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JPH11262385A - エチレングリコールを分解することができる微生物及びその使用 - Google Patents

エチレングリコールを分解することができる微生物及びその使用

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Publication number
JPH11262385A
JPH11262385A JP10067056A JP6705698A JPH11262385A JP H11262385 A JPH11262385 A JP H11262385A JP 10067056 A JP10067056 A JP 10067056A JP 6705698 A JP6705698 A JP 6705698A JP H11262385 A JPH11262385 A JP H11262385A
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JP
Japan
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ethylene glycol
medium
culture
microorganism
llc
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Application number
JP10067056A
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Tateo Tokuhiro
健郎 徳弘
Takao Imaeda
孝夫 今枝
Haruo Takahashi
治雄 高橋
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication of JPH11262385A publication Critical patent/JPH11262385A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Activated Sludge Processes (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 pH5の酸性条件下でエチレングリコールを分
解することができるシュードモナス属微生物及びそれを
使用したエチレングリコール分解法の提供。 【解決手段】 シュードモナスに属し、エチレングリコ
ールを分解する能力を有する微生物を変異処理し、変異
処理した菌体をエチレングリコール含有酸性培地にて集
積培養することにより目的とする変異株を得る。本発明
によれば、使用済LLCからの約5,000mg/Lの
エチレングリコールを2日間で分解することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエチレングリコール
含有水、特に自動車エンジン用の使用済冷却液中のエチ
レングリコールの微生物的分解方法、及びそのための微
生物に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレングリコールは、比較的微生物に
よる分解が容易な物質であるため、今までに数100pp
m 〜数1,000ppm といった低濃度のエチレングリコ
ールを分解する微生物は数多く知られている。また、特
開平1−218697においては、10,000〜2
0,000ppm といった高濃度エチレングリコールにつ
いての処理方法が記載されている。その記載によると光
合成細菌による高濃度エチレングリコールの浄化では、
浄化過程でグリコール酸が蓄積し、完全な浄化すなわち
エチレングリコールの分解が困難となる。
【0003】そこで、それを回避するために酢酸塩、グ
リコール酸酸化酵素含有物を添加している。しかし、そ
れらを添加することによりランニングコストは高くなる
といった問題点が生じている。従って、高濃度エチレン
グリコール含有排水をグリコール酸が蓄積せずにしかも
低コストで短時間に処理可能な菌株および処理方法が求
められていた。
【0004】また、自動車用エンジン冷却水は、主成分
がエチレングリコールであるが、その他トリエタノール
アミン等の防錆剤が含まれている。使用済み自動車用エ
ンジン冷却水は、通常30〜50%の高濃度エチレング
リコールが含まれ、アミン等の防錆剤や、エンジン部品
