JPH11183083A - 熱交換器 - Google Patents
熱交換器Info
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- JPH11183083A JPH11183083A JP9353575A JP35357597A JPH11183083A JP H11183083 A JPH11183083 A JP H11183083A JP 9353575 A JP9353575 A JP 9353575A JP 35357597 A JP35357597 A JP 35357597A JP H11183083 A JPH11183083 A JP H11183083A
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- JP
- Japan
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- heat
- receiving tube
- heat exchanger
- heat receiving
- fin
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- Details Of Fluid Heaters (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】凝縮水による受熱管の腐食を防止するととも
に、凝縮水によってフィンが腐食されても熱交換効率の
低下しない熱交換器を提供する。 【解決手段】熱交換用のフィン52に開設された穴に潜
熱受熱管51をはめ込み、互いをロウ付けせずに固定す
る。またフィン52を潜熱受熱管51よりもイオン化傾
向の大きい金属で形成する。これにより潜熱受熱管51
とフィン52の接合部の隙間に酸性の凝縮水が溜まって
も、潜熱受熱管51よりイオン化傾向の大きいフィン5
2が陽イオンになって溶け出し、潜熱受熱管51の腐食
が防止される。またフィン52等にステンレス系の材料
を用いることで、腐食物でフィン52が目詰まりし熱交
換効率の低下することがない。
に、凝縮水によってフィンが腐食されても熱交換効率の
低下しない熱交換器を提供する。 【解決手段】熱交換用のフィン52に開設された穴に潜
熱受熱管51をはめ込み、互いをロウ付けせずに固定す
る。またフィン52を潜熱受熱管51よりもイオン化傾
向の大きい金属で形成する。これにより潜熱受熱管51
とフィン52の接合部の隙間に酸性の凝縮水が溜まって
も、潜熱受熱管51よりイオン化傾向の大きいフィン5
2が陽イオンになって溶け出し、潜熱受熱管51の腐食
が防止される。またフィン52等にステンレス系の材料
を用いることで、腐食物でフィン52が目詰まりし熱交
換効率の低下することがない。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料を燃やした際
に生じた熱を吸収して熱交換を行う熱交換器に関する。
に生じた熱を吸収して熱交換を行う熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】メタン、プロパン、ブタンあるいは石油
や灯油などの燃料を燃焼させた際に生じる熱を吸収し
て、給水等の被加熱流体を加熱する熱交換器では、銅な
ど熱伝導率の良好な金属をその母材として用いるととも
に、被加熱流体の通る受熱管と熱交換用のフィンとの双
方を、同一種類の金属で形成していた。
や灯油などの燃料を燃焼させた際に生じる熱を吸収し
て、給水等の被加熱流体を加熱する熱交換器では、銅な
ど熱伝導率の良好な金属をその母材として用いるととも
に、被加熱流体の通る受熱管と熱交換用のフィンとの双
方を、同一種類の金属で形成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】燃料を燃やした際に生
じた排気の潜熱を吸収することによって、熱交換器の表
面には凝縮水の結露することがある。この凝縮水は、燃
焼空気が高温で酸化して生成された窒素酸化物(NO
x)やガス漏れ検知のために燃焼ガスに添加された付臭
剤が酸化することで生成された硫黄酸化物(SOx)等
が溶解し、硝酸と硫酸との溶融したpH2〜3の酸性の
水滴になっており、熱交換器を腐食する。
じた排気の潜熱を吸収することによって、熱交換器の表
面には凝縮水の結露することがある。この凝縮水は、燃
焼空気が高温で酸化して生成された窒素酸化物(NO
x)やガス漏れ検知のために燃焼ガスに添加された付臭
剤が酸化することで生成された硫黄酸化物(SOx)等
が溶解し、硝酸と硫酸との溶融したpH2〜3の酸性の
水滴になっており、熱交換器を腐食する。
【0004】しかしながら、従来の熱交換器は、銅など
熱伝導率の良好な同一の金属で受熱管とフィンの双方を
形成しているので、フィンと受熱管のいずれもが腐食さ
れ、受熱管側に孔が空いて、内部の流体が漏れ出てしま
う場合があった。
熱伝導率の良好な同一の金属で受熱管とフィンの双方を
形成しているので、フィンと受熱管のいずれもが腐食さ
れ、受熱管側に孔が空いて、内部の流体が漏れ出てしま
う場合があった。
【0005】また、銅など腐食によって錆の出る金属を
用いていたので、錆の発生によってフィンとフィンの隙
間が詰まり、熱交換効率が低下してしまうという問題が
あった。
用いていたので、錆の発生によってフィンとフィンの隙
間が詰まり、熱交換効率が低下してしまうという問題が
あった。
【0006】本発明は、このような従来の技術が有する
問題点に着目してなされたもので、凝縮水による受熱管
の腐食を防止するとともに、凝縮水によってフィンが腐
食されても熱交換効率の低下しない熱交換器を提供する
ことを目的としている。
問題点に着目してなされたもので、凝縮水による受熱管
の腐食を防止するとともに、凝縮水によってフィンが腐
