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JPH11142425A - 流速測定装置および超音波診断装置 - Google Patents

流速測定装置および超音波診断装置

Info

Publication number
JPH11142425A
JPH11142425A JP30669397A JP30669397A JPH11142425A JP H11142425 A JPH11142425 A JP H11142425A JP 30669397 A JP30669397 A JP 30669397A JP 30669397 A JP30669397 A JP 30669397A JP H11142425 A JPH11142425 A JP H11142425A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sampling
frequency
data
reflected wave
flow velocity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30669397A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Suzaki
寛則 須崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furuno Electric Co Ltd
Original Assignee
Furuno Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furuno Electric Co Ltd filed Critical Furuno Electric Co Ltd
Priority to JP30669397A priority Critical patent/JPH11142425A/ja
Publication of JPH11142425A publication Critical patent/JPH11142425A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Indicating Or Recording The Presence, Absence, Or Direction Of Movement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高周波の超音波を用いたドップラ流量計で、簡
略な回路で精度の高い信号処理を行う。 【解決手段】受信用トランスデューサ5は、流体で反射
した超音波信号(反射波信号)を受信する。この反射波
信号を高周波アンプ10で増幅し、注目領域のみをバン
ドパスフィルタ11で切り出したのち、A/Dコンバー
タ13でアンダーサンプリングする。たとえば、キャリ
ア周波数が998kHzで反射波信号のスペクトルが±
2kHzの範囲に納まる場合には、8kHzのサンプリ
ング周波数でアンダーサンプリングする。そうすること
により、複次の折り返し写像が0〜4kHzの範囲に形
成される(この場合、キャリア周波数は2kHzに転写
される)。これを切り出してDSP14に供給すること
により、ミキサを介したダウンコンバートを使用せず
に、直接サンプリングしてベースバンド付近にスペクト
ルを形成させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、超音波のドップ
ラ効果を用いて流体の流速を測定する流速測定装置、お
よび、超音波を用いて人体を診断する超音波診断装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】人工心肺装置には血液の供給量を測定す
るため血流計が設けられている。通常用いられる血流計
は、血液が流れるチューブに超音波を照射し、これが血
液で反射した反射波のドップラシフトによってその流速
を測定するものである。人工心肺装置においては、所定
の量の血液を正確に患者に供給する必要があるため、そ
の流量の測定には高い精度が要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】人工心肺装置では、血
液を定常流で供給する場合と、心臓の鼓動に似せた拍動
流で供給する場合があるが、ドップラシフト周波数を解
析するFFTのサンプリング時間を長くとった場合には
拍動流の時間に関して変化する流速を正確に測定するこ
とができず、FFTのサンプリング時間を短くとった場
合には定常流の流速を高精度で測定することができな
い。
【0004】また、血液等の流体の反射波を得るため、
流速計では数MHz程度の高い周波数を用いるが、この
周波数の信号を処理するために、従来は、ミキサを用い
たダウンコンバータが用いられていた。しかし、ミキサ
を用いた場合には、ノイズの混入や信号の減衰などが発
生し、測定精度が劣化するという問題点があった。ま
た、超音波を人体に照射し、その反射波によって人体を
診断する超音波診断装置が実用化されているが、この超
音波診断装置においても送信するキャリア信号として数
MHzの超音波を用いており、受信した反射波信号の処
理について同様の問題点があった。
【0005】この発明は、高い周波数を用いたドップラ
流速測定装置において、簡略な回路で高い周波数分解
能、および、時間分解能を実現することを目的とし、さ
らに、回路を簡略化してノイズなどの影響を除去した超
音波診断装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この出願の請求項1の発
明は、所定方向に流れる流体に対して斜めに設置された
送信用超音波振動子および受信用超音波振動子と、前記
送信用超音波振動子が送信した超音波信号の前記流体に
よる反射波信号を前記受信用超音波振動子で受信し、該
反射波信号のドップラシフト量によって前記流体の流速
を計測する手段と、を備えた流速測定装置において、前
記反射波信号をサンプリングするサンプリング手段と、
短時間のサンプリングデータを用いたフーリエ解析によ
って前記流速を求めるとともに、該解析の結果により前
記流速がほぼ一定であると判断されたとき、より長い時
間のサンプリングデータを用いたフーリエ解析によって
前記流速を求める解析手段と、を備えたことを特徴とす
る。
【0007】この出願の請求項2の発明は、前記解析手
段で求めた流速が前記所定方向に対して負値となったと
き、逆流であるとして警告を発する手段を備えたことを
特徴とする。
【0008】この出願の請求項3の発明は、前記解析手
段は、前記サンプリングデータ列に離散複素指数関数を
乗算することによって、前記反射波信号の中心周波数を
0ヘルツにシフトする周波数シフト手段と、前記シフト
されたサンプリングデータを所定のデシメイションレー
トで間引きしたデータを用いてフーリエ解析を実行する
