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JPH11195244A - 光記録媒体及びその記録/再生方法 - Google Patents

光記録媒体及びその記録/再生方法

Info

Publication number
JPH11195244A
JPH11195244A JP9360967A JP36096797A JPH11195244A JP H11195244 A JPH11195244 A JP H11195244A JP 9360967 A JP9360967 A JP 9360967A JP 36096797 A JP36096797 A JP 36096797A JP H11195244 A JPH11195244 A JP H11195244A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording medium
optical recording
layer
titanium oxide
oxide layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9360967A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Kaneko
和弘 金子
Tomohiko Onda
智彦 恩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP9360967A priority Critical patent/JPH11195244A/ja
Publication of JPH11195244A publication Critical patent/JPH11195244A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】基板表面に付着する有機汚れを効率的に除去
し、ジッターの増加を防止した信頼性の高い光記録媒体
を提供する。 【解決手段】透明基板2のレーザー光入射側表面に、保
護層8と400nm〜850nmの波長領域に光吸収端
を持つ酸化チタン層9を順次積層し、透明基板2のレー
ザー光入射側と反対側に、下部誘電体層3、記録層4、
上部誘電体層5、反射層6、及びラッカー層7をこの順
で積層形成したものを、ラッカー層7側を対向させて、
接着層10を介して接合し、光記録媒体1を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光を用い
て情報の記録及び/又は再生を行う光記録媒体とその記
録/再生方法に関し、詳しくは、光記録媒体表面に付着
する塵、ゴミ、指紋等、その中の特に有機汚れを効率的
に除去可能な光記録媒体及びこの光記録媒体の記録/再
生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光記録媒体に関する研究が盛んに
行われている。この光記録媒体は、非接触で記録/再生
が行えるため磁気記録媒体に比べて塵、ゴミ、指紋等に
強いこと、光の回折限界まで記録/再生が行えるため高
密度化が可能なこと、再生専用型、追記型、書換可能型
のそれぞれのメモリ形態に対応できること等、数々の利
点を有しており、安価な大容量ファイルを実現する方式
として幅広い用途への適用が考えられる。そして、現
在、更に高密度を有する光記録媒体への要求が高まり、
その実現のために様々な方法が検討されている。
【0003】光記録媒体の高密度化に対する有効な手段
として、記録、再生に用いるレーザー光のスポット径を
より微小にするために短波長レーザー光を用いたり、開
口数(N.A.:Numerical Apertur
e)の大きな対物レンズを用いて、高密度に微小ピット
を記録、再生する方法がある。例えば、現在、普及が進
んでいるCD(Compact Disk)は780n
m付近のレーザー波長を、今後、普及が見込まれるDV
D(Digital Video Disk)は650
nm付近のレーザー波長を、更に、将来、実用化が見込
まれる光記録媒体は410nm付近のレーザー波長を用
いることが予想される。
【0004】ところで、光記録媒体に用いられる基板と
しては、照射するレーザー光に対して透明で、かつ、複
製が容易であるポリカーボネート、2P(フォトポリマ
ー)、ポリメチルメタアクリルレート等の樹脂やガラス
が用いられる。特に、熱的、機械的特性に優れているポ
