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JPH11179609A - 複合材部品の損傷部除去装置 - Google Patents

複合材部品の損傷部除去装置

Info

Publication number
JPH11179609A
JPH11179609A JP9364399A JP36439997A JPH11179609A JP H11179609 A JPH11179609 A JP H11179609A JP 9364399 A JP9364399 A JP 9364399A JP 36439997 A JP36439997 A JP 36439997A JP H11179609 A JPH11179609 A JP H11179609A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rail
main shaft
blade
slide frame
holder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9364399A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Fujii
修 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP9364399A priority Critical patent/JPH11179609A/ja
Publication of JPH11179609A publication Critical patent/JPH11179609A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】複合材部品の損傷部を除去する場合に、損傷の
程度により表層部除去、穿孔部除去、テーパ加工等のい
ずれの機械加工でも可能であり、さらに刃物の切削効率
と寿命を向上し、切削面に凹凸がない良好な切削加工面
を得ることができる損傷部除去装置を提供する。 【解決手段】フレーム支持体1に主軸筒7を昇降自在に
設ける。この主軸筒7に主軸8を軸支し、主軸8の一方
向の回転のみを許容する一方向回転機構Aを備える。主
軸8にレール16を設け、レール16に傾斜角調整機構
Cを設ける。また刃物22を収容したスライドフレーム
26をレール16に垂下させ、レール16に沿うスライ
ドフレーム26の位置を調整する位置調整機構D、およ
び刃物装置とスライドフレーム26とにより刃物回転軸
を変更する刃物回転軸変更機構Eとを設けた。刃物22
の駆動源は工場エアを利用しパイプ31、32から導入
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複合材部品に生
じた小規模な損傷を補修する複合材部品の損傷部除去装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】複合材は航空機部品をはじめとして車両
や容器類に至る広範囲の分野において用いられている。
複合材は部品全体の強度とか剛性は十分なものがある
が、その表面等は比較的損傷も受け易い。このような損
傷が発生した場合、損傷部位のある複合材物品を修復す
る方法は、先ずその損傷部位周辺を機械加工等により除
去し、この後、樹脂を埋設する、あるいはパッチやコア
プラグを接着する、などの手段が採られる。いずれの手
段を採るにせよ、はじめに機械加工等により損傷部分を
除去することが必要となる。この場合、損傷の程度、大
きさにより加工も異なってくる。図12はこれらの加工
の形態と修復の例を示したものである。図12(A)は
ソリッドパネルの表層部に損傷がある場合、損傷の深さ
に応じて底の浅い椀状、平面視長円形状等に加工する。
この修復は樹脂材を充填埋設する。図12(B)は同じ
くソリッドパネルにおいて内部空間に損傷が認められる
場合で、損傷の程度により穿孔除去またはテーパ除去が
行われる。これらの修復には樹脂材を充填したり、パッ
チ接着などが行われる。図12(C)は複合材がハニカ
ムパネルにおいて比較的浅い傷の例であって、パネルを
貫通しない穿孔加工を施し、コアプラグまたはパッチ接
着などが行われる。
【0003】従来このような損傷した複合材物品の修理