手段と、を含むことを特徴とする。
【0009】この出願の請求項4の発明は、前記解析手
段は、フーリエ解析によって求められた離散スペクトル
を補間して真のピーク値を推定する補間手段を含むこと
を特徴とする。
【0010】この出願の請求項5の発明は、前記サンプ
リング手段を、前記反射波信号の周波数の2倍よりも低
い周波数で前記反射波信号をサンプリングし、該サンプ
リングによって生じた折り返し写像のうち、0ヘルツ付
近に生じた折り返し写像を切り出して前記解析手段に供
給する手段としたことを特徴とする。
【0011】この出願の請求項6発明は、請求項3の発
明において、前記サンプリング手段を、前記反射波信号
の中心周波数をサンプリング周波数の4分の1または4
分の3の周波数に変換するサンプリング周波数で前記反
射波信号をサンプリングする手段とし、前記周波数シフ
ト手段を、該サンプリングされたデータ列に対して、複
素単位乗数データ列を乗算することによって前記サンプ
リングデータ列の周波数スペクトルをシフトする手段と
したことを特徴とする。
【0012】ここで、上記複素単位乗数データ列は、複
素平面における単位円と実軸・虚軸との交点座標値を反
時計回りまたは時計回りに順次並べた数列であり、+1
→−j→−1→+j→の繰り返し、−j→−1→+j→
+1→の繰り返し、−1→+j→+1→−j→の繰り返
し、+j→+1→−j→−1→の繰り返し、または、+
1→+j→−1→−j→の繰り返し、+j→−1→−j
→+1→の繰り返し、−1→−j→+1→+j→の繰り
返し、−j→+1→+j→−1→の繰り返しのいずれか
からなる。
【0013】この出願の請求項7の発明は、請求項6の
発明において、サンプリングデータの帯域を制限するロ
ーパスフィルタの係数と、前記複素単位乗数データ列と
を乗算した係数をフィルタ係数として各タップに設定し
たFIRフィルタを設け、該FIRフィルタに順次入力
されるサンプリングデータが、4の倍数に設定されてい
るデシメイションレートだけ進む毎に、該FIRフィル
タの各タップ出力に対して前記フィルタ係数を乗算して
フィルタ出力データを出力する手段を設けたことを特徴
とする。
【0014】この出願の請求項8の発明は、前記サンプ
リング手段を、前記解析手段に対して、実数項および虚
数項からなるサンプリングデータを供給する手段とした
ことを特徴とする。
【0015】この出願の請求項9の発明は、人体に超音
波を照射し、その反射波を受信することで人体を診断す
る超音波診断装置において、受信した反射波信号をその
周波数の2倍よりも低い周波数でサンプリングし、該サ
ンプリングによって生じた折り返し写像のうち、0ヘル
ツ付近に生じた折り返し写像を切り出してサンプリング
データ列として出力するサンプリング手段と、該サンプ
リング手段から供給されたサンプリングデータ列を解析
することにより前記人体を診断する解析手段と、を備え
たことを特徴とする。
【0016】この出願の請求項10の発明は、請求項9
の発明において、前記サンプリング手段の前段に前記人
体に照射された超音波のキャリア周波数付近の周波数帯
域を遮断する帯域遮断フィルタを設けたことを特徴とす
る。
【0017】この出願の請求項11の発明は、請求項9
の発明において、前記解析手段は、前記サンプリングデ
ータ列に離散複素指数関数を乗算することによって、前
記反射波信号の中心周波数を0ヘルツにシフトする周波
数シフト手段と、前記シフトされたサンプリングデータ
を所定のデシメイションレートで間引きしたデータを用
いてフーリエ解析を実行する手段と、を含むことを特徴
とする。
【0018】この出願の請求項12の発明は、請求項9
の発明において、前記解析手段は、フーリエ解析によっ
て求められた離散スペクトルを補間して真のピーク値を
推定する補間手段を含むことを特徴とする。
【0019】この出願の請求項13の発明は、請求項9
の発明において、前記サンプリング手段を、前記反射波
信号の中心周波数をサンプリング周波数の4分の1また
は4分の3の周波数に変換するサンプリング周波数で前
記反射波信号をサンプリングする手段とし、前記周波数
シフト手段を、該サンプリングされたデータ列に対して
複素単位乗数データ列を乗算することによって前記サン
プリングデータ列の周波数スペクトルをシフトする手段
としたことを特徴とする。
【0020】この出願の請求項14の発明は、請求項1
3の発明において、フィルタ係数として、サンプリング
データの帯域を制限するローパスフィルタの係数と、前
記複素単位乗数データ列とを乗算した係数を各タップに
設定したFIRフィルタを設け、該FIRフィルタに順
次入力されるサンプリングデータが、4の倍数に設定さ
れているデシメイションレートだけ進む毎に、該FIR
フィルタの各タップ出力に対して前記フィルタ係数を乗
算してフィルタ出力データを出力する手段と、を設けた
ことを特徴とする。
【0021】上記発明において、短い時間のサンプリン
グデータでFFT(高速フーリエ解析)を実行すること
により、時間分解能の高い流速測定を行うことができ、
拍動流の流速を正確に測定することができるとともに、
逆流を迅速に検出することができる。一方、長い時間の
サンプリングデータでFFTを実行することにより、周
波数分解能の高い解析が可能になり、拍動流の平均流速
または定常流の流速を高精度で測定することができる。
【0022】この場合において、超音波を流体で反射さ
せるため数MHz程度の高い周波数の超音波を用いる。
このような高周波をサンプリングする場合、通常はミキ
サを用いてダウンコンバートするが、ダウンコンバート
によりノイズの発生や信号レベルの減衰などの問題が生
じる。これを解決するため、この発明では以下に示すよ
うに低い周波数でダイレクトにサンプリングし、折り返
し写像を利用することでダウンコンバートも同時に実現
している。
【0023】入力信号の2倍以下のサンプリング周波数
でA/D変化した場合、折り返し(エイリアシング:a
liasing)によって信号が重なり合ってしまう
が、ドップラ流速測定装置の反射波の場合、信号スペク
トルは送信信号のキャリア周波数付近のみに分布してお
り、サンプリング周波数等を適当に選択することによ
り、折り返しが生じてもスペクトルが分布している注目
領域同士が重なり合わなければ元の信号の再現が可能で
ある。したがって、反射波信号の帯域幅、反射波信号の
最高周波数およびサンプリング周波数を適当に選択する
ことにより、図1(A)に示すように、注目領域の折り
返し写像が重なり合わないようにすることができ、高周
波の反射波信号をミキサを用いて低い周波数にダウンコ
ンバートすることなく、低いサンプリング周波数で直接
サンプリングすることができる。さらに、このサンプリ
ングによって生じたベースバンド付近の折り返し写像を
切り出すことにより、高周波のスペクトルのダウンコン
バートを同時に実現することができる。
【0024】そして、このアンダーサンプリング行うサ
ンプリング周波数fsを、図1(B)に示すように、上
