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JPH1124033A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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Publication number
JPH1124033A
JPH1124033A JP9182464A JP18246497A JPH1124033A JP H1124033 A JPH1124033 A JP H1124033A JP 9182464 A JP9182464 A JP 9182464A JP 18246497 A JP18246497 A JP 18246497A JP H1124033 A JPH1124033 A JP H1124033A
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JP
Japan
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liquid crystal
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metastable state
metastable
crystal molecules
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JP9182464A
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Inventor
Toshiomi Ono
俊臣 小野
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Priority to US08/909,540 priority patent/US6038001A/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動電圧の実効値を制御して表示駆動されるの
ものであっても高デューティでの時分割駆動が可能な液
晶表示装置を提供する。 【解決手段】リセット電圧の印加後に印加する準安定状
態選択電圧に応じて液晶分子が第1と第2の準安定状態
のいずれかに配向し、その準安定状態における配向状態
が駆動電圧の実効値に応じて変化する液晶セル10と偏
光板21,22とで液晶表示装置を構成し、液晶分子が
第1の準安定状態に配向した液晶セルと偏光板とからな
る表示装置の電気光学特性と、液晶分子が第2の準安定
状態に配向した液晶セルと偏光板とからなる表示装置の
電気光学特性とを選択的に利用して表示するとともに、
液晶に、誘電異方性Δεの値が10以上のリセット応答
性が速い液晶材料を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高デューティで
の時分割駆動を可能とした液晶表示装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置には、バックライトからの
光を利用して表示する透過型のものと、自然光や室内照
明光等の外光を利用して表示する反射型のものとがあ
る。これらの液晶表示装置は、液晶セルをはさんでその
表面側と裏面側とに偏光板を配置したものであり、反射
型の液晶表示装置は、裏側偏光板の裏面側に反射板を配
置して構成されている。なお、反射型の液晶表示装置に
は、偏光板を1枚だけ備えたものもあり、この反射型液
晶表示装置は、液晶セルの表面側に偏光板を配置し、前
記液晶セルの裏面側に反射板を配置して構成されてい
る。
【0003】これらの液晶表示装置に用いられる液晶セ
ルは、互いに対向する面それぞれに電極が形成されると
ともにその電極が形成された面上にそれぞれ配向処理が
施された一対の基板間に液晶を挟持した構成となってお
り、液晶の分子は、それぞれの基板の近傍における配向
方向を前記配向膜により規制されて、所定の配向状態
(例えばツイスト配向状態)で配向している。
【0004】上記液晶表示装置は、液晶セルの各画素部
の電極間に表示データに応じた駆動電圧を印加して表示
駆動されており、前記電極間に電圧を印加すると、液晶
分子が電圧無印加の初期配向状態から基板面に対して立
上がるように配向状態を変え、その配向状態に応じて光
の透過が制御される。
【0005】ところで、上記液晶表示装置には、単純マ
トリックス方式の液晶セルを用いるものと、アクティブ
マトリックス方式の液晶セルを用いるものとがあるが、
液晶セルの構造が極く簡単で低コストに得られるという
点では、単純マトリックス方式が有利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単純マ
トリックス方式の液晶セルを用いる液晶表示装置は、液
晶セルの各画素部の電極間(走査電極と信号電極との
間)への書込み電圧の印加によって液晶層に印加される
駆動電圧の実効値を制御することにより、前記駆動電圧
の実効値に応じた液晶分子の電界誘起による前記液晶分
子の配向状態を変化させて表示駆動されるため、光の透
過状態を段階的に制御する表示を行なう場合、時分割数
が多くなると、各段階に対応する実効値の差を大きくと
ることができなくなり、そのために、高デューティで時
分割駆動しようとすると、液晶セルを駆動する際の動作
電圧マージン(各階調を表示するための電圧の実効値の
差)が小さくなり、明確な段階的表示ができなくなる。
【0007】このため、単純マトリックス方式の液晶セ
ルを用いる液晶表示装置は、高デューティでの時分割駆
動が難しく、したがって、画素数を多くして表示画像の
高精細化をはかることは困難であった。
【0008】この発明は、駆動電圧の実効値を制御して
駆動される液晶セルを用いるものでありながら、その駆
動デューティに対して動作電圧マージンを大きくして、
高デューティでの時分割駆動を可能とし、画素数の多い
高精細画像の表示を実現することができる液晶表示装置
を提供することを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の液晶表示装置
は、互いに対向する面それぞれに電極が形成された一対
の基板の間にネマティック液晶層を挟持した液晶セル
と、この液晶セルの少なくとも表面側に配置された少な
くとも一枚の偏光板とを備え、前記液晶層は、前記一対
の基板の電極間に、液晶分子をその分子長軸が基板面に
対してほぼ垂直になるように配向させるリセット電圧を
印加した後、それより低い値の第1の準安定状態選択電
圧とこの第1の準安定状態選択電圧とは異なる第2の準
安定状態選択電圧とのいずれかを選択的に印加すること
により、液晶分子が、所定の状態で配向する第1の準安
定状態とこの第1の準安定状態とは異なる配向状態で配
向する第2の準安定状態とのいずれかに配向し、その第
1および第2の準安定状態それぞれにおける駆動電圧の
実効値に応じた液晶分子の電界誘起により前記液晶分子
の配向状態が変化する特性を有しており、前記ネマティ
ック液晶は、誘電異方性Δεの値が10以上の液晶材料
からなっていることを特徴とするものである。
【0010】この発明の液晶表示装置は、液晶分子を上
記第1と第2のいずれかの準安定状態に配向させ、それ
ぞれの準安定状態における液晶分子の配向状態を駆動電
圧の実効値に応じて変化させて光の透過状態を制御する
ものであり、第1の準安定状態を選択したときは、液晶
分子が前記第1の準安定状態に配向した液晶セルと偏光
板とからなる表示装置の電気光学特性をもち、第2の準
安定状態を選択したときは、液晶分子が前記第2の準安
定状態に配向した液晶セルと偏光板とからなる表示装置
の電気光学特性をもつ。
【0011】すなわち、この液晶表示装置は、液晶セル
の液晶分子の配向状態が互いに異なる2つの表示装置の
電気光学特性を合わせ持ったものであり、したがって、
段階的に制御しようとする透過状態のうちの複数の透過
状態の制御を一方の電気光学特性を利用して行ない、他
の複数の透過状態の制御を他方の電気光学特性を利用し
て行なうことができる。
【0012】このため、この液晶表示装置によれば、透
過状態の全段階数を、前記一方の電気光学特性を利用す
るとき、つまり第1の準安定状態を選択して光の透過状
態を制御するときと、前記他方の電気光学特性を利用す
るとき、つまり第2の準安定状態を選択して光の透過状
態を制御するときとに振り分けることができ、そのため
に、それぞれの準安定状態で駆動される段階数が少なく
なるから、それぞれの準安定状態の中で、少ない段階数
の時分割駆動を行なうことができる。
【0013】したがって、この液晶表示装置によれば、
駆動電圧の実効値を制御して駆動される液晶セルを用い
るものでありながら、その駆動デューティに対して動作
電圧マージンを大きくし、高デューティでの時分割駆動
を可能とすることができる。
【0014】また、この液晶表示装置の表示の書換え
は、まず前記リセット電圧の印加により、前の液晶分子
の配向状態をリセットし、前記第1または第2の準安定
状態選択電圧の印加によりいずれかの準安定状態を選択
した後に、次の書込み状態を得るための書込み電圧を印
加することによって行なうが、この発明では、前記液晶
セルの液晶に、誘電異方性Δεの値が10以上の液晶材
料を用いているため、前記リセット電圧の印加による前
の液晶分子の配向状態のリセットを応答性良く行なわせ
ることができる。
【0015】このため、この発明の液晶表示装置によれ
ば、液晶分子の配向状態をリセットするためのリセット
電圧の印加時間を短くし、準安定状態の切換時間を短縮
することができるから、より高デューティでの時分割駆
動を可能とし、画素数の多い高精細画像の表示を実現す