方法を開示した先行技術として、特表平2−50199
8号公報が見い出される。これによると、損傷した部位
に予備硬化した複合体または金属修理パッチを接着によ
って密着させたり、損傷した部分を取り除き熱と圧力を
加え、元の部品をつくったのと同じようにして造り直す
例が記載されているが、手または適当な道具による機械
研削、ポータブルサンデイングツール等の任意の手段が
可能としてあるのみで、具体的構造の装置は示されてい
ない。この先行技術は、損傷した複合体の修理に適する
ように、低温で硬化可能であり十分な熱的性質、硬化強
度および耐水性を有する接着剤または結合剤樹脂組成物
を得ることを主題にしているためである。
【0004】平面部の補修のための工具の先行技術とし
て特開平5−337429号公報がある。これは車体の
塗装工程で施される上塗り塗装の不良塗装部位を補修す
るための工具であって、円盤状の研削刃と、塗装面に摺
接する規制部を有し研削刃を保持する研削ホルダーとに
より構成される簡易なものであるから、複合材の損傷部
を補修する際の上に述べたようないろいろな機械加工に
は適応困難であり、以下に説明する本発明とは著しく異
なる。なおこれは複合材を対象とするものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上に述べたように損傷
部位を除去するための機械加工において、手動工具によ
る加工では加工に熟練を要するばかりではなく、種々の
問題があった。すなわち、表層部除去の場合は加工深さ
が浅いため寸法精度が出にくい。テーパ形状の加工にお
いては、損傷部の大きさに合わせた専用の刃物を用意し
なければならず、費用および工数がかさむ。仮に適切な
テーパ形状に合った傘形工具を用いても、傘形という物
理的形状から傘形の先端、つまり刃物先端部の切れ刃部
分が回転中心に近いため、十分な周速が得られず切削性
に問題があった。さらに、刃物回転軸は加工面に対して
垂直であるから、切れ刃端部から工具回転中心までの距
離とカッター底面からの工具回転中心までの距離とが異
なり、この距離差により凹凸が生じ、切削加工面が平滑
に仕上がらず、損傷部除去後に実施される修復・修理作
業の品質にも悪影響をもたらすという問題があった。ま
たこのような機械加工は一般に切削加工の大部分を刃物
先端部で行うため、刃物の寿命は短く、コスト増大につ
ながる傾向があった。
【0006】このように損傷した複合体物品を修復・修
理するのに最適な機械装置は、従来見出すことは出来な
かった。この発明は上記問題点に鑑みてなされたもので
あり、複合材部品の損傷部を除去する機械加工装置にお
いて、損傷の程度により表層部除去、穿孔部除去、テー
パ加工等のいずれの機械加工でも可能であり、さらに刃
物の切削効率と寿命を向上し、切削面に凹凸がなく、良
好な切削加工面を得ることができる複合材部品の損傷部
除去装置を提供することを目的とする。
【0007】
【発明を解決するための手段】請求項1の発明は、複合
材部品の損傷部を機械加工により除去する複合材部品の
損傷部除去装置であって、3脚のフレームを有するフレ
ーム支持体に昇降自在に設けた主軸筒と、この主軸筒に
軸支される主軸と、この主軸と主軸筒との間に設けられ
ると共に主軸の一方向の回転のみを許容する一方向回転
機構と、主軸に支持されるレールと、このレールに設け
られ主軸との角度を可変に調整する傾斜角調整機構と、
レールに垂下支持されるスライドフレームと、このスラ
イドフレームをレールに沿って移動自在とする刃物装置
位置調整機構と、刃物回転軸をレールに対して平行また
は垂直の2位置に係止可能とする刃物回転軸変更機構
と、を具備したことを特徴とする。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、一方向回転機構は主軸筒の下部に設けたスペーサに
テーパ状のスパイラル溝を形成し、このスパイラル溝と
主軸との間にボールを介在させたことを特徴とする。
【0009】請求項3の発明は、請求項1の発明におけ
る刃物回転軸変更機構は、ホルダの上型と下型とにより
刃物を取付けたエアモータを挟持固定し、レールに平行
な第1の凹部とこの第1の凹部に対して垂直な第2の凹
部とをスライドフレームに形成し、スライドフレームに
設けたピンボルトによりホルダの両側面を揺動自在に支
持し、ホルダの上型がスライドフレームに設けた第1の
