JPH11221553A - 重金属汚染土壌の浄化方法 - Google Patents
重金属汚染土壌の浄化方法Info
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- JPH11221553A JPH11221553A JP10025482A JP2548298A JPH11221553A JP H11221553 A JPH11221553 A JP H11221553A JP 10025482 A JP10025482 A JP 10025482A JP 2548298 A JP2548298 A JP 2548298A JP H11221553 A JPH11221553 A JP H11221553A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 難溶性や不溶性の重金属で汚染された土壌か
ら、重金属を高い除去効率で短期間に除去できる経済的
な重金属汚染土壌の浄化方法を提供する。 【解決手段】 汚染土壌Aに酸性溶媒を混合して重金属
を溶媒抽出する第1工程と、溶媒抽出処理後の汚染土壌
Aに透水性部材8で電極6a、7aを汚染土壌Aから分
離した陰極部6と陽極部7を配置し、その電極6a、7
a間に直流電圧を印可して重金属等のイオンを移動させ
て回収する第2工程とからなり、第2工程にいて陰極部
6内の水を排水すると共に清浄水を給水して、陰極部6
内のpHを7.5以下に保持する。
ら、重金属を高い除去効率で短期間に除去できる経済的
な重金属汚染土壌の浄化方法を提供する。 【解決手段】 汚染土壌Aに酸性溶媒を混合して重金属
を溶媒抽出する第1工程と、溶媒抽出処理後の汚染土壌
Aに透水性部材8で電極6a、7aを汚染土壌Aから分
離した陰極部6と陽極部7を配置し、その電極6a、7
a間に直流電圧を印可して重金属等のイオンを移動させ
て回収する第2工程とからなり、第2工程にいて陰極部
6内の水を排水すると共に清浄水を給水して、陰極部6
内のpHを7.5以下に保持する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水に難溶性又は不
溶性の重金属で汚染された土壌から重金属を除去して、
重金属汚染土壌を浄化する方法に関する。
溶性の重金属で汚染された土壌から重金属を除去して、
重金属汚染土壌を浄化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近では、市街地再開発に伴う調査によ
り、工場跡地や廃棄物処理場等の重金属汚染が判明する
事例が増加している。このような重金属による汚染土壌
の浄化処理対策としては、汚染物質の不溶化処理や遮水
工事、覆土工事等の周辺環境から汚染土壌を遮断する方
法が一般的である。しかし、これらの方法では、重金属
そのものが現場の土壌中に残るため、処置後も土地利用
に制限がある。
り、工場跡地や廃棄物処理場等の重金属汚染が判明する
事例が増加している。このような重金属による汚染土壌
の浄化処理対策としては、汚染物質の不溶化処理や遮水
工事、覆土工事等の周辺環境から汚染土壌を遮断する方
法が一般的である。しかし、これらの方法では、重金属
そのものが現場の土壌中に残るため、処置後も土地利用
に制限がある。
【0003】そこで最近では、重金属で高濃度に汚染さ
れた土壌は現場から運び出して廃棄し、新しい土を入れ
替える処置も行われている。しかしながら、産業廃棄物
の最終処分場が近い将来不足することは明らかであるた
め、汚染土壌を廃棄せずに、汚染土壌中の重金属を除去
して浄化することが検討されている。
れた土壌は現場から運び出して廃棄し、新しい土を入れ
替える処置も行われている。しかしながら、産業廃棄物
の最終処分場が近い将来不足することは明らかであるた
め、汚染土壌を廃棄せずに、汚染土壌中の重金属を除去
して浄化することが検討されている。
【0004】このような汚染土壌の浄化方法としては、
土壌洗浄法と電気化学的処理法とが知られている。土壌
洗浄法とは、水又は適当な溶媒を用いて汚染土壌から汚
染物質を物理的・化学的に抽出分離する方法である。具
体的には、汚染土壌を溶媒と共に混合して洗浄し、重金
属を高濃度に含有する粒子を除去し、得られた清浄な土
壌を汚染現場の埋め戻しに用いる。
土壌洗浄法と電気化学的処理法とが知られている。土壌