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明の液晶表示装置は、液晶
分子が、リセット電圧を印加した後の第1または第2の
準安定選択電圧の選択的な印加により配向する第1と第
2のいずれかの準安定状態と、その準安定状態が選択さ
れた後の駆動電圧の実効値に応じた電界誘起による配向
状態とに配向する液晶層を備えた液晶セルを用い、前記
第1と第2の準安定状態および駆動電圧の実効値に応じ
た配向状態を制御することにより、前記第1および第2
の準安定状態の各々において光の透過状態を複数の段階
に制御して、それぞれの準安定状態の中で、少ない段階
数の時分割駆動を行なうことができるようにするととも
に、前記液晶セルの液晶に、誘電異方性Δεの値が10
以上の液晶材料を用いることにより、リセット電圧の印
加による前の液晶分子の配向状態のリセットを応答性良
く行なわせるようにして、高デューティでの時分割駆動
を可能としたものである。
【0017】この発明の液晶表示装置において、前記液
晶セルの液晶層は、液晶分子がいずれか一方の基板の配
向処理方向を基準として一方の方向にほぼ0°〜ほぼ1
80°のねじれ角で非ツイストまたはツイスト配向した
スプレイ配向の初期配向状態を有し、前記第1の準安定
状態は、液晶分子が前記初期配向状態から前記一方の方
向にさらにほぼ180°ねじれて配向してスプレイ歪を
解消した配向状態、前記第2の準安定態は、液晶分子が
前記初期配向状態から前記一方の方向とは逆方向にほぼ
180°ねじれて配向してスプレイ歪を解消した配向状
態である。
【0018】
【実施例】以下、この発明を反射型の液晶表示装置に適
用した実施例を図面を参照して説明する。図1はこの発
明の第1の実施例による液晶表示装置の基本構成を示す
斜視図であり、(a)は初期配向状態、(b)は第1の
準安定状態、(c)は第2の準安定状態を示している。
図2は前記液晶表示装置の断面図である。
【0019】この実施例の液晶表示装置は、図1および
図2に示すように、液晶セル10をはさんでその表面側
と裏面側とに偏光板21,22を配置するとともに、裏
側の偏光板22の背後に反射板30を配置し、さらに前
記液晶セル10に、この液晶セル10を駆動するための
駆動系40を接続して構成されている。
【0020】上記液晶セル10は、図2のように、内面
に透明電極13,14が設けられるとともにその上に配
向処理を施した配向膜15,16が形成された表裏一対
の透明基板11,12間に液晶18を挟持したものであ
り、前記一対の基板11,12は枠状のシール材17を
介して接合されており、液晶18は両基板11,12間
の前記シール材17で囲まれた領域に封入されている。
なお、前記配向膜15,16はポリイミド等からなる水
平配向膜であり、その膜面を所定の方向にラビングする
ことによって配向処理されている。
【0021】この液晶セル10は、単純マトリックス型
のものであり、その表側基板11に設けられた透明電極
13は、一方向(図2において左右方向)に沿わせて形
成された複数本の走査電極、裏側基板12に設けられた
透明電極14は、前記走査電極13とほぼ直交する方向
に沿わせて形成された複数本の信号電極である。
【0022】さらに、この液晶セル10は、その液晶1
8に、カイラル剤を添加してツイスト配向性をもたせた
ネマティック液晶を用いたものであり、この実施例で用
いたネマティック液晶は、室温において、粘度が30c
p以上、弾性定数比K33/K11が1.5以上の物性を示
す誘電異方性Δεの値が10以上の液晶材料からなって
いる。前記液晶材料の粘度は、望ましくは30〜45c
pの範囲であり、弾性定数比K33/K11は、望ましくは
1.5〜2.2の範囲である。
【0023】前記液晶セル10の液晶層は、初期配向状
態では、液晶分子がいずれか一方の基板の配向処理方向
を基準として一方の方向に0°〜180°のねじれ角で
非ツイスト配向(ねじれ角が0°配向)またはツイスト
配向したスプレイ配向状態にある。
【0024】そして、この液晶セル10は、その液晶層
に、液晶分子が基板11,12面に対してほぼ垂直に立
上がり配向する十分高い電圧値のリセット電圧を印加し
た後にそれより低い所定の値の選択電圧を印加すること
により、液晶分子が初期配向状態から前記一方の方向
(初期配向状態でのツイスト配向方向と同じ方向)にさ
らにほぼ180°ねじれてツイスト配向してスプレイ歪
を解消した第1の準安定状態になり、また前記リセット
電圧の印加後、それより低い他の所定の値の選択電圧の
印加により、液晶分子が前記初期配向状態から前記一方
の方向とは逆方向(第1の準安定状態でのツイスト配向
方向とは逆の方向)にほぼ180°ねじった角度でツイ
スト配向してスプレイ歪を解消した第2の準安定状態に
なるとともに、前記第1および第2の準安定状態におけ
る液晶分子の配向状態が、表示データに応じて印加され
る駆動電圧の実効値に応じて変化する電界により誘起さ
れた配向状態を有している。
【0025】なお、この実施例では、前記初期配向状態
での液晶分子のねじれ角をほぼ90°としており、した
がって、前記第1の準安定状態は、液晶分子がいずれか
一方の基板の配向処理方向を基準として一方の方向にほ
ぼ270°のねじれ角でツイスト配向する状態であり、
第2の準安定状態は、液晶分子が前記一方の基板の配向
処理方向を基準として前記第1の準安定状態とは逆の方
向にほぼ90°のねじれ角でツイスト配向する状態であ
る。
【0026】図1において、11a,12aは液晶セル
10の両基板11,12の配向処理方向(配向膜15,
16のラビング方向)を示しており、この実施例では、
表側基板11の配向膜15を、液晶表示装置の画面の横
軸xに対し表面側から見て左回りにほぼ45°ずれた方
向であって前記画面の左下から右上に向かう方向に配向
処理し、裏側基板12の配向膜16を、前記横軸xに対
し表面側から見て右回りにほぼ45°ずれた方向であっ
て前記画面の左上から右下に向かう方向に配向処理して
いる。すなわち、両基板11,12の配向処理方向11
a,12aは、互いにほぼ直交する方向である。
【0027】また、この実施例では、上記液晶18とし
て、表面側から見て左回りのツイスト配向性を有するカ
イラル剤を添加したものを用いており、したがって、こ
の液晶セル10の液晶分子は、初期配向状態では、スプ
レイ歪をもって、表面側から見て左回り方向(カイラル
剤による付与されるねじれ方向)にほぼ90°のねじれ
角でツイスト配向している。
【0028】この初期配向状態は、液晶分子が、両基板
11,12の近傍においてそれぞれの配向処理方向11
a,12aに沿って配向するとともに、いずれか一方の
基板の配向処理方向、例えば裏側基板12の配向処理方
向12aを基準として、図1の(a)に破線矢印で示し
た方向、つまりカイラル剤により付与されるねじれ方向
に、ほぼ90°のねじれ角でツイスト配向したスプレイ
配向状態である。
【0029】上記初期配向状態は、実際に表示には使用
しない状態であり、上記液晶セル10は、その各画素部
の液晶分子の配向状態を、上述した第1および第2の準
安定状態に配向させて表示駆動される。
【0030】上記第1の準安定状態と第2の準安定状態
は、前記初期配向状態から液晶分子のねじれ角がほぼ1
80°変化してスプレイ歪を解消した状態であり、前記
裏側基板12の配向処理方向12aを基準として、カイ
ラル剤により付与されるねじれ方向へのねじれ角を+の
角度、前記カイラル剤により付与されるねじれ方向とは
逆方向(カイラル剤によるねじれをほどく方向)へのね
じれ角を−の角度とすると、第1の準安定状態は、初期
配向状態に対してねじれ角が+180°変化したツイス
ト配向状態であり、第2の準安定状態は、初期配向状態
に対してねじれ角が−180°変化したツイスト配向状
態である。
【0031】上記初期配向状態から第1および第2の準
安定状態への配向状態の切換えは、液晶セル10の各画
素部の電極間(走査電極13と信号電極14との間)
に、まず液晶分子が基板11,12面に対してほぼ垂直
に立上がり配向する十分高い電圧値のスプレイ歪解消電
圧を印加し、その後、前記電極間に、所定の値の選択電
圧を印加することによって行なわれる。
【0032】すなわち、スプレイ歪解消電圧の印加によ
り液晶分子を基板11,12面に対してほぼ垂直に立上
がり配向させた後に、前記スプレイ歪解消電圧よりも低
い所定の値の選択電圧(以下、第1準安定状態選択電圧
という)を印加すると、液晶分子が初期配向状態でのね
じれ角にさらにほぼ180°のねじれが加わったねじれ
角(90°+180°=270°)でツイストする状態
に配向してスプレイ歪を解消し、第1の準安定状態にな
る。
【0033】この第1の準安定状態は、液晶分子が、両
基板11,12の近傍においてそれぞれの配向処理方向
11a,12aに沿って配向するとともに、いずれか一
方の基板の配向処理方向、例えば裏側基板12の配向処
理方向12aを基準として、図1の(b)に破線矢印で
示したツイスト方向、つまり表面側から見て左回り方向
(カイラル剤により付与されるねじれ方向)に、ほぼ2
70°のねじれ角でツイスト配向する状態である。
【0034】また、スプレイ歪解消電圧の印加により液
晶分子を基板11,12面に対してほぼ垂直に立上がり
配向させた後に、前記スプレイ歪解消電圧よりも低い所
定の値の選択電圧(以下、第2準安定状態選択電圧とい
う)を印加すると、液晶分子が初期配向状態でのねじれ
角からほぼ180°のねじれを差し引いたねじれ角(9
0°−180°=−90°)でツイストする状態に配向
してスプレイ歪を解消し、第2の準安定状態になる。
【0035】この第2の準安定状態は、液晶分子が、両
基板11,12の近傍においてそれぞれの配向処理方向
11a,12aに沿って配向するとともに、いずれか一