凹部に係止するとき、係止位置においてホルダの上型に
設けた球状凹部にスライドフレーム側の弾発装置が突入
し、ホルダの下型がスライドフレームに設けた第2の凹
部に係止するとき、係止位置においてホルダの下型に設
けた球状凹部にスライドフレーム側の弾発装置が突入す
ることを特徴とする請求項1記載の複合材部品の損傷部
除去装置。
【0010】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、3脚のフレームの先端に真空圧により可動する吸着
装置を設け、刃物装置を駆動する駆動源を空気圧とし、
これらの圧力源を工場エアから導入することを特徴とす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。図1はこの発明の概略の構成と
作動を示す全体図、図2はこの発明の全体図、図3は図
2の上面図、図4は主軸の一方向回転機構の詳細図、図
5は図4の5−5断面図、図6はレールの傾斜角調整機
構周りの分解図、図7は図6の一部拡大図、図8は傾斜
角調整機構の作動図、図9は刃物装置の移動・刃物回転
軸角度変更機構の各構成部品を分解した図、図10は図
9の説明図、図11は部品の表層部除去加工を示す図、
図12は複合材パネルの損傷部を機械加工し、修復する
説明図である。
【0012】先ず、各部の説明に入る前に、図1でこの
発明の複合材部品の損傷部除去装置全体の構造と作動の
概略を述べる。フレーム支持体1から伸びる3本のフレ
ーム2が吸着装置3によりパネル上に載置される。ハン
ドルHにより主軸筒7がフレーム支持体1内を昇降し
(動きは矢印hで示す、以下同じ)、主軸筒7に軸支さ
れる主軸8がハンドルJにより回動(矢印j)する。主
軸8にレール16を設けて、レール16のパネル面に対
する傾斜角をハンドルKにより調整可能(矢印k)と
し、刃物22を取付けたホルダ25を有するスライドフ
レーム26をハンドルLによりレール16に沿ってスラ
イドさせる(矢印l)。ホルダ25はスライドフレーム
26内で刃物回転軸Tを垂直と水平との2位置で固定可
能である。刃物はパイプ31、32から導入されるエア
によってエアモータにより駆動される。
【0013】以下、この発明の全体図を示す図2および
その平面図である図3により詳しく述べる。フレーム支
持体1には放射状120度間隔で3本のフレーム2が溶
接され、各フレーム2の先端は吸着装置3を形成してい
わゆる3脚のように複合材部品のパネル上に載置される
ようになっている。吸着装置3は自在に可動するよう構
成され、各吸着装置3は各フレーム2に沿って設けられ
ているパイプ4により真空発生装置5に接続している。
この真空発生装置5は工場エアなどの圧縮空気を利用し
た圧力源装置6のポンプ作用によって作動する。よって
この損傷部除去装置は吸着装置3により複合材部品のパ
ネル上を滑動することなく安定的に固定設置される。な
お圧力源装置6と真空発生装置5はフレーム2の適当な
個所に設ければ良い。
【0014】フレーム支持体1の中心部には、パネルに
対して垂直に上下動する主軸筒7を貫通配設する。主軸
筒7はフレーム支持体1に設けた主軸筒昇降ハンドルH
を操作することにより、主軸筒7の一側に設けたラック
7a、これに噛み合う図示しないピニオン機構などによ
り、主軸筒7をフレーム支持体1に対して昇降自在に上
下動(図1において矢印h)するよう構成されている。
【0015】主軸筒7はその軸芯に主軸8を軸支してお
り、主軸8は主軸筒7の上方および下方に延出して設け
られている。主軸8の上方は主軸8を回動するためのハ
ンドルJに連係し、下方はレール16を連結している。
そして図1において矢印で示した動きに関連する機構、
つまり主軸筒7と主軸8との間で一方向回転機構Aと固
定機構B、レール16で傾斜角調整機構C、ホルダ25
とスライドフレーム26とにより刃物装置位置調整機構
Dと刃物回転軸変更機構Eを図示した。
【0016】図3は図2を上から見た図で、真空発生装
置5から3本のフレーム2の各吸着装置3に導くパイプ
4が各フレーム2に沿って配管されている。
【0017】次に主軸8が主軸筒7に対して一方向に回
転し固定される機構について図4および図5により説明
する。一方向回転機構Aは主軸8とスペーサ9の内周に
設けたスパイラル状溝9cとの間に介在させたボール1
