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JPH11228512A - D−アロイソロイシンの製造方法および製造の中間体 - Google Patents

D−アロイソロイシンの製造方法および製造の中間体

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Publication number
JPH11228512A
JPH11228512A JP3936598A JP3936598A JPH11228512A JP H11228512 A JPH11228512 A JP H11228512A JP 3936598 A JP3936598 A JP 3936598A JP 3936598 A JP3936598 A JP 3936598A JP H11228512 A JPH11228512 A JP H11228512A
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JP
Japan
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alloisoleucine
complex
mixture
isoleucine
tartaric acid
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Application number
JP3936598A
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English (en)
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JP4138928B2 (ja
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Hirobumi Noda
博文 野田
Kenichi Sakai
健一 酒井
Naomichi Murakami
尚道 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamakawa Yakuhin Kogyo KK
Unipres Corp
Original Assignee
Yamakawa Industrial Co Ltd
Yamakawa Yakuhin Kogyo KK
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Publication date
Application filed by Yamakawa Industrial Co Ltd, Yamakawa Yakuhin Kogyo KK filed Critical Yamakawa Industrial Co Ltd
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Priority to US09/251,475 priority patent/US6310242B1/en
Priority to EP99301219A priority patent/EP0937705B1/en
Priority to DE69907540T priority patent/DE69907540T2/de
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 L−イソロイシンとD−アロイソロイシンと
のエピマー混合物を誘導体に変換することなく直接光学
分割することが可能であり、したがって簡単な工程で、
しかも高収率かつ高純度でD−アロイソロイシンを取得
することのできる方法を提供すること。 【解決手段】 L−イソロイシンとD−アロイソロイシ
ンとのエピマー混合溶物に、溶媒中で、式Iで示される
(2S,3S)−酒石酸誘導体を作用させ、 【化5】(式中、Rは水素原子、C1−C3の低級アルキ
ル基、低級アルコキシ基、塩素原子、臭素原子またはニ
トロ基を表し、nは0,1または2である。) 析出するD−アロイソロイシンと式Iで示される化合物
との錯体を溶液から分離し、分離した固体の錯体を分解
してD−アロイソロイシンを単離する。 この分解は、
錯体を低級アルコール、好ましくは少量の水を含む低級
アルコールの中に入れるだけで可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬とくに循環器
系薬(たとえばWO94/28,901)製造の中間体
として有用な、D−アロイソロイシンの製造方法の改良
に関する。 本発明はまた、その製造の過程で中間体と
して生成する新規な錯体をも包含する。
【0002】この明細書の記述においては、酒石酸およ
びその誘導体の立体配置に関してはRS表示法を用い
た。 これは、DL(またはdl)表示では混乱を生じ
やすく、古い時代には同じ異性体を、ある研究者はD体
とし、別の研究者はL体とした例があるからである。
アミノ酸に関しては、このような問題がないので、便宜
的なDL表示によった。
【0003】
【従来の技術】D−アロイソロイシンすなわち式IIの
(2R,3S)−2−アミノ−3−メチルペンタン酸
は、
【0004】
【化2】
【0005】必須アミノ酸の一種であるL−イソロイシ
ンの立体異性体であるが、これまで工業的に実施可能な
製造方法は知られていないため、きわめて高価である上
に、大量に入手することは困難であった。
【0006】既知の製造方法のうち有力なものは2種あ
って、一つはアロイソロイシンのラセミ体を光学分割す
ることであり、いま一つは式IIIのL−イソロイシン
【0007】
【化3】
【0008】をエピメリ化して得られるエピマー混合物
から、D−アロ体を分離することである[たとえば、金
子武夫編『アミノ酸工業−合成と利用』講談社サイエン
ティフィック(1973)p.133 を参照]。 ラセミ体の分
割は、N−アセチル誘導体をキニンを分割剤として実施
できることが知られている[W. A. Huffmann, A. W. In
gersoll,J.Am.Chem.Soc., 73, 3366 (19
51) ]が、この方法ではN−アセチル体に誘導すること
が必要である上に、ラセミ体の入手からして容易ではな
い。
【0009】これに対し、大量に生産されているL−イ
ソロイシンのエピメリ化は、比較的容易に実施できる
[たとえば、田辺製薬の特公昭63−55505号]。
しかし、既知のエピマー混合物の分割方法は、いずれ
もエピマー混合物を誘導体とした上で分割するものであ
って、エピマー混合物をそのまま分割する方法は知られ
ていない。 すなわち、N−フォルミル体をメチルエチ
ルケトンから再結晶する方法[Dow Chemical, Bri
t.704983 (1954)]、エピマー混合物をZ−化ま
たはBoc−化し、光学活性α−フェネチルアミンとの
塩として溶解度差で分離する方法[G. Flouret, S. H.
