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JPH11209472A - スルホン酸基含有有機高分子シロキサンの製造法 - Google Patents

スルホン酸基含有有機高分子シロキサンの製造法

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Publication number
JPH11209472A
JPH11209472A JP1058398A JP1058398A JPH11209472A JP H11209472 A JPH11209472 A JP H11209472A JP 1058398 A JP1058398 A JP 1058398A JP 1058398 A JP1058398 A JP 1058398A JP H11209472 A JPH11209472 A JP H11209472A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
sulfonic acid
acid group
siloxane
hours
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1058398A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidekazu Ookubo
英主 大久保
Hirobumi Io
博文 井尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP1058398A priority Critical patent/JPH11209472A/ja
Publication of JPH11209472A publication Critical patent/JPH11209472A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的に有用なイオン交換体及び固体酸触媒
として、著しく耐水性の向上したスルホン酸基含有有機
高分子シロキサンを製造する方法を提供する。 【解決手段】 スルホン酸基を有するアルコキシシラン
と有機高分子シロキサンを形成し得るアルコキシシラン
とを原料として、これらの加水分解、脱水縮合により均
一に共縮合した高耐水性のスルホン酸基含有高分子シロ
キサンを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオン交換体及び固
体酸触媒として有用な高い耐水性を有するスルホン酸基
含有有機高分子シロキサンを合成する製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】スルホン酸基を有する強酸性イオン交換
体は、例えば、水及び水溶液の脱塩、化学合成に於ける
固体酸触媒等として利用されている。ほとんどの場合に
使用されるカチオン交換体はポリスチレン骨格を有し、
フェニルスルホン酸基を含有する一般的に陽イオン交換
樹脂と呼ばれるものである。陽イオン交換樹脂は耐熱性
が低く、一般的に100〜130℃が使用の上限とされ
ている。また著しい膨張性による破壊、機械的強度の脆
さ等の不利な点を有している。
【0003】これに対し無機ポリマー系イオン交換体の
例として有機高分子シロキサンが挙げられる。有機高分
子シロキサンについては特開昭59−20325号、特
開昭61−272237号明細書、特開平8−2085
39号明細書にスルホン酸基が有機スペーサー基によっ
てマトリックスに結合しているスルホン酸基含有有機高
分子シロキサンが開示されている。上記スルホン酸基含
有有機高分子シロキサンは多硫化物ポリマーの酸化処理
及び固体有機高分子シロキサンのスルホン化処理等によ
って得られることが開示されている。
【0004】また特開平6−207021号明細書には
スルホン酸基を有するシロキサン水溶液を他のアルコキ
シシランとの加水分解、脱水縮合時に取り込み、スルホ
ン酸基を高分子シロキサンマトリックスに固定化する方
法が開示されている。これらスルホン酸基含有有機高分
子シロキサンは、耐熱性及び機械的強度が高いため、耐
水性の高いものは過酷な条件下に於ける脱塩反応及び酸
触媒反応への適用が期待される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはスルホン
酸基含有有機高分子シロキサンの耐水性を向上せしめる
ことにより、該化合物の適用範囲を拡大することを目的
とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはスルホン酸
