9を一枚ずつ取り出し、各処理チャンバー2、
3,4に送って順次処理を行い、最後の処理を終了した
後、いずれか一方のロードロックチャンバー5に戻すよ
うになっている。セパレーションチャンバー1内は排気
系によって常時10-6〜10-8Torr程度の真空圧力
が維持される。従って搬送ロボット11としてはこの真
空圧力下で動作可能なものが採用される。
【0011】複数の処理チャンバー2、3,4のうちの
一つは、基板9の表面に所定の薄膜を作成するためのス
パッタリングを行うスパッタチャンバー4である。この
他は、スパッタリングの前に基板9の表面の自然酸化膜
又は保護膜を除去するための前処理エッチングを行う前
処理エッチングチャンバー2、スパッタリングの前に基
板9を予備加熱するプリヒートチャンバー3である。
【0012】まず、スパッタリング装置の主要部をなす
スパッタチャンバー4の構成を説明する。図2は、図1
に示すスパッタリング装置におけるスパッタチャンバー
4の構成を説明する正面断面概略図である。スパッタチ
ャンバー4は、不図示のゲートバルブを備えた気密な容
器で、電気的には接地されている。そして、スパッタチ
ャンバー4内は、排気系46により常時10-6〜10-8
Torr程度に排気されるよう構成されている。スパッ
タチャンバー4には、ガス導入手段45が設けられてお
り、アルゴン等のスパッタ率の高いガスを内部に所定の
流量で導入できるようになっている。具体的には、ガス
導入手段45は、アルゴン等のスパッタ放電用のガスを
溜めたガスボンベ451と、スパッタチャンバー4とガ
スボンベ451とをつなぐ配管452と、配管452に
設けられたバルブ453や流量調整器454とから主に
構成されている。
【0013】スパッタチャンバー4内には、被スパッタ
面が露出するようにして、ターゲット41が設けられて
いる。ターゲット41は、基板9の表面に作成しようと
する薄膜の材料で形成されている。ターゲット41は、
ターゲットホルダー411及び絶縁体412を介して、
スパッタチャンバー4上部の開口を気密に塞ぐようスパ
ッタチャンバー4に取り付けられている。ターゲット4
1をスパッタするためのスパッタ電源43が、ターゲッ
ト41に接続されている。スパッタ電源43は、700
V、30kW程度の負の直流電圧をターゲット41に印
加するよう構成されている。ガス導入手段45によって
スパッタ放電用ガスが導入された状態で、このスパッタ
電源43が動作すると、スパッタ放電用のガスに放電が
生じターゲット41がスパッタされるようになってい
る。また、このスパッタ電源43には、高周波電源が用
いられることがある。
【0014】ターゲット41の背後には、磁石機構42
が設けられている。磁石機構42は、中心磁石421
と、この中心磁石421を取り囲む周辺磁石422と、
中心磁石421及び周辺磁石422とを繋ぐ円盤状のヨ
ーク423とから構成されている。この磁石機構42
は、放電の効率のよいマグネトロンスパッタを行うため
に備えられている。すなわち、磁石機構42により、タ
ーゲット41の付近に磁場が形成され、この磁場の作用
により電子がマグネトロン運動を行い、より密度の高い
プラズマが形成される。この結果スパッタ放電の効率が
よくなり、基板9への成膜の効率も良くなる。尚、磁石
機構42の各磁石412,422は、いずれも永久磁石
であるが、電磁石でこれらを構成することも可能であ
る。
【0015】また、スパッタチャンバー4内には、基板
ホルダー44が設けられている。基板ホルダー44は、
薄膜を作成しようとする基板9をスパッタチャンバー4
内の所定の位置に保持するものである。この基板ホルダ
ー44は、台状で上面に基板9が載置されるようになっ
ている。そして、基板ホルダー44は、ターゲット41
に対してこの基板9が平行になるよう構成されている。
尚、成膜中に基板9を加熱して成膜を効率的にする不図
示の加熱機構が基板ホルダー44内に設けられる場合が
ある。
【0016】次に、図3を使用して本実施形態の特徴点
を成す前処理エッチングチャンバー2の構成を説明す
る。図3は図1に示すスパッタリング装置の一点鎖線X
−Xにおける断面概略図である。前処理エッチングチャ
ンバー2は、ゲートバルブ6を備えた気密な容器で電気
的には接地されている。そして、前処理エッチングチャ
ンバー2内は、排気系27により10-7〜10-8Tor
r程度まで排気されるよう構成されている。
【0017】この実施形態では、プラズマの作用によっ
て、前処理エッチングを行うようになっている。具体的
には、前処理エッチングチャンバー2内に前処理エッチ
ング機構が設けられている。前処理エッチング機構は、
前処理エッチングチャンバー2に設けられた内部に所定
のガスを導入するガス導入手段21と、導入されたガス
にエネルギーを与え、プラズマPを形成するプラズマ形
成手段23とから構成されている。
【0018】まず、ガス導入手段21について説明す
る。ガス導入手段21は、前処理エッチング用のガスを
溜めたガスボンベ211と、前処理エッチングチャンバ
ー2とガスボンベ211とをつなぐ配管212と、配管
212に設けられたバルブ213や流量調整器214と
から主に構成されている。このガス導入手段21は、前
処理エッチング用ガスとして例えばアルゴン(Ar)を
流量60cc/分で前処理エッチングチャンバー2内に
導入するよう構成されている。
【0019】次に、プラズマ形成手段23について説明
する。本実施形態では、高周波エネルギーによってプラ
ズマを形成するようになっており、プラズマ形成手段2
3としては、高周波電源231が用いられている。具体
的には、前処理エッチングチャンバー2内には、前処理
エッチングを行う基板9を所定の位置に保持する基板ホ
ルダー22が設けられている。この基板ホルダー22に
は、高周波電圧を印加する高周波電源231が接続され
ている。基板ホルダー22と高周波電源231の間に
は,不図示の整合器及び後述する自己バイアスのための
コンデンサ232が設けられる。この高周波電源231
は、基板ホルダー22に周波数13.56MHz出力1
000Wの高周波電力を印加するよう構成されている。
【0020】ガス導入手段21によって所定のエッチン