Nagasawa, J.Org.Chem. 40, 2635 (197
5)]、N−アセチル体を酵素を用いて不斉加水分解する
ことによりL−イソロイシンを除去し、残ったN−アセ
チル−D−アロイソロイシンを取得する方法[P. Lloyd
-Williams et al., J.Chem.Soc., Perkin T
rans. I, vol. 1994, 1969]などが報告されているが、
これらの方法によるときは、いずれにしても分割生成物
が誘導体として得られるのであって、所望の光学活性体
に至るまでには、さらに置換基の除去などの工程を必要
とし、煩雑で、実用的な製造方法とはいえない。
【0010】一方、アミノ酸の光学分割はよく研究され
ているが、N−アシル体またはエステルなどの誘導体に
して分割することが多く、そのままで光学分割剤とのジ
アステレオマー塩として分割する例は少ない。 光学分
割剤としては、酸性の強いスルフォン酸類、酒石酸ある
いはマンデル酸を使用する例がいくつか知られている
が、ロイシン、イソロイシンなどの中性脂肪族アミノ酸
での成功例はない。
【0011】中性アミノ酸すなわちアミノ基とカルボキ
シル基以外の官能基をもたないアミノ酸をそのエステル
に誘導して、ジベンゾイル酒石酸またはその置換誘導体
を分割剤として光学分割した例は、いくつか知られてい
る。 たとえば、アラニンのベンジルエステルは(2
R,3R)−ジベンゾイル酒石酸によって分割され、D
−アラニンとの塩が難溶性塩として析出する[W. Lange
nbeck, O. Herbst, Chem.Ber., 86, 1524(195
3)]。 ロイシンのエチルエステルでは、これと同様
に、L−エステルと(2R,3R)−ジベンゾイル酒石
酸との塩が析出する[W. Langenbeck, G. Zimmermann,
Chem.Ber., 84,524(1951); G. Losse, H.Jesc
hkeit, Chem.Ber., 90,1275(1957)]。 保護
基を与えてないアミノ酸類を、光学分割剤としてジベン
ゾイル酒石酸を用いて分割した例としては、リジンの分
割[F. J. Kearley, A. W. Ingersoll, J.Am.Ch
em.Soc., 73, 5783(1951)]とアスパラギンの分
割[E. Fogassy, M. Acs, J. Gressay, Periodi
ca Polytechnica, 20,179 (1976)]が報
告されている。 しかし、アラニン、バリン、ロイシ
ン、イソロイシンなどの中性脂肪族アミノ酸をエステル
に誘導せず直接、ジベンゾイル酒石酸またはその置換誘
導体によって光学分割することは試みられていなかっ
た。
【0012】発明者らは、L−イソロイシンをエピメリ
化して得られるエピマー混合物の光学分割によってD−
アロイソロシンを製造する方法の改良を意図して研究
し、エピマー混合物を誘導体に変えることなくそのまま
光学分割する方法を探索した結果、驚くべきことに、式
Iで表される(2S,3S)−酒石酸のO,O’−ジア
ロイルエステル類が、水、またはメタノール、エタノー
ルなどの低級アルコール類、またはそれらの混合溶液中
で、D−アロイソロイシンと難溶性の錯体をつくって析
出し、L−イソロイシンと容易に分離できることを見出
した。
【0013】
【化4】
【0014】式Iで表される化合物のL−イソロイシン
との錯体は、D−アロイソロイシンとの錯体に比べて溶
解度が著しく高く、したがって光学純度の高いD−アロ
イソロイシンとの錯体を固液分離によって取得し、ほぼ
定量的といってもよいくらいの収率で単離することがで
きる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した発明者らの新しい知見を活用し、L−イソロイシン
とD−アロイソロイシンとのエピマー混合物を誘導体に
変換することなく直接光学分割することが可能であり、
したがって簡単な工程で、しかも高収率かつ高純度でD
−アロイソロイシンを取得することのできる方法を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のD−アロイソロ
イシンの製造方法は、L−イソロイシンとD−アロイソ
ロイシンとのエピマー混合物に、溶媒中で、式Iで示さ
れる(2S,3S)−酒石酸誘導体を作用させ、
【0017】
【化5】
【0018】(式中、Rは水素原子、C1−C3の低級ア
ルキル基、低級アルコキシ基、塩素原子、臭素原子また
はニトロ基を表し、nは0,1または2である。) 析出するD−アロイソロイシンと式Iで示される化合物
