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JPH11246658A - 共重合ポリエステルの製造法 - Google Patents

共重合ポリエステルの製造法

Info

Publication number
JPH11246658A
JPH11246658A JP5313798A JP5313798A JPH11246658A JP H11246658 A JPH11246658 A JP H11246658A JP 5313798 A JP5313798 A JP 5313798A JP 5313798 A JP5313798 A JP 5313798A JP H11246658 A JPH11246658 A JP H11246658A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
acid component
mol
molecular weight
average molecular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5313798A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Kinugawa
雅之 衣川
Takao Okochi
隆雄 大河内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Ester Co Ltd filed Critical Nippon Ester Co Ltd
Priority to JP5313798A priority Critical patent/JPH11246658A/ja
Publication of JPH11246658A publication Critical patent/JPH11246658A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリヤー性容器用等に適する、高分子量
で、色調、耐熱性及び耐衝撃性に優れ、かつ良好な透明
性を有するポリ(エチレンイソフタレート/エチレンテ
レフタレート)系共重合ポリエステルを製造する方法を
提供する。 【解決手段】 エチレンイソフタレート単位とエチレン
テレフタレート単位とのモル比が95/5〜15/85
のランダム共重合ポリエステルを製造するに際し、数平
均分子量が2000以下のオリゴマーに、リン酸又はそ
のエステルを酸成分1モルに対して1×10-4〜200
×10-4モルとなる量で添加して0.5時間以上エステ
ル化反応を行った後、重縮合触媒としてアンチモン化合
物、コバルト化合物、及び亜鉛化合物あるいは錫化合物
を特定量添加し、数平均分子量が10000以上となる
まで重縮合反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリヤー性、
色調、耐熱性、耐衝撃性に優れ、かつ良好な透明性を有
する高分子量ポリ(エチレンイソフタレート/エチレン
テレフタレート)系共重合ポリエステルを製造する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
は、機械的強度、化学的安定性、透明性等に優れてお
り、また軽量で安価であるために、各種のフィルム、シ
ート及び容器等の包装材料として広く用いられている。
【0003】しかしながら、PETは、ポリオレフィン
等の他の熱可塑性樹脂に比べればガスバリヤー性に優れ
ているものの、用途によってはガスバリヤー性が不十分
であった。例えば、炭酸飲料、ワイン等の飲料用容器あ
るいは医療用容器等においては、内容物を保存するとい
う観点から特に厳しいガスバリヤー性が要求されるが、
PETからなる容器ではこの要求を十分満足させること
ができなかった。
【0004】ガスバリヤー性の改善されたポリエステル
容器として、特開昭59-64624号公報には、ポリエチレン
イソフタレートもしくはポリ(エチレンイソフタレート
/エチレンテレフタレート)のような共重合ポリエステ
ルからなるものが開示されている。これらのうちポリエ
チレンイソフタレートは、高融点の環状オリゴマーを含
んでいるため、これが成形品に異物として混入するとい
う問題があり、容器用としては共重合ポリエステルの方
が好ましい。
【0005】ポリ(エチレンイソフタレート/エチレン
テレフタレート)系共重合ポリエステル(以下「PEI
T」という。)は、古くから知られている(例えば、特