グ用ガスを前処理エッチングチャンバー2内に導入し、
この状態で高周波電源231を動作させると、所定の高
周波電圧が基板ホルダー22に印加され、基板ホルダー
22を介して空間に電界が設定される。そして、エッチ
ング用ガスは、この電界からエネルギーが与えられてプ
ラズマPを形成する。このプラズマP中のイオンが基板
9の表面に衝突する結果、基板9の表面の自然酸化膜又
は保護膜はエッチングされる。
【0021】上記エッチングの際、本実施形態では、高
周波電源231が基板ホルダー22に接続されているた
め、この際、基板9の表面に自己バイアス電圧が生じ
る。この自己バイアス電圧の効果により、前処理エッチ
ングをさらに効率よく行うことができる。具体的には、
高周波の正の半周期においては、プラズマ中の電子が基
板ホルダー22上の基板9に入射し、負の半周期におい
ては、プラズマ中の正イオンが入射する。この際、電子
は正イオンに比べて移動度が高いので、基板9に入射す
る荷電粒子は負電荷(電子)の方が多くなる。基板ホル
ダー22と高周波電源231の間にコンデンサ232が
設けられているため、基板ホルダー22の電位は、正イ
オンと電子との入射量のバランスをとるため負の方向に
シフトする。この結果、基板ホルダー22は、正弦波の
上に負の直流電圧が重畳されたような電位変化となり、
負の自己バイアス電圧が生ずる。この負の自己バイアス
電圧によって、プラズマ中の正イオンが引き出されて効
率よく基板9に入射する。このため、上述した前処理エ
ッチングがさらに効率よく行われる。
【0022】一方、前処理エッチングチャンバー2の上
方には、プラズマPの拡散を防止するための磁石24が
設けられている。この磁石24は、図3に示すように、
水平におかれた板状の永久磁石である。この磁石24の
両端は、異なる磁極になっており、図3に示すような磁
力線241が前処理エッチングチャンバー2及びシール
ド26を貫いて設定されるよう構成されている。図3か
らわかるように、この磁力線241は、プラズマP中の
荷電粒子が前処理エッチングチャンバー2の上部に拡散
する方向に対して交差する状態になっている。プラズマ
P中の荷電粒子は、この磁力線241を横切る方向へは
移動しない。このため、磁力線241により、プラズマ
Pの拡散は防止されるようになっている。よって、プラ
ズマPの密度は高くなり、効率よくエッチングが行われ
る。
【0023】また、従来と同様に、本装置における前処
理エッチングチャンバー2内には、シールド26が設け
られている。このシールド26は、前処理エッチングチ
ャンバー2の内側面を覆うよう設けられている。従っ
て、前処理エッチングによってエッチングされた自然酸
化膜又は保護膜の材料は、前処理エッチングチャンバー
2内に飛散した際、このシールド26の表面に付着する
ようになっている。シールド26は、交換自在に前処理
エッチングチャンバー2内に取り付けられており、この
表面には、堆積した膜の剥離を防止するため凹凸が形成
されている。
【0024】上述した前処理エッチングにおいて、エッ
チングされた自然酸化膜又は保護膜の材料は、排気系2
7によって前処理エッチングチャンバー2外に排出され
るが、すべては排出されない。この場合、排出されなか
った自然酸化膜又は保護膜の材料は、上述したように前
処理エッチングチャンバー2内のシールド26に堆積し
膜を形成する。以下、この膜を「前処理時堆積膜」と呼
ぶ。
【0025】基板9の前処理エッチングの回数が増える
に従い、このシールド26に形成される前処理時堆積膜
の量は次第に増加する。そして、この前処理時堆積膜
は、内部応力により剥離する場合があり、この剥離した
膜の破片は、パーティクルとなる。さらに前処理エッチ
ングを繰り返すと、前処理エッチングチャンバー2内に
生じるパーティクルの数は増加する。そこで、本実施形
態では、このパーティクルの発生を防ぐため、前処理時
堆積膜をさらに別の膜で被覆する処理(以下、被覆オペ
レーションと呼ぶ)が行える構成となっている。具体的
には、被覆オペレーションは、前処理時堆積膜の上に、
さらにこの前処理時堆積膜よりも小さな応力で堆積する
材料の膜(以下、パーティクル防止膜と呼ぶ)を堆積さ
せることにより被覆を行う動作である。より詳しく説明
すると、本実施形態における被覆オペレーションは、前
処理時堆積膜よりも小さな応力で堆積する材料の膜を形
成させた部材(以下、被覆用部材と呼ぶ)をエッチング
することにより、パーティクル防止膜を前処理時堆積膜
の上に堆積させるようになっている。
【0026】まず、被覆用部材の説明を行う。被覆用部
材としては、スパッタ成膜を行う基板9と同じ板材の表
面に、前処理時堆積膜に比べて小さな応力で堆積する材
料の膜を所定の厚さで作成した部材(以下、疑似基板と
呼ぶ。)10を用いる。この疑似基板10を基板ホルダ
ー22に載置し、基板9と同様にエッチングを行うと、
エッチングされた疑似基板10の表面の材料は、シール
ド26の表面にパーティクル防止膜として堆積する。上
記説明から明らかなように、パーティクル防止膜は、前
処理時堆積膜よりも小さな応力で堆積するため、前処理
時堆積膜の応力を緩和する作用がある。このため、パー
ティクル防止膜で被覆されない場合に比べ、前処理時堆
積膜の剥離は抑制され、この結果、パーティクルの発生
を防止することができる。
【0027】具体的には、前処理時堆積膜が酸化シリコ
ン又は窒化シリコンである場合、これよりも小さな応力
の材料としてはアルミニウムが挙げられる。従って、疑
似基板10としては、シリコンよりなる基板の表面にア
ルミニウムを形成したものが用いられる。膜の応力に関
しては、一般的には、塑性変形を生じやすい材料が小さ
い応力で膜を形成するものと考えられる。従って、アル
ミニウム、銅、銀、鉛又はこれらの合金等が小さな応力
で膜を形成する。ただし、蒸気圧が高い材料は、蒸発し
て前処理エッチングチャンバー2内を汚損する原因とな
りやすいので、蒸気圧の高くないものが適している。さ
らにコストの点等を考えると、上記材料のうちアルミニ
ウム,銅又はこれらの合金が実用上好ましい。このよう
な点を考慮して、被覆用材料は適宜選定される。
【0028】上記疑似基板10は、ロードロックチャン