との錯体を溶液から分離し、分離した固体の錯体を分解
してD−アロイソロイシンを単離することからなる。
【0019】上記した、本発明のD−アロイソロイシン
の製造に際して生成する中間体である、式Iの化合物と
D−アロイソロイシンとの錯体もまた、本発明の一部を
構成する。
【0020】得られた式Iの化合物とD−アロイソロイ
シンとの錯体は、メタノール、エタノールなどの低級ア
ルコールに加えるだけで、分割剤である酒石酸−O,
O’−ジアロイルエステルを分離することが可能であっ
て、この操作により高純度のD−アロイソロイシンが結
晶として析出するから、簡単な精製操作によって純品と
することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の方法において出発原料と
して使用するL−イソロイシンとD−アロイソロイシン
とからなるエピマー混合物は、工業的に入手可能なL−
イソロイシンを常法により異性化することによって得ら
れる。 イソロイシンにはアミノ基が結合している2−
位とメチル基が結合している3−位と、2個の不斉炭素
原子が存在するが、3−位の不斉炭素原子は通常の条件
ではまったく異性化せず、2−位の不斉炭素原子だけが
異性化して、D−アロイソロイシンとのエピマー混合物
が生成する。 この異性化すなわちエピメリ化には、光
学活性アミノ酸類をラセミ化するときに常用される、す
べての方法が採用できる。 具体的には、酸または塩基
触媒と混合して加熱すること、中性で必要に応じて加圧
を行い加熱すること、などである。 イソロイシンの異
性化は比較的遅いので、サリチルアルデヒドなどのアル
デヒドの存在下に加熱して、シッフ塩基を経由して異性
化する方法が実用的である。
【0022】このような異性化すなわちエピメリ化はす
でに報告されており(前掲特公昭63−55505
号)、イソロイシンを氷酢酸中で触媒量のサリチルアル
デヒドと100℃に1時間加熱すると、93%のエピメ
リ化が起こるという(同じ反応条件下でもアルデヒドが
存在しないと、エピメリ化率は4%に過ぎない)。 こ
の方法の難点は、エピメリ化により得られる反応液から
エピマー混合物を分離するのが困難なことにある。 こ
の問題の解決策として、発明者らは、エピメリ化反応を
行なう溶媒として、芳香族炭化水素または水に対する溶
解度が比較的低い不活性溶剤を用いるとよいことを見出
した。 このような溶媒を使用し、反応後に冷却して晶
出するアミノ酸混合物を濾別すれば、溶剤で洗浄するだ
けで高純度のエピマー混合物を良好な収率で取得するこ
とができる。
【0023】分割剤として使用する、式Iで表した(2
S,3S)−酒石酸のO,O’−ジアロイルエステルの
具体例は、ジベンゾイル酒石酸、ジ(p−トルオイル)
ベンゾイル酒石酸、ジ(3,4−ジメチルベンゾイル)
酒石酸、ジ(2−クロロベンゾイル)酒石酸などであ
る。 これらの化合物は、常法にしたがって(2S,3
S)−酒石酸を対応する安息香酸または置換安息香酸の
塩化物または無水物とともに加熱し、生成するジアロイ
ル酒石酸無水物を加水分解することによって、容易に合
成することができる[C. L. Butler, L. H. Cretcher,
J.Am.Chem.Soc., 55, 2605(1933);東
レ,特開平7−138206号]。 これらの酒石酸誘
導体のうち、とくに有用なものは、工業的に入手が容易
なジベンゾイル体(R=H,以下「DBTA」と略称す
る)および(p−トルオイル)体(R=p−Me,n=
1,以下「DTTA」と略称する)である。
【0024】エピマー混合物に対する分割剤である酒石
酸誘導体の使用量は、モル比にして0.1ないし0.7
の範囲から選ぶ。 これは、後に述べるように、D−ア
ロイソロイシンは(2S,3S)−酒石酸のO,O’−
ジアロイルエステル類と1:1の錯体を形成するからで
ある。 酒石酸誘導体のモル比が低ければ、晶出する錯
体の量が減少して収率が低下する。 一方、モル比が
0.6を超えると、酒石酸誘導体とL−イソロイシンと
の錯体が晶出しやすくなり、その結果、得られるD−ア
ロイソロイシンの光学純度が低下する。 このようなわ
けで、分割剤の使用量の好ましい範囲は、エピマー混合
物に対するモル比にして0.3〜0.5、さらに好まし
くは0.4〜0.5である。 この条件で晶出する錯体
中のD−アロイソロイシンの光学純度は90%de以上
であって、97〜98%deに達することもある。
【0025】錯体の晶出に当たっては、分割剤である酒
石酸誘導体に加えて、アキラルな酸を系に添加すると、
さらに好ましい結果が得られる。 エピマー混合物に対
してモル比0.05〜0.7、好ましくは0.4〜0.
