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JPH11214616A - 半導体抵抗素子 - Google Patents

半導体抵抗素子

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JPH11214616A
JPH11214616A JP903598A JP903598A JPH11214616A JP H11214616 A JPH11214616 A JP H11214616A JP 903598 A JP903598 A JP 903598A JP 903598 A JP903598 A JP 903598A JP H11214616 A JPH11214616 A JP H11214616A
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JP
Japan
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impurity region
substrate
resistance
semiconductor
resistance element
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JP903598A
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Tsutomu Imoto
努 井本
Shinichi Saiki
信一 斉木
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半絶縁性基板に作られる抵抗素子の抵抗値を上
げるために不純物領域の濃度を下げると、基板電位の影
響で抵抗値が変動する。 【解決手段】半絶縁性の半導体基板2と、当該基板内の
表面側に形成され、抵抗素子の抵抗値を決める第1導電
型の抵抗不純物領域6とを有する半導体抵抗素子であっ
て、半導体基板2の基板領域と抵抗不純物領域6との間
に、第2導電型を有して所定電位に保持された抵抗素子
専用の埋め込み不純物領域4が設けられている。この埋
め込み不純物領域4は、好ましくは、所定電位を印加し
ていない状態で全て空乏化しない基板深さ方向の幅を有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばGaAs基
板等の半絶縁性基板の電位変動の影響を受けにくい構成
の半導体抵抗素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体基板内の表面側に不純物を
導入して形成される抵抗素子は、半導体集積回路の構成
要素として、広く利用されている抵抗素子の一形態であ
る。
【0003】図4には、従来から用いられている抵抗素
子の一例として、GaAs半絶縁性基板に形成された抵
抗素子の断面構造を示す。図4において、符号102は
GaAs基板、104は基板内の表面側に例えばSi等
のn型不純物を導入して形成された抵抗素子の不純物領
域(以下、抵抗不純物領域)、105は抵抗不純物領域
と基板領域界面に形成された空乏層、106は基板及び
抵抗不純物領域上に成膜された例えばSiN等の絶縁
膜、108は抵抗不純物領域に対し低抵抗で接触するオ
ーミック電極、110はオーミック電極上に接触する抵
抗素子の金属配線である。
【0004】このような構造の抵抗素子を形成するに
は、まず、用意した半絶縁性のGaAs基板に、所定の
条件でn型不純物(Si)を例えばイオン注入法,熱拡
散法に等により導入し、抵抗不純物領域104を形成す
る。全面にSiN等の絶縁膜106をCVD法等で成膜
した後、オーミック電極の形成部分で開孔するレジスト
パターンを形成し、これをマスクにオーミック電極の形
成部分に絶縁膜106の開口部を形成する。続いて、形
成したレジストパターン上に例えばAuGe/Ni等の
積層金属を蒸着し、これをレジストパターンごと除去
(リフトオフ)した後、加熱して合金化することによ