公昭34-3238 号公報) が、PEITはPETに比べて重
縮合反応が進みにくく、反応速度が遅いため、重縮合時
間を長くすることが必要となり、熱分解反応が進行して
高分子量のものが得られず、色調や透明性が悪化すると
いう問題があった。
【0006】一方、上記した問題点を解消するものとし
て、特公昭63-40444号公報には、グリコール成分として
特定量の1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを
共重合したPEI系共重合ポリエステルが提案されてい
る。しかし、これらのPEI系共重合ポリエステルは、
高価なため幅広く使用するには限界があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガスバリヤ
ー性容器用等に適する、高分子量で、色調、耐熱性及び
耐衝撃性に優れ、かつ良好な透明性を有するPEITを
製造する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するもので、その要旨は、次の通りである。 (1) 数平均分子量が2000以下のポリエチレンテレフタレ
ートオリゴマーに、イソフタルとエチレングリコールと
をイソフタル酸成分とテレフタル酸成分とのモル比が95
/5〜15/85となる量、及びリン酸又はそのエステルを
酸成分1モルに対して1×10-4〜 200×10-4モルとなる
量で添加し、0.5 時間以上エステル化反応を行った後、
重縮合触媒としてアンチモン化合物、コバルト化合物及
び亜鉛化合物を下記式〜を満足する量で添加し、数
平均分子量が 10000以上となるまで重縮合反応を行うこ
とを特徴とする共重合ポリエステルの製造法。 2×10-4≦〔Sb〕≦12×10-4 1×10-4≦〔Co〕≦4×10-4 0.5×10-4≦〔Zn〕≦8×10-4 〔P〕/〔Sb〕≧0.5 〔P〕/〔Co〕≧1 〔Sb〕/〔Zn〕≦6 ここで、〔Sb〕、〔Co〕、〔Zn〕及び〔P〕は、
それぞれアンチモン化合物、コバルト化合物、亜鉛化合
物及びリン酸又はそのエステルの添加量を表し、単位は
「×10-4モル/酸成分モル」である。 (2) 数平均分子量が2000以下で、イソフタル酸成分とテ
レフタル酸成分とのモル比が95/5〜15/85であるポリ
(エチレンイソフタレート/エチレンテレフタレート)
系共重合オリゴマーに、リン酸又はそのエステルを酸成
分1モルに対して1×10-4〜 200×10-4モルとなる量で
添加し、0.5 時間以上エステル化反応を行った後、重縮
合触媒としてアンチモン化合物、コバルト化合物及び亜
鉛化合物を前記式〜を満足する量で添加し、数平均
分子量が 10000以上となるまで重縮合反応を行うことを
特徴とする共重合ポリエステルの製造法。 (3) 数平均分子量が2000以下のポリエチレンテレフタレ
ートオリゴマーに、イソフタル酸とエチレングリコール
とをイソフタル酸成分とテレフタル酸成分とのモル比が
95/5〜15/85となる量、及びリン酸又はそのエステル
を酸成分1モルに対して1×10-4〜 200×10-4モルとな
る量で添加し、0.5 時間以上エステル化反応を行った
後、重縮合触媒としてアンチモン化合物、コバルト化合
物及び錫化合物を前記式、、、と下記式、
を満足する量で添加し、数平均分子量が 10000以上とな
るまで重縮合反応を行うことを特徴とする共重合ポリエ
ステルの製造法。 0.5×10-4≦〔Sn〕≦8×10-4 〔Sb〕/〔Sn〕≦6 ここで、〔Sn〕は錫化合物の添加量を表し、単位は
「×10-4モル/酸成分モル」である。 (4) 数平均分子量が2000以下で、イソフタル酸成分とテ
レフタル酸成分とのモル比が95/5〜15/85であるポリ
(エチレンイソフタレート/エチレンテレフタレート)
系共重合オリゴマーに、リン酸又はそのエステルを酸成
分1モルに対して1×10-4〜 200×10-4モルとなる量で
添加し、0.5 時間以上エステル化反応を行った後、重縮
合触媒としてアンチモン化合物、コバルト化合物及び錫
化合物を前記式、、、、、を満足する量で
添加し、数平均分子量が 10000以上となるまで重縮合反
応を行うことを特徴とする共重合ポリエステルの製造
法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0010】本発明における共重合ポリエステル(PE
IT)は、エチレンイソフタレート単位とエチレンテレ
フタレート単位とのモル比が95/5〜15/85のランダム
