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JPH11210514A - 建設機械の原動機制御装置 - Google Patents

建設機械の原動機制御装置

Info

Publication number
JPH11210514A
JPH11210514A JP10010689A JP1068998A JPH11210514A JP H11210514 A JPH11210514 A JP H11210514A JP 10010689 A JP10010689 A JP 10010689A JP 1068998 A JP1068998 A JP 1068998A JP H11210514 A JPH11210514 A JP H11210514A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
work
rotation speed
boom
turning
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10010689A
Other languages
English (en)
Inventor
Tokuji Nagira
篤司 柳樂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP10010689A priority Critical patent/JPH11210514A/ja
Publication of JPH11210514A publication Critical patent/JPH11210514A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Operation Control Of Excavators (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】建設機械が行う各種作業内容を的確に判別し、
これにより作業内容に適合した回転数制御を行い、作業
効率を飛躍的に向上させる。 【解決手段】建設機械が行う複数種類の作業(ブーム上
げ作業、バケットによる整地作業)に関与する複数の作
業機(ブーム、バケット)が設定される。そして、設定
された複数の作業機の作動状態が作動状態検出手段8
A、8Bで検出される。そして、作業状態検出手段の出
力に基づいて、複数種類の作業のうちいずれの作業(ブ
ーム上げ作業、バケットによる整地作業)を行っている
かが判断される。そして、上記判断された作業内容に応
じて、原動機1の目標回転数が、設定された目標回転数
に対して増加させるか否かが判断される(ステップ10
2)。そして、目標回転数を増加させると判断された場
合には、原動機1の目標回転数が、作業機の作動状態
(8Aの検出圧力p)に応じた増分だけ、設定された目
標回転数に対して増加される(ステップ103)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベル、ク
レーンなどの建設機械に関し、特に、建設機械に搭載さ
れる原動機の回転数を制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベルなどの建設機械において
は、種々の作業が行われる。そして、作業の種類によっ
て、それに最適なエンジン(原動機)の回転数は異な
る。
【0003】すなわち、油圧ショベルは、基本的に、ブ
ーム、アーム、バケット、旋回、右走行、左走行といっ
た6軸の操作軸を有している。
【0004】これらの操作軸の中で、バケット軸につい
てみれば、バケットのシリンダへの圧油の要求流量は、
一般的に少ないので、バケット軸を単独で操作する場合
には、エンジンの目標回転数は、あまり高くない回転数
に設定しておくことが、燃費を低下させる点で望まし
い。
【0005】図6は、建設機械のエンジン特性、つまり
燃費カーブ(実線)、トルクカーブ(一点鎖線)、等馬
力カーブ(破線)の関係を示している。
【0006】バケットが作動されているときは、燃費が
最良となるように、エンジンの目標回転数を、比較的低
い回転数N2に設定しておくことが望ましい。
【0007】また、ブームを上昇させる作業や旋回作業
を行う場合には、それぞれの油圧アクチュエータで大き
な慣性体(作業機全体、上部旋回体)を作動させる必要
があるので、高い馬力で作業が行われるようにエンジン
目標回転数を、高い回転数にもっていく必要がある。た
とえば、図6において、燃費は悪化するものの高馬力が
得られるエンジン目標回転数N2+D3に設定しておくこ
とが望ましい。
【0008】しかしながら、同じブームを上昇させる作
業でありながら、バケットに対する操作が加わると事情
は異なる。ブームを上昇させつつバケットも同時に作動
させている場合の作業は、バケットの底面で地面を平ら
に整地する作業や、バケットの先にフックを取り付け
て、このフックに管などを吊す吊り作業などであり、こ
うした作業を行う場合は、ある程度のファインコントロ
ール性が要求されるので、あまり高くない回転数にエン
ジン目標回転数にもっていくことが望ましい。
【0009】一方、バケットに荷を積み、ブーム上げと
旋回を同時に複合操作して、待機しているダンプトラッ
クのベッセルの高さまでバケットを上昇させつつ、ダン
プトラックのベッセルの方向まで、作業機を旋回させる
ホイスト作業を行う場合には、高圧で多量の圧油を油圧
ポンプから吐出させて馬力を高める必要がある。このた
め、バケットに対する操作の有無に関わらずに、出力馬
力が大きい、高い目標回転数にエンジンの回転数をもっ
ていくことが望ましい。
【0010】このように、油圧ショベルなどの建設機械
において、エンジンの目標回転数を、燃費が最良となる
回転数N2から増加させるかどうかの判断は、種々の作
業状態に応じて変化する。
【0011】そこで、従来は、これに対処するために、
エンジンの目標回転数の大きさを選択できる複数のモー
ドスイッチを操作盤に設けて、モードスイッチによって
選択された目標回転数が得られるように、エンジンを制
御するようにしていた(特願昭63−190076号な
ど)。
【0012】しかし、作業中は、操作レバーの複合操作
に専念しなければならないオペレータにとって、現在の
作業内容に適合するエンジン目標回転数に変更させるべ
くモードスイッチを手動で操作することは、煩雑であ
り、実際には利用されないことが多い。
【0013】そこで、自動的にエンジン目標回転数を変
更できることが要望されていた。
【0014】この種のエンジン目標回転数を自動的に変
更することに関する技術として、特開平5−14096
8号公報にみられるものがある。
【0015】この公報には、複数の操作レバーの操作の
有無と操作方向を検出し、これらの操作の有無と操作方
向の各種組合せに応じて、エンジン目標回転数を、設定
された目標回転数に対して増加させるという発明が記載
されている。
【0016】しかし、複数の操作レバーの操作の有無と
操作方向の各種組合せからは、必ずしも建設機械が行う
作業内容を的確に判別することはできない。また、必ず
しも作業内容に適合したエンジン回転数制御がなされて
いるとは限らない。
【0017】たとえば、ブームに対応する操作レバーの
操作入力を繰り返して、ブームを少しずつ徐々に上昇さ
せるインチング作業は、位置決めのために操作レバーの
ファインコントロール域(図12参照)の操作入力を繰
り返す作業であり、ファインな操作性が要求される。こ
のため、エンジン回転数が急激に増大して、これにより
操作レバーの操作性が損なわれることは避けなければな
らない。
【0018】しかし、上記公報記載の技術によれば、ブ
ーム上昇方向へ操作されたときに一律にエンジン目標回
転数が所定量だけ増大されるために、インチング作業時
には、操作レバーの操作入力が繰り返される度に、エン
ジン回転数の急激な増大が繰り返されることになり、こ
れにより操作レバーの操作性が損なわれてしまう。ま
た、エンジン回転数が上昇する度にマフラーから黒煙が
上がり、環境的にも好ましくないなどの不都合も招来す
る。
【0019】また、特公平4−61171号公報には、
ブーム、旋回といった特定の作業機に対応する操作レバ
ーの操作量に応じて、エンジン目標回転数を増加させる
発明が記載されている。
【0020】この場合、ブームの上げと旋回に対応する
操作レバーの操作量に応じてエンジン目標回転数が増加
するため、インチング作業では、上記特開平5−140
968号公報のごとく急激な回転数増大は生ぜずに、徐
々に回転数が増大するため、上記特開平5−14096
8号公報記載の技術よりも優れている。
【0021】しかし、ブーム、旋回といった特定の作業
機の操作量だけから、エンジン回転数を制御しているた
め、後述するように、両作業機軸を複合操作する作業、
つまりホイスト旋回作業あるいは転圧作業を区別するこ
とが不可能となる。そして、転圧作業を行っているとき
にもエンジン回転数が一律に増大してしまうため、転圧
作業時にブーム上下の操作が頻繁に繰り返されると、頻
繁にマフラから黒煙が上がり、環境にも良くないという
問題が招来する。
【0022】このため、オペレータとしては、エンジン
目標回転数を下げるべく、エンジン回転数設定用のスロ
ットルレバーを手動で操作しなければならないという煩
雑な操作を強いられることになる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来技
術にあっては、自動的にエンジン目標回転数を設定目標
回転数に対して増大させるという試みがなされているも
のの、必ずしも建設機械が行う作業内容(たとえばイン
チング作業、整地作業、吊り作業)を的確に判別するこ
とはできないことになっていた。このため、必ずしも作
業内容に適合したエンジン回転数制御がなされていると
はいえなかった。
【0024】本発明はこうした実状に鑑みてなされたも
のであり、建設機械が行う作業内容を的確に判別できる
ようにして、作業内容に適合した原動機の回転数制御を
なし得ることを第1の解決課題とするものである。
【0025】さらに、本発明は、第1の解決課題に加え
て、つぎような具体的な要請に応えることを解決課題と
するものである。
【0026】すなわち、同じ作業機が作動されていたと
しても、同じ作動状態の継続時間いかんによって、作業
内容は異なることがあり、異なる作業内容毎に異なるエ
ンジン回転数制御を行う必要がある。
【0027】たとえば、ブーム上げと旋回を複合操作す
るホイスト旋回作業の場合には、前述したように、油圧
アクチュエータに作用する負荷が大きいので、旋回とブ
ーム上げに対応する各操作レバーの操作量の合計に応じ
た増分だけ、エンジン目標回転数を増加させることが望
ましい。
【0028】しかし、同じブーム上げと旋回を複合操作
する作業であっても、掘り起こした穴の土を埋め戻す作
業である転圧作業の場合には、ブームの上げとブームの
下げの切換が約1秒毎に繰り返される。
【0029】したがって、仮に、転圧作業時に、ブーム
上げと旋回という作動状態の継続時間を何ら考慮せず
に、ホイスト旋回作業と同様のエンジン回転数制御を行
った場合には、エンジン回転数は、短い周期(約1秒)
で繁雑に増大を繰り返すことになり、操作レバーの操作
感覚上、違和感をオペレータに与えることになる。
【0030】むしろ、転圧作業の場合には、ホイスト旋
回作業の場合と異なり、旋回に対応する操作レバーの操
作量のみに応じてエンジン回転数を増加させるように
し、ブームの上げ下げに応じてエンジン回転数を変動さ
せないことが望ましい。
【0031】したがって、本発明では、作業機が同じ作
動状態となっている継続時間の長さから、作業内容(た
とえば、ホイスト旋回作業と転圧作業)を判別するよう
にし、判別した作業内容に適合した原動機の回転数制御
をなし得ることを第2の解決課題とするものである。
【0032】さて、たとえば、いわゆる仕上げスキ取り
作業と旋回作業を考えると、微操作性が要求される仕上
げスキ取り作業では、エンジン目標回転数を増加させた
くないが、バケットに重い土を積んで旋回がなされる旋
回作業時には、エンジン目標回転数を増加させる必要が
ある。
【0033】したがって、仕上げスキ取り作業時にレバ
ー操作を誤って旋回作業と同態様のレバー操作態様(旋
回レバーの操作入力有り)となったとしても、それによ
ってエンジン目標回転数が不用意に増加してしまうこと
は避けなければならない。
【0034】一般に、油圧ショベルなどの建設機械にあ
っては、図22(a)に示すように運転席に左右の操作
レバー30L、30Rが設けられており、1本の操作レ
バーで異なる2つの作業機を作動できるようになってい
る。つまり、図22(b)に示すごとく、左レバー30
Lの前後操作に応じてアームが掘削方向に作動され、ま
たアームがダンプ方向に作動される。そして同じ左レバ
ー30Lの左右操作に応じて上部旋回体が右旋回方向に
作動され、また上部旋回体が左旋回方向に作動される。
同様に、右レバー30Rの前後操作に応じてブームが上
げ方向、下げ方向に作動され、同じ右レバー30Rの左
右操作に応じてバケットが掘削方向、ダンプ方向に作動
される。
【0035】そこで、スキ取り作業時に、右レバー30
Rでブームを上げ方向に作動させ、左レバー30Lでア
ームを掘削方向に的確に操作しているときに、誤操作に
より、左レバー30Lを左右方向に倒してしまい旋回操
作軸を作動させてしまうことがある。
【0036】通常は、レバー操作量が僅かであれば、す
ぐには作業機が作動しないように不感帯を設けて対処し
ている。しかし、急斜面上においてスキ取り作業を行っ
たり、走行しながらスキ取り作業を行ったりする場合に
は、オペレータの姿勢が傾き易く、無意識のうちに意図
していない旋回操作軸を作動させてしまうことが多い。
【0037】こうした場合に、誤操作でありながら操作
態様のみから旋回作業であると誤って判断してしまい、
エンジン回転数を増加させてしまうと、予期せぬエンジ
ン回転数上昇により事故につながるなどの不都合が招来
することになる。
【0038】したがって、本発明では、操作レバーの誤
操作があったとしても、それによって原動機の目標回転
数を上昇させないようにして、予期せぬ原動機の回転数
上昇に伴う不都合を防止することを第3の解決課題とす
るものである。