0の転動により一方向のみの回転を許容するものであ
る。また、固定機構Bはリング11の締付けにより間座
12を介してスペーサ9と主軸8とがロックすることに
より主軸8を固定するものである。これは後に述べるよ
うに、刃物の回転に伴う傾斜角調整機構C(レール1
6)の回動を防止するために設けている。
【0018】以下これらの具体的構造を説明する。主軸
筒7の下端に形成された凹部7bに装着するスペーサ9
は、小径部9aと大径部9bに形成される筒形を呈し、
それぞれに対応する内周部はボール10が転動するスパ
イラル状溝9cとテーパ部9dが形成されている。ボー
ル10は例えば図5に示すように平面視3カ所に配置さ
れ、スパイラル状溝9cは上方に行くにしたがって僅か
に拡大するように形成されている。よって主軸8はボー
ル10との摩擦によりスペーサ9に対して一方向のみ回
転する(一方向回転機構A)。スペーサ9の大径部9b
はリング11とねじ嵌合する。スペーサ9の底面9eと
リング11との間に間座12が挿入され、間座12の軸
部12aはスペーサ9のテーパ部9dと主軸8との間の
空間に位置する。よって把手13でリング11を締め上
げることにより、間座12の軸部12aがテーパ部9d
に対してくさび作用し、一方向のみ回転した後、主軸8
を固定することができる(固定機構B)。なおスペーサ
9はビス14により主軸筒7に固定されている。
【0019】次に表層部除去等の加工時に刃物の回転軸
を傾斜作動させる場合の傾斜角調整機構Cについて図
6、図7、図8により説明する。図6は各構成部品を分
解した図、図7は主軸8と傾斜角調整機構の主要部であ
るレール16との結合部の拡大図、図8はレール16が
傾斜する説明図である。主軸8は刃物装着のベースとな
るレール16を連結支持している。主軸8の端部は二面
幅8aに形成すると共に穴8bを穿設し、レール16の
溝16aに挿入されて、ピンP1により連結支持され
る。このピンP1の位置がレール16の主軸8に対する
傾斜の回動中心となる。レール16の溝16aは、図7
に示すように主軸8に対してレール16が所定角度傾斜
可能に切欠きが形成されている。このピンP1の位置と
なるレール16の穴16bは、レール16の長手方向中
間より偏った位置に穿設されている。そして主軸8の二
面幅8a部より上方に、二面幅8aの面に平行な溝8c
を穿ち、アーム17の一端をこの溝8cに挿入してピン
P2で支持する一方、アーム17の他端は後に述べるよ
うな構成によりピンP3でレール16を支えている。
【0020】アーム17の他端が支持される側のレール
16の端部構造について説明する。レール16の上面
に、所定長さにわたって断面が凹形形状の、凹部16
c、2本のスライド面16d、16dを形成と共に、こ
の断面凹形形状の中央寄りの端部に横断溝16eを設け
る。スライド面16d、16d上をスライドし、かつ凹
部16cに嵌合するスライダ18を設置し、横断溝16
eに嵌入するブロック19を設ける。すなわち、スライ
ダ18はレール16のスライド面16d、16d上をス
ライドするベース18aを形成し、ベース18aの下方
に凸部18b、上方に2つのフランジ18c、18cが
凸設されて、それぞれ、凸部18bはレール16の凹部
16cに嵌合し、フランジ18c、18cはアーム17
の他端を挟む形で組立られる。フランジの18c、18
cに設けた穴18eにピンP3が挿入される。そしてス
ライダ18の凸部18bに設けたねじ穴18dにねじ棒
20が貫通する。ねじ棒20は、一端はブロック19の
ねじ19aで止め具となり、他端はプレート21の穴2
1aを延出しハンドルKに連係している。なおプレート
21は例えばボルト穴21bによりレール16に固定さ
れる。またブロック19も例えばボルト穴19bにより
レール16に固定される。したがってハンドルKを操作
することにより、スライダ18をレール16のスライド
面16d上を移動させることができ、図8に図示するよ
うにピンP1を中心にレール16の傾斜角を変更し調整
することが可能となる(傾斜角調整機構C)。なおレー
ル16の底面の形状は、レール16の上面部とほぼ同様
に、中央凹部16gの両側に凸部16h、16hを形成
して、後に述べる刃物保持のスライドフレーム26をス
ライドさせる構造にしている。
【0021】次に、刃物を取付けた装置(以下、刃物装