洗浄法とは、水又は適当な溶媒を用いて汚染土壌から汚
染物質を物理的・化学的に抽出分離する方法である。具
体的には、汚染土壌を溶媒と共に混合して洗浄し、重金
属を高濃度に含有する粒子を除去し、得られた清浄な土
壌を汚染現場の埋め戻しに用いる。
【0005】この土壌洗浄法では、廃棄物となる汚染土
壌を減容化するので、供給された汚染土壌量に対して得
られた清浄な土壌量の割合が高いほど効果的な浄化方法
となる。また、水に難溶性や不溶性の重金属が主な汚染
源となっている場合、抽出溶媒として水や塩化カルシウ
ム等の塩溶液を用いても殆ど除去不可能であるため、こ
のような場合は溶媒として硝酸や塩酸などの酸性溶液が
用いられる。
壌を減容化するので、供給された汚染土壌量に対して得
られた清浄な土壌量の割合が高いほど効果的な浄化方法
となる。また、水に難溶性や不溶性の重金属が主な汚染
源となっている場合、抽出溶媒として水や塩化カルシウ
ム等の塩溶液を用いても殆ど除去不可能であるため、こ
のような場合は溶媒として硝酸や塩酸などの酸性溶液が
用いられる。
【0006】一方、電気化学的処理法は、汚染土壌中に
陰極と陽極を配置し、その電気間に直流電圧を印加する
ことによって、土壌中にイオン泳動作用と電圧浸透作用
を起こして汚染物質を濃縮し、回収する方法である。
陰極と陽極を配置し、その電気間に直流電圧を印加する
ことによって、土壌中にイオン泳動作用と電圧浸透作用
を起こして汚染物質を濃縮し、回収する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の土壌洗浄法で
は、難溶性や不溶性の重金属を除去する場合に溶媒とし
て酸性溶媒を使用し、洗浄後の土壌と汚染物質を抽出し
た酸性溶媒とを分離するために濾過・洗浄を必要とす
る。しかし、この濾過・洗浄工程において、酸性溶媒に
一旦溶解した重金属イオンが再び土壌に吸着するため、
除去効率が大きく低下するという問題があった。また、
酸性溶媒として硝酸等を使用した場合には、土壌中に硝
酸イオン等の有害な物質が残留するので、これを洗浄除
去するために更に多く工程とエネルギーを必要としてい
た。
は、難溶性や不溶性の重金属を除去する場合に溶媒とし
て酸性溶媒を使用し、洗浄後の土壌と汚染物質を抽出し
た酸性溶媒とを分離するために濾過・洗浄を必要とす
る。しかし、この濾過・洗浄工程において、酸性溶媒に
一旦溶解した重金属イオンが再び土壌に吸着するため、
除去効率が大きく低下するという問題があった。また、
酸性溶媒として硝酸等を使用した場合には、土壌中に硝
酸イオン等の有害な物質が残留するので、これを洗浄除
去するために更に多く工程とエネルギーを必要としてい
た。
【0008】また、電気化学的処理法では、陰極で起こ
る水の電気分解によって水酸化物イオンが生成し、陰極
付近の土壌のpHが上昇することにより、鉛等の重金属
の沈澱が起こる。このため、陰極近辺での重金属の移動
力が次第に低下し、且つ時間の経過とともに印加電圧が
増大し、汚染物質の除去効率が減少して、浄化期間が長
期化するという問題があった。
る水の電気分解によって水酸化物イオンが生成し、陰極
付近の土壌のpHが上昇することにより、鉛等の重金属
の沈澱が起こる。このため、陰極近辺での重金属の移動
力が次第に低下し、且つ時間の経過とともに印加電圧が
増大し、汚染物質の除去効率が減少して、浄化期間が長
期化するという問題があった。
【0009】本発明は、このような従来に事情に鑑み、
難溶性や不溶性の重金属で汚染された土壌から、汚染物
質である重金属を高い除去効率で短期間に除去できる、
経済的な重金属汚染土壌の浄化方法を提供することを目
的とする。
難溶性や不溶性の重金属で汚染された土壌から、汚染物
質である重金属を高い除去効率で短期間に除去できる、
経済的な重金属汚染土壌の浄化方法を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明が提供する重金属汚染土壌の浄化方法は、掘
削した汚染土壌に酸性溶媒を混合して、重金属を溶媒抽
出する第1工程と、溶媒抽出処理後の汚染土壌に透水性
部材で電極を該汚染土壌から分離した陰極部と陽極部と
を配置し、その電極間に直流電圧を印可して、電気化学
的作用により重金属等のイオンを移動させて回収する第
2工程とからなり、該第2工程において、陰極部内の水
