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JPH11227114A - 積層成形品 - Google Patents

積層成形品

Info

Publication number
JPH11227114A
JPH11227114A JP3295998A JP3295998A JPH11227114A JP H11227114 A JPH11227114 A JP H11227114A JP 3295998 A JP3295998 A JP 3295998A JP 3295998 A JP3295998 A JP 3295998A JP H11227114 A JPH11227114 A JP H11227114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
colloidal silica
film
dispersed
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3295998A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Watanabe
博之 渡辺
Akira Yanagase
昭 柳ケ瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP3295998A priority Critical patent/JPH11227114A/ja
Publication of JPH11227114A publication Critical patent/JPH11227114A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性及び透明性に優れ、破壊したときの破片
が小さく、かつ破片が飛び散らず、家屋や車輌の窓ガラ
ス等に好適な積層成形品の提供。 【解決手段】 平均粒子径50nm以下のコロイダルシ
リカが実質的に一次粒子の状態で分散した樹脂基材上
に、樹脂フィルムを一層以上積層してなる成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平均粒子径50n
m以下のコロイダルシリカが実質的に一次粒子の状態で
分散した樹脂基材と樹脂フィルムとの積層成形品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車や鉄道車輌等の移送体の
窓材には板ガラスが使用されている。中でも、強化ガラ
スは破壊したときの破片が小さく、樹脂フィルムとの合
わせガラスはさらに破片が飛び散らないといった特徴を
有しており、乗員に破片が原因の大けがを負わせにくい
ため、現代社会において非常に有用に使われている。
【0003】しかしながら、これらガラスは重いので移
送体の低燃費化に制約を与えている。また、自由な形に
成形しにくいため、移送体のデザインにも制約を与えて
いる。このような観点から、近年、ポリメチルメタクリ
レートやポリカーボネートに代表される透明樹脂を移送
体の窓材に用いようとする動きが見られる。これら透明
樹脂は軽く、溶融成形や加熱曲げ加工が可能なため、自
由な形状の成形品を得ることが可能である。
【0004】しかしながら、これら透明樹脂は移送体の
部材として用いるには剛性が低い。また、破壊したとき
の破片が大きく破断面も鋭利であるため、交通事故等の
際に乗員に破片が原因の大けがを負わせやすいといった
問題点を有している。破片が飛び散らないように樹脂フ
ィルムとの積層化も行われているが、破壊したときの破
片形状に改善は見られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち従来は、加工
が容易であって剛性に優れ、破壊したときの破片が小さ
くなるような成形品は得られていなかった。
【0006】本発明の目的は、剛性及び透明性に優れ、
破壊したときの破片が小さく、かつ破片が飛び散らず、
家屋や車輌の窓ガラス等に好適な積層成形品を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、平
均粒子径50nm以下のコロイダルシリカが実質的に一
次粒子の状態で分散した樹脂基材(a)上に、樹脂フィ
ルム(b)を一層以上積層してなる成形品である。
【0008】また、本発明の成形品は、二枚の前記樹脂
基材(a)の間または前記樹脂基材(a)と他の種類の
樹脂基材(c)の間に樹脂フィルム(b)が設けられて
構成されてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるコロイダルシ
リカが実質的に一次粒子の状態でマトリックス樹脂中に
分散してなる樹脂基材(a)を得る方法としては、WO
96/34036号公報や特願平8−292029号記
載の水系で重合体粒子とコロイダルシリカとを複合化さ
せた後、溶融成形する方法や、特開平5−209027
