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JPH11151452A - 電気集塵装置 - Google Patents

電気集塵装置

Info

Publication number
JPH11151452A
JPH11151452A JP31991697A JP31991697A JPH11151452A JP H11151452 A JPH11151452 A JP H11151452A JP 31991697 A JP31991697 A JP 31991697A JP 31991697 A JP31991697 A JP 31991697A JP H11151452 A JPH11151452 A JP H11151452A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
resin
dust collecting
ωcm
resistance value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31991697A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Katsumura
眞一郎 勝村
Norio Maki
教雄 眞木
Takayuki Yamashita
隆之 山下
Yoshikazu Onoguchi
義和 小野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Midori Anzen Co Ltd
Original Assignee
Midori Anzen Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Midori Anzen Co Ltd filed Critical Midori Anzen Co Ltd
Priority to JP31991697A priority Critical patent/JPH11151452A/ja
Priority to TW087118826A priority patent/TW442334B/zh
Priority to KR1019980049951A priority patent/KR100281769B1/ko
Priority to CN98122533A priority patent/CN1217953A/zh
Publication of JPH11151452A publication Critical patent/JPH11151452A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集塵部高圧電極に特定の体積固有抵抗値の樹
脂を用いた電気集塵装置において、集塵部の設地電極や
荷電部の対向電極を表面抵抗値がばらつき、均一でなく
成形しても、集塵効率に優れ、それら樹脂電極の難燃性
が向上した集塵装置を提供する。 【解決手段】 該高圧電極に、体積固有抵抗値が1010
〜1013Ωcmの半絶縁性樹脂製電極を用いる該装置に
おいて、該接地電極や該対向電極を、その表面を導電処
理して体積固有抵抗値が107 Ωcmオーダー以下にし
た難燃性の電極とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気清浄用の電気
集塵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家屋内や車両内の空気を常に清浄
化された状態に維持したいという要望に対処した空気清
浄装置が広く使用されている。このような清浄装置は、
一般に図2及び図3に示すようは構成になっており、図
2では、空気中の微粒子に電荷を与える荷電部1の放電
電極3の対向電極5、荷電粒子を捕集する集塵部2の高
圧電極6や高圧電極6の対向(接地)電極5に、図3で
は、荷電部1の放電電極3の対向電極4、集塵部2の高
圧電極6や高圧電極6の接地電極5に、通常アルミニウ
ムやステンレス鋼等の金属材料が用いられている。又、
このような電極は、一般に図3に示すように、荷電部1
では複数の対向電極4をスペーサー7を介して配列して
おり、集塵部2においても同様に、プラス又はマイナス
の電位を印加する高圧電極6と、それに対向する接地電
極5とを交互に、スペーサー7を介し平行に配列した構
成となっている。
【0003】しかし、上記のような構成の従来の電極に
おいては、1)各電極が金属製であることから重量が重
い、2)荷電部や集塵部の電極を形成するするには、ス