リカーボネートが広く用いられている。しかし、樹脂は
絶縁体であるため帯電し易い。光記録媒体が帯電すると
微小な塵やゴミ等が静電気により光記録媒体のレーザー
光入射側に付着して情報の記録/再生の妨げになる。そ
して、上述したように、現在検討が進められている、微
小スポットで記録/再生を行う高密度光記録媒体では、
塵、ゴミ、指紋、傷等が情報の記録/再生に与える影響
は今まで以上に大きくなることが考えられる。
【0005】現状では、光記録媒体の帯電を防止する目
的で、光記録媒体のレーザー光入射側表面に、帯電防止
膜や透明導電膜を設けることが提案されている。更に、
基板表面に化学的に付着した塵や指紋等の有機汚れを、
布等で拭く方法も提案されている。しかしながら、帯電
防止膜や透明導電膜を設ける方法の場合、指紋等の有機
汚れに対する効果が、必ずしも十分ではないという問題
点があった。更に、布等で拭く方法の場合、ポリカーボ
ネート基板等は表面硬度が低いため基板に傷が生じ易
く、情報の記録/再生に支障をきたす虞れがあるため、
必ずしも十分ではないという間題点があった。
【0006】こうした状況の中、特に人間の油脂を主た
る構成因子とする有機汚れ(指紋等)を除去する方法と
して、特開平9−180253号公報では、光記録媒体
を構成する基板に、レーザー光入射側に膜厚0.01〜
3.0μmの酸化ケイ素からなる薄膜を設け、かつ、こ
の酸化ケイ素薄膜の外側に膜厚0.05〜10μmの酸
化チタン薄膜を設けた光記録媒体が提案されている。
【0007】これは、酸化チタンの光触媒機能を利用
し、太陽光等に曝すことで指紋の主成分である油脂を酸
化分解して光記録媒体表面を清浄化するものである。酸
化チタン等の光触媒反応は、光エネルギーを直接化学エ
ネルギーに変換できる人工光合成型のプロセスとして脚
光を浴び、近年では実用化を目指した研究が活発化して
いる。特に、酸化チタンはその高い活性、安定性と無毒
性のため、高範囲な実用化に最も近い光触媒として期待
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸化チ
タンは可視光領域に吸収がなく、太陽光に3〜5%含ま
れる紫外線しか利用できない。このため、前述した従来
の光記録媒体では、公報にも記載されているように、有
機汚れを清浄化するのに十数分以上太陽光に曝さなけれ
ばならず効率が悪いという問題がある。
【0009】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、基板表面に付着する塵、ゴミ、指紋、傷等、その中
でも特に有機汚れを効率的に除去し、ジッターの増加を
防止できる信頼性の高い光記録媒体を提供することを目
的とする。また、この光記録媒体を用い、記録/再生と
同時に有機汚れを除去するようにした光記録媒体の記録
/再生方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に記
載の発明では、レーザー光を用いて情報の記録及び/又
は再生を行う光記録媒体において、光記録媒体を構成す
る基板のレーザー光入射側表面に、400nm〜850
nmの波長領域に光吸収端を有する酸化チタン層を形成
したことを特徴とする。
【0011】かかる構成では、酸化チタン層が350n
m以上の可視光波長領域で十分な吸収を持つため、太陽
光に半分以上含まれる可視光によって光記録媒体に付着
した有機汚れを除去できる。これにより、太陽光等の光
に曝す時間を極めて短縮でき、有機汚れの除去効果を向
上でき、ジッターの増加を防止できるようになる。尚、
酸化チタン層の光吸収端の制御は、例えば、色素光増感
法(B.O’Regan,Nature,357,73
7(1991)やイオン注入法(竹内等,触媒,36,
157(1994)等の不純物添加法によって実際に行
うことができる。
【0012】また、請求項2に記載のように、前記レー
ザー光の波長が、前記酸化チタン層の光吸収端の波長よ
りも短波長となるようにするとよい。かかる構成によれ
ば、記録/再生に使用するレーザー光を照射すること
で、有機汚れを除去することが可能となり、記録及び/
又は再生時に同時に有機汚れを除去できるようになる。
【0013】また、請求項3に記載のように、前記基板
と酸化チタン層との間に、前記レーザー光に対して略透
明な無機物からなる保護層を設ける構成とすれば、基板
が樹脂等の有機物である場合は、酸化チタンの光触媒反
応から基板を保護することができる。また、基板がガラ
スの場合には、ガラス中のNaの拡散による酸化チタン
