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JPH111648A - 孔版印刷用エマルションインキ - Google Patents

孔版印刷用エマルションインキ

Info

Publication number
JPH111648A
JPH111648A JP9172999A JP17299997A JPH111648A JP H111648 A JPH111648 A JP H111648A JP 9172999 A JP9172999 A JP 9172999A JP 17299997 A JP17299997 A JP 17299997A JP H111648 A JPH111648 A JP H111648A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
aqueous phase
oil
emulsion
viscosity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9172999A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Hayashi
佳宏 林
Masato Ishikawa
正人 石川
Shigeji Suzuki
茂司 鈴木
Sadanao Okuda
貞直 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riso Kagaku Corp filed Critical Riso Kagaku Corp
Priority to JP9172999A priority Critical patent/JPH111648A/ja
Publication of JPH111648A publication Critical patent/JPH111648A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷濃度が高く、裏抜けや滲みが少ないとと
もに、エマルション安定性と印刷後の乾燥性に優れた孔
版印刷用エマルションインキを提供する。 【解決手段】 水相中に水不溶性粉粒体を含む油中水
(W/O)型エマルションインキにおいて、水相のずり
速度500s-1における粘度を23℃において2.0mPa・s
以上とすることにより、エマルションを安定化する。ま
た、水不溶性粉粒体を除いた水相のずり速度500s-1
における粘度を23℃において4.5mPa・s以下とするこ
とによりインキの乾燥性を高める。水相の粘度は粘度調
整剤の添加により調節することもできる。水不溶性粉粒
体は水不溶性着色剤及び/又は体質顔料等からなり、油
相中にかかる粉粒体を含有してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は孔版印刷用エマルシ
ョンインキに関し、さらに詳しくは、印刷濃度が高く、
裏抜けおよび滲みが少ないとともに、エマルション安定
性と印刷後の乾燥性に優れた孔版印刷用エマルションイ
ンキに関する。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷は、孔版印刷用原紙を用いて製
版を行い、製版により形成された原紙の穿孔部にインキ
を通過させて紙などの被印刷体に印刷を行うものであ
る。この孔版印刷は、版の作製が容易なため幅広い分野
で利用されている。従来、孔版印刷用インキとしては、
一般に油中水(W/O)型エマルションインキが使用さ
れており、その油相中に着色剤である顔料が含まれる
(特開昭61−255967号公報、特開昭64−14
284号公報、特開平4−132777号公報、特開平
5−117565号公報等参照)。
【0003】油中水(W/O)型エマルションインキ
は、水相と比較して、油相の方が表面張力が小さく、浸
透性も大きい。そのため、紙などの被印刷体に印刷され
ると、まずエマルションの外相である油相成分が被印刷
体に浸透し、次いで内相である水相成分が浸透および/
または蒸発する。従来のように、着色剤が油相中に含ま
れている油中水(W/O)型エマルションインキでは、
着色剤の多くは印刷用紙表面に残らずに、他の油相成分
とともに紙層深部まで浸透してしまうため、印刷濃度が
低下し、また、裏抜けが発生し易いという問題があっ
た。さらに、紙繊維に沿っても浸透するために滲みが発
生し易いという問題もあった。
【0004】これらの問題を解決するために、水不溶性
着色剤を水相中に含んだ油中水(W/O)型エマルショ