食されても熱交換効率の低下しない熱交換器を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存
する。 [1]燃料を燃やした際に生じた熱を吸収して熱交換を
行う熱交換器において、加熱すべき流体を通す金属製の
受熱管(51)と熱交換用のフィン(52)とを備え、
前記熱交換用のフィン(52)は、前記受熱管(51)
の外径とほぼ等しい内径の穴を有し、これに前記受熱管
(51)をはめ込むことで当該受熱管(51)に固定さ
れるとともに、前記受熱管(51)よりもイオン化傾向
の大きい金属で形成され、前記燃料を燃やした排気の潜
熱を吸収することで生じる酸性の凝縮水が前記フィン
(52)と前記受熱管(51)との接合部の隙間に溜ま
った際に、前記受熱管(51)よりもイオン化傾向の大
きい前記フィン(52)が陽イオンになって溶け出すこ
とで前記受熱管(51)の腐食を防止したことを特徴と
する熱交換器。
めの本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存
する。 [1]燃料を燃やした際に生じた熱を吸収して熱交換を
行う熱交換器において、加熱すべき流体を通す金属製の
受熱管(51)と熱交換用のフィン(52)とを備え、
前記熱交換用のフィン(52)は、前記受熱管(51)
の外径とほぼ等しい内径の穴を有し、これに前記受熱管
(51)をはめ込むことで当該受熱管(51)に固定さ
れるとともに、前記受熱管(51)よりもイオン化傾向
の大きい金属で形成され、前記燃料を燃やした排気の潜
熱を吸収することで生じる酸性の凝縮水が前記フィン
(52)と前記受熱管(51)との接合部の隙間に溜ま
った際に、前記受熱管(51)よりもイオン化傾向の大
きい前記フィン(52)が陽イオンになって溶け出すこ
とで前記受熱管(51)の腐食を防止したことを特徴と
する熱交換器。
【0008】[2]フィン(52)および受熱管(5
1)はいずれもステンレス系の材料で形成されているこ
とを特徴とする[1]記載の熱交換器。
1)はいずれもステンレス系の材料で形成されているこ
とを特徴とする[1]記載の熱交換器。
【0009】[3]前記フィン(52)を、前記受熱管
(51)よりも熱伝導率の高い材料で形成することを特
徴とする[1]または[2]記載の熱交換器。
(51)よりも熱伝導率の高い材料で形成することを特
徴とする[1]または[2]記載の熱交換器。
【0010】[4]前記熱交換器は、排気の顕熱を主と
して吸収する顕熱回収用熱交換器とこれよりも排気通路
の下流側に配置され排気の潜熱を主として吸収する潜熱
回収用熱交換器との双方を有するものにおける前記潜熱
回収用熱交換器であることを特徴とする[1]、[2]
または[3]記載の熱交換器。
して吸収する顕熱回収用熱交換器とこれよりも排気通路
の下流側に配置され排気の潜熱を主として吸収する潜熱
回収用熱交換器との双方を有するものにおける前記潜熱
回収用熱交換器であることを特徴とする[1]、[2]
または[3]記載の熱交換器。
【0011】前記本発明は次のように作用する。熱交換
用のフィン(52)は、受熱管(51)よりもイオン化
傾向の大きい金属で形成されているので、排気の潜熱を
吸収することで生じた酸性の凝縮水がフィン(52)と
受熱管(51)との接合部の隙間に溜まったとき、受熱
管(51)よりもイオン化傾向の大きいフィン(52)
が陽イオンになって凝縮水に溶け出し、受熱管(51)
が腐食されて孔が空き、孔食されることを防止する。
用のフィン(52)は、受熱管(51)よりもイオン化
傾向の大きい金属で形成されているので、排気の潜熱を
吸収することで生じた酸性の凝縮水がフィン(52)と
受熱管(51)との接合部の隙間に溜まったとき、受熱
管(51)よりもイオン化傾向の大きいフィン(52)
が陽イオンになって凝縮水に溶け出し、受熱管(51)
が腐食されて孔が空き、孔食されることを防止する。
【0012】すなわち、フィン(52)と受熱管(5
1)の隙間に溜まった凝縮水は、フィン(52)と受熱
管(51)の双方に触れる状態になる。ここでフィン
(52)が受熱管(51)よりもイオン化傾向の大きい
金属で形成されているので、フィン(52)が陽イオン
と電子とに分離する。また受熱管(51)とフィン(5
2)とは、隙間部分以外の箇所で電気的に導通している
ので、フィン(52)に生じた電子は受熱管(51)側
に流れ、フィン(52)は正に帯電し、凝縮水中の硝酸
イオンや硫酸イオン等の陰イオンを引きつけるととも
に、フィン(52)で生じた陽イオンが凝縮水中に溶け
出すという反応が起こる。
1)の隙間に溜まった凝縮水は、フィン(52)と受熱
管(51)の双方に触れる状態になる。ここでフィン
(52)が受熱管(51)よりもイオン化傾向の大きい
金属で形成されているので、フィン(52)が陽イオン
と電子とに分離する。また受熱管(51)とフィン(5
2)とは、隙間部分以外の箇所で電気的に導通している
ので、フィン(52)に生じた電子は受熱管(51)側
に流れ、フィン(52)は正に帯電し、凝縮水中の硝酸
イオンや硫酸イオン等の陰イオンを引きつけるととも
に、フィン(52)で生じた陽イオンが凝縮水中に溶け
出すという反応が起こる。
【0013】一方、受熱管(51)側に集まった電子
は、排気中の窒素酸化物や硫黄酸化物が凝縮水に溶けた
際に生じた水素イオン等の陽イオンと結合する反応が生
じる。このようにして、受熱管(51)よりもイオン化
傾向の大きいフィン(52)が陽イオンとなってこれら
の隙間に溜まった凝縮水中に溶け出すので、隙間に溜ま
った凝縮水によって受熱管(51)が腐食されて孔の空
くようなことが防止される。またフィン(52)から溶
け出した陽イオンが凝縮水中の硝酸イオンなどの陰イオ
ンと結合し、凝縮水を中和する効果を得ることができ
る。
は、排気中の窒素酸化物や硫黄酸化物が凝縮水に溶けた
際に生じた水素イオン等の陽イオンと結合する反応が生
じる。このようにして、受熱管(51)よりもイオン化
