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JPH11268072A - 合成樹脂成形品 - Google Patents

合成樹脂成形品

Info

Publication number
JPH11268072A
JPH11268072A JP7796498A JP7796498A JPH11268072A JP H11268072 A JPH11268072 A JP H11268072A JP 7796498 A JP7796498 A JP 7796498A JP 7796498 A JP7796498 A JP 7796498A JP H11268072 A JPH11268072 A JP H11268072A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded article
molding
synthetic resin
crystalline polymer
crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7796498A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Saigo
隆晄 西郷
Tsukasa Akaishi
司 赤石
Yutaka Ueji
豊 上治
Masaya Kurokawa
正也 黒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Starlite Co Ltd
Original Assignee
Starlite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Starlite Co Ltd filed Critical Starlite Co Ltd
Priority to JP7796498A priority Critical patent/JPH11268072A/ja
Priority to US09/231,816 priority patent/US6214277B1/en
Priority to DE69915899T priority patent/DE69915899T2/de
Priority to EP99101008A priority patent/EP0930150B1/en
Publication of JPH11268072A publication Critical patent/JPH11268072A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法精度が厳しく、寸法公差が厳しい箇所が
多数存在する製品にも使用可能な、寸法精度に優れた合
成樹脂成形品を提供する。 【解決手段】 ポリアセタール、ポリアミド、ポリフェ
ニレンサルファイド等の結晶性ポリマーに結晶核材を添
加し、振動エネルギーを付与しながら成形することで結
晶性ポリマーの球晶サイズを小さくし結晶化度を上げて
成形品全体における結晶モルホロジーを制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、事務機器、自動
車、一般産業機器などにおいて使用される合成樹脂成形
品に関し、さらに詳しくは、寸法精度の厳しい、すなわ
ち寸法公差が厳しい箇所が多数存在する製品に使用可能
な、寸法精度に優れた合成樹脂成形品、及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、結晶性ポリマーは非晶性ポリマ
ーに較べて曲げ弾性率などの機械的強度に優れている。
しかし、従来の結晶性ポリマーの射出成形では、成形品
における冷却速度の勾配により、成形品のスキン部とコ
ア部とでは結晶性ポリマーの球晶サイズや結晶化度が大
きく異なる。つまり、金型面に近い成形品の表面では、
射出成形後に急冷されることで結晶性ポリマーの球晶サ
イズが小さく、かつ結晶化度も低くなるのに対し、金型
面から遠い成形品のコア部は徐冷されることで前記成形
品スキン部とは反対にポリマーの球晶サイズが大きく、
かつ結晶化度も高くなる。このように、一つの成形品中
で部分的に球晶サイズや結晶化度が異なると、成形品の
各部分で成形収縮性が異なる結果を招く。このことは、
寸法精度の厳しい(寸法公差の厳しい)箇所が多数存在
する製品を、ある程度の収縮率見込みで製作した金型で
成形する場合、成形品の全ての箇所において、その寸法
を公差内におさめることが極めて困難であることを意味
している。したがって、従来では、結晶性ポリマーで寸
法精度の厳しい(寸法公差の厳しい)箇所が多数存在す
る製品を成形することは困難であった。
【0003】このようなことから、寸法精度の厳しい合
成樹脂成形品の場合には、結晶性ポリマーよりも、非晶