の機能低下を防止できるようになる。
【0014】請求項4に記載の発明では、請求項2又は
3に記載の光記録媒体に、レーザー光を照射して、記録
及び/又は再生と同時に酸化チタン層による光触媒機能
が発現されるようにした光記録媒体の記録/再生方法を
提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光記録媒体の
実施形態について説明する。図1は、本実施形態による
光記録媒体の構成例を示す断面図である。図1におい
て、本実施形態では、記録層に相変化型記録材料を用い
た相変化型光記録媒体の例を示している。透明基板2の
レーザー光入射側と反対側に、下部誘電体層3、記録層
4、上部誘電体層5、反射層6、及びラッカー層7をこ
の順で積層形成し、透明基板2のレーザー光入射側に、
保護層8及び400nm〜850nmの波長領域に光吸
収端を持つ酸化チタン層9をこの順で積層形成する。こ
のようにして形成した2枚の光記録媒体を、ラッカー層
7側を対向させて、接着層10を介して接合することに
より、両面記録用の光記録媒体1を形成した。
【0016】前記酸化チタン層9は、通常、スパッタ法
や真空蒸着法、プラズマCVD法、光CVD法、電子ビ
ーム蒸着法、ゾル−ゲル法、スプレーパイロリシス法、
ディップコーティング法等により形成する。酸化チタン
層へは不純物を添加するが、その添加方法は特に制限さ
れず、例えば、上記薄膜形成中に同時に添加することも
できるし、或いは、前述した色素光増感法やイオン注入
法を用いることもできる。色素光増感法で用いる最も高
い効率を示す色素としては、ルテニウム錯体[Ru
(4,4’−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジン)
2 (NCS)2 ]が挙げられ、イオン注入法で注入する
イオンとしては、金属イオンが好ましく、Crイオンや
Vイオン等の遷移金属イオンがより好ましい。酸化チタ
ン層9の厚みは、1000nm以下が好ましく、200
nm以下がより好ましい。これは、光触媒反応が、酸化
チタン層表面近傍でおこるためと、1000nm以上厚
みを有しても効果が変わらないためである。
【0017】半導体である酸化チタンは、その光吸収端
以下の波長の光を強く吸収し、光触媒反応に利用する。
不純物を添加していない純粋の酸化チタンの光吸収端は
約380nmにあるため、純粋の酸化チタンは可視光
(350nm〜750nm)のうち380nm以下のわ
ずかな波長の光しか光触媒反応に利用できない。本発明
においては、酸化チタンに不純物を添加してその光吸収
端を長波長側にシフトさせ、400nm〜850nmに
存在するようにする。この結果、太陽光のうちのより広
い波長領域の光を光触媒反応に利用できるようになり、
より効率的に光記録媒体表面の汚染を除去することがで
きる。尚、不純物を添加して移動させる光吸収端の位置
は、400nmより長波長側でないと大きな効果を期待
できない。また、不純物添加によって光吸収端を850
nmよりも長波長側にシフトさせることは原理的に難し
い。記録及び/又は再生に使用するレーザー光の波長
が、酸化チタン層の光吸収端よりも短波長側にある場合
には、酸化チタン層はそのレーザー光をも吸収して光触
媒反応に利用することができる。即ち、そのレーザー光
は、信号の記録及び/又は再生を行うと同時に、光記録
媒体表面の汚染を除去する。
【0018】不純物の添加方法としては、以下のような
理由から、イオン注入法は好ましい方法である。イオン
注入は、数百keVという高エネルギーで金属イオンを
加速して酸化チタン薄膜内部に注入する方法で行われ、
具体的にはイオン注入装置によって行う。イオン注入は
LSI製造では不可欠な技術であり、他の方法では得ら
れない次の特徴を有する。
【0019】(1)不純物濃度及び深さ方向の分布が、
イオンの加速電圧、電流、注入時間によって正確に制御
できる。 (2)ドープされる不純物の純度が極めて高い。 (3)任意の不純物を短時間で注入できるため準安定物
質の創製が期待できる。
【0020】(4)マスクパターン通りのドーピングパ
ターンが可能である。 イオン注入法で注入するイオンは、前述のように金属イ
オンが好ましく、Crイオン又はVイオンがより好まし
い。光の吸収領域は、注入する金属イオン濃度に依存し
てある程度任意に変えることができる。金属イオンの注
入量は、0.01×1016〜100×1016個/cm2
が好ましく、0.1×1016〜30×1016個/cm2