傾向の大きいフィン(52)が陽イオンとなってこれら
の隙間に溜まった凝縮水中に溶け出すので、隙間に溜ま
った凝縮水によって受熱管(51)が腐食されて孔の空
くようなことが防止される。またフィン(52)から溶
け出した陽イオンが凝縮水中の硝酸イオンなどの陰イオ
ンと結合し、凝縮水を中和する効果を得ることができ
る。
【0014】また熱交換用のフィン(52)は、受熱管
(51)の外径とほぼ等しい内径の穴を有し、これに受
熱管(51)をはめ込むことで当該受熱管(51)に固
定されているので、これらをロウ付けした場合のよう
に、ロウ材のイオン化傾向に受熱管(51)の防腐効果
等が左右されない。
(51)の外径とほぼ等しい内径の穴を有し、これに受
熱管(51)をはめ込むことで当該受熱管(51)に固
定されているので、これらをロウ付けした場合のよう
に、ロウ材のイオン化傾向に受熱管(51)の防腐効果
等が左右されない。
【0015】すなわち、ロウ材のイオン化傾向が大きい
場合には、ロウ材が溶け出して受熱管(51)からフィ
ン(52)が外れてしまう。逆に受熱管(51)よりも
ロウ材のイオン化傾向が小さい場合には、受熱管(5
1)が溶け出して腐食されてしまう。しかしながら、ロ
ウ付けせずに受熱管(51)とフィン(52)とを互い
に接合し固定することで、このような事態の生じること
がない。
場合には、ロウ材が溶け出して受熱管(51)からフィ
ン(52)が外れてしまう。逆に受熱管(51)よりも
ロウ材のイオン化傾向が小さい場合には、受熱管(5
1)が溶け出して腐食されてしまう。しかしながら、ロ
ウ付けせずに受熱管(51)とフィン(52)とを互い
に接合し固定することで、このような事態の生じること
がない。
【0016】また、フィン(52)および受熱管(5
1)をいずれもステンレス系の材料で形成することによ
り、受熱管(51)よりもイオン化傾向の大きいフィン
(52)が溶け出した場合であっても、銅のように腐食
物よってフィンとフィンの間が目詰まりするようなこと
が無く、熱交換効率が低下しない。
1)をいずれもステンレス系の材料で形成することによ
り、受熱管(51)よりもイオン化傾向の大きいフィン
(52)が溶け出した場合であっても、銅のように腐食
物よってフィンとフィンの間が目詰まりするようなこと
が無く、熱交換効率が低下しない。
【0017】さらに、フィン(52)を受熱管(51)
よりも耐食性は低いが熱伝導率の高い部材で形成する。
たとえば、受熱管(51)としてSUS304やSUS
316のような耐食性のあるオーステナイト系のステン
レスを用い、フィン(52)としてこれよりも耐食性は
低いが熱伝導率の良好なSUS430やSUS410の
ようなフェライト系ステンレスを用いる。
よりも耐食性は低いが熱伝導率の高い部材で形成する。
たとえば、受熱管(51)としてSUS304やSUS
316のような耐食性のあるオーステナイト系のステン
レスを用い、フィン(52)としてこれよりも耐食性は
低いが熱伝導率の良好なSUS430やSUS410の
ようなフェライト系ステンレスを用いる。
【0018】このように、受熱管(51)においては熱
伝導率よりも耐食性を優先させ、フィン(52)におい
ては耐食性よりも熱伝導率を優先させることで、受熱管
(51)の腐食を防止しつつ良好な熱交換効率を得るこ
とができる。
伝導率よりも耐食性を優先させ、フィン(52)におい
ては耐食性よりも熱伝導率を優先させることで、受熱管
(51)の腐食を防止しつつ良好な熱交換効率を得るこ
とができる。
【0019】排気の顕熱を主として吸収する顕熱回収用
熱交換器とこれよりも排気通路の下流側に配置され排気
の潜熱を主として吸収する潜熱回収用熱交換器との双方
で構成された熱交換器では、下流側に配置された潜熱回
収用熱交換器を通過する際に、排気の温度が200℃〜
280℃程度に比較的低くなっている。このため、潜熱
回収用熱交換器には多量の凝縮水が結露するとともに、
熱伝導率の高い材料で潜熱回収用熱交換器を形成するこ
とが望ましい。そこで、上述のようにフィン(52)を
受熱管(51)よりもイオン化傾向の大きい耐食性に優
れた金属で構成したものを潜熱回収用熱交換器として用
いるようにすればよい。
熱交換器とこれよりも排気通路の下流側に配置され排気
の潜熱を主として吸収する潜熱回収用熱交換器との双方
で構成された熱交換器では、下流側に配置された潜熱回
収用熱交換器を通過する際に、排気の温度が200℃〜
280℃程度に比較的低くなっている。このため、潜熱
回収用熱交換器には多量の凝縮水が結露するとともに、
熱伝導率の高い材料で潜熱回収用熱交換器を形成するこ
とが望ましい。そこで、上述のようにフィン(52)を
受熱管(51)よりもイオン化傾向の大きい耐食性に優
れた金属で構成したものを潜熱回収用熱交換器として用
いるようにすればよい。
【0020】顕熱回収用熱交換器側では、排気の温度が
高いので潜熱の回収が少なく凝縮水がほとんど結露しな
い。このため、顕熱回収用熱交換器として、フィンや受
熱管を銅、鉄、アルミニウム、ステンレスなどの材料で
形成し、かつフィンと受熱管とをロウ付けで固定したも
のを用いることができる。
高いので潜熱の回収が少なく凝縮水がほとんど結露しな
い。このため、顕熱回収用熱交換器として、フィンや受
熱管を銅、鉄、アルミニウム、ステンレスなどの材料で
形成し、かつフィンと受熱管とをロウ付けで固定したも
のを用いることができる。
【0021】なお、熱交換器を加熱するための燃料は、
ブタン、メタン等の燃焼ガスのほか、石油や灯油などの
液体燃料であってもよい。
ブタン、メタン等の燃焼ガスのほか、石油や灯油などの
液体燃料であってもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の一実
施の形態を説明する。各図は、本発明の一実施の形態を
示している。本実施の形態は、本発明にかかる熱交換器
を給湯器10に適用したものである。図2に示すよう