記注目領域の中心周波数fc(反射波信号の場合、送信
信号のキャリア周波数)がサンプリング後にfs/4ま
たは3fs/4となるような周波数に設定する。ただ
し、fs/2が前記注目領域の帯域幅B以上になるよう
にfsを設定する。
【0025】このようなサンプリング周波数fsで反射
波信号をサンプリングすると、中心周波数fcを挟んで
正負の範囲に周波数スペクトルが展開するが、スペクト
ル同士がエリアシングで重なり合うことがない。また、
このとき0Hz付近に生じる写像は1次写像とは限ら
ず、2次写像などの多次写像である可能性があるが、中
心周波数fcが事前に分かっているため、何次写像がど
の付近に生じるかを予測することができ、最も利用しや
すい0Hz付近の写像を用いることができる。
【0026】また、周波数分解能を高めるため、長い時
間のサンプリングデータでFFTを実行する場合、サン
プル点数が多くなりFFTの演算量が級数的に増加する
が、この発明では、サンプリング帯域内で反射波信号が
分布している周波数帯域が一部であることに着目し、サ
ンプリングデータを間引き(デシメイション)すること
によって、スペクトルを拡大し、サンプル点数を増加さ
せることなく、周波数分解能を向上している。このデシ
メイションに際しては、スペクトルの中心周波数fcを
0Hzまでシフトする必要がある。これらを簡略化する
具体的手法について以下説明する。
【0027】上記のように、サンプリング周波数fsで
サンプリングされ、中心周波数fcの離散時間データ列
となった信号は、
【0028】
【数1】
【0029】の指数関数列を乗算することによって中心
周波数fcが0Hz(DC)になるように周波数スペク
トルをシフトすることができる。すなわち、データ数列
x(n)のDFT変換から求まる周波数スペクトルが、
【0030】
【数2】
【0031】で求められるのに対し、データ数列x
(n)に離散複素指数関数c(n)を乗算した周波数ス
ペクトルXshift(k)が、
【0032】
【数3】
【0033】となることから周波数スペクトルX(k)
が周波数軸に沿ってシフトされていることが分かる。す
なわち、
【0034】
【数4】
【0035】によってスペクトルの注目領域の中心周波
数fcを周波数ゼロとするように、スペクトル全体を周
波数軸に沿ってシフトすることができる。
【0036】また、前記c(n)の指数部(−jΩ
c n)のnを、自然数Mを加算することによって(n+
M)に置き換えた場合、すなわち,離散複素指数関数を
M個シフトしてデータ数列に乗算した場合でも、
【0037】
【数5】
【0038】で明らかなように、周波数パワースペクト
ルはこのずれに影響されることなく同様にシフトされ
る。
【0039】そして、上述したようにサンプリング周波
数fsと注目領域の中心周波数fcが、fc=fs/4
またはfc=3fs/4となるような関係にサンプリン
グしていることにより、 Ωc =2π(fc/fs)=π/2 または、 Ωc =2π(fc/fs)=3π/2 となり、前記離散複素指数関数c(n)は、
【0040】
【数6】
【0041】となる。ここで、Ωc =π/2の場合を考
えると、任意の整数値nに対して、
【0042】
【数7】
【0043】となり、+1,−j,−1,+jの4種類
の値のみを取ることが分かる。
【0044】したがって、周波数スペクトルをシフトす
るために実際にx(n)とc(n)とを乗算する必要は
なく、単にデータ数列x(n)を4個周期に、c(n)
のnの値から簡単に割り出される+1,−j,−1,+
jを乗算した場合に合わせて正負符号制御および実数虚
数制御をするだけでよい。すなわち、c(n)がマイナ
ス符号の場合には符号反転計算のみを行い、c(n)が
実数の場合はx(n)の値を全て実数部として処理し、
c(n)が虚数の場合はx(n)の値を全て虚数部とし
て処理すればよい。なお、Ωc =3π/2の場合には、
Ωc =π/2の場合と逆回りになり、+1,+j,−
1,−jとなる。なお、+1→−j→−1→+jまたは
+1→+j→−1→−jの繰り返しの先頭は+1,+
j,−1,−jのうち任意のものでよい。
【0045】このように、fc=fs/2またはfc=
3fs/2となるようなサンプリング周波数fsでサン
プリングすることにより、サンプリングデータのサンプ
リング番号に基づいて符号制御および実数,虚数に割り
振るのみの処理で周波数スペクトルのシフトを行うこと
ができ、上記指数関数を実際に乗算して演算する必要が
なくなるため、処理を大幅に簡略化することができる。
【0046】そして、この処理により周波数シフトされ
たサンプリングデータ列は、実数部のみのデータと虚数
部のみのデータが交互に現れるため、後段のフィルタ演
算などの演算においては、実数部の演算・虚数部の演算
ともに通常の演算の1/2の演算量ですませることがで
きる。すなわち、実数部の演算は、+1または−1が乗
算されたサンプリングデータの実数部について行い、虚
数部の演算は、+jまたは−jが乗算されたサンプリン
グデータの虚数部について行えばよく、処理データ長の
半分のデータ長の演算処理部でこれを実現できる。
【0047】また、上記のように中心周波数を0にシフ
トしたことにより、サンプリングデータの間引き(デシ
メイション)によって、図1(D)に示すように、0H
z(DC)を中心とした周波数スペクトルの引き延ばし
が可能になる。サンプリングデータを間引きすることに
より、長時間のサンプリングデータを少ないサンプル点
(データ点数)で取り扱うことができる。
【0048】ここで、デシメイションによってスペクト
ルが拡大されることを数式で説明する。もとの離散数列
データをx(n)とし、この数列のD個毎を残してそれ
以外のデータをゼロに置き換えた数列をxp (n)、x
(n)またはxp (n)からD毎に取り出した、すなわ
ちデシメイションされた数列をxd (n)とする。
【0049】これらの数列xd (n)、x(n)、xp
(n)の関係は、 xd (n)=x(nD)=xp (nD) が成立し、それぞれのフーリエ変換をxd (Ω)、x
(Ω)、xp (Ω)とする。上記関係式を用いてx
d (n)のフーリエ変換を求めてみると、
【0050】
【数8】
【0051】が成立する。
【0052】さらに、周期Dのインパルス列p(n)
は、
【0053】
【数9】
【0054】であり、p(n)のフーリエ変換P(Ω)
は、
【0055】
【数10】
【0056】である。一方、p(n)は次式で与えら
れ、
【0057】
【数11】
【0058】このフーリエ変換変換は、
【0059】
【数12】
【0060】となるため、
【0061】
【数13】
【0062】が成立する。
【0063】このことから、
【0064】
【数14】
【0065】となり、スペクトルが周波数軸に関してD
倍に拡大されたことが分かる。
【0066】さらに、この発明では、デシメイションレ
ートとして4n(n:正の整数)を用い、このデシメイ
ションによって発生する折り返しスペクトルの重なり合