ペーサーを使用して金属電極を複数枚積み重ねるように
して電極部分を組み立てる必要があるため、工数が多
く、製造行程上問題がある、3)集塵部に導かれる荷電
粒子の中に導電性粉塵が混在していると、高圧電極と接
地電極間でスパークして、不快な音と光が発生し、時に
はそれが継続することがあり、又スパークの発生を抑え
るために高圧電極と接地電極間の印加電圧を下げれば、
それらの電極間の電界強度が低下して集塵部での捕集効
率の低下を来す、4)最近の空気清浄装置の省スペース
・コンパクト化の方向からいって、上記の直方体の形状
では合致せず、又金属製であることから自由な形状に設
定しずらい、等多くの問題がある。
【0004】これらの問題を解決するために、集塵側と
高圧側との電極を交互に所定間隔をおいて配置する電極
の設置構造であり、かつ前記高圧側の各電極を半絶縁性
樹脂により一体成形した高圧ラダーを有しているコレク
ターと、前記高圧ラダーを筺体に固定する位置および前
記高圧ラダーみ給電する位置を同一箇所とする給電兼用
支持機構とを備えることを特徴とする空気清浄装置、更
に上記に前記集塵側の各電極と一体成形した複数の電極
を対向電極として用いるアイオナイザーとを備えること
を特徴とする空気清浄装置(特開平6−296898号
公報)、気流中の微粒子に対して電荷を与えるアイオナ
イザー部と、荷電した粒子を静電力によって捕集する集
塵側電極と高圧側電極とを備えるコレクタ部とを有する
静電集塵装置であって、該高圧側電極が、体積固有抵抗
値が1010〜1013Ωcmのオーダーである吸湿樹脂か
らなる静電集塵装置(特開平8−71451号公報)、
吸湿性を有する樹脂と導電材とを配合した樹脂であっ
て、体積固有抵抗値が107Ωcmオーダー以下の樹脂
を用いて形成した樹脂電極を、静電集塵装置の高圧側電
極の対向電極およびアイオナイザー−コレクタ一体型静
電集塵装置の高圧側電極の対向電極とすること(特開平
8−227789号公報)等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の各提案、すなわ
ち、電極を特定の構造にしたり、電極材料を特定のもの
にすることにより、上記構成からなる従来の電極におけ
る上記の諸問題は相当に改良される。しかし、特に、上
記吸湿性を有する樹脂に導電材を配合して、体積固有抵
抗値が107 Ωcmオーダー以下の樹脂を用いて形成し
た樹脂電極を用いる場合は、該樹脂を射出成形する等し
て所望の各電極を得るので、重量の低減、荷電部や集塵
部の工程削減又は自由な形状での成形に効果が認められ
るが、一般的に知られた樹脂の射出成形時に成形品表面
に発生してしまう樹脂層、所謂スキン層の影響により、
吸湿性を有する樹脂を用いたり、それに導電材を配合し
てあったとしても、導電材等が殆ど含まれない高い抵抗
値を示すスキン層が成形時に形成され、形状等の条件に
よっては、成形された電極のスキン層や導電材等の含ま
れ方が均一にならず、その結果、表面抵抗値がばらつく
ために表面抵抗値が均一にできず、均一な電界を得るこ
とができない等、集塵効率が劣る場合が発生し易かっ
た。
【0006】又、電気集塵装置の電極を形成する場合
は、通風抵抗の低減や集塵面積の拡大を目的として、薄
板状の形状にすることが一般的であり、射出成形等によ
り薄板状に形状にする場合は、スキン層の不均一が更に
顕著となり、表面抵抗の不均一が実質使用困難な状況と
なることが多かった。更に、薄板状に電極を形成した場
合は、同重量%の難燃剤を付与した同一樹脂塊に比べ、
難燃性が劣る傾向がある、等の諸問題がある。
【0007】本発明は、集塵部と荷電部とを有する電気
集塵装置の該集塵部の高圧電極に体積固有抵抗値が10
10〜1013Ωcmの半絶縁性樹脂を用いる電気集塵装置
において、成形された電極の表面抵抗値が均一でなくて
も、又は、体積固有抵抗値が107 Ωcmオーダーを超
える樹脂材料により電極を成形しても、若しくは、体積
固有抵抗値が高い、一般的には絶縁性といわれる樹脂材
料により電極を成形しても、集塵効率に優れ、難燃性が
向上した空気清浄用電気集塵装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、集塵部の接地電極、更には荷電部の対向
電極を特定の体積固有抵抗値のものすることにより、本
発明の目的が達成できることを見出だして本発明に到達
した。
【0009】すなわち、本発明は、集塵部と荷電部とを
有する電気集塵装置の該集塵部の高圧電極に体積固有抵
抗値が1010〜1013Ωcmの半絶縁性樹脂を用いる電