【0039】さて、また、同じ作業機が作動していても
操作レバーの操作量に応じたエンジン回転数制御の内容
を変えたい場合がある。
【0040】これを、仕上げスキ取り作業と旋回作業と
で考える。
【0041】ここに、同じ仕上げスキ取り作業であって
も、上部旋回体を正面方向に向けて(旋回せずに)ブー
ムとアームだけを作動させて行う正面スキ取り作業と、
旋回操作も加えて、正面方向から斜めの方向に連続的に
旋回させつつ行う旋回スキ取り作業とがある。この旋回
スキ取り作業時には、ブーム上げ、アーム掘削に対応す
る操作レバーの操作量は10%〜50%位のファインコ
ントロール域になっており、旋回に対応するレバー操作
量は30%〜70%程度になっている。こうした操作量
にあるときは、エンジン目標回転数を増大させずに設定
目標回転数のままで、微操作性よく作業を行う必要があ
る。したがって、旋回スキ取り作業の場合には、旋回に
対応する操作レバーが操作されたとしてもすぐには(レ
バー操作量30%〜70%程度)エンジン目標回転数を
増加させることせずに、相当量レバーが操作されたとき
に(レバー操作量70%以上)、エンジン目標回転数を
増加させることが望ましい。
【0042】一方、バケットに重い土を積んで旋回させ
る旋回作業の場合には、負荷が大きいので、旋回に対応
する操作レバーが操作されればすぐに(レバー操作量3
0%以上)、エンジン目標回転数を増加させておくこと
が、作業効率の点で望ましい。
【0043】したがって、本発明では、同じ作業機が作
動していても、異なる作業を行っていれば、操作レバー
の操作量に応じたエンジン回転数制御の内容を変えるよ
うにして、作業内容に適合したエンジン回転数制御をな
し得ることを第4の解決課題とするものである。
【0044】
【課題を解決するための手段および効果】そこで、本発
明の第1発明では、上記第1の解決課題達成のために、
原動機と、該原動機により駆動される油圧ポンプと、複
数の作業機をそれぞれ駆動する複数の油圧アクチュエー
タと、該複数の油圧アクチュエータに対応して設けられ
た複数の操作子と、該操作子の操作量に応じた流量の前
記油圧ポンプの吐出圧油を、対応する油圧アクチュエー
タに供給する複数の操作弁とを有し、前記操作子の操作
に応じて、前記油圧アクチュエータを駆動させて、前記
作業機を作動させるとともに、前記原動機の目標回転数
を、設定された目標回転数に対して増加させる制御を行
う建設機械の原動機制御装置において、前記建設機械が
行う複数種類の作業に関与する複数の作業機を設定する
設定手段と、前記設定手段で設定された複数の作業機の
作動状態を検出する作動状態検出手段と、前記作業状態
検出手段の出力に基づいて、前記複数種類の作業のうち
いずれの作業を行っているかを判断する作業種類判断手
段と、前記作業種類判断手段で判断された作業内容に応
じて、前記原動機の目標回転数を、設定された目標回転
数に対して増加させるか否かを判断する回転数増加判断
手段と、前記回転数増加判断手段で目標回転数を増加さ
せると判断された場合には、前記原動機の目標回転数
を、前記作業機の作動状態に応じた増分だけ、設定され
た目標回転数に対して増加させる回転数増加手段とを具
えるようにしている。
【0045】第1発明によれば、図1、図2に示すよう
に、建設機械が行う複数種類の作業(ブーム上げ作業、
バケットによる整地作業)に関与する複数の作業機(ブ
ーム、バケット)が設定される。
【0046】そして、設定された複数の作業機の作動状
態が作動状態検出手段8A、8Bで検出される。
【0047】そして、作業状態検出手段の出力に基づい
て、複数種類の作業のうちいずれの作業(ブーム上げ作
業、バケットによる整地作業)を行っているかが判断さ
れる。
【0048】そして、上記判断された作業内容に応じ
て、原動機1の目標回転数が、設定された目標回転数に
対して増加させるか否かが判断される(ステップ10
2)。
【0049】そして、目標回転数を増加させると判断さ
れた場合には、原動機1の目標回転数が、作業機の作動
状態(8Aの検出圧力p)に応じた増分だけ、設定され
た目標回転数に対して増加される(ステップ103)。
【0050】以上のように、第1発明によれば、特定の
作業機(ブーム)の作動状態から原動機の回転数を制御
しているのではなく、建設機械が行う複数種類の作業
(ブーム上げ作業、バケットによる整地作業)に関与す
る複数の作業機(ブーム、バケット)を予め設定して、
これらの作業機の作動状態から作業の種類を判断するよ
うにしているので、建設機械が行う作業内容(たとえ
ば、ブーム上げ作業とバケットによる整地作業)を的確
に判別でき、これにより作業内容に適合した回転数制御
を行うことができ、作業効率を飛躍的に向上させること
ができる。
【0051】また、第1発明では、具体的には、複数の
作業機のうちの特定の作業機(バケット)が作動されて
いる場合には、特定の作業(バケットによる整地作業)
であると判断され(ステップ102の判断NO)、特定
の作業であると判断された場合には、原動機1の目標回
転数は、設定された目標回転数に対して増加されない
(ステップ104)。
【0052】第2の解決課題を達成すべく、第2発明で
は、上記第1発明において、前記作動状態検出手段は、
前記作業機が所定時間以上継続して同じ作動状態になっ
ていることを検出するものであり、前記作業種類判断手
段は、前記作業機が前記所定時間以上継続して同じ作動
状態になっているか否かを判定することで、第1の作業
であるか、またはこれと異なる第2の作業であるかを判
断するものとしている。
【0053】第2発明によれば、図16、図17に示す
ように、作業機(ブーム)が所定時間(1秒)以上継続
して同じ作動状態(ブーム上げ)になっていることが検
出される(ステップ508)。そして、作業機(ブー
ム)が所定時間以上継続して同じ作動状態になっている
か否かを判定することで、第1の作業(ホイスト旋回作
業)であるか、またはこれと異なる第2の作業(転圧作
業)であるかが判断される。
【0054】このように、第2発明では、作業機(ブー
ム)が同じ作動状態(ブーム上げ)となっている継続時
間の長さから、異なる作業内容(たとえば、ホイスト旋
回作業と転圧作業)を判別するようにしたので、判別し
た作業内容に適合した原動機の回転数制御を行うことが
できる。
【0055】第3の解決課題を達成すべく、第3発明で
は、上記第1発明において、前記作業種類判断手段は、
前記設定手段で設定された複数の作業機のうちの特定の
作業機が作動されている場合に、特定の作業であると判
断するものであり、前記回転数増加判断手段は、前記特
定の作業であると判断された場合には、前記原動機の目
標回転数を、設定された目標回転数に対して増加させる
と判断するものであり、前記回転数増加手段は、前記回
転数増加判断手段で目標回転数を増加させると判断され
た場合には、前記原動機の目標回転数を、前記特定の作
業機の作動状態に応じた増分だけ、設定された目標回転
数に対して増加させるものとしている。
【0056】第3発明によれば、図20、図21に示す
ように、設定された複数の作業機のうちの特定の作業機
(ブーム、アーム)が作動されている場合に、特定の作
業(スキ取り作業)であると判断される(ステップ70
2の判断YES)。
【0057】このように、ひとたび特定の作業(スキ取
り作業)であると判断された場合には、原動機1の目標
回転数は、設定された目標回転数に対して増加させると
判断される。
【0058】そして、原動機1の目標回転数は、特定の
作業機(ブーム、アーム)の作動状態(8Aの検出圧力
と8Xの検出圧力の和)に応じた増分だけ、設定された
目標回転数に対して増加される(ステップ707)。し
たがって、他の作業機(旋回)に対応する操作レバーが
誤操作されていたとしても、この旋回に対応する操作レ
バーの操作によって原動機1の目標回転数は増加するこ
とはない。
【0059】よって、操作レバーの誤操作があったとし
ても、それによって原動機の目標回転数は上昇すること
はなく、予期せぬ原動機の回転数上昇に伴う不都合を防
止することができる。
【0060】また、第3発明では、具体的には、図23
に示すように、特定の作業機(ブーム、アーム)以外の
作業機(旋回)に対応する操作子の操作量が所定量(7
0%)以上の場合に(ステップ809)、特定の作業機
の作動状態に応じた増分(ステップ807)に加えて、
特定の作業機以外の作業機の作動状態に応じた増分(ス
テップ809)だけ、原動機1の目標回転数が増加され
る。
【0061】すなわち、旋回に対応する操作子が誤操作
になったとしても所定量(70%)にならないと、旋回
操作に伴う原動機回転数上昇はないので、予期せぬ原動
機の回転数上昇に伴う不都合は充分に防止できる。
【0062】第4の解決課題を達成すべく、第4発明で
は、上記第1発明において、前記回転数増加判断手段
は、前記作業種類判断手段で第1の作業であると判断さ
れた場合には、特定の作業機が第1の所定量以上作動さ
れた場合に、前記原動機の目標回転数を、設定された目
標回転数に対して増加させると判断し、前記作業種類判
断手段で前記第1の作業とは異なる第2の作業であると
判断された場合には、前記特定の作業機が前記第1の所
定量とは異なる第2の所定量以上作動された場合に、前
記原動機の目標回転数を、設定された目標回転数に対し
て増加させると判断するものとしている。
【0063】第4発明によれば、図23に示すように、
第1の作業(旋回仕上げスキ取り作業)であると判断さ
れた場合には(ステップ802の判断YES)、特定の
作業機(旋回)が第1の所定量以上作動された(旋回用
操作レバーの操作量が70%となった)場合に(ステッ
プ809)、原動機1の目標回転数が、設定された目標
回転数に対して増加される。一方、第1の作業とは異な
る第2の作業(旋回作業)であると判断された場合には
(ステップ810の判断YES)、特定の作業機(旋
回)が第1の所定量とは異なる第2の所定量以上作動さ
れた(旋回用操作レバーの操作量が30%以上となっ
た)場合に(ステップ817)、原動機1の目標回転数
が、設定された目標回転数に対して増加される。
【0064】このように、同じ作業機(旋回)が作動し
ていても、異なる作業内容であれば、操作レバーの操作
量に応じた原動機の回転数制御の内容を変えるようにし
たので、作業内容に適合した回転数制御をなし得る。
【0065】以上のように、本発明によれば、従来技術
で判別できなかった作業種類を判別できるようになり、
この結果、作業内容に応じてきめ細かい回転数制御を行
うことが可能となる。
【0066】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る建設機械の原動機制御装置の実施の形態について説明
する。
【0067】なお、この実施の形態では、建設機械とし
て、油圧ショベルを想定している。
【0068】図1は、油圧ショベルの原動機制御装置の
構成を示している。
【0069】同図に示すように、この装置は、原動機で
あるエンジン1によって駆動され、これによってアクチ
ュエータ駆動用の圧油を吐出する油圧ポンプ3と、同エ
ンジン1によって駆動され、パイロット用の圧油を吐出
するパイロットポンプ4と、3つの操作子としての操作
レバー7A、7B、7Dにそれぞれ対応して設けられた
3つの油圧アクチュエータとしての油圧シリンダ6A、
6B、6Dと、油圧ポンプ3と上記油圧シリンダ6A、
6B、6Dとの間の3つの圧油供給路にそれぞれ設けら
れ、操作レバー7A、7B、7Dの操作量に応じて、そ
の開口面積が変化され、その変化された開口面積に応じ
た流量の圧油を、それぞれ対応する油圧シリンダ6A、
6B、6Dに供給する3つの操作弁としての流量制御弁
5A、5B、5Dと、エンジン1の目標回転数を、スロ
ットルレバー10で設定された目標回転数に対して増加
させるように制御するコントローラ2とから構成されて
いる。
【0070】上記操作レバー7Aは、ブーム上げ方向ま
たはブーム下げ方向に傾動操作されることで、図25に
示すように油圧ショベル40の作業機であるブーム41
(油圧シリンダ6Aに接続されている)を駆動させるた
めのレバーであり、これに付設された減圧弁には、パイ
ロットポンプ4からのパイロット圧油がパイロットライ
ン11Zを介して入力される。そこで、操作レバー6A
に付設された上記減圧弁では、オペレータの操作量に比
例した圧力pになるようにパイロット圧油が減圧され
て、流量制御弁5Aに接続するパイロットライン11A
1(ブーム上げ方向)、11A2(ブーム下げ方向)に供
給される。よって、ブーム用の流量制御弁5Aは、上記
パイロット圧力pに応じた分だけ駆動され、その開口面
積が変化される。
【0071】本実施形態では、ブーム上げ方向に対応す
るパイロットライン11A1のみにパイロット圧pを検
出する圧力センサ8Aが配設されている。この圧力セン
サ8Aによって、ブーム41の作動状態が検出される。
圧力センサ8Aの検出出力は、コントローラ2に加えら
れる。
【0072】同様に操作レバー7Bは、バケット掘削方
向またはバケットダンプ方向に傾動操作されることで、
作業機であるバケット43(油圧シリンダ6Bに接続さ
れている)を駆動させるためのレバーであり、オペレー
タの操作量に比例した圧力pのパイロット圧油がパイロ
ットライン11B1(バケット掘削方向)、11B2(バ
ケットダンプ方向)を介してバケット用流量制御弁5B
に加えられ、上記パイロット圧力pに応じた分だけ駆動
され、その開口面積が変化される。
【0073】本実施形態では、パイロットライン11B
1(バケット掘削方向)、11B2(バケットダンプ方
向)を結ぶラインにシャトル弁12が設けられており、
当該ライン上の圧力が圧力センサ8Bにて検出される。
この圧力センサ8Bにて、両ライン11B1(バケット
掘削方向)、11B2(バケットダンプ方向)のうちで
圧力の大きい方の圧力pが検出される。つまり、圧力セ
ンサ8Bによって、バケット43の作動状態が検出され
る。圧力センサ8Bの検出出力は、コントローラ2に加
えられる。
【0074】操作レバー7Dは、上記ブーム、バケット
以外の作業機を作動させるためのレバーであり、説明の
便宜のため1個で示している。5Dは、レバー7Dに対
応する流量制御弁、6Dは、レバー7Dに対応する油圧
シリンダである。実際には、アーム、旋回、左・右走行
のためのレバー、流量制御弁、油圧シリンダが複数設け