い(エリアシング)を防止するためのローパスフィルタ
であるFIRフィルタのフィルタ係数に対して上記周波
数シフトのための乗数である+1、−j、−1、+jま
たは+1、+j、−1、−jを予め乗算している。デシ
メイションレートが4nであるから、入力されるサンプ
リングデータ列が4n進む毎にフィルタ演算が行われ、
4個の周期で繰り返す+1、−j、−1、+jまたは+
1、+j、−1、−jの乗数と同期し、同じサンプリン
グデータには常に同じ乗数が乗算されることになるた
め、FIRフィルタに入力するまえにサンプリングデー
タにこの乗数を乗算しておかなくても、フィルタ演算に
おいて同時に上記周波数スペクトルのシフトを行うこと
ができる。さらに、上述したように乗数として+1、−
j、−1、+jまたは+1、+j、−1、−jを用いた
ことにより、サンプリングデータの実数部または虚数の
一方が必ず0となるため、0となるタップ(係数演算)
を省略することでフィルタ長を約1/2にすることがで
きる。
【0067】これにより、周波数シフト、FIRフィル
タ処理、およびデシメイションレート4nのデシメイシ
ョン処理を一括して実行することができるとともに、フ
ィルタ長を1/2にする(フィルタ演算量を1/2にす
る)ことができ、処理を大幅に簡略化することができ
る。
【0068】このようにして周波数分解能を向上して
も、FFTで求められるのは離散スペクトルであるが、
この離散スペクトルを補間して連続スペクトルの包絡線
を推定することにより、より精度の高いピーク周波数の
検出が可能になる。補間方式としては、たとえば、田部
井・上田法などを用いればよい。
【0069】一方、有限長のサンプリングデータを切り
出す場合、その周波数スペクトルを保存するためハニン
グ窓などの窓関数を乗じてデータの切り出しを行うこと
がよく行われるが、この窓関数の各関数列に対して周波
数スペクトルをシフトするための離散指数関数列c
(n)を予め乗算しておき、これをサンプリングされた
データ列x(n)に乗ずることにより、窓関数によるサ
ンプリングデータの切り出しと周波数スペクトルのシフ
トを同時に行うことができる。
【0070】さらに、この場合においても、図12に示
すように上記周波数スペクトルのシフトと同様にサンプ
リング周波数fsと注目領域の中心周波数fcが、fc
=fs/2またはfc=3fs/2となるような関係で
サンプリングすることにより、窓関数列に対して+1,
−j,−1,+jまたは+1,+j,−1,−jの乗数
データ列を乗算したものをデータ列に乗算するのみで、
簡略にサンプリングデータの切り出しと周波数スペクト
ルのシフトおよび必要であればスペクトルの反転を同時
に行うことができる。
【0071】
【発明の実施の形態】図2は、この発明の実施形態であ
るドップラ流量計のブロック図、図3は同ドップラ流量
計のトランスデューサ部の外観図、図4は同ドップラ流
量計の受信部のブロック図である。この流量計は、人工
心肺装置の血流を測定する血流量計などに適用されるも
のである。人工心肺装置は、血液を一定量ずつ定常流で
供給する場合や、実際の動脈流のように一定周期の拍動
流で供給する場合があり、血流量計はそのいずれの場合
でも正確な血流量を検出する必要がある。また、手術中
に血栓や接合部の異常などで血液が逆流する場合がある
が、これは患者の生命にかかわる事態であるため、いち
早くこれを検出する必要がある。この流量計はこのよう
な要求に応えたものである。
【0072】ドップラ流量計は、送信部1,受信部2お
よび制御部3からなっている。送信部1は、チューブ6
内を流れる流体(血液)に対して超音波を送信する送信
用トランスデューサ4を有している。また、受信部2
は、前記流体からの反射波信号を受信する受信用トラン
スデューサ5を有している。これらトランスデューサ
4,5は、それぞれ治具7,8により、チューブ6に対
して角度αで固定されている。この治具7,8の内部に
は超音波を減衰させないようにジェル状の物質が充填さ
れている。ドップラ流速計は、流体中の粒子で超音波を
反射させ、この反射波信号のドップラシフトによって流
速を計測するものであるため、超音波は1MHz程度の
高周波が使用される。
【0073】図4において、受信用トランスデューサ5
は、高周波アンプ10に接続されている。受信用トラン
スデューサ5が受信した反射波信号は、この高周波アン
プ10で増幅される。増幅された反射波信号は、バンド
パスフィルタ11に入力される。バンドパスフィルタ1
1はこの反射波信号のうち反射波信号のスペクトルが分
布する周波数帯域(注目領域)のみを通過させ、それ以
外の周波数領域のノイズを除去する。この注目領域以外
のノイズの除去は、後段のアンダーサンプリングにおい
て折り返しノイズによるスペクトルの破壊を防ぐために
必須である。ドップラ流量計の場合、上記注目領域(す
なわちバンドパスフィルタ11の透過帯域)は、2kH
z程度で十分である。この帯域幅についての詳細は後述
する。バンドパスフィルタ11によって帯域が制限され
た反射波信号はアンプ12によってサンプリング可能な
レベルまで増幅され、A/Dコンバータ13に入力され
る。
【0074】A/Dコンバータ13はこの反射波信号を
注目領域の帯域幅Δfの2倍以上のサンプリング周波数
fsでサンプリングする。このサンプリング周波数fs
は、キャリア周波数fcよりも低い周波数でもよい。こ
のサンプリング周波数fsとキャリア周波数fcおよび
帯域幅Δf(=B)との関係についての詳細は後述す
る。
【0075】このA/Dコンバータ13でアンダーサン
プリングされディジタルデータ(サンプリングデータ)
に変換された反射波信号はDSP14に入力される。D
SPはこのサンプリングデータをFFT解析してドップ
ラシフト周波数を割り出し、これに基づいて血液の流
速、流量を割り出す。上記A/Dコンバータ13として
は、サンプルホールド回路を内蔵した広帯域高速A/D
変換器(サンプリングA/D変換器)を用いればよい。
【0076】このように、入力信号周波数の250分の
1程度の周波数でサンプリングするアンダーサンプリン
グを用いることによって、フロントエンドのアナログ回
路を少なくして信号の歪みを少なくすることができる。
ミキサによるIFサンプリングによって発生する1/f
ノイズが少ない。ミキサによる信号のロス(通常−3d
B〜−7dB程度)がない。DCオフセットの誘導がな
い。ローカル周波数成分自身が他の回路に漏れる心配が
ない。サンプルデータの転送レートを遅くできる(バン
ド幅を狭くできる)。大容量のデータメモリが不要にな
る。DSPでデータを直接処理できるようになり、リア
ルタイム処理が容易になる。などの利点が生じる。
【0077】図3に示す構成で流体(血液)の流量を計
測する場合の各部の設定値の例を示す。まず、チューブ
6として外径約1cmの樹脂チューブを用いると、内径
は0.953cmであり、その断面積は0.713cm
2 である。この断面積にドップラシフト周波数から求め