性ポリマーが一般に使用されている。しかし、この非晶
性ポリマーの場合、成形品の肉厚が薄いと曲げ弾性率が
不足する危険性がある。そこで、この非晶性ポリマーか
ら成形される成形品の曲げ弾性率を高めるために、ガラ
ス繊維のような補強繊維系を使用した複合材料とするこ
とが考慮される。しかし、このような補強繊維系を使用
した複合材料の場合には、マトリックスとなるポリマー
単体の場合に比べて材料コストが高騰するだけでなく、
成形時の樹脂組成物の粘度が高くなり流動性が悪くなる
ことから、成形時の射出圧力を高く設定しなければなら
ず、成形品の残留応力が高くなるおそれが生じるだけで
なく、成形のための設備コスト及び生産コストが上昇す
る。しかも、補強繊維系を添加した樹脂組成物を成形し
た成形品では、成形時の繊維の配向により異方性が出現
し、形状コントロールが難しく、高精度の成形品を成形
することが極めて困難となり、寸法精度が低下してしま
うという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来、曲
げ弾性率などの機械的強度と高度な寸法精度との両方を
満足しうる合成樹脂成形品を得ることは極めて困難であ
った。そこで、本発明は上記の点に鑑み、曲げ弾性率な
どの機械強度に優れた結晶性ポリマーの成形品であっ
て、しかも、寸法精度の厳しい、すなわち寸法公差が厳
しい箇所が多数存在する製品にも使用可能な、寸法精度
に優れた合成樹脂成形品及びその製造方法を提供せんと
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明に係る合成樹脂成形品は、結晶性ポリマーに
て成形してなり、成形品全体の結晶モルホロジーを均一
に制御したことを特徴とする。この成形品全体の結晶モ
ルホロジーを均一にするとは、結晶性ポリマーに多数の
球晶を生成せしめ、球晶サイズを小さくすることで、成
形品全体の球晶サイズを均一にしたり、成形品全体の結
晶化度を均一にすることである。前記のように結晶モル
ホロジーを制御する方法としては、結晶性ポリマーに結
晶核材を添加したものを成形する、又は振動エネルギー
を付与しながら成形する、あるいは結晶核材の添加と振
動エネルギーの付与とを併用するといった手段を採用す
ることができる。結晶性ポリマーとしてはポリアセター
ルを用いることが好ましく、この場合は成形品全体の球
晶サイズを15μm以下、結晶化度を50%以上に制御
するのが好ましい。
【0006】また、本発明に係る合成樹脂成形品の製造
方法は、結晶性ポリマーの結晶モルホロジーを制御して
射出成形することにより成形品全体に多数の球晶を生成
せしめ、結晶モルホロジーを均一にすることを特徴とす
るものである。前記の場合、結晶性ポリマーに結晶核材
を添加して射出成形することにより成形品全体の球晶サ
イズを均一に制御する、又は振動エネルギーを付与しな
がら射出成形する、あるいは結晶核材の添加と振動エネ
ルギーの付与とを併用することにより成形品全体の球晶
サイズを均一に制御することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係る合成樹脂成形品の成
形に用いられる合成樹脂は、ポリアセタール、ポリアミ
ド、ポリフェニレンサルファイドなどの結晶性ポリマー
であり、より好ましくはポリアセタールを使用する。こ
れらの結晶性ポリマーには、本発明の目的を逸脱しない
範囲で、必要に応じてポリテトラフルオロエチレン、二
硫化モリブデン、グラファイトなどの各種固体潤滑材、
ガラス繊維、カーボン繊維、あるいはアラミド繊維など
の各種補強繊維、その他の添加剤を添加してもよい。
【0008】本発明では、上記のような結晶性ポリマー
から成形される成形品全体の結晶モルホロジーを均一に
制御する。前記結晶モルホロジーとは、結晶性ポリマー
の球晶のサイズ、球晶の数、結晶化度を総して表したも
のであり、これを制御するとは、例えば、結晶性ポリマ
ーから成形される合成樹脂成形品において多数の球晶を
生成せしめてポリマーの球晶サイズを小さくし均一にさ
せることである。これにより、結晶化度も上がる。本発
明では、これら結晶モルホロジーを成形品全体で均一に
して、一つの成形品中における球晶サイズや結晶化度の
バラツキを抑制することにより、結晶性ポリマー本来の
機械的強度を保持したまま、寸法精度に優れた合成樹脂
成形品とする。
【0009】つまり、成形品における結晶性ポリマーの
球晶サイズを小さくし、また結晶化度を上げることで、
サイズの小さな球晶が増大し、成形品の機械的特性を低
下させることなく、成形品全体における球晶サイズや結
晶化度のバラツキが抑制され、寸法精度に優れた合成樹
脂成形品となるのである。すなわち、先に述べたよう
に、従来の結晶性ポリマーの射出成形では、成形品のス
キン部とコア部とでは結晶性ポリマーの球晶サイズや結
晶化度が、金型に接する成形品の表面では球晶サイズが