方の基板の配向処理方向、例えば裏側基板12の配向処
理方向12aを基準として、図1の(c)に破線矢印で
示したツイスト方向、つまり表面側から見て右回り方向
(カイラル剤により付与されるねじれ方向とは逆方向)
に、ほぼ90°のねじれ角でツイスト配向した状態であ
る。
【0036】さらに、上記第1の準安定状態と第2の準
安定状態とは、その一方から他方に切換えることが可能
であり、液晶分子がいずれの準安定状態に配向している
状態でも、まず電極13,14間に液晶分子を基板1
1,12面に対してほぼ垂直に立上がり配向する十分高
い電圧値のリセット電圧を印加して前記準安定状態をリ
セットし、その後に上記第1または第2の準安定状態選
択電圧を印加すれば、液晶分子の配向状態を、一方の準
安定状態から他方の準安定状態に切換えることができ
る。
【0037】なお、上記第1準安定状態選択電圧と第2
準安定状態選択電圧は、使用するネマティック液晶の特
性およびカイラル剤の特性と添加量によって決まるが、
第1準安定状態選択電圧はほぼ0V(ほどんど電圧を印
加しない値)であり、第2準安定状態選択電圧はほとん
どの液晶分子が初期配向状態でのプレチルト角と同程度
またはそれに近い傾き角で配向する低い値であり、前記
第1準安定状態選択電圧よりは絶対値が大きい電圧であ
る。
【0038】図3は上記初期配向状態とリセット状態と
第1および第2の準安定状態における液晶分子の配向状
態を液晶セル10の下縁方向(横軸xに対して直交する
方向)から見た模式図であり、18aは液晶分子を示し
ている。
【0039】この模式図のように、上記初期配向状態
(液晶分子が裏側基板12の配向処理方向12aを基準
として表面側から見て左回り方向にほぼ90°のねじれ
角でツイスト配向している状態)は、両基板11,12
の近傍の液晶分子はそれぞれの基板11,12面に対し
てその配向処理方向11a,12aに向かって数度程度
のプレチルト角で斜めに起き上がるように配向している
が、ツイスト配向している液晶分子をそれぞれの分子長
軸が同一平面上にくるように展開して見たときのそれぞ
れの基板11,12側でのプレチルトの傾きが互いに逆
になっている状態であり、したがって液晶分子は、基板
11,12から離れるのにともなってチルト角が小さく
なり、液晶層厚の中間(チルト角が0°になる点)を境
にして基板11,12面に対する傾き方向が逆になった
状態(スプレイ歪をもった状態)のツイスト配向状態に
ある。
【0040】また、上記リセット状態は、両基板11,
12の近傍の液晶分子(図では省略している)は初期配
向状態とほとんど変わらない状態(それぞれの基板1
1,12面に対してその配向処理方向11a,12aに
向かって数度程度のプレチルト角で斜めに起き上がるよ
うに配向している状態)にあるが、基板11,12から
ある程度以上離れているほとんどの液晶分子は基板1
1,12面に対してほぼ垂直に立上がるように配向した
状態である。
【0041】さらに、第1の準安定状態(液晶分子が一
方の方向にほぼ270°のねじれ角でツイスト配向する
状態)は、両基板11,12の近傍の液晶分子の配向状
態は初期配向状態とほとんど変わらないが、液晶分子が
前記初期配向状態よりもさらにほぼ180°ねじれてツ
イスト配向した状態であり、したがって、ツイスト配向
している液晶分子をそれぞれの分子長軸が同一平面上に
くるように展開して見たときの液晶分子18aの傾き方
向は同じ方向であるから、この第1の準安定状態は、ス
プレイ歪の無いツイスト配向状態である。
【0042】また、第2の準安定状態(液晶分子が第1
の準安定状態とは逆方向にほぼ90°のねじれ角でツイ
スト配向する状態)は、両基板11,12の近傍の液晶
分子の配向状態は初期配向状態とほとんど変わらない
が、液晶分子のねじれ角が前記初期配向状態から前記第
1の準安定状態でのツイスト方向とは逆の方向にほぼ1
80°ねじれてツイスト配向した状態であり、したがっ
て、ツイスト配向している液晶分子をそれぞれの分子長
軸が同一平面上にくるように展開して見たときの液晶分
子18aの傾き方向は同じ方向であるから、この第2の
準安定状態も、スプレイ歪の無いツイスト配向状態であ
る。
【0043】上記第1と第2の準安定状態はそれぞれ、
その準安定状態における液晶分子18aのねじれ角を保
持するツイスト配向状態であるが、いずれの準安定状態
においても、液晶分子18aのチルト角、つまり基板1
1,12面に対する立上がり角度は、電極13,14間
に印加される駆動電圧の実効値に応じて変化する(ただ
し、基板11,12の近傍の液晶分子の配向状態はほと
んど変わらない)。
【0044】図3に示した第1および第2の準安定状態
における液晶分子の配向状態のうち、上側に示した配向
状態は、駆動電圧の実効値が比較的小さい値であるとき
の液晶分子の配向状態(第2の書込み状態)を示し、下
側に示した配向状態は、駆動電圧の実効値がある程度高
い値であるときの液晶分子の配向状態(第1の書込み状
態)を示しており、いずれの準安定状態においても、液
晶分子は、その準安定状態におけるツイスト配向状態を
保ちながら、駆動電圧の実効値に応じた液晶分子の電界
誘起により、前記駆動電圧の実効値に応じて立上がり配
向する。
【0045】なお、上記駆動電圧は、その実効値が上記
リセット電圧の電圧値よりも低い範囲で変化する電圧で
あり、上記第1および第2の準安定状態は、駆動電圧の
実効値に応じて液晶分子のチルト角が変化するが、ツイ
スト配向状態はそのまま維持する状態であり、いずれの
準安定状態も、上記リセット電圧の印加により液晶分子
18aを基板11,12面に対してほぼ垂直に立上がり
配向させて準安定状態をリセットするまで保持される。
【0046】すなわち、前記液晶セル10の液晶層は、
一対の基板11,12の電極13,14間に、液晶分子
をその分子長軸が基板11,12面に対してほぼ垂直に
なるように配向させるリセット電圧を印加した後、それ
より低い値の第1の準安定状態選択電圧とこの第1の準
安定状態選択電圧とは異なる第2の準安定状態選択電圧
とのいずれかを選択的に印加することにより、液晶分子
が、所定の状態で配向する第1の準安定状態とこの第1
の準安定状態とは異なる配向状態で配向する第2の準安
定状態とのいずれかに配向し、その第1および第2の準
安定状態それぞれにおける駆動電圧の実効値に応じた液
晶分子の電界誘起により前記液晶分子の配向状態が変化
する特性を有している。
【0047】また、図1において、21a,22aは、
液晶セル10をはさんでその表面側と裏面側とに配置し
た一対の偏光板21,22の透過軸を示しており、この
実施例では、表側偏光板21を、その透過軸21aを液
晶セル10の表側基板11の配向処理方向11aとほぼ
平行な方向またはほぼ直交する方向(図ではほぼ平行な
方向)に向けて配置し、裏側偏光板22を、その透過軸
22aを前記表側偏光板21の透過軸21aに対してほ
ぼ直交する方向に向けて配置している。
【0048】この液晶表示装置は、自然光や室内照明光
等の外光を利用し表面側から入射する光を裏面側に配置
した反射板30で反射させて表示するものであり、その
表示駆動は、駆動系40により液晶セル10を駆動して
行なわれる。
【0049】この駆動系40は、液晶セル10の各画素
行を所定の選択順で選択し、選択した画素行の各画素部
の電極間に、上記リセット電圧と、第1と第2の準安定
状態のいずれかを選択する準安定状態選択電圧と、書込
みデータに応じた書込み電圧を印加するものであり、液
晶セル10の各画素部の液晶の分子は、前記リセット電
圧の印加によりほぼ垂直に立上がるように配向してその
前の書込み状態(準安定状態とその状態での液晶分子の
配向状態)をリセットされ、その後に印加される準安定
状態選択電圧に応じて第1と第2のいずれかの準安定状
態に配向するとともに、その準安定状態において、前記
書込み電圧によって決まる駆動電圧の実効値に応じて配
向状態を変える。
【0050】なお、液晶表示装置の駆動開始前は、液晶
セル10の全ての画素部の液晶分子が上述した初期配向
状態(スプレイ歪をもった配向状態)に配向している
が、表示駆動を開始すると、最初のリセット電圧が印加
されたときに、その電圧をスプレイ歪解消電圧として液
晶分子がほぼ垂直に立上がるように配向し、前記準安定
状態をリセットしたときと同じ状態になる。
【0051】上記液晶表示装置は、液晶セル10の各画
素部の液晶分子を上記第1と第2のいずれかの準安定状
態に配向させ、それぞれの準安定状態における液晶分子
のチルト角を駆動電圧の実効値に応じて変化させて光の
透過状態を制御するものであり、第1の準安定状態を選
択したときは、液晶分子がいずれか一方の基板の配向処
理方向を基準として一方の方向にほぼ270°のねじれ
角でツイスト配向した液晶セルと偏光板とからなる表示
装置の電気光学特性をもち、第2の準安定状態を選択し
たときは、液晶分子が前記一方の基板の配向処理方向を
基準として前記第1の準安定状態とは逆の方向にほぼ9
0°のねじれ角でツイスト配向した液晶セルと偏光板と
からなる表示装置の電気光学特性をもつ。
【0052】すなわち、この液晶表示装置は、液晶セル
の液晶分子の配向状態が異なる2つの表示装置の電気光
学特性を合わせ持ったものであり、したがって、段階的
に制御しようとする透過状態のうちの複数の透過状態の
制御を一方の電気光学特性を利用して行ない、他の複数
の透過状態の制御を他方の電気光学特性を利用して行な
うことができる。
【0053】この場合、上記実施例では、表側偏光板2
1の透過軸21aの方向を液晶セル10の表側基板11
の配向処理方向11aとほぼ平行またはほぼ直交する方
向にし、裏側偏光板22の透過軸22aを、前記表側偏
光板21の透過軸21aに対してほぼ直交する方向に設
定しているため、第1の準安定状態を選択して透過状態