共重合ポリエステルである。エチレンイソフタレート単
位の割合が多すぎると、重縮合反応時に環状オリゴマー
が多量に発生し、操業性が悪化したり、成形物中の異物
量が多くなったりするとともに、PETとブレンドして
成形物とする場合、PETとの相溶性が悪くなる。一
方、エチレンイソフタレート単位の割合が少なすぎる
と、ガスバリヤー性が低下する。
【0011】なお、PEITには、その特性を損なわな
い範囲で、他の共重合成分を含有させることができる。
共重合成分の具体例としては、フタル酸、2,6-ナフタレ
ンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,
4'- ビフェニルジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、
1,5-ペンタメチレングリコール、1,6-ヘキサメチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコ
ール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノー
ルAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等が
挙げられる。
【0012】次に、本発明のPEITの製造法について
説明する。第一及び第三の方法においては、まず初め
に、テレフタル酸とエチレングリコールとを常法によっ
てエステル化して数平均分子量が2000以下のポリエチレ
ンテレフタレートオリゴマー(以下「PETオリゴマ
ー」という。)を得る。次いで、このPETオリゴマー
に、イソフタル酸とエチレングリコールとをイソフタル
酸成分とテレフタル酸成分とのモル比が95/5〜15/85 と
なる量、及びリン酸又はそのエステルを酸成分1モルに
対して1×10-4〜200 ×10-4モルとなる量で添加し、常
圧〜微加圧下、温度 200〜250 ℃で副生する水を系外に
除去しつつ、0.5時間以上エステル化反応を行う。PE
Tオリゴマーに添加するイソフタル酸とエチレングリコ
ールとの割合は、モル比で 1/1.2〜1/3.5 程度とするの
が適当である。そしてこれらは別々に添加してもよい
が、両者のスラリー又は両者が一部反応した溶液の形で
添加するのが、操作上望ましい。
【0013】第二及び第四の方法においては、まず初め
に、イソフタル酸、テレフタル酸及びエチレングリコー
ルを常法によってエステル化して数平均分子量が2000以
下で、イソフタル酸成分とテレフタル酸成分とのモル比
が95/5〜15/85であるポリ(エチレンイソフタレート
/エチレンテレフタレート)オリゴマー(以下「PEI
Tオリゴマー」という。)を得る。次いで、このPEI
Tオリゴマーに、リン酸又はそのエステルを酸成分1モ
ルに対して1×10-4〜200 ×10-4モルとなる量で添加
し、第一及び第三の方法と同様な条件で、0.5 時間以上
エステル化反応を行う。
【0014】本発明におけるリン酸又はそのエステルと
しては、リン酸や、リン酸(モノ、、ジ、トリ)アルキ
ルエステル、リン酸(モノ、ジ、トリ)アルキルエステ
ルアリールエステル、リン酸(モノ、ジ、トリ)ヒドロ
キシアルキルエステルが用いられ、具体的には、リン酸
トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、
リン酸トリス−2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
【0015】リン酸又はそのエステルを添加する際のP
ETオリゴマーもしくはPEITオリゴマーは、数平均
分子量が2000以下のものであることが必要である。これ
よりも高分子量のオリゴマーを用いると、末端カルボキ
シル基量が少なく、リン酸又はそのエステルとの反応が
十分進行しないため、リン酸又はそのエステルが系外に
飛散してしまい、好ましくない。
【0016】また、添加後のエステル化反応時間は 0.5
時間以上とすることが必要である。この反応時間が 0.5
時間未満であると、PETオリゴマーもしくはPEIT
オリゴマーと、リン酸又はそのエステルとの反応が不十
分となる。しかし、この時間をあまり長くすると、反応
物の色調が悪化するため、好ましくなく、9時間以下と
するのが望ましい。
【0017】リン酸又はそのエステルの添加量は、酸成
分1モルに対して1×10-4〜 200×10-4モル、好ましく
は5×10-4〜 100×10-4モルとすることが必要である。