号公報記載のコロイダルシリカをラジカル重合性ビニル
化合物中に分散させた後、重合する方法等が挙げられ
る。
【0010】コロイダルシリカを分散するマトリックス
樹脂の種類としては、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリメチルメタク
リレート、ポリメチルメタクリレート系共重合体(アク
リル樹脂)、アクリルゴム系コアシェルゴム強化メチル
メタクリレート系共重合体、メチルメタクリレート−ス
チレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
スチレン−マレイミド系共重合体、ゴム変性スチレン−
マレイミド系共重合体、ゴム強化ポリスチレン(HIP
S)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂
(ABS樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレ
ン−スチレン樹脂(AES樹脂)、メチルメタクリレー
ト−ブタジエン−スチレン樹脂(MBS樹脂)、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−メチルメタクリレート、スチ
レン樹脂、アクリロニトリル−n−ブチルアクリレート
−スチレン樹脂(AAS樹脂)、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタ
ール、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリスルホン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、P
PS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、PPO樹脂、
ゴム変性PPO樹脂、ポリアミド系エラストマー、ポリ
エステル系エラストマー、ポリブタジエン、ブタジエン
−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体、ポリイソプレン、天然ゴム、アクリルゴム、エ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−
ジエン共重合体、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレ
ン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン
−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、該ブロック
共重合体の水素化物等の各種熱可塑性重合体、及びこれ
らの二種以上のブレンド物が挙げられる。
【0011】これらのうち、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリメチルメタクリレート系共重合体(アクリル樹
脂)、アクリルゴム系コアシェルゴム強化メチルメタク
リレート系共重合体にコロイダルシリカを分散した樹脂
基材は、透明性が特に良好で、透明用途には好ましく用
いられる。
【0012】コロイダルシリカとしては、平均粒子径が
50nm以下のものが使用され、各種の市販品が使用で
きる。この粒子径より大きなコロイダルシリカを用いて
も、本発明で目的とする良好な透明性や高い剛性を同時
に発現することができない。
【0013】コロイダルシリカとそれを分散する樹脂と
の配合量は特に制限されず、要求される性能に応じて選
択されるが、樹脂100重量部に対しシリカ固形分とし
て、1〜500重量部用いるのが好ましく、1〜150
重量部用いるのが特に好ましい。コロイダルシリカ分散
樹脂基材(a)は、射出成形法、Tダイ法やインフレー
ション法等の押出成形法やカレンダー法、加圧成形法、
注型重合法等によって所望の形状に賦形することができ
る。
【0014】本発明で用いられる樹脂フィルム(b)と
しては、ポリメチルメタクリレートやポリエチルメタク
リレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリブチルメ
タクリレートなどの純粋なアクリル樹脂からなるアクリ
ルフィルム、アクリル樹脂にアクリルゴム系コアシェル
多層共重合体をブレンドしたフィルム、アクリル樹脂と
他の樹脂(例えばフッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹
脂、シリコン樹脂など)との共重合体からなる成分のフ
ィルム、ポリビニルブチラールフィルム、セロファンフ
ィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレ
ンナフタレートフィルム、ナイロンフィルム、ポリスチ
レンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリ塩化ビニ
ルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアクリ
ロニトリル系共重合体フィルム、ポリメチルペンテンフ
ィルム、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、
ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ
ウレタンフィルム、フッ素樹脂フィルム等、及びこれら
の二種以上からなる積層フィルムが挙げられる。これら
フィルムは、印刷などにより印字や装飾を施されていて
も良い。表面を表面硬化処理やエンボス処理、艶消し処
理や金属または金属酸化物で蒸着処理されたフィルムも
用いることができる。
【0015】これらのフィルムのうち、ポリメチルメタ
クリレートやポリエチルメタクリレート、ポリプロピル
メタクリレート、ポリブチルメタクリレートなどの純粋
なアクリル樹脂からなるアクリルフィルム、アクリル樹
脂にアクリルゴム系コアシェル多層共重合体をブレンド
したフィルム、アクリル樹脂と他の樹脂(例えばフッ素
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩
化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂など)
との共重合体からなる成分のフィルム、ポリビニルブチ
ラールフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリウレ
タンフィルム、及びこれらを一成分とした積層フィルム
が好適に用いられる。
【0016】これらフィルムは、10〜500μmの厚
みを有することが好ましい。また、積層成形品の強度を
低下させることがないように引張破断伸度が10%以上
の靭性に優れたものを用いることが好ましい。特に透明
な成形品を得る際には、光線透過率80%以上で曇価5
%以下の透明なフィルムを用いることが好ましい。
【0017】コロイダルシリカ分散樹脂基材(a)と樹
脂フィルム(b)を積層する方法としては、あらかじめ
基材(a)を所望の形状に賦形しておいて、加熱式ラミ
ネーターで樹脂フィルム(b)を圧着する方法、アクリ
ル系やウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系等
の接着剤を用いて積層する方法、あるいは二層以上のT
ダイや、二層以上のインフレーションにより製膜と同時
に積層体を形成する方法等が挙げられる。
【0018】樹脂基材(a)の射出成形と同時に成形品
の表面に樹脂フィルム(b)を形成するためには、射出
成形機にインモールド成形可能な金型を取り付け、フィ
ルムの送り出し装置、フィルム加熱板、フィルム吸引用
真空ポンプを備えた装置を用いて射出成形金型のキャビ
ティ内面にフィルムを密着させた上で、射出成形を行え
ばよい。また、あらかじめ真空成形機により装飾フィル
ムを射出成形金型に適合するように真空成形した後に、
射出成形金型キャビティ内面に密着させ射出成形しても
よい。
【0019】このようにしてコロイダルシリカ分散樹脂
基材(a)と樹脂フィルム(b)とが積層した成形品が
得られるが、本発明においては、コロイダルシリカ分散
樹脂基材(a)の表裏両面に樹脂フィルム(b)が積層
してなる成形品であってもよい。また、二枚のコロイダ
ルシリカ分散樹脂基材(a)の間に樹脂フィルム(b)
が挟まれて設けられてなる成形品、あるいはコロイダル
シリカ分散樹脂基材(a)と他の種類の樹脂基材(c)
の間に樹脂フィルム(b)が挟まれて設けられてなる成
形品としても得ることができる。
【0020】他の種類の樹脂基材(c)の樹脂として
は、コロイダルシリカを分散するマトリックス樹脂と同
様なものが使用できる。
【0021】さらに本発明における好都合な工程のいず
れかにおいて、本発明の効果を損なわない範囲で、着色
剤、紫外線吸収剤、熱及び/又は光安定剤、離型剤等の
添加剤を混合して用いることができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例において「部」は特記のない限り「重
量部」を意味する。物性等の評価方法は以下の通りであ
る。 1)透明性は、ヘーズメーター(スガ試験機(株)製、
HGM−2DP)を使用して、ASTM D1003に
準じて厚さ3mmのサンプルを用いて全光線透過率と曇
価を測定した。 2)線膨張係数は、セイコー電子工業(株)製、SSC
−5000を用いて、TMA法で測定した。 3)強度は、ASTM D790に準じて曲げ試験を行
い、曲げ強度及び曲げ弾性係数を測定した。 4)成形品の破壊形態は、100×100×3mmの試
片を用い、JIS K7211に準じて重さ534.8
gの鋼球を1mの高さから落下させて破壊したときの形
態を観察した。 5)複合体中の無機分含有率は、所定量の試料をるつぼ