を排水すると共に清浄水を陰極部内に給水して、陰極部
内のpHを7.5以下に保持することを特徴とする。
め、本発明が提供する重金属汚染土壌の浄化方法は、掘
削した汚染土壌に酸性溶媒を混合して、重金属を溶媒抽
出する第1工程と、溶媒抽出処理後の汚染土壌に透水性
部材で電極を該汚染土壌から分離した陰極部と陽極部と
を配置し、その電極間に直流電圧を印可して、電気化学
的作用により重金属等のイオンを移動させて回収する第
2工程とからなり、該第2工程において、陰極部内の水
を排水すると共に清浄水を陰極部内に給水して、陰極部
内のpHを7.5以下に保持することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明においては、重金属で汚染
された土壌を最初に酸性溶媒での土壌洗浄法によって処
理した後、洗浄処理後の汚染土壌を更に電気化学的処理
法により処理する。従って、第1工程の土壌洗浄法によ
り酸性溶媒中に溶解抽出された汚染物質の重金属イオン
は、第2工程でのイオン泳動作用により陰極部に移動し
て濃縮されるため、土壌表面に再び吸着することを防止
できる。その結果、汚染物質の重金属を陰極部から効率
良く回収除去できると共に、洗浄処理後の汚染土壌の濾
過工程や洗浄工程を省略でき、又はこれらの工程が必要
な場合でも処理時間を大幅に削減することが可能とな
る。
された土壌を最初に酸性溶媒での土壌洗浄法によって処
理した後、洗浄処理後の汚染土壌を更に電気化学的処理
法により処理する。従って、第1工程の土壌洗浄法によ
り酸性溶媒中に溶解抽出された汚染物質の重金属イオン
は、第2工程でのイオン泳動作用により陰極部に移動し
て濃縮されるため、土壌表面に再び吸着することを防止
できる。その結果、汚染物質の重金属を陰極部から効率
良く回収除去できると共に、洗浄処理後の汚染土壌の濾
過工程や洗浄工程を省略でき、又はこれらの工程が必要
な場合でも処理時間を大幅に削減することが可能とな
る。
【0012】本発明方法を図1を参照して具体的に説明
する。第1工程では、汚染現場からシャベル等で掘削し
た汚染土壌Aを撹拌機2とpHメータ3を備えた洗浄槽
1に移し、溶媒タンク4から酸性溶媒を加えて撹拌し、
汚染土壌AのpHを低下させて重金属が溶出しやすい土
壌雰囲気とする。この洗浄処理により、汚染土壌A中の
重金属が酸性溶媒に抽出されるので、第2工程での電気
化学的処理の時間を低減させることができる。
する。第1工程では、汚染現場からシャベル等で掘削し
た汚染土壌Aを撹拌機2とpHメータ3を備えた洗浄槽
1に移し、溶媒タンク4から酸性溶媒を加えて撹拌し、
汚染土壌AのpHを低下させて重金属が溶出しやすい土
壌雰囲気とする。この洗浄処理により、汚染土壌A中の
重金属が酸性溶媒に抽出されるので、第2工程での電気
化学的処理の時間を低減させることができる。
【0013】汚染土壌Aに添加する酸性溶媒の種類や濃
度は、汚染土壌の汚染物質及びその濃度に依存する。通
常、酸性溶媒としては硝酸や塩酸等が利用でき、洗浄槽
1内の汚染土壌AのpHが2〜3以下になるように添加
すればよい。また、洗浄槽1内の汚染土壌Aと酸性溶媒
の固液比も汚染土壌Aの状態に依存する。酸性溶媒の量
が多いと第2工程の電気化学的処理における一回当たり
の処理効率が低下するため、第2工程に移る前に脱水等
による含水率の調整が必要となる。逆に酸性溶媒が少な
いと撹拌機2の負荷が大きくなり、撹拌処理に支障をき
たす。通常の場合、汚染土壌Aに対して1〜1.5倍程
度の酸性溶媒を用いて処理すれば、後の脱水処理を省略
することができる。
度は、汚染土壌の汚染物質及びその濃度に依存する。通
常、酸性溶媒としては硝酸や塩酸等が利用でき、洗浄槽
1内の汚染土壌AのpHが2〜3以下になるように添加
すればよい。また、洗浄槽1内の汚染土壌Aと酸性溶媒
の固液比も汚染土壌Aの状態に依存する。酸性溶媒の量
が多いと第2工程の電気化学的処理における一回当たり
の処理効率が低下するため、第2工程に移る前に脱水等
による含水率の調整が必要となる。逆に酸性溶媒が少な
いと撹拌機2の負荷が大きくなり、撹拌処理に支障をき
たす。通常の場合、汚染土壌Aに対して1〜1.5倍程
度の酸性溶媒を用いて処理すれば、後の脱水処理を省略
することができる。
【0014】第1工程での酸性溶媒による洗浄処理を終
えた後、洗浄槽1内の汚染土壌Aは酸性溶媒と共に第2