から溶出した鉄、アルミニウム等の金属分が含有される
こともある。使用済み自動車用エンジン冷却水の浄化微
生物に関しての報告例はなく、適正な処理方法が求めら
れていた。
【0005】〔関連技術〕上記の課題を解決するため、
特願平9−131156号の明細書には、シュードモナ
ス属に属し、10,000ppm 以上のエチレングリコー
ル、特に使用済自動車用エンジン冷却水中のエチレング
リコールを効率よく分解することができる微生物、及び
該微生物を用いたエチレングリコールの分解法、特に使
用済自動車用冷却水(LLC)の処理方法が開示されて
いる。しかしながら、使用済自動車用冷却水(LLC)
を含む排水のpHは一般にpH5〜pH8の範囲内にあり、上
記のシュードモナス属微生物では、低pH域、例えばpH約
5においてもエチレングリコールが十分に分解できない
という問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、自動
車エンジン冷却液を含む排水など、高濃度のエチレング
リコールを低pH条件下で処理することができる方法、及
びそのための微生物を提供しようとするためのものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく種々検討した結果、エチレングリコール
を効率よく分解することができるシュードモナス属微生
物を、突然変異処理し、この変異処理された微生物か
ら、所望により低pH条件下で集積培養した後、低pH条件
下でエチレングリコールを分解することができる変異株
を分離することにより、目的とする微生物が得られるこ
とを見出し本発明を完成させた。
【0008】従って本発明は、シュードモナス(Pse
udomonas)属に属し、少なくともpH5の酸性条
件下でエチレングリコールを分解することができる微生
物を提供する。好ましい微生物は、シュードモナス・プ
チダ(Pseudomonas putida)であ
る。本発明はまた、上記の微生物を好気的条件下でエチ
レングリコールと接触せしめることを特徴とする、エチ
レングリコール含有水の処理方法を提供する。
【0009】上記の微生物は、シュードモナス属に属
し、エチレングリコール分解能を有する微生物、例えば
シュードモナス・プチダを変異処理にかけ、好ましくは
それを低pH条件下で集積培養することにより、低pH条件
下でエチレングリコールを分解することができる変異株
を濃縮した後、低pH条件下でエチレングリコールを効率
よく分解することができる変異株を単離することにより
得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の変異株を得るために使用
する親株としては、シュードモナス属に属し、エチレン
グリコールを分解することができる微生物、特に高濃
度、例えば10,000ppm 以上の濃度のエチレングリ
コールを分解することができるものであればよく、すで
に存在する保有株の中から選択してもよく、又は新株を
分離したものであってもよい。
【0011】本発明においては特に、本発明者らにより
新たに分離されたシュードモナス・プチダN−GF05
5株及びシュードモナス・プチダU−TCH011を挙
げることができる。この微生物の分離方法及び菌学的性
質は後に参考例1において具体的に記載する。これらの
微生物はエチレングリコールを10,000ppm 以上含
有する排水中のエチレングリコールを分解することがで
き、特に、自動車エンジン用冷却液の排水のごとく、ト
リエタノールアミン等の防錆剤や、エンジン部品から溶
出した鉄やアルミニウム等の金属の存在下でよくエチレ
ングリコールを分解することができる。
【0012】上記シュードモナス・プチダN−GF05
5及びシュードモナス・プチダU−TCH011は、そ
れぞれ、FERM BP−5947、及びFERM B
P−5948として、生命工学工業技術研究所に寄託さ
れている。変異処理は常法に従って、例えば物理的方法
又は化学的方法に従って行うことができる。物理的方法
としては、紫外線照射、X線照射等が用いられ、化学的
方法としては、変異原性化学物、例えば亜硝酸、N−メ
チルN′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(MNN
G)、エチルメタンスルホネート(EMS)、アクリジ
ン系色素等が使用される。
【0013】変異の発生率が高い等のためMNNGが特
に好ましい。具体的には、例えば、微生物研究法懇談会
偏、微生物学実験法、講談社(1982):Fitt, p.s.