り、オーミック電極108を絶縁膜106の開口部に埋
め込んで形成する。その後、全面に例えばTi/Pt/
Au等の配線材料を蒸着し、例えばイオンミリング法で
パターンニングして、金属配線110を形成する。
【0005】本製造方法では、抵抗不純物領域104を
形成する際の濃度プロファイル(濃度分布及び深さ等)
を制御することにより、所望の抵抗値の抵抗素子を得
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の素子構造では、高抵抗を小面積で実現しようとして
抵抗不純物領域104の形成時にSi等のn型不純物濃
度を低くすると、抵抗不純物領域104の電気抵抗が、
基板電位によって大きく変化してしまうという不都合が
生じる。この現象は、いわゆるバックゲート効果による
ものとされ、この効果は、例えば『H.Goronkin,et.al,
“Backgating and light sensitivity inion-implantat
ed GaAs integratedcircuits ”,IEEE Tran.ED-29(5),p
p.845-850(1982)』、或いは『“GaAs DEVICES AND CIRC
UITS (p.324) ”,Michael SHUR, PLENUM PRESS 』等に
記載されている。
【0007】図5は、抵抗不純物領域に対するバックゲ
ート効果の影響を調べた測定例であり、図5(a)が試
料構成、測定方法を示すバイアス設定時の試料断面図で
ある。この測定用試料120の作製にあたっては、Ga
As基板122内の表面側に、イオン注入によりSi不
純物を所定濃度で導入して、抵抗不純物領域124と、
基板電圧を変化させるための不純物領域126とを離間
して同時に形成した。その上に絶縁膜128を成膜し、
これに開口部を設け、抵抗不純物領域124上で測定端
子をなす2つのオーミック電極130,132と不純物
領域126上に基板電圧の印加端子をなすオーミック電
極136とを、リフトオフ法で一括形成した。
【0008】図5(b)に、測定結果(抵抗素子のI−
V特性)を示す。この測定では、まず、基板122を接
地した状態で、電極130をプラス、電極132をマイ
ナスにして抵抗素子の印加電圧VHを徐々に大きくして
いったときに、端子間に流れる素子電流IHをパラメー
タアナライザを用いて測定した。また、基板に負の電圧
(−VSUB )を印加し、その電圧値VSUB を2V,4
V,6Vと大きくしていったときに、それぞれの基板電
圧において上記と同様な測定を繰り返し行った。この結
果、基板電位を負側に振ると、抵抗不純物領域124の
電気抵抗が増大し、飽和電流が次第に減少して殆ど流れ
なくなり、あたかも基板122がゲートとして作用する
FETのドレイン電圧電流特性の如き特性が得られた。
これは、基板122が半絶縁性とはいえ若干の電位変動
があり、その電位変動による抵抗不純物領域への影響
(抵抗値変動)が意外に大きいことを示すものである。
かかる抵抗変動は、基板122の印加電圧が負に大きく
なるにしたがって、空間電荷領域(先の図4に示す空乏
層)が抵抗不純物領域内に拡がり、その電流チャネルを
狭めて電流に寄与するシートシャリア濃度を減少させる
ために起こると解される。
【0009】この実験から容易に推測できるように、実
際のGaAs集積回路における抵抗素子は、その抵抗値
が基板電位に応じて数桁のオーダで変動する。したがっ
て、この基板電位による抵抗値変化は、例えばDCFL
型ロジックゲートのプルアップ抵抗値を変動させ、ノイ
ズマージンを減少させることによって、回路の誤動作を
招く要因ともなっていた。この従来の抵抗素子を有する
集積回路の誤動作を防止するには、基板電位を制御して
所望の抵抗値を維持しなければならない。しかし、抵抗
素子の抵抗値に大きく影響する基板電位は、同じ基板内
に近接して作られた周辺素子の影響、例えば近接するF
ETのソース・ドレイン電圧や、FETから基板に注入
された正孔の量等の種々の要因が総合して決まり、回路