に、給湯器10は、排気中の顕熱を主として吸収する顕
熱回収用熱交換器40と、これよりも排気の流れで下流
側に配置され、主として排気の潜熱を吸収する潜熱回収
用熱交換器50とを備えている。このうちフィンのイオ
ン化傾向を大きくすることによる防食は潜熱回収用熱交
換器50側に施される。
施の形態を説明する。各図は、本発明の一実施の形態を
示している。本実施の形態は、本発明にかかる熱交換器
を給湯器10に適用したものである。図2に示すよう
に、給湯器10は、排気中の顕熱を主として吸収する顕
熱回収用熱交換器40と、これよりも排気の流れで下流
側に配置され、主として排気の潜熱を吸収する潜熱回収
用熱交換器50とを備えている。このうちフィンのイオ
ン化傾向を大きくすることによる防食は潜熱回収用熱交
換器50側に施される。
【0023】給湯器10は、燃焼室11を備えており、
当該燃焼室11の下部には、バーナー12が配置されて
いる。バーナー12の上方には、顕熱回収用熱交換器4
0が、さらに上方には潜熱回収用熱交換器50が配置さ
れている。顕熱回収用熱交換器40と潜熱回収用熱交換
器50の間には、潜熱回収用熱交換器50に生成する凝
縮水を受け止め、凝縮水が顕熱回収用熱交換器40に落
下するのを防止するための受け皿13が取り付けられて
いる。
当該燃焼室11の下部には、バーナー12が配置されて
いる。バーナー12の上方には、顕熱回収用熱交換器4
0が、さらに上方には潜熱回収用熱交換器50が配置さ
れている。顕熱回収用熱交換器40と潜熱回収用熱交換
器50の間には、潜熱回収用熱交換器50に生成する凝
縮水を受け止め、凝縮水が顕熱回収用熱交換器40に落
下するのを防止するための受け皿13が取り付けられて
いる。
【0024】受け皿13は、燃焼室11を右端の一部を
除いて上下に仕切るものであり、顕熱回収用熱交換器4
0を経由した後の排気は、受け皿13が無い燃焼室11
右端の開口部14を通じて潜熱回収用熱交換器50の配
置されている排気通路部15に流れ込むようになってい
る。
除いて上下に仕切るものであり、顕熱回収用熱交換器4
0を経由した後の排気は、受け皿13が無い燃焼室11
右端の開口部14を通じて潜熱回収用熱交換器50の配
置されている排気通路部15に流れ込むようになってい
る。
【0025】受け皿13は、開口部14側から燃焼室1
1の左端側に向けて下り傾斜しており、傾斜の下端部分
には、受け皿13によって回収された凝縮水を一時的に
溜めるドレン受け16が設けられている。ドレン受け1
6の底部には、凝縮水の排出通路17が接続され、当該
排出通路17の途中には、酸性の凝縮水を中和するため
の中和処理器18が取り付けられている。
1の左端側に向けて下り傾斜しており、傾斜の下端部分
には、受け皿13によって回収された凝縮水を一時的に
溜めるドレン受け16が設けられている。ドレン受け1
6の底部には、凝縮水の排出通路17が接続され、当該
排出通路17の途中には、酸性の凝縮水を中和するため
の中和処理器18が取り付けられている。
【0026】潜熱回収用熱交換器50の入側には給水の
流入する給水水管21が接続され、潜熱回収用熱交換器
50の出側は、連結水管22によって顕熱回収用熱交換
器40の入側と接続されている。顕熱回収用熱交換器4
0の出側には、加熱後の給水の流れ出る給湯水管23が
接続されている。
流入する給水水管21が接続され、潜熱回収用熱交換器
50の出側は、連結水管22によって顕熱回収用熱交換
器40の入側と接続されている。顕熱回収用熱交換器4
0の出側には、加熱後の給水の流れ出る給湯水管23が
接続されている。
【0027】給水水管21の入口部近傍には、供給され
る給水の温度を検知するための入水サーミスタ24が、
またその下流側には、通水の有無や通水量を検知するた
めの水量センサー25が取り付けられている。給湯水管
23には、その出口部近傍に、出湯される湯の温度を検
知するための出湯サーミスタ26が、またその下流側に
は、出湯される湯の流量を制限するための水量制御弁2
7が設けられている。
る給水の温度を検知するための入水サーミスタ24が、
またその下流側には、通水の有無や通水量を検知するた
めの水量センサー25が取り付けられている。給湯水管
23には、その出口部近傍に、出湯される湯の温度を検
知するための出湯サーミスタ26が、またその下流側に
は、出湯される湯の流量を制限するための水量制御弁2
7が設けられている。
【0028】燃焼室11の左下方には、給気をバーナー
12に向けて送り込むための燃焼ファン28が配置され
ている。またバーナー12に燃焼ガスを送り込むガス供
給管31の途中には、燃焼ガスの供給をオンオフ制御す
るガス電磁弁32、元ガス電磁弁33と、バーナー12
へ供給する燃焼ガスの供給量を調整するガス比例弁34
が取り付けられている。
12に向けて送り込むための燃焼ファン28が配置され
ている。またバーナー12に燃焼ガスを送り込むガス供
給管31の途中には、燃焼ガスの供給をオンオフ制御す
るガス電磁弁32、元ガス電磁弁33と、バーナー12
へ供給する燃焼ガスの供給量を調整するガス比例弁34
が取り付けられている。
【0029】給湯器10は、給湯器10の動作を統括制
御する回路部品を収めた電装基板35を有し、当該電装
基板35には、たとえば、台所等に配置され、湯温の設
定操作等の受け付けや、各種の状態表示を行うリモコン
36が接続されている。
御する回路部品を収めた電装基板35を有し、当該電装
基板35には、たとえば、台所等に配置され、湯温の設
定操作等の受け付けや、各種の状態表示を行うリモコン
36が接続されている。
【0030】図3は、顕熱回収用熱交換器40および潜
熱回収用熱交換器50をより詳細に示したものである。
顕熱回収用熱交換器40は、加熱すべき給水の通る顕熱
受熱管41と、排気の熱の回収効率を高めるためのフィ
ン42とを備えている。ここでは、顕熱受熱管41およ
びフィン42は、ともに熱伝導率の良好な銅で形成され