られる。動作態様は、上記説明したブーム、バケットの
場合と同様であるので説明は省略する。上記ブーム、バ
ケット以外の作業機用の流量制御弁5Dに接続されるパ
イロットラインの圧力は検出していない。つまり、図1
の実施形態では、ブーム、バケット以外の作業機の作動
状態を検出してはいない。
【0075】このように、図1に示す実施形態では、ブ
ーム、バケットが、油圧ショベルで行う複数種類の作業
に関与する作業機であると設定している。
【0076】なお、以下、符号の添え字でAとあるの
は、作業機としてブームを表し、Bとあるのは、作業機
としてバケットを表し、Cとあるのは、作業機として上
部旋回体(旋回)を表し、Xとあるのは、作業機として
アームと表し、Dとあるのは、図面で省略されているそ
の他の作業機を表すものとする。
【0077】図2は、図1のコントローラ2で行なわれ
るエンジン回転数制御を説明するフローチャートであ
る。以下、この図2を併せ参照して説明する。
【0078】本実施形態では、ブーム上げ方向に操作レ
バー7Aが操作されたときに、目標回転数を増加させる
ようにし、バケットに対応する操作レバー7Bが操作さ
れたときには、目標回転数を増加させないように制御す
るものである。
【0079】まず、コントローラ2には、操作レバー7
A、7Bの操作量を示す圧力センサ8A、8Bの検出
値、つまりブーム上げの作動状態を示す情報およびバケ
ットの作動状態(バケットに対する操作の有無)を示す
情報が入力されるとともに、スロットルレバー10で設
定されたエンジン1の設定目標回転数を示す信号が入力
される(ステップ101)。
【0080】図3は、操作レバー7Aの操作量と圧力セ
ンサ8Aの検出圧力pとの関係を示している。いま、パ
イロットポンプ4からパイロットライン11Zに30k
gf/cm2の圧油が供給されているものと、操作レバー
7Aが中立位置にあるときには、パイロットライン11
A1には圧力0〜3kgf/cm2のパイロット圧油が供
給される(不感帯域)。以後、操作レバー7Aの操作に
応じてパイロット圧pは比例的に上昇していき、操作レ
バー7Aが0以上30%以下になるまで操作されると、
パイロットライン11A1には圧力3〜10kgf/cm
2のパイロット圧油が供給される(ファインコントロー
ル域)。操作レバー7Aの操作量が30%のときのパイ
ロットライン11A1の圧力をp1(10kgf/cm2)
とする。また、操作レバー7Aの操作量が70%のとき
のパイロットライン11A1の圧力をp1´とする。
【0081】さらに、操作レバー7Aがフルレバー位置
(操作量100%)になるまで操作されると、パイロッ
トライン11A1には圧力p2(30kgf/cm2)のパ
イロット圧油が供給される(フルレバー操作)。他のバ
ケット用操作レバー7Bの操作量とバケット用圧力セン
サ8Bの出力との関係についても図3と同様である。
【0082】つぎに、コントローラ2では、圧力センサ
8A、8Bの出力に基づき、現在の作動状態が検出され
る(ステップ102)。
【0083】すなわち、圧力センサ8Aの検出圧力がp
1(10kgf/cm2:ファインコントロール域上限)
以上であり、かつ圧力センサ8Bの検出圧力がp1(1
0kgf/cm2:ファインコントロール域上限)以下で
ある場合には(ステップ102の判断YES)、ブーム
が上昇しており、かつバケットが操作されていないもの
と判断して、現在は、ブーム上げ作業(バケット作動な
し)を行っているものと判断する。この場合には、高い
馬力で作業する必要があるので、エンジン1の目標回転
数を、スロットルレバー10で設定された目標回転数に
対してさらに増加させるのがよいと判断して、ステップ
103に移行する。
【0084】一方、圧力センサ8Aの検出圧力がp1
(10kgf/cm2)以上であり、かつ圧力センサ8B
の検出圧力がp1(10kgf/cm2)以下ではない場
合には(ステップ102の判断NO)、バケットに対す
る操作が介入された整地作業、吊り作業等を行っている
ものと判断する。また、バケットに対する操作が介入さ
れていないとしても、ブーム用操作レバー7Aがファイ
ンコントロール域で操作されているときには、ステップ
102の判断はNOとなり、整地作業、吊り作業等に準
じた作業を行っているものと判断する。
【0085】この場合には、ある程度の微操作性が要求
されるので、エンジン1の目標回転数を、スロットルレ
バー10で設定された目標回転数のままとし、エンジン
目標回転数を増加させないのがよいと判断して、ステッ
プ104に移行する。
【0086】ステップ103では、圧力センサ8Aの検
出圧力pの大きさに比例したエンジン目標回転数の増分
Dが記憶テーブルから読み出される。すなわち、圧力セ
ンサ8Aの検出圧力pの大きさがp1(10kgf/cm
2:ファインコントロール域上限)までのときには、増
分Dは0であり、以後、圧力pの上昇に応じて増分Dが
上昇していき、圧力センサ8Aの検出圧力pの大きさが
p2(30kgf/cm2:フルレバー操作)のときに
は、増分Dは最大値D2となる。
【0087】一方、ステップ106では、スロットルレ
バー10のスロットル指令(スロットルレバー操作量)
に比例した設定目標回転数が記憶テーブルから読み出さ
れる。
【0088】スロットル指令が0から最大値までで、設
定目標回転数は、最小値N1から最大値N2まで変化す
る。
【0089】そこで、ステップ107では、現在の設定
目標回転数に対して増分Dを加算することで、最終的な
目標回転数を求め、この目標回転数が得られるようにエ
ンジン1に対して回転指令を出力する。
【0090】ここで、図4、図5、図6を参照してエン
ジン目標回転数が増加したときの効果について説明す
る。
【0091】図4は、エンジン1の回転数Nとエンジン
1の馬力Psの関係を示している。スロットルレバーが
最大に操作されているときのエンジン目標回転数がN
2、N2+D2、N2+D3と上昇するにつれて、マッチン
グ点におけるエンジン1の馬力Ps(最大出力)が、Ps
1、Ps2、Ps3と上昇しているのがわかる。
【0092】図5は、油圧ポンプ3の吐出流量(l/m
in)と吐出圧力(kg/cm2)との関係を示してい
る。
【0093】ポンプ3の吸収馬力が、Ps1、Ps2、Ps3
と上昇していくにつれて、等馬力曲線が変化して、同じ
吐出圧力でより多くの吐出流量が見込めることがわか
る。
【0094】図6は、前述したように、エンジン1のト
ルクT、馬力Ps、燃費の関係を示している。
【0095】エンジン目標回転数がN2、N2+D2、N2
+D3と増加するにつれて、馬力Psは上昇するものの、
燃費は悪化することがわかる。
【0096】そこで、いま、スロットルレバー10が最
大に操作されており、操作レバー7Aがフルレバー操作
されているとすれば、ステップ107で、設定目標回転
数N2に対して増分D2が加算され、エンジン1の目標回
転数NはN2+D2まで上昇するように制御される。
【0097】すると、図5からわかるように、吸収馬力
はPs2まで上昇し、増分D2がない場合(吸収馬力Ps
1)よりも、高圧でより多くのポンプ吐出量が見込め、
高負荷に打ち勝つよう、高い作業スピードをもってブー
ムが作動される。つまり、ブーム上げ作業に適合するよ
うにブームが作動される。
【0098】一方、ステップ102で、エンジン目標回
転数を増加させないものと判断された場合には(ステッ
プ102の判断NO)、現在の増分Dに対して所定量Δ
dだけ減算された増分まで減少される(ステップ10
4)。よって、バケットに対する操作が介入された整地
作業、吊り作業等が継続して行われていれば(ステップ
102の判断NOが繰り返されていれば)、増分値Dは
Δdづつ徐々に減少していき、やがて増分値Dは0とな
る。もちろん、最初から整地作業、吊り作業等が行われ
ていれば、現在の増分値Dは最初から0のままである。
ステップ105では、所定量Δdずつの減算によって、
値Dが負になることが防止される。
【0099】したがって、整地作業、吊り作業等が継続
して行われていると、ステップ107で、エンジン1の
目標回転数Nは、スロットルレバー10で設定された目
標回転数N2のままとなる(あるいは、設定目標回転数
N2に向けて徐々に減少していく)。
【0100】もちろん、ステップ104において、現在
の増分値Dを、即座に0にしてもよい。ただし、この場
合には、ブーム上げ作業を行っているときに、オペレー
タがバケット用操作レバー7Bを誤操作してしまうと、
予期せずにエンジン回転数が急激に下がってしまい、違
和感を感じることがある。このため、本実施形態では、
所定量Δdずつ現在の増分値Dを減少させて、徐々に設
定目標回転数N2にもっていくようにすることで、誤操
作時の違和感をなくすようにしている。
【0101】図5からわかるように、バケットに対する
操作が介入された整地作業、吊り作業等が行われている
と(吸収馬力Ps1)、増分D2がある場合(吸収馬力Ps
2)よりも、ポンプ吐出量が小さくなり、微操作性よく
バケット、ブームが作動される。つまり、整地作業、吊
り作業に適合するようにバケット、ブームが作動され
る。しかも、図6からわかるように、エンジン目標回転
数Nは設定目標回転数N2のままであり、燃費は最良の
ものとなる。
【0102】本実施形態では、インチング作業を行って
いるときにも、このインチング作業に適合したエンジン
回転数制御がなされる。
【0103】すなわち、インチング作業では、通常、図
3に示すファインコントロール域(レバー操作量(0〜
30%)で、ブーム用操作レバー7Aが繰り返し操作さ
れる。
【0104】これに対して、ステップ103では、この
ファインコントロール域であれば(圧力センサ8Aの出
力(0〜p1)で、増分Dは0となるので、エンジン目
標回転数は、設定目標回転数N2のままであり、断続的
なレバー操作の繰り返しによって目標回転数が増減する
ことはない。
【0105】つまり、従来技術のように、インチング作
業時に、操作レバーの操作入力が繰り返される度に、エ
ンジン回転数の急激な増大が繰り返されることはなく、
これにより操作レバーの操作性が損なわれてしまうこと
はない。また、エンジン回転数が上昇する度にマフラー
から黒煙が上がるようなこともない。
【0106】以上のように、図1、図2に示す実施形態
によれば、従来技術で判別できなかった作業種類を判別
できるようになり、この結果、作業内容に応じてきめ細
かい回転数制御を行うことが可能となり、作業効率向
上、燃費向上等の優れた効果が得られる。
【0107】図7、図8は、別の実施形態を示してい
る。
【0108】以下、すでに説明した実施形態で使用した
符号と同符号のものは同一のものであるとして重複した
説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0109】図7の制御装置では、図1と異なり、圧力
センサ8A、8Bの代わりに圧力スイッチ13A、13
Bが設けられる。これら圧力スイッチ13A、13B
は、検出圧力pの大きさがp1(10kgf/cm2:フ
ァインコントロール域上限)以上のときにオン、またp
1未満ではオフを示す信号を出力するものである。
【0110】また、タイマ9が新たに設けられている。
本実施形態では、タイマ9を導入して、作業機(ブー
ム)の作動状態(ブーム上昇動作を継続しているのか、
あるいはブーム上げを断続的に繰り返しているのか)を
判断するようにしている。
【0111】したがって、コントローラ2には、図8の
ステップ201に示すように、圧力スイッチ13A、1
3Bから出力されるオン/オフ信号、スロットルレバー
10の設定目標回転数を示す信号、タイマ9で計時され
たタイマカウント値を示す信号が入力される。
【0112】つぎに、コントローラ2では、圧力スイッ
チ13A、13Bの出力に基づき、現在の作動状態が検
出される(ステップ202)。
【0113】すなわち、圧力スイッチ13Aの出力がオ
ンであり、かつ圧力スイッチ13Bがオフである場合に
は(ステップ202の判断YES)、ブームが上昇して
おり、かつバケットが操作されていないものと判断し
て、現在は、高馬力が必要なブーム上げ作業(バケット
作動なし)あるいはインチング作業を行っているものと
判断する。
【0114】つぎに、タイマ9が作動され、タイマカウ
ントが開始され、+1(1は単位時間を示す)だけ時間
が計時される(ステップ203)。
【0115】一方、圧力スイッチ13Aの出力がオンで
あり、かつ圧力スイッチ13Bがオフではない場合には
(ステップ202の判断NO)、バケットに対する操作
が介入された整地作業、吊り作業等を行っているものと
判断する。また、バケットに対する操作が介入されてい
ないとしても、ブーム用操作レバー7Aがファインコン
トロール域で操作されているときには、ステップ202
の判断はNOとなり、整地作業、吊り作業等に準じた作
業を行っているものと判断する。
【0116】この場合には、ある程度の微操作性が要求
されるので、エンジン1の目標回転数を、スロットルレ
バー10で設定された目標回転数のままとし、エンジン
目標回転数を増加させないのがよいと判断して、ステッ
プ204に移行する。ステップ204では、現在のタイ
マカウント値から、−1だけ減算する処理を行う。
【0117】ステップ205では、現在のタイマカウン
ト値に比例したエンジン目標回転数の増分Dが記憶テー
ブルから読み出される。すなわち、タイマカウント値が
0.5秒までのときには、増分Dは0であり、以後、タ
イマカウント値の上昇に応じて増分Dが上昇していき、
タイマカウント値が1.0秒以上のときには、増分Dは
最大値D2となる。
【0118】一方、ステップ206では、図2のステッ
プ106と同様に、スロットルレバー10のスロットル
指令(スロットルレバー操作量)に比例した設定目標回
転数N1〜N2が記憶テーブルから読み出される。
【0119】そこで、ステップ207では、現在の設定
目標回転数に対して増分Dを加算することで、最終的な
目標回転数を求め、この目標回転数が得られるようにエ
ンジン1に対して回転指令を出力する。
【0120】そこで、いま、ブーム上昇動作を継続して
おり(たとえば、操作レバー7Aがフルレバー操作状態
を継続しており)、バケットに対する操作がないとすれ
ば(ステップ202の判断YES)、ステップ203の
処理が繰り返し実行されることになり、増分Dが上昇し