6のアキラル酸を添加することによって、晶出するD−
アロイソロイシンと酒石酸誘導体との錯体の光学純度が
向上し、かつ、必要な溶媒の量を大幅に減らすことがで
きる。 アキラルな酸としては、塩酸、硫酸、リン酸な
どの無機酸およびギ酸、酢酸、プロピオン酸などの有機
酸が使用できる。 無機酸とくに塩酸が好ましい。
【0026】光学活性な酸またはアミン類を分割剤とし
て使用しジアステレオマー塩を形成させる光学分割にお
いて、ラセミ体と当量の分割剤を使用せず、当量より少
ない量の分割剤と、不足分を埋め合わせて全体を中和す
る量のアキラルな酸または塩基を使用することは広く行
なわれており、Pope and Peachey 法と呼ばれている
[J.Chem.Soc., 75,1066 (1899)]。 本発
明のこの態様も、外見上はその一例と理解されそうであ
るが、アミノ酸エピマー1モルと二塩基酸である酒石酸
誘導体1モルとが結合して難溶性の錯体を形成し、この
錯体自体が酸性であって中和されていないところへ、さ
らに余分な酸を加えるのであるから、単純に既知の方法
と同一視することはできない。
【0027】錯体形成の媒体としては、水、低級アルコ
ールまたはそれらの混合物が、好適に使用できる。 低
級アルコールの例としては、メタノール、エタノール、
1−および2−プロパノールが挙げられる。 水だけを
溶媒として用いても、錯体の収率およびD−アロイソロ
イシンの光学純度に関する限り良好な結果が得られる
が、比較的大量の溶媒を必要とする。 この点で、水に
若干のメタノールを加えた混合溶媒を用いると、溶媒量
を2/3から1/2まで減らすことができて、効率の点
で有利である。 水−メタノール系溶媒を使用して生成
した錯体は、結晶の濾過が容易であるという点でも好都
合である。 メタノールは、混合溶媒中10〜30重量
%を占める量が適当である。 10%に満たない少量で
は、溶媒使用量が少なくて済むという効果が乏しいし、
30%を超える大量になると、錯体の収率が低下する。
【0028】エピマー混合物、酒石酸誘導体および溶媒
の混合、さらにアキラル酸を添加する場合はその混合も
含めて、錯体を形成する系の準備は、任意の順序で行な
うことができるが、分割剤である酒石酸誘導体は水に対
する溶解度が低く、かつ強酸性では加水分解されやす
い。 そこで、まずエピマー混合物を溶媒に入れ、添加
する場合はアキラル酸の一部をここで加えて溶解して置
き、これに分割剤を、直接、または好ましくは低級アル
コールの溶液とした上で加え、全体を混合してから、残
りのアキラル酸を加えて所定の組成とすることが好まし
い。 このとき、均一な溶液を形成する必要はなく、固
体が一部懸濁した状態であっても差し支えない。
【0029】このようにして用意した組成物(溶液また
は懸濁液)を、よく撹拌する。 このとき加熱すること
が、高品質のものを安定して得る上で好ましい。 加熱
したのちは徐冷して、室温またはそれ以下の温度とし、
錯体を十分に晶出させる。濾過・遠心分離などの方法に
よって結晶を分離取得する。
【0030】この錯体は、後記する実施データに示すよ
うに、元素分析および 1H−NMRスペクトルから、ア
ミノ酸と分割剤とが1:1の比で含まれている。 水分
の分析値(Karl-Fischer法による)から、分割剤の種類
によってはアミノ酸に対し1〜2個の水分子が結合して
いることもわかった。 すなわち、分割剤として非置換
のDBTAを使用すると無水の錯体が得られ、p−メチ
ル基で置換されたDTTAを使用すると、1〜2分子の
水が結合している。
【0031】錯体中のD−アロイソロイシンと酒石酸誘
導体との結合の様式は、アルコール中で容易に分解する
ことからみて、通常のジアステレオマー塩のそれよりも
弱いと解される。 Fogassy らは、脂環式アミン類とD
BTAとのジアステレオマー塩について研究し、その結
合が典型的なイオン結合か、それとも水素結合などの緩
やかな結合であるのかを、赤外吸収スペクトルにより判
定することを提唱している[Tetrahedron,
52(5), 1637-42(1996)]。 それによれば、イオン結合
が存在する場合はイオン化したアミノ基の吸収が3400〜
2500cm-1に、またカルボキシル基の吸収が1610〜30cm-1
および1320〜80cm-1に現れるのに対し、イオン結合がな
い場合は3400cm-1付近にアミノ基の吸収が、また1720cm
-1付近にカルボキシル基の強い吸収が現れる。