がより好ましい。また、金属イオンが、表面から数十n
mの深さに局在するようイオン注入を行うと、光触媒反
応の効率が上がる。また、基板がガラスの場合には、必
要に応じて酸化チタン層を熱処理することができる。
【0021】保護層8は、透明基板2が樹脂等の有機物
である場合には酸化チタン層9の光触媒反応から透明基
板2を保護する目的で形成され、透明基板2がガラスで
ある場合にはガラス中のNaの拡散による酸化チタンの
機能低下を防ぐ目的で形成される。保護層8は、用いる
光ビームに対して略透明である無機物が好ましく、具体
的な例としては、例えば、SiO、SiO2 、ZnO、
A12 3 、SnO2、In2 3 、MgO、ZrO2
等の金属酸化物、Si3 4 、AIN、BN、TiN、
ZrN等の窒化物、ZnS、In2 3 、TaS4 等の
硫化物、SiC、TaC、WC、TiC、ZrC、B4
C等の炭化物やダイヤモンド状カ一ボンがあげられる。
これらの材料は単体で用いることもできるし、2つ以上
の材料を混合して用いることもできる。また、必要に応
じて不純物を含んでいてもよい。保護層8は、スパッタ
法や真空蒸着法、プラズマCVD法、光CVD法、電子
ビーム蒸着法により形成できる。保護層8の厚みは、5
〜1000nm程度が好ましく、10〜100nmがよ
り好ましい。厚みが5nmより薄くなると透明基板2が
酸化チタン層9の光触媒反応の影響を直接受けることに
なり、また、1000nmより厚くても保護層の効果は
変わらない。
【0022】次に、酸化チタン層9、保護層8以外の構
成要素について説明する。透明基板2は、用いる光ビー
ムに対して透明である材質、例えば、樹脂やガラス等か
ら構成することが好ましく、特に、取り扱いが容易で安
価であることから樹脂が好ましい。樹脂として具体的に
は例えば、ポリカーボネート、2P、ポリメチルメタア
クリルレート等を用いる。基板の形状および寸法は特に
限定されないが、通常、ディスク状であり、その厚さ
は、通常、0.5〜3mm程度、直径は40〜360m
m程度である。透明基板2の表面には、トラッキング用
やアドレス用等のために、グルーブ等の所定のパターン
が必要に応じて設けられる。
【0023】下部誘電体層3と上部誘電体層5は、入射
光の多重干渉や、記録時に記録層4に蓄積される熱の放
熱層として設けられ、材料としては、保護層8と同様
な、酸化物、窒化物、硫化物、炭化物の単体や混合物等
が用いられる。下部誘電体層3の厚さは、50〜300
nm程度であり、上部誘電体層5の厚さは、10〜25
0nm程度である。
【0024】記録層4は、Au−In−Sb−Te合
金、Ag−In−Sb−Te合金、Ge−Sb−Te合
金等を用いることが好ましいが、これに限定されるもの
ではない。記録層4の厚みは、10〜200nm程度で
ある。反射層6は、入射光の反射や放熱層として設けら
れ、Al、Au、Ag、Pt、Cu等の単体或いはこれ
らの1種以上を含む合金等の高反射金属から構成すれば
よい。反射層6の厚みは、30〜300nm程度であ
る。
【0025】ラッカー層7は、耐擦傷性や耐腐食性の向
上のために設けられ、種々の有機系の物質から構成され
ることが好ましいが、特に、放射線硬化型化合物やその
組成物を、電子線、紫外線等の放射線により硬化させた
有機物から構成されることが好ましい。ラッカー層7の
厚さは、通常、0.1〜100μm程度であり、スピン
コート、グラビア塗布、スプレーコート等、通常の方法
により形成すればよい。
【0026】接着層10は、種々の有機系の物質から構
成されることが望ましいが、熱可塑性物質、粘着性物
質、放射線硬化型化合物やその組成物を、電子線、紫外
線等の放射線により硬化させた有機物から構成されるこ
とが好ましい。接着層10の厚さは0.1〜100μm
程度であり、接着層10を構成する物質により選ばれる
最適な方法、例えば、スピンコート、グラビア塗布、ス
プレーコート、ロールコートなどにより形成すればよ
い。
【0027】かかる構成の光記録媒体によれば、400
nm〜850nmの波長領域に光吸収端を持つ酸化チタ
ン層9を設けたので、太陽光に半分以上含まれる可視光
で酸化チタンの光触媒機能が発現がされ、光記録媒体1
の表面に付着した有機汚れ(指紋等)を効率良く酸化分
解できる。このため、従来のものに比べて太陽光に曝す
時間が短時間で済む。また、この酸化チタン層9は、記
録及び/又は再生に使用するレーザー光の波長が酸化チ
タン層の光吸収端の波長よりも短波長である場合、記録
時や再生のレーザー光照射によっても、光記録媒体1表