この添加量が1×10-4モル未満では、透明性及び色調が
劣ったものとなり、逆に 200×10-4モルを超えると、P
EITがゲル化して成形に供することができなくなる。
【0018】上記エステル化反応後、第一及び第二の方
法においては、重縮合触媒としてアンチモン化合物、コ
バルト化合物及び亜鉛化合物を前記式〜を満足する
量で添加し、数平均分子量が 10000以上となるまで重縮
合反応を行う。また、第三及び第四の方法においては、
重縮合触媒としてアンチモン化合物、コバルト化合物及
び錫化合物を前記式、、、、、を満足する
量で添加し、数平均分子量が 10000以上となるまで重縮
合反応を行う。
【0019】アンチモン化合物としては、三酸化アンチ
モン、塩化アンチモン、酢酸アンチモン等、コバルト化
合物としては、酢酸コバルト、塩化コバルト、安息香酸
コバルト等、錫化合物としては、ジメチル錫マレート、
モノブチルヒドロキシ錫オキサイド等が用いられるが、
重縮合触媒活性、得られるPEITの物性及びコストの
点から、三酸化アンチモン、酢酸コバルト、酢酸亜鉛あ
るいはジメチル錫マレートが好ましい。
【0020】アンチモン化合物の添加量は、式を満足
する量とすることが必要である。この添加量が少ない
と、重縮合触媒活性が不十分で、高分子量のPEITを
得ることが困難である。一方、この量が多すぎると、重
縮合触媒活性が飽和するばかりか、色調が悪化する。
【0021】アンチモン化合物は、重縮合触媒活性が高
く、高分子量のPEITとすることができるが、色調及
び透明性を悪化させるという問題がある。
【0022】そこで、コバルト化合物を添加すること
で、アンチモン化合物の重縮合触媒活性を増強するとと
もに、色調改良効果を発現させる。しかし、コバルト化
合物には、重縮合反応後期で熱分解を促進する作用もあ
るので、あまり多量に添加すると高分子量のPEITが
得られなくなる。これらの観点から、コバルト化合物の
添加量は式の範囲とすることが必要である。
【0023】コバルト化合物を添加することで色調は良
好となるが、透明性は改善されない。そこで、亜鉛化合
物あるいは錫化合物をさらに添加することで、透明性が
良好となる。亜鉛化合物や錫化合物は安価であるが、あ
まり多量に添加すると高分子量のPEITが得られなく
なる。これらの観点から、亜鉛化合物の添加量は式の
範囲とすることが必要であり、錫化合物の添加量は式
の範囲とすることが必要である。
【0024】しかし、アンチモン化合物、コバルト化合
物、及び亜鉛化合物あるいは錫化合物の添加量が式、
、及びあるいはを満足するだけでは、透明性や色
調が良好な高分子量のPEITを得るには不十分であ
り、式、、及びあるいはを併せて満足させるこ
とが必要である。すなわち、リン酸又はそのエステル
は、アンチモン化合物によるPEITの透明性や色調の
悪化を抑制し、コバルト化合物によるPEITの熱分解
作用を抑制する効果を奏するものであり、この作用を十
分発揮させるためには、式及びを満足させることが
必要である。また、亜鉛化合物あるいは錫化合物は、ア
ンチモン化合物による透明性の悪化を向上させる効果を
奏するものであり、この作用を十分発揮させるために
は、式あるいはを満足させることが必要である。
【0025】重縮合反応は、通常、1hPa 程度の圧力下
で、温度 250〜300 ℃で行うことが好ましく、温度 260
〜290 ℃で行うことがより好まししい。重縮合温度が低
いと重縮合反応に長時間を要し、一方、重縮合温度が高
すぎると、熱分解反応が起こり、色調及び透明性が悪化
する。
【0026】また、重縮合反応は、数平均分子量 10000
以上、好ましくは 11000以上、より好ましくは14000 以
上のPEITが得られるまで行うことが必要である。数
平均分子量が小さいと、成形品として十分な強度が得ら
れず、耐衝撃性等の機械的強度が低下する。
【0027】なお、PEITには、必要に応じて、滑
剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有
させることができる。
【0028】本発明の方法により得られたPEITは、
種々の成形方法により各種成形体にすることができ、単
独で用いることもできるし、PET等と混合して用いる
こともできる。
【0029】
【作用】本発明の方法により、透明性及び色調の良好な
PEITが得られるのは、重縮合触媒活性が高く、高分
子量のPEITとすることができるというアンチモン化
合物の特性が活かされ、透明性及び色調が悪化しやすい