の動作状態に応じて複雑に変動していることから、この
基板電位を予測し制御することは困難である。
【0010】本発明は、このような実情に鑑みてなさ
れ、半絶縁性基板に作られ基板電位の影響を受けにくい
構成とした半導体抵抗素子を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した従来技術の問題
点を解決し、上記目的を達成するために、本発明の半導
体抵抗素子は、半絶縁性の半導体基板と、当該半導体基
板内の表面側に形成され、抵抗素子の抵抗値を決める第
1導電型の抵抗不純物領域とを有する半導体抵抗素子で
あって、前記半導体基板の基板領域と前記抵抗不純物領
域との間に、第2導電型を有して所定電位に保持された
抵抗素子専用の埋め込み不純物領域が設けられている。
この埋め込み不純物領域は、好ましくは、前記所定電位
を印加していない状態で全て空乏化しない基板深さ方向
の幅を有する。また、埋め込み不純物領域上には、好ま
しくは、所定間隔で2つのオーミック電極と、当該2つ
のオーミック電極上のそれぞれに接触する配線層とが設
けられ、埋め込み不純物領域の一方端には、オーミック
電極を介して前記所定電位を付与する電位供給配線層が
設けられている。
【0012】この半導体抵抗素子では、抵抗不純物領域
と基板領域との間には、固定電位の埋め込み不純物領域
が設けられ、しかも好適には、この埋め込み不純物領域
が厚さ方向全てが空乏化しないことから、抵抗不純物領
域は、半導体基板の電位変動の影響を殆ど受けない。こ
のため、抵抗不純物領域の濃度を低くして高抵抗化した
場合であっても、抵抗値が変動するようなことがない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る半導体抵抗素
子の実施形態を、GaAsJFETを基本素子とする場
合を例に図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】図1(a)は本発明の実施形態に係る半導
体抵抗素子の概略平面図である。また、図1(b)は図
1(a)のA−A’線に沿った断面図である。図1にお
いて、符号1は半導体抵抗素子、2は半絶縁性基板、例
えばGaAs基板を示す。半絶縁性GaAs基板2内の
表面側に、本実施形態では、例えばマグネシウム(M
g)が導入されたp型の埋め込み不純物領域4が形成さ
れ、その埋め込み不純物領域4内の表面側に抵抗素子1
のn型不純物領域(抵抗不純物領域6)が形成されてい
る。埋め込み不純物領域4は、当該抵抗不純物領域6の
基板変調を防ぐために設けたものである。埋め込み不純
物領域4は、望ましくは、少なくとも埋め込み不純物領
域4に電圧を印加しないときに基板深さ方向が全て空乏
化しない程度に、ある程度大きな厚みを有する。埋め込
み不純物領域4は、抵抗不純物領域6と逆導電型であれ
ばよく、逆に埋め込み不純物領域4がn型、抵抗不純物
領域6がp型でもよい。
【0015】この各種不純物領域が形成された基板上に
は、絶縁膜8が成膜されている。この絶縁膜8には、抵
抗不純物領域6上で所定間隔で開口する2つの開孔部8
aと8bと、埋め込み不純物領域4の一方端部上で開口
する開孔部8cとが設けられている。抵抗不純物領域6
上の2つの開孔部8a,8b内に、それぞれオーミック
電極10,12が埋め込まれ、また埋め込み不純物領域
4上の開孔部8cには、オーミック電極14が埋め込ま
れている。これらのオーミック電極10,12,14
は、例えばAuGe/Niの積層金属を下地のGaAs
と合金化したもの等、コンタクト抵抗が低い材料から構
成されている。
【0016】抵抗不純物領域18上の2つのオーミック
電極10,12上にそれぞれ接する配線層16,18
が、絶縁膜8上を抵抗不純物領域18外側に向けて配線
されている。また、埋め込み不純物領域4上のオーミッ
ク電極14上に接する電位供給配線層20が、絶縁膜8
上に配線されている。これらの配線層16,18,20
は、Ti/Au,Ti/Pt/AuのAu系の積層金属
或いはAl等からなる。
【0017】このような構成の半導体抵抗素子1では、