基含有有機高分子シロキサンの耐水性を上げるべく鋭意
検討した結果、スルホン酸基含有有機高分子シロキサン
を合成するに際し、スルホン酸基含有アルコキシシラン
と有機高分子シロキサンを形成し得る他のアルコキシシ
ランを成分として含有する原料系混合物を加水分解、脱
水縮合して合成したスルホン酸基含有有機高分子シロキ
サンの耐水性が著しく向上することを見いだし、本発明
を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、 〔請求項1〕 高分子シロキサンマトリックスを形成し
うるRa nSiX(4- n)(式中nは1以上3以下の整数で
あり、Raは少なくとも1以上のスルホン酸基を有する
炭素数1以上15以下の炭化水素基であり、Xはアルコ
キシ基よりなる群より選ばれた少なくとも1種であり、
Siはケイ素原子を表す。)で表されるスルホン酸基を
有するアルコキシシラン化合物の少なくとも1種と、高
分子シロキサンマトリックスを形成しうるRb nSiX
(4-n)(式中nは0以上3以下の整数であり、Rbは炭素
数1以上20以下の炭化水素基であり、Xはアルコキシ
基よりなる群より選ばれた少なくとも1種であり、Si
はケイ素原子を表す。)で表されるアルコキシシラン化
合物の少なくとも1種を加水分解、脱水縮合することを
特徴とするスルホン酸基含有有機高分子シロキサンの製
造法、 〔請求項2〕 高分子シロキサンマトリックスを形成し
うるRa nSiX(4- n)(式中nは1以上3以下の整数で
あり、Raは少なくとも1以上のスルホン酸基を有する
炭素数1以上15以下の炭化水素基であり、Xはアルコ
キシ基よりなる群より選ばれた少なくとも1種であり、
Siはケイ素原子を表す。)で表されるスルホン酸基を
有するアルコキシシラン化合物の少なくとも1種と、高
分子シロキサンマトリックスを形成しうるRb nSiX
(4-n)(式中nは0以上3以下の整数であり、Rbは炭素
数1以上20以下の炭化水素基であり、Xはアルコキシ
基よりなる群より選ばれた少なくとも1種であり、Si
はケイ素原子を表す。)で表されるアルコキシシラン化
合物の少なくとも1種を成分として含有する原料混合物
を加水分解、脱水縮合する請求項1記載の製造法、 〔請求項3〕 スルホン酸基が、芳香族スルホン酸基で
ある請求項1または2に記載の製造法、 〔請求項4〕 芳香族スルホン酸基が、フェニルスルホ
ン酸基である請求項3に記載の製造法、 〔請求項5〕 アルコキシ基が、メトキシ基、エトキシ
基、n−プロポキシ基またはイソプロポキシ基である請
求項1ないし4のいずれかに記載の製造法、 〔請求項6〕 請求項1ないし5のいずれかに記載の製
造法により製造されたスルホン酸基含有有機高分子シロ
キサン、である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる高分子シロキサンマトリックスを形成し
うるスルホン酸基含有アルコキシシラン化合物とは、ス
ルホン酸基を有する炭化水素基が直接ケイ素原子に結合
したものであり、エチルシリケート等のアルコキシシラ
ン化合物の混合物と通常のゾル−ゲル反応により固体化
してゲル状物質を形成しうるアルコキシシラン化合物で
ある。
【0009】高分子シロキサンマトリックスを形成しう
るスルホン酸基含有アルコキシシラン化合物の具体的な
例としては、Ra nSiX(4-n)(式中nは1以上3以下
の整数であり、Raは少なくとも1以上のスルホン酸基
を有する炭素数1以上15以下の炭化水素基であり、X
はアルコキシ基よりなる群より選ばれた少なくとも1種
であり、Siはケイ素原子を表す。)で表されるアルコ
キシシラン化合物が例示される。スルホン酸基としては
アルキルスルホン酸基や芳香族スルホン酸基がある。ま
た、芳香族スルホン酸基としてはフェニルスルホン酸基
等が例示される。
【0010】本発明では、上記した方法により得られる
高分子シロキサンマトリックスを形成しうるスルホン酸
基含有アルコキシシラン化合物から選ばれた少なくとも
1種と、高分子シロキサンマトリックスを形成しうるR
b nSiX(4-n)(式中nは0以上3以下の整数であり、
bは炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、Xは
アルコキシ基よりなる群より選ばれた少なくとも1種で
あり、Siはケイ素原子を表す。)で表されるアルコキ
シシラン化合物の少なくとも1種を加水分解することに
より得られる混合ゾルの脱水縮合によるゲル化により、
シリカマトリックスを形成したスルホン酸基を有する有
機高分子シロキサンを製造することができる。
【0011】さらに上記した、それぞれの一般式におけ
るXはアルコキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも
1種を表し、加水分解によりケイ素−X結合が分解し、
高分子シロキサン結合を生成することを可能たらしめる
基である。具体的に例示すれば、メトキシ基、エトキシ
基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキ
シ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルキ
ルアルコキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基等の芳香
族アルコキシ基等が挙げられる。本発明はこれらアルコ
キシ基のみに限定されることはなく、更にこれらの混合
の置換基であっても差し支えない。
【0012】Ra nSiX(4-n) とRb nSiX(4-n)
使用量としては、Ra nSiX(4-n)1モルに対して、通
常Rb nSiX(4-n) を0.5〜100モル、好ましく
は1〜50モルを使用する。
【0013】ここにおいて本発明における混合ゲル化に
ついて述べる。本発明における混合ゲル化は通常の異種
アルコキシシランの混合ゾル−ゲル反応により充分達成
される。実施し易い混合ゲル化方法として具体的に例示
すれば、触媒の酸成分となる上記した有機スルホン酸基
を有するアルコキシシラン化合物を目的とする量を仕込
み、さらに耐水性を得るためにRb nSiX(4-n)(式中
nは0以上3以下の整数であり、Rbは炭素数1以上2
0以下の炭化水素基であり、Xはアルコキシ基よりなる
群より選ばれた少なくとも1種であり、Siはケイ素原
子を表す。)で表されるアルコキシシラン化合物の少な
くとも1種とを混合し、必要であるならばエタノール等
の溶媒を用いて均一な混合溶液とする。これにアルコキ
シ基の加水分解に必要な量の水を加えた後、攪拌しなが
ら、通常、温度10〜200℃、好ましくは、30〜1
00℃で、1時間〜3週間、酸性条件下で反応させる。
得られた高粘度の液体は一般にシリカゾルと呼ばれるも
のである。
【0014】上記したゾルに対してアルコキシ基の加水
分解に必要な量の水に対して過剰の水とアンモニア水等
を加え、塩基性条件下で、通常、温度10〜200℃、
好ましくは、30〜100℃で、1時間〜3週間の条件
でゲル化させる。またこの時必要であるならば加熱攪拌
し、長時間熟成させることもできる。これらゲル化を実
施するに際して、ゾルに対して不活性であるアルコー
ル、または脂肪族飽和炭化水素(ヘキサン、ヘプタン
等)等の媒体に希釈させてゲル化させることも可能であ
る。
【0015】得られたゲルは濾過または溶媒を留去する
等により単離できる。このゲルはスルホン酸がアンモニ
ウム塩型等であるため、イオン交換体及び固体酸触媒と
して用いるためには塩酸等による酸処理により酸型にも
どす必要がある。本発明においては仕込みに際してのス
ルホン酸量に関しては特に限定されないが、好ましくは
ミリグラム当量(meq/g:1g当たりのカチオン交
換量)で0.05ないし3、好ましくは0.3ないし2
ミリグラム当量であることが推奨される。無論本発明に
おいてはこれらの範囲のみに限定されることはない。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に具体的に
説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例のみに
限定されるものではない。 (a)スルホン酸基含有エトキシシランのエタノール溶
液の製造 滴下ロートを取り付けた2口の500mlの丸底フラス
コに200mlの塩化メチレン、トリクロロフェニルシ
ラン124.02g(0.585mol)を入れ、氷冷
する。これに液体のSO346.80g(0.585m
ol)を塩化メチレン100mlに溶解させた溶液を3
0分かけて滴下した。その後、氷浴を取り外し、室温で
5時間攪拌した。滴下ロートを取り外し、油浴を用いて
100℃で常圧下1時間加熱し、塩化メチレン、未反応
SO3を留去した。放冷後、室温で乾燥エタノール16
1.50gを30分かけて滴下し、次いで窒素をバブリ
ングしながら50時間還流し、発生する塩化水素を取り
除きながら反応させた。得られた未反応のフェニルエト
キシシランを含むフェニルスルホン酸基含有エトキシシ
ランのエタノール溶液238.60gをスルホン酸基含
有有機高分子シロキサン調製に於けるスルホン酸基含有
エトキシシランのエタノール溶液として用いた。
【0017】実施例1 攪拌棒を取り付けた2口の500mlの丸底フラスコに
上記スルホン酸基含有エトキシシランのエタノール溶液
26.00g、テトラエトキシシラン83.2g(0.