置)をレール16に沿って移動させる位置調整および刃
物回転軸を変更する機構は共通部分も多いのでこれらを
図9により説明する。先ず概要を述べると、刃物22を
エアモータ23に取付け、このエアモータ23をホルダ
25で把持する。そしてホルダ25を支持固定するスラ
イドフレーム26をレール16に垂下させ、ハンドルL
の操作によりレール16に沿って移動し得るようになっ
ている。ホルダ25とスライドフレーム26とはスライ
ドフレーム26内でホルダ25の軸を90度変更できる
構造である。すなわちここで、刃物装置とは、刃物22
を装着したエアモータ23をホルダ25で把持し、この
ホルダ25を組込んだスライドフレーム26を指してい
る。
【0022】刃物装置の位置調整について説明する。ス
ライドフレーム26は正面視略L字形の長方体をなし、
レール16に吊り下げ移動し得るように以下の構造をと
っている。そのため、レール16の構造はその下方の両
側面に移動溝16fを形成し、レール16底部に中央凹
部16g、この中央凹部16gを挟んで両側に凸部16
h、16hをそれぞれレール16の長手方向全長に亙っ
て形成している。このレール16にスライドするスライ
ドフレーム26の構造は、図6と図9とを参照すること
で明らかなように、スライドフレーム26の凸条26a
がレール16の中央凹部16gに、またスライドフレー
ム26の凹部26b、26bがレール16の凸部16
h、16hに、それぞれ係合すると共に、スライドフレ
ーム26に別部材で設けた支持片26c、26cがスラ
イドフレーム26両側面の移動溝16fに嵌合する。そ
してスライドフレーム26の凸条26aと凹部26eの
間の中実部において軸方向にねじ穴26dが貫通し、こ
のねじ穴26dにねじ棒27が係合する。ねじ棒27は
略レール16の長さ相当の長さで、プレート28等によ
りスライドフレーム26に取付けられ、ハンドルLに連
係している。プレート28の固定は前に述べたプレート
21の場合と同様である(刃物装置位置調整機構D)。
【0023】刃物回転軸を変更する機構はホルダ25と
スライドフレーム26との相互関係により機能するの
で、まずホルダ25の構造を説明する。ホルダ25は、
2つの半体、上型25aと下型25bから構成され、そ
れぞれ軸方向内側はシリンダ形状25c、25dに形成
され、エアモータ23を保持すべくエアモータの外形に
合わせている。そして図示しないボルト等により挟持さ
れる。上型25aの外側はちょうどT字形のように狭幅
部分25eと全幅部分25fに形成され、狭幅部分25
eの両側部に一対の球状凹部25h、全幅部分25fの
両側部には一対のねじ穴25gが形成されている。ここ
で、「一対」の意は、図で見えない側面の対応する関係
位置にも球状凹部25hやねじ穴25gが穿設されてい
ることであって、以下同じとする。下型25bの外面側
は狭幅部分25iのみに形成され、その両側部には一対
の球状凹部25jが形成されている。そしてこれら上型
25a、下型25bがエアモータ24を挟持し固定した
状態でスライドフレーム26に装着されるのである。
【0024】次にスライドフレーム26がホルダ25を
係止する構造について説明する。ホルダ25がレール1
6(直接的にはスライドフレーム26の支持片26c)
に平行にセットされる場合と直角にセットされる場合の
それぞれについて図9、図10を参照しながら述べる。
ホルダ25は上型25aに設けた一対のねじ穴25gが
支点となり90度回動するように、スライドフレーム2
6の一対の穴26fに設けたピンボルト29で支持され
る。そしてホルダ25がスライドフレーム26にガタや
ズレがなく係止されるために、以下のような手段を構じ
ている。スライドフレーム26の底部に、支持片26c
に平行な凹部26eを形成し、その幅はホルダ25の上
型25aの狭幅部分25eの幅より若干大きくされる。
そして凹部26eに狭幅部分25eが係合する。同時に
上型25aの狭幅部分25eの両側面に設けた一対の球
状凹部25hとスライドフレーム26の一対の穴26g
の位置が一致し、穴26gに設けたスプリングに押圧さ
れるボールによる弾発装置が球状凹部25hに係合す
る。同様にホルダ25をこの位置から90度回動した場
合は、ホルダ25の下型25bの狭幅部分25iに係合
するようにスライドフレーム26の支持片26cに対し