気集塵装置において、該集塵部の接地電極が107 Ωc
mオーダー以下の体積固有抵抗値を示すことを特徴とす
る電気集塵装置を要旨とする。又、本発明の電気集塵装
置は、上記荷電部の対向電極が107 Ωcmオーダー以
下の体積固有抵抗値を示すことを特徴とする。又、本発
明の電気集塵装置は、上記荷電部の対向電極と上記集塵
部の接地電極とが一体となるように形成されたものであ
ることを特徴とする。又、本発明の電気集塵装置は、上
記対向電極と上記接地電極とが直交方向に交差し、一体
となるように形成されたものであることを特徴とする。
又、本発明の電気集塵装置は、上記集塵部の接地電極若
しくは上記荷電部の対向電極が、107 Ωcmオーダー
を超える体積固有抵抗値を有する材料に導電処理を施し
た材料からなることを特徴とする。又、本発明の電気集
塵装置は、上記集塵部の接地電極若しくは上記荷電部の
対向電極が、107 Ωcmオーダーを超える体積固有抵
抗値を有する材料から形成され、その表面に導電処理を
施したものからなることを特徴とする。又、本発明の電
気集塵装置は、上記導電処理がメッキ処理であることを
特徴とする。又、本発明の電気集塵装置は、上記メッキ
処理はその最外層をクロム層とすることを特徴とする。
又、本発明の電気集塵装置は、上記107 Ωcmオーダ
ーを超える体積固有抵抗値を有する材料が合成樹脂から
なることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の電気集塵装置は、集塵部
と荷電部とを有する電気集塵装置の該集塵部の高圧電極
に体積固有抵抗値が1010〜1013Ωcmの半絶縁性樹
脂を用いる電気集塵装置において、該集塵部の接地電極
が体積固有抵抗値が107 Ωcmオーダー以下であるこ
とを特徴とする。又、上記構成おいて、上記荷電部の対
向電極が上記集塵部の接地電極と同様に、体積固有抵抗
値が107 Ωcmオーダー以下であることが好ましい。
【0011】該集塵装置の具体例を、その最も好ましい
態様である図1で説明する。該集塵装置は、放電電極3
とその対向電極4とからなる荷電部1と、高圧電極6と
その接地電極5とからなる集塵部2とを有している。図
示するように、該集塵装置は、対向電極4と接地電極5
とが、一体に形成されているのが好ましく、更にそれら
対向電極4と接地電極5とが、直交方向に交差し、一体
に形成されているのが好ましい。対向電極4と接地電極
5とをこのように一体に形成することにより、集塵面積
を増大することができ、荷電粒子の捕集効率を向上する
ことができると共に、直交・一体化して共用される構成
になっているために、薄板状で対向・接地電極各々を形
成する場合は、対向電極4及び接地電極5の反り・撓み
等を相互に補強し合う形態となるので、特に好ましい。
図1では各電極が直方体になっているが、その形状は任
意であり、例えば、その図面で上下方向に湾曲した形状
のものとすることは自由である。なお、以上の部品によ
り本集塵装置として組み立てられる際には、対向電極4
の複数枚の板状突出部分は各放電電極3同志の間に挿入
されるように位置して荷電部1となり、接地電極5の複
数枚の板状突出部分は高圧電極6の複数の開口部に均等
間隔を以て挿入され集塵部2となることは無論のことで
ある。
【0012】本発明で集塵部の高圧電極に用いることが
できる体積固有抵抗値が1010〜1013Ωcmの半絶縁
性樹脂としては、吸湿性を有し、使用環境の温湿度にお
いて高電圧に対して108 〜1013Ωcm、好ましくは
1010〜1013Ωcmのオーダーの範囲にある体積固有
抵抗値を有する樹脂を使用することができる。このよう
な吸湿性を有する樹脂は、樹脂自体に吸湿性があり、上
記の体積固有抵抗値を有するものを用いることもできる
が、例えば熱可塑性樹脂のような基材樹脂に吸水性樹脂
を添加して吸湿性を付与した樹脂を用いることができ
る。このような樹脂は、樹脂中に配合された吸水性樹脂
により吸収された水分によって半絶縁性を示すものであ
り、吸水性樹脂の配合量を調整することによって、樹脂
の体積固有抵抗値を108 〜1013Ωcmのオーダーの
範囲となるように調製できる。一般に、吸水性樹脂の配
合量は樹脂の種類により異なるが、5〜50重量%であ
る。
【0013】基材樹脂としては、例えば、アクリル樹
脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂のような熱可塑性樹
脂があり、特に、ABS樹脂を用いると成形性、難燃
性、耐熱性、耐衝撃製の優れたものが得られ、又、製造
コストの面でも安価となる。又、樹脂自体が吸湿性を有