ンインキが提案されている(特開平7−188598号
公報、特開平8−34944号公報、特開平8−218
025号公報、特開平8−302262号公報等参
照)。この形態のエマルションインキでは、水不溶性着
色剤は水相中に含まれているため、印刷後、印刷用紙の
表面上に留まる。その結果、印刷濃度が高く、裏抜けや
滲みの少ない印刷物を得ることができる。
【0005】また、同様の問題を解決するために、体質
顔料を水相中に含んだ油中水(W/O)型エマルション
インキが提案されている(特開平8−218025号公
報参照)。この形態のエマルションインキの場合、一般
に体質顔料の粒径が印刷用紙の細孔径よりも大きいた
め、体質顔料が印刷用紙内部に浸透せずに表面に留ま
り、着色剤の多くが体質顔料とともに印刷用紙表面に留
まる。その結果、印刷濃度が高く、裏抜けや滲みの少な
い印刷物を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の形態の
インキの場合、水不溶性着色剤や体質顔料等の水不溶性
粉粒体をエマルションの内相である水相中に含むため、
エマルションの安定性が悪いという問題がある。
【0007】さらに、これらのインキを用いて印刷した
場合、印刷用紙表面に多くの着色剤が留まるため、印刷
直後に指で触れると、手が汚れたり、画像が擦れる等の
問題が顕著に現れる。
【0008】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、印刷物の印刷濃度の高く、裏抜けや滲みが少な
いとともに、エマルション安定性と印刷後の乾燥性に優
れた孔版印刷用エマルションインキを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、水相中に水
不溶性着色剤や体質顔料等の水不溶性粉粒体を含む油中
水(W/O)型エマルションインキにおいて、その「水
相」の粘度を、水不溶性粉粒体を含めた水相全体の粘度
と、水不溶性粉粒体を除いた水相の粘度に分けて考える
ことができることに着眼した。その結果、この形態のイ
ンキのエマルション安定性は、水不溶性粉粒体を含めた
水相全体の粘度による影響が大きく、一方、インキの印
刷後の乾燥速度は水不溶性粉粒体を除いた水相の粘度に
よる影響が大きいことを見出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、水相中に水不溶性粉
粒体を含む油中水(W/O)型エマルションインキにお
いて、水相のずり速度500s-1における粘度が、23
℃において2.0mPa・s以上であることを特徴とする孔版
印刷用エマルションインキを提供する。すなわち、水不
溶性粉粒体を含めた水相全体のずり速度500s-1にお
ける粘度を、23℃において2.0mPa・s以上、好ましく
は2.3〜20mPa・sとすることにより、インキのエマルシ
ョンの安定性が良好になる。この理由は、水相全体が所
定の値以上の粘度を備えることにより、エマルション中
で水相粒子の合一が防止されるためと考えられる。
【0011】さらに、本発明は、水相中に水不溶性粉粒
体を含む油中水(W/O)型エマルションインキにおい
て、水不溶性粉粒体を除いた水相のずり速度500s-1
における粘度が、23℃において4.5mPa・s以下である
ことを特徴とする孔版印刷用エマルションインキを提供
する。すなわち、水不溶性粉粒体を除いた水相のずり速
度500s-1における粘度を、23℃において4.5mPa・s
以下、好ましくは1.0〜3.5mPa・sとすることにより、イ
ンキの印刷後の乾燥速度が速くなる。この理由は、水不
溶性粉粒体を除いた水相が所定の値以下の粘度を備える
ことにより、水相成分の浸透速度が速く保たれるためと
考えられる。
【0012】さらに、本発明は、水相中に水不溶性粉粒
体を含む油中水(W/O)型エマルションインキにおい
て、水相のずり速度500s-1における粘度が、23℃
において2.0mPa・s以上であり、かつ、水不溶性粉粒体
を除いた水相のずり速度500s-1における粘度が、2
3℃において4.5mPa・s以下であることを特徴とする、
エマルション安定性に優れ、かつ、印刷後の乾燥性に優
れた孔版印刷用エマルションインを提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
【0014】本発明において、水相は、基本的に、水、
水不溶性粉粒体から構成され、所望により、粘度調整剤
や、その他の添加剤を含むこともできる。上記所定の粘
度を備えた水相は、これらの水相成分の種類や配合割合