ている。また、顕熱受熱管41とフィン42とは、銀
(Ag)やニッケル(Ni)等のロウ材でロウ付けする
ことで互いが接合されている。顕熱受熱管41、フィン
42を構成する材料として、銅のほか、鉄、アルミニウ
ム、ステンレス(SUS)等を用いてもよい。
熱回収用熱交換器50をより詳細に示したものである。
顕熱回収用熱交換器40は、加熱すべき給水の通る顕熱
受熱管41と、排気の熱の回収効率を高めるためのフィ
ン42とを備えている。ここでは、顕熱受熱管41およ
びフィン42は、ともに熱伝導率の良好な銅で形成され
ている。また、顕熱受熱管41とフィン42とは、銀
(Ag)やニッケル(Ni)等のロウ材でロウ付けする
ことで互いが接合されている。顕熱受熱管41、フィン
42を構成する材料として、銅のほか、鉄、アルミニウ
ム、ステンレス(SUS)等を用いてもよい。
【0031】顕熱回収用熱交換器40は、バーナー12
の近傍に配置されており、排気の顕熱を主として回収
し、凝縮水がほとんど結露しないように、その熱交換効
率が約75〜80パーセントに設定されている。
の近傍に配置されており、排気の顕熱を主として回収
し、凝縮水がほとんど結露しないように、その熱交換効
率が約75〜80パーセントに設定されている。
【0032】潜熱回収用熱交換器50は、加熱すべき給
水の通る潜熱受熱管51と、フィン52とから構成され
ている。このうち潜熱受熱管51は、耐食性を優先さ
せ、SUS444、SUS316等のステンレスを材料
としている。フィン52は、熱伝導率が良好で、かつ潜
熱受熱管51よりもイオン化傾向の大きいSUS41
0、SUS421、SUS430等のフェライト系ステ
ンレスを用いている。
水の通る潜熱受熱管51と、フィン52とから構成され
ている。このうち潜熱受熱管51は、耐食性を優先さ
せ、SUS444、SUS316等のステンレスを材料
としている。フィン52は、熱伝導率が良好で、かつ潜
熱受熱管51よりもイオン化傾向の大きいSUS41
0、SUS421、SUS430等のフェライト系ステ
ンレスを用いている。
【0033】図1は、潜熱回収用熱交換器50の断面の
一部を示したものである。潜熱回収用熱交換器50で
は、フィン52に開設した穴に潜熱受熱管51をはめ込
むことで、潜熱受熱管51とフィン52とを互いに固定
しており、ロウ付けは行っていない。なお、ここでは、
潜熱回収用熱交換器50での熱交換効率を約15パーセ
ントに設定してある。
一部を示したものである。潜熱回収用熱交換器50で
は、フィン52に開設した穴に潜熱受熱管51をはめ込
むことで、潜熱受熱管51とフィン52とを互いに固定
しており、ロウ付けは行っていない。なお、ここでは、
潜熱回収用熱交換器50での熱交換効率を約15パーセ
ントに設定してある。
【0034】次に作用を説明する。バーナー12からの
熱は、まず、バーナー12の近傍に配置された顕熱回収
用熱交換器40によって吸収される。この際、顕熱回収
用熱交換器40の熱交換効率が約75〜80パーセント
程度に抑えられているので、顕熱回収用熱交換器40で
はほとんど結露が生じない。顕熱回収用熱交換器40に
よって顕熱の回収された排気は、開口部14を通って潜
熱回収用熱交換器50に到達する。
熱は、まず、バーナー12の近傍に配置された顕熱回収
用熱交換器40によって吸収される。この際、顕熱回収
用熱交換器40の熱交換効率が約75〜80パーセント
程度に抑えられているので、顕熱回収用熱交換器40で
はほとんど結露が生じない。顕熱回収用熱交換器40に
よって顕熱の回収された排気は、開口部14を通って潜
熱回収用熱交換器50に到達する。
【0035】潜熱回収用熱交換器50に到達した排気
は、200℃〜280℃程度までその温度が低下してい
るので、潜熱回収用熱交換器50は、主として排気の潜
熱を回収し、多量(毎分50mlほど)の凝縮水が潜熱
回収用熱交換器50に結露する。
は、200℃〜280℃程度までその温度が低下してい
るので、潜熱回収用熱交換器50は、主として排気の潜
熱を回収し、多量(毎分50mlほど)の凝縮水が潜熱
回収用熱交換器50に結露する。
【0036】結露した凝縮水は、潜熱回収用熱交換器5
0から落下して受け皿13に受け止められ、ドレン受け
16、排出通路17、中和処理器18を通じて排出され
る。潜熱回収用熱交換器50に結露した凝縮水を受け皿
13によって受け止めるので、顕熱回収用熱交換器40
の上に凝縮水が落下せず、自身で結露しないことと相ま
って、顕熱回収用熱交換器40が凝縮水によって腐食さ
れることはほとんどない。
0から落下して受け皿13に受け止められ、ドレン受け
16、排出通路17、中和処理器18を通じて排出され
る。潜熱回収用熱交換器50に結露した凝縮水を受け皿
13によって受け止めるので、顕熱回収用熱交換器40
の上に凝縮水が落下せず、自身で結露しないことと相ま
って、顕熱回収用熱交換器40が凝縮水によって腐食さ
れることはほとんどない。
【0037】一方、潜熱回収用熱交換器50に結露した
凝縮水は、潜熱受熱管51とフィン52の接合部分の隙
間53に入り込んで溜まる。特に燃焼を停止した後に、
当該隙間に凝縮水が溜まりやすい。この凝縮水は、燃焼
空気が高温で酸化して生成された窒素酸化物(NOx)
やガス漏れ検知のために燃焼ガスに添加された付臭剤が
酸化することで生成された硫黄酸化物(SOx)等が溶
解し、硝酸と硫酸の溶融したpH2〜3の酸性の水滴に
なっている。
凝縮水は、潜熱受熱管51とフィン52の接合部分の隙
間53に入り込んで溜まる。特に燃焼を停止した後に、
当該隙間に凝縮水が溜まりやすい。この凝縮水は、燃焼
空気が高温で酸化して生成された窒素酸化物(NOx)
やガス漏れ検知のために燃焼ガスに添加された付臭剤が
酸化することで生成された硫黄酸化物(SOx)等が溶
解し、硝酸と硫酸の溶融したpH2〜3の酸性の水滴に
なっている。
【0038】隙間53に溜まった凝縮水は、潜熱受熱管