中で強熱した時の残分より算出した。 6)重合体粒子の平均粒子径及びζ電位、並びにコロイ
ダルシリカのζ電位は、動的光散乱/レーザー・ドップ
ラー型電気泳動装置(大塚電子(株)製、ELS−80
0)を用いて測定した。
【0023】(実施例1) [コロイダルシリカ分散樹脂の製造]コンデンサー、窒
素導入口及び攪拌機を備えたセパラブルフラスコに、脱
イオン水200部、乳化剤としてポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエ−テルフォスフェートナトリウム塩
(東邦化学工業(株)製、商品名:GAFAC LO−
529)1.25部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウ
ム0.0003部、ソディウムホルムアルデヒドスルホ
キシレート0.2部、硫酸第一鉄0.0001部を入
れ、攪拌しながら75℃に昇温した。そこにメチルメタ
クリレート90部、メチルアクリレート10部、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン0.5部及び第三
ブチルハイドロパーオキサイド0.125部の混合物を
3時間かけて滴下した。滴下終了後75℃で1時間保持
して、重合体粒子の水性ラテックスを得た。この重合体
粒子の動的光散乱法(DLS)による平均粒子径は90
nmであり、ζ電位は−28mVであり、粒子は負に荷
電していた。
【0024】次いで、これに平均粒子径が15nmでζ
電位が−17mVのコロイダルシリカ水分散液(シリカ
含量20重量%、日産化学工業(株)製)125部(シ
リカ分25部)を添加し、その後ジメチルジメトキシシ
ラン1.25部を添加し、75℃で1時間保持した。こ
の工程の後のDLS測定によれば、平均粒子径は105
nmであり、粒子径の増大が見られた。
【0025】反応系を冷却後、内容物を5部の酢酸カル
シウムを溶解した500部の温水中に投入し、塩析凝固
を行って粉末状複合体を分離した。しかる後この粉末状
複合体を良く水洗してから90℃で24時間乾燥した。
この粉末状複合体の回収率は97%、複合体中の無機分
含有率は21重量%であり、添加したコロイダルシリカ
が複合体中に定量的に導入されていた。この複合体の透
過型電子顕微鏡写真によると、メチルメタクリレート−
メチルアクリレート共重合体粒子の回りに粒子径15n
mのコロイダルシリカが一次粒子の状態で付着している
様子が観察された。
【0026】この粉末状の複合体を、二軸押し出し機を
使用してシリンダー温度220℃で押し出し加工しペレ
ットを得た。このペレットを金型温度220℃にてプレ
ス成形したサンプルの透過型電子顕微鏡写真によると、
一次粒子径15nmのコロイダルシリカ粒子が凝集する
ことなく均一に分散している様子が観察された。 [樹脂フィルム(b)との積層]厚み500μの片面表
面硬化処理ポリカーボネートフィルム(三菱エンジニア
リングプラスチック(株)製、商品名ユーピロンMR−
05、破断伸度120%、光線透過率90%、曇価1
%)を、可動型と固定型とからなり、成形品の厚みが3
mmとなるように設定された100×100mmの大き
さのキャビティーを有する射出成形用金型内に表面硬化
処理面を可動型面側に向けて配置し、80℃で加熱しな
がら真空吸引し、可動型のキャビティ内面に密着させ
た。型閉めした後に、金型温度を60〜80℃に保ちな
がら、220℃〜240℃に加熱された上記で得た複合
体からなる溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させ
た。その後、成形用金型を開いて樹脂成形品を取り出し
た。この成形品は、コロイダルシリカ分散樹脂基材
(a)の片面に、表面硬化処理ポリカーボネートフィル
ム(b)がその硬化面が表を向くように積層された構造
を有していた。 [評価]得られた成形品の評価結果を表1に示した。表
から明らかなように、成形品は透明性及び剛性に優れて
いた。また、鋼球を落下させて破壊したときの破壊形態
は図1に示したとおりであり、放射状の亀裂とともに同
心円状の亀裂も入っており、破片は非常に細かいもので
あったが、殆ど飛散することはなかった。
【0027】(実施例2)コロイダルシリカ水分散液と
して、平均粒子径が25nmでζ電位が−40mVのも
の(シリカ含量20重量%、日産化学工業(株)製)を
214部(シリカ分43部)用い、ジメチルジメトキシ
シランの量を2.15部としたことを除き、実施例1と
全く同様にして複合体を製造した。DLS測定によれ
ば、複合体の平均粒子径は120nmであった。また、
実施例1と同様にして分離、水洗、乾燥した後の粉末状
複合体の回収率は98%で、無機分含有率は30重量%
であった。この粉末状の複合体を用いて実施例1と同様
にしてプレス成形したサンプルを観察したところ、一次
粒子径25nmのコロイダルシリカ粒子が凝集すること
なく均一に分散していた。
【0028】厚みが200μmのポリカーボネートフィ