を適宜選択することにより当業者に容易に調製すること
ができる。
【0015】水不溶性粉粒体としては、例えば、水不溶
性着色剤や体質顔料を挙げることができる。
【0016】水不溶性着色剤としては、各種色調の公知
の顔料や分散染料等が用いられるが、主溶媒である水と
の親和性が良好なものが好ましい。例えば、アセチレン
ブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等
のカーボンブラック類、アルミニウム粉やブロンズ粉な
どの金属粉、並びに弁柄、黄鉛、群青、酸化クロム等の
無機顔料、アゾ系、フタロシアニン系、縮合多環系、各
種染料のレーキ等の有機顔料(例えばアニリンブラッ
ク、ハンザイエロー、ジスアゾカーミン6B、フタロシ
アニンブルー、アルカリブルー)、その他アゾ系、アン
トラキノン系等の分散染料等が用いられる。
【0017】水不溶性着色剤の平均粒径は10μm以下
が好ましく、3μm以下がより好ましく、最も好ましく
は0.5μm以下である。平均粒径が大きいと油中水
(W/O)型エマルションが崩壊し易くなり、画像性
(色見)も劣る。また、水不溶性着色剤の添加量はエマ
ルションインキ総量に対して1〜30重量%が好まし
く、2〜10重量%の範囲がより好ましい。
【0018】体質顔料としては、インキ中に含まれても
無着色であり、水に不溶な微粒子が用いられる。例え
ば、白土、タルク、クレー、珪藻土、炭酸カルシウム、
炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナホ
ワイト、シリカ、カオリン、マイカ、水酸化アルミニウ
ム等の無機微粒子のほか、ポリアクリル酸エステル、ポ
リウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチ
レン、ポリシロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機微粒子またはこれら
の共重合体からなる微粒子等も用いられる。
【0019】体質顔料の平均粒径は、インキのエマルシ
ョンを崩壊しない限り、特に限定されない。また、体質
顔料の添加量は、エマルションインキの総量に対して1
〜50重量%とするのが好ましく、5〜20重量%とす
るのがより好ましい。該添加量が1重量%未満では印刷
濃度の向上、裏抜けおよび滲みに対する効果が小さいこ
とが多い。逆に、該配合量が50重量%超過では、印刷
濃度の向上、裏抜けおよび滲みに対する効果はあるが、
孔版印刷に不適な、すなわち、版の穿孔部を通過しにく
いインキとなりやすい。
【0020】また、水相は、さらに、水溶性着色剤を含
んでもよい。水溶性着色剤としては、例えば、塩基性染
料、酸性染料、直接染料、可溶性バット染料、酸性媒染
染料、媒染染料、反応染料、バット染料、硫化染料等の
うち、水溶性の染料および還元等により水溶性になった
染料が用いられる。
【0021】上記水不溶性粉粒体は、その種類、物性、
添加量、分散状態等によって水相の粘度に影響を及ぼす
ので、必要に応じて、水相に粘度調整剤を添加して、水
相の粘度が本発明の所定の粘度範囲を備えるように調整
してもよい。
【0022】粘度調整剤は、水相全体の粘度、または、
水不溶性粉粒体を除いた水相の粘度を調整するために用
いることができ、粘ちょう性の液体や、水溶性の固体等
を用いることができる。粘度調整剤の種類、添加量等
は、当業者であれば、水相の粘度が本発明の所定の範囲
になるように適宜選択することができる。なお、粘度調
整剤は、粘度調整作用以外に他の効果も併せ持っている
場合が多いので、それらの効果も考慮に入れて使用する
ことが望ましい。
【0023】粘度調整剤としては、水中油(O/W)型
樹脂エマルションおよび/または水溶性樹脂を用いるこ
とができる。これらを水相に含有させることにより、水
相の粘度を調整できるばかりでなく、水不溶性粉粒体の
濡れ性や分散性を向上させることができ、さらには、用
紙等の被印刷体への水不溶性粉粒体の固着性を向上させ
ることができる。
【0024】水中油(O/W)型樹脂エマルションとし
ては、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、
ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン、スチレン−
アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体、塩化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合