という欠点が、リン酸又はそのエステル、コバルト化合
物、及び亜鉛化合物あるいは錫化合物の併用によって補
われるためと推定される。すなわち、アンチモン化合
物、コバルト化合物、及び亜鉛化合物あるいは錫化合物
を併用することにより、重縮合反応速度が大きくなると
ともに、アンチモン化合物によるPEITの透明性及び
色調の悪化が、コバルト化合物による色調改良効果と、
亜鉛化合物あるいは錫化合物による透明性改良効果で補
われる。さらに、リン酸又はそのエステルは、アンチモ
ン化合物、コバルト化合物、及び亜鉛化合物あるいは錫
化合物を安定化する作用を有し、金属アンチモンの析出
やコバルト化合物の熱分解促進作用を抑制するものと推
定される。
【0030】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。なお、特性値等の測定及び評価方法は、次の通り
である。 (a) 数平均分子量 Waters社製ゲル浸透クロマトグラフにより、ヘキサフル
オロイソプロパノールとクロロホルムとの重量比5/95
の混合物を溶媒として分子量分布曲線を求め、数平均分
子量を算出した。 (b) 共重合割合 PEITを、重水素化ヘキサフルオロイソプロパノール
と重水素化クロロホルムとの容量比1/25の混合溶媒に
溶解させ、日本電子社製LA-400型NMR装置にて 1HN
MRを測定し、得られたチャートの各共重合成分のプロ
トンピークの積分強度から、共重合割合を求めた。 (c) 色調 日本電色工業社製の色差計ND−Σ80型を用いて測定し
た。色調の判定は、ハンターのLab表色計で行った。
L値は明度(値が大きいほど明るい)、a値は赤−緑系
の色相(+は赤味、−は緑味)、b値は黄−青系の色相
(+は黄味、−は青味)を表す。色調としてはL値が大
きいほど、a値が0に近いほど、またb値は極端に小さ
くならない限り小さいほど良好である(L値35以上、b
値3以下が合格)。 (d)溶液ヘーズ(透明性) PEIT 2gをクロロホルム20mlに溶解し、得られた溶
液のヘーズを日本電子工業社製濁度計 MODEL 1001DP で
測定した(クロロホルムのヘーズ:0%)。ヘーズ値が
小さいほど透明性が良好である(10%以下が合格)。 (e) 酸素透過量(ガスバリヤー性) 100 μm の厚さに成形したフィルムの切片について、MO
CON 社製OX-TRAN 100Aを用いて、23℃、60%RH、1気
圧条件下における酸素の透過した体積から求めた。(単
位は、「ml/m2・24hrs ・atm 」)この値が小さいほど
ガスバリヤー性が良好である(22以下が合格)。 (f) ボトルの耐熱性 延伸ブロー成形により得たボトルに、70℃の熱水を満た
し、30分間放置後の体積変化の有無を目視で調べた。 ○:体積変化なし(合格)。 ×:体積変化あり(不合格)。 (g) ボトルの強度(耐衝撃性) 延伸ブロー成形により得たボトルを、底部を下にして、
温度5℃で、高さ3mの位置からコンクリート板に落下
させて、亀裂、へこみの発生の有無を調べた。 ○:亀裂、へこみの発生なし(合格)。 ×:亀裂、へこみの発生あり(不合格)。
【0031】実施例1 〔PEITの製造〕ビス(β−ヒドロキシエチル)テレ
フタレート及びその低重合体の存在するエステル化反応
缶に、テレフタル酸とエチレングリコールとのモル比 1
/1.6のスラリーを連続的に供給し、温度 250℃、圧力50
hPaGの条件で反応させ、滞留時間8時間としてエステル
化反応率95%、数平均分子量1400のPETオリゴマー
(A) を連続的に得た。別のエステル化反応缶に、PET
オリゴマー(A) 5.2kg と、イソフタル酸38.8kgとエチレ
ングリコール23kgとからなるスラリー(イソフタル酸/
エチレングリコールのモル比 1/2)を仕込み、濃度3重
量%のリン酸トリエチルのエチレングリコール溶液を、
酸成分1モルに対してリン酸トリエチルが10×10-4モル
となる量で添加した後、常圧下、温度 200℃で3時間エ
ステル化反応を行った。得られたエステル化反応物を重
縮合反応缶に投入し、酸成分1モルに対して、三酸化ア
ンチモン5×10-4モル、酢酸コバルト3×10-4モル及び
酢酸亜鉛2×10-4モルを加え、徐々に減圧にして、最終
的に0.9hPa、温度 280℃で3時間重縮合反応を行った。
得られたPEITは、イソフタル酸(IPA)の共重合
割合89.0モル%、数平均分子量 14200であった。 〔PETの製造〕PETオリゴマー(A) 60Kgと、酸成分
1モルに対し二酸化ゲルマニウム 2.5×10-4モルとを加