ていき、やがて最大増分D2に達する。本実施形態で
は、ブーム上昇動作の継続時間に応じて徐々にエンジン
回転数が上昇していくので、オペレータに違和感を与え
ることはない。最終的に、エンジン1の目標回転数Nは
N2+D2まで上昇するように制御される。
【0121】すると、図5からわかるように、吸収馬力
はPs2まで上昇し、増分D2がない場合(吸収馬力Ps
1)よりも、高圧でより多くのポンプ吐出量が見込め、
高負荷に打ち勝つよう、高い作業スピードをもってブー
ムが作動される。つまり、ブーム上げ作業に適合するよ
うにブームが作動されることになる。
【0122】ただし、ブーム上昇動作を継続しているの
ではなく、ブーム上げを断続的に繰り返すインチング作
業を行っている場合もある。この場合、操作レバー7A
の操作量がファインコントロール域を超えてしまうと、
圧力スイッチ13Aがオンとなるため、ステップ202
の判断がYESとなって、タイマ9によるカウントが開
始されることになる(ステップ203)。
【0123】しかし、インチング作業時のレバー操作の
繰り返し周期は、通常0.5秒未満である。したがっ
て、タイマカウント値が0.5秒になる前に、ステップ
202の判断はNOとなり、タイマカウント値が減算さ
れてしまい(ステップ204)、タイマカウント値が
0.5秒以上に到達することはない。
【0124】よって、ステップ205において、増分D
は0となるので、エンジン目標回転数は、設定目標回転
数N2のままであり、断続的なブーム上げの繰り返しに
よって目標回転数が増減することはない。
【0125】つまり、従来技術のように、インチング作
業時に、操作レバーの操作入力が繰り返される度に、エ
ンジン回転数の急激な増大が繰り返されることはなく、
これにより操作レバーの操作性が損なわれてしまうこと
はない。また、エンジン回転数が上昇する度にマフラー
から黒煙が上がるようなこともない。
【0126】一方、ステップ202で、エンジン目標回
転数を増加させないものと判断された場合には(ステッ
プ202の判断NO)、現在のタイマカウント値が単位
時間1だけ減算される(ステップ104)ので、バケッ
トに対する操作が介入された整地作業、吊り作業等が継
続して行われていれば(ステップ202の判断NOが繰
り返されていれば)、タイマカウント値は−1づつ徐々
に減少していき、やがてタイマカウント値は0.5秒以
下になる。もちろん、最初から整地作業、吊り作業等が
行われていれば、タイマ9は作動しないので、タイマカ
ウント値は最初から0のまま(0.5秒以下)である。
このため、エンジン目標回転数の増分Dは0となる(ス
テップ205)。
【0127】したがって、整地作業、吊り作業等が継続
して行われていると、ステップ207で、エンジン1の
目標回転数Nは、スロットルレバー10で設定された目
標回転数N2のままとなる(あるいは、設定目標回転数
N2に向けて徐々に減少していく)。
【0128】もちろん、ステップ204において、現在
のタイマカウント値を、即座に0にリセットして、増分
Dを即座に0にしてもよい(ステップ205)。ただ
し、この場合には、ブーム上げ作業を行っているとき
に、オペレータがバケット用操作レバー7Bを誤操作し
てしまうと、予期せずにエンジン回転数が急激に下がっ
てしまい、違和感を感じることがある。このため、本実
施形態では、タイマカウント値を単位時間ずつ減少させ
て、現在の増分値Dを徐々に減少させ、徐々に設定目標
回転数N2にもっていくようにすることで、誤操作時の
違和感をなくすようにしている。
【0129】図5からわかるように、バケットに対する
操作が介入された整地作業、吊り作業等が行われている
と(吸収馬力Ps1)、増分D2がある場合(吸収馬力Ps
2)よりも、ポンプ吐出量が小さくなり、微操作性よく
バケット、ブームが作動される。つまり、整地作業、吊
り作業に適合するようにバケット、ブームが作動され
る。しかも、図6からわかるように、エンジン目標回転
数Nは設定目標回転数N2のままであり、燃費は最良の
ものとなる。
【0130】以上のように、図7、図8に示す実施形態
によれば、従来技術で判別できなかった作業種類を判別
できるようになり、この結果、作業内容に応じてきめ細
かい回転数制御を行うことが可能となり、作業効率向
上、燃費向上等の優れた効果が得られる。
【0131】また、図1に示す構成の制御装置の代わり
に、図9に示す構成の制御装置を用いてもよい。
【0132】図9では、操作レバー7A、7B、7Dを
電気レバーとした場合を示している。
【0133】ブーム用電気レバー7Aからは、オペレー
タが操作した量に比例した電気信号(電圧信号)がコン
トローラ15に出力され、コントローラ15からはブー
ム用の電磁比例弁16A1、16A2に対して、レバー操
作量に応じた圧力までパイロット圧を減圧させる指令が
出力される。この結果、パイロットポンプ4から吐出さ
れるパイロット圧油の圧力は、レバー操作量に応じたパ
イロット圧にまで減圧され、パイロットライン11A
1、11A2を介してブーム用流量制御弁5Aに加えられ
る。こうしてブーム用電気レバー7Aの操作量に応じて
ブーム用流量制御弁5Aの開口面積が変化される。
【0134】同様に、コントローラ15、アーム用電磁
比例弁16B1、16B2を介することにより、バケット
用電気レバー7Bの操作量に応じてバケット用流量制御
弁5Bの開口面積が変化される。
【0135】同様に、コントローラ15、他の作業機用
電磁比例弁16D1、16D2を介することにより、他の
作業機用電気レバー7Dの操作量に応じて他の作業機用
流量制御弁5Dの開口面積が変化される。
【0136】また、図7に示す構成の制御装置の代わり
に、図10に示す構成の制御装置を用いてもよい。
【0137】図10では、図9と同様に、操作レバー7
A、7B、7Dを電気レバーとしている。
【0138】また、図1に示す構成の制御装置の代わり
に、図11に示す構成の制御装置を用いてもよい。
【0139】図11では、図9と同様に、操作レバー7
A、7B、7Dを電気レバーとしており、圧力センサ8
A、8Bの配設を省略している。
【0140】すなわち、電気レバー7A、7Bから出力
される操作量に対応する電気信号(電圧信号)を、圧力
センサ8A、8Bの検出圧力pの代わりに使用してい
る。
【0141】図12は、図3に対応する電気レバー7
A、7Bの操作量と、レバーから出力される電圧との関
係を示している。図3の圧力3kgf/cm2(不感帯
域)に、図12の電圧値V0が対応し、図3の圧力p1
(10kgf/cm2:ファインコントロール域上限)
に、図12の電圧値V1が対応し、図3の圧力p2(30
kgf/cm2:フルレバー操作)に、図12の電圧値V
2が対応している。
【0142】図13のフローチャートは、図2のフロー
チャートに対応するものである。
【0143】すなわち、図13のステップ304、30
5、306、307では、図2のステップ104、10
5、106、107と同様の処理が実行される。
【0144】図13のステップ301では、コントロー
ラ2に、電気レバー7A、7Bから出力された電気信号
を入力するとともに、スロットルレバー10で設定され
たエンジン1の設定目標回転数を示す信号を入力する処
理が実行される。
【0145】図13のステップ302では、ブーム用電
気レバー7A(ブーム上げ方向操作)から出力された電
圧値が、V1(ファインコントロール域上限)以上であ
り、かつバケット用電気レバー7Bから出力された電圧
値が、V1(不感帯域)以下であるか否かが判断され
る。
【0146】図13のステップ303では、ブーム用電
気レバー7Aから出力された電圧値Vの大きさに比例し
たエンジン目標回転数の増分Dが記憶テーブルから読み
出される。すなわち、ブーム用電気レバー7Aから出力
された電圧値Vの大きさがV1(ファインコントロール
域上限)までのときには、増分Dは0であり、以後、電
圧値Vの上昇に応じて増分Dが上昇していき、電圧値V
の大きさがV2(フルレバー操作)のときには、増分D
は最大値D2となる。
【0147】さて、図14、図15は、別の実施形態を
示している。
【0148】この実施形態では、ブーム、バケット、上
部旋回体が、油圧ショベルで行う複数種類の作業に関与
する作業機であると設定している。大型の油圧ショベル
では、上部旋回体とブーム上げを複合操作するホイスト
旋回作業が行われ、このときに作業効率を高める必要が
あるからである。
【0149】このため、この実施形態では、ブーム、バ
ケット以外に上部旋回体の作動状態を検出している。
【0150】すなわち、図14の制御装置では、図1と
異なり、ブーム用圧力センサ8A、バケット用圧力セン
サ8B以外に、旋回用圧力センサ8Cが、センサ8Bと
同様にして、シャトル弁12が設けられたライン上に配
設されている。よって、旋回用操作レバー7Cの操作に
応じて旋回用流量制御弁5Cの開口面積が変化され、こ
れに応じて旋回用油圧モータ6Cが駆動され、これに応
じて上部旋回体が作動されると、上部旋回体の作動状態
は、旋回用圧力センサ8Cにより検出される。
【0151】また、旋回用操作レバー7Cの操作量と旋
回用圧力センサ8Cの出力との関係は、図3に示したの
と同様である。
【0152】図15のコントローラ2で行われる処理の
うち、ステップ405、408、407、409では、
図2のステップ104、105、106、107と同様
の処理が実行される。
【0153】図15のステップ401では、コントロー
ラ2に、操作レバー7A、7B、7Cの操作量を示す圧
力センサ8A、8B、8Cの検出値、つまりブーム上げ
の作動状態を示す情報およびバケットの作動状態(バケ
ットに対する操作の有無)を示す情報および上部旋回体
の作動状態(上部旋回体に対する操作の有無)を示す情
報を入力するとともに、スロットルレバー10で設定さ
れたエンジン1の設定目標回転数を示す信号を入力する
処理が実行される。
【0154】つぎの、ステップ402、404では、圧
力センサ8A、8B、8Cの出力に基づき、各種作業機
の現在の作動状態が検出され、それに応じて油圧ショベ
ルで現在行われている作業内容が的確に判別され、それ
に応じてエンジン目標回転数増加の有無が的確に判別さ
れる。
【0155】すなわち、圧力センサ8Aの検出圧力がp
1(10kgf/cm2:ファインコントロール域上限)
以上であり、かつ圧力センサ8Cの検出圧力がp1(1
0kgf/cm2:ファインコントロール域上限)以上で
ある場合には(ステップ402の判断YES)、上部旋
回体とブーム上げを複合操作するホイスト旋回作業を行
っているものと判断する。この場合には、高圧で多量の
圧油を油圧ポンプ3から吐出させて高い馬力で作業する
必要があるので、エンジン1の目標回転数を、スロット
ルレバー10で設定された目標回転数に対してさらに増
加させるのがよいと判断して、ステップ403に移行す
る。
【0156】一方、ホイスト旋回作業ではないと判断さ
れた場合には(ステップ402の判断NO)、圧力セン
サ8Bの検出圧力がp1(10kgf/cm2)以上であ
り、かつ圧力センサ8Cの検出圧力がp1(10kgf/
cm2)以下であるかが判断される(ステップ40
4)。これが肯定されれば(ステップ404の判断YE
S)、上部旋回体に対する操作を伴わずに(ファインコ
ントロール域上限以下)、バケットに対する操作(ファ
インコントロール域上限以上)が介入された作業(バケ
ット単独作業、バケットとブーム上げを複合操作する作
業など)を行っているものと判断する。
【0157】この場合には、ある程度の微操作性が要求
されるので、エンジン1の目標回転数を、スロットルレ
バー10で設定された目標回転数のままとし、エンジン
目標回転数を増加させないのがよいと判断して、ステッ
プ405に移行する。
【0158】しかし、上記ステップ404の判断が否定
されれば(ステップ404の判断NO)、上部旋回体単
独作業(上部旋回体に対する操作がファインコントロー
ル域上限以上)、ブーム上げ単独作業(ブーム上げに対
する操作がファインコントロール域上限以上)などの作
業を行っている場合であると判断して、負荷が大きいの
でエンジン目標回転数を増加させて馬力を高める必要が
あると判断して、ステップ403に移行される。
【0159】ステップ403では、圧力センサ8Aの検
出圧力pと圧力センサ8Cの検出圧力pの和が求められ
る。
【0160】ステップ406では、圧力センサ8Aの検
出圧力pと圧力センサ8Cの検出圧力pの和に比例した
エンジン目標回転数の増分Dが記憶テーブルから読み出
される。すなわち、圧力センサ8A、8Cの検出圧力の
和が2p1(20kgf/cm2:2つのレバーがファイ
ンコントロール域上限)までのときには、増分Dは0で
あり、以後、圧力の和pの上昇に応じて増分Dが上昇し
ていき、圧力センサ8A、8Cの検出圧力の和がp2
(30kgf/cm2:1つのレバーがフルレバー操作)
のときには、増分DはD2となり、さらに、圧力センサ
8A、8Cの検出圧力の和が2p2(2・30kgf/c
m2:2つのレバーのフルレバー操作)のときには、増
分Dは最大値D3となる。
【0161】よって、上部旋回体単独作業、ブーム上げ
単独作業のときには増分Dは高々D2となり、上部旋回
体とブーム上げを複合操作しているホイスト旋回作業の
ときには、増分Dは、D2を超え最大値D3にまで達し得
る。
【0162】そこで、いま、スロットルレバー10が最
大に操作されているものとし、操作レバー7A、7Cの
いずれかあるいは両方がフルレバー操作されていると仮
定する。
【0163】すると、上部旋回体単独作業、ブーム上げ
単独作業のときには、ステップ406で、設定目標回転
数N2に対して増分D2が加算され、エンジン1の目標回
転数NはN2+D2まで上昇するように制御される。
【0164】すると、図5からわかるように、吸収馬力
はPs2まで上昇し、増分D2がない場合(吸収馬力Ps
1)よりも、高圧でより多くのポンプ吐出量が見込め、
高負荷に打ち勝つよう、高い作業スピードをもってブー
ムあるいは上部旋回体が作動される。つまり、ブーム上
げ単独作業あるいは上部旋回体単独作業に適合するよう
にブームないしは上部旋回体が作動される。
【0165】一方、上部旋回体とブーム上げを複合操作
するホイスト旋回作業のときには、ステップ406で、
設定目標回転数N2に対して増分D2よりも大きい増分D