バー5内に常時収容されている。即ち、ロードロックチ
ャンバー5内には、疑似基板10を収容する収容部材が
設けられている。この収容部材としては、ロードロック
チャンバー5内で基板9を収容するロック内カセット5
1が兼用されている。ロック内カセット51は、左右の
側壁の内側面に水平方向に細長い突起511を設けてい
る。この突起511は、上下方向に所定の間隔をおいて
複数設けられている。そして、これらの突起511に基
板9の縁が載ることで、基板9が収容される構成となっ
ている。ロック内カセット51の基板9の収容枚数は2
5枚であるが、上記突起511は上下方向に27個設け
られている。従って、2個の余分な収容箇所がある。こ
の2個の余分な収容箇所に疑似基板10が収容されるよ
うになっている。
【0029】また上記ロック内カセット51と前処理エ
ッチングチャンバー2との間、ロック内カセット51と
大気側との間で疑似基板10を搬送する搬送手段が設け
られている。この搬送手段は、基板9を搬送する搬送系
が兼用されている。まず、基板9を搬送する搬送系の説
明を行う。本実施形態において、基板9を搬送する搬送
系は、上述した搬送ロボット11と、オートローダ7
と、後述するロック内カセット51を昇降させる昇降機
構52とから主に構成されている。
【0030】本実施形態では、搬送ロボット11のアー
ムは、あらかじめ定められ高さにおいてロック内カセッ
ト51に進入し、ロック内カセット51から後退するよ
う構成されている。以下、この高さを「アーム進入ライ
ン」と呼ぶ。ロック内カセット51の昇降機構52は、
ロック内カセット51を上下に動作させ、所定の基板9
の収容箇所をこのアーム進入ラインに合わせるためのも
のである。具体的には、昇降機構52としては、ロック
内カセット51に固定された不図示の支柱を上下に動作
させるエアシリンダでも良いし、不図示の支柱に固定さ
れたボールネジとそのボールネジを回転させて支柱を上
下動させるモータの組み合わせでも良い。
【0031】ロック内カセット51と搬送ロボット11
の間における基板9の搬送の動作を説明すると、基板9
を前処理エッチングチャンバー2へ搬入する際、昇降機
構52は、アーム進入ラインよりもやや高い位置に所定
の基板9の収容箇所が位置するようロック内カセット5
1を昇降させる。搬送ロボット11のアームがこの基板
9の下に進入すると、昇降機構52によりロック内カセ
ット51は下降し、アームに基板9が載る。その後、ア
ームが後退してセパレーションチャンバー1まで移動
し、基板9は前処理エッチングチャンバー2へ搬入され
る。また、成膜処理済みの基板9がスパッタチャンバー
4から搬出される際、昇降機構52は、アーム進入ライ
ンよりもやや低い位置に基板9の所定の収容箇所が位置
するよう、ロック内カセット51を予め昇降させる。搬
送ロボット11のアームは、スパッタチャンバー4から
基板9を取り出し、アーム進入ラインの高さからロック
内カセット51に進入する。基板9を載せたアームがロ
ック内カセット51に進入した後、昇降機構52によっ
てロック内カセット51は上昇し、基板9を所定の収容
箇所に収容する。
【0032】次に、疑似基板10を搬送する搬送手段に
ついて説明する。ロードロックチャンバー5と前処理エ
ッチングチャンバー2の間の疑似基板10の搬送は、ロ
ック内カセット51の昇降機構52と搬送用ロボット1
1によって行われる。具体的には、上述した昇降機構5
2は、ロック内カセット51を上下させることにより、
アーム進入ラインに沿って、所定の収容箇所の疑似基板
10を取り出したり、所定の収容箇所に疑似基板10を
収容したりするよう構成されている。より具体的に説明
すると、疑似基板10を前処理エッチングチャンバー2
へ搬入する際、昇降機構52は、アーム進入ラインより
もやや高い位置に所定の疑似基板10の収容箇所が位置
するようロック内カセット51を昇降させる。その後、
基板9の場合と同様に搬送ロボット11が動作し、疑似
基板10は前処理エッチングチャンバー2に搬入され
る。
【0033】また、被覆オペレーションが終了し、前処
理エッチングチャンバー2から疑似基板10が搬出され
る際、昇降機構52は、アーム進入ラインよりもやや低
い位置に、所定の疑似基板10の収容箇所が位置するよ
うロック内カセット51を昇降させる。その後、基板9
の場合と同様に搬送ロボット11が動作して、疑似基板
10が収容される。そして、再び被覆オペレーションが
行われる際、搬送手段は、上記疑似基板10を搬送する
動作をくり返す。
【0034】前述したように、ロック内カセット51
は、二枚の疑似基板10を収容している。一方の疑似基
板10の表面残存厚が所定の量となった時、搬送手段
は、もう一方の疑似基板10を前処理エッチングチャン
バー2へ搬送するよう構成されている。また、これら二
枚の疑似基板10の両方の表面残存厚が所定の量に達し
た際、二枚の疑似基板10はオートローダ7によって、
ロック内カセット51から外部カセット8に一枚ずつ搬
送される。そして新たな二枚の疑似基板10が外部カセ
ット8に収容されると、これらの疑似基板10は、オー
トローダ7によってロック内カセット51の所定の収容
箇所に搬入される。このようにしてロック内カセット5
1に収容された新たな疑似基板10は、同様に被覆オペ
レーションに使用される。
【0035】以上のように、本実施形態では、疑似基板
10は、大気側に取り出されることなく常時真空側に保
持され複数回の被覆オペレーションに使用される。真空
側に保持された疑似基板10の表面は、大気側に取り出
されることによる水分などの付着がない。このため、被
覆オペレーションを行った際、不純物のないパーティク
ル防止膜が前処理時堆積膜上に形成される。パーティク
ル防止膜中やパーティクル防止膜と前処理時堆積膜との
界面に不純物が存在すると、膜の内部応力は大きくな
る。前述したように、内部応力が大きくなると、これら
の膜は剥離しやすくなりパーティクルが生じる恐れが大
きくなる。しかし、本実施形態では上述の通り、不純物
のないパーティクル防止膜が形成されるので、被覆オペ
レーションの効果を高く得ることができる。尚、以上の
被覆オペレーションの説明は、請求項1記載の発明の実