を制御するときも、第2の準安定状態を選択して透過状
態を制御するときも、ツイステッドネマティックモード
(以下、TNモードと記す)による表示を行なうことが
できる。
【0054】すなわち、第1と第2のいずれの準安定状
態においても、表側偏光板21を透過して入射した直線
偏光が、液晶セル10を透過する過程で液晶層の複屈折
作用により液晶分子のツイスト配向状態に応じて旋光さ
れ、その光が裏側偏光板22に入射して、この裏側偏光
板22により透過を制御される。そして、裏側偏光板2
2を透過した光は、反射板30で反射され、前記裏側偏
光板22と液晶セル10と表側偏光板21とを順に透過
して出射する。
【0055】そして、この液晶表示装置では、上記第1
の準安定状態を選択したときの液晶分子の配向状態が、
ねじれ角がほぼ270°と大きいツイスト配向状態であ
るため、液晶層の複屈折作用における旋光分散により旋
光性が各波長光ごとに異なるため、各波長光が異なる透
過率で裏側偏光板22を透過して、この裏側偏光板22
を透過した光が、その光を構成する各波長光の強度の比
に応じた色の着色光になる。
【0056】このように、上記第1の準安定状態を選択
したときのTNモードによる表示は、着色した表示が得
られるカラー表示であり、その表示色は、電極13,1
4間に印加される駆動電圧の実効値に応じて変化する。
【0057】すなわち、液晶分子は、駆動電圧の実効値
に応じて前記準安定状態における配向状態を保ちながら
立上がり配向するが、このように液晶分子の配向状態が
変化すると、それに応じた液晶層の複屈折性の変化に応
じた旋光分散の変化によって各波長の旋光性が変化する
ため、前記駆動電圧の実効値を制御することにより着色
光の色を変化させることができ、したがって、1つの画
素で複数の色を表示することができる。
【0058】なお、上記カラー表示は、液晶セル10の
液晶層の複屈折作用と一対の偏光板21,22の偏光作
用とを利用して光を着色するものであり、したがってカ
ラーフィルタを用いて光を着色するものに比べて光の吸
収が少ないから、反射型の液晶表示装置であっても、表
示光の透過率を高くして明るい着色表示を得ることがで
きる。
【0059】一方、上記第2の準安定状態を選択したと
きの液晶分子の配向状態は、ねじれ角がほぼ90°のツ
イスト配向状態であるため、このときのTNモードによ
る表示は、通常のTN型液晶表示装置の場合と基本的に
同じであり、この実施例の液晶表示装置では、表側偏光
板21と裏側偏光板22とをそれぞれの透過軸21a,
22aを互いにほぼ直交させて配置しているため、液晶
分子のチルト角がプレチルト角に近いときは無彩色の明
表示である白が表示され、液晶分子のチルト角が大きく
なのにともなって光の透過率が少なくなって、最終的に
無彩色の暗表示である黒が表示される。
【0060】この場合は、駆動電圧の実効値に応じて液
晶分子が立上がり配向し、それに応じて液晶層の複屈折
性が変化するため、前記駆動電圧の実効値を制御するこ
とにより光の透過状態を段階的に制御して階調のある白
黒表示を行なうことができる。
【0061】なお、上記初期配向状態、つまり液晶分子
がスプレイ歪をもってほぼ90°のねじれ角でツイスト
配向している状態は、実際の表示には使用しないが、こ
の初期配向状態もTNモードによる白黒表示が得られる
状態である。
【0062】図4および図5は、液晶セル10の両基板
11,12の配向処理方向11a,12aと表裏の偏光
板21,22の透過軸21a,22aを図1に示したよ
うに設定し、液晶セル10のΔnd(液晶の屈折率異方
性Δnと液晶層厚dとの積)の値を約1000nmに選
んだ液晶表示装置の駆動電圧に対する光の出射率と表示
色の変化を示しており、図4の(a),(b)は第1の
準安定状態における電圧−出射率特性図およびCIE色
度図、図5の(a),(b)は第2の準安定状態におけ
る電圧−出射率特性図およびCIE色度図である。な
お、各図の(b)の色度図において、Wは無彩色点を示
している。
【0063】第1の準安定状態での電圧−出射率特性は
図4の(a)のような特性であり、駆動電圧に対する表
示色の変化は、図4の(b)のように、実効値が1.9
5Vの電圧を印加したときで赤、実効値が2.98Vの
電圧を印加したときで青である。
【0064】なお、上記赤のx,yコーデネイト値は、
x=0.353、y=0.350であり、Y値(明る
さ)は28.54である。また、上記青のx,yコーデ
ネイト値は、x=0.274、y=0.296であり、
Y値は11.64である。
【0065】また、第2の準安定状態での電圧−出射率
特性は図5の(a)のような特性であり、駆動電圧に対
する表示色の変化は、図5の(b)のように、実効値が
1.55Vの電圧を印加したときで白、実効値が3.0
7Vの電圧を印加したときで黒である。
【0066】なお、上記白のx,yコーデネイト値は、
x=0.317、y=0.341であり、Y値は34.
41である。また、上記黒のx,yコーデネイト値は、
x=0.271、y=0.290であり、Y値は1.8
3である。
【0067】すなわち、上記液晶表示装置は、第1の準
安定状態を選択して赤と青を表示し、第2の準安定状態
を選択して白と黒を表示するものであり、したがって、
表示の基本である白と黒の表示に加えて、赤と青の2色
のカラー表示を行なうことができる。
【0068】なお、液晶表示装置の電源を切ると、第1
または第2の準安定状態にある液晶分子の配向状態が、
自然放電により数秒〜数分(使用するネマティック液晶
の特性およびカイラル剤の特性と添加量によって異な
る)で初期配向状態に戻り、画面全体が、初期配向状態
における電圧無印加時の状態(上記実施例では白)にな
る。
【0069】そして、上記液晶表示装置は、液晶セルの
液晶分子の配向状態が異なる2つの表示装置の電気光学
特性を合わせ持ったものであって、段階的に制御しよう
とする透過状態のうちの複数の透過状態の制御を一方の
電気光学特性を利用して行ない、他の複数の透過状態の
制御を他方の電気光学特性を利用して行なうことができ
るものであるため、透過状態の全段階数を、前記一方の
電気光学特性を利用するとき、つまり第1の準安定状態
を選択して透過状態を制御するときと、前記他方の電気
光学特性を利用するとき、つまり第2の準安定状態を選
択して透過状態を制御するときとに振り分けることがで
き、そのために、それぞれの準安定状態で駆動される段
階数が少なくなるから、それぞれの準安定状態の中で、
少ない段階数の時分割駆動を行なうことができる。
【0070】このため、上記液晶表示装置によれば、液
晶セル10の駆動デューティに対して動作電圧マージン
を大きくとることができる。すなわち、上述した白と黒
の表示に加えて赤と青の2色のカラー表示を行なう液晶
表示装置の場合は、その駆動電圧の実効値を、第1の準
安定状態を選択して赤と黒を表示するときは1.95V
と2.98Vの2通りに設定し、第2の準安定状態を選
択して青と白を表示するときは1.55Vと3.07V
の2通りに設定すればよく、したがって、それぞれの準
安定状態における2通りの駆動電圧の実効値の差、つま
り動作電圧マージンを、第1の準安定状態で1.03V
(=2.98V−1.95V)、第2の準安定状態で
1.52V(=3.07V−1.55V)と充分に大き
くとることができる。
【0071】したがって、上記液晶表示装置によれば、
液晶セル10が駆動電圧の実効値を制御して駆動される
単純マトリックス方式のものであっても、その駆動デュ
ーティに対して動作電圧マージンを大きくし、高デュー
ティでの時分割駆動を可能とすることができる。
【0072】また、上記液晶表示装置の表示の書換え
は、まず前記リセット電圧の印加により前の液晶分子の
配向状態をリセットし、前記第1または第2の準安定状
態選択電圧の印加によりいずれかの準安定状態を選択し
た後に、次の書込み状態を得るための書込み電圧を印加
することによって行なうが、この液晶表示装置では、液
晶セル10の液晶に、誘電異方性Δεの値が10以上の
液晶材料を用いているため、前記リセット電圧の印加に
よる前の液晶分子の配向状態のリセットを応答性良く行
なわせることができる。
【0073】すなわち、上記液晶表示装置の液晶セル1
0に封入する液晶18として、物性が異なる3種類の液
晶材料を調合し、これらの液晶材料について、上記リセ
ット電圧を印加したときの応答性を調べたところ、次の
表に示すような結果が得られた。
【0074】
【表1】
【0075】この表から分かるように、誘電異方性Δε
の値が6.2または7.4と小さい液晶材料Aまたは液
晶材料Bはリセット応答性が遅いが、誘電異方性Δεの
値が12.7と大きい液晶材料Cはリセット応答性が速
い。
【0076】これらの液晶材料A,B,Cのリセット応
答時間(液晶分子がほぼ垂直に立上がり配向するのに要
する時間)は、液晶材料Aではリセット電圧を50Vと
したときで約4msec、液晶材料Bではリセット電圧
を40Vとしたときで約4msec、液晶材料Cではリ
セット電圧を40Vとしたときで約2msecである。
【0077】このように、前記液晶材料Cは、液晶材料
A,Bに比べてほぼ2倍の速さのリセット応答性を有し
ており、したがって、この液晶材料Cを用いれば、液晶
分子の配向状態をリセットするためのリセット電圧の印
加時間を短くして、準安定状態の切換時間を短縮するこ
とができる。なお、前記リセット電圧の印加後に印加す
る第1または第2の準安定状態選択電圧は極く低い電圧
であるため、前の配向状態をリセットされた液晶分子
は、応答性よく第1または第2の準安定状態に配向す
る。
【0078】このため、上記液晶表示装置によれば、よ
り高デューティでの時分割駆動を可能とし、画素数の多
い高精細画像の表示を実現することができる。なお、上
記表に示した液晶材料Cは誘電異方性Δεの値が12.