体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリウレタン等の樹脂エマルションが用いられる。
【0025】また、水溶性樹脂としては、例えば、ポリ
ビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン、ポリエチレン−ポリビニルアルコール共
重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルエーテ
ル、ポリアクリルアミド、アラビアゴム、澱粉、水溶性
ポリウレタン等が用いられる。
【0026】これらの水中油(O/W)型樹脂エマルシ
ョンおよび/または水溶性樹脂の添加量は、各々がもつ
水不溶性粉粒体の分散能力、水相の増粘能力によって、
適宜、決定される。一般には、エマルションインキの総
量に対して固形分換算で0.5〜20重量%が好ましく、
1〜10重量%の範囲がより好ましい。0.5重量%未満
では水相中の粉粒体の分散性又は被印刷体への固着性が
十分得られず、また20重量%を超えると版作製後に長
期放置した場合、版上の穿孔部分でインキが皮膜を作
り、インキの通過を阻止することがあり、好ましくな
い。
【0027】さらに、水相中には、水に対する水不溶性
粉粒体の濡れ性や分散性等を改良するための分散剤とし
て、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界
面活性剤、非イオン界面活性剤、または高分子系、シリ
コーン系、フッ素系の界面活性剤、更には、特開平8−
34944号公報に記載のような第3アミン化合物若し
くは特願平8−177518号に記載のような酸無水物
含有水溶性ポリマーを含有させることができる。これら
の分散剤のうち、特に、分子量の高いものは、上記の粘
度調整剤としても使用することができる。
【0028】これらの分散剤のうち、第3アミン化合物
又は酸無水物含有水溶性ポリマーが特に好ましい。分散
剤としてかかる化合物を使用することにより、水不溶性
粉粒体を水相中に細かくかつ安定に分散させることがで
きるので、水不溶性着色剤の細かな分散によって画像性
(色見)が向上し、かつエマルションの安定性に優れた
油中水(W/O)型エマルションインキが得られる。分
散剤として、分子内にカルボキシル基、スルフォン酸基
などの官能基を有し、顔料表面に吸着する一般的な分散
剤を用いた場合にはエマルションの崩壊が生じ易いが、
この理由は、油相と水相の界面に該分散剤が吸着し、エ
マルションの安定性を低下させるためと考えられる。
【0029】上記第3アミン化合物としては、例えば、
ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアル
キロールアミン塩、ポリN−アクリロイルピロリジン等
の高分子化合物が挙げられる。
【0030】上記酸無水物含有水溶性ポリマーは、例え
ば、酸無水物含有オレフィン系共重合体及び酸無水物含
有ビニル系共重合体並びにこれらの塩及びエステルから
選択することができる。酸無水物含有オレフィン系共重
合体としては、無水マレイン酸のような酸無水物基を含
有するエチレン系不飽和単量体と、エチレンやイソブチ
レン等のオレフィンとの共重合体が挙げられる。酸無水
物含有ビニル系共重合体としては、無水マレイン酸のよ
うな酸無水物基を含有するエチレン系不飽和単量体と、
芳香族ビニル系単量体、ビニルエステル単量体又はビニ
ルエーテル単量体との共重合体が挙げらる。芳香族ビニ
ル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−ブチルスチ
レン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、p−ア
リールスルホキシアミノスチレン及びp−スチレンスル
ホン酸等が挙げられる。ビニルエステル単量体として
は、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル及び
メタクリル酸エステル等が挙げられる。ビニルエーテル
単量体としてはメチルビニルエーテル等が挙げられる。
このうち、好ましい酸無水物含有水溶性ポリマーとして
は、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体及びスチレ
ン−無水マレイン酸共重合体が挙げられる。
【0031】第3アミン化合物及び酸無水物含有水溶性
ポリマーの添加量は、当業者であれば、各化合物が備え
る水不溶性粉粒体の分散能力、水相の増粘能力等に応じ