た流速を乗算することにより、流量が計算される。たと
えば、100ml/minの流量を測定する場合、その
流速は2.34cm/secである。上記トランスデュ
ーサ4,5の角度αを45°とし、送信周波数を約1M
Hzとすると、上記流速に対応するドップラシフト周波
数は約22ヘルツである。この条件で、5ml/sec
の速度分解能を得るためには、ほぼ1ヘルツの周波数分
解能が要求される。
【0078】仮に、計測範囲を5ml/min〜100
0ml/minとし、送信周波数を1.0MHzとする
と、最大ドップラシフト周波数は±220ヘルツとな
る。
【0079】そこで、この実施形態では、図5に示すよ
うに、送信周波数から±2kHzの帯域を注目領域とし
て切り出すことにし、アンダーサンプリングの処理がし
易いように、送信周波数fc(注目領域の中心周波数)
を998kHzに設定した。すなわち、反射波信号の最
高周波数Fmaxを1000kHzまで許すことにし
た。
【0080】したがって、この実施形態では、上記条件
で送信キャリア周波数を998kHz、サンプリング周
波数を8kHzとしてアンダーサンプリングを行う。こ
のアンダーサンプリングでは、図5(B)に示すよう
に、N=Fmax/B=1000/4=250であり、
Nが偶数であるため、反転したスペクトルが周波数0〜
4kHzの間に現れる。
【0081】DSP14は、この0〜4kHzの間に現
れたスペクトルをFFTし、ドップラシフト周波数を解
析する。DSP14は、マイクロプログラムによって動
作するが、図6にDSP14の概略動作のフローチャー
トを示す。この動作は一定時間(約1秒)毎に繰り返し
実行される。まず、1024点のサンプリング点を切り
出してFFTを実行してスペクトル分布を求める(s
1)。サンプリング周波数fs=8kHzであるから、
1024点のサンプリング点は、0.128秒のサンプ
リング時間に相当し、周波数分解能は8000/102
4=7.8Hzとなる。前回,前々回など過去の解析結
果と比較してこの流れが定常流であるか拍動流であるか
を判断する(s2)。このとき、流れが逆流しているか
否かも同時に判断される。拍動流の場合には、流速の時
間変動が大きいため、これ以上の長いサンプリング時間
で解析しても正確な解析が不可能である。この場合には
s5に進み、前記解析で求められた離散スペクトルを補
間して実際のピークを推定する(s5)。この推定法と
しては、田部井・上田法などを適用すればよい。この補
間法を用いれば周波数分解能を10倍ないし(ノイズが
ない場合には)100倍程度に高めることができるた
め、1024点のサンプリング点によるFFTでも1H
z以下の周波数分解能を実現することができる。また、
スペクトルの中心等から平均ドップラ周波数を求めるこ
とも可能である。
【0082】一方、s2で定常流であると判断された場
合には、サンプリング点を8分の1に間引くデシメイシ
ョン処理を行う(s3)。このデシメイション処理を行
うためには、同時に注目領域の中心周波数を2kHzか
ら0Hzにシフトするデモジュレイション処理およびス
ペクトルが分布している周波数帯域以外のノイズ成分を
除去するローパスフィルタ処理を同時に行う必要があ
る。このDSP14ではこれらの処理をFIRフィルタ
で一括して行うようにしている。これらについての詳細
は後述する。このデシメイション処理ののち1024点
のFFTを実行し、0.98Hzの周波数分解能でスペ
クトル分布を求める(s4)。すなわち、1024点で
あっても8倍のデシメイションによってサンプリング時
間が1.024秒に長くなっているため、上記周波数分
解能を得ることができる。
【0083】そして、さらにこのスペクトル分布を補間
し(s5)、0.1Hz以下の周波数分解能でドップラ
シフト周波数を求める。
【0084】ドップラシフト周波数を求めたのち、流速
および流体(血液)の流量を算出する(s6,s7)。
【0085】一方、s2で周波数スペクトルの分布が明
らかに負であった場合には、逆流していると判断してア
ラームを発する(s8)。アラームとしては、音響的な
ものでも表示的なものでもよく、これらを併用してもよ
い。
【0086】ここで、上記デシメイション処理について
詳述する。8kHzのサンプリング周波数で約1秒間の
サンプリング時間のFFTを行おうとすれば、約800
0点のサンプリング点についてFFTを行う必要があ
り、演算量が膨大になるため実際的ではない。しかし、
反射波信号のスペクトル分布はサンプリング周波数に比
べて狭帯域であることが分かっているため、実際にスペ
クトルが分布している領域のみを拡大(ズーミング)し
て8192点FFTと同じ周波数分解能を保ちながらよ
り少ない点数のFFTを実行する。
【0087】デシメイション(decimation)
によってFFT点数を下げると、ゼロ周波数を中心にス
ペクトルが拡大される。このため、ドップラシフトのゼ
ロ周波数に対応する2.0kHzをスペクトルのゼロ周
波数に平行移動(周波数シフト)しておき、これをデシ
メイションすれば、ドップラシフト成分が拡大されるこ
とが分かる。一方、6kHzの周波数シフトを行えば元
のスペクトルから反転していない写像をゼロ周波数にシ
フトすることができ、スペクトルの反転をシフトによっ
て修正することができる。なお、周波数スペクトルが反
転していても、DSP14の演算において周波数の±を
反転することによって容易にこれを修正することができ
る。
【0088】DSP14において、周波数スペクトルを
ズーミングする処理の機能ブロックを図7に示す。ま
た、この機能ブロックによってスペクトルがどのように
変換されるかを図8に示す。
【0089】図7において、ミキサ20においてサンプ
リングデータ列に、〔数1〕の複素関数列を乗算する。
これにより、同図(A)のように注目領域の中心周波数
が0Hzにシフトされる。そして、このデータ列からロ
ーパスフィルタ21によってスペクトル分布領域以外を
カットする。これによって、図8(B)のように反転し
たスペクトルがカットされ、複素数で表されたスペクト
ル分布と同様になる。次に、デシメイション処理22に
よりサンプリング周波数fsによってサンプリングされ
たデータ数列をx(nこのサンプリングデータから8個
毎にデータを取り出す。すなわち、8192個のデータ
から1024個のデータを取り出す。これにより、同図
(C)に示すようにスペクトルが8倍に伸長される。こ
の伸張されたデータを用いてFFT23を実行する。
【0090】ここで、実際には、DSP14はデモジュ
レーション、フィルタリング、デシメイションを図7に
示すように順次行うのではなく、これらをFIRフィル
タを用いて一括して行っている。以下、この簡略化され
た演算処理方式について説明する。
【0091】サンプリング周波数fsによってA/D変
換されたデータ数列x(n)から得られる周波数スペク
トルの注目領域(スペクトルが展開している周波数帯)
を拡大するためにデシメイション処理を行う。