面の有機汚れを除去できる。従って、情報の記録や再生
を行う際に、同時に有機汚れも分解除去でき、極めて効
率的である。これにより、塵、ゴミ、指紋、傷等、その
中でも特に指紋(有機汚れ)によるジッターの増加を防
止でき、信頼性の高い光記録媒体1を得ることができる
ようになる。更に、保護層8を設けることで、酸化チタ
ン層9の光触媒反応による透明基板2への悪影響を防止
でき、より一層光記録媒体1の信頼性を高めることがで
きる。
【0028】尚、本実施形態では、相変化型の光記録媒
体を例にして説明したが、本発明はこれに限定されるも
のでなく、再生専用型、追記型、書換可能型等、種々の
光記録媒体に適用が可能である。 〔実施例及び比較例〕次に、本発明の具体的実施例を示
し、本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例は
本発明を何ら制限するものではない。
【0029】(実施例1)直径120mm、厚さ0.6
mmのランド/グルーブを有する、2枚のポリカーボネ
ート基板2のレーザー光入射側に、保護層8として酸化
ケイ素を100nm厚に、酸化チタン薄膜を100nm
厚に順次積層し、その後、酸化チタン薄膜に、200k
eVイオン注入装置を用いてCrイオンを12×1016
個/cm2注入し、光波長500nmに光吸収端をもつ
酸化チタン層9を形成した。更に、基板2のレーザー光
入射側と反対側上に、それぞれ下部誘電体層3としてZ
nS−SiO2 (SiO2 :20mol%)を140n
m厚に、記録層4としてAu−In−Sb−Te合金を
25nm厚に、上部誘電体層5としてZnS−SiO 2
(SiO2 :20mol%)を22nm厚に、反射層6
としてAlを100nm厚に、及びラッカー層7を10
μm厚に順次積層し、このように形成したものを、ラッ
カー層7側を対向させて、接着層10を介して接合し、
図1の構成を有する光記録媒体1を形成した。接着層1
0の厚みは30〜50μmであった。基板2のランド/
グルーブは、トラックピッチ0.74μm、深さ70n
mとした。
【0030】光記録媒体1作製後の記録層4は非晶質で
あった。このため、波長810nmの大出力半導体レー
ザー光により記録層4を十分に結晶化させ初期化状態と
した。こうして得られた光記録媒体1の記録は、波長6
35nmの半導体レーザー光をNA=0.6の対物レン
ズを通して酸化チタン層9側から照射し、記録層4の表
面で直径約1μmのスポット径に絞り込むことにより、
線速3.5m/sで8/16変調方式信号のランダム信
号を記録した。記録パワーは13mWとした。光記録媒
体1の再生は、波長635nmの半導体レーザと波長4
20nmのSHGレーザを用いて行い、レーザー光を酸
化チタン層9側から照射し線速3.5m/sで行った。
再生パワーは635nmで1mW、420nmで1.3
mWとした。ジッターは、ランダム信号のジッターをタ
イムインターバルアナライザにより測定した。
【0031】まず、光記録媒体1に、635nmの半導
体レーザにより記録を行い、635nmの半導体レーザ
により再生を行った。そのとき、光記録媒体1のジッタ
ーは8%であった。次に、記録を施した光記録媒体1の
レーザー光入射側、即ち酸化チタン層9上を素手で全周
にわたって接触し指紋を付着させ、更に塵も付着させ
た。指紋と塵をあわせて有機汚れとした。その後、この
光記録媒体1を635nmの半導体レーザで再生し、ジ
ッターを測定したところ、ジッターは平均で15%であ
った。
【0032】次に、有機汚れが付着した光記録媒体1の
汚れ側を戸外で太陽光に5分間暴露し、その後、635
nmの半導体レーザーで再生し、ジッターを測定したと
ころ、ジッターは8%となっていた。このことにより、
500nmに光吸収端を持つ酸化チタン層9の光触媒反
応により、有機汚れが効率的に除去でき、ジッターの増
加を防ぐことができることがわかった。
【0033】(比較例1)酸化チタン層に、Crイオン
を注入していない純粋な酸化チタンを用いた以外は、実
施例1と同様にして光記録媒体1を作成した。このとき
純粋な酸化チタンの光吸収端は約380nmであった。
実施例1と同様にして、光記録媒体1に、635nmの
半導体レーザーにより記録を行い、635nmの半導体
レーザーにより再生して、ジッターを測定したところ8
%であった。また、有機汚れを付着させた後の光記録媒
体1のジッターは平均で15%であった。
【0034】一方、有機汚れが付着した光記録媒体1を