て、適宜、決定することができる。
【0032】なお、水相中には、さらに、必要に応じ
て、湿潤剤、水蒸発抑制剤、凍結防止剤を含有させるこ
とができ、好ましくは水溶性有機溶媒が用いられる。か
かる有機溶媒としては、例えば、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、
エチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのア
ルキルエーテル類の他、トリエタノールアミン等も用い
られる。これらの化合物も粘度調整能力があり、上記粘
度調整剤としても使用することができる。
【0033】さらに、水相中には、必要に応じて、電解
質やpH調整剤を含有させることができる。例えば、硫
酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素カリウ
ム、クエン酸ナトリウム、酒石酸カリウム、ホウ酸ナト
リウム等の水溶性金属塩や、トリエタノールアミン等が
用いられる。これらの中にも、粘度調整剤として働くも
のもあり、適宜、粘度調整剤の目的で選択することもで
きる。
【0034】さらに、水相中には、必要に応じて、防腐
剤、防黴剤、酸化防止剤等の水溶性添加物を含有させる
こともできる。
【0035】本発明において、水相中、水は、水不溶性
粉粒体を除いた水相の65重量%以上を占めることが好
ましく、70重量%〜95重量%を占めることがより好
ましい。印刷後のインキの乾燥は水分の蒸発によっても
進行するが、水の含有量が65重量%未満であると印刷
後の水分蒸発量が少ないため、乾燥速度が遅くなる。
【0036】本発明における油相は、基本的に、油成分
と乳化剤とから構成される。油相粘度は、油相中に着色
剤や体質顔料を含有しているかどうかで大きく異なる
が、例えば、これらを含まない場合では、通常15〜2
000mPa・s程度、より一般的には、60〜600mPa
・s程度である。
【0037】油成分としては、モーターオイル、ギヤー
油、軽油、灯油、スピンドル油、マシン油、流動パラフ
ィン等の鉱物油、オリーブ油、ナタネ油、アマニ油、ヒ
マシ油、サラダ油、大豆油等の植物油の他、合成油等も
用いられる。油成分は、放置後の印刷開始時の印刷性能
を高める等の目的のため、揮発性の異なる油を複数混合
して用いることが好ましい。
【0038】乳化剤は、油中水(W/O)型エマルショ
ンを構成するために用いられ、アニオン界面活性剤、カ
チオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性
剤のいずれでも良い。このうち、非イオン界面活性剤が
好ましく用いられ、例えば、ソルビタンモノラウレー
ト、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレ
エート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノ
イソステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル、グリ
セリルモノステアレート、ヘキサグリセリルテトラオレ
エート、デカグリセリルデカオレエート、ヘキサグリセ
リルペンタオレエート等の(ポリ)グリセリン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、(ポリ)エチレングリコ
ール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレン(硬化)ヒマシ油、等が用い
られる。乳化剤は単一の種類のみでなく、二種類以上を
組み合わせて使用することもできる。本発明の水相成分
中には、水不溶性粉粒体を分散させるための界面活性剤
や水中油(O/W)型樹脂エマルションを構成するため
の界面活性剤が含まれている場合があり、これらの界面
活性剤等との相互作用によって油中水(W/O)型エマ
ルションが崩壊されないよう、乳化剤を適宜選択するこ
とが好ましい。
【0039】本発明における油相中には、エマルション
の安定性を向上させるため、または、インキの粘度付与
剤等として、樹脂を含有させることができる。例えば、
ロジン、ギルソナイト、ロジンエステル、マレイン酸樹
脂、ロジン変性フェノール樹脂、アルキド樹脂、石油樹
脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ウレタン樹脂、セルロ
ース樹脂、天然ゴム誘導体樹脂等が用いられる。
【0040】本発明において、油相中に着色剤を含有さ