7のものであるが、Δεの値が10以上の液晶材料を用
いれば、その配向状態をリセットするためのリセット電
圧の印加時間を十分に短くして、準安定状態の切換時間
を短縮することができる。
【0079】また、上記液晶表示装置は、液晶セル10
の全画素行を複数行ずつのグループに分け、1フレーム
ごとに、1つの画素行グループの各行の画素部のリセッ
トおよび準安定状態の選択と、全ての画素行の画素部の
書込みを行なう駆動方法で表示駆動するのが望ましい。
【0080】この駆動方法によれば、1フレームに確保
するリセットおよび準安定状態選択時間が、1つのグル
ープの各画素行のリセットおよび準安定状態選択に要す
る時間だけでよいため、1フレームを短くして、フレー
ム周波数を高くすることができる。
【0081】また、この駆動方法によれば、準安定状態
を選択された画素行への書込みが、そのグループの残り
の画素行のリセットおよび準安定状態選択が終了し、そ
の後このグループの各画素行への順次書込みが開始され
て前記画素行への書込み期間になったときに行なわれる
ため、グループの中の最初にリセットおよび準安定状態
選択が行なわれる画素行でも、新たな書込みを行なわれ
ないままの状態にある時間は極く短く、したがって画面
のちらつきが発生することはない。
【0082】この駆動方法による場合、画素行のグルー
プ分けは、1グループの画素行数を、高いフレーム周波
数が得られるように選ぶとともに、グループ数を、1画
面分の画像を書換えるのに必要なフレーム数があまり多
くならないように選ぶのが好ましい。
【0083】その例をあげると、単純マトリックス型の
液晶セルには、32行、64行、128行等の画素行数
のものがあるが、例えば、液晶セルの画素行数が64行
である場合は、その画素行を8行ずつのグループに分け
るのが好ましく、1グループの画素行数が8行程度であ
れば、十分に高いフレーム周波数が得られるし、また、
64行を8行ずつのグループに分ければ、8〜9フレー
ム程度で1画面分の画像を書換えるため、画面の切換わ
りも良好である。すなわち、例えばフレーム周波数が1
/30secであるとすると、1画面分の画像を書換え
るのに必要なフレーム数が8〜9フレームであれば、1
秒間に約3〜4画面の書換えを行なえるため、画面の切
換わりを良好にすることができる。
【0084】なお、上記液晶表示装置は、第1の準安定
状態を選択したときの表示色が赤と青になるものである
が、その表示色は、液晶セル10のΔndの値を変える
ことによって任意に選ぶことができる。
【0085】さらに、上記実施例の液晶表示装置は、第
1と第2のいずれの準安定状態を選択したときもTNモ
ードによる表示を行なうものであって、第1の準安定状
態での表示がカラー表示となり、第2の準安定状態での
表示が白黒表示となるものであるが、少なくとも表側偏
光板21の透過軸21aの方向を、液晶セル10の表側
基板11の配向処理方向11aに対して斜めに交差する
方向にすれば、第1と第2の両方の準安定状態における
表示をそれぞれ複屈折効果モードによるカラー表示とす
ることができる。
【0086】また、この液晶表示装置では、その液晶セ
ル10の液晶18に、室温において、粘度が30cp以
上(望ましくは30〜45cpの範囲)、弾性定数比K
33/K11が1.5以上(望ましくは1.5〜2.2の範
囲)の物性を示す液晶材料を用いているため、上述した
第1および第2の準安定状態における液晶分子の配向状
態の安定性が高く、したがって、選択した準安定状態を
確実に維持しながら、その準安定状態での駆動電圧の実
効値により液晶分子の配向状態を変化させて、信頼性の
高い表示動作を行なわせることができる。
【0087】図6はこの発明の第2の実施例による液晶
表示装置の基本構成を示す斜視図であり、(a)は初期
配向状態、(b)は第1の準安定状態、(c)は第2の
準安定状態を示している。
【0088】この実施例の液晶表示装置は、液晶セル1
0の初期配向状態における液晶分子のねじれ角をほぼ3
0°としたもので、その他の構成は上記第1の実施例と
同じであり、液晶セル10に用いた液晶材料も同じであ
る。
【0089】この実施例では、図6に示したように、液
晶セル10の表側基板11の配向処理方向11aを、液
晶表示装置の画面の横軸xに対し表面側から見て左回り
にほぼ15°ずれた方向であって前記画面の左下から右
上に向かう方向にし、裏側基板12の配向処理方向12
aを、前記横軸xに対し表面側から見て右回りにほぼ1
5°ずれた方向であって前記画面の左上から右下に向か
う方向にしている。すなわち、両基板11,12の配向
処理方向11a,12aは、ほぼ30°の角度で互いに
交差する方向である。
【0090】そして、この実施例では、上記液晶セル1
0の液晶に、表面側から見て左回りのツイスト配向性を
有するカイラル剤を添加したものを用いており、したが
って、その液晶分子は、初期配向状態では、スプレイ歪
をもって、表面側から見て左回り方向(カイラル剤によ
る付与されるねじれ方向)にほぼ30°のねじれ角でツ
イスト配向している。
【0091】この初期配向状態は、液晶分子が、両基板
11,12の近傍においてそれぞれの配向処理方向11
a,12aに沿って配向するとともに、いずれか一方の
基板の配向処理方向、例えば裏側基板12の配向処理方
向12aを基準として、図6の(a)に破線矢印で示し
た方向、つまりカイラル剤により付与されるねじれ方向
に、ほぼ30°のねじれ角でツイスト配向したスプレイ
配向状態である。
【0092】また、第1および第2の準安定状態はそれ
ぞれ、初期配向状態から液晶分子のねじれ角がほぼ18
0°変化してスプレイ歪を解消した状態であり、この実
施例では初期配向状態での液晶分子のねじれ角をほぼ3
0°としているため、第1の準安定状態では、液晶分子
がいずれか一方の基板の配向処理方向を基準としてカイ
ラル剤により付与されるねじれ方向にほぼ210°のね
じれ角でツイスト配向し、第2の準安定状態では、液晶
分子が前記一方の基板の配向処理方向を基準として前記
カイラル剤により付与されるねじれ方向とは逆方向にほ
ぼ150°のねじれ角でツイスト配向する。
【0093】すなわち、上記第1の準安定状態は、液晶
分子が、両基板11,12の近傍においてそれぞれの配
向処理方向11a,12aに沿って配向するとともに、
いずれか一方の基板の配向処理方向、例えば裏側基板1
2の配向処理方向12aを基準として、図6の(b)に
破線矢印で示したツイスト方向、つまり表面側から見て
左回り方向(カイラル剤により付与されるねじれ方向)
に、ほぼ210°のねじれ角でツイスト配向した状態で
ある。
【0094】また、第2の準安定状態は、液晶分子が、
両基板11,12の近傍においてそれぞれの配向処理方
向11a,12aに沿って配向するとともに、いずれか
一方の基板の配向処理方向、例えば裏側基板12の配向
処理方向12aを基準として、図6の(c)に破線矢印
で示したツイスト方向、つまり表面側から見て右回り方
向(カイラル剤により付与されるねじれ方向とは逆方
向)に、ほぼ150°のねじれ角でツイスト配向した状
態である。
【0095】上記第1の準安定状態と第2の準安定状態
とは、第1の実施例と同様に、まず液晶分子を基板1
1,12面に対してほぼ垂直に立上がり配向させる値の
リセット電圧を印加して前記準安定状態をリセットし、
その後に第1または第2の準安定状態選択電圧を印加す
ることにより、一方の準安定状態から他方の準安定状態
に切換えられる。
【0096】なお、前記第1準安定状態選択電圧はほぼ
0Vであり、第2準安定状態選択電圧は、ほとんどの液
晶分子が初期配向状態でのプレチルト角と同程度または
それに近い傾き角で配向する低い値である。
【0097】また、この実施例では、表側偏光板21
を、その透過軸21aを画面の横軸xに対し表面側から
見て左回りにほぼ45°ずれた方向に向けて配置し、裏
側偏光板22を、その透過軸22aを前記横軸xに対し
表面側から見て右回りにほぼ45°ずれた方向に向けて
配置しており、したがって、表側偏光板21の透過軸2
1aは、液晶セル10の表側基板11の配向処理方向1
1a(横軸xに対し表面側から見て左回りにほぼ15°
ずれた方向)に対してほぼ30°の交差角で斜めにずれ
た方向にあり、裏側偏光板22の透過軸22aは、前記
表側偏光板21の透過軸21aに対してほぼ直交する方
向にある。
【0098】この実施例の液晶表示装置は、液晶セル1
0の液晶分子の初期配向状態を、一方の基板(ここでは
裏側基板)12の配向処理方向12aを基準として一方
の方向にほぼ30°のねじれ角でツイスト配向するスプ
レイ配向状態としているため、第1の準安定状態を選択
したときは、液晶分子が前記一方の基板12の配向処理
方向12aを基準として一方の方向にほぼ210°のね
じれ角でツイスト配向した液晶セルと偏光板とからなる
表示装置の電気光学特性をもち、第2の準安定状態を選