している基材樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン
樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。又、このような熱硬化
性樹脂の中でもフェノール樹脂を用いた場合には、所望
の抵抗値が得られ易く好ましい結果が得られる。一方、
混合する吸水性樹脂としては、アクリル酸塩系、ポバー
ル系、ポリアミド系等があり、吸水能、抵抗値の持続性
及び基材樹脂との相溶性等を考慮して選択される。な
お、このような吸湿性を有する樹脂としては、例えば、
エクセロイ(商品名、テクノポリマー社製)等の市販品
を使用することができる。
【0014】このような吸湿性を有する樹脂は、例え
ば、ABS樹脂に吸水性樹脂を添加した樹脂の場合で
は、十分乾燥した樹脂プレート(厚さ2mm)を、温度
70℃、湿度65%の恒温恒湿度槽内に48時間静置し
た後の吸湿量は乾燥樹脂に対して0.7〜1.5重量%
であり、この時通常の雰囲気に戻し一定時間(48時間
以上)放置した時の体積固有抵抗値は1010〜1013Ω
cmのオーダーを示した。又、フェノール樹脂の場合
は、体積固有抵抗値は1012〜1013Ωcmのオーダー
であった。
【0015】本発明での集塵部の接地電極、好ましく
は、更に放電部の対向電極は、107Ωcmオーダー以
下の体積固有抵抗値を示すものであるが、そのようなも
のとしては、体積固有抵抗値が107 Ωcmオーダー以
下のいかなる材料からなるもの、例えば金属製、合成樹
脂製等が挙げられるが、体積固有抵抗値が107 Ωcm
オーダーを超える材料に導電処理を施し、その体積固有
抵抗値を107 Ωcmオーダー以下にしたものからなる
のが望ましい。更に、体積固有抵抗値が107 Ωcmオ
ーダーを超える材料から成形され、かつその表面に導電
処理を施し、表面の体積固有抵抗値を107 Ωcmオー
ダー以下にしたものからなるものが特に好ましい。
【0016】体積固有抵抗値が107 Ωcmオーダーを
超える材料としては、成形性や比重の観点、又は、電気
集塵装置として組み立てた際に互いに各電極板を挿入す
る形で配置され、相対する半絶縁性樹脂からなる高圧電
極と成形時の抜き勾配を同じくして均一な電界を得やす
くするという観点から考えて、合成樹脂が好ましく、例
えば上記集塵部の高圧電極に用いることができる体積固
有抵抗値が1010〜1013Ωcmの半絶縁性樹脂を調製
する際に用いることができる熱可塑性樹脂からなる基材
樹脂、更にはこの樹脂と吸水性樹脂との混合物からなる
吸湿性を有する樹脂等が使用できる。
【0017】上記の吸湿性を有する樹脂は、例えば、A
BS樹脂に吸水性樹脂を添加した樹脂の場合では、十分
乾燥した樹脂プレート(厚さ2mm)を、温度70℃、
湿度65%の恒温恒湿度槽内に48時間静置した後の吸
湿量は乾燥樹脂に対して0.5〜1.5重量%であり、
通常の雰囲気で用いる集塵装置の場合には1.0〜1.
3重量%、特に湿度の高い雰囲気下で用いる場合で0.
5〜1.0重量%くらいの吸湿量を有する樹脂を用いる
ことが好ましい。又、吸湿性を有する樹脂を通常の雰囲
気下で一定時間(48時間以上)放置した時の体積固有
抵抗値は1010〜1013Ωcmのオーダーを示した。
【0018】上記体積固有抵抗値が107 Ωcmオーダ
ーを超える材料として好ましく使用することができる上
記の吸湿性を有する樹脂に施す導電処理としては、上記
の吸湿性を有する樹脂に導電材を配合することが挙げら
れる。配合する導電材としては、例えば、カーボンファ
イバーやカーボンブラック等のカーボン系物質、半導電
性又は導電性ウイスカー(例えば、チタン酸カリウム
等)、ステンレス鋼繊維、銅粉、銀粉等の金属系物質の
ような体積固有抵抗値が10-1Ωcmのオーダー以下の
導電性物質が挙げられる。これらは単独又は2種以上用
いることができる。これらの物質の内、カーボン系物質
や金属系物質が好ましく、特に繊維状の形態をしている
カーボンファイバー、ステンレス鋼繊維等がより少ない
量で所望の抵抗値を達成することができ好ましい結果が
得られる。
【0019】吸湿性を有する樹脂と導電材と配合した樹
脂を得るためには、例えば、ミキシングロール、バンバ
リーミキサー、連続ミキサー等を用い通常の方法により
上述の吸湿性を有する樹脂を溶融した状態で導電材と混
練することにより、又、基材樹脂、吸水性樹脂材及び導
電材を溶融混練することによって調製することができ
る。この場合、導電材の配合量は得られる樹脂に対して
10重量%以下であることが好ましく、配合量が多くな