え、重縮合反応缶中で減圧にして、最終的に圧力0.9hP
a、温度 280℃で重縮合反応を行い、数平均分子量 1650
0のPETプレポリマーを得た。このPETプレポリマ
ーを、回転式固相重合装置に仕込み、70℃で2時間予備
乾燥し、続いて 130℃で4時間乾燥した後、温度 220
℃、圧力0.9hPaで、10時間固相重合を行い、数平均分子
量 21000のPETを得た。 〔フィルムの作製〕上記のPEIT30重量部とPET70
重量部とからなる組成物を、溶融押し出し機を用いて、
温度 285℃でTダイから溶融押し出しし、急冷固化し
て、平均厚さ100μm のフィルムを作製した。 〔ボトルの作製〕フィルムと同じ組成物を用い、シリン
ダー各部及びノズルの温度 280℃、スクリュー回転数10
0rpm、射出時間8秒、冷却時間10秒、金型温度20℃に設
定した射出成形機(日精エーエスビー社製、ASB-50HT
型)でプレフォームを成形した。次いで、このプレフォ
ームを 110℃の雰囲気下、ブロー圧力2MPa で延伸ブロ
ー成形し、胴部平均肉圧 250μm 、内容積1Lのボトル
とし、引き続いて 160℃に設定した金型内で圧縮緊張
化、10秒間ヒートセットしてボトルを作製した。
【0032】実施例2〜7及び比較例1〜7 PEITの製造条件等を表1のように変更し、実施例1
と同様に実施した。ただし、実施例6及び比較例6で
は、リン酸トリエチルの代わりにリン酸を用い、比較例
6では、リン酸添加後のエステル化反応時間を 0.3時間
とした。また、比較例5では、亜鉛化合物を添加しなか
った。
【0033】実施例8 イソフタル酸、テレフタル酸及びエチレングリコール
(仕込みモル比:20/80/100 )のエステル化反応で得
られた数平均分子量が1500のPEITオリゴマー40.2kg
をエステル化反応缶に仕込み、濃度3重量%のリン酸ト
リエチルのエチレングリコール溶液を、酸成分1モルに
対してリン酸トリエチルが10×10-4モルとなる量で添加
した後、常圧下、温度 200℃で3時間エステル化反応を
行った。得られたエステル化反応物を重縮合反応缶に投
入し、酸成分1モルに対して、三酸化アンチモンを4×
10-4モル、酢酸コバルトを3×10-4モル及び酢酸亜鉛3
×10-4モルを加え、徐々に減圧にして、最終的に0.9hP
a、温度 280℃で3時間重縮合反応を行った。得られた
PEITは、イソフタル酸(IPA)の共重合割合89.2
モル%、数平均分子量 14600であった。上記のPEIT
と実施例1のPETとを用い、実施例1と同様にしてフ
ィルム及びボトルを作製し、その特性を評価した。
【0034】実施例9及び比較例7、8 PEITの製造条件等を表1のように変更し、実施例1
と同様に実施した。ただし、いずれの場合も、酢酸亜鉛
の代わりにジメチル錫マレートを用いた。
【0035】実施例10 PEITの製造条件等を表1のように変更し、実施例8
と同様に実施した。ただし、酢酸亜鉛の代わりにジメチ
ル錫マレートを用いた。
【0036】実施例1〜10及び比較例1〜8における製
造条件、PEITの特性値、フィルムの酸素透過量、及
びボトルの評価結果を表1及び表2にまとめて示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】実施例1〜10で得られたPEITは、いず
れも良好な特性を示したが、比較例では、次のような問
題があった。
【0040】比較例1では、IPA成分の共重合割合が
11.8モル%と少なかったため、ガスバリヤー性が劣って
いた。比較例2では、〔P〕/〔Sb〕及び〔P〕/〔C
o〕の値が小さかったため、色調のb値が悪化し、溶液
ヘーズ(透明性)も不良であった。比較例3では、数平
均分子量が 10000より小さかっため、ボトルの耐熱性と
強度が十分でなかった。比較例4では、アンチモン化合
物の添加量が多すぎたため、色調が悪化し、溶液ヘーズ
(透明性)も著しく悪かった。比較例5では、亜鉛化合
物を添加しなかったため、色調が悪化し、溶液ヘーズ
(透明性)も著しく悪かった。比較例6では、エステル
化反応時間が短かかったため、溶液ヘーズ(透明性)が
著しく悪かった。比較例7では、錫化合物の添加量が少
なかったため、色調が悪化し、溶液ヘーズ(透明性)も
著しく悪かった。比較例8では、錫化合物の添加量が多
かったため、色調のb値が悪かった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、ガスバリヤー性容器用