小さく、かつ結晶化度も低いのに対し、成形品のコア部
は球晶サイズが大きく、かつ結晶化度も高いというよう
に、一つの成形品中で球晶サイズや結晶化度にバラツキ
があり、これが原因で成形品の各部分で成形収縮性が異
なることから、寸法精度の悪いものであった。この点、
本発明では、結晶モルホロジーをコントロールして成形
品全体の球晶サイズや結晶化度などの結晶モルホロジー
を均一化するので、上記のように一つの成形品中におけ
る成形収縮率のバラツキを抑制し、寸法精度に優れた合
成樹脂成形品とすることができる。さらに反りの発生と
いう問題もなくなる。
【0010】なお、本発明における前記結晶サイズは光
学偏向顕微鏡により観察し、また結晶化度は、X線回折
測定後、ルーランド法により解析して得た値である。
【0011】本発明に係る合成樹脂成形品における結晶
性ポリマーの球晶サイズは、ポリマーの種類によって異
なるため一概にはいえないが、通常の成形品に比べて1
/5〜1/100程度になるように制御する。また、結
晶化度は、通常の成形品の場合と同レベルか、あるいは
それ以上になるように制御する。このように、球晶サイ
ズを通常の成形品に比べて小さくするとともに、結晶化
度を通常の成形品の場合と同レベルか、あるいはそれ以
上になるように制御することで、結晶ポリマーにおける
結晶の数は増大する。
【0012】例えば、結晶性ポリマーがポリアセタール
である場合には、成形品全体の球晶サイズを15μm以
下とし結晶化度を50%以上とすることが好ましい。ま
た、結晶性ポリマーがポリアミドである場合には、成形
品全体の球晶サイズをサブミクロンとし結晶化度を20
%以上とすることが好ましい。更に、結晶性ポリマーが
ポリフェニレンサルファイドである場合には、成形品全
体の球晶サイズをサブミクロンとし結晶化度を30%以
上とすることが好ましい。成形品全体の球晶サイズ及び
結晶化度を上記のように制御することで、結晶性ポリマ
ー本来の特性である成形品の機械的特性を低下させるこ
となく、寸法精度を向上させることができるだけでな
く、むしろ、球晶サイズが小さくなることで、衝撃強
度、靱性といった特性を向上させることができる。した
がって、ガラス繊維などの補強繊維を使用せずに済み、
機械的特性の低下に対する補強繊維の添加による成形時
の樹脂の流動性低下に起因する問題の発生もなく、ま
た、リサイクル性にも優れる。
【0013】本発明に係る合成樹脂成形品の成形法とし
ては、一般的な射出成形法だけではなく、トランスファ
ー成形法なども用いることができ、一旦、溶融状態を経
て固化させる成形法であれば特に限定されないが、射出
成形方法が好ましい。
【0014】成形品の結晶モルホロジーをコントロール
するには、結晶核材を添加して成形する方法、及び振動
エネルギーを付与して成形する方法、及び結晶核材の添
加と振動エネルギーの付与とを併用する方法がある。こ
れらの方法によれば、成形品全体の球晶サイズを小さく
して球晶サイズを均一に制御することができる。
【0015】前記結晶核材とは、結晶性ポリマーの球晶
サイズを小さくするとともに均一化しうる物質であれば
よく、無機系、有機系を問わず用いることができる。結
晶核材の具体例としては、無機系のものでは、炭化珪素
(SiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuO)、
二酸化珪素(SiO2)、酸化鉄(FeO)などが挙げ
られる。また、有機系のものでは、カルボン酸金属塩化
合物(例えば、モンタン酸系でHostomont C
aV、Hostomont NaV、いずれもヘキスト
社製)などが挙げられる。結晶性ポリマーへの結晶核材
の添加量は、用いるポリマーや結晶核材の種類、成形品
の用途、使用条件などにより要求される機械的特性や、
寸法精度などにより異なるが、一般的には、ポリマーに
対して0.001〜数十重量%、好ましくは0.01〜
10重量%の範囲である。結晶核材の添加量が0.00
1重量%未満の場合には、結晶性ポリマーの結晶モルホ
ロジーを目的とする範囲に制御することが困難な場合が
ある。また、結晶核材を過剰に添加すると成形時の溶融
樹脂の粘度が増し成形しにくくなるとともに、機械的強
度が低下する。
【0016】球晶サイズを均一に制御する他の方法とし
ては、振動エネルギーを付与しながら成形する方法があ
る。具体的には、結晶性ポリマー、あるいは結晶性ポリ
マーに必要に応じて各種固体潤滑材、補強繊維、その他
の添加剤を配合した樹脂組成物を成形する際に、樹脂組
成物に数ヘルツ〜数千ヘルツ、好ましくは10〜500
0ヘルツ程度の機械的振動を作用させる。振動数を数万
ヘルツにまで高めると、成形金型や成形機にダメージを
与えるばかりでなく、球晶サイズが若干大きくなる場合
がある。また、振幅の大きさについては特に限定はない
が、±0.01mm〜±1mm程度がよい。このような