施形態の説明でもある。
【0036】前述したように、疑似基板10の表面には
被覆用材料としてアルミニウムの膜を形成したものを使
用している。本実施形態では、疑似基板10の表面のア
ルミニウムが所定の残存量になった所で、この疑似基板
10を別の新たな疑似基板10に交換する必要があるこ
とを知らせる表示を行う手段が設けられている。すなわ
ち、上述の被覆オペレーションを繰り返し行うと、疑似
基板10の表面のアルミニウムの厚さは次第に薄くな
る。このアルミニウムを完全にエッチングしてしまう
と、下側の基板と同等の板材は露出し、この板材もエッ
チングされる。板材の材質がパーティクル防止膜とは異
なる不純物である場合、この不純物は被覆オペレーショ
ンによってエッチングされる。この結果、パーティクル
防止膜中やパーティクル防止膜と前処理時堆積膜との界
面にこの不純物が存在することになり、膜の内部応力は
大きくなる。
【0037】内部応力が大きくなると、これらの膜は剥
離しやすくなり、パーティクルを生じさせるため、被覆
オペレーションの効果を十分得ることができない。そこ
で、本実施形態の装置は、疑似基板10の表面のアルミ
ニウム膜の残存厚が所定の量になったところで、別の新
しい疑似基板10を交換するための構成を備えている。
具体的には、本実施形態の装置は、装置全体の動作を制
御する主制御部25がある。この主制御部25はマイク
ロコンピュータであり、装置の動作状態などの各種表示
を行う表示部251が設けられている。そして、この主
制御部25は、上述した疑似基板10の交換の必要性を
示す表示も行うように構成されている。より詳しくは、
主制御部25は、疑似基板10の交換の必要性を表示す
るために、高周波電源231の動作を制御すると同時に
この高周波電源231が動作した時間を記憶できるよう
構成されている。
【0038】一方、主制御部25は、装置の動作条件な
どを入力する入力部252を備えている。この入力部2
52からは、疑似基板10の表面の被覆用材料の厚さ
が、所定の厚さになるまでの使用時間(以下、許容最大
使用時間と呼ぶ。)も入力できるようになっている。許
容最大使用時間は、疑似基板10を前処理エッチングチ
ャンバー2内でエッチングしたときのエッチング速度を
あらかじめ測定しておき、このエッチング速度と被覆用
材料の当初の厚さから計算して入力するようになってい
る。
【0039】主制御部25は、入力された許容最大使用
時間と、記憶した高周波電源231の合計の動作時間と
を比較し、高周波電源231の動作時間が許容最大使用
時間と等しくなった際、表示部251に疑似基板10を
交換する必要があることを知らせる表示を行うようプロ
グラミングされている。具体的には、主制御部25は、
ロック内カセット51に、二枚の疑似基板10が保持さ
れているため、この二枚のうち一方の疑似基板10の使
用時間が入力された許容最大使用時間に達した際、もう
一方の疑似基板10に交換する必要がある表示を行うよ
う構成されている。そして、主制御部25は、このロッ
ク内カセット51中のもう一方の疑似基板10の搬送を
行うよう搬送ロボット11及びロック内カセット51の
昇降機構52を制御するようになっている。
【0040】また、主制御部25は、このロック内カセ
ット51中の二枚の疑似基板10が所定の残存厚に達し
てしまった際に、これらの疑似基板10を搬出し、新し
い疑似基板10を搬入する必要がある表示を行うよう構
成されている。主制御部25は、ロック内カセット51
中の二枚の疑似基板10を搬出し、別の新たな疑似基板
10を搬入するようオートローダ7及びロック内カセッ
ト51の昇降機構52を制御するようになっている。こ
のため、本実施形態の装置では、疑似基板10の表面の
アルミニウムを完全にエッチングしてしまう前に、新し
い疑似基板10に交換されるので、アルミニウムの下側
の基板と同等の板材もエッチングしてしまうことを防止
することができる。従って前述したように、被覆オペレ
ーションの効果を高く得ることができる。
【0041】次に、図1に戻り、スパッタリング装置に
示す複数の処理チャンバーのうちのプリヒートチャンバ
ー3について説明する。まずプリヒート(予備加熱)
は、基板9の吸蔵ガスを放出させる目的で行われる。こ
の吸蔵ガスの放出を行わない場合、成膜時の熱により吸
蔵ガスが放出され、発泡によって膜の表面が粗くなる問
題がある。プリヒートチャンバー3内には、所定の温度
に加熱維持される不図示のヒートステージが設けられて
いる。基板9は、このヒートステージに載置され、所定
温度に加熱されることによりプリヒートされる。
【0042】次に、本実施形態のマルチチャンバースパ
ッタリング装置の全体の動作について説明する。外部セ
ット8に収容された基板9は、オートローダ7によって
ロードロックチャンバー5内のロック内カセット51に
搬入される。ロック内カセット51に搬入された基板9
は、セパレーションチャンバー1に設けられた搬送ロボ
ット11により、まず前処理エッチングチャンバー2に
搬入される。前処理エッチングチャンバー2内では、前
述の通り、基板9に対して前処理エッチングが行われ
る。次に、基板9はプリヒートチャンバー3に搬送さ
れ、不図示のヒートステージに載置されて所定の温度に
加熱される。これによって基板9はプリヒートされ、基
板9中の吸蔵ガスが放出される。次に、基板9はスパッ
タチャンバー4に搬入され、スパッタ成膜が行われる。
その後、基板9は搬送ロボット11によりスパッタチャ
ンバー4から搬出され、ロック内カセット51に収容さ
れる。ロック内カセット51に収容された処理済みの基
板9はオートローダ7によって外部カセット8に収容さ
れる。このような動作を繰り返して、複数の基板9に対
して順次、枚葉処理を行う。
【0043】上記動作を繰り返して基板9を一枚ずつ枚
葉処理すると、前処理エッチングチャンバー2内での前
処理エッチングも、その枚葉処理の回数分だけ繰り返さ
れる。枚葉処理が所定の回数に達した時点で制御部25
は、搬送系に兼用された搬送手段に信号を送り、疑似基
板10を前処理エッチングチャンバー2内に搬入するよ
う制御する。この結果、前述したように、疑似基板10