工程の電解槽5に供給される。電解槽5には透水性部材
8で電極6a、7aを汚染土壌から分離した陰極部6と
陽極部7が配置してあり、その電極間に直流電圧を印可
することにより、重金属等の陽イオンは陰極部6に集ま
り、同時に陰イオンは陽極部7に移動する。尚、汚染土
壌A中の土中水は一般的に土壌表面が負に帯電している
ため、電気浸透により陰極部6側に移動する。従って、
陰極部6内の水を排水することにより、濃縮された重金
属等の汚染物質を回収除去することができ、また陽極部
7からは同様に有害な陰イオンを回収できる。
えた後、洗浄槽1内の汚染土壌Aは酸性溶媒と共に第2
工程の電解槽5に供給される。電解槽5には透水性部材
8で電極6a、7aを汚染土壌から分離した陰極部6と
陽極部7が配置してあり、その電極間に直流電圧を印可
することにより、重金属等の陽イオンは陰極部6に集ま
り、同時に陰イオンは陽極部7に移動する。尚、汚染土
壌A中の土中水は一般的に土壌表面が負に帯電している
ため、電気浸透により陰極部6側に移動する。従って、
陰極部6内の水を排水することにより、濃縮された重金
属等の汚染物質を回収除去することができ、また陽極部
7からは同様に有害な陰イオンを回収できる。
【0015】特に、第2工程では、陰極部6内の水を排
水すると共に清浄水を給水して置換することにより、陰
極部6内の水のpHを7.5以下に保持することが重要
である。これは、電極間に電圧を印加すると、水の電気
分解により生成した水酸化物イオンのために陰極部6近
傍のpHが上昇し、それに伴って陰極部6に移動した重
金属イオンの多くが沈澱して除去効率が大幅に減少する
のを防ぐためである。尚、電解の開始時には酸性溶媒で
の洗浄処理後の汚染土壌AのpHは低い状態にあるの
で、陰極部6内の水のpHが中性を越えた時点から上記
水の置換を行っても良い。
水すると共に清浄水を給水して置換することにより、陰
極部6内の水のpHを7.5以下に保持することが重要
である。これは、電極間に電圧を印加すると、水の電気
分解により生成した水酸化物イオンのために陰極部6近
傍のpHが上昇し、それに伴って陰極部6に移動した重
金属イオンの多くが沈澱して除去効率が大幅に減少する
のを防ぐためである。尚、電解の開始時には酸性溶媒で
の洗浄処理後の汚染土壌AのpHは低い状態にあるの
で、陰極部6内の水のpHが中性を越えた時点から上記
水の置換を行っても良い。
【0016】陰極部6内に給水する清浄水は、pHが中
性以下であって重金属や水酸化物イオン等を多量に含ま
ない通常の水、例えば水道水等であって良い。また、陰
極部6内から回収した重金属等を含む排水はイオン交換
樹脂等を利用した浄水装置で処理するが、この処理され
た後の浄化水を陰極部6内に給水することもできる。こ
の場合には、陰極部6から排水した水を、浄水装置を経
て繰り返し使用できるので、経済的にも有利である。
尚、陰極部6の水を給排水する速度(循環速度)は、印
加する電流値や電極の大きさ等に依存し、例えば電流値
が50mAの場合は20〜30ml/min程度の速度
で十分である。
性以下であって重金属や水酸化物イオン等を多量に含ま
ない通常の水、例えば水道水等であって良い。また、陰
極部6内から回収した重金属等を含む排水はイオン交換
樹脂等を利用した浄水装置で処理するが、この処理され
た後の浄化水を陰極部6内に給水することもできる。こ
の場合には、陰極部6から排水した水を、浄水装置を経
て繰り返し使用できるので、経済的にも有利である。
尚、陰極部6の水を給排水する速度(循環速度)は、印
加する電流値や電極の大きさ等に依存し、例えば電流値
が50mAの場合は20〜30ml/min程度の速度
で十分である。
【0017】また、この第2工程の電気化学的処理で
は、土中水が陽極部7側から陰極部6側に移動し、陽極
部7近傍の土壌中の含水率が低下してくる。土壌中の含
水率が低いと、重金属を除去する処理速度が低下するの
で、必要に応じて陽極部7に溶媒を給水することが好ま
しい。また、陽極部7の土壌に給水することによってp
Hの低下が速まり、土壌中の重金属のイオン化を促進す
る効果もある。この場合に給水する溶媒としては、水道
水等の清浄水のほか、酸、電解質若しくはキレート剤の
水溶液等であっても良い。
は、土中水が陽極部7側から陰極部6側に移動し、陽極
部7近傍の土壌中の含水率が低下してくる。土壌中の含