【0032】本発明の錯体は、Fogassy らが研究した脂
環式アミン類との錯体ではなくアミノ酸との錯体であ
り、アミノ酸自身がカルボキシル基をもち、分子内塩を
形成している可能性があり、錯体の結合様式を赤外吸収
スペクトルに基づいて判定することは困難である。 本
発明の錯体においては、アミノ基1個に対しカルボキシ
ル基が3個もあり、イオン的にはまったく中和されない
組成である。 このことと、錯体をアルコールに入れる
と簡単に分解することから、イオン結合で強く結ばれた
塩ではなく、水素結合などで弱く結ばれた錯体である可
能性が高い。
【0033】錯体分離後の母液にはL−イソロイシンが
溶解しているので、これを回収して前述の方法でエピメ
リ化し、再使用する。 具体的には、溶媒にアルコール
を加えた場合は加熱してアルコール分を蒸発除去したの
ち、酸性にして適宜の有機溶剤で抽出し、水に対し難溶
性の分割剤すなわち酒石酸誘導体を分離する。 残った
水溶液を等電点まで中和することにより、イソロイシン
が晶出する。
【0034】前述のようにして分離した錯体の結晶から
目的とする光学活性D−アロイソロイシンを取得するに
は、常法に従うとすれば、錯体を酸性水溶液に入れてア
ミノ酸を溶解し、水に対し難溶性の酒石酸誘導体を水と
混和しない有機溶剤で抽出分離したのち、アミノ酸の酸
性水溶液を中和してpHが等電点になるようにし、晶出
するD−アロイソロイシンを固液分離することになる。
分割剤の溶媒抽出に次ぐアミノ酸の分離には、イオン
交換を利用することもできる。
【0035】ところが、本発明の錯体は、上述したよう
に分解しやすい物質であって、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノールのような極性の強い溶剤に加える
という簡単な操作で、分割剤の酒石酸誘導体が溶解し、
D−アロイソロイシンが晶出しておのずから分離すると
いう好都合な性質を示す。 この分離を確実に行なうた
めには、アルコールによく溶けるトリエチルアミンなど
の塩基を、アミノ酸に対し1〜2当量添加するとよい。
より効果的な方法は、アルコールに水を2〜20%含
有させた溶剤を使用することである。 約10%の水を
含むイソプロパノールを使用したとき、分割剤である酒
石酸誘導体をほとんど含まない、光学純度の高いD−ア
ロイソロイシンを、錯体に対し90%以上の回収率で単
離できることがわかった。 このようにして得られるア
ミノ酸の光学純度は錯体中のアミノ酸のそれより高く、
分解−晶出の操作それ自体に精製効果が認められる。
【0036】錯体を分解するための溶剤としては、上記
の低級アルコール以外にも、酢酸メチル、酢酸エチルの
ようなエステル類、アセトン、メチルエチルケトンのよ
うなケトン類など、極性の大きい溶剤を使用することが
できる。 いずれも、水を5〜10%添加して使用する
ことが好ましい。
【0037】錯体を分解して晶出するアミノ酸を分離し
た後の母液には、分割剤である酒石酸誘導体が、少量の
アミノ酸とともに溶解している。 この母液を濃縮して
溶剤を蒸発除去すれば、分割剤が固体として残る。 こ
れはそのまま、または必要により精製した後、次の錯体
生成サイクルに使用することができる。
【0038】
【実施例】以下の実施例におけるエピマー混合物および
D−アロイソロイシンの光学純度の測定は、HPLCに
より、下記の条件で行なった: カラム: ダイセル Chiralpak MA(+) 0.46φx5cm 移動相: 2mmol CuSO4+MeOH (85:15) 流 量: 0.5mL/min. カラム温度:30℃ 検出器: 日本分光UV−975 波長254nm。
【0039】[原料製造例]反応容器にL−イソロイシ
ン60.0g(0.45mol)、トルエン300mL、氷
酢酸110.0g(1.8mol)、サリチルアルデヒド
11.2g(0.09mol)を装入し、撹拌しながら、
還流下(104℃)に3時間加熱した。 室温まで冷却
し、析出した固体を濾過分離して、トルエン30mLずつ
で3回洗浄したのち乾燥して、54.0gのエピマー混
合物を得た。
【0040】出発原料のL−イソロイシンに対する収率
90%、HPLCによるエピマー組成(L−イソロイシ
ン:D−アロイソロイシン)は49:51ないし51:
49であって、完全にエピメリ化していた。
【0041】[実施例1]原料製造例で製造したエピマ
ー混合物5g(38.1mmol)を、反応容器中の水90