ら、Curr. Microbiolo, 18, 87-91 (1989); Hofherr,
L.A. ら、J. Pairy Sci, 66,2482-2487 (1983)等に記載
の方法により行うことができる。MNNG処理は、例え
ば、MNNG濃度100μg、処理時間1〜2時間、pH
5〜6において行われる。
【0014】変異処理した微生物から、低pH条件下でエ
チレングリコールを分解することができる変異株を選択
するには、変異処理した菌体を、低pH、例えばpH4.5
の、エチレングリコール含有寒天培地にプレーティング
し、生ずる耐酸性コロニーをピックアップして低pHの液
体培地中でのエチレングリコール分解能を試験すればよ
い。しかし、プレート上でのコロニーの形成に先立っ
て、変異処理した菌体を低pH条件下で集積培養すること
により、低pH条件下でエチレングリコール分解能を有す
る変異株を濃縮することができる。
【0015】集積培養は、例えば、低pH、例えばpH5の
エチレングリコール含有培地に、変異処理した菌体を接
種して培養し、微生物の増殖を確認すればよい。集積培
養は複数代、例えば2〜7代にわたって行うこともでき
る。この場合には、集積培養培地中での菌体の増殖を確
認した後、その培養物の一部を取って次代の新しい集積
培養培地に接種し、再度培養を行い、微生物の増殖を確
認する。これを複数代にわたって行うことにより、低pH
条件下でエチレングリコールを分解する能力を有する変
異株を著しく濃縮することができ、次に行う寒天培地上
でのコロニー形成による選択を効率的に行うことができ
る。
【0016】酸性寒天培地上にコロニーを形成した変異
株から酸性条件下でのエチレングリコール分解能が高い
変異株を選択するには、コロニーをピックアップし、そ
れを酸性、例えばpH5のエチレングリコール含有培地、
好ましくはエチレングリコールを唯一の炭素源とする液
体培地中で培養すればよい。この場合、微生物株のエチ
レングリコール分解能は、エチレングリコールを唯一の
炭素源とする液体培地での増殖能と相関することが知ら
れた。従って、液体培地中での菌体濃度を測定すること
により、エチレングリコール分解能を推定することがで
き、菌体濃度は、濁度(吸光度)の測定により行うこと
ができる。
【0017】本発明によれば、例えば、エチレングリコ
ール分解能を有するシュードモナス属微生物を、100
μg/mlの濃度のMNMGにより120分間変異処理
し、pH5のエチレングリコール含有培地にて5回集積培
養し、寒天培地上でコロニー形成を行い、単離されたコ
ロニーについてpH5の液体培地でのエチレングリコール
分解能を試験したところ、pH5の酸性条件下でエチレン
グリコールを分解することができる変異株が、1回の試
行で48株得られた。従って、本発明の変異株は、特定
の変異株に限定されるのではなく、本発明の開示に従え
ば、酸性条件下でエチレングリコールを分解する能力を
有する変異株を複数作出することができる。
【0018】本発明の微生物は、常用の炭素源及び窒素
源の存在下、必要によりさらに無機塩やビタミン類等の
微量要素を含有する培地中で培養することができる。炭
素源としては、本発明の微生物が好んで資化する炭化水
素であればいずれでも使用できる。培地中の炭素源の濃
度は、炭素源の種類により異なるが、好ましくはたとえ
ば1〜30g/Lである。窒素源としては、無機窒素
源、たとえばアンモニウム塩、硝酸塩等を使用すること
ができ、有機窒素源としては、酵母エキス、ペプトン、
肉エキス等を使用することができる。
【0019】窒素源の濃度はその種類により異なるが、
好ましくは0.1〜1.0g/Lである。無機塩として
はカリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイ
オン、鉄イオン、マンガンイオン、コバルトイオン、ニ
ッケルイオン等の金属イオンと、硝酸イオン、硫酸イオ
ン、リン酸イオン等の陰イオンとから成る塩類が好まし
い。培養は好ましくは好気的に行われ、振とう培養ある
いは大規模の培養においては、通気・撹拌培養が好まし
い。培養温度は10〜37℃、特に30℃付近が好まし
い。本発明の微生物は、少なくともpH5の酸性条件下で
エチレングリコールを分解することができる。特に、pH
5〜9の条件下で効率よくエチレングリコールを分解す
ることができる。