3が加算され、エンジン1の目標回転数NはN2+D3ま
で上昇するように制御される。
【0166】すると、図4、図5からわかるように、吸
収馬力はPs2よりも高いPs3まで上昇し、増分D2のと
き(吸収馬力Ps1)よりも、高圧でより多くのポンプ吐
出量が見込め、高負荷に打ち勝つよう、高い作業スピー
ドをもってブームおよび上部旋回体が作動される。つま
り、ホイスト旋回作業に適合するようにブームおよび上
部旋回体が作動される。
【0167】なお、旋回操作を伴わずにバケット操作が
介入されている作業が継続して行われていれば(ステッ
プ404の判断YES)、エンジン目標回転数は、設定
目標回転数N2のままであり(ステップ405、40
7、408、409)、エンジン1の馬力(ポンプ吸収
馬力)は最も低いPs1となる(図4、図5)。
【0168】このように本実施形態では、「旋回操作を
伴わずにバケット操作が介入されている作業」、「ブー
ム上げ単独作業あるいは上部旋回体単独作業」、「ホイ
スト旋回作業」の順に、段階的にエンジン目標回転数を
上昇させ、馬力を上昇させることができ、各種作業内容
に応じてきめの細かいエンジン回転数制御をなし得る。
【0169】さらに、ホイスト旋回作業のときでも、ブ
ーム用操作レバー7A、旋回用操作レバー7Cの操作量
の合計に応じた分だけエンジン目標回転数が上昇してい
くので、熟練度に応じた分だけエンジン回転数を上げる
ことができる。すなわち、熟練したオペレータであれ
ば、作業機のスピードについていくことができるので、
ブーム用操作レバー7A、旋回用操作レバー7Cをフル
レバー位置(100%)まで操作して作業効率を最大限
に上げることができ、未熟なオペレータであれば、ブー
ム用操作レバー7A、旋回用操作レバー7Cをせいぜい
70〜80%程度操作することで、作業機のスピードを
抑えた作業を行うことができる。
【0170】さて、図16、図17は、別の実施形態を
示している。
【0171】この実施形態では、ブーム、バケット、上
部旋回体が、油圧ショベルで行う複数種類の作業に関与
する作業機であると設定している。そして、作業機(ブ
ーム)が同じ作動状態(ブーム上げ)となっている継続
時間の長さから、作業内容(ホイスト旋回作業と転圧作
業)を判別し、判別した作業内容に適合したエンジン回
転数制御を行うようにしている。宅地造成等に使用され
る小型の油圧ショベルでは、掘り起こした土を埋め戻す
作業(旋回しつつブーム上げ下げを繰り返す作業)であ
る転圧作業が行われ、このときの作業効率を高める必要
があるからである。
【0172】このため、この実施形態では、ブーム、バ
ケット以外に上部旋回体の作動状態を検出している。
【0173】すなわち、図16の制御装置では、図7と
異なり、ブーム用圧力スイッチ13A、バケット用圧力
スイッチ13B以外に、旋回用圧力センサ8Cが、バケ
ット用圧力スイッチ13Bと同様にして、シャトル弁1
2が設けられたライン上に配設されている。よって、旋
回用操作レバー7Cの操作に応じて旋回用流量制御弁5
Cの開口面積が変化され、これに応じて旋回用油圧モー
タ6Cが駆動され、これに応じて上部旋回体が作動され
ると、上部旋回体の作動状態は、旋回用圧力センサ8C
により検出される。
【0174】また、旋回用操作レバー7Cの操作量と旋
回用圧力センサ8Cの出力との関係は、図3に示したの
と同様である。
【0175】図17のコントローラ2で行われる処理の
うち、ステップ510、512、513、514では、
図2のステップ104、106、105、107と同様
の処理が実行される。
【0176】図17のステップ501では、コントロー
ラ2に、圧力スイッチ13A、13Bから出力されるオ
ン/オフ信号、圧力センサ8Cからの圧力検出信号、ス
ロットルレバー10で設定されたエンジン1の設定目標
回転数を示す信号、タイマ9で計時されたタイマカウン
ト値を示す信号を入力する処理が実行される。
【0177】つぎの、ステップ502、503、506
では、圧力スイッチ13A、13B、圧力センサ8Cの
出力に基づき、各種作業機の現在の作動状態が検出さ
れ、それに応じて油圧ショベルで現在行われている作業
内容が的確に判別され、それに応じてエンジン目標回転
数増加の有無が的確に判別される。
【0178】すなわち、圧力スイッチ13Aの出力がオ
ンであり、かつ圧力センサ8Cの検出圧力がp1(10
kgf/cm2:ファインコントロール域上限)以上であ
る場合には(ステップ502の判断YES)、上部旋回
体とブーム上げを複合操作するホイスト旋回作業を行っ
ているか、上部旋回体とブーム上げを複合操作している
がブーム上げ下げが繰り返されている転圧作業を行って
いるものと判断する。この場合には、高圧で多量の圧油
を油圧ポンプ3から吐出させて高い馬力で作業する必要
があるので、エンジン1の目標回転数を、スロットルレ
バー10で設定された目標回転数に対してさらに増加さ
せるのがよいと判断して、つぎのステップ503に移行
する。
【0179】一方、ステップ502の判断が否定された
場合には(ステップ502の判断NO)、圧力スイッチ
13Bの出力がオンであり、かつ圧力センサ8Cの検出
圧力がp1(10kgf/cm2)以下であるかが判断さ
れる(ステップ506)。これが肯定されれば(ステッ
プ506の判断YES)、上部旋回体に対する操作を伴
わずに(ファインコントロール域上限以下)、バケット
に対する操作(ファインコントロール域上限以上)が介
入された作業(バケット単独作業、バケットとブーム上
げを複合操作する作業など)を行っているものと判断す
る。
【0180】この場合には、ある程度の微操作性が要求
されるので、エンジン1の目標回転数を、スロットルレ
バー10で設定された目標回転数のままとし、エンジン
目標回転数を増加させないのがよいと判断して、つぎの
ステップ510に移行する。
【0181】しかし、上記ステップ506の判断が否定
されれば(ステップ506の判断NO)、上部旋回体単
独作業(上部旋回体に対する操作がファインコントロー
ル域上限以上)、ブーム上げ単独作業(ブーム上げに対
する操作がファインコントロール域上限以上)などの作
業を行っている場合であると判断して、負荷が大きいの
でエンジン目標回転数を増加させて馬力を高める必要が
あると判断して、ステップ503に移行される。
【0182】ステップ503では、圧力スイッチ13A
の出力に基づき、ブーム上げの状態が単位時間継続して
いるか否かが判断される(ステップ503)。
【0183】すなわち、圧力スイッチ13Aの出力オン
状態が単位時間継続していれば(ステップ503の判断
YES)、ブームが継続して上昇しているホイスト旋回
作業を行っているものと判断する。
【0184】この場合には、タイマ9が作動され、タイ
マカウントが開始され、+1(1は単位時間を示す:1
秒以下であるが、1秒に設定してもよい)だけ時間が計
時される(ステップ504)。
【0185】一方、圧力スイッチ13Aの出力オン状態
が単位時間継続していなければ(ステップ503の判断
NO)、ブームが断続的に上昇する動作を繰り返す転圧
作業を行っているものと判断する。
【0186】この場合には、現在のタイマカウント値か
ら、−1だけ減算する処理を行う(ステップ505)。
【0187】ステップ508では、現在のタイマカウン
ト値に比例したエンジン目標回転数の増分Dが記憶テー
ブルから読み出される。すなわち、タイマカウント値が
1秒までのときには、増分Dは0であり、以後、タイマ
カウント値の上昇に応じて増分Dが上昇していき、タイ
マカウント値が2秒以上のときには、増分Dは最大値D
2となる。
【0188】一方、現在の圧力センサ8Cの検出圧が入
力され(ステップ517)、圧力センサ8Cの検出圧力
pの大きさに比例したエンジン目標回転数の増分Dが記
憶テーブルから読み出される。すなわち、圧力センサ8
Cの検出圧力pの大きさがp1(10kgf/cm2:フ
ァインコントロール域上限)までのときには、増分Dは
0であり、以後、圧力pの上昇に応じて増分Dが上昇し
ていき、圧力センサ8Cの検出圧力pの大きさがp2
(30kgf/cm2:フルレバー操作)のときには、増
分Dは最大値D2となる。
【0189】そこで、ステップ508で得られた増分D
とステップ509で得られた増分Dが加算された上で、
この合計増分Dが、ステップ514において、現在の設
定目標回転数に対して加算され、最終的な目標回転数が
求められ、この目標回転数が得られるようにエンジン1
に対して回転指令が出力される。
【0190】なお、ステップ506の判断が肯定された
場合には(ステップ506の判断YES)、現在の合計
増分Dに対して所定量Δdだけ減算した上に(ステップ
510)、さらに現在のタイマカウント値から、−1だ
け減算する処理を行う(ステップ511)ことで、合計
増分値Dを徐々に0に近づけるようにする。もちろん、
最初から旋回操作を伴わないバケット操作が行われてい
れば、合計増分値Dは最初から0のままである。
【0191】そこで、いま、ブーム上昇動作を継続して
いるホイスト旋回作業を行っていれば(ステップ503
の判断YES)、ステップ504の処理が繰り返し実行
されることになり、増分Dが上昇していき、やがて最大
増分D2に達する。本実施形態では、ブーム上昇動作の
継続時間に応じて徐々にエンジン回転数が上昇していく
ので、オペレータに違和感を与えることはない。一方、
旋回用操作レバー7Cの操作量に応じて増分Dが最大値
D2まで上昇していく(ステップ509)。この結果、
最終的に、エンジン1の目標回転数Nは、これらの合計
増分2D2が加えられた回転数N2+2D2(N2+D3)
まで上昇するように制御される。
【0192】これに対して、ブーム上昇動作を継続して
いるのではなく、ブーム上げを断続的に繰り返す転圧作
業を行っていれば(ステップ503の判断NO)、ステ
ップ505の処理が繰り返し実行されることになり、タ
イマカウント値は減少していく。
【0193】ここで、転圧作業時において、ブーム用レ
バーの上げ方向から下げ方向への操作切換の周期は、通
常1秒未満である。したがって、タイマカウント値が1
秒以上になる前に、ステップ505でタイマカウント値
が減少してしまうので、タイマカウント値が1秒以上に
到達することはない。
【0194】よって、ステップ508において、タイマ
カウント値に応じた増分Dは0となる。一方、旋回用操
作レバー7Cの操作量に応じて増分Dが最大値D2まで
上昇していく(ステップ509)。この結果、最終的
に、エンジン1の目標回転数Nは、これらの合計増分D
2(旋回操作に応じた増分D2のみ)が加えられた回転数
N2+D2まで上昇するように制御される。つまり、エン
ジン目標回転数は、旋回用操作レバー7Cの操作量に応
じて増減するのみであり、断続的なブーム上げ下げの繰
り返しによって目標回転数が増減してしまうようなこと
はない。
【0195】したがって、転圧作業時に、ブーム用操作
レバーの操作入力が繰り返される度に、エンジン回転数
の急激な増大が繰り返されるようなことはない。よっ
て、転圧作業時に、オペレータに違和感を与えることは
なく、操作レバーの操作性を高めることができる。
【0196】なお、本実施形態では、インチング作業を
行っているときにも、断続的なブーム上げの繰り返しに
よって目標回転数が増減してしまうようなことはないの
で(ステップ506の判断NO、ステップ503の判断
NO、ステップ505、ステップ508)、インチング
作業時におけるレバー操作性についても高めることがで
きる。
【0197】なお、ステップ505、511で、現在の
タイマカウント値を、即座に0にリセットして、タイマ
カウントに応じた増分Dを即座に0にしてもよい。
【0198】このように本実施形態では、「旋回操作を
伴わずにバケット操作が介入されている作業」、「ブー
ム上げ単独作業あるいは上部旋回体単独作業」、「ホイ
スト旋回作業」、「転圧作業」といった各種作業内容に
応じてきめの細かいエンジン回転数制御をなし得る。
【0199】さて、図18、図19は、別の実施形態を
示している。
【0200】この実施形態では、ブーム、アームが、油
圧ショベルで行う複数種類の作業に関与する作業機であ
ると設定している。中型の油圧ショベルでは、道路整備
を行う際に、アーム掘削とブーム上げを複合操作するス
キ取り作業が行われる。しかもこのスキ取り作業には、
後述するよう荒スキ取り作業と、仕上げスキ取り作業が
ある。本実施形態では、荒スキ取り作業時、仕上げスキ
取り作業時の作業効率を高めるものである。
【0201】このため、この実施形態では、ブーム、ア
ームの作動状態を検出している。
【0202】すなわち、図18の制御装置では、図1と
同様に、ブーム上げ方向に対応するパイロットライン1
1A1のみにパイロット圧pを検出するブーム用圧力セ
ンサ8Aが配設されているとともに、アーム掘削方向に
対応するパイロットライン11X1のみにパイロット圧
pを検出するアーム用圧力センサ8Xが配設されてい
る。
【0203】よって、アーム用操作レバー7Xの操作に
応じてアーム用流量制御弁5Xの開口面積が変化され、
これに応じてアーム用油圧シリンダ6Xが駆動され、こ
れに応じてアームが作動されると、アームの作動状態
(アーム掘削状態)は、アーム用圧力センサ8Xにより
検出される。
【0204】また、アーム用操作レバー7Xの操作量と
アーム用圧力センサ8Xの出力との関係は、図3に示し
たのと同様である。
【0205】図19のコントローラ2で行われる処理の
うち、ステップ605、607では、図2のステップ1
06、107と同様の処理が実行される。
【0206】図19のステップ601では、コントロー
ラ2に、操作レバー7A、7Xの操作量を示す圧力セン
サ8A、8Xの検出値、つまりブーム上げの作動状態を
示す情報およびアーム掘削の作動状態を示す情報を入力
するとともに、スロットルレバー10で設定されたエン
ジン1の設定目標回転数を示す信号を入力する処理が実
行される。
【0207】つぎの、ステップ602、603、604
では、圧力センサ8A、8Xの出力に基づき、各種作業
機の現在の作動状態が検出され、それに応じて油圧ショ
ベルで現在行われている作業内容が的確に判別され、そ
れに応じてエンジン目標回転数増加の有無が的確に判別
される。
【0208】すなわち、ブーム用圧力センサ8Aの現在
の検出圧pが入力されるとともに(ステップ602)、