mLに懸濁させた。 これに(2S,3S)−DBTA
6.83g(19.1mmol)を加え、70℃まで加熱し
て、撹拌しながら1時間保持した。 反応の結果生じた
スラリーを放置して冷却するにまかせ、25℃において
固液分離して、固体を水10mLずつで2回洗浄した。
D−アロイソロイシンと(2S,3S)−DBTAとの
1:1錯体7.77gを、白色結晶として得た。 収率
(エピマー混合物基準)は41.7%、光学純度は9
5.6%deであった。
【0042】この錯体の分析結果を下に示す: 融点: 175.5〜176.5℃ IR KBrペレット(cm-1): 3156, 2972, 2942,
2882, 1733(S),1692(S), 1601(m), 1528(m), 1320, 126
6(S), 1118(S), 719(S)1 H−NMR (270MHz,MeOH-d4) δ:0.97(t,
3H,J=4.0Hz);1.00(t,3H,J=4.0
Hz); 1.24−1.40(m,1H);1.43−
1.59(m,1H); 2.01−2.14(m,1
H);3.71(d,1H,J=3.5Hz); 4.90
(s,7.5H);5.94(s,2H); 7.50
(t,4H);7.64(m,2H); 8.1(m,
4H). 元素分析値: 測定値 C 59.0% H 5.6% N 3.1% 計算値(C2427NO10) C 58.9% H 5.6% N 2.9% 水分(Karl-Fischer法):0.53%(1水和物 計算
値3.55%)。
【0043】2−プロパノール27mLと水3mLとの混合
液を用意し、これに上記の錯体3gを加えた。 加熱し
て1時間還流させたのち冷却し、25℃において固液分
離して、得られた固体を2−プロパノール4mLで3回洗
浄した。 D−アロイソロイシン0.71gを白色結晶
として得た。 収率は88.3%(錯体基準)、光学純
度(HPLC)は100%deであった。
【0044】[実施例2]原料製造例で製造したエピマ
ー混合物5g(38.1mmol)を、反応容器中の水49
mLに懸濁させ、35%塩酸1.98g(19.1mmol)
加えた。 次に、実施例1と同様に、(2S,3S)−
DBTA6.83g(19.1mmol)を加えて70℃ま
で加熱し、撹拌しながら1時間保持した。 以下、実施
例1と同様に処理して、D−アロイソロイシンと(2
S,3S)−DBTAとの1:1錯体8.21gを、白
色結晶として得た。 収率(エピマー混合物基準)は4
4.0%、光学純度は96.2%deであった。
【0045】2−プロパノール72mLと水8mLとの混合
液に上記の錯体8.0gを加えて、実施例1と同様に、
錯体の分解を行なった。 得られたD−アロイソロイシ
ンは1.90g、その収率は88.4%(錯体基準)、
光学純度(HPLC)は100%deであった。
【0046】[実施例3]原料製造例で製造したエピマ
ー混合物5g(38.1mmol)を、反応容器中の水75
mLに懸濁させ、これに、メタノール10mLに(2S,3
S)−DBTA6.83g(19.1mmol)を溶解した
溶液を滴下して加えたのち70℃まで加熱し、撹拌しな
がら1時間保持した。 以下、実施例1と同様に処理し
て、錯体7.39gを得た。 収率(エピマー混合物基
準)は39.6%、光学純度は95.6%deであっ
た。
【0047】[実施例4]原料製造例で製造したエピマ
ー混合物5g(38.1mmol)を反応容器中の水40mL
に懸濁させ、実施例2と同様に、35%塩酸1.98g
(19.1mmol)加えた。 これに、(2S,3S)−
DBTA6.83g(19.1mmol)をメタノール10
mLに溶解した液を滴下して加え、70℃まで加熱し、撹
拌しながら1時間保持した。 放冷後、25℃において
さらに1時間撹拌したのち固液分離し、水10mLで洗浄
した。 得られた錯体は8.47gであり、その収率
(エピマー混合物基準)は45.4%、光学純度は9
5.4%deであった。
【0048】[実施例5]原料製造例に示した方法によ
り製造したエピマー混合物50g(380mmol)を、反
応容器中の水360mLに懸濁させ、35%塩酸8.0g
(77mmol)を加えて撹拌し、スラリーとした。 次
に、(2S,3S)−DBTA61.3g(171mmo
l)をメタノール100mLと水80mLとの混合物に溶解
した液を滴下した。 さらに、35%塩酸11.9g