【0020】本発明の排液処理方法の実施に当っては、
エチレングリコール含有排水、たとえば自動車エンジン
用冷却液の排液を含有する排水に、前記の微生物の培養
菌体を加えて、好気的条件下で培養すればよい。微生物
の培養菌体としては、上記のようにして培養した、菌体
を含む培養液であってもよく、又は培養液から分離した
培養菌体であってもよい。培養液から菌体を分離するに
は、常法により、例えば遠心分離、濾過凝集沈殿などに
よって行うことができる。処理すべき排水中のエチレン
グリコール濃度が10,000ppm より高い場合には、
水を添加して10,000ppm 程度まで希釈するのが好
ましい。
【0021】処理すべき排液は、添加物を添加しないで
そのまま処理してもよいが、排水中に栄養分、例えば無
機物等が含まれていない場合には、それらを添加するの
が好ましい。例えば、自動車エンジン冷却液の排水の場
合、無機栄養源としてマグネシウムイオン、例えばMg
SO4 ・7H2 O、リン酸イオン、例えばKH2
4 、鉄イオン、例えばFeCl3 ・6H2 O、さらに
無機窒素源としてNH4 NO3 等を単独で、又は組合わ
せて添加するのが好ましい。少なくともリン酸塩KH2
PO4 及び無機窒素源であるNH4 NO3 を添加するの
が好ましい。
【0022】好気的条件は、例えば小規模の処理におい
ては、振とうにより達成することができるが、工業的実
施においては、通気及び/又は撹拌により達成するのが
好ましい。排水の処理に当っては、あらかじめ前記の方
法により培養して得た培養物を培養液量に換算して、処
理すべき排水に0.5〜10容量%、好ましくは1〜5
容量%で添加するのが好ましい。
【0023】本発明の他の態様によれば、エチレングリ
コールを含有する排水を含む土壌の処理を行うことがで
きる。この方法においては、エチレングリコール排水を
含む土壌をほり起こし、これは前記のごとく培養して得
た培養液又は培養菌体を添加すればよい。添加量は、土
壌中に含まれるエチレングリコール量等により異るが、
土壌1kg当りおよそ培養液200mlの比率である。
【0024】
【実施例】次に、参考例及び実施例により本発明をさら
に具体的に説明する。参考例1.微生物の単離及び同定 本発明に関わる微生物は、自動車解体工場、排水処理
場、化学工場敷地内の土壌より以下の方法でスクリーニ
ングし、単離した。採取した土壌0.1gを24ml容積
の試験管に入れた5mlの使用済み自動車用エンジン冷却
水(LLC:LongLife Coolant)培地に接種し、30℃
にて2〜3日間振とう培養した。
【0025】この培地中には、エチレングリコールが約
30,000ppm 含まれている。その後、同培地に植え
継ぎ培養を継続した。5回目の培養終了後、培養液を適
宜希釈して、同培地に1.5%の寒天を加えた平板培地
に塗沫し、出現した微生物コロニーを単離し、この操作
を繰り返すことにより微生物を単離した。
【0026】
【表1】
【0027】単離した菌株を同液体培地で2日間培養
後、培養液を同液体培地に1/100量接種し、30℃
で振とう培養した。7日後、培養液100μlをエッペ
ンドルフチューブに移し、15,000rpm で5分間遠
心した。ガスクロマトグラフを用い、上清中のエチレン
グリコール量を測定した。こうして選抜された7日で約
30,000ppm のエチレングリコールを分解可能な2
種の菌株について形態学的及び生理学的な性質を調べ
た。その結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】以上の結果から、文献(N.R. Krieg and
J.G. Holt, "Bergey's Manual of Systematic Bacterio
logy" Vol.1 (1984) Williams & Wilkins, J.G. Holt,
N.R.Krieg, P.H.A. Sneath, J.T. Staley and S.T. Wil
liams, "Bergey's Manual ofDetermination Bacteriolo
gy" Ninth Edition (1994) Williams & Wilkins, N.Zha
o, C. Qu, E. Wang and W. Chen Int. J. Syst. Bacter
iol., 45, 600 (1995), E. Yabuuti, Y. Kosako, H. Oy