水率が低いと、重金属を除去する処理速度が低下するの
で、必要に応じて陽極部7に溶媒を給水することが好ま
しい。また、陽極部7の土壌に給水することによってp
Hの低下が速まり、土壌中の重金属のイオン化を促進す
る効果もある。この場合に給水する溶媒としては、水道
水等の清浄水のほか、酸、電解質若しくはキレート剤の
水溶液等であっても良い。
【0018】上記陰極部6及び陽極部7は、それぞれ陰
極電極6a及び陽極電極7aと、これらの電極6a、7
aを汚染土壌Aから分離する透水性部材8とで構成され
る。陰極電極6aの材質は導電性材料であれば特に限定
されず、例えば鉄やステンレス等で作製することができ
る。また、陽極電極7aとしては、カーボンやチタン等
の不活性電極材料が好ましい。これらの電極を土壌と分
離する透水性部材8は、水や重金属イオンが通過できる
透水性の材質であり、電極との電気的絶縁が容易な電気
絶縁性の材料で作製することが好ましく、例えば不織布
や多孔質のプラスチック等を用いることができる。
極電極6a及び陽極電極7aと、これらの電極6a、7
aを汚染土壌Aから分離する透水性部材8とで構成され
る。陰極電極6aの材質は導電性材料であれば特に限定
されず、例えば鉄やステンレス等で作製することができ
る。また、陽極電極7aとしては、カーボンやチタン等
の不活性電極材料が好ましい。これらの電極を土壌と分
離する透水性部材8は、水や重金属イオンが通過できる
透水性の材質であり、電極との電気的絶縁が容易な電気
絶縁性の材料で作製することが好ましく、例えば不織布
や多孔質のプラスチック等を用いることができる。
【0019】尚、陽極電極及び陰極電極の形状は特に限
定されず、例えば板状、棒状、筒状等であって良い。例
えば、これらの電極を複数の貫通孔を穿設した中空体で
構成すれば、中空体の内側に供給した水を貫通孔から透
水性部材の内側に給水することができ、電極のと透水性
部材の間から排水することができる。また、透水性部材
の形状も、電極と汚染土壌とを分離できればどのような
形状でも良い。
定されず、例えば板状、棒状、筒状等であって良い。例
えば、これらの電極を複数の貫通孔を穿設した中空体で
構成すれば、中空体の内側に供給した水を貫通孔から透
水性部材の内側に給水することができ、電極のと透水性
部材の間から排水することができる。また、透水性部材
の形状も、電極と汚染土壌とを分離できればどのような
形状でも良い。
【0020】
【実施例】主な汚染物質が酸化鉛であり、その鉛濃度が
約2000ppmである汚染土壌Aを準備し、この汚染
土壌Aの0.1m3を図1に示す撹拌槽1に充填した。次
いで、溶媒タンク4から汚染土壌1kgに対して酸性溶
媒として1molの硝酸を添加し、固液比を1:1とし
た。この状態で、汚染土壌のpHは2.8であり、撹拌
機2により汚染土壌Aを10分間撹拌して溶媒抽出し
た。その後、上記洗浄処理後の汚染土壌Aを、脱水処理
せずにそのまま、図2に示す電解処理装置に供給した。
約2000ppmである汚染土壌Aを準備し、この汚染
土壌Aの0.1m3を図1に示す撹拌槽1に充填した。次
いで、溶媒タンク4から汚染土壌1kgに対して酸性溶
媒として1molの硝酸を添加し、固液比を1:1とし
た。この状態で、汚染土壌のpHは2.8であり、撹拌
機2により汚染土壌Aを10分間撹拌して溶媒抽出し
た。その後、上記洗浄処理後の汚染土壌Aを、脱水処理
せずにそのまま、図2に示す電解処理装置に供給した。
【0021】この電解処理装置は、電解槽5と陰極部6
及び陽極部7を備えている。陰極部6は、板状の陰極電
極6aと透水性部材8とで構成され、透水性部材8で汚
染土壌Aと分離された陰極部6内は板状の陰極電極6a
の片側が排水路9aに、反対側が清浄水の給水路10a
にそれぞれ接続されている。このように、陰極部6の給
水路10aを、汚染土壌Aと陰極6a及び排水路9aを
隔てて配置することで、給水路10aから給水される水
流が土中水の流れによる影響を最小限にすることができ
る。尚、板状の陰極電極6aには、排水路9a側と給水
路10a側を連通する複数の貫通孔6bが設けてある。
及び陽極部7を備えている。陰極部6は、板状の陰極電
極6aと透水性部材8とで構成され、透水性部材8で汚
染土壌Aと分離された陰極部6内は板状の陰極電極6a
の片側が排水路9aに、反対側が清浄水の給水路10a