振動を作用させることで、多数の微細な球晶を生成せし
め、この球晶を成長させないことができる。この場合、
振動は成形の開始から終了時まで作用させてもよいし、
樹脂組成物が溶融状態から固化し脱型する間だけ作用さ
せてもよい。振動を作用させる時間は、用いるポリマー
の種類、樹脂組成物の組成、成形品の用途、使用条件な
どにより要求される特性に応じて設定すればよい。ま
た、振動は、連続的に作用させてもよいし、成形サイク
ルごとの成形品脱型時には振動を停止するなど、間欠的
でもよい。振動を付与する具体的手段としては、例え
ば、金型に加振ピンを設けておき、成形中のキャビティ
内にある樹脂組成物に振動を作用させる方法が挙げられ
る。前記加振ピンとしては、突き出しピンやスリーブピ
ンを用いてもよいし、別途設けるようにしてもよい。さ
らに、上記のようにキャビティ内の樹脂組成物に振動を
付与しながら成形した場合には、成形品のひけ、そりな
どの発生を防止して極めて精度の高い成形品を得ること
ができるという利点もある。
【0017】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものでは
ない。
【0018】なお、実施例の記載に先立ち、実施例の合
成樹脂成形品の成形材料、成形方法、及び成形品の試験
方法を以下に示す。
【0019】[成形材料] (1)樹脂: POM;ポリアセタール(三菱化学製;F10−01) PC;ポリカーボネート(三菱化学製;S−2000) (2)添加剤: SiC;β−SiC(イビデン(株)製) Hostomont;モンタン酸系金属塩化合物(ヘキ
スト社製;Hostomont NaV) (3)複合材: PC/GF;ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂(三
菱化学製;GS−2010M) POM/GF;ガラス繊維強化ポリアセタール樹脂(三
菱化学製;MF−3020)
【0020】[成形方法] (1)通常成形:日精樹脂工業(株)製;PS60Eデ
ジタルサーボ射出成形機を用い、標準成形温度及び標準
成形条件により、図1、図2に示す形状のプリンター用
インクカートリッジホルダーを成形した。 (2)加振成形:上記通常成形において、成形中、成形
金型に設けた加振ピンにより振幅±1mmの振動を与え
て成形した。
【0021】[試験方法] (1)球晶サイズ:成形品のスキン部とコア部をミクロ
トームで3μm厚みで切り取り、光学偏向顕微鏡により
観察した。 (2)結晶化度:成形品のスキン部とコア部をX線回折
測定後、ルーランド法で解析した。 (3)成形品の寸法:図1、図2に示す成形品における
ア−イ間、およびウ−エ間の寸法を三次元測定機で測定
した。ア−イ間の寸法公差は35.4±0.05mm、
ウ−エ間の寸法公差は66.8±0.05mmである。 (4)φ8部真円度:図1、図2に示す成形品における
φ8の開孔部分の真円度を、ロンコム50A真円度・円
柱形状測定機((株)東京精密製)を使用して測定し
た。 (5):曲げ弾性率:オートグラフAGS−1000
(島津製作所製)にて測定した。
【0022】(実施例1〜13)表1、及び表2に示す
配合にて、各種樹脂に各種類及び量の添加剤を配合した
のち均一分散させた樹脂組成物から、2軸混練押出機を
用いて射出成形用ペレットを得た。この成形用ペレット
から図1、図2に示す形状のプリンター用インクカート
リッジホルダーを成形し、評価した。なお、曲げ弾性率
に関しては、曲げテストピース金型によりテストピース
(13mm×8mm×120mm)を成形して評価し
た。
【0023】(比較例1〜3)市販の各樹脂ペレットか
ら図1、図2に示す形状のプリンター用インクカートリ
ッジホルダーを成形し、評価した。なお、曲げ弾性率に
関しては、曲げテストピース金型によりテストピース
(13mm×8mm×120mm)を成形して評価し
た。
【0024】以上の実施例1〜13、及び比較例1〜3
の評価結果を表1、表2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表1、表2から明らかなように、結晶核材
を添加する、振動エネルギーを付与する、あるいは結晶
核材を添加するとともに振動エネルギーを付与しながら
成形した本発明に係る合成樹脂成形品は、球晶サイズ、
及び結晶化度が成形品のスキン部とコア部とで均一化さ
れており、それにより寸法精度が改善されており、寸法
公差内におさまっている。これに対し、結晶核材を添加
せず、ガラス繊維を添加して通常成形した比較例1で
は、成形品のスキン部とコア部とで球晶サイズ及び結晶
化度にバラツキがあり、成形品の寸法精度が悪く、寸法
公差から外れてしまっている。また、寸法精度の厳しい
製品の場合、成形収縮率が低く一様である非晶性ポリマ
ーを使うのが一般的である。しかし、非晶性ポリマーで
あるポリカーボネートを用いて成形した比較例2では、