40mol)エタノール100mlを入れ、混合した。
これに水10.14g(0.56mol)を30分かけ
て滴下した。次いでこれを加熱し、80℃で48時間攪
拌した。更に水5.07g(0.28mol)を加え1
0時間攪拌すると溶液の粘度が上がった。これを放冷
し、28%アンモニア水30ml、水150mlを混合
したものを滴下し、室温で4時間攪拌した後65℃で6
日間攪拌した。これを濾別し、白色の固体を得た。得ら
れた固体を純水1000mlで洗浄した後、3Nの塩酸
300mlを加え室温で1時間攪拌し、プロトン型にも
どした。大量の純水で良く洗浄した後、減圧下100℃
で4時間乾燥し、スルホン酸基を有する有機高分子シロ
キサン(シロキサン1と称する。)30.00gを得
た。本スルホン酸基含有有機高分子シロキサンの陽イオ
ン交換能を測定した結果1.02meq/gであった。
攪拌棒を取り付けた還流冷却器付きの1000ml丸底
フラスコに上記シロキサン1を20.0g、純水500
mlを入れ、85℃で15時間加熱攪拌した。この懸濁
液を熱時濾過し、多量の純水で洗浄した。得られた固体
を減圧下100℃で4時間乾燥し、陽イオン交換量を測
定した。上記処理を繰り返し行い、そのたび陽イオン交
換量を測定した。結果は表1に示した。
【0018】実施例2 攪拌棒を取り付けた2口の500mlの丸底フラスコに
上記スルホン酸基含有エトキシシランのエタノール溶液
26.00g、テトラメトキシシラン60.8g(0.
40mol)エタノール100mlを入れ、混合した。
これに水10.14g(0.56mol)を30分かけ
て滴下した。次いでこれを加熱し、80℃で48時間攪
拌した。更に水5.07g(0.28mol)を加え1
0時間攪拌すると溶液の粘度が上がった。これを放冷
し、28%アンモニア水30ml、水150mlを混合
したものを滴下し、室温で4時間攪拌した後、65℃で
6日間攪拌した。これを濾別し、白色の固体を得た。得
られた固体を純水1000mlで洗浄した後、3Nの塩
酸300mlを加え室温で1時間攪拌し、プロトン型に
もどした。大量の純水で良く洗浄した後、減圧下100
℃で4時間乾燥し、スルホン酸基を有する有機高分子シ
ロキサン(シロキサン2と称する。)30.00gを得
た。本スルホン酸基含有有機高分子シロキサンの陽イオ
ン交換能を測定した結果1.00meq/gであった。
攪拌棒を取り付けた還流冷却器付きの1000ml丸底
フラスコに上記シロキサン2を20.0g、純水500
mlを入れ、85℃で15時間加熱攪拌した。この懸濁
液を熱時濾過し、多量の純水で洗浄した。得られた固体
を減圧下100℃で4時間乾燥し、陽イオン交換量を測
定した。上記処理を繰り返し行い、そのたび陽イオン交
換量を測定した。結果は表1に示した。
【0019】実施例3 攪拌棒を取り付けた2口の500mlの丸底フラスコに
上記スルホン酸基含有エトキシシランのエタノール溶液
26.00g、テトラプロポキシシラン105.6g
(0.40mol)エタノール100mlを入れ、混合
した。これに水10.14g(0.56mol)を30
分かけて滴下した。次いでこれを加熱し、80℃で48
時間攪拌した。更に水5.07g(0.28mol)を
加え10時間攪拌すると溶液の粘度が上がった。これを
放冷し、28%アンモニア水30ml、水150mlを
混合したものを滴下し、室温で4時間攪拌した後、65
℃で6日間攪拌した。これを濾別し、白色の固体を得
た。得られた固体を純水1000mlで洗浄した後、3
Nの塩酸300mlを加え室温で1時間攪拌し、プロト
ン型にもどした。大量の純水で良く洗浄した後、減圧下
100℃で4時間乾燥し、スルホン酸基を有する有機高
分子シロキサン(シロキサン3と称する。)30.00
gを得た。本スルホン酸基含有有機高分子シロキサンの
陽イオン交換能を測定した結果0.99meq/gであ
った。攪拌棒を取り付けた還流冷却器付きの1000m
l丸底フラスコに上記シロキサン3を20.0g、純水
500mlを入れ、85℃で15時間加熱攪拌した。こ
の懸濁液を熱時濾過し、多量の純水で洗浄した。得られ
た固体を減圧下100℃で4時間乾燥し、陽イオン交換
量を測定した。上記処理を繰り返し行い、そのたび陽イ
オン交換量を測定した。結果は表1に示した。
【0020】比較例1 C65Si1.5・SiO2の単位からなるフェニル基含有
SiO2架橋有機高分子シロキサン10gを濃硫酸10
0mlに懸濁させた。これを80℃で3時間攪拌した