はロック内カセット51から前処理エッチングチャンバ
ー2に搬入される。この疑似基板10は所定の条件でエ
ッチングされ、前述した被覆オペレーションが行われ
る。その後、疑似基板10は搬送手段によってロック内
カセット51に収容される。そして、前処理エッチング
チャンバー2内では、前述した基板9の枚葉処理が再開
される。
【0044】上述したように、本実施形態の装置及び方
法は、疑似基板10を前処理エッチングチャンバー2内
に搬入して、エッチングすることにより、基板9の前処
理エッチングにより生じたパーティクル発生の原因とな
る前処理時堆積膜をパーティクル防止膜によって被覆す
る。この被覆用部材の表面は、前処理時堆積膜よりも小
さな応力で堆積する材料でできているため、前処理時堆
積膜の剥離を抑制することができる。この結果、シール
ド26の交換頻度は、従来に比べ飛躍的に少なくなる。
従って、従来に比べ、パーティクルの発生の防止に要す
る全体の時間は短くなる。よって、本実施形態では、従
来の装置に比べると、生産性が大きく向上する。また、
パーティクルの発生が防止される結果、デバイスの品質
の向上に寄与することができる。
【0045】
【実施例】次に、上記実施形態における実施例を説明す
る。まず、前処理エッチングチャンバー2における前処
理エッチングの条件としては、以下の条件が挙げられ
る。 ・エッチング用ガス;アルゴン ・ガス流量;60cc/分 ・圧力;2mTorr ・高周波電力;13.56MHz、1000W また、基板9がシリコンで形成されており、表面の膜が
自然酸化膜(SiO2)である場合、上記条件でエッチ
ングを行うとエッチングレートは直径8インチの基板で
400オングストローム/分となり、30秒で一枚の基
板9の前処理エッチングが終了する。また、被覆オペレ
ーションの条件としては、以下の条件が挙げられる。 ・被覆用部材;アルミニウム膜3μmを形成したシリコ
ン基板 ・エッチング用ガス;アルゴン ・ガス流量;60cc/分 ・圧力;2mTorr ・高周波電力;13.56MHz、1000W 上記条件で被覆オペレーションを行うと、パーティクル
防止膜の成膜速度は500オングストローム/分とな
り、720秒程度で一回の被覆オペレーションが終了す
る。また、一回のアルミニウムのエッチング量は840
0オングストローム程度である。
【0046】次に、以上のような条件である本実施例の
効果について説明する。まず、上記条件では、基板9の
前処理エッチングの回数が1000回を越えるとパーテ
ィクルの発生が50個以上になるため、1000枚の基
板9について前処理エッチングを行った後に被覆オペレ
ーションを行うようにする。これによってパーティクル
の発生は、10個以下に抑えることができる。そして、
再び基板9の前処理エッチングを1000回行った後、
被覆オペレーションを行う。このようにして、1000
回の前処理エッチングを行う度に、一回の被覆オペレー
ションを行う。
【0047】しかし、この1000回の前処理エッチン
グを行う度に一回の被覆オペレーションを行うサイクル
を繰り返すと、シールド26に堆積した前処理時堆積膜
とパーティクル発生防止膜の全膜厚は増加していく。こ
の厚さがある限度以上になると、シールド26に堆積し
たこれらの膜は自重などによって剥離し、パーティクル
の発生量が限度以上になってしまう場合がある。具体的
には、上記条件で前処理エッチング及び被覆オペレーシ
ョンを行った場合には、5000回の前処理エッチング
(被覆オペレーションは5回)が限度であり、これ以上
前処理エッチングを行うとパーティクルの発生が50個
以上になってしまう。そこで、5000回の前処理エッ
チングを行った後、シールド26を新たなシールド26
に交換するようにする。従来の場合には1000回の前
処理エッチングを行った後にシールドの交換を行ってお
り、これに比較すると、生産性は飛躍的に増大すること
がわかる。
【0048】上述した構成及び動作に係る本実施の形態
において、疑似基板10はロック内カセット51に配備
され、搬送ロボット11により前処理エッチングチャン
バー2内に持ち込まれるよう構成されているが、それ以
外の方式として、次のような構成をすることも可能であ
る。まず、疑似基板10は、前処理エッチングチャンバ
ー内に常時備えられていてもよい。具体的には、疑似基
板10は、交換自在にエッチングチャンバーの内壁に対
して固定されるよう構成される。そして、疑似基板10
がエッチングされる位置にプラズマを形成するようにす
る。また、基板の前処理エッチングの時に疑似基板10
がプラズマに晒されないようプラズマシールドで疑似基
板10を覆う。そして、被覆オペレーションを行う際、
このプラズマシールドは除かれ、プラズマによって疑似
基板10がエッチングされるよう構成する。この構成に
比べると、上述した実施形態の構成は、プラズマシール
ドを設ける等の構成の煩雑さがないという点で優れてい
る。
【0049】前述した実施形態では、被覆用部材として
は、基板9と同じ板材に被覆用材料の膜を形成した疑似
基板10が使用されている。しかし、基板9と厳密に全
く同じでなくとも同等の寸法形状で同等の重量の板材の
表面に被覆用材料の膜を形成したものを用いても搬送系
の構成を変更することなく兼用できる場合があり、その
ようなものを被覆用部材として用いても良い。また、基
板9と異なる板材に被覆用材料の膜を形成したものを被
覆用部材としたとき、基板9の搬送系とこの被覆用部材
の搬送手段を兼用するために、既存の搬送系の構成の変
更を必要とする場合がある。しかしこの場合でも、基板
9と同様の寸法形状で同様の重量の板材を用いれば搬送
系の構成の変更が小さくコスト的にも有利にできること
がある。従って、板材は、その搬送系の構成の変更が小
さくコスト的にも有利にできる範囲内で同様の寸法形状
をなし同様の重量であればよい。
【0050】また、基板9の搬送とは別に、被覆用部材
のみを搬送する搬送手段を設けた場合、この被覆用部材
は、基板9と全く異なる寸法形状及び重量の板材で構成
することができる。本実施形態のような被覆用部材の搬
送に基板9の搬送系を兼用する構成は、機構部分が兼用
されるので、スペース的に省スペース化される利点があ