曲げ弾性率が低い。つまり、非晶性ポリマーの欠点は、
結晶性ポリマーより曲げ弾性率が低いことである。従っ
て、製品肉厚が薄いと曲げ弾性率の低い非晶性ポリマー
では外圧で製品の一部が変形してしまう恐れがあり、曲
げ弾性率を高める必要がある。しかし、曲げ弾性率を高
めるべくポリカーボネートにガラス繊維を添加して成形
した比較例3では、成形品の寸法精度が悪く、形状コン
トロールが極めて難しい。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、成形品
全体の球晶サイズや結晶化度を均一に制御することによ
り、機械的強度及び寸法精度に優れた合成樹脂成形品を
低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で成形したプリンター用インクカート
リッジホルダーの平面説明図。
【図2】 図1に置けるA−A断面図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒川 正也 大阪府大阪市鶴見区徳庵1丁目1番71号 スターライト工業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性ポリマーにて成形してなり、成形
    品全体の結晶モルホロジーを均一に制御したことを特徴
    とする合成樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 結晶性ポリマーの球晶サイズを小さくす
    ることで成形品全体の球晶サイズを均一にした請求項1
    記載の合成樹脂成形品。
  3. 【請求項3】 成形品全体の結晶化度を均一にした請求
    項1又は2記載の合成樹脂成形品。
  4. 【請求項4】 結晶性ポリマーに結晶核材を添加して成
    形することで結晶モルホロジーを制御した請求項1〜3
    のいずれかに記載の合成樹脂成形品。
  5. 【請求項5】 振動エネルギーを付与しながら成形する
    ことで結晶モルホロジーを制御した請求項1〜3のいず
    れかに記載の合成樹脂成形品。
  6. 【請求項6】 結晶性ポリマーに結晶核材を添加し、か
    つ振動エネルギーを付与しながら成形することで結晶モ
    ルホロジーを制御した請求項1〜3のいずれかに記載の
    合成樹脂成形品。
  7. 【請求項7】 結晶性ポリマーがポリアセタールである
    請求項1〜6のいずれかに記載の合成樹脂成形品。
  8. 【請求項8】 球晶サイズが15μm以下で結晶化度が
    50%以上である請求項7記載の合成樹脂成形品。
  9. 【請求項9】 結晶性ポリマーの結晶モルホロジーを制
    御して射出成形することにより成形品全体の結晶モルホ
    ロジーを均一にすることを特徴とする合成樹脂成形品の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 結晶性ポリマーに結晶核材を添加して
    射出成形することにより成形品全体の球晶サイズを均一
    に制御する請求項9記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  11. 【請求項11】 振動エネルギーを付与しながら射出成
    形することにより成形品全体の球晶サイズを均一に制御
    する請求項9記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  12. 【請求項12】 結晶性ポリマーに結晶核材を添加し、
    かつ振動エネルギーを付与しながら射出成形することに
    より成形品全体の球晶サイズを均一に制御する請求項9
    記載の合成樹脂成形品の製造方法。
JP7796498A 1998-01-19 1998-03-25 合成樹脂成形品 Pending JPH11268072A (ja)

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US09/231,816 US6214277B1 (en) 1998-01-19 1999-01-15 Method for producing plastic composite molded parts
DE69915899T DE69915899T2 (de) 1998-01-19 1999-01-19 Verfahren zur Herstellung von Kunststoffverbundformteilen
EP99101008A EP0930150B1 (en) 1998-01-19 1999-01-19 Method for producing plastic composite molded parts

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