後、放冷し、大量の純水を加えた後、濾別した。得られ
た固体を純水で洗浄し、減圧下100℃で4時間乾燥し
た。このようにして固体をスルホン化することにより得
られるスルホン酸基を有する有機高分子シロキサン(シ
ロキサン4と称する)8gを得た。本スルホン酸基含有
有機高分子シロキサンの陽イオン交換能を測定した結果
0.99meq/gであった。攪拌棒を取り付けた還流
冷却器付きの1000ml丸底フラスコに上記シロキサ
ン4を20.0g、純水500mlを入れ、85℃で1
5時間加熱攪拌した。この懸濁液を熱時濾過し、多量の
純水で洗浄した。得られた固体を減圧下100℃で4時
間乾燥し、陽イオン交換量を測定した。上記処理を繰り
返し行い、そのたび陽イオン交換量を測定した。結果は
表1に示した。
【0021】比較例2 特開昭59−20325号の実施例3に従って固体の有
機高分子シロキサンをスルホン化することによりスルホ
ン酸基含有有機高分子シロキサンを調製した。S2(C
2CH2CH2Si1.52・SiO2(S含量0.26m
ol)の単位からなるジスルフィド基含有SiO2架橋
有機高分子シロキサン30gを水100mlに懸濁させ
た。温度を5℃まで冷却し、40%過酸化水素水溶液4
0.4gを加え、5℃で1時間攪拌した。これに100
mlの水を加え、固体を濾別した。純水500mlで洗
浄し、120℃で6時間乾燥した。さらに250℃で4
8時間熱処理し、これをソックスレーで6時間処理した
後、減圧下100℃で4時間乾燥した。スルホン酸基を
有する有機高分子シロキサン(シロキサン5と称する)
30gを得た。本スルホン酸基含有有機高分子シロキサ
ンの陽イオン交換能を測定した結果1.01meq/g
であった。攪拌棒を取り付けた還流冷却器付きの100
0ml丸底フラスコに上記シロキサン5を20.0g、
純水500mlを入れ、85℃で15時間加熱攪拌し
た。この懸濁液を熱時濾過し、多量の純水で洗浄した。
得られた固体を減圧下100℃で4時間乾燥し、陽イオ
ン交換量を測定した。上記処理を繰り返し行い、そのた
び陽イオン交換量を測定した。結果は表1に示した。
【0022】比較例3 特開平5−271243号の実施例1に従ってスルホン
酸基含有シロキサン水溶液を調製し、それを用いて特開
平6−207021号の実施例1に従って固体のスルホ
ン酸基含有有機高分子シロキサンの調製を行った。攪拌
棒を取り付けた2口の10lの丸底フラスコにS2(C
2CH2CH2Si(OC25321500gを入
れ、エタノール1500mlを加えた。これを50℃に
加熱しながら0.1N塩酸水溶液600gを30分かけ
て滴下した。さらに水2000mlを加え、2時間還流
した。放冷後、濾別し、白色固体を2000mlの水で
4回洗浄した。白色固体を水1700mlに懸濁し、3
5%過酸化水素水800gを加えた。これを40〜50
℃で3時間攪拌し、次いでさらに35%過酸化水素水8
00gを加えた。これを60℃で4時間攪拌し、ついで
100℃で4時間攪拌した。ほとんど透明の水溶液を濾
過し、得られた水溶液をスルホン酸基含有有機高分子シ
ロキサン水溶液として、以下のスルホン酸基含有有機高
分子シロキサン調製の原料に用いた。攪拌棒を取り付け
た2口の3000mlの丸底フラスコに上記スルホン酸
基含有有機高分子シロキサン水溶液250mlを入れ、
これにテトラエトキシシラン421.9g(2.03m
ol)を温度40℃で5分間かけて滴下した。次いで室
温で45分間攪拌すると溶液の粘度が上がった。これに
工業用キシレン1300mlを添加した。二層系で40
℃で1時間攪拌し、加熱して1.5時間還流した。放冷
後、濾別し、得られた固体に1N塩酸500mlを添加
し、エナメル被覆されたオートクレーブ中で150℃で
48時間攪拌した。その後冷却し、濾過後、純水で充分
に洗浄した。これを減圧下100℃で4時間乾燥し、ス
ルホン酸基含有有機高分子シロキサン(シロキサン6と
称する。)162.00gを得た。本スルホン酸基含有
有機高分子シロキサンの陽イオン交換能を測定した結果
1.03meq/gであった。攪拌棒を取り付けた還流
冷却器付きの1000ml丸底フラスコに上記シロキサ
ン6を20.0g、純水500mlを入れ、85℃で1
5時間加熱攪拌した。この懸濁液を熱時濾過し、多量の
純水で洗浄した。得られた固体を減圧下100℃で4時
間乾燥し、陽イオン交換量を測定した。上記処理を繰り
返し行い、そのたび陽イオン交換量を測定した。結果は