実施例1と同様にして戸外で太陽光に暴露し、ジッター
を測定したところ、ジッターは15%のままであり、改
善は見られなかった。 (実施例2)実施例1と同様にして作成した。有機汚れ
が付着した光記録媒体1を420nmSHGレーザーで
再生し、ジッターを測定したところ、ジッターは平均で
10%となった。即ち、有機汚れが付着した光記録媒体
1に420nmSHGレーザーを照射することにより、
ジッターは5%低減した。
【0035】現状では420nmSHGレーザーの性能
限界のため実施できないが、仮に、有機汚れが付着した
光記録媒体1に420nmSHGレーザーで記録を行え
ば、更に強いパワーを照射することができるので、ジッ
ターの向上は更に期待できるものと考えられる。このよ
うに、500nmに光吸収端を持つ酸化チタン層9を有
する光記録媒体1に、光吸収端よりも短い波長のレーザ
ー光で記録及び/又は再生を行えば、酸化チタン層9の
光触媒反応により同時に有機汚れが除去できることがわ
かった。従って、本実施形態の光記録媒体1によれば、
記録/再生と同時に有機汚れを除去し、ジッターの増加
を防ぐことができる。
【0036】(比較例2)比較例1と同様にして作成し
た。有機汚れが付着した光記録媒体1を420nmSH
Gレーザーで再生し、ジッターを測定したところ、ジッ
ターは平均で15%ょままであり、改善は見られなかっ
た。これは、再生に使用した420nmSHGレーザー
の波長が、(不純物を含まない)酸化チタン層の光吸収
端の波長(380nm)よりも長かったためである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、光記録媒体を構成する基板のレーザー入射
側表面に、不純物の添加によって、400nm〜850
nmの波長領域に光吸収端を持つ酸化チタン層を形成し
たので、太陽光に半分以上含まれる可視光を利用して有
機汚れを除去できるようになるため、従来のものに比べ
て基板表面に付着する有機汚れをより効率的に除去でき
るという大きな効果を有する。従って、ジッターの増加
を防止でき光記録媒体の信頼性を向上できる。
【0038】また、請求項2に記載の発明によれば、記
録/再生に使用するレーザー光によって基板表面に付着
する有機汚れを除去できる。従って、請求項4に記載の
ように、光記録媒体の記録及び/又は再生の際に、レー
ザー光を照射することで、記録/再生と同時に有機汚れ
を除去でき、極めて効率良く基板表面を清浄化できる。
【0039】また、請求項3に記載の発明によれば、請
求項1、2の効果に加えて、酸化チタン層の光触媒反応
から基板を保護することができ、より一層光記録媒体の
信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の一実施形態を示す構成図
【符号の説明】
1 光記録媒体 2 透明基板 3 下部誘電体層 4 記録層 5 上部誘電体層 6 反射層 7 ラッカー層 8 保護層 9 酸化チタン層 10 接着層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザー光を用いて情報の記録及び/又は
    再生を行う光記録媒体において、 光記録媒体を構成する基板のレーザー光入射側表面に、
    400nm〜850nmの波長領域に光吸収端を有する
    酸化チタン層を形成したことを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】前記レーザー光の波長が、前記酸化チタン
    層の光吸収端の波長よりも短波長である請求項1に記載
    の光記録媒体。
  3. 【請求項3】前記基板と酸化チタン層との間に、前記レ
    ーザー光に対して略透明な無機物からなる保護層を設け
    る構成とした請求項1又は2に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】請求項2又は3に記載の光記録媒体に、レ
    ーザー光を照射して、記録及び/又は再生と同時に酸化
    チタン層による光触媒機能が発現されるようにしたこと
    を特徴とする光記録媒体の記録/再生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020011866A (ko) * 2000-08-04 2002-02-09 가네오 이토 광 기록 매체

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