ルム(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、商
品名ユーピロンFE−2000)および上記で得た複合
体を用い、成形品の厚みが1.5mmとなるようにした
ことを除き、実施例1と同様にして片面にポリカーボネ
ートフィルムが積層された厚さ1.5mmの成形品を得
た。この成形品を厚みが3mmとなるように設定された
100×100mmの大きさのキャビティーを有する射
出成形用金型内にポリカーボネートフィルム面が固定型
(射出側)に向くように配置し、80℃で加熱しながら
真空吸引し、可動型のキャビティ内面に密着させた。型
閉めした後に、金型温度を60〜80℃に保ちながら、
220℃〜240℃に加熱された上記で得た複合体から
なる溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させた。そ
の後、成形用金型を開いて樹脂成形品を取り出した。こ
の積層成形品は、コロイダルシリカ分散樹脂基材(a)
の間にポリカーボネートフィルム(b)が挟み込まれた
構造を有するものであった。得られた成形品の評価結果
を表1に示した。表から明らかなように、得られた成形
品は透明性及び剛性に優れていた。また、鋼球を落下さ
せて破壊したときの破壊形態は図2に示したとおりであ
り、放射状の亀裂とともに同心円状の亀裂も入ってお
り、破片は非常に細かいものであったが、殆ど飛散する
ことはなかった。
【0029】(実施例3)実施例1で製造したコロイダ
ルシリカ分散樹脂を用いたことを除き、実施例2と同様
にして片面にポリカーボネートフィルムが積層された厚
さ1.5mmの成形品を得た。その後これを射出成形用
金型内に配置して、コロイダルシリカ分散樹脂に代えポ
リメチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品
名アクリペットVH)を用いたことを除き実施例2と同
様にして積層成形品を製造した。この積層成形品は、コ
ロイダルシリカ分散樹脂基材(a)とポリメチルメタク
リレート基材(c)の間にポリカーボネートフィルム
(b)が挟み込まれた構造を有するものであった。
【0030】得られた成形品の評価結果を表1に示し
た。表から明らかなように、この成形品も透明性及び剛
性に優れていた。また、鋼球を落下させて破壊したとき
の破壊形態は図3に示したとおりであり、放射状の亀裂
とともに同心円状の亀裂も入っており、破片は非常に細
かいものであったが、殆ど飛散することはなかった。
【0031】(比較例1)厚み200μmのポリカーボ
ネートフィルムを用い、また複合体に代えポリメチルメ
タクリレートを用いたことを除き、実施例1と全く同様
にしてポリメチルメタクリレートにポリカーボネートフ
ィルムが積層された構造の厚み3mmの成形品を得た。
【0032】得られた成形品の評価結果を表1に示した
が、剛性に劣っていた。また、鋼球を落下させて破壊し
たときの破壊形態は図4に示したとおりであり、破片の
飛散は生じないものの大きく鋭い形状の破片が形成さ
れ、接触した際に人体を傷つけるおそれの高いものであ
った。
【0033】(比較例2)ポリカーボネートフィルムを
用いなかったことを除き、実施例1と同様にしてコロイ
ダルシリカ分散樹脂からなる厚み3mmの成形品を得
た。得られた成形品は表1に示したように、透明性及び
剛性に優れていた。しかし、鋼球を落下させて破壊する
と、破片は細かいものであったが周囲に大きく飛散し
た。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の積層成形品は、剛性及び透明性
に優れ、且つ破壊したときの破片が小さく、破片が飛び
散らないといった特徴を有しており、乗員に破片が原因
の大けがを負わせにくいため、家屋や車輌の窓ガラス、
各種構造材等種々の分野に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の成形品を破壊した後の写真である。
【図2】実施例2の成形品を破壊した後の写真である。
【図3】実施例3の成形品を破壊した後の写真である。
【図4】比較例1の成形品を破壊した後の写真である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径50nm以下のコロイダルシ
    リカが実質的に一次粒子の状態で分散した樹脂基材
    (a)上に、樹脂フィルム(b)を一層以上積層してな
    る成形品。
  2. 【請求項2】 二枚の前記樹脂基材(a)の間または前
    記樹脂基材(a)と他の種類の樹脂基材(c)の間に樹
    脂フィルム(b)が設けられてなる成形品。
JP3295998A 1998-02-16 1998-02-16 積層成形品 Pending JPH11227114A (ja)

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