【0092】このデシメイション処理を可能にするため
に前記注目領域の中心周波数(2kHz)をゼロ周波数
(DC)にシフトする。すなわち、周波数軸に対してス
ペクトルを並行移動する。この操作は、上述したよう
に、前記サンプリングデータ数列x(n)の各データに
対して離散複数指数関数列c(n)を乗算することによ
って行う。
【0093】サンプリング周波数8kHzでサンプリン
グされ、中心周波数2kHzの離散時間データ列となっ
た信号に対して、〔数7〕の指数関数列を乗算すること
によって中心周波数2kHzが0(DC)になるように
周波数スペクトルをシフトする。この離散複素指数関数
列は、複素単位乗数データ列(+1、−j、−1、+j
または+1、+j、−1、−jの任意の値から開始する
数列)の4種類の値のみを取るから、実際の処理では乗
算を行う必要がなく、c(n)がマイナス符号の場合に
は符号反転計算のみを行い、c(n)が実数の場合はx
(n)の値を全て実数部とし、c(n)が虚数の場合は
x(n)の値を全て虚数部とするのみである。
【0094】図9は、A/Dデータバッファx(n)か
ら複素数バッファX(n)への転記方式を説明する図で
ある。A/Dデータバッファx(n)は、アンダーサン
プリングされたサンプリングデータ(A/Dデータ)列
を記憶するバッファであり、複素数バッファX(n)
は、中心周波数=0に周波数スペクトルシフトされた虚
数部を含むサンプリングデータ列を記憶するバッファで
ある。
【0095】この図において、x(0)はそのままX
(0)の実数部に転記され、X(0)の虚数部には0が
書き込まれている。x(1)は正負の符号を反転された
のちX(1)の虚数部に転記され、X(1)の実数部に
は0が書き込まれている。x(2)は正負の符号を反転
されたのちX(2)の実数部に転記され、X(2)の虚
数部には0が書き込まれている。x(3)はそのままX
(3)の虚数部に転記され、X(3)の実数部には0が
書き込まれている。このように、離散複素指数関数の演
算結果を複素単位乗数データ列(+1、−j、−1、+
jまたは+1、+j、−1、−jの任意の値から開始す
る数列)の値にしたがって順次符号反転および転記を繰
り返すのみでこの周波数シフトを行うことができ、指数
関数を実際に乗算して演算する必要がなくなり、処理を
大幅に簡略化することができる。
【0096】さらに、前記複素数バッファX(n)の実
数部Real(n)、Imaginary(n)のうち
一方は必ず0であるため、上記規則に基づいて0になる
側が分かっていれば0を記憶するバッファを省略してバ
ッファの記憶領域を実質的に半分にすることができる。
【0097】このように処理が簡略化されたとはいえ、
連続波ドップラシモード時にFFT処理のたびにデシメ
イション前のA/D変換データ全点数Nの周波数スペク
トルシフト計算を行うことは、そのデータ点数が多いこ
とから処理に時間が掛かる。たとえば、FFT点数10
24、デシメイションレート8とするとNは8192と
なる。
【0098】また、スペクトル帯域を限定するためのフ
ィルタとしてFIRフィルタが一般的に用いられるが、
サンプリングデータx(n)の全てにFIRフィルタリ
ング処理をしても、そのうちデシメイションレートDの
デシメイションによって選択される1/Dのデータしか
使用されないため無駄である(なお、この説明における
x(n)は、上記周波数シフトされたX(n)を表すも
のとする。)。このため、各データ毎にフィルタリング
処理をせず、デシメイションによって破棄されるデータ
をスキップし、D番目のデータ毎にフィルタ処理をする
ようにする。この破棄されるデータをスキップするFI
Rフィルタ処理をブロック図で示すと図10のようにな
る。この図において左端の入力端から1データずつ連続
して入力されるサンプリングデータx(n)のうち、デ
シメイションによって選択されたデータx(Dn)が入
力されたときのみ、FIRフィルタが機能し、各タップ
の演算部はフィルタ係数を乗算したデータを出力する。
これらのデータを加算すればフィルタリングされたx
(Dn)のデータを得ることができる。デシメイション
によって破棄されるデータが入力端から入力された場合
には上段の遅延回路(シフトレジスタ)のみ機能し、各
タップの演算部の動作を休止させていればよい。これに
よって、フィルタリングとデシメイションを同時に行う
ことができる。
【0099】ここで、FIRフィルタは、x(n)の実
数部および虚数部に対応して2系統が必要であるが、x
(n)の各項はそれぞれ実数部または虚数部のみ有意な
値をもち他方は0である(図9参照)。したがって、D
が2の倍数であればFIRフィルタから値を出力すると
きに、有意な実数部と有意な虚数部が与えられるフィル
タ係数、および、0である実数部と0である虚数部が与
えられるフィルタ係数は決まっている。したがって、D
を2の倍数になるように設定すれば、必ず0が与えられ
るフィルタ係数およびその演算処理を省略することがで
きる。
【0100】さらに、上述したように周波数シフトは、
入力されたサンプリングデータを実数部または虚数部に
転記するとともにその符号を制御する処理であり、4デ
ータ毎に、(+1,−j,−1,+j)または(+1、
+j、−1、−j)の処理を繰り返し行うものである。
そこで、この実数部または虚数部として取り出す処理お
よび正負符号をフィルタ係数として内蔵することによ
り、周波数シフト、フィルタリング、デシメイションを
同時に処理することができる。
【0101】図11に周波数シフト、フィルタリング、
デシメイションの一括処理であるFFT前処理プロセス
のブロック図を示す。この図は、フィルタ長が奇数であ
り、且つ、(L+1)/2が偶数の場合を示している。
この処理の条件としてデシメイションレートDが周波数
シフト処理の繰り返しステップである4の倍数であるこ
とが要求される。デシメイションによってD個に1個の
割合で選択されるデータx(Dn)が入力されたとき、
このx(Dn)からフィルタ長だけ逆上ったデータx
(Dn−(L−1))までのデータに対して、フィルタ
係数h(0),h(1),−h(2),−h(3),…
…,−h(L−1)を乗算し、x(Dn)・h(0)+
x(Dn−2)・(−h(2))+……+x(Dn(L
−1))・(−h(L−1))をフィルタ出力の実数部
として出力する。且つ、x(Dn−1)・h(1)+x
(Dn−3)・(−h(3))+……+x(Dn(L−
1))・h(L−1)をフィルタ出力の虚数部として出
力する。これにより、周波数シフトおよびフィルタリン
グを同時に行うことができる。そして、A/Dデータが
Dだけ進み、次の選択データx(D(n+1))が入力
されたとき同様の処理を行う。このD毎の処理によりデ
シメイションが実行される。このように、A/Dデータ
を1データずつ進め、デシメイションにより選択される
データが入力されたとき、フィルタリングおよび周波数
シフトを一気に行うようにしたことにより、処理が簡略
化されるとともに、無駄な演算処理を全く行うことがな