(114mmol)を水50mLで希釈して加えたのち、70
℃まで加熱し、この温度に1時間保持した。 反応液を
放冷し、25℃で1時間撹拌したのち、固液分離した。
固体を水100mLで2回洗浄し、乾燥して得られた錯
体は、84.7gであった。 収率(エピマー混合物基
準)は45.5%、光学純度は94.8%deであっ
た。
【0049】錯体を濾過分離した母液および洗浄液をあ
わせ、メタノールを留去して濃縮したのち、濃縮液をメ
チル−t−ブチルエーテル200mLで抽出して、分割剤
を除去した。 残った水溶液をさらに濃縮し、等電点
(pH5.94)に中和して、晶出するイソロイシンを
回収した。
【0050】上述のようにして得た錯体80.0g(1
63mmol)を、2−プロパノール720mLと水80mLと
の混合液に入れ、還流下に1時間加熱したのち、冷却し
て25℃で固液分離した。 2−プロパノール80mLで
3回洗浄し、乾燥して、D−アロイソロイシンを白色結
晶として得た。 収量19.0g、収率(錯体基準)8
9.0%、光学純度99.9%deであった。
【0051】D−アロイソロイシンを分離した濾液と洗
浄液とを合せ、2−プロパノールを留去して濃縮し、残
った液に、メタノール100mLを加えて溶液とした。
この溶液には、(2S,3S)−DBTAが約58gと
イソロイシン少量とが含まれていて、次の光学分割サイ
クルに使用することができた。
【0052】[実施例6]原料製造例で製造したエピマ
ー混合物5g(38.1mmol)を、実施例1と同様に、
反応容器中の水90mLに懸濁させた。 これに、(2
S,3S)−DTTA7.36g(19.0mmol)を加
え、70℃まで加熱して、撹拌しながら1時間保持し
た。反応の結果生じたスラリーを放置して冷却するにま
かせ、25℃において固液分離して、固体を水10mLず
つで2回洗浄した。 得られた白色結晶は9.2gであ
り、下記の分析データから、D−アロイソロイシン:
(2S,3S)−DTTA:水の1:1:1〜2の錯体
と考えられる。 収率(エピマー混合物基準)は44.
3%、光学純度は94.8%deであった。
【0053】この錯体の分析データを下に示す。 この
結果から、アミノ酸とDTTAとの比は1:1であるこ
とがわかる。 水分分析値と元素分析との結果が一致し
ないが、1分子または2分子の水が結合していると推定
される。
【0054】融点: 157〜161℃ IR KBrペレット(cm-1): 3526, 2966, 2924,
1717(S), 1609(S),1546(m), 1259(S), 1176, 1123, 110
8(S), 755(S).1 H−NMR (270MHz,MeOH-d4) δ:0.97(t,
3H,J=4.0Hz);1.00(t,3H,J=4.0
Hz); 1.26−1.40(m,1H);1.43−
1.58(m,1H); 2.03−2.13(m,1
H);2.42(s,6H); 3.70(d,1H,J
=3.5MHz);4.89(s,11H); 5.91
(s,2H);7.31(d,4H); 8.03
(d,4H). 元素分析値: 測定値 C 58.9% H 6.1% N 2.8% 計算値 (C2631NO10・H2O) C 58.3% H 6.2% N 2.6% (C2631NO10・2H2O) C 56.4% H 6.4% N 2.5% 水分(Karl-Fischer法): 6.47%(2水和物 計
算値6.51%)。
【0055】上記の錯体8.0gをメタノール80mLに
加え、トリエチルアミン1.6gを添加して、還流下に
1時間加熱した。 冷却し、25℃において固液分離し
て、得られた固体をメタノール2mLで洗浄した。 得ら
れた白色結晶(D−アロイソロイシン)は1.48gで
あり、収率は76.8%(錯体基準)、光学純度(HP
LC)は99.4%deであった。
【0056】
【発明の効果】前述のように、既知のD−アロイソロイ
シンの製造方法は、ラセミ体またはL−イソロイシンと
D−アロイソロイシンとのエピマー混合物をN−アシル
誘導体に導き、分割剤を用いた光学分割−加水分解を行
なうか、または酵素による不斉加水分解という、煩雑な
工程を経なければならなかった。
【0057】これに対し、本発明の方法によれば、L−
イソロイシンを出発原料とし、そのエピメリ化と酒石酸
誘導体との錯体の形成および形成された錯体の分解とい
う、比較的簡単な操作によって、高い光学純度をもった
D−アロイソロイシンを、高い収率で工業的に製造する