アーム用圧力センサ8Xの現在の検出圧pが入力され
(ステップ603)、これら圧力センサ8Aの検出圧力
pと圧力センサ8Xの検出圧力pの和が求められる(ス
テップ604)。これら検出圧の和の大きさに応じて、
荒スキ取り作業であるか、仕上げスキ取り作業であるか
が判別される。
【0209】ここに、仕上げスキ取り作業とは、操作レ
バー7A、7Xをファインコントロール域で操作して行
う作業のことであり、微操作性が要求される。したがっ
て、レバー一定操作量当たりの作業機スピード(油圧ポ
ンプ3の吐出流量)の変化は小さくしたい。よって、作
業効率上、エンジン目標回転数は設定目標回転数のまま
であることが望ましく、設定回転数以上に増加させたく
はない。
【0210】これに対して、荒スキ取り作業とは、操作
レバー7A、7Xを50%以上から100%(フルレバ
ー操作)まで操作して行う作業のことであり、操作レバ
ーの操作(操作量50%からフルレバー操作まで)に見
合った高い作業機スピードが要求される。よって、エン
ジン目標回転数を設定目標回転数よりも大きくさせてや
り、馬力を高め、作業機スピード(油圧ポンプ3の吐出
流量)を高めることが、作業効率上、望ましい。そこ
で、圧力センサ8Aの検出圧力pと圧力センサ8Xの検
出圧力pの和が、p2(30kgf/cm2:1つのレバ
ーがフルレバー操作しているときの圧力に対応する)ま
でのときには、仕上げスキ取り作業であると判別され
る。
【0211】一方、圧力センサ8Aの検出圧力pと圧力
センサ8Xの検出圧力pの和が、p2(30kgf/cm
2:1つのレバーがフルレバー操作しているときの圧力
に対応する)以上のときには、荒スキ取り作業であると
判別される。
【0212】つぎのステップ606では、圧力センサ8
Aの検出圧力pと圧力センサ8Xの検出圧力pの和に比
例したエンジン目標回転数の増分Dが記憶テーブルから
読み出される。すなわち、圧力センサ8A、8Xの検出
圧力の和がp2(30kgf/cm2:1つのレバーがフ
ルレバー操作に対応)までのときには、増分Dは0であ
り、以後、圧力の和pの上昇に応じて増分Dが上昇して
いき、圧力センサ8A、8Xの検出圧力の和が2p2
(2・30kgf/cm2:2つのレバーのフルレバー操
作)のときには、増分Dは最大値D3となる。
【0213】よって、仕上げスキ取り作業のときには増
分Dは0となり、荒スキ取り作業のとき(たとえば、両
レバーをそれぞれ操作量50%以上で操作している場
合)には、増分Dは、正の値をとり最大値D3にまで達
し得る。
【0214】したがって、仕上げスキ取り作業時には、
エンジン目標回転数は設定目標回転数のままとなるの
で、微操作性よく作業を行え、作業効率が向上する。そ
して、荒スキ取り作業時には、エンジン目標回転数は設
定目標回転数に対して、操作レバーの操作量に応じた分
だけ増加するので、操作レバーの操作(操作量50%か
らフルレバー操作まで)に見合った高い作業機スピード
で作業を行え、作業効率が向上する(ステップ60
7)。
【0215】なお、作業の態様によっては、最初は仕上
げスキ取り作業を行い、徐々に荒スキ取り作業に移行し
ていきたい場合がある。本実施形態では、操作レバーの
操作量の和の大きさに応じて徐々にエンジン回転数が増
加していくので(ステップ606)、このような作業態
様にも好適である。
【0216】さて、図20、図21は、上述した図1
6、図17に示す実施形態と、図18、図19に示す実
施形態とを組み合わせた実施形態を示している。
【0217】よって、この実施形態では、ブーム、アー
ム、バケット、上部旋回体が、油圧ショベルで行う複数
種類の作業に関与する作業機であると設定している。
【0218】本実施形態では、「旋回操作を伴わずにバ
ケット操作が介入されている作業」、「ブーム上げ単独
作業あるいは上部旋回体単独作業」、「ホイスト旋回作
業」、「転圧作業」、「荒スキ取り作業」、「仕上げス
キ取り作業」といった各種作業内容を判別でき、各種作
業内容に応じてきめの細かいエンジン回転数制御をなし
得る。
【0219】ただし、判別すべき作業種類が多くなり、
これに伴い、これら複数種類の作業に関与する作業機の
数が多くなると、前述したように、現状の油圧ショベル
の運転席のレバー配置(図22)では、誤操作に伴う無
用な回転数増加が予測される。 そこで、本実施形態で
は、操作レバーの誤操作があったとしても、それによっ
てエンジン1の目標回転数を無用に上昇させないように
して、予期せぬエンジン回転数上昇に伴う不都合を回避
するようにしている。
【0220】図20に示す制御装置では、図16、図1
8と同様にして、ブーム、アーム、バケット、上部旋回
体それぞれの作業機毎に、圧力センサないしは圧力スイ
ッチが設けられる。
【0221】ただし、ブームに関しては、図16では圧
力スイッチ13Aを使用しているが、本実施形態では圧
力センサ8Aに代えている点が異なっている。
【0222】図21に示すコントローラ2の処理では、
基本的に、図17に示す処理と、図19に示す処理が実
行される。
【0223】すなわち、図21のステップ703、70
4、705、707では、図19のステップ602、6
03、604、606と同様の処理が実行される。ただ
し、ステップ707において増分Dの最大値はD2であ
り、ステップ606における増分最大値D3とは異なる
値をとる。
【0224】また、図21のステップ708、709、
710、711、712、713、715、716、7
17、718では、図17のステップ502、503、
504、506、507、508、509、510、5
11、513と同様の処理が実行される。ただし、ステ
ップ708、709では、「圧力スイッチ13Aがオン
である」という判断の代わりに「圧力センサ8Aがp1
(10kgf/cm2)以上である」という判断としてい
る。
【0225】また、図21のステップ706、719で
は、図17のステップ512、514ないしは図19の
ステップ605、607と同様の処理が実行される。
【0226】図21のステップ701では、コントロー
ラ2に、圧力センサ8A、8X、8Cからの圧力検出信
号、圧力スイッチ13Bから出力されるオン/オフ信
号、スロットルレバー10で設定されたエンジン1の設
定目標回転数を示す信号、タイマ9で計時されたタイマ
カウント値を示す信号を入力する処理が実行される。
【0227】つぎの、ステップ702では、ブーム用圧
力センサ8A、アーム用圧力センサ8Xの出力に基づ
き、「旋回操作を伴わずにバケット操作が介入されてい
る作業」、「ブーム上げ単独作業あるいは上部旋回体単
独作業」、「ホイスト旋回作業」、「転圧作業」を行っ
ているのか(ステップ702の判断NO)、それとも
「荒スキ取り作業」、「仕上げスキ取り作業」を行って
いるのか(ステップ702の判断YES)が、判別され
る。
【0228】「荒スキ取り作業」、「仕上げスキ取り作
業」といったスキ取り作業を行っていると判断された
(ステップ702の判断YES)場合には、ブーム用圧
力センサ8Aの検出圧とアーム用圧力センサ8Xの検出
圧の和に応じて、つまりブーム用操作レバー7A、アー
ム用操作レバー7Xの操作のみに応じて、エンジン目標
回転数増分Dが変化する。したがって、旋回用操作レバ
ー7Cの操作によって、エンジン目標回転数増分Dが変
化してしまうことはない(ステップ707)。
【0229】したがって、スキ取り作業時に、図22に
示すように、右レバー30Rでブームを上げ方向に作動
させ、左レバー30Lでアームを掘削方向に的確に操作
しているときに、誤操作により、左レバー30Lを左右
方向に倒してしまったとしても(旋回操作)、それによ
ってエンジン目標回転数が不用意に増加してしまうこと
はない。オペレータの予期せぬエンジン回転数上昇によ
って、事故などの不都合が招来することはない一方、
「旋回操作を伴わずにバケット操作が介入されている作
業」、「ブーム上げ単独作業あるいは上部旋回体単独作
業」、「ホイスト旋回作業」、「転圧作業」を行ってい
ると判断された場合には(ステップ702の判断N
O)、ブーム上げ操作経過時間に応じた増分Dをもって
(ステップ714)、あるいは旋回用操作レバー7Cの
操作量に応じた増分Dをもって(ステップ715)、エ
ンジン目標回転数増分Dが変化する。したがって、アー
ム用操作レバー7Xの操作によって、エンジン目標回転
数増分Dが変化してしまうことはない(ステップ71
4、715)。
【0230】したがって、たとえばホイスト旋回作業時
に、図22に示すように、右レバー30Rでブームを上
げ方向に作動させ、左レバー30Lで上部旋回体を左右
旋回方向に的確に操作しているときに、誤操作により、
左レバー30Lを手前方向に倒してしまったとしても
(アーム掘削操作)、それによってエンジン目標回転数
が不用意に増加してしまうことはない。オペレータの予
期せぬエンジン回転数上昇によって、事故などの不都合
が招来することはない。
【0231】以上のように、本実施形態によれば、一つ
の操作レバーで2操作軸の方向を動かす操作形態をとる
場合であっても(図22)、オペレータが意図している
操作(たとえばブーム、アーム操作)以外の操作(たと
えば旋回操作)に影響を受けることなくエンジン回転数
を制御することができ、誤操作に伴う予期せぬエンジン
回転数上昇による事故等を防ぐことができる。
【0232】なお、図21に示す処理のアルゴリズムは
適宜変更してもよい。
【0233】図21では、ブーム、アーム、上部旋回体
が共に作動しているときには、ステップ708で「ホイ
スト旋回作業」であると判定される前に、先にステップ
702で「スキ取り作業」であると判定される。このよ
うに、「ホイスト旋回作業」の判定(ステップ708)
よりも「スキ取り作業」の判定(ステップ702)を優
先しているが、ステップ702とステップ708の処理
を入れ替えて、「スキ取り作業」の判定よりも「ホイス
ト旋回作業」の判定を優先させてもよい。
【0234】さて、図23は、基本的には、図21に示
す処理と同じであるが、さらに、同じ作業機(上部旋回
体)が作動していても、異なる作業内容であれば、その
操作レバーの操作量に応じたエンジン1の回転数制御の
内容を変えるようにして、よりきめの細かい制御をなし
得る実施形態である。
【0235】ここに、同じ仕上げスキ取り作業であって
も、上部旋回体を正面方向に向けて(旋回せずに)ブー
ムとアームだけを作動させて行う正面スキ取り作業と、
旋回操作も加えて、正面方向から斜めの方向に連続的に
旋回させつつ行う旋回スキ取り作業とがある。この旋回
スキ取り作業時には、ブーム上げ、アーム掘削に対応す
る操作レバーの操作量は10%〜50%位のファインコ
ントロール域になっており、旋回に対応するレバー操作
量は30%〜70%程度になっている。こうした操作量
にあるときは、エンジン目標回転数を増大させずに設定
目標回転数のままで、微操作性よく作業を行う必要があ
る。したがって、旋回スキ取り作業の場合には、旋回に
対応する操作レバーが操作されたとしてもすぐには(レ
バー操作量30%〜70%程度では)エンジン目標回転
数を増加させることせずに、相当量レバーが操作された
ときに(レバー操作量70%以上)、エンジン目標回転
数を増加させることが望ましい。
【0236】一方、バケットに重い土を積んで旋回させ
る旋回作業の場合には、負荷が大きいので、旋回に対応
する操作レバーが操作されればすぐに(レバー操作量3
0%以上になれば)エンジン目標回転数を増加させてお
くことが、作業効率の点で望ましい。
【0237】そこで、本実施形態では、「旋回スキ取り
作業」、「旋回スキ取り作業以外の旋回作業」といった
各種作業内容毎に、旋回用操作レバーに応じたエンジン
回転数制御の内容(ステップ809、817)を変える
ようにしている。
【0238】図23に示すように、ステップ808、8
09を除くステップ801〜821では、図21と同様
の処理が実行される。よって、以下、図21と異なる処
理内容についてのみ説明する。
【0239】ステップ802では、ブーム用圧力センサ
8A、アーム用圧力センサ8Xの出力に基づき、「旋回
スキ取り作業」を行っているのか(ステップ802の判
断YES)、それとも「旋回スキ取り作業以外の旋回作
業」を行っているのか(ステップ802の判断NO)
が、判別される。
【0240】「旋回(仕上げ)スキ取り作業」であると
判断された場合には(ステップ802の判断YES)、
旋回用圧力センサ8Cの現在の検出圧pが入力され(ス
テップ808)、圧力センサ8Cの検出圧pの大きさに
比例したエンジン目標回転数の増分Dが記憶テーブルか
ら読み出される。図24は、図3と同様に、旋回用操作
レバー7Cの操作量と旋回用圧力センサ8Cの検出パイ
ロット圧pの関係を示している。よって、この記憶テー
ブルによれば、旋回用操作レバー7Cの操作量が70%
以上になった場合に(検出圧力pがp1´以上になった
場合に)、エンジン目標回転数の増分Dは正の値をと
り、以後操作量の大きさに応じて増加していく(ステッ
プ809)。
【0241】一方、「旋回スキ取り作業以外の旋回作
業」であると判断された場合には(ステップ802の判
断NO)、旋回用圧力センサ8Cの現在の検出圧pが入
力され(ステップ815)、圧力センサ8Cの検出圧p
の大きさに比例したエンジン目標回転数の増分Dが記憶
テーブルから読み出される。この記憶テーブルでは、旋
回用操作レバー7Cの操作量が30%以上になった場合
に(検出圧力pがp1以上になった場合に)、エンジン
目標回転数の増分Dは正の値をとり、以後操作量の大き
さに応じて増加していく(ステップ817)。
【0242】このように、本実施形態によれば、同じ作
業機(上部旋回体)が作動していても、「旋回スキ取り
作業」、「旋回スキ取り作業以外の旋回作業」といった
作業内容の違いによって、操作量に応じたエンジン回転
数制御の内容を変えるようにしたので、各種作業内容に
適合した正確な回転数制御をなし得る。
【0243】また、本実施形態では、図21と異なり、
「スキ取り作業」時において、オペレータが意図してい
るブーム、アーム操作以外の旋回操作に影響を受けてエ
ンジン回転数が制御される(ステップ809、82
1)。
【0244】しかし、旋回用操作レバー7Cの操作量が
相当量(70%)以上にならないとエンジン目標回転数
は増加しない(ステップ809)。そして、通常、誤操