て垂直方向に凹部26jを形成すると共に、スライドフ
レーム26の一対の穴26hの位置とホルダ25下型2
5bの狭幅部分25i両側面に設けた一対の球状凹部2
5jの位置とが合致し、スライドフレーム26の一対の
穴26hに設けたスプリングに押圧されたボールによる
弾発装置が球状凹部25jに係合する。このようにして
刃物装置を把持したホルダ25がスライドフレーム26
内において90度回動させることができる(刃物回転軸
変更機構E)。なおホルダ25の回動の際の干渉を避け
るため、図10においてスライドフレーム26の右上部
分の構造は空所26iを形成している。
【0025】以上この発明の各機構を述べたが、おのお
のの調整・変更機構には、機械加工作業に当然必要な目
盛やスケール等を具備しており、これらについては説明
を省略した。
【0026】刃物22を駆動するエアモータ23は空気
圧で作動する。フレーム2に付設した圧力源装置6に
は、前述したように工場エアが導入されているので、こ
こからパイプ31により装置上部の主軸8に導き、パイ
プ32からエアモータ23に供給される。
【0027】以下、この発明の作用を述べる。 (表層部除去加工)部品損傷部の中心に主軸8が位置す
るように、装置本体のフレーム2をセットする。損傷部
の程度により刃物の傾きを把握し、図10のH姿勢で示
すように、刃物回転軸Tをレール16に対し平行になる
ようホルダ25をスライドフレーム26にセットする。
そしてレール16の傾きが主軸8に対して垂直になるよ
うに傾斜角調整機構CのハンドルKにより調整する。ま
た主軸8を切削方向に調整し主軸固定機構B(図4)に
より固定する。刃物22は径が大きく刃長の短いものを
選択し取付ける。次に切削しながら刃物切削面を部品表
面上より加工深さまでハンドルHにて降下させた後、レ
ール16を傾斜角調整機構CのハンドルKにより変化さ
せることにより損傷部をR形状に加工する(図11参
照)。
【0028】(穿孔部除去加工)部品損傷部の中心に主
軸8が位置するように、装置本体のフレーム2をセット
する。図10のV姿勢で示すように、刃物回転軸Tをレ
ール16に対し垂直になるようホルダ25をスライドフ
レーム26にセットする。そしてレール16の傾きが主
軸8に対して垂直になるように傾斜角調整機構Cのハン
ドルKにより調整する。ドリルによる穿孔の場合、主軸
8の回転を主軸固定装置B(図4)により押さえ、軸ブ
レの発生を防止し、ハンドルHにて刃物を降下させる。
底刃付きエンドミルにより穿孔する場合は、ハンドルH
により刃物を降下させた後、刃物装置位置調整機構Dに
よってスライドフレーム26をレール16に沿って移動
させ、主軸8を旋回させることにより切削加工径を拡大
する。
【0029】(テーパ形状部除去加工)部品損傷部の中
心部を上のような方法で穿孔除去し、刃物回転軸Tを図
10のH姿勢にセットする。切削しようとするテーパ角
度になるように、レール16の傾きをハンドルKにより
調整する(傾斜角調整機構C)。そしてハンドルHによ
り、複合材部品のパネル面上のテーパ開始位置に刃物先
端位置を合わせる。この後、パネル面に対する刃物高さ
を変化させず、エンドミルの側面を使用し、レール16
に沿って刃物装置位置調整機構Dにより刃物を中心部に
移動させ、主軸8を旋回させることによって、テーパ形
状を切削加工する。
【0030】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、複
合材部品のいろいろな損傷の形態に応じて、表層部の除
去、穿孔加工、テーパ加工等の各種機械加工を容易な操
作でかつ精度良く行うことができるから、補修・修理部
品の品質向上に寄与することができる。
【0031】刃物の回転軸を傾斜角調整機構のハンドル
調整により連続的に変化させることによって特に浅い表
層部の除去加工が可能となる。
【0032】刃物の回転軸をレールに対して平行または
直角の2位置にセットできるので、刃物の底面、刃物の
側面を利用した各種の切削加工ができる。そのため刃物
の回転中心部においても刃物の周速が変化せず、凹凸の
ない平滑な切削加工面が得られ、良好な切削性と刃物の
寿命向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の概略の構成と作動を示す全体図。
【図2】この発明の全体図。
【図3】図2の上面図。