にそれぞれ接続されている。このように、陰極部6の給
水路10aを、汚染土壌Aと陰極6a及び排水路9aを
隔てて配置することで、給水路10aから給水される水
流が土中水の流れによる影響を最小限にすることができ
る。尚、板状の陰極電極6aには、排水路9a側と給水
路10a側を連通する複数の貫通孔6bが設けてある。
【0022】一方、陽極部7は、中空筒状の陽極電極7
aと透水性部材8とで構成され、中空筒状の陽極電極7
aの内側が溶媒の給水路10bに、陽極電極7aの外側
と透水性部材8の間が排水路9bにそれぞれ接続されて
いる。尚、陽極部内の排水と給水は常時行う必要はな
く、一定時間毎で良いので、排水路と給水路を併用する
こともできる。例えば図2の陽極部7の場合、中空筒状
の陽極電極7aの内側又は外側のいずれかを、排水路9
bと給水路10bに共に接続しても良い。
aと透水性部材8とで構成され、中空筒状の陽極電極7
aの内側が溶媒の給水路10bに、陽極電極7aの外側
と透水性部材8の間が排水路9bにそれぞれ接続されて
いる。尚、陽極部内の排水と給水は常時行う必要はな
く、一定時間毎で良いので、排水路と給水路を併用する
こともできる。例えば図2の陽極部7の場合、中空筒状
の陽極電極7aの内側又は外側のいずれかを、排水路9
bと給水路10bに共に接続しても良い。
【0023】この陰極部6と陽極部7との間隔を1mに
設置し、陰極電極6a及び陽極電極7aと各透水性部材
8との間に水を満たして、その液面を一定に制御した。
この状態で陰極電極6aと陽極電極7aの間に直流電圧
を印加して1Aの電流を通電した。この電解処理の間、
陰極部6内の水を排水路9aからポンプで排水して浄水
装置11に供給すると共に、浄水装置11から清浄水を
給水路10aを通して給水することにより、陰極部6内
の水を0.5リットル/minの循環速度で置換して、
陰極部6内の水のpHを約6.8に維持した。
設置し、陰極電極6a及び陽極電極7aと各透水性部材
8との間に水を満たして、その液面を一定に制御した。
この状態で陰極電極6aと陽極電極7aの間に直流電圧
を印加して1Aの電流を通電した。この電解処理の間、
陰極部6内の水を排水路9aからポンプで排水して浄水
装置11に供給すると共に、浄水装置11から清浄水を
給水路10aを通して給水することにより、陰極部6内
の水を0.5リットル/minの循環速度で置換して、
陰極部6内の水のpHを約6.8に維持した。
【0024】また、陽極部7内には、溶媒タンク12か
ら給水路10bを通して、溶媒である0.01N塩化ナ
トリウム溶液を逐次補給した。更に、この溶媒の補給に
合わせて、陽極電極7aと透水性部材8の間の水をポン
プで排水路9bから排水し、図示しない浄水装置に供給
した。
ら給水路10bを通して、溶媒である0.01N塩化ナ
トリウム溶液を逐次補給した。更に、この溶媒の補給に
合わせて、陽極電極7aと透水性部材8の間の水をポン
プで排水路9bから排水し、図示しない浄水装置に供給
した。
【0025】上記の電解処理を15日間実施したとこ
ろ、土壌中の鉛濃度は300mg/kg未満に低下し
た。また、土壌中の硝酸イオン濃度を測定したところ、
硝酸イオンは検出されなかった。
ろ、土壌中の鉛濃度は300mg/kg未満に低下し
た。また、土壌中の硝酸イオン濃度を測定したところ、
硝酸イオンは検出されなかった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、重金属汚染土壌に酸性
溶媒による土壌洗浄処理を施した後、電気化学的処理を
施すことにより、汚染土壌中の難溶性又は不溶性の重金
属及び有害なイオンを、効率良く短時間で除去すること
が可能となった。また、電気化学的処理において、陰極
部のpHを7.5以下に保つことにより、更には陽極部
から溶媒を補給することによって、重金属イオンの沈澱
や土壌含水率の低下による処理効率の低下を防止し、よ
り一層短い時間で経済的に汚染土壌を浄化することが可
能となった。
溶媒による土壌洗浄処理を施した後、電気化学的処理を
施すことにより、汚染土壌中の難溶性又は不溶性の重金
属及び有害なイオンを、効率良く短時間で除去すること
が可能となった。また、電気化学的処理において、陰極
部のpHを7.5以下に保つことにより、更には陽極部
から溶媒を補給することによって、重金属イオンの沈澱