せてもよく、水相中に着色剤成分を含有させず油相中の
みに着色剤を含有させてもよい。着色剤としては、顔料
および/または染料が用いられ、好ましくは、顔料が用
いられる。顔料としては、水相に関連して上述したもの
と同様の顔料を用いることができる。
【0041】また、油相に、体質顔料を含有させること
もできる。体質顔料としては、インキ中に含まれても無
着色であり、油に不溶な微粒子が用いられ、例えば、水
相に関連して上述したものと同様の体質顔料を用いるこ
とができる。
【0042】本発明において、油中水(W/O)型エマ
ルションインキの油相と水相の比率(油相/水相)は、
例えば、10〜70重量%/90〜30重量%、好まし
くは20〜50重量%/80〜50重量%とすることが
できる。本発明のエマルションインキは、通常、油相に
水相を徐々に添加して乳化させることにより製造するこ
とができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を、実施例により詳しく説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、例中の部は重量部を意味する。実施例および比較例
においては、表1に示す配合により、それぞれ下記の方
法で油中水(W/O)型エマルションインキを作製した。
また、水相のずり速度500s-1における粘度(23
℃)、および、水不溶性粉粒体を除く水相成分の混合物
の粘度(23℃)は、インキの作製途中に、円錐円板粘
度計(キャリメ社製CSL100型)で測定し、その測定値を
表1に示した。なお、表1における各成分の数値は重量
部で示し、粘度の単位はmPa・sで示した。
【0044】実施例1 まず、油相成分を混合して油相を調製した。つづいて、
水に、ビニル系水溶性高分子、多価アルコール、水溶性
金属塩を溶解した後、さらにカーボンブラックを混合
し、サンドミルで充分分散を行って水相を調整した。次
に、この水相を前記の油相中に徐々に添加しながら撹拌
機で乳化を行い、孔版印刷用エマルションインキを得
た。
【0045】実施例2 まず、油相成分を混合して油相を調製した。つづいて、
水に、ビニル系水溶性高分子、多価アルコール、水溶性
金属塩を溶解した後、さらにカーボンブラック、炭酸カ
ルシウムを混合し、サンドミルで充分分散を行って水相
を調整した。次に、この水相を前記の油相中に徐々に添
加しながら撹拌機で乳化を行い、孔版印刷用エマルショ
ンインキを得た。
【0046】実施例3〜9 それぞれ、表1に示す配合とした以外は実施例1と同様
にして、孔版印刷用エマルションインキを得た。
【0047】実施例10 まず、カーボンブラック以外の油相成分を混合し、つづ
いてこれにカーボンブラックを混合し、ロールミルで分
散して油相を調製した。つづいて、水に、ビニル系水溶
性高分子、多価アルコール、水溶性金属塩を溶解した
後、さらに炭酸カルシウムを混合し、サンドミルで充分
分散を行って水相を調整した。次に、この水相を前記の
油相中に徐々に添加しながら撹拌機で乳化を行い、孔版
印刷用エマルションインキを得た。
【0048】実施例11 表1に示す配合とした以外は実施例10と同様にして、
孔版印刷用エマルションインキを得た。
【0049】比較例1、2 それぞれ、表1に示す配合とした以外は実施例1と同様
にして、孔版印刷用エマルションインキを得た。
【0050】
【表1】
【0051】試験例 実施例1〜11および比較例1〜2でそれぞれ作製した
孔版印刷用エマルションインキを用いて、孔版印刷機
(リソグラフ(登録商標)GR375、理想科学工業株
式会社製)により孔版印刷を行った。得られた印刷物の
印刷濃度、裏抜け性、滲み性、エマルションの安定性、
印刷物の乾燥性を以下の方法により評価し、その結果を
表2に示した。
【0052】(1)印刷濃度:印刷されたベタ部分の印
刷濃度を反射濃度計(マクベス社製RD920)で測定
した。 (2)裏抜け性:印刷されたベタ部分の裏面を目視で観
察し、裏抜けが少ない場合は○、多い場合は×で評価し
た。 (3)滲み性:顕微鏡(80倍)を用いてインキの付着
した部分の滲み状態を観察し、滲みがほとんどない場合
は○、滲みが目立つ場合は×で評価した。 (4)エマルション安定性:70℃で6週間放置し、水
と油に分離しなかった場合は○、分離した場合は×で評
価した。 (5)乾燥性:印刷1分後に、印刷面を指で擦り、画像
の擦れが少ない場合は○、多い場合には×で評価した。
【0053】
【表2】
【0054】表2から、実施例1〜11では、印刷濃度
が高く、裏抜けや滲みが少ない上に、エマルション安定