aizu, I. Yano, H. Hotta, Y. Hashimoto, T. Ezaki an
d M. Arakawa "Microbiol. Immunol., 36, 1251 (199
2)) を参考に同定を行った結果2株ともシュードモナス
・プチダ(Pseudomonas.putida)と
同定し、各々N−GF055及びU−TCH011株と
命名した。
【0030】参考例2.エチレングリコール分解能と菌
体濃度との関係 耐酸性変異株のスクリーニングを行うに先立って、菌体
の増殖の指標である菌体濁度(ADS)とエチレングリ
コール分解率との関係を調べた。自動車用エンジン冷却
水(LLC)中に含まれる炭素源はほとんどエチレング
リコールであり、菌体は一定の収率でエチレングリコー
ルを分解・同化して増殖することから、エチレングリコ
ール分解率と菌体濁度(ADS)とは比例関係にあると
推定される。
【0031】そこで、親株シュードモナス・プチダ U
TCH011(FERM BP−5948)をpH7のL
LC培地で培養し、経時的に菌体濁度とエチレングリコ
ール分解率を測定し、両者をプロットしたところ、図1
に示す通り、良好な比例関係を示した。従って、スクリ
ーニングの過程でエチレングリコール分解能を測定する
には、エチレングリコールの分解に代えて簡便な菌体濁
度の測定が有効であることが判明した。
【0032】なお、本発明の参考例及び実施例におい
て、エチレングリコール含有培地として、0.1g/L
のMgSO4 、1.0g/LのKH2 PO4 、0.01
g/LのFeCl3 及び0.5g/LのNH4 NO3
含有する無機培地に、使用済LLCを1/100量(v
/v)添加して、任意のpHに調製したものを使用し、こ
れをLLC培地と称する。使用済LLCは約30%のエ
チレングリコールを含有している。
【0033】実施例1.耐酸性変異株の作出 シュードモナス・プチダ U−TCH011(FERM
BP−5948)をpH5.0のLLC培地で30℃に
て3日間培養し、培養菌体を得、100μg/mlのMN
NG濃度にて120分間、pH5の無機塩培地(表1に記
載した組成において、使用済LLCを添加しないもの)
中でMNNG処理を行った。変異処理した菌体をpH5の
LLC培地に接種し、30℃にて振とう培養することに
より集積培養を行った。培養の経過の1例を図2に示
す。菌の増殖が確認された後、その一部分を取って、次
代の集積培養培地(pH5のLLC培地)に1%の量で接
種し、2代目の集積培養を行った。これを5日行った場
合の菌体の増殖経過を図3に示す。
【0034】次に、5回の集積培養質の培養物を、pH7
のLLC培地に1.5%の寒天を添加した固体培地にプ
レートし、30℃にて3日間培養してコロニーの形成を
行わせたところ、48株(処理菌数に対して約10-7
1千万個に1個)の目的とする変異株が得られた。これ
ら48本の変異株と親株とをpH5のLLC培地で30℃
にて7日間振とう培養したところ、親株の菌体濁度(A
DS)が約200にとどまったのに対して、48本の変
異株はすべて約700の菌体濁度に達した。なお、代表
的な変異株TCM01は平成10年3月12日にFER
M P−6292として工業技術院生物工学工業技術研
究所に寄託された。
【0035】実施例2.LLC培地中のエチレングリコ
ールの分解 実施例1において得た48株の変異株の内の1株(TC
M01と称する)(FERM P−6292)と親株と
をpH5のLLC培地で30℃にて振とう培養した。菌体
の増殖、エチレングリコール残有率及び培地のpHの経時
変化を図3に示す。培地のpHは培養の開始後約1日の間
に上昇した。これは培地中の炭酸イオンがガスとして放
出されたためと考えられる。
【0036】およそ1日後から菌の増殖が始まり、親株
では、菌の増殖に従って培地のpHが低下し、pHが4まで
低下した時点でADS約20で増殖が停止し、それとと
もにエチレングリコールの分解も停止し、エチレングリ
コールの残存率は80%以上(分解率20%未満)であ
った。これに対して、変異株では1〜3日までpHは低下
したがそれ以後は上昇に転じ、菌体の増殖も良好であり
ADS約700に達し、エチレングリコールは7日間で
100%分解された。
【0037】実施例3.3L規模でのエチレングリコー
ルの分解 LLC培地3Lをフラスコに入れ、これにLLC培地に