ると耐衝撃性が低下する傾向が見られる。配合により得
られる樹脂の吸湿量は、前述の測定法で測定した場合、
一般に0.4〜1.5重量%であり、又、体積固有抵抗
値は107 Ωcmオーダー以下の値を示す。
【0020】又、上記体積固有抵抗値が107 Ωcmオ
ーダーを超える材料として好ましく使用することができ
る上記の基材樹脂から形成され、その表面に施す導電処
理としては、メッキ、導電性塗料の塗布、金属蒸着等に
よる処理が挙げられるが、特にメッキによる処理が好ま
しい。メッキは、電気メッキでも良く、無電解メッキで
も良い。メッキする金属としては、銅、クロム、コバル
ト、ニッケル、銀、金、白金等が一般的であり、メッキ
層は異種の金属層を積層した構成にしても良いが、耐オ
ゾン性の面から最外層はクロム層とするのが好ましい。
メッキ層の厚さは、耐久性の点からは厚い方が好ましい
が、通常は5μm以上、特に10〜50μmの範囲とす
るのが好ましい。なお、最外層をクロム層とする場合の
クロム層は、0.1μm以上の厚さがあれば良い。この
ようにしてその表面が導電処理された電極は、107 Ω
cmオーダー以下の体積固有抵抗値を示す。
【0021】本発明の装置における集塵部の接地電極及
び荷電部の対向電極、更には集塵部の高圧電極に難燃性
を付与するのが好ましく、該電極に難燃性を付与する方
法としては、該電極を形成する材料、特に合成樹脂に難
燃剤を配合することにより達成される。難燃剤として
は、該樹脂の種類に応じて選択する必要があって一概に
決められないが、例えば、該樹脂として、上記基材樹脂
として用いられることがあるABS樹脂を用いる場合、
テトラビスフェノールA(TBA)、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等
の含ハロゲン系の有機難燃剤が挙げられ、これらに三酸
化アンチモン等の無機系難燃剤を併用することができ
る。難燃剤の配合量は、一般に該樹脂100重量部当
り、25重量部以下である。該樹脂への難燃剤の配合
は、上記吸湿性を有する樹脂と導電材を配合する際等
に、難燃剤を同時に用いて行っても良い。
【0022】又、本発明における集塵部の接地電極及び
荷電部の対向電極に、前述の熱可塑性樹脂から電極を形
成した後に、表面に導電処理を施した電極への難燃性の
付与については、形成前の熱可塑性樹脂材料に前述と同
様の方法を採ることは無論のことである。更に、成形後
にメッキ層で金属被覆処理した場合は、メッキ層自体が
難燃性向上に貢献する波及効果を持つことも無論のこと
である。
【0023】本発明の電気集塵装置における放電極は、
図1に示すように線状でも良く、針状(図示しない。)
であっても良い。線状にする場合は、例えば、タングス
テン線、ピアノ線、ニクロム線、ステンレス鋼線等の金
属線に、金、白金等の貴金属をメッキ等、表面処理した
ものが一般的である。上記金属線は、線径が通常50μ
m以上、好ましくは50μm〜200μm程度である。
又、タングステン等を芯線として、ニッケルを圧接又は
メッキした後、線引き加工等により密着させたクラッド
線を使用することも可能である。針状にする場合は、上
記金属材料から平板を加工して、針状突起部としたもの
が挙げられる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 (実施例1)ABS樹脂に難燃剤としてのテトラビスフ
ェノールA(15重量%)を配合した樹脂組成物を調製
した。この樹脂組成物から、図1に示す対向電極4と接
地電極5が直交方向に交差した電極を射出成形法により
一体成形した。この一体成形した電極の表面に銅メッ
キ、ニッケルメッキ、クロムメッキをその順に行い、厚
さ35μm(クロムメッキ層0.3μm)のメッキ層を
形成させた。この電極を用いて、集塵部奥行長さ9m
m、集塵装置全体の奥行長さ32mmの図1に示す集塵
装置を作製した。なお、図1の高圧電極6は、上記吸水
性を有する樹脂(体積固有抵抗値は2×1010Ωcm;
上記と同じ試験法)を用いて作製した。この装置8を、
図4に示す試験装置の測定物取付部に取り付けた。試験
装置には、図4に示すように、粒径0.3μmのDOP
(ジオクチルフタレート)標準粒子を供給し、被測定集
塵装置8の前後には、それらの前後のDOP粒子数を測
定する粒子計数機A及び粒子計数機Bが設けられてい
る。集塵装置8の放電部の印加電流を250μA、集塵
部の印加電圧を4.2KV、通過風速を1m/秒とし
て、試験装置を稼働し、集塵装置8の集塵効率を測定し
た。試験を3回行った平均の集塵効率(η)は、64.