択したときは、液晶分子が前記一方の基板12の配向処
理方向12aを基準として前記第1の準安定状態とは逆
の方向にほぼ150°のねじれ角でツイスト配向した液
晶セルと偏光板とからなる表示装置の電気光学特性をも
つ。
【0099】また、この実施例では、表側偏光板21の
透過軸21aの方向を、液晶セル10の表側基板11の
配向処理方向11aに対してほぼ30°の交差角で斜め
にずれた方向にし、裏側偏光板22の透過軸22aを、
前記表側偏光板21の透過軸21aに対してほぼ直交す
る方向に設定しているため、第1の準安定状態を選択し
て透過状態を制御するときも、第2の準安定状態を選択
して透過状態を制御するときも、複屈折効果モードによ
るカラー表示を行なうことができる。
【0100】この複屈折効果モードによるカラー表示に
ついて説明すると、上記第1と第2のいずれの準安定状
態においても、表側偏光板21を透過して入射した直線
偏光が、液晶セル10を透過する過程で液晶層の複屈折
作用により各波長光がそれぞれ偏光状態の異なる楕円偏
光となった光となり、その各波長光がそれぞれの偏光状
態に応じた透過率で裏側偏光板22を透過して、この裏
側偏光板22を透過した光が、その光を構成する各波長
光の光強度の比に応じた色の着色光になる。この着色光
は、反射板30で反射され、前記裏側偏光板22と液晶
セル10と表側偏光板21とを順に透過して出射する。
【0101】このように、複屈折効果モードによるカラ
ー表示は、液晶セル10の液晶層の複屈折作用と一対の
偏光板21,22の偏光作用とを利用して光を着色する
ものであり、したがってカラーフィルタを用いて光を着
色するものに比べて光の吸収が少ないから、反射型の液
晶表示装置であっても、光の透過率を高くして明るいカ
ラー表示を得ることができる。
【0102】なお、上記初期配向状態、つまり液晶分子
がスプレイ歪をもってほぼ30°のねじれ角でツイスト
配向している状態は、上述したように実際の表示には使
用しないが、この初期配向状態も、複屈折効果モードに
よる表示が得られる状態である。
【0103】そして、上記液晶表示装置では、上記第1
の準安定状態(液晶分子が一方の方向にほぼ210°の
ねじれ角でツイスト配向する状態)を選択したときと、
第2の準安定状態(液晶分子が第1の準安定状態とは逆
方向にほぼ150°のねじれ角でツイスト配向する状
態)を選択したときとの液晶分子の配向状態が異なり、
それに応じて液晶層が異なる複屈折性を示すため、第1
の準安定状態を選択したときと、第2の準安定状態を選
択したときとで、互いに異なる色を表示することができ
る。
【0104】また、この液晶表示装置では、上記第1と
第2のいずれの準安定状態においても、電極13,14
間に印加される駆動電圧の実効値に応じた液晶分子のチ
ルト角の変化によって液晶層の複屈折性が変化し、それ
に応じて裏側偏光板22に入射する各波長光の偏光状態
が変化するため、前記駆動電圧の実効値を制御すること
によって着色光の色を変化させることができ、したがっ
て、1つの画素部で複数の色を表示することができる。
【0105】図7および図8は、この実施例のように液
晶セル10の初期配向状態での液晶分子のねじれ角をほ
ぼ30°とし、その両基板11,12の配向処理方向1
1a,12aと表裏の偏光板21,22の透過軸21
a,22aの向きとを図6に示したように設定するとと
もに、液晶セル10のΔndの値を約800nmに設定
した液晶表示装置の駆動電圧に対する光の出射率と表示
色の変化を示しており、図7の(a),(b)は第1の
準安定状態における電圧−出射率特性図およびCIE色
度図、図8の(a),(b)は第2の準安定状態におけ
る電圧−出射率特性図およびCIE色度図である。各図
の(b)の色度図において、Wは無彩色点である。
【0106】第1の準安定状態での電圧−出射率特性は
図7の(a)のような特性であり、駆動電圧に対する表
示色の変化は、図7の(b)のように、実効値が1.4
6Vの電圧を印加したときで赤、実効値が2.00Vの
電圧を印加したときで白である。
【0107】なお、前記赤のx,yコーデネイト値はx
=0.432,y=0.391であり、Y値(明るさ)
は20.29である。また、前記白のx,yコーデネイ
ト値はx=0.290,y=0.319であり、Y値は
29.70である。
【0108】さらに、第2の準安定状態での電圧−出射
率特性は図8の(a)のような特性であり、駆動電圧に
対する表示色の変化は、図8の(b)のように、実効値
が1.46Vの電圧を印加したときで赤、実効値が2.
00Vの電圧を印加したときで青である。
【0109】なお、前記赤のx,yコーデネイト値はx
=0.424,y=0.399であり、Y値は21.3
1である。また、前記青のx,yコーデネイト値はx=
0.249,y=0.267であり、Y値は11.32
である。
【0110】すなわち、上記液晶表示装置は、第1の準
安定状態を選択して赤と白を表示し、第2の準安定状態
を選択して赤と青を表示するものであり、したがって、
例えば白の背景中に赤と青で画像を表示するカラー表示
を行なうことができる。
【0111】そして、この実施例の液晶表示装置は、そ
の駆動電圧の実効値を、第1の準安定状態を選択して赤
と白を表示するときも、第2の準安定状態を選択して赤
と青を表示するときも、1.46Vと2.00Vの2通
りに設定すればよく、したがって、それぞれの準安定状
態における2通りの駆動電圧の実効値の差、つまり動作
電圧マージンを、第1および第2のいずれの準安定状態
でも0.54V(=2.00V−1.46V)と充分に
大きくとることができる。
【0112】また、第1の準安定状態を選択して表示す
るときの2通りの実効値と、第2の準安定状態を選択し
て表示するときの2通りの実効値とが同(1.46Vと
2.00V)であるため、表示駆動も容易になる。
【0113】図9はこの発明の第3の実施例による液晶
表示装置の基本構成を示す斜視図であり、(a)は初期
配向状態、(b)は第1の準安定状態、(c)は第2の
準安定状態を示している。
【0114】この実施例の液晶表示装置は、液晶セル1
0の初期配向状態における液晶分子のねじれ角をほぼ7
0°としたもので、その他の構成は上記第1の実施例と
同じであり、また液晶セル10に用いた液晶材料も同じ
である。
【0115】この実施例では、図9に示したように、液
晶セル10の表側基板11の配向処理方向11aを、液
晶表示装置の画面の横軸xに対し表面側から見て左回り
にほぼ35°ずれた方向であって前記画面の左下から右
上に向かう方向にし、裏側基板12の配向処理方向12
aを、前記横軸xに対し表面側から見て右回りにほぼ3
5°ずれた方向であって前記画面の左上から右下に向か
う方向にしている。すなわち、両基板11,12の配向
処理方向11a,12aは、ほぼ70°の角度で互いに
交差する方向である。
【0116】そして、この実施例では、上記液晶セル1
0の液晶に、表面側から見て左回りのツイスト配向性を
有するカイラル剤を添加したものを用いており、したが
って、その液晶分子は、初期配向状態では、スプレイ歪
をもって、表面側から見て左回り方向(カイラル剤によ
る付与されるねじれ方向)にほぼ70°のねじれ角でツ
イスト配向している。
【0117】この初期配向状態は、液晶分子が、両基板
11,12の近傍においてそれぞれの配向処理方向11
a,12aに沿って配向するとともに、いずれか一方の
基板の配向処理方向、例えば裏側基板12の配向処理方
向12aを基準として、図9の(a)に破線矢印で示し
た方向、つまりカイラル剤により付与されるねじれ方向
に、ほぼ70°のねじれ角でツイスト配向したスプレイ
配向状態である。
【0118】また、第1および第2の準安定状態はそれ
ぞれ、初期配向状態から液晶分子のねじれ角がほぼ18
0°変化してスプレイ歪を解消した状態であり、この実
施例では初期配向状態での液晶分子のねじれ角をほぼ7
0°としているため、第1の準安定状態では、液晶分子
がいずれか一方の基板の配向処理方向を基準としてカイ
ラル剤により付与されるねじれ方向にほぼ250°のね
じれ角でツイスト配向し、第2の準安定状態では、液晶
分子が前記一方の基板の配向処理方向を基準として前記
カイラル剤により付与されるねじれ方向とは逆方向にほ
ぼ110°のねじれ角でツイスト配向する。
【0119】すなわち、上記第1の準安定状態は、液晶
分子が、両基板11,12の近傍においてそれぞれの配
向処理方向11a,12aに沿って配向するとともに、
いずれか一方の基板の配向処理方向、例えば裏側基板1
2の配向処理方向12aを基準として、図9の(b)に
破線矢印で示したツイスト方向、つまり表面側から見て
左回り方向(カイラル剤により付与されるねじれ方向)
に、ほぼ250°のねじれ角でツイスト配向した状態で
ある。
【0120】また、第2の準安定状態は、液晶分子が、
両基板11,12の近傍においてそれぞれの配向処理方