抵抗不純物領域6と基板領域との間には、固定電位の埋
め込み不純物領域4が設けられ、しかも好適には、この
埋め込み不純物領域が厚さ方向全てが空乏化しないこと
から、抵抗不純物領域6は、半導体基板の電位変動の影
響を殆ど受けない。このため、本実施形態の半導体抵抗
素子1は、抵抗不純物領域6の濃度を低くして高抵抗化
した場合であっても、抵抗値が変動するようなことがな
いという利点がある。半導体集積回路内で他の素子とと
もに単一の基板に集積化された抵抗素子において、その
誤動作防止に上記利点が特に有効である。なぜなら、半
導体集積回路ではFET等を含む抵抗素子周囲の素子の
影響、例えばFETのソースまたはドレイン不純物領域
への印加電圧値、或いは当該電圧印加による基板への正
孔注入等の影響で基板電位が変化することがあるが、本
実施形態では上記理由により素子抵抗値が殆ど変動しな
いからである。
【0018】つぎに、この図1に示す半導体抵抗素子の
製造方法を説明する。
【0019】図2及び図3は、図1に示す半導体抵抗素
子の各製造過程を示す断面図である。図2(a)では、
まず、半絶縁性の半導体基板2として、例えば半絶縁性
LEC−GaAs基板(主面方位(100))を用意
し、この半絶縁性の半導体基板2の主面に、例えばプラ
ズマCVD法によりキャップ層3を形成する。このキャ
ップ層3は、例えば窒化シリコン(SiN)或いは酸化
シリコン(SiO2 )から構成され、膜厚が例えば50
nm程度で形成される。次いで、抵抗を形成する部分で
開口するレジストパターン5を、光学リソグラフィ技術
を用いて形成する。このレジストパターン5をマスク
に、キャップ層3をスルー膜として例えばSi等のn型
不純物を基板内表面側にイオン注入する。これにより、
レジストパターン5の開口部5aに応じた基板領域に、
所定の濃度プロファイルで抵抗不純物領域6が形成され
る。イオン注入条件は、注入エネルギーを例えば120
KeVとし、ドーズ量を例えば1×1013/cm2 とす
る。
【0020】レジストパターン5を除去した後、続く図
2(b)では、抵抗不純物領域6より広い開口部7aを
有するレジストパターン7を、光学リソグラフィ技術を
用いてキャップ層3上に形成する。このレジストパター
ン7をマスクに、キャップ層3をスルー膜として例えば
Mg等のp型不純物を基板内表面側にイオン注入する。
このときのイオン注入は、p型不純物領域が抵抗不純物
領域6より深くに、また周囲を囲んで基板領域との間に
介在し、かつ抵抗不純物領域6のn型不純物濃度が所定
値となるような条件で行う。例えば、注入エネルギーを
先程より高い240KeVとし、ドース量を先程より低
い5×1012/cm2 程度とする。これにより、レジス
トパターン7の開口部7aに応じた面積で抵抗不純物領
域6周囲の基板領域との間に、所定の濃度プロファイル
の埋め込み不純物領域4が形成される。
【0021】図2(c)では、キャップ層3が酸化シリ
コン系の膜である場合は例えばフッ酸(HF)を含む所
定のエッチング溶液等を用いて、キャップ層3を除去す
る。このキャップレスの状態で、基板全体を例えば所定
圧の水素化砒素(AsH3 )中で850℃でアニール
し、導入不純物を活性化させる。
【0022】図2(d)に示すように、プラズマCVD
法等を用いて、例えばSiNからなる絶縁膜8を全面に
300nmほど堆積する。続いて、図3(e)に示すよ
うに、絶縁膜8上に、所定のオーミック電極形成部分で
開口するレジストパターン9を、通常のフォトリソグラ
フィ技術を用いて形成する。このレジストパターン9を
マスクに、下地の絶縁膜8をエッチングし、抵抗不純物
領域6の両端部を表出させる開孔部8aと8b、埋め込
み不純物領域4の一方端を表出させる開孔部8cを同時
形成する。ここで、この絶縁膜のエッチングは、例え
ば、CF4 /H2 を反応ガスとするRIE等で行う。
【0023】レジストパターン9をつけたまま、図3
(f)に示すように、全面にオーミック電極材料となる
金属薄膜11を成膜する。この金属薄膜11の成膜で