る。また、この被覆用部材の別の構成としては、基板9
と同じか同等または同様の板材の表面に被覆用材料でメ
ッキを行ったものや、被覆用材料そのものでできた板を
用いることもできる。
【0051】また、前処理エッチング機構は、前処理エ
ッチングチャンバー2内ではなく、プリヒートチャンバ
ー3内又はスパッタチャンバー4内に設けられてもよ
い。前述した実施形態では、前処理エッチングチャンバ
ー2においてプラズマを形成する手段として高周波を用
いているが、それ以外に直流二極放電を形成する手段を
用いてもよい。
【0052】
【発明の効果】以上説明した通り、本願の請求項1の発
明によれば、前処理エッチングによりチャンバー内露出
面に堆積した膜を、これよりも小さな応力で堆積する材
料で覆うので、膜の剥離が抑制され、膜の剥離に起因す
るパーティクルの発生が防止される。この結果、基板へ
のパーティクルの付着による成膜処理の質の低下を防ぐ
ことができる。また、チャンバー内露出面に堆積した膜
の剥離が抑制されるため、膜の剥離を防止するのに必要
なメンテナンスに要する時間も短くなり、この結果生産
性が増大する。また、請求項2の発明によれば、請求項
1の効果を得ながらスパッタリングを行うことができ
る。その際に、被覆用部材が前処理エッチングチャンバ
ー内にはなく、搬送手段により必要な時だけ前処理エッ
チングチャンバーに搬入されるよう構成されているた
め、通常の前処理エッチングの際に被覆用部材がエッチ
ングされることがない。また、請求項3の発明によれ
ば、請求項2の効果に加え、被覆用部材は、その表面の
被覆用材料の所定の残存厚以上にエッチングされること
が抑制される。このため、パーティクル発生防止の効果
がより確実に得られる。また、請求項4の発明によれ
ば、上記請求項2又は3の効果に加え、被覆用部材を搬
送する搬送手段と、基板を搬送する搬送系が兼用されて
いるので、搬送のための機構が簡略化される。また、請
求項5の発明によれば、上記請求項4の効果に加え,被
覆用部材は基板と同等又は同様であるため、既存の搬送
系を変更することなく使用したり、少ない変更で使用す
ることができる。このため、装置の製造コストが安くで
きる。また、請求項6の発明によれば、上記請求項5の
効果に加え、被覆用部材は疑似基板であるため、既存の
搬送系を変更しないで被覆用部材の搬送手段に兼用する
ことができる。このため、装置の製造コストが安くでき
る。また、請求項7の発明によれば、上記請求項4,5
又は6の効果に加え、被覆用部材は複数回使用される間
に大気側に搬出されることがないので、パーティクル発
生防止の効果を大きく得ることができる。また、被覆用
部材を搬出するための動作がないので、作業の効率がよ
い。また、請求項8の発明によれば、上記請求項7の効
果に加え、基板を収容する収容部材が被覆用部材も収容
しているため、別の収容部材を設ける複雑さがなく、被
覆用部材の収容構造が簡略化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態であるスパッタリング装
置の構成を説明する平面概略図である。
【図2】図1に示すスパッタリング装置におけるスパッ
タチャンバー4の構成を説明する正面断面概略図であ
る。
【図3】図1に示すスパッタリング装置の一点鎖線X−
Xにおける断面概略図である。
【符号の説明】
1 セパレーションチャンバー 11 搬送用ロボット 2 前処理エッチングチャンバー 21 ガス導入手段 211 ガスボンベ 212 配管 213 バルブ 214 流量調整器 22 基板ホルダー 23 プラズマ形成手段 231 高周波電源 232 コンデンサ 24 磁石 241 磁力線 25 主制御部 251 表示部 252 入力部 26 シールド 27 排気系 3 プリヒートチャンバー 4 スパッタチャンバー 41 ターゲット 411 ターゲットホルダー 412 絶縁体 42 磁石機構 421 中心磁石 422 周辺磁石 423 ヨーク 43 スパッタ電源 44 基板ホルダー 45 ガス導入手段 451 ガスボンベ 452 配管 453 バルブ 454 流量調整器 46 排気系 5 ロードロックチャンバー 51 ロック内カセット 511 突起 52 昇降機構 6 ゲートバルブ 7 オートローダ 8 外部カセット 9 基板 10 疑似基板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。図1は、本願発明の実施の形態であるス
パッタリング装置の構成を説明する平面概略図である。
このスパッタリング装置は、マルチチャンバータイプの
装置であり、中央に配置されたセパレーションチャンバ
ー1と、セパレーションチャンバー1の周囲に設けられ
た複数の処理チャンバー23,4及び二つのロードロ
ックチャンバー5とからなるチャンバー配置になってい
る。各チャンバー1,2,34,5は、専用又は兼用
の排気系を備えており、所定の圧力まで排気されるよう
になっている。各チャンバー1,2,34,5同士の
接続箇所には、ゲートバルブ6が設けられている。そし
て、ロードロックチャンバー5の外側には、オートロー
ダ7が設けられている。オートローダ7は、大気側にあ
る外部カセット8から基板9を一枚ずつ取り出し、ロー
ドロックチャンバー5内のロック内カセット51に収容
するようになっている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また、セパレーションチャンバー1内に
は、搬送ロボット11が設けられている。この搬送ロボ
ット11は多関節ロボットが使用されている。搬送ロボ
ット11は、いずれか一方のロードロックチャンバー5
から基板9を一枚ずつ取り出し、各処理チャンバー2
3,4に送って順次処理を行い、最後の処理を終了した
後、いずれか一方のロードロックチャンバー5に戻すよ
うになっている。セパレーションチャンバー1内は
気系によって常時10−6〜10−8Torr程度の真
空圧力が維持される。従って搬送ロボット11として
はこの真空圧力下で動作可能なものが採用される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】複数の処理チャンバー23,4のうちの