【図4】主軸の一方向回転機構の詳細図。
【図5】図4の5−5断面図。
【図6】レールの傾斜角調整機構周りの各構成部品を分
解した図。
【図7】主軸とレールとの結合部の拡大図。
【図8】レールが傾斜する説明図。
【図9】刃物装置の移動・回転軸角度変更機構の各構成
部品を分解した図。
【図10】図9の説明図。
【図11】部品の表層部除去加工を示す図。
【図12】複合材パネルの損傷部を機械加工し、修復す
る説明図。
【符号の説明】
1 フレーム支持体 2 フレーム 7 主軸筒 8 主軸 16 レール 22 刃物 25 ホルダ 26 スライドフレーム 31、32 パイプ A 一方向回転機構 B 固定機構 C 傾斜角調整機構 D 刃物装置位置調整機構 E 刃物回転軸変更機構 H、J、K、L ハンドル T 刃物回転軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複合材部品の損傷部を機械加工により除
    去する複合材部品の損傷部除去装置であって、 3脚のフレーム2を有するフレーム支持体1に昇降自在
    に設けた主軸筒7と、この主軸筒7に軸支される主軸8
    と、 この主軸8と主軸筒7との間に設けられると共に主軸8
    の一方向の回転のみを許容する一方向回転機構Aと、 前記主軸8に支持されるレール16と、 このレール16に設けられ主軸8との角度を可変に調整
    する傾斜角調整機構Cと、 前記レール16に垂下支持されるスライドフレーム26
    と、 このスライドフレーム26を前記レール16に沿って移
    動自在とする刃物装置位置調整機構Dと、 刃物回転軸を前記レール16に対して平行または垂直の
    2位置に係止可能とする刃物回転軸変更機構Eと、を具
    備したことを特徴とする複合材部品の損傷部除去装置。
  2. 【請求項2】 前記一方向回転機構Aは、主軸筒7の下
    部に設けたスペーサ9にテーパ状のスパイラル溝9cを
    形成し、このスパイラル溝9cと主軸8との間にボール
    10を介在させたことを特徴とする請求項1記載の複合
    材部品の損傷部除去装置。
  3. 【請求項3】 前記刃物回転軸変更機構Eは、 ホルダ25の上型25aと下型25bとにより刃物22
    を取付けたエアモータ23を挟持固定し、 前記レール16に平行な第1の凹部26eとこの第1の
    凹部に対して垂直な第2の凹部26jとをスライドフレ
    ーム26に形成し、 スライドフレーム26に設けたピンボルト29により前
    記ホルダ25の両側面を揺動自在に支持し、 前記ホルダ25の上型25aが前記スライドフレーム2
    6に設けた第1の凹部26eに係止するとき、係止位置
    においてホルダ25の上型25aに設けた球状凹部25
    hにスライドフレーム側の弾発装置が突入し、 前記ホルダ25の下型25bが前記スライドフレーム2
    6に設けた第2の凹部26jに係止するとき、係止位置
    においてホルダ25の下型25bに設けた球状凹部25
    jにスライドフレーム側の弾発装置が突入することを特
    徴とする請求項1記載の複合材部品の損傷部除去装置。
  4. 【請求項4】 前記3脚のフレームの先端に真空圧によ
    り可動する吸着装置を設け、刃物装置を駆動する駆動源
    を空気圧とし、これらの圧力源を工場エアから導入する
    ことを特徴とする請求項1記載の複合材部品の損傷部除
    去装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009512571A (ja) * 2005-09-29 2009-03-26 エアバス・フランス 複合構造の外皮を修復するための方法
JP2009537376A (ja) * 2006-05-19 2009-10-29 エアバス フランス 航空機胴体損傷域補修方法
US10647072B2 (en) 2015-09-14 2020-05-12 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Guide device and scarfed surface forming method

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