いため、演算所要時間を大きく短縮することができる。
【0102】なお、上述したようにこの例では、フィル
タ長が奇数であり、且つ、(L+1)/2が偶数の場合
を示しているが、(L+1)/2が奇数の場合でも、ま
た、フィルタ長が偶数でL/2が奇数・偶数の場合でも
同様に処理することが可能である。
【0103】なお、この実施形態は血流などチューブ内
を流れる流体の速度を計測するドップラ流速計について
したが、この発明は、このような流速計のみならず、一
定方向に流れるものであれば、どのようなものにでも適
用することができる。さらに、負の周波数検出も可能で
あるため、両方向の流速についても計測することができ
る。
【0104】なお、上記実施形態では、DSP14の周
波数シフト処理に至るまでは実数値データのみで処理す
るようにしているが、事前に反射波信号を複素数信号
(I信号,Q信号)に分離するようにしてもよい。どの
段階で分離するかは任意である。図13(A)のように
ミキサでダウンコンバートする時点で乗算するローカル
信号の位相をπ/2シフトすることによって分離しても
よい。また、同図(B)のようにサンプリングしたのち
DSP14においてフィルタ(バンドパスフィルタとヒ
ルベルトフィルタ)で分離するようにしてもよい。
【0105】上記のように2個のミキサを用いてI,Q
信号に分離する直交検波を行う回路においてもアンダー
サンプリングを適用することができる。
【0106】さらに、1チャンネルのアンダーサンプリ
ングした信号からI,Q信号の分離をディジタルフィル
タまたはDSPで実現すると、I,Q間のミスマッチが
ない。出力振幅の不均一さがない。I,Q間のπ/2位
相シフトの変動による位相ずれを無視できる。2個のA
/D変換器間の同期を全く考慮せずに実現することがで
きる。1個のA/D変換器のみで実現が可能になる。
I,Q間の振幅ミスマッチが全くなく、位相ずれも全く
生じない。などの利点が生じる。
【0107】図14は、この出願の第2の実施形態であ
る超音波診断装置の概略のブロック図である。超音波診
断装置は、プローブに設けられた超音波振動子エレメン
トから超音波キャリア信号を送信し、この超音波キャリ
ア信号が人体の各部で反射した信号を前記超音波振動子
エレメントで受信する。この反射波信号を解析すること
によって人体内部の状態を画像または音響信号として出
力する。送信される超音波キャリア信号は数メガヘルツ
の信号である。なお、この図には受信部の構成のみ示し
ている。
【0108】各超音波振動子エレメント31には高周波
アンプ32およびディレイ33が接続されている。高周
波アンプ32は受信した反射波信号を増幅する。ディレ
イ33は各超音波振動子エレメント31が受信した信号
の位相をそろえてビームを形成する。各超音波振動子エ
レメント31に対応するディレイ33から出力された反
射波信号は加算器34によって加算される。加算された
反射波信号はプローブに対して所定方向の指向性をもっ
た信号になっている。この反射波信号は図15に示すよ
うにキャリア周波数付近に極めて高いピークを有し、診
断すべき血流などからの反射波信号スペクトルとは約1
00dBのレベル差がある。そこで、この信号をノッチ
フィルタ35によってキャリア周波数付近の信号成分を
除去する。こののち、A/Dコンバータ35でサンプリ
ングし、ディジタルデータ列に変換する。このA/Dコ
ンバータ35においても、上記第1の実施形態と同様に
アンダーサンプリングを行う。上記第1の実施形態と同
様の条件で動作させる場合には、図5に示したように、
キャリア周波数を998kHzに設定し、8kHzでサ
ンプリングすればよい。そうすることにより、0〜4k
Hzの周波数帯に反転した折り返し写像が現れ、これを
サンプリングデータとして使用することができる。サン
プリングされたデータは、バンドパスフィルタ(BP
F)37およびヒルベルトフィルタ38により、実数値
データIおよび虚数値データQに分離される。分離され
た複素データは、画像処理部40およびDSP50に入
力される。
【0109】画像処理部40はスキャンした信号を2次
元の画像に加工してモニタ44に表示する処理部であ
り、通常のスキャン画像であるBモード画像44aやス
キャンされている平面の拍動状態を色によって表現する
カラーフロー画像44dなどを作成する。作成された画
像データはスキャンコンバータ41→カラープロセッサ
42→D/Aコンバータ43を介してモニタ44に入力
される。
【0110】一方、DSP50では、上記DSP14と
同様の処理を行う。すなわち、入力されたI,Qデータ
をデモジュレーション51することによって中心周波数
0Hzにシフトし、LPF52によって帯域を制限した
のち、デシメイション53によってサンプル点数を減ら
したのち周波数分解能を高めてFFT54を実行する。
これにより、注目領域である血流によってドップラシフ
トされた周波数帯域のみを拡大して高精度に血流状態を
割り出すことができる。この場合において、図9〜図1
2に示した一括処理方式を適用することができる。さら
に、補間処理によってFFTによる離散スペクトルの1
0〜100倍の周波数分解能を得ることができる。この
データはスキャンコンバータ41に入力される。このデ
ータは、Mモードドプラ画像44bやスペクトルドプラ
画像44cとしてモニタ44に表示される。なお、各画
像44a〜44dはモード切り換えにより、いずれか1
つがモニタ44に表示される。なお、このDSP50は
パルスドプラモードにおいても連続波ドプラモードにお
いても使用することができる。一方、デシメイションさ
れたデータはオーディオ処理部に入力される。オーディ
オ処理部55では、正の周波数成分すなわち接近側のデ
ータのうち可聴帯域のみを切り出して右(左)チャンネ
ルのオーディオ信号として出力し、負の周波数成分すな
わち遠ざかる側のデータのうち可聴帯域のみを切り出し
て左(右)チャンネルのオーディオ信号として出力す
る。出力されたデータはD/Aコンバータ56でアナロ
グのオーディオ信号に変換され、アンプ57を介してス
テレオスピーカまたはステレオヘッドホン58に出力さ
れる。診断をする者は、このオーディオ信号の音質や音
の左右の定位により、拍動の強さや方向を判断すること
ができ視覚に加えて聴覚的な診断をすることができる。
【0111】このようにこの超音波診断装置では、受信
した反射波信号をミキサでダウンコンバートすることな
く、直接サンプリング(A/D変換)しているため、ノ
イズの混入や信号の減衰を来すことがない。また、A/
D変換直後にI,Q分離をしてしているため、これをそ
のままオーディオ信号化することができ、回路を簡略化
することができる。
【0112】なお、高速広帯域で高ダイナミックレンジ
(多ビット)のA/D変換器を用いる場合には、微弱な
目的信号(血流によるドップラシフト信号)でも一様に
A/D変換することが可能であるため、ノッチフィルタ
を介さずにキャリア周波数に高いピークを有する反射波