51とフィン52の双方に触れる状態になるとともに、
フィン52のイオン化傾向が潜熱受熱管51よりも大き
いので、フィン52が陽イオンとなって凝縮水中に溶け
出す。このため、潜熱受熱管51が凝縮水によって腐食
されて孔があき、孔食されることはない。
51とフィン52の双方に触れる状態になるとともに、
フィン52のイオン化傾向が潜熱受熱管51よりも大き
いので、フィン52が陽イオンとなって凝縮水中に溶け
出す。このため、潜熱受熱管51が凝縮水によって腐食
されて孔があき、孔食されることはない。
【0039】図4は、フィン52が陽イオンとなって溶
け出す際の原理を示したものである。これはボルタの電
池と同様の原理である。すなわち、図5に示すように、
潜熱受熱管51とフィン52の隙間に溜まった凝縮水6
1は、潜熱受熱管51とフィン52の双方に触れた状態
になるとともに、接合部分62で潜熱受熱管51とフィ
ン52とが電気的に導通している。したがって、この状
態は、硝酸イオンや硫酸イオンの含まれる凝縮水61の
中に、潜熱受熱管51から成る陰極と、フィン52から
なる陽極とを浸し、潜熱受熱管51とフィン52とを導
線で接続した図4に示す状態に等しい。
け出す際の原理を示したものである。これはボルタの電
池と同様の原理である。すなわち、図5に示すように、
潜熱受熱管51とフィン52の隙間に溜まった凝縮水6
1は、潜熱受熱管51とフィン52の双方に触れた状態
になるとともに、接合部分62で潜熱受熱管51とフィ
ン52とが電気的に導通している。したがって、この状
態は、硝酸イオンや硫酸イオンの含まれる凝縮水61の
中に、潜熱受熱管51から成る陰極と、フィン52から
なる陽極とを浸し、潜熱受熱管51とフィン52とを導
線で接続した図4に示す状態に等しい。
【0040】ここで、フィン52が受熱管51よりもイ
オン化傾向の大きい金属で形成されているので、フィン
52側が陽イオンと電子とに分離する。また受熱管51
とフィン52とが導通しているので、フィン52で生じ
た電子は接合部分62を通じて受熱管51側に流れ、フ
ィン52は、正に帯電する。これにより、凝縮水61中
の硝酸イオンや硫酸イオン等の陰イオンがフィン52側
に引きつけられるとともに、フィン52から生じた陽イ
オンが凝縮水61中に溶け出すという反応が起こる。
オン化傾向の大きい金属で形成されているので、フィン
52側が陽イオンと電子とに分離する。また受熱管51
とフィン52とが導通しているので、フィン52で生じ
た電子は接合部分62を通じて受熱管51側に流れ、フ
ィン52は、正に帯電する。これにより、凝縮水61中
の硝酸イオンや硫酸イオン等の陰イオンがフィン52側
に引きつけられるとともに、フィン52から生じた陽イ
オンが凝縮水61中に溶け出すという反応が起こる。
【0041】電子は、接合部分62を通じて受熱管51
側に集まり、排気中の窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化
物(SOx)が凝縮水61に溶けた際に生じた水素イオ
ン等の陽イオンと潜熱受熱管51側で結合する。このよ
うに、受熱管51よりもイオン化傾向の大きいフィン5
2が陽イオンとなって凝縮水61中に溶け出すので、受
熱管51とフィン52の隙間53に凝縮水が溜まって
も、図5に示すようにフィン52側が溶け出し、図6に
示すように、潜熱受熱管51に小さい孔が空く、いわゆ
るピッティング64の生じることがない。またフィン5
2から溶け出した陽イオンが凝縮水61の中の硝酸イオ
ン等の陰イオンと結合し、凝縮水61を中和する効果も
得ることができる。
側に集まり、排気中の窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化
物(SOx)が凝縮水61に溶けた際に生じた水素イオ
ン等の陽イオンと潜熱受熱管51側で結合する。このよ
うに、受熱管51よりもイオン化傾向の大きいフィン5
2が陽イオンとなって凝縮水61中に溶け出すので、受
熱管51とフィン52の隙間53に凝縮水が溜まって
も、図5に示すようにフィン52側が溶け出し、図6に
示すように、潜熱受熱管51に小さい孔が空く、いわゆ
るピッティング64の生じることがない。またフィン5
2から溶け出した陽イオンが凝縮水61の中の硝酸イオ
ン等の陰イオンと結合し、凝縮水61を中和する効果も
得ることができる。
【0042】このように、受熱管51よりもイオン化傾
向の大きい金属でフィン52を形成したので、潜熱受熱
管51とフィン52の接合部分の隙間に凝縮水61が溜
まっても、潜熱受熱管51が腐食されないので、潜熱受
熱管51側に孔が空き、給水の漏れるような事態を防止
することができる。なお、フィン52は腐食されても給
水が漏れ出るようなことがないので、問題にならない。
向の大きい金属でフィン52を形成したので、潜熱受熱
管51とフィン52の接合部分の隙間に凝縮水61が溜
まっても、潜熱受熱管51が腐食されないので、潜熱受
熱管51側に孔が空き、給水の漏れるような事態を防止
することができる。なお、フィン52は腐食されても給
水が漏れ出るようなことがないので、問題にならない。
【0043】またフィン52に開設された穴に潜熱受熱
管51をはめ込むことで互いを固定しているので、これ
らをロウ付けした場合のように、ロウ材のイオン化傾向
によって潜熱受熱管51の防腐効果等が左右されること
がない。すなわち、ロウ材のイオン化傾向が大きい場合
には、ロウ材が溶け出して潜熱受熱管51からフィン5
2が外れてしまう障害が生じる。逆に潜熱受熱管51よ
りもロウ材のイオン化傾向が小さい場合には、潜熱受熱
管51が溶け出し腐食されて孔が空いてしまう。
管51をはめ込むことで互いを固定しているので、これ
らをロウ付けした場合のように、ロウ材のイオン化傾向
によって潜熱受熱管51の防腐効果等が左右されること
がない。すなわち、ロウ材のイオン化傾向が大きい場合
には、ロウ材が溶け出して潜熱受熱管51からフィン5