一つは、基板9の表面に所定の薄膜を作成するためのス
パッタリングを行うスパッタチャンバー4である。この
他は、スパッタリングの前に基板9の表面の自然酸化膜
又は保護膜を除去するための前処理エッチングを行う前
処理エッチングチャンバー2、スパッタリングの前に基
板9を予備加熱するプリヒートチャンバー3である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】まず、スパッタリング装置の主要部をなす
スパッタチャンバー4の構成を説明する。図2は、図1
に示すスパッタリング装置におけるスパッタチャンバー
4の構成を説明する正面断面概略図である。スパッタチ
ャンバー4は、不図示のゲートバルブを備えた気密な容
器であり、電気的には接地されている。そして、スパッ
タチャンバー4内は、排気系46により常時10−6
10−8Torr程度に排気されるよう構成されてい
る。スパッタチャンバー4には、ガス導入手段45が設
けられており、アルゴン等のスパッタ率の高いガスを内
部に所定の流量で導入できるようになっている。具体的
には、ガス導入手段45は、アルゴン等のスパッタ放電
用のガスを溜めたガスボンベ451と、スパッタチャン
バー4とガスボンベ451とをつなぐ配管452と、配
管452に設けられたバルブ453や流量調整器454
とから主に構成されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】スパッタチャンバー4内には、被スパッタ
面が露出するようにして、ターゲット41が設けられて
いる。ターゲット41は、基板9の表面に作成しようと
する薄膜の材料で形成されている。ターゲット41は、
ターゲットホルダー411及び絶縁体412を介して、
スパッタチャンバー4上部の開口を気密に塞ぐようスパ
ッタチャンバー4に取り付けられている。ターゲット4
1をスパッタするためのスパッタ電源43が、ターゲッ
ト41に接続されている。スパッタ電源43は、700
V程度の負の直流電圧をターゲット41に印加するよう
構成されており、30kW程度の電力がターゲット41
に供給されるようになっている。ガス導入手段45によ
ってスパッタ放電用ガスが導入された状態で、このスパ
ッタ電源43が動作すると、スパッタ放電用のガスに放
電が生じターゲット41がスパッタされるようになって
いる。また、このスパッタ電源43には、高周波電源が
用いられることがある。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】ターゲット41の背後には、磁石機構42
が設けられている。磁石機構42は、中心磁石421
と、この中心磁石421を取り囲む周辺磁石422と、
中心磁石421及び周辺磁石422とを繋ぐ円盤状のヨ
ーク423とから構成されている。この磁石機構42
は、放電の効率のよいマグネトロンスパッタを行うため
に備えられている。すなわち、磁石機構42により、タ
ーゲット41の付近に磁場が形成され、この磁場の作用
により電子がマグネトロン運動を行い、より密度の高い
プラズマが形成される。この結果スパッタ放電の効率が
よくなり、基板9への成膜の効率も良くなる。尚、磁石
機構42の各磁石421,422は、いずれも永久磁石
であるが、電磁石でこれらを構成することも可能であ
る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】次に、プラズマ形成手段23について説明
する。本実施形態では、高周波エネルギーによってプラ
ズマを形成するようになっており、プラズマ形成手段2
3としては、高周波電源231が用いられている。具体
的には、前処理エッチングチャンバー2内には、前処理
エッチングを行う基板9を所定の位置に保持する基板ホ
ルダー22が設けられている。この基板ホルダー22に
は、高周波電圧を印加する高周波電源231が接続され
ている。基板ホルダー22と高周波電源231の間に
は,不図示の整合器及び後述する自己バイアス電圧のた
めのコンデンサ232が設けられる。この高周波電源2
31は、基板ホルダー22に周波数13.56MHz出
力1000Wの高周波電力を印加するよう構成されてい
る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】また、従来と同様に、本装置における前処
理エッチングチャンバー2内には、シールド26が設け
られている。このシールド26は、前処理エッチングチ
ャンバー2の内側面を覆うよう設けられている。従っ
て、前処理エッチングによってエッチングされた自然酸
化膜又は保護膜の材料は、前処理エッチングチャンバー
2内に飛散した際、このシールド26の表面に付着する
ようになっている。シールド26は、交換自在に前処理
エッチングチャンバー2内に取り付けられており、シー
ルド26表面には、堆積した膜の剥離を防止するため凹
凸が形成されている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】内部応力が大きくなると、これらの膜は剥
離しやすくなり、パーティクルを生じさせるため、被覆
オペレーションの効果を十分得ることができない。そこ
で、本実施形態の装置は、疑似基板10の表面のアルミ
ニウム膜の残存厚が所定の量になったところで、別の新
しい疑似基板10を交換するための構成を備えている。
具体的には、本実施形態の装置は、装置全体の動作を制
御する主制御部25がある。この主制御部25はマイク
ロコンピュータであり、装置の動作状態などの各種表示
を行う表示部251が設けられている。そして、主制御
部25は、上述した疑似基板10の交換の必要性を示す
表示も行うように構成されている。より詳しくは、主制
御部25は、疑似基板10の交換の必要性を表示するた
めに、高周波電源231の動作を制御すると同時にこの
高周波電源231が動作した時間を記憶できるよう構成
されている。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】一方、主制御部25は、装置の動作条件な
どを入力する入力部252を備えている。この入力部2