性に優れ、乾燥性が良好な印刷物が得られた。これに対
し、水相全体の粘度が2.0mPa・sよりも低い比較例1で
は、印刷濃度が高く、裏抜けや滲みが少なく、乾燥性も
良好であったが、エマルションの安定性が悪かった。ま
た、水不溶性粉粒体を除いた水相粘度が4.5mPa・sより
も高い比較例2では、印刷濃度が高く、裏抜けや滲みが
少なく、エマルション安定性に優れていたが、印刷物の
乾燥性が劣っていた。
【0055】
【発明の効果】本発明のW/O型エマルションインキに
よれば、水相中に水不溶性着色剤および/または体質顔
料を含んでいるため、インキの裏抜けや滲み等を伴わず
に印刷濃度の高い印刷物を得ることができる。さらに
は、本発明のW/O型エマルションインキは、水相全体
の粘度を一定値以上としたことによりエマルション安定
性が高く、また、水不溶性粉粒体を除いた水相粘度を一
定値以下としたことにより印刷物の乾燥性にも優れてい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 貞直 東京都港区新橋2丁目20番15号 理想科学 工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水相中に水不溶性粉粒体を含む油中水
    (W/O)型エマルションインキにおいて、水相のずり
    速度500s-1における粘度が、23℃において2.0mPa
    ・s以上であることを特徴とする孔版印刷用エマルショ
    ンインキ。
  2. 【請求項2】 水相中に水不溶性粉粒体を含む油中水
    (W/O)型エマルションインキにおいて、水不溶性粉
    粒体を除いた水相のずり速度500s-1における粘度
    が、23℃において4.5mPa・s以下であることを特徴と
    する孔版印刷用エマルションインキ。
  3. 【請求項3】 水相中に水不溶性粉粒体を含む油中水
    (W/O)型エマルションインキにおいて、水相のずり
    速度500s-1における粘度が、23℃において2.0mPa
    ・s以上であり、かつ、水不溶性粉粒体を除いた水相の
    ずり速度500s-1における粘度が、23℃において4.5
    mPa・s以下であることを特徴とする孔版印刷用エマルシ
    ョンインキ。
  4. 【請求項4】 前記水相は水、水不溶性粉粒体及び粘度
    調節剤を含み、前記油相は油成分及び乳化剤を含む請求
    項1〜3の何れか1項に記載の孔版印刷用エマルション
    インキ。
  5. 【請求項5】 水相中の水が、水不溶性粉粒体を除いた
    水相の総量の65重量%以上を占める請求項4に記載の
    孔版印刷用エマルションインキ。
  6. 【請求項6】 エマルションインキの総量の30〜90
    重量%の水相と、エマルションインキの総量の70〜1
    0重量%の油相とからなる請求項5に記載の孔版印刷用
    エマルションインキ。
  7. 【請求項7】 前記水不溶性粉粒体が水不溶性着色剤及
    び/又は体質顔料である請求項1〜6の何れか1項に記
    載の孔版印刷用エマルションインキ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7037364B2 (en) 2003-11-10 2006-05-02 G R Advanced Materials Ltd Emulsion ink
US7300507B2 (en) 2004-11-05 2007-11-27 Gr Advanced Materials Ltd. Emulsion ink
US7396396B2 (en) 2003-11-10 2008-07-08 Gr Advanced Materials Ltd. Emulsion ink

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US7037364B2 (en) 2003-11-10 2006-05-02 G R Advanced Materials Ltd Emulsion ink
US7396396B2 (en) 2003-11-10 2008-07-08 Gr Advanced Materials Ltd. Emulsion ink
US7300507B2 (en) 2004-11-05 2007-11-27 Gr Advanced Materials Ltd. Emulsion ink

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