2が外れてしまう障害が生じる。逆に潜熱受熱管51よ
りもロウ材のイオン化傾向が小さい場合には、潜熱受熱
管51が溶け出し腐食されて孔が空いてしまう。
【0044】ここでは、潜熱受熱管51とフィン52と
をロウ付けせずにはめ込むことで互いを機械的に固定し
ているので、このような障害が起こらず、潜熱受熱管5
1よりもイオン化傾向の大きい金属でフィン52を形成
することによって、潜熱受熱管51側の腐食が適切に防
止されている。
をロウ付けせずにはめ込むことで互いを機械的に固定し
ているので、このような障害が起こらず、潜熱受熱管5
1よりもイオン化傾向の大きい金属でフィン52を形成
することによって、潜熱受熱管51側の腐食が適切に防
止されている。
【0045】また、フィン52および潜熱受熱管51を
いずれもステンレス系の材料で形成することにより、受
熱管よりもイオン化傾向の大きいフィンが溶け出した場
合であっても、銅のように腐食物よってフィンとフィン
の間が目詰まりすることが無く、腐食により熱交換効率
は低下しない。
いずれもステンレス系の材料で形成することにより、受
熱管よりもイオン化傾向の大きいフィンが溶け出した場
合であっても、銅のように腐食物よってフィンとフィン
の間が目詰まりすることが無く、腐食により熱交換効率
は低下しない。
【0046】さらに、フィン52を、SUS430、S
US421、SUS410等、SUSの中では比較的熱
伝導率の良好な部材で形成しているので、排気通路の下
流側の低温の排気から潜熱を回収するのに適している。
一方、これらは耐食性が低く腐食されやすいので、潜熱
受熱管51に用いることはできない。そこで、潜熱受熱
管51としては、耐食性があり、かつフィン52よりも
イオン化傾向の小さい金属であるSUS304やSUS
316等を用いている。
US421、SUS410等、SUSの中では比較的熱
伝導率の良好な部材で形成しているので、排気通路の下
流側の低温の排気から潜熱を回収するのに適している。
一方、これらは耐食性が低く腐食されやすいので、潜熱
受熱管51に用いることはできない。そこで、潜熱受熱
管51としては、耐食性があり、かつフィン52よりも
イオン化傾向の小さい金属であるSUS304やSUS
316等を用いている。
【0047】このように、潜熱受熱管51には熱伝導率
よりも耐食性を優先させた材料を用い、フィン52には
耐食性よりも熱伝導率を優先させた材料を用いたので、
潜熱受熱管51のピッティングを防止しつつ良好な熱交
換効率が得られている。
よりも耐食性を優先させた材料を用い、フィン52には
耐食性よりも熱伝導率を優先させた材料を用いたので、
潜熱受熱管51のピッティングを防止しつつ良好な熱交
換効率が得られている。
【0048】以上説明した実施の形態では、フィンをS
US430、421,410等で、また受熱管をSUS
304,316等で形成したが、フィンのイオン化傾向
が受熱管よりも大きくなるようにすれば、他の金属やス
テンレスを用いてもよい。また、フィンのイオン化傾向
を受熱管のそれよりも大きくすることによる防食を、顕
熱回収用熱交換器と潜熱回収用の熱交換器とを有するも
のにおいて潜熱回収用熱交換器に施したが、熱交換器は
必ずしも2つに分かれている必要はなく、凝縮水の結露
する可能性のある熱交換器であれば、本発明を適用する
効果がある。
US430、421,410等で、また受熱管をSUS
304,316等で形成したが、フィンのイオン化傾向
が受熱管よりも大きくなるようにすれば、他の金属やス
テンレスを用いてもよい。また、フィンのイオン化傾向
を受熱管のそれよりも大きくすることによる防食を、顕
熱回収用熱交換器と潜熱回収用の熱交換器とを有するも
のにおいて潜熱回収用熱交換器に施したが、熱交換器は
必ずしも2つに分かれている必要はなく、凝縮水の結露
する可能性のある熱交換器であれば、本発明を適用する
効果がある。
【0049】なお、実施の形態では燃料としてブタンや
メタンなどの燃焼ガスを用いたが、石油や灯油などの燃
料であってもよい。
メタンなどの燃焼ガスを用いたが、石油や灯油などの燃
料であってもよい。
【0050】
【発明の効果】本発明にかかる熱交換によれば、フィン
を受熱管よりもイオン化傾向の大きい金属で形成したの
で、フィンと受熱管の接合部の隙間に凝縮水が溜まって
も、フィンが陽イオンとなって溶け出し、受熱管の腐食
が防止される。
を受熱管よりもイオン化傾向の大きい金属で形成したの
で、フィンと受熱管の接合部の隙間に凝縮水が溜まって
も、フィンが陽イオンとなって溶け出し、受熱管の腐食
が防止される。
【0051】またフィンと受熱管とをロウ付けせずに固
定したので、ロウ材のイオン化傾向の大きさによって受
熱管が溶け出したり、凝縮水にロウ材が溶け出てフィン
が外れてしまうようなことがない。
定したので、ロウ材のイオン化傾向の大きさによって受
熱管が溶け出したり、凝縮水にロウ材が溶け出てフィン
が外れてしまうようなことがない。
【0052】さらに、フィン等をステンレス系の材料で
形成したので、フィンが溶けても、腐食物がフィンとフ
ィンの間に詰まって熱交換効率を低下させるようなこと
が無い。
形成したので、フィンが溶けても、腐食物がフィンとフ
ィンの間に詰まって熱交換効率を低下させるようなこと
が無い。
【図1】本発明の一実施の形態に熱交換器を示す断面図
である。
である。
【図2】本発明の一実施施の形態に係る熱交換器を適用
した給湯器を示す説明図である。
した給湯器を示す説明図である。
【図3】図2に示した給湯器の有する顕熱回収用熱交換
器および潜熱回収用熱交換器を示す説明図である。
器および潜熱回収用熱交換器を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る熱交換器における
防腐の原理を示す説明図である。
防腐の原理を示す説明図である。
【図5】凝縮水によってフィンの腐食された状態を示す
説明図である。
説明図である。