52からは、疑似基板10の表面の被覆用材料の厚さが
所定の厚さになるまでの使用時間(以下、許容最大使用
時間と呼ぶ。)も入力できるようになっている。許容最
大使用時間は、疑似基板10を前処理エッチングチャン
バー2内でエッチングしたときのエッチング速度をあら
かじめ測定しておき、このエッチング速度と被覆用材料
の当初の厚さから計算して入力するようになっている。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】上述した構成及び動作に係る本実施の形態
において、疑似基板10はロック内カセット51に配備
され、搬送ロボット11により前処理エッチングチャン
バー2内に持ち込まれるよう構成されているが、それ以
外の方式として、次のような構成をすることも可能であ
る。まず、疑似基板10は、前処理エッチングチャンバ
ー内に常時備えられていてもよい。具体的には、疑似基
板10は、交換自在にエッチングチャンバーの内壁に対
して固定されるよう構成される。そして、疑似基板10
がエッチングされる位置にプラズマを形成するようにす
る。また、基板の前処理エッチングの時に疑似基板1
0がプラズマに晒されないようプラズマシールドで疑似
基板10を覆う。そして、被覆オペレーションを行う
際、このプラズマシールドは除かれ、プラズマによって
疑似基板10がエッチングされるよう構成する。この構
成に比べると、上述した実施形態の構成は、プラズマシ
ールドを設ける等の構成の煩雑さがないという点で優れ
ている。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に所定の薄膜をスパッタリン
    グによって作成する成膜処理を行うスパッタリング装置
    であって、その成膜処理の前に基板の表面の自然酸化膜
    又は保護膜をエッチングによって除去する前処理エッチ
    ングを行う前処理エッチング機構を有するスパッタリン
    グ装置において、 前記前処理エッチングの際に基板が配置されるチャンバ
    ー内の露出面に堆積した前記自然酸化膜又は保護膜の材
    料よりなる膜の剥離によるパーティクルの発生を防止す
    る方法であり、 前記前処理エッチングの際に前記チャンバー内の露出面
    に堆積した前記膜よりも小さな応力で堆積する材料で表
    面が形成された被覆用部材をエッチングすることによ
    り、前記膜の上にこの被覆用部材の材料の膜を堆積さ
    せ、これによって前記パーティクルの発生を防止するこ
    とを特徴とするパーティクル発生防止方法。
  2. 【請求項2】 排気系を備えたスパッタチャンバーと、
    スパッタチャンバー内に被スパッタ面を露出させるよう
    にして設けたターゲットと、ターゲットをスパッタする
    スパッタ電源とを備え、スパッタリングによって基板の
    表面に所定の薄膜を作成するとともに、請求項1記載の
    パーティクル発生防止方法が実施されるスパッタリング
    装置であって、 前記スパッタチャンバー又はこのスパッタチャンバーに
    気密に接続された他のチャンバーには、前記前処理エッ
    チング機構が設けられており、さらにこの前処理エッチ
    ング機構が設けられたチャンバーに、前記被覆用部材を
    搬入するとともに、このチャンバーから前記被覆用部材
    を搬出する搬送手段が設けられており、前記被覆用部材
    の表面をエッチングして前記小さな応力の材料の膜を前
    記チャンバー内の露出面に堆積させる被覆オペレーショ
    ンが行えるようになっていることを特徴とするスパッタ
    リング装置。
  3. 【請求項3】 前記被覆用部材の表面の前記小さな応力
    で堆積する材料の残存量が所定の量になった際に、この
    被覆用部材を別の新たな被覆用部材に交換する必要があ
    ることを知らせる表示を行う手段を備えていることを特
    徴とする請求項2記載のスパッタリング装置。
  4. 【請求項4】 前記スパッタチャンバーへ基板を搬送す
    る搬送系が設けられており、この搬送系は、前記搬送手
    段に兼用されていることを特徴とする請求項2又は3記
    載のスパッタリング装置。
  5. 【請求項5】 前記被覆用部材は、前記基板と同等又は
    同様の寸法形状であり、同等又は同様の重量を有するこ
    とを特徴とする請求項4記載のスパッタリング装置。
  6. 【請求項6】 前記被覆用部材は、前記基板と同じ板材
    の表面に前記小さな応力で堆積する材料の膜を所定の厚
    さで作成した疑似基板であることを特徴とする請求項5
    記載のスパッタリング装置。
  7. 【請求項7】 前記成膜処理の前または後に一時的に前
    記基板が滞留するロードロックチャンバーが備えられて
    おり、このロードロックチャンバーには内部を排気する
    排気系が設けられているとともに、前記被覆用部材を収
    容する収容部材が設けられており、 前記被覆用部材は大気側に取り出されることなくロード
    ロックチャンバーから複数回前記チャンバーに搬入され
    て複数回の前記被覆オペレーションに使用されるように
    なっていることを特徴とする請求項4,5又は6記載の
    スパッタリング装置。
  8. 【請求項8】 前記ロードロックチャンバー内には、複
    数の前記基板を収容するロック内カセットが設けられて
    おり、このロック内カセットは、前記被覆用部材も収容
    できるよう構成されていて前記収容部材を兼ねているこ
    とを特徴とする請求項7記載のスパッタリング装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6516814B2 (en) * 2001-05-03 2003-02-11 Silicon Integrated Systems Corp. Method of rapid prevention of particle pollution in pre-clean chambers
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