向11a,12aに沿って配向するとともに、いずれか
一方の基板の配向処理方向、例えば裏側基板12の配向
処理方向12aを基準として、図9の(c)に破線矢印
で示したツイスト方向、つまり表面側から見て右回り方
向(カイラル剤により付与されるねじれ方向とは逆方
向)に、ほぼ110°のねじれ角でツイスト配向した状
態である。
【0121】上記第1の準安定状態と第2の準安定状態
とは、第1の実施例と同様に、まず液晶分子を基板1
1,12面に対してほぼ垂直に立上がり配向させる電圧
値のリセット電圧を印加して前記準安定状態をリセット
し、その後に第1または第2の準安定状態選択電圧を印
加することにより、一方の準安定状態から他方の準安定
状態に切換えられる。
【0122】なお、前記第1の準安定状態選択電圧はほ
ぼ0Vであり、第2の準安定状態選択電圧はほとんどの
液晶分子が初期配向状態でのプレチルト角と同程度また
はそれに近い傾き角で配向する低い値である。
【0123】また、この実施例では、表側偏光板21
を、その透過軸21aを画面の横軸xに対し表面側から
見て左回りにほぼ45°ずれた方向に向けて配置し、裏
側偏光板22を、その透過軸22aを前記横軸xに対し
表面側から見て右回りにほぼ45°ずれた方向に向けて
配置しており、したがって、表側偏光板21の透過軸2
1aは、液晶セル10の表側基板11の配向処理方向1
1a(横軸xに対し表面側から見て左回りにほぼ35°
ずれた方向)に対してほぼ10°の交差角で斜めにずれ
た方向にあり、裏側偏光板22の透過軸22aは、前記
表側偏光板21の透過軸21aに対してほぼ直交する方
向にある。
【0124】この実施例の液晶表示装置は、液晶セル1
0の液晶分子の初期配向状態を、一方の基板(ここでは
裏側基板)12の配向処理方向12aを基準として一方
の方向にほぼ70°のねじれ角でツイスト配向するスプ
レイ配向状態としているため、第1の準安定状態を選択
したときは、液晶分子が前記一方の基板12の配向処理
方向12aを基準として一方の方向にほぼ250°のね
じれ角でツイスト配向した液晶セルと偏光板とからなる
表示装置の電気光学特性をもち、第2の準安定状態を選
択したときは、液晶分子が前記一方の基板12の配向処
理方向12aを基準として前記第1の準安定状態とは逆
の方向にほぼ110°のねじれ角でツイスト配向した液
晶セルと偏光板とからなる表示装置の電気光学特性をも
つ。
【0125】また、この実施例では、表側偏光板21の
透過軸21aの方向を、液晶セル10の表側基板11の
配向処理方向11aに対してほぼ10°の交差角で斜め
にずれた方向にし、裏側偏光板22の透過軸22aを、
前記表側偏光板21の透過軸21aに対してほぼ直交す
る方向に設定しているため、第1の準安定状態を選択し
て透過状態を制御するときも、第2の準安定状態を選択
して透過状態を制御するときも、複屈折効果モードによ
るカラー表示を行なうことができる。
【0126】そして、この実施例の液晶表示装置では、
上記第1の準安定状態(液晶分子が一方の方向にほぼ2
50°のねじれ角でツイスト配向する状態)を選択した
ときと、第2の準安定状態(液晶分子が第1の準安定状
態とは逆方向にほぼ110°のねじれ角でツイスト配向
する状態)を選択したときとの液晶分子の配向状態が異
なり、それに応じて液晶層が異なる複屈折性を示すた
め、第1の準安定状態を選択したときと、第2の準安定
状態を選択したときとで、互いに異なる色を表示するこ
とができる。
【0127】また、この液晶表示装置では、上記第1と
第2のいずれの準安定状態においても、電極13,14
間に印加される駆動信号の実効値に応じた液晶分子のチ
ルト角の変化によって液晶層の複屈折性が変化し、それ
に応じて裏側偏光板22に入射する各波長光の偏光状態
が変化するため、前記駆動信号の実効値を制御すること
によって着色光の色を変化させることができ、したがっ
て、1つの画素部で複数の色を表示することができる。
【0128】図10および図11は、この実施例のよう
に液晶セル10の初期配向状態での液晶分子のねじれ角
をほぼ70°とし、その両基板11,12の配向処理方
向11a,12aと表裏の偏光板21,22の透過軸2
1a,22aの向きとを図9に示したように設定すると
ともに、液晶セル10のΔndの値を約900nmに設
定した液晶表示装置の駆動電圧に対する光の出射率と表
示色の変化を示しており、図10の(a),(b)は第
1の準安定状態における電圧−出射率特性図およびCI
E色度図、図11の(a),(b)は第2の準安定状態
における電圧−出射率特性図およびCIE色度図であ
る。各図の(b)の色度図において、Wは無彩色点であ
る。
【0129】第1の準安定状態での電圧−出射率特性は
図10の(a)のような特性であり、駆動電圧に対する
表示色の変化は、図10の(b)のように、実効値が
1.53Vの電圧を印加したときで赤、実効値が2.0
3Vの電圧を印加したときでオレンジ色である。
【0130】なお、前記赤のx,yコーデネイト値はx
=0.343,y=0.322、Y値は24.31であ
り、オレンジ色のx,yコーデネイト値はx=0.32
2,y=0.378、Y値は31.98である。
【0131】さらに、第2の準安定状態での電圧−出射
率特性は図11の(a)のような特性であり、駆動電圧
に対する表示色の変化は、図11の(b)のように、実
効値が1.53Vの電圧を印加したときで白、実効値が
2.03Vの電圧を印加したときで青である。
【0132】なお、前記白のx,yコーデネイト値はx
=0.320,y=0.349、Y値は34.36であ
り、青のx,yコーデネイト値はx=0.260,y=
0.278、Y値は9.05である。
【0133】すなわち、上記液晶表示装置は、第1の準
安定状態を選択して赤とオレンジ色を表示し、第2の準
安定状態を選択して白と青を表示するものであり、した
がって、例えば白の背景中に赤とオレンジ色と青で画像
を表示するカラー表示を行なうことができる。
【0134】そして、この実施例の液晶表示装置は、そ
の駆動電圧の実効値を、第1の準安定状態を選択して赤
とオレンジ色を表示するときも、第2の準安定状態を選
択して白と青を表示するときも、1.53Vと2.03
Vの2通りに設定すればよく、したがって、それぞれの
準安定状態における2通りの駆動電圧の実効値の差、つ
まり動作電圧マージンを、第1および第2のいずれの準
安定状態でも0.50V(=2.03V−1.53V)
と充分に大きくとることができる。
【0135】また、第1の準安定状態を選択して表示す
るときの2通りの実効値と、第2の準安定状態を選択し
て表示するときの2通りの実効値とが同(1.53Vと
2.03V)であるため、表示駆動も容易になる。
【0136】上述したように、上記第2および第3の実
施例の液晶表示装置も、第1の実施例のものと同様に、
液晶セルの液晶分子の配向状態が異なる2つの表示装置
の電気光学特性を合わせ持ったものであり、したがって
段階的に制御しようとする透過状態のうちの複数の透過
状態の制御を一方の電気光学特性を利用して行ない、他
の複数の透過状態の制御を他方の電気光学特性を利用し
て行なうことができるから、液晶セル10が単純マトリ
ックス方式のものであっても、その駆動デューティに対
して動作電圧マージンを大きくし、高デューティでの時
分割駆動を可能とすることができる。
【0137】そして、これらの液晶表示装置において
も、その液晶セル10の液晶18に、誘電異方性Δεの
値が10以上のリセット応答性が速い液晶材料を用いれ
ば、リセット電圧の印加により前の液晶分子の配向状態
をリセットし、第1または第2の準安定状態選択電圧の
印加によりいずれかの準安定状態を選択した後に、次の
書込み状態を得るための書込み電圧を印加することによ
って表示駆動に際して、前記リセット電圧の印加時間を
短くし、準安定状態の切換時間を短縮することができる
から、より高デューティでの時分割駆動を可能とし、画
素数の多い高精細画像の表示を実現することができる。
【0138】なお、上記第2の実施例の液晶表示装置
は、第1の準安定状態を選択して赤と白を表示し、第2
の準安定状態を選択して青と黒を表示するものであり、
上記第3の実施例の液晶表示装置は、第1の準安定状態
を選択して赤とオレンジ色を表示し、第2の準安定状態
を選択して白と青を表示するものであるが、その表示色
は、液晶セル10のΔndの値や表裏の偏光板21,2
2の透過軸21a,22aの向きを変えることによって
任意に選ぶことができる。
【0139】また、この発明の液晶表示装置において、
液晶セル10の初期配向状態は、上記第1〜第3の実施
例に限られるものではなく、液晶分子がいずれか一方の
基板の配向処理方向を基準として一方の方向にほぼ0°
〜ほぼ180°のねじれ角で非ツイストまたはツイスト
配向したスプレイ配向状態にあればよい。
【0140】なお、例えば、初期配向状態が、全ての液