は、抵抗加熱蒸着法等により、例えばAuGe合金とN
iの2層膜を連続蒸着する。これにより、絶縁膜8の開
孔部8a,8b,8cが、それぞれ孤立した金属薄膜1
0a,12a,14aによって埋め込まれる。
【0024】金属薄膜10a,12a,14a以外の殆
どの金属薄膜11はレジストパターン9の上に残るが、
図3(g)においては、まず、この不要な部分をリフト
オフ法によって除去する。すなわち、蒸着後の基板を、
例えばアセトン等のレジスト溶解液に浸すと、レジスト
の溶解とともにレジストパターン9上の不要な金属薄膜
11は剥離される。その後、所定の合金化加熱処理を行
うことによって、残された金属薄膜10a,12a,1
4aがGaAs基板と合金化し、低抵抗なオーミック電
極10,12,14が形成される。続いて、このオーミ
ック電極及び絶縁膜8上の全面に、配線材料として金属
膜15を成膜し、その上にフォトリソグラフィ法によっ
てレジストパターン17を形成する。金属膜15は、例
えば、Ti/Pt/Auの3層膜とし、膜厚は、Tiお
よびPtが50nmでAuが120nm程度とする。
【0025】図3(h)では、このレジストパターン1
7で被膜されていない金属膜部分をエッチング除去し
て、金属配線のパターンニングを行う。金属膜15がA
u系の場合、このパターンニングはイオンミリング法が
用いられる。これにより、抵抗素子の2つのオーミック
電極10,12にそれぞれ接続された抵抗素子用の配線
層16,18と、埋め込み不純物領域4上のオーミック
電極14に接続された電位供給配線層20とが形成され
る。エッチング後は、レジストパターン17を除去し
て、図1に示す本実施形態の抵抗素子を完成させる。
【0026】本実施形態の半導体抵抗素子では、埋め込
み不純物領域4を抵抗不純物領域6の周囲に設けこれを
所定電位で保持するが、その電位供給手段として、オー
ミック電極14と電位供給配線層20が用いられる。こ
れらの固定電位供給用の電極と配線層は、抵抗素子の電
極10,12または配線層16,18と同時形成される
ことから、従来の製造方法に比べ、埋め込み不純物領域
4の形成のためのレジストパターン7の形成とイオン注
入(図2(b))の工程増加で済み、比較的に製造工程
が簡素である。
【0027】最後に、本実施形態の半導体抵抗素子1の
集積回路等における使用方法について簡単に述べる。第
1の使用例は、埋め込み不純物領域4の電位を接地電位
(0V)に固定することである。本実施形態の抵抗素子
を集積回路用として用いた場合、基板電位は抵抗素子周
囲の状況、例えば、図示しないトランジスタのソース又
はドレイン不純物領域の電位、このような不純物領域か
らの正孔の注入等によって、0Vから電源電圧VDDの範
囲で種々変化し得る。埋め込み不純物領域4を接地電位
に固定すると、抵抗不純物領域6について、その両端に
印加される電位に対して、常に、同じ抵抗値が再現さ
れ、当該抵抗素子1を基本構成素子として用いる半導体
集積回路の誤動作を有効に防止することができる。
【0028】第2の使用例は、埋め込み不純物領域6を
電源電圧VDDに固定することである。この場合、抵抗の
端子電圧が電源電圧VDDよりある程度下がると、埋め込
み不純物領域6と抵抗不純物領域4によるpn接合が順
方向にバイアスされ、抵抗値が若干下がることがある。
これは、前述とは逆向きのバックゲート効果によるもの
である。pn接合が順方向にバイアスされると、抵抗不
純物領域4と埋め込み不純物領域6との間で空乏化して
いた領域が導電層になる過程で小さくなる或いは空乏化
領域がなくなり、抵抗素子を流れる電流に寄与できるキ
ャリア数が増えるために、抵抗値が下がることがある。
ところが、埋め込み不純物領域4の電位は固定されてい
るため、この抵抗値の低下の程度は予測できて再現性が
ある。また、このときの抵抗値の変動(低下)は、従来
の基板電位の変動による抵抗値変動に比べ桁違いに小さ
い。従って、従来のような予測不可能な抵抗値の変動を
防止することに対し、埋め込み不純物領域4を電源電圧
DDに固定する本第2の使用例は有効である。なお、抵