等に適する、高分子量で、色調、耐熱性及び耐衝撃性に
優れ、かつ良好な透明性を有するPEITを製造するこ
とができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量が2000以下のポリエチレン
    テレフタレートオリゴマーに、イソフタルとエチレング
    リコールとをイソフタル酸成分とテレフタル酸成分との
    モル比が95/5〜15/85となる量、及びリン酸又はその
    エステルを酸成分1モルに対して1×10-4〜 200×10-4
    モルとなる量で添加し、0.5 時間以上エステル化反応を
    行った後、重縮合触媒としてアンチモン化合物、コバル
    ト化合物及び亜鉛化合物を下記式〜を満足する量で
    添加し、数平均分子量が 10000以上となるまで重縮合反
    応を行うことを特徴とする共重合ポリエステルの製造
    法。 2×10-4≦〔Sb〕≦12×10-4 1×10-4≦〔Co〕≦4×10-4 0.5×10-4≦〔Zn〕≦8×10-4 〔P〕/〔Sb〕≧0.5 〔P〕/〔Co〕≧1 〔Sb〕/〔Zn〕≦6 ここで、〔Sb〕、〔Co〕、〔Zn〕及び〔P〕は、
    それぞれアンチモン化合物、コバルト化合物、亜鉛化合
    物及びリン酸又はそのエステルの添加量を表し、単位は
    「×10-4モル/酸成分モル」である。
  2. 【請求項2】 数平均分子量が2000以下で、イソフタル
    酸成分とテレフタル酸成分とのモル比が95/5〜15/85
    であるポリ(エチレンイソフタレート/エチレンテレフ
    タレート)系共重合オリゴマーに、リン酸又はそのエス
    テルを酸成分1モルに対して1×10-4〜 200×10-4モル
    となる量で添加し、0.5 時間以上エステル化反応を行っ
    た後、重縮合触媒としてアンチモン化合物、コバルト化
    合物及び亜鉛化合物を前記式〜を満足する量で添加
    し、数平均分子量が 10000以上となるまで重縮合反応を
    行うことを特徴とする共重合ポリエステルの製造法。
  3. 【請求項3】 数平均分子量が2000以下のポリエチレン
    テレフタレートオリゴマーに、イソフタル酸とエチレン
    グリコールとをイソフタル酸成分とテレフタル酸成分と
    のモル比が95/5〜15/85となる量、及びリン酸又はそ
    のエステルを酸成分1モルに対して1×10-4〜 200×10
    -4モルとなる量で添加し、0.5 時間以上エステル化反応
    を行った後、重縮合触媒としてアンチモン化合物、コバ
    ルト化合物及び錫化合物を前記式、、、と下記
    式、を満足する量で添加し、数平均分子量が 10000
    以上となるまで重縮合反応を行うことを特徴とする共重
    合ポリエステルの製造法。 0.5×10-4≦〔Sn〕≦8×10-4 〔Sb〕/〔Sn〕≦6 ここで、〔Sn〕は錫化合物の添加量を表し、単位は
    「×10-4モル/酸成分モル」である。
  4. 【請求項4】 数平均分子量が2000以下で、イソフタル
    酸成分とテレフタル酸成分とのモル比が95/5〜15/85
    であるポリ(エチレンイソフタレート/エチレンテレフ
    タレート)系共重合オリゴマーに、リン酸又はそのエス
    テルを酸成分1モルに対して1×10-4〜 200×10-4モル
    となる量で添加し、0.5 時間以上エステル化反応を行っ
    た後、重縮合触媒としてアンチモン化合物、コバルト化
    合物及び錫化合物を前記式、、、、、を満
    足する量で添加し、数平均分子量が 10000以上となるま
    で重縮合反応を行うことを特徴とする共重合ポリエステ
    ルの製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6913806B2 (en) 2002-12-20 2005-07-05 Nan Ya Plastics Corporation Copolyester composition for manufacturing large volume polyester bottle
JP2012520357A (ja) * 2009-03-13 2012-09-06 サウディ ベーシック インダストリーズ コーポレイション ポリエチレンテレフタレートを製造するプロセス

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