4%であった。なお、集塵効率(η)は、下記の式によ
り求めた。 η=(粒子計数機AのDOP粒子数−粒子計数機BのD
OP粒子数)×100/(粒子計数機AのDOP粒子
数)
【0025】(実施例2)ABS樹脂に吸水性樹脂を配
合した吸水性を有する樹脂に、導電材としてカーボンフ
ァイバー(6重量%)、難燃剤としてのテトラビスフェ
ノール(15重量%)を配合した樹脂組成物を調製し
た。組成物の体積固有抵抗値は1.9×106 Ωcm
(ASTM D257準拠;温度20℃、相対湿度50
%)である。この樹脂組成物から、実施例1と同様にし
て対向電極4及び接地電極5からなる電極を射出成形法
により一体成形した。この電極をメッキ処理せずに用い
て、実施例1と同様にして集塵装置を作製した。この集
塵装置の集塵効率を実施例と同様にして測定したとこ
ろ、51.5%であった。
【0026】実施例1及び実施例2の結果から、集塵部
の高圧電極に使用される体積固有抵抗値が1010〜10
13Ωcmの半絶縁性樹脂からなる前記基材樹脂を用いて
形成した対向電極4及び接地電極5からなる電極にメッ
キ処理した電極を用いた場合の方が、吸水性を有する樹
脂に導電材を配合した樹脂組成物を用いて形成した対向
電極4及び接地電極5からなる電極を用いた場合に比べ
て、より高い集塵効率を示しており、前者の方がより好
ましい態様であることが判る。
【0027】
【発明の効果】本発明の集塵装置は電極材料に樹脂を用
いていることから、金属製電極で発生するスパーク、放
電音を抑止し、成型加工により設計の自由度が増加して
任意形状の電極の作製を可能にする。電極成型において
細部にわたる成形条件の管理・調整を行なわなくとも、
電極を一体成型することができ、難燃性を向上すること
ができると共に、高い集塵効率を達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気集塵装置の一具体例における電極
の構成を分解して示す斜視図である。
【図2】従来の代表的な電気集塵装置の電極の構成を示
す側面図である。
【図3】従来の他の代表的な電気集塵装置の電極の構成
を示す斜視図である。
【図4】電気集塵装置の集塵効率を測定するための試験
装置の説明図である。
【符号の説明】
1 荷電部 2 集塵部 3 放電極 4 対向電極 5 接地電極 6 高圧電極 7 スペーサ 8 被測定集塵装置 9 ファンモータ 10 フィルタ 11 粒子計数機A 12 粒子計数機B
フロントページの続き (72)発明者 小野口 義和 東京都渋谷区広尾五丁目4番3号 ミドリ 安全株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集塵部と荷電部とを有する電気集塵装置
    の該集塵部の高圧電極に体積固有抵抗値が1010〜10
    13Ωcmの半絶縁性樹脂を用いる電気集塵装置におい
    て、該集塵部の接地電極が107 Ωcmオーダー以下の
    体積固有抵抗値を示すことを特徴とする電気集塵装置。
  2. 【請求項2】 上記荷電部の対向電極が107 Ωcmオ
    ーダー以下の体積固有抵抗値を示すことを特徴とする請
    求項1記載の電気集塵装置。
  3. 【請求項3】 上記荷電部の対向電極と上記集塵部の接
    地電極とが一体となるように形成されたものであること
    を特徴とする請求項2記載の電気集塵装置。
  4. 【請求項4】 上記対向電極と上記接地電極とが直交方
    向に交差し、一体となるように形成されたものであるこ
    とを特徴とする請求項3記載の電気集塵装置。
  5. 【請求項5】 上記集塵部の接地電極若しくは上記荷電
    部の対向電極が、107 Ωcmオーダーを超える体積固
    有抵抗値を有する材料に導電処理を施した材料からなる
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
    電気集塵装置。
  6. 【請求項6】 上記集塵部の接地電極若しくは上記荷電
    部の対向電極が、107 Ωcmオーダーを超える体積固
    有抵抗値を有する材料から形成され、その表面に導電処
    理を施したものからなることを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれかに記載の電気集塵装置。
  7. 【請求項7】 上記導電処理がメッキ処理であることを
    特徴とする請求項6記載の電気集塵装置。
  8. 【請求項8】 上記メッキ処理はその最外層をクロム層
    とすることを特徴とする請求項7記載の電気集塵装置。
  9. 【請求項9】 上記107 Ωcmオーダーを超える体積
    固有抵抗値を有する材料が合成樹脂からなることを特徴
    とする請求項5ないし8のいずれかに記載の電気集塵装
    置。
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