や土壌含水率の低下による処理効率の低下を防止し、よ
り一層短い時間で経済的に汚染土壌を浄化することが可
能となった。
【図1】本発明方法の第1及び第2工程を示した概要の
説明図である。
説明図である。
【図2】本発明方法に用いる電解処理装置の具体例を示
す概略断面図である。
す概略断面図である。
1 洗浄槽 2 撹拌機 3 pHメータ 4 溶媒タンク 5 電解槽 6 陰極部 6a 陰極電極 7 陽極部 7a 陽極電極 8 透水性部材 9a、9b 排水路 10a、10b 給水路 11 浄水装置 12 溶媒タンク
Claims (2)
- 【請求項1】 掘削した汚染土壌に酸性溶媒を混合し
て、重金属を溶媒抽出する第1工程と、溶媒抽出処理後
の汚染土壌に透水性部材で電極を該汚染土壌から分離し
た陰極部と陽極部とを配置し、その電極間に直流電圧を
印可して、電気化学的作用により重金属等のイオンを移
動させて回収する第2工程とからなり、該第2工程にお
いて、陰極部内の水を排水すると共に清浄水を陰極部内
に給水して、陰極部内のpHを7.5以下に保持するこ
とを特徴とする重金属汚染土壌の浄化方法。 - 【請求項2】 前記第2工程において、陽極部内に溶媒
を給水することを特徴とする、請求項1に記載の重金属
汚染土壌の浄化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10025482A JPH11221553A (ja) | 1998-02-06 | 1998-02-06 | 重金属汚染土壌の浄化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10025482A JPH11221553A (ja) | 1998-02-06 | 1998-02-06 | 重金属汚染土壌の浄化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11221553A true JPH11221553A (ja) | 1999-08-17 |
Family
ID=12167281
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10025482A Pending JPH11221553A (ja) | 1998-02-06 | 1998-02-06 | 重金属汚染土壌の浄化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11221553A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007307432A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-11-29 | Nishimatsu Constr Co Ltd | 重金属の除去方法および装置、汚染土壌の浄化方法および浄化装置 |
JP2013003137A (ja) * | 2011-06-21 | 2013-01-07 | Korea Atomic Energy Research Inst | 放射性核種の除染のための複合動電気除染装置 |
CN103586270A (zh) * | 2013-11-08 | 2014-02-19 | 中国科学院红壤生态实验站 | 一种重金属污染土壤的修复方法 |
CN108480385A (zh) * | 2018-03-06 | 2018-09-04 | 中国科学院沈阳应用生态研究所 | 一种用于生物堆的强化修复方法和装置 |
CN109731905A (zh) * | 2019-03-01 | 2019-05-10 | 长江水利委员会长江科学院 | 一种自主可控土壤或底泥污染物电动酸化解离装置及方法 |
JP7061244B1 (ja) * | 2020-12-24 | 2022-04-28 | 生態環境部南京環境科学研究所 | 稲および小麦の植栽土壌中の重金属カドミウムの抽出・分離装置、および抽出・分離方法 |
-
1998
- 1998-02-06 JP JP10025482A patent/JPH11221553A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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