抗の端子電圧が電源電圧VDDより更に低下すると、両不
純物領域4,6によるpn接合で順方向電流が流れるこ
とが原理的には予想できるが、通常、抵抗不純物領域6
の濃度は埋め込み不純物領域4の濃度より高いため、抵
抗不純物領域6にのみ電流が流れる。ただし、抵抗に急
激に大きな電流が流れると、このpn接合に順方向電流
が流れることも否定できないので、電源電圧VDDで保持
されている電位供給配線層20に近い抵抗端子(配線層
16)は高い電圧(例えば、同じ電源電圧VDD)で保持
し、電位供給配線層20に遠い抵抗端子(配線層18)
を、例えば0Vから電源電圧VDDまで変化させる使用方
法が望ましい。配線層16を電源電圧VDDで保持すると
すれば、一般には、この配線層16と固定電位供給層2
0を短絡して使用する。
【0029】
【発明の効果】本発明に係る半導体抵抗素子によれば、
抵抗不純物領域周囲の基板領域との間に逆導電型の埋め
込み不純物領域が介在し、これが所定の電位で保持され
ているので、基板電位変動の影響を受けて抵抗不純物領
域の電流チャネル抵抗(又はシート抵抗)が変動するこ
とがないので、当該抵抗素子の抵抗値を一定にできる。
とくに、本発明の半導体抵抗素子は、周囲にトランジス
タ等が集積されて基板変動が発生しやすい半導体集積回
路の基本抵抗素子として好適である。この意味では、本
発明によって、抵抗値変動による回路誤動作をひき起こ
し難い動作信頼性が高い集積回路用の半導体抵抗素子を
実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体抵抗素子の概略
平面図と、平面図のA−A’線に沿った各断面図であ
る。
【図2】図1に示す半導体抵抗素子の各製造過程を示す
断面図であり、各不純物領域形成後の絶縁膜形成までを
示す。
【図3】図2に続く同断面図であり、最終工程の配線層
形成までを示す。
【図4】従来から用いられている半導体抵抗素子の構造
例を示す断面図である。
【図5】解決課題で述べた抵抗不純物領域に対するバッ
クゲート効果の影響を調べた測定試料の断面図と、測定
結果(抵抗素子のI−V特性)を示すグラフである。
【符号の説明】
1…半導体抵抗素子、2…絶縁性半導体基板、4…埋め
込み不純物領域、5,7,9,17…レジストパター
ン、6…抵抗不純物領域、8…絶縁膜、8a〜8c…開
孔部、10,12,14…オーミック電極、10a,1
2a,14a,11…オーミック電極合金化前の金属薄
膜、15…金属膜、16,18…抵抗素子の配線層、2
0…電位供給配線層。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半絶縁性の半導体基板と、 当該半導体基板内の表面側に形成され、抵抗素子の抵抗
    値を決める第1導電型の抵抗不純物領域と を有する半導体抵抗素子であって、 前記半導体基板の基板領域と前記抵抗不純物領域との間
    に、第2導電型を有して所定電位に保持された抵抗素子
    専用の埋め込み不純物領域が設けられている半導体抵抗
    素子。
  2. 【請求項2】前記埋め込み不純物領域は、前記所定電位
    を印加していない状態で全て空乏化しない基板深さ方向
    の幅を有する請求項1に記載の半導体抵抗素子。
  3. 【請求項3】前記埋め込み不純物領域上には、所定間隔
    で2つのオーミック電極と、当該2つのオーミック電極
    上のそれぞれに接触する配線層とが設けられ、 前記埋め込み不純物領域の一方端には、オーミック電極
    を介して前記所定電位を付与する電位供給配線層が設け
    られている請求項1に記載の半導体抵抗素子。
  4. 【請求項4】前記所定電位が接地電位である請求項1に
    記載の半導体抵抗素子。
  5. 【請求項5】前記所定電位が電源電位である請求項1に
    記載の半導体抵抗素子。
  6. 【請求項6】前記半導体基板がGaAs半絶縁性基板で
    ある請求項1に記載の半導体抵抗素子。
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