晶分子が一方の基板の配向処理方向に沿って配向した、
ねじれ角がほぼ0°の非ツイスト配向状態である場合、
第1の準安定状態は、前記一方の基板の配向処理方向を
基準として一方の方向にほぼ180°のねじれ角でツイ
スト配向してスプレイ歪を解消した状態であり、第2の
準安定状態は、前記一方の基板の配向処理方向を基準と
して前記第1の準安定状態とは反対の方向にほぼ180
°のねじれ角でツイスト配向してスプレイ歪を解消した
状態である。
【0141】また、例えば、初期配向状態が、液晶分子
が一方の基板の配向処理方向を基準として一方の方向に
ほぼ180°のねじれ角で配向したツイスト配向状態で
ある場合、第1の準安定状態は、前記一方の基板の配向
処理方向を基準として一方の方向にほぼ360°のねじ
れ角でツイスト配向してスプレイ歪を解消した状態であ
り、第2の準安定状態は、全ての液晶分子が前記一方の
基板の配向処理方向に沿って非ツイスト配向してスプレ
イ歪を解消した状態である。
【0142】このように液晶セル10の初期配向状態と
第1および第2の準安定状態を選んだ場合も、液晶セル
10をはさんで配置した一対の偏光板21,22のうち
の少なくとも表側偏光板21の透過軸21aの方向を前
記液晶セル10の表側基板11の配向処理方向11aに
対して斜めに交差する方向に設定すれば、第1の準安定
状態を選択して透過状態を制御するときも、第2の準安
定状態を選択して透過状態を制御するときも、複屈折効
果モードによるカラー表示を行なうことができる。
【0143】さらに、上記各実施例の液晶表示装置は、
液晶セル10の液晶層の複屈折作用と一対の偏光板2
1,22の偏光作用とを利用して表示するものである
が、それに加えて、表裏の偏光板21,22のいずれか
一方または両方と液晶セル10との間に位相差板を配置
してもよい。
【0144】この位相差板の付加は、特に、複屈折効果
モードによるカラー表示を行なう液晶表示装置において
効果的であり、この液晶表示装置に位相差板を付加すれ
ば、各波長光が前記位相差板と液晶セル10の液晶層と
の両方の複屈折作用によりそれぞれの偏光状態を大きく
変えて裏側偏光板22に入射するため、裏側偏光板22
を透過する各波長光の透過率の差が大きくなり、したが
って、裏側偏光板22を透過した光が、その光を構成す
る各波長光の強度の差が大きい鮮明な着色光になるし、
また、駆動電圧の実効値に応じた液晶分子の配向状態の
変化にともない、前記各波長光の透過率とその透過率差
が大きく変化して前記着色光の色が変化するため、表示
色数も多くなる。
【0145】なお、上記第1〜第3の実施例の液晶表示
装置はいずれも、その裏面側に反射板30を配置した反
射型のものであるが、この発明は、バックライトからの
光を利用して表示する透過型の液晶表示装置(反射板3
0の無いもの)にも適用することができる。
【0146】さらに、この発明は、偏光板を1枚だけ備
え、液晶セルの表面側に偏光板を配置し、前記液晶セル
の裏面側に反射板を配置した反射型液晶表示装置にも適
用できるものであり、その場合は、液晶セルの裏側基板
の外面に反射板を配置してもよいし、あるいは、前記裏
側基板の内面に設ける電極を金属膜で形成し、この電極
で反射板を兼用してもよい。
【0147】
【発明の効果】この発明の液晶表示装置は、液晶セルの
液晶分子の配向状態が互いに異なる2つの表示装置の電
気光学特性を合わせ持ったものであり、したがって、段
階的に制御しようとする透過状態のうちの複数の透過状
態の制御を一方の電気光学特性を利用して行ない、他の
複数の透過状態の制御を他方の電気光学特性を利用して
行なうことができる。
【0148】このため、この液晶表示装置によれば、透
過状態の全段階数を、前記一方の電気光学特性を利用す
るときと、前記他方の電気光学特性を利用するときとに
振り分けることができ、そのために、それぞれの準安定
状態で駆動される段階数が少なくなるから、それぞれの
準安定状態の中で、少ない段階数の時分割駆動を行なう
ことができる。
【0149】したがって、この液晶表示装置によれば、
駆動電圧の実効値を制御して駆動される単純マトリック
ス方式の液晶セルを用いるものでありながら、その駆動
デューティに対して動作電圧マージンを大きくし、高デ
ューティでの時分割駆動を可能とすることができる。
【0150】また、この液晶表示装置の表示の書換え
は、まず前記リセット電圧の印加により、前の液晶分子
の配向状態をリセットし、前記第1または第2の準安定
状態選択電圧の印加によりいずれかの準安定状態を選択
した後に、次の書込み状態を得るための書込み電圧を印
加することによって行なうが、この発明では、前記液晶
セルの液晶に、誘電異方性Δεの値が10以上の液晶材
料を用いているため、前記リセット電圧の印加による前
の液晶分子の配向状態のリセットを応答性良く行なわせ
ることができる。
【0151】このため、この発明の液晶表示装置によれ
ば、液晶分子の配向状態をリセットするためのリセット
電圧の印加時間を短くし、準安定状態の切換時間を短縮
することができるから、より高デューティでの時分割駆
動を可能とし、画素数の多い高精細画像の表示を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例による液晶表示装置の
基本構成を示す、初期配向状態と第1の準安定状態と第
2の準安定状態の斜視図。
【図2】前記液晶表示装置の断面図。
【図3】前記液晶表示装置の初期配向状態とリセット状
態と第1および第2の準安定状態における液晶分子の配
向状態を示す模式図。
【図4】前記液晶表示装置の第1の準安定状態における
電圧−出射率特性図およびCIE色度図。
【図5】前記液晶表示装置の第2の準安定状態における
電圧−出射率特性図およびCIE色度図。
【図6】この発明の第2の実施例による液晶表示装置の
基本構成を示す、初期配向状態と第1の準安定状態と第
2の準安定状態の斜視図。
【図7】前記液晶表示装置の第1の準安定状態における
電圧−出射率特性図およびCIE色度図。
【図8】前記液晶表示装置の第2の準安定状態における
電圧−出射率特性図およびCIE色度図。
【図9】この発明の第3の実施例による液晶表示装置の
基本構成を示す、初期配向状態と第1の準安定状態と第
2の準安定状態の斜視図。
【図10】前記液晶表示装置の第1の準安定状態におけ
る電圧−出射率特性図およびCIE色度図。
【図11】前記液晶表示装置の第2の準安定状態におけ
る電圧−出射率特性図およびCIE色度図。
【符号の説明】
10…液晶セル 18…液晶 21,22…偏光板 21a,22a…透過軸 30…反射板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに対向する面それぞれに電極が形成さ
    れた一対の基板の間にネマティック液晶層を挟持した液
    晶セルと、この液晶セルの少なくとも表面側に配置され
    た少なくとも一枚の偏光板とを備え、 前記液晶層は、前記一対の基板の電極間に、液晶分子を
    その分子長軸が基板面に対してほぼ垂直になるように配
    向させるリセット電圧を印加した後、それより低い値の
    第1の準安定状態選択電圧とこの第1の準安定状態選択
    電圧とは異なる第2の準安定状態選択電圧とのいずれか
    を選択的に印加することにより、液晶分子が、所定の状
    態で配向する第1の準安定状態とこの第1の準安定状態
    とは異なる配向状態で配向する第2の準安定状態とのい
    ずれかに配向し、その第1および第2の準安定状態それ
    ぞれにおける駆動電圧の実効値に応じた液晶分子の電界
    誘起により前記液晶分子の配向状態が変化する特性を有
    しており、 前記ネマティック液晶は、誘電異方性Δεの値が10以
    上の液晶材料からなっていることを特徴とする液晶表示
    装置。
  2. 【請求項2】前記液晶層は、液晶分子がいずれか一方の
    基板の配向処理方向を基準として一方の方向にほぼ0°
    〜ほぼ180°のねじれ角で非ツイストまたはツイスト
    配向したスプレイ配向の初期配向状態を有し、前記第1
    の準安定状態は、液晶分子が前記初期配向状態から前記
    一方の方向にさらにほぼ180°ねじれて配向してスプ
    レイ歪を解消した配向状態、前記第2の準安定態は、液
    晶分子が前記初期配向状態から前記一方の方向とは逆方
    向にほぼ180°ねじれて配向してスプレイ歪を解消し
    た配向状態であることを特徴とする請求項1に記載の液
    晶表示装置。
JP18246497A 1996-08-13 1997-07-08 液晶表示装置 Expired - Fee Related JP3641907B2 (ja)

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