作により旋回用操作レバー7Cが70%以上に達するこ
とは稀である。したがって、図23に示す実施形態で
も、誤操作による予期せぬエンジン回転数上昇は充分に
防止できる。
【0245】ところで、上述した各実施形態では、油圧
ショベルの各作業機の作動状態を、操作レバーの操作量
を検出することによって検出しているが、操作側ではな
く作業機側に取り付けられたセンサに基づき、作動状態
を検出してもよい。
【0246】図25〜図32は、各作業機に、回転角度
を検出するポテンショセンサ等の回転角度センサ、角速
度を検出するジャイロセンサ等の角速度センサを配設す
ることで、各作業機の作動状態を検出する実施形態を示
している。
【0247】図28に示す各ステップ901〜921で
は、図23に示す処理と同様の処理が実行される。
【0248】本実施形態では、図25〜図27に示すよ
うに、油圧ショベル40のブーム41に、当該ブーム4
1の回転角度θ1を検出するブーム用回転角度センサ4
1aが設けられ、アーム42に、当該アーム42の回転
角度θ2を検出するアーム用回転角度センサ42aが設
けられ、バケット43に、当該バケット43の回転角度
θ3を検出するバケット用回転角度センサ43aが設け
られ、また、上部旋回体には、当該旋回体の旋回角速度
dθ4を検出する角速度センサが設けられる。
【0249】これら各センサの検出値θ1、θ2、θ3、
dθ4は、タイマ9の出力、スロットルレバー10の設
定出力とともに、コントローラ2に入力される(ステッ
プ901)。
【0250】つぎに、ブーム41の回転角速度dθ1
が、センサ41aの前回サンプリング値と今回のサンプ
リング値の差に基づき演算され、同様に、アーム42の
回転角速度dθ2が、センサ42aの前回サンプリング
値と今回のサンプリング値の差に基づき演算され、同様
に、バケット43の回転角速度dθ3が、センサ43a
の前回サンプリング値と今回のサンプリング値の差に基
づき演算される(ステップ902)。
【0251】ここで、図25は「スキ取り作業」時の作
業機姿勢を示し、図26は「ホイスト旋回作業」時の作
業機姿勢を示し、図27は「転圧作業」時の作業機姿勢
を示している。これら図に示すように各作業では、θ
1、θ2、dθ1、dθ2の値による違いがある。
【0252】すなわち、「スキ取り作業」の場合には、
ブーム角度θ1は、75〜85°の範囲で、アーム角度
θ2は、30〜200°の範囲で、ブーム角速度dθ1は
±の値をとり、アーム角速度dθ2は+の値をとる。た
だし、S1を所定値として、「仕上げスキ取り作業」の
ときには、dθ2<S1となり、「荒スキ取り作業」のと
きには、dθ2≧S1となる。
【0253】また、「ホイスト旋回作業」の場合には、
ブーム角度θ1は、0〜60°の範囲で、アーム角度θ2
は、90〜120°の範囲で、ブーム角速度dθ1は+
の値をとり、アーム角速度dθ2は0となる。
【0254】また、「転圧作業」の場合には、ブーム角
度θ1は、40〜70°の範囲で、アーム角度θ2は、9
0〜120°の範囲で、ブーム角速度dθ1は±の値を
とり、アーム角速度dθ2は0となる。
【0255】これら角度、角速度の違いから、現在行わ
れている作業内容を判断することができる。なお、上述
した回転角度の具体的な数値は、油圧ショベルの種類、
リンク構成の違いにより異なるものであり、これに限定
されるわけではない。
【0256】一方、図29〜図32は、操作レバーの操
作量と作業機の角速度との関係を示している。
【0257】図29は、ブーム用操作レバー7Aの操作
量とブーム角速度dθ1との関係を示しており、操作量
30%のときにブーム角速度dθ1はv1(1)となり、
操作量100%のときにブーム角速度dθ1はv1(2)
となる。つまり、図3の圧力p1が角速度v1(1)に対
応し、圧力p2が角速度v1(2)に対応している。
【0258】図30は、アーム用操作レバー7Xの操作
量とアーム角速度dθ2との関係を示しており、操作量
30%のときにアーム角速度dθ2はv2(1)となり、
操作量100%のときにアーム角速度dθ2はv2(2)
となる。つまり、図3の圧力p1が角速度v2(1)に対
応し、圧力p2が角速度v2(2)に対応している。
【0259】図31は、バケット用操作レバー7Bの操
作量とバケット角速度dθ3との関係を示しており、操
作量30%のときにバケット角速度dθ3はv3(1)と
なり、操作量100%のときにバケット角速度dθ3は
v3(2)となる。つまり、図3の圧力p1が角速度v3
(1)に対応し、圧力p2が角速度v3(2)に対応して
いる。
【0260】図32は、旋回用操作レバー7Cの操作量
と旋回角速度dθ4との関係を示しており、操作量30
%のときに旋回角速度dθ4はv4(1)となり、操作量
70%のときに旋回角速度dθ4はv4(1´)となり、
操作量100%のときに旋回角速度dθ4はv4(2)と
なる。つまり、図3の圧力p1が角速度v4(1)に対応
し、圧力p1´が角速度v4(1´)に対応し、圧力p2
が角速度v4(2)に対応している。
【0261】そこで、ステップ903では、図23のス
テップ802の判断の代わりに、「dθ2≧S1(アーム
掘削方向に操作)かつ75°≦θ1≦85°」であるか
否かの判断がされる。これにより「荒スキ取り作業」で
あるか(ステップ903の判断YES)、「荒スキ取り
作業以外の作業」であるか(ステップ903の判断N
O)の大まかの判断がなされる。
【0262】「荒スキ取り作業」である場合には、ステ
ップ803、804、805、807とほぼ同様にし
て、アーム角速度dθ1の大きさに応じてエンジン目標
回転数が増加される(ステップ905、908)。ま
た、ステップ808、809と同様にして、旋回角速度
dθ4がv4(1´)以上になると(旋回用操作レバー7
Cの操作量が70%以上になると)、エンジン目標回転
数が増加される(ステップ904、907)。
【0263】一方、ステップ909では、図23のステ
ップ810の判断の代わりに、「dθ1>v1(1)(ブ
ーム上げ方向に操作)かつdθ4>v4(1)」であるか
否かの判断がされる。これにより「ホイスト旋回作業、
転圧作業」であるか(ステップ909の判断YES)、
「これら以外の作業(荒スキ取り作業は除く)」である
か(ステップ909の判断NO)の大まかの判断がなさ
れる。
【0264】さらに、ステップ910では、「dθ1≧
v1(1)(ブーム上げ方向に操作)かつ0°≦θ1≦4
0°」であるか否かの判断がされる。これにより「ホイ
スト旋回作業」であるか(ステップ910の判断YE
S)、「転圧作業」であるか(ステップ910の判断N
O)の判断がなされる。
【0265】そして、「ホイスト旋回作業」である場合
には、ステップ812、816と同様にして、ブーム上
げ方向に操作されてからの経過時間、つまりタイマカウ
ント値に応じてエンジン目標回転数が増加される(ステ
ップ911、916)。また、「転圧作業」である場合
には、ステップ813、816と同様に、ブーム上げ方
向に操作されてからのタイマカウント値が1秒以上に到
達することはないので、エンジン目標回転数は設定目標
回転数以上に増加することはない(ステップ912、9
16)。
【0266】また、「旋回スキ取り作業以外の旋回作
業」である場合には、ステップ815、817と同様に
して、旋回角速度dθ4がv4(1)以上になると(旋回
用操作レバー7Cの操作量が30%以上になると)、エ
ンジン目標回転数が増加される(ステップ915、91
7)。
【0267】また、ステップ914では、図23のステ
ップ814の判断の代わりに、「ABS(dθ3)>v3
(1)(バケット操作有り)かつABS(dθ4)<v4
(1)(旋回操作無し)」であるか否かの判断がされ
る。これにより「旋回操作を伴わずにバケット操作が介
入されている作業」であるか(ステップ914の判断Y
ES)、「ブーム上げ単独作業あるいは上部旋回体単独
作業」であるか(ステップ914の判断NO)の判断が
なされる。なお、ABSとあるのは、絶対値を示す記号
である。
【0268】なお、本実施形態では、角度センサ、角速
度センサを使用しているが、油圧シリンダのシリンダス
トローク量を検出するストロークセンサを、代わりに使
用してもよい。
【0269】すなわち、図33(a)に示すように、ブ
ーム41を駆動するブームシリンダ6Aのシリンダスト
ローク量は、図33(b)に示すように、ブーム41の
回転角度θ1に対して一定の関係がある。同様に、図3
4(a)に示すように、アーム42を駆動するアームシ
リンダ6Xのシリンダストローク量は、図34(b)に
示すように、アーム42の回転角度θ2に対して一定の
関係があり、同様に、図35(a)に示すように、バケ
ット43を駆動するバケットシリンダ6Bのシリンダス
トローク量は、図35(b)に示すように、バケット4
3の回転角度θ3に対して一定の関係がある。
【0270】そこで、図33(b)、図34(b)、図
35(b)に示す対応関係を記憶テーブルなどに記憶さ
せておき、検出した各シリンダストローク量に対応する
各回転角度θ1、θ2、θ3を、記憶テーブルから読み出
す等して求め、図28と同様の処理を行えばよい。
【0271】さて、図36〜図39は、各作業機を駆動
する油圧アクチュエータに、それぞれ、その負荷圧を検
出する負荷圧センサを配設することで、各作業機の作動
状態を検出する実施形態を示している。
【0272】図39に示す各ステップ1001〜103
3では、図23に示す処理と同様の処理が実行される。
【0273】本実施形態では、図39に示すように、ブ
ーム上げに対応するパイロットライン11A1に、ブー
ム用圧力スイッチ13Aが設けられ、アーム掘削に対応
するパイロットライン11X1に、アーム用圧力スイッ
チ13Xが設けられ、旋回左右方向に対応する各パイロ
ットラインに、左右旋回用圧力スイッチ13LC、13
RCが設けられ、バケットに対応する両パイロットライ
ンを結ぶライン上に、バケット用圧力スイッチ13Bが
設けられている。
【0274】そして、ブームシリンダ6Aには、ブーム
上げ方向に操作されたときの負荷圧を検出するブーム負
荷圧センサ8IAが設けられている。ブーム上げ方向に
操作されると、ブームシリンダ6Aのボトム室側(伸張
室側)の圧力(ブームB圧という)が増加する。なお、
ブーム下げ方向に操作されると、ブームシリンダ6Aの
ヘッド室側(縮退室側)の圧力(ブームH圧という)が
増加する。よって、ブーム負荷圧センサ8IAは、ブー
ムシリンダ6Aのボトム室側のメータイン圧力を検出す
るセンサである。
【0275】同様に、アームシリンダ6Xには、アーム
掘削方向に操作されたときの負荷圧を検出するアーム負
荷圧センサ8IXが設けられている。アーム掘削方向に
操作されると、アームシリンダ6Xのボトム室側(伸張
室側)の圧力(アームB圧という)が増加する。なお、
アームダンプ方向に操作されると、アームシリンダ6X
のヘッド室側(縮退室側)の圧力(アームH圧という)
が増加する。よって、アーム負荷圧センサ8IXは、ア
ームシリンダ6Xのボトム室側のメータイン圧力を検出
するセンサである。
【0276】同様に、旋回モータ6Cには、旋回左方
向、旋回右方向に操作されたときの負荷圧、つまり左旋
回メータイン圧力、右旋回メータイン圧力をそれぞれ検
出する左旋回負荷圧センサ8ILC、右旋回負荷圧セン
サ8IRCが設けられている。
【0277】また、タイマ9として、「スキ取り作業」
時に用いる第1タイマと(ステップ1006)、「ホイ
スト旋回作業」時に用いる第2タイマ(ステップ102
1)とが設けられている。
【0278】これら各圧力スイッチ、負荷圧センサ13
A、8IA、13X、8IX、13LC、13RC、8
ILC、8IRC、13Bの検出圧は、第1、第2タイ
マ9の出力、スロットルレバー10の設定出力ととも
に、コントローラ2に入力される(ステップ100
1)。
【0279】ここで、図36に表として示すように、
「スキ取り作業」時、「ホイスト旋回作業」時、「転圧
作業」時それぞれ毎に、各圧力スイッチ、負荷圧センサ
の検出圧の示す値は異なる。
【0280】すなわち、「荒スキ取り作業」の場合に
は、図25に示すように、アームトップ位置が地面に水
平になるようにアーム42を掘削方向に動かしつつ、か
つブーム41が上下に動かされる。つまり、「ホイスト
旋回」時(図26)に較べて低い位置でブーム41が上
げ下げされる。よって、図37に示すように、「荒スキ
取り作業」時には、「ホイスト作業」時のブーム回転中
心とブームシリンダ6Aとの距離L2よりも、その距離
が大きくなる(L1)。したがって、同じモーメントM
(=F・L)であれば、負荷Fは小さくなり、ブームB
圧も小さくなる。「荒スキ取り作業」時のブームB圧
は、100〜115kgf/cm2の範囲であり、「ホイ
スト旋回作業」時のブームB圧の範囲125〜140k
gf/cm2の最小値よりも小さい(図36参照)。
【0281】また、「荒スキ取り作業」では、アーム4
2を掘削方向に動かすので、アーム用圧力スイッチ13
Xの出力はオンとなる(図36参照)。
【0282】「ホイスト旋回作業」時には、上述したよ
うにモーメントの腕の距離L2が小さく、しかもバケッ
ト43に土を積み込んでいるので、ブームB圧は最小で
も125kgf/cm2と大きい(図36参照)。
【0283】また、「ホイスト旋回作業」と「転圧作
業」では、アーム42が掘削方向に動かされないので
(図26、図27)、アーム用圧力スイッチ13Xの出
力はオフとなる(図36参照)。
【0284】また、「転圧作業」時には、ブーム41は
「荒スキ取り作業」時の高さと「ホイスト旋回作業」時
の高さの中間位の高さまで上げられるので(図27)、
ブームB圧は最高120kgf/cm2に達するが、ブー
ム41を下げて地面を打つときには、ブームB圧は最小
値40kgf/cm2まで低下してしまう。一方、ブーム
H圧は最高200kgf/cm2に達する(図36参
照)。
【0285】これら負荷圧、パイロット圧(オン/オ
フ)の違いから、現在行われている作業内容を判断する
ことができる。なお、上述した負荷圧の具体的な数値
は、油圧ショベルの種類、リンク構成、重量、シリンダ
径等の違いにより異なるものであり、これに限定される
わけではない。
【0286】そこで、ステップ1002では、図23の
ステップ802の判断の代わりに、「圧力スイッチ13