ことができる。 アミノ酸類の光学分割において、この
ようにアミノ基またはカルボキシル基を保護することな
く、そのまま分割剤で光学分割することのできる例は、
きわめて限られている。 とくに、DBTAやDTTA
のような酒石酸誘導体を分割剤として直接分割を行なっ
た例は、アスパラギン、リジンの2例しか報告されてい
ない。 アラニン、バリン、ロイシンなどの中性脂肪族
アミノ酸の直接分割は、酒石酸誘導体に限らず、他の分
割剤を用いた例も知られていない。 このような状況の
もとで、L−イソロイシンとD−アロイソロイシンとの
エピマー混合物の直接分割を可能にした本発明は、画期
的なものといえる。
【0058】L−イソロイシンは大量に製造されている
から、容易に、かつ安価に入手することができる。 分
割剤とするジアロイル−(2S,3S)−酒石酸もまた
入手容易であり、その使用量はエピマー混合物に対しモ
ル比0.5前後の少量で足りる上、錯体から高い回収率
で回収でき、再使用可能である。
【0059】好ましい態様にあっては、錯体の製造に当
たって、分割剤とともに少量の無機酸または有機酸とく
に無機酸を添加することにより、溶媒の使用量を大幅に
減らすことができ、生産性を著しく向上させることがで
きる。
【0060】錯体の分解は、低級アルコール、好ましく
は適量の水を加えた低級アルコールに錯体を加えるだけ
で、きわめて容易に実現し、目的とするD−アロイソロ
イシンを高収率で分離することができる。
【0061】エピマー混合物からD−アロイソロイシン
を分離した後に残るL−イソロイシンは、再びエピメリ
化して、原料として再度使用することができ、原料の有
効な利用ができる。
【0062】このように、本発明は初めてD−アロイソ
ロイシンの工業的な生産を実現したものであって、これ
により、種々の医薬品、農薬などの生理活性物質をはじ
めとする、光学活性な機能性材料の利用の途が開かれ
た。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L−イソロイシンとD−アロイソロイシ
    ンとのエピマー混合物に、溶媒中で、式Iで示される
    (2S,3S)−酒石酸誘導体を光学分割剤として作用
    させ、 【化1】 (式中、Rは水素原子、C1−C3の低級アルキル基、低
    級アルコキシ基、塩素原子、臭素原子またはニトロ基を
    表し、nは0,1または2である。) 生成したD−アロイソロイシンと式Iで示される化合物
    との錯体を析出させ、溶液から分離し、分離した固体の
    錯体を分解してD−アロイソロイシンを単離することか
    らなるD−アロイソロイシンの製造方法。
  2. 【請求項2】 式IのRが、水素原子であるか、または
    p−位に置換したメチル基(n=1)である酒石酸誘導
    体を使用して実施する請求項1のD−アロイソロイシン
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶媒として、水、または、メタノール、
    エタノール等の低級アルコール類またはこれらの混合物
    を使用して錯体を生成させる請求項1のD−アロイソロ
    イシンの製造方法。
  4. 【請求項4】 エピマー混合物1モルに対し、式Iで示
    される化合物0.1〜0.7モルを作用させて錯体を生
    成させる請求項1のD−アロイソロイシンの製造方法。
  5. 【請求項5】 エピマー混合物1モルに対し、式Iで示
    されるの化合物0.1〜0.7モルを作用させ、かつ無
    機酸0.05〜0.7当量を添加して実施する請求項1
    のD−アロイソロイシンの製造方法。
  6. 【請求項6】 錯体の分解によるD−アロイソロイシン
    の単離を、錯体を低級アルコール中に入れて、光学分割
    剤である酒石酸誘導体だけを溶解させ、D−アロイソロ
    イシンは固体のまま残すことにより実施する請求項1の
    D−アロイソロイシンの製造方法。
  7. 【請求項7】 低級アルコールとしてイソプロパノール
    をえらび、これに2〜20重量%の水を添加して使用す
    る請求項6のD−アロイソロイシンの製造方法。
  8. 【請求項8】 D−アロイソロイシンと式Iで示される
    化合物との錯体。
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