【図6】凝縮水によって受熱管にピッティングの生じた
状態を示す説明図である。
状態を示す説明図である。
10…給湯器 11…燃焼室 12…バーナー 13…受け皿 14…開口部 16…ドレン受け 17…排出通路 18…中和処理器 28…燃焼ファン 40…顕熱回収用熱交換器 41…顕熱受熱管 42、52…フィン 50…潜熱回収用熱交換器 51…潜熱受熱管 53…隙間 61…凝縮水 62…接合部分
Claims (4)
- 【請求項1】燃料を燃やした際に生じた熱を吸収して熱
交換を行う熱交換器において、 加熱すべき流体を通す金属製の受熱管と熱交換用のフィ
ンとを備え、 前記熱交換用のフィンは、前記受熱管の外径とほぼ等し
い内径の穴を有し、これに前記受熱管をはめ込むことで
当該受熱管に固定されるとともに、前記受熱管よりもイ
オン化傾向の大きい金属で形成され、前記燃料を燃やし
た排気の潜熱を吸収することで生じる酸性の凝縮水が前
記フィンと前記受熱管との接合部の隙間に溜まった際
に、前記受熱管よりもイオン化傾向の大きい前記フィン
が陽イオンになって溶け出すことで前記受熱管の腐食を
防止したことを特徴とする熱交換器。 - 【請求項2】フィンおよび受熱管はいずれもステンレス
系の材料で形成されていることを特徴とする請求項1記
載の熱交換器。 - 【請求項3】前記フィンを、前記受熱管よりも熱伝導率
の高い材料で形成することを特徴とする請求項1または
2記載の熱交換器。 - 【請求項4】前記熱交換器は、排気の顕熱を主として吸
収する顕熱回収用熱交換器とこれよりも排気通路の下流
側に配置され排気の潜熱を主として吸収する潜熱回収用
熱交換器との双方を有するものにおける前記潜熱回収用
熱交換器であることを特徴とする請求項1、2または3
記載の熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9353575A JPH11183083A (ja) | 1997-12-22 | 1997-12-22 | 熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9353575A JPH11183083A (ja) | 1997-12-22 | 1997-12-22 | 熱交換器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11183083A true JPH11183083A (ja) | 1999-07-06 |
Family
ID=18431775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9353575A Pending JPH11183083A (ja) | 1997-12-22 | 1997-12-22 | 熱交換器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11183083A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011184731A (ja) * | 2010-03-08 | 2011-09-22 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corp | 炭化水素燃焼排ガスから発生する凝縮水環境における耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼 |
KR101153881B1 (ko) | 2010-08-23 | 2012-06-18 | (주)디케이티 | Vm12?shc 형 튜브를 이용한 hrsg용 핀 튜브 제조방법 |
KR101153878B1 (ko) | 2010-08-23 | 2012-06-18 | (주)디케이티 | 347h형 튜브를 이용한 hrsg용 핀 튜브 제조방법 |
KR101153875B1 (ko) | 2010-08-23 | 2012-06-18 | (주)디케이티 | 304h 형 튜브를 이용한 hrsg용 핀 튜브 제조방법 |
-
1997
- 1997-12-22 JP JP9353575A patent/JPH11183083A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011184731A (ja) * | 2010-03-08 | 2011-09-22 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corp | 炭化水素燃焼排ガスから発生する凝縮水環境における耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼 |
KR101153881B1 (ko) | 2010-08-23 | 2012-06-18 | (주)디케이티 | Vm12?shc 형 튜브를 이용한 hrsg용 핀 튜브 제조방법 |
KR101153878B1 (ko) | 2010-08-23 | 2012-06-18 | (주)디케이티 | 347h형 튜브를 이용한 hrsg용 핀 튜브 제조방법 |
KR101153875B1 (ko) | 2010-08-23 | 2012-06-18 | (주)디케이티 | 304h 형 튜브를 이용한 hrsg용 핀 튜브 제조방법 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040518 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070213 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070227 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071016 |