Aの出力オンかつ100kgf/cm2≦負荷圧センサ8
IAの検出ブームB圧≦115kgf/cm2かつ圧力ス
イッチ13Xの出力オン」であるか否かの判断がされ
る。これにより「荒スキ取り作業」であるか(ステップ
1002の判断YES)、「荒スキ取り作業以外の作
業」であるか(ステップ1002の判断NO)の大まか
の判断がなされる。
【0287】「荒スキ取り作業」である場合には、ブー
ム上げ操作が開始されてからの経過時間、つまり第1タ
イマによるタイマカウント値に応じてエンジン目標回転
数が増加される(ステップ1003の判断YES、10
04、1006)。一方、ブーム上げ操作の継続が途切
れれば、第1タイマによるタイマカウント値が減算さ
れ、それに応じてエンジン目標回転数が減少される(ス
テップ1003の判断NO、1005、1006)。
【0288】また、右旋回用圧力スイッチ13RCの出
力がオンかつ右旋回負荷圧センサ8IRCの出力が10
0kgf/cm2以上である場合(ステップ1009の判
断YES)、または左旋回用圧力スイッチ13LCの出
力がオンかつ左旋回負荷圧センサ8ILCの出力が10
0kgf/cm2以上である場合(ステップ1012の判
断YES)には、現在の旋回負荷圧を入力して(ステッ
プ1010、1013)、旋回負荷圧が100kgf/
cm2以上になると(旋回用操作レバー7Cの操作量が
70%以上になると)、エンジン目標回転数を増加させ
る(ステップ1011、1015)。なお、ステップ1
009、1012の判断がいずれも否定された場合に
は、現在のエンジン目標回転数増分Dが所定量Δdだけ
減算される(ステップ1014)。
【0289】一方、ステップ1002で、「荒スキ取り
作業」ではないと判断されると、第1タイマのカウント
値を単位時間−1減算した上で(ステップ1016)、
ステップ1017に移行され、このステップ1017
で、図23のステップ810の判断の代わりに、「圧力
スイッチ13Aの出力オンかつ負荷圧センサ8IAの検
出ブームB圧≧125kgf/cm2かつ圧力スイッチ1
3RCまたは13LCの出力オン」であるか否かの判断
がされる。これにより「ホイスト旋回作業」であるか
(ステップ1017の判断YES)、「これら以外の作
業(荒スキ取り作業は除く)」であるか(ステップ10
17の判断NO)の大まかの判断がなされる。
【0290】そして、「ホイスト旋回作業」である場合
には、ステップ811、812、816と同様にして、
ブーム上げ方向に操作されてからの経過時間、つまり第
2タイマによるカウント値に応じてエンジン目標回転数
が増加される(ステップ1018、1019、102
1)。また、「転圧作業」である場合には、ステップ8
11、813、816と同様に、ブーム上げ方向に操作
されてからの第2タイマのカウント値が1秒以上に到達
することはないので、エンジン目標回転数は設定目標回
転数以上に増加することはない(ステップ1018、1
020、1021)。
【0291】また、「旋回スキ取り作業以外の旋回作
業」である場合には、ステップ815、817と同様に
して、旋回用操作レバー7Cの操作量30%に対応する
負荷圧50kgf/cm2以上になると、エンジン目標回
転数が増加される(ステップ1025〜1031)。
【0292】すなわち、右旋回用圧力スイッチ13RC
の出力がオンかつ右旋回負荷圧センサ8IRCの出力が
50kgf/cm2以上である場合(ステップ1025の
判断YES)、または左旋回用圧力スイッチ13LCの
出力がオンかつ左旋回負荷圧センサ8ILCの出力が5
0kgf/cm2以上である場合(ステップ1028の判
断YES)には、現在の旋回負荷圧を入力して(ステッ
プ1026、1029)、旋回負荷圧が50kgf/c
m2以上になると(旋回用操作レバー7Cの操作量が3
0%以上になると)、エンジン目標回転数を増加させる
(ステップ1027、1031)。なお、ステップ10
25、1028の判断がいずれも否定された場合には、
現在のエンジン目標回転数増分Dが所定量Δdだけ減算
される(ステップ1030)。
【0293】また、ステップ1022では、図23のス
テップ814の判断の代わりに、「圧力スイッチ13B
の出力オンかつ圧力スイッチ13RC、13LCの出力
が共にオフ」であるか否かが判断される。これにより
「旋回操作を伴わずにバケット操作が介入されている作
業」であるか(ステップ1022の判断YES)、「ブ
ーム上げ単独作業あるいは上部旋回体単独作業」、「転
圧作業」であるか(ステップ1022の判断NO)の判
断がなされる。
【0294】なお、上述した各実施形態で、「現在の増
分DからΔdだけ減算する」という処理(図39であれ
ば、ステップ1014、1023、1030に相当す
る)は、適宜、「現在の増分Dを即座に0にする」処理
に変更してもよい。また、上述した各実施形態で、「現
在のタイマカウント値を単位時間−1だけ減算する」と
いう処理(図39であれば、ステップ1005、101
6、1020、1024に相当する)は、適宜、「タイ
マカウント値を0にリセットする」処理に変更してもよ
い。
【0295】なお、以上説明した各実施形態では、油圧
ショベルを想定して説明したが、各種作業を行うもので
あれば、任意の建設機械に適用可能である。また、主
に、ブーム、アーム、バケット、上部旋回体といった各
種作業機を想定したが、これら以外の作業機に適用する
ことも当然可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る原動機制御装置の実施の
形態の構成を示す図である。
【図2】図2は、図1に示すコントローラで行われる処
理を示すフローチャートである。
【図3】図3は、レバー操作量とパイロット圧の関係を
示す図である。
【図4】図4は、原動機の回転数と原動機の馬力の関係
を示す図である。
【図5】図5は、ポンプ吐出量とポンプ吐出圧の関係を
示す図である。
【図6】図6は、トルクと馬力と燃費の関係を示す図で
ある。
【図7】図7は、本発明に係る原動機制御装置の実施の
形態の構成を示す図である。
【図8】図8は、図7に示すコントローラで行われる処
理を示すフローチャートである。
【図9】図9は、本発明に係る原動機制御装置の実施の
形態の構成を示す図である。
【図10】図10は、本発明に係る原動機制御装置の実
施の形態の構成を示す図である。
【図11】図11は、本発明に係る原動機制御装置の実
施の形態の構成を示す図である。
【図12】図12は、電気レバーの操作量と電気レバー
の出力電圧の関係を示す図である。
【図13】図13は、図11に示すコントローラで行わ
れる処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、本発明に係る原動機制御装置の実
施の形態の構成を示す図である。
【図15】図15は、図14に示すコントローラで行わ
れる処理を示すフローチャートである。
【図16】図16は、本発明に係る原動機制御装置の実
施の形態の構成を示す図である。
【図17】図17は、図16に示すコントローラで行わ
れる処理を示すフローチャートである。
【図18】図18は、本発明に係る原動機制御装置の実
施の形態の構成を示す図である。
【図19】図19は、図18に示すコントローラで行わ
れる処理を示すフローチャートである。
【図20】図20は、本発明に係る原動機制御装置の実
施の形態の構成を示す図である。
【図21】図21は、図20に示すコントローラで行わ
れる処理を示すフローチャートである。
【図22】図22(a)、(b)は油圧ショベルの運転
席に配置される左右操作レバーの操作態様を説明する図
である。
【図23】図23は、図20に示すコントローラで行わ
れる処理を示すフローチャートである。
【図24】図24は、レバー操作量とパイロット圧の関
係を示す図である。
【図25】図25は、スキ取り作業時の作業機姿勢を示
す図である。
【図26】図26は、ホイスト旋回作業時の作業機姿勢
を示す図である。
【図27】図27は、転圧作業時の作業機姿勢を示す図
である。
【図28】図28は、図23に対応するフローチャート
である。
【図29】図29は、ブーム用操作レバーの操作量とブ
ーム回転角速度の関係を示す図である。
【図30】図30は、アーム用操作レバーの操作量とア
ーム回転角速度の関係を示す図である。
【図31】図31は、バケット用操作レバーの操作量と
バケット回転角速度の関係を示す図である。
【図32】図32は、旋回用操作レバーの操作量と旋回
回転角速度の関係を示す図である。
【図33】図33(a)、(b)は、ブーム回転角度と
ブームシリンダのストローク量の関係を説明する図であ
る。
【図34】図34(a)、(b)は、アーム回転角度と
アームシリンダのストローク量の関係を説明する図であ
る。
【図35】図35(a)、(b)は、バケット回転角度
とバケットシリンダのストローク量の関係を説明する図
である。
【図36】図36は、作業内容毎に、負荷圧、パイロッ
ト圧(オン/オフ)の値が異なることを示す表である。
【図37】図37は、ホイスト旋回作業時と荒スキ取り
作業時のブームの姿勢の違いを説明する図である。
【図38】図38は、本発明に係る原動機制御装置の実
施の形態の構成を示す図である。
【図39】図39は、図38に示すコントローラで行わ
れる処理を示すフローチャートであり、図23に対応す
る図である。
【符号の説明】
1 原動機(エンジン) 2 コントローラ 3 油圧ポンプ 4 パイロットポンプ 5 流量制御弁 6 油圧アクチュエータ 7 操作レバー 8 圧力センサ 9 タイマ 10 スロットルレバー 11 パイロットライン 12 シャトル弁 13 圧力スイッチ 15 電磁比例弁用コントローラ 16 電磁比例弁 A アーム B バケット C 上部旋回体 X アーム D その他の作業機

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機と、該原動機により駆動され
    る油圧ポンプと、複数の作業機をそれぞれ駆動する複数
    の油圧アクチュエータと、該複数の油圧アクチュエータ
    に対応して設けられた複数の操作子と、該操作子の操作
    量に応じた流量の前記油圧ポンプの吐出圧油を、対応す
    る油圧アクチュエータに供給する複数の操作弁とを有
    し、前記操作子の操作に応じて、前記油圧アクチュエー
    タを駆動させて、前記作業機を作動させるとともに、前
    記原動機の目標回転数を、設定された目標回転数に対し
    て増加させる制御を行う建設機械の原動機制御装置にお
    いて、 前記建設機械が行う複数種類の作業に関与する複数の作
    業機を設定する設定手段と、 前記設定手段で設定された複数の作業機の作動状態を検
    出する作動状態検出手段と、 前記作業状態検出手段の出力に基づいて、前記複数種類
    の作業のうちいずれの作業を行っているかを判断する作
    業種類判断手段と、 前記作業種類判断手段で判断された作業内容に応じて、
    前記原動機の目標回転数を、設定された目標回転数に対
    して増加させるか否かを判断する回転数増加判断手段
    と、 前記回転数増加判断手段で目標回転数を増加させると判
    断された場合には、前記原動機の目標回転数を、前記作
    業機の作動状態に応じた増分だけ、設定された目標回転
    数に対して増加させる回転数増加手段とを具えた建設機
    械の原動機制御装置。
  2. 【請求項2】 前記作業種類判断手段は、 前記設定手段で設定された複数の作業機のうちの特定の
    作業機が作動されている場合に、特定の作業であると判
    断するものであり、 前記回転数増加判断手段は、 前記特定の作業であると判断された場合には、前記原動
    機の目標回転数を、設定された目標回転数に対して増加
    させないと判断するものである請求項1記載の建設機械
    の原動機制御装置。
  3. 【請求項3】 前記作動状態検出手段は、 前記作業機が所定時間以上継続して同じ作動状態になっ
    ていることを検出するものであり、 前記作業種類判断手段は、 前記作業機が前記所定時間以上継続して同じ作動状態に
    なっているか否かを判定することで、第1の作業である
    か、またはこれと異なる第2の作業であるかを判断する
    ものである請求項1記載の建設機械の原動機制御装置。
  4. 【請求項4】 前記作業種類判断手段は、 前記設定手段で設定された複数の作業機のうちの特定の
    作業機が作動されている場合に、特定の作業であると判
    断するものであり、 前記回転数増加判断手段は、 前記特定の作業であると判断された場合には、前記原動
    機の目標回転数を、設定された目標回転数に対して増加
    させると判断するものであり、 前記回転数増加手段は、 前記回転数増加判断手段で目標回転数を増加させると判
    断された場合には、前記原動機の目標回転数を、前記特
    定の作業機の作動状態に応じた増分だけ、設定された目
    標回転数に対して増加させるものである請求項1記載の
    建設機械の原動機制御装置。
  5. 【請求項5】 前記回転数増加手段は、 前記特定の作業機以外の作業機に対応する操作子の操作
    量が所定量以上の場合に、前記特定の作業機の作動状態
    に応じた増分に加えて、前記特定の作業機以外の作業機
    の作動状態に応じた増分だけ、前記原動機の目標回転数
    を増加させるものである請求項4記載の建設機械の原動
    機制御装置。
  6. 【請求項6】前記回転数増加判断手段は、 前記作業種類判断手段で第1の作業であると判断された
    場合には、特定の作業機が第1の所定量以上作動された
    場合に、前記原動機の目標回転数を、設定された目標回
    転数に対して増加させると判断し、前記作業種類判断手
    段で前記第1の作業とは異なる第2の作業であると判断
    された場合には、前記特定の作業機が前記第1の所定量
    とは異なる第2の所定量以上作動された場合に、前記原
    動機の目標回転数を、設定された目標回転数に対して増
    加させると判断するものである請求項1記載の建設機械
    の原動機制御装置。
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