表1に示した。
【0023】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 熱水処理後の陽イオン交換能力(meq/g) ────────────────────────── シロキサン 1回目 2回目 3回目 4回目 ──────────────────────────────────── 実施例1 1 0.97 0.96 0.96 0.95 実施例2 2 0.97 0.96 0.95 0.93 実施例3 3 0.99 0.97 0.97 0.96 比較例1 4 0.59 0.30 0.23 0.11 比較例2 5 0.62 0.33 0.21 0.10 比較例3 6 0.55 0.31 0.23 0.12 ────────────────────────────────────
【0024】以上のように高分子シロキサンマトリック
スを形成し得るスルホン酸基含有アルコキシシラン化合
物および高分子シロキサンマトリックスを形成し得るア
ルコキシシラン化合物を加水分解、脱水縮合することに
よって調製されたスルホン酸基含有有機高分子シロキサ
ンが他の調製法によるスルホン酸基含有有機高分子シロ
キサンと比較して陽イオン交換量の減少がほとんどな
く、非常に耐水性が高いことが判明した。
【0025】
【発明の効果】本発明に従えば、著しく耐水性の向上し
たスルホン酸基含有有機高分子シロキサンを製造するこ
とができ、従来の脱塩、固体酸触媒としての適用範囲を
拡大することが可能となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子シロキサンマトリックスを形成し
    うるRa nSiX(4- n)(式中nは1以上3以下の整数で
    あり、Raは少なくとも1以上のスルホン酸基を有する
    炭素数1以上15以下の炭化水素基であり、Xはアルコ
    キシ基よりなる群より選ばれた少なくとも1種であり、
    Siはケイ素原子を表す。)で表されるスルホン酸基を
    有するアルコキシシラン化合物の少なくとも1種と、高
    分子シロキサンマトリックスを形成しうるRb nSiX
    (4-n)(式中nは0以上3以下の整数であり、Rbは炭素
    数1以上20以下の炭化水素基であり、Xはアルコキシ
    基よりなる群より選ばれた少なくとも1種であり、Si
    はケイ素原子を表す。)で表されるアルコキシシラン化
    合物の少なくとも1種を加水分解、脱水縮合することを
    特徴とするスルホン酸基含有有機高分子シロキサンの製
    造法。
  2. 【請求項2】 高分子シロキサンマトリックスを形成し
    うるRa nSiX(4- n)(式中nは1以上3以下の整数で
    あり、Raは少なくとも1以上のスルホン酸基を有する
    炭素数1以上15以下の炭化水素基であり、Xはアルコ
    キシ基よりなる群より選ばれた少なくとも1種であり、
    Siはケイ素原子を表す。)で表されるスルホン酸基を
    有するアルコキシシラン化合物の少なくとも1種と、高
    分子シロキサンマトリックスを形成しうるRb nSiX
    (4-n)(式中nは0以上3以下の整数であり、Rbは炭素
    数1以上20以下の炭化水素基であり、Xはアルコキシ
    基よりなる群より選ばれた少なくとも1種であり、Si
    はケイ素原子を表す。)で表されるアルコキシシラン化
    合物の少なくとも1種を成分として含有する原料混合物
    を加水分解、脱水縮合する請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 スルホン酸基が、芳香族スルホン酸基で
    ある請求項1または2に記載の製造法。
  4. 【請求項4】 芳香族スルホン酸基が、フェニルスルホ
    ン酸基である請求項3に記載の製造法。
  5. 【請求項5】 アルコキシ基が、メトキシ基、エトキシ
    基、n−プロポキシ基またはイソプロポキシ基である請
    求項1ないし4のいずれかに記載の製造法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の製
    造法により製造されたスルホン酸基含有有機高分子シロ
    キサン。
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