培養した変異株TCM01(FERM P−6292)
又は親株の培養物1%を接種し、30℃にて、通気培養
した。菌体濁度(ADS)及びエチレングリコール濃度
を経時的に測定した結果を図4に示す。変異株の菌体濁
度は2日間の培養で約ADS約800に達し、100%
のエチレングリコールが分解された。他方、親株では、
培養途中で増殖が停止し、半分以上のエチレングリコー
ルが分解されずに残存した。
【0038】実施例4.固定化菌体によるエチレングリ
コールの分解 耐酸性変異株TCM01(FERM P−6292)を
pH5のLLC培地で培養し、培養液10Lから集めた菌
体をポリビニルアルコール(PVA)包括固定化法によ
り固定し、370mlの固定化菌体を得た。この固定化菌
体を3LのLLC培地に入れて30℃にて通気・撹拌を
行ったところ、1日で3600ppm のエチレングリコー
ルが分解した。PVA包括固定化菌を用いることによ
り、浮遊菌体量(ADSで代表)は約1/10に減少し
た。
【0039】実施例5.エチレングリコール含有排水の
浄化 図7に示した装置を用いて自動車整備工場より採取した
使用済みLLCを含んだ排水の100Lスケールでの浄
化検討を行った。油水分離槽を通した排水を生物処理槽
へ100L移し、耐酸性変異株TCM01(FERM
P−6292)をポリビニールアルコール(PVA)包
括固定化法により固定した固定化菌体10L、KH2
4 :22ppm 、NH4 NO3 :165ppm を加え、1
00L/min のairで曝気した。
【0040】1日後生物処理液を沈殿槽に移し、凝集剤
(四国化成工業製:M−127)を加え浮遊汚泥を沈降
させた。この沈殿槽の上澄みを消毒槽に移し、殺菌剤
(四国化成工業製:ボンシロール)を通した後、処理水
を分析した。この操作を計12回継続して繰り返した。
処理水の分析結果を表3に示す。上記方法に従えば、自
動車整備工場より排出される使用済みLLCを含んだ排
水を、pH調整を行うことなく環境基準値以下にまで浄化
可能であることが明らかとなった。
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、pH5という低pHのエチ
レングリコール含有した、例えば使用済LLC中のエチ
レングリコールを非常に効率的に分解除去することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】菌体濃度とエチレングリコール分解率が比例す
ることを示すグラフである。
【図2】図2は、親株と変異処理した菌体について、pH
5のLLC培地での集積培養の経過を示すグラフであ
る。
【図3】図3は、変異処理した菌体をpH5のLLC培養
で5代にわたり集積培養した場合の経過を示すグラフで
ある。
【図4】図4は、本発明の耐酸性変異株と親株の低pH培
地での増殖、エチレングリコール(EG)分解率及びpH
の経過を示すグラフである。
【図5】図5は、本発明の耐酸性変異株と親株とを、3
L規模の培養における菌体の増殖とエチレングリコール
の分解について比較したグラフである。
【図6】図6は、本発明の耐酸性変異株をPVA包括法
により固定化して使用した場合のエチレングリコールの
分解を示すグラフである。
【図7】図7は、実施例におけるエチレングリコール含
有排水の浄化装置を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 3/34 C02F 3/34 Z //(C12N 1/20 C12R 1:40)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シュードモナス(Pseudomona
    s)に属し、少なくともpH5の酸性条件下でエチレング
    リコールを分解することができる微生物。
  2. 【請求項2】 シュードモナス・プチダ(Pseudo
    monas putida)である請求項1に記載の微
    生物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の微生物を、好気
    的条件下でエチレングリコールと接触せしめることを特
    徴とする、エチレングリコール含有水の処理方法。
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