信号をそのままA/D変換してもよい。
【0113】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、短いサンプリ
ング時間で流速を求めることにより、拍動流や逆流を精
度良く測定することができるとともに、定常流であると
判定されたときは長いサンプリング時間で流速を求める
ため、時間分解能と速度分解能を両立させることができ
る。
【0114】請求項2の発明によれば、求められた流速
が負で逆流と判定したとき警告を発することにより、こ
の流速測定装置を人工心肺装置などに用いた場合に迅速
な対応が可能になる。
【0115】請求項3の発明によれば、デシメイション
によりサンプル点数を少なくして長いサンプリング時間
の解析を行うことにより、演算量を増やすことなく速度
分解能を向上することができる。
【0116】請求項4の発明によれば、補間することに
よって真のピーク値を推定することにより、離散スペク
トルのみによる場合の10倍〜100倍の周波数分解能
を実現することができる。
【0117】請求項5の発明によれば、反射波信号の2
倍よりも低い周波数のサンプリング周波数でサンプリン
グ(アンダーサンプリング)することにより、ミキサで
ローカル信号と乗算するダウンコンバートが不要にな
り、ノイズの混入や信号の減衰を防止し、直接ベースバ
ンド付近の折り返し写像を用いることができる。
【0118】請求項6の発明によれば、上記デシメイシ
ョンのための周波数シフトを1,j,−1,−jの簡略
な乗算で行うことができるため、演算量を少なくし処理
速度を向上することができる。
【0119】請求項7の発明によれば、上記周波数スペ
クトルのシフト、周波数帯域の制限、デシメイションを
FIRフィルタのフィルタ係数に入れ込むことによって
一括した処理で行うことができるため、周波数スペクト
ルを有する信号の処理工程を簡略化することができる。
【0120】請求項8の発明によれば、解析手段に対し
て実数値,虚数値からなる複素数データを供給すること
により、負側のスペクトルを含むベースバンドのデータ
として処理することができる。
【0121】請求項9の発明によれば、反射波信号の2
倍よりも低い周波数のサンプリング周波数でサンプリン
グ(アンダーサンプリング)することにより、ミキサで
ローカル信号と乗算するダウンコンバートが不要にな
り、ノイズの混入や信号の減衰を防止し、直接ベースバ
ンド付近の折り返し写像を用いることができる。
【0122】請求項10の発明によれば、帯域遮断フィ
ルタによってキャリア成分を除去することにより、微弱
な反射信号を大きなレベルでディジタル化することがで
き精度の高い解析が可能になる。
【0123】請求項11の発明によれば、デシメイショ
ンによりサンプル点数を少なくして長いサンプリング時
間の解析を行うことにより、演算量を増やすことなく速
度分解能を向上することができる。
【0124】請求項12の発明によれば、補間すること
によって真のピーク値を推定することにより、離散スペ
クトルのみによる場合の10倍〜100倍の周波数分解
能を実現することができる。
【0125】請求項13の発明によれば、上記デシメイ
ションのための周波数シフトを1,j,−1,−jの簡
略な乗算で行うことができるため、演算量を少なくし処
理速度を向上することができる。
【0126】請求項14の発明によれば、上記周波数ス
ペクトルのシフト、周波数帯域の制限、デシメイション
をFIRフィルタのフィルタ係数に入れ込むことによっ
て一括した処理で行うことができるため、周波数スペク
トルを有する信号の処理工程を簡略化することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明における信号処理方式を説明する図で
ある。
【図2】この発明の実施形態であるドップラ流速計の概
略構成図である。
【図3】同ドップラ流速計のトランスデューサ付近の構
造図である。
【図4】同ドップラ流速計の受信部の構成を示す図であ
る。
【図5】同ドップラ流速計における反射波信号の処理方
式を説明する図である。
【図6】同ドップラ流速計のDSPの動作を示すフロー
チャートである。
【図7】同DSPの機能ブロック図である。
【図8】同DSPが処理するサンプリングデータのスペ
クトルの変換を説明する図である。
【図9】前記DSPにおける周波数シフト処理を示すブ
ロック図である。
【図10】前記DSPにおいて周波数シフト、FIRフ
ィルタ、デシメイションを同時に行うFFT前処理を示
すブロック図である。
【図11】同FFT前処理における入力信号に対する処
理方式を説明するブロック図である。
【図12】窓関数の乗算と周波数シフト処理を同時に行
う場合の処理ブロックを示す図である。
【図13】反射波信号をI,Qに分離する場合の受信部
の構成を示す図である。
【図14】この発明の他の実施形態である超音波診断装
置の概略ブロック図である。
【図15】同超音波診断装置が受信する反射波信号の周
波数スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1…送信部、2…受信部、3…制御部、4…送信用トラ
ンスデューサ、5…受信用トランスデューサ、6…(血
液が流れる)チューブ、7,8…(トランスデューサを
支持する)治具、10…高周波アンプ、11…バンドパ
スフィルタ、13…A/Dコンバータ、14…DSP、
31…超音波振動子エレメント、35…ノッチフィル
タ、36…A/Dコンバータ、37…バンドパスフィル
タ、38…ヒルベルトフィルタ、50…DSP

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定方向に流れる流体に対して斜めに設
    置された送信用超音波振動子および受信用超音波振動子
    と、前記送信用超音波振動子が送信した超音波信号の前
    記流体による反射波信号を前記受信用超音波振動子で受
    信し、該反射波信号のドップラシフト量によって前記流
    体の流速を計測する手段と、を備えた流速測定装置にお
    いて、 前記反射波信号をサンプリングするサンプリング手段
    と、 短時間のサンプリングデータを用いたフーリエ解析によ
    って前記流速を求めるとともに、該解析の結果により前
    記流速がほぼ一定であると判断されたとき、より長い時
    間のサンプリングデータを用いたフーリエ解析によって
    前記流速を求める解析手段と、 を備えたことを特徴とする流速測定装置。
  2. 【請求項2】 前記解析手段で求めた流速が前記所定方
    向に対して負値となったとき、逆流であるとして警告を
    発する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の
    流速測定装置。
  3. 【請求項3】 前記解析手段は、前記サンプリングデー
    タ列に離散複素指数関数を乗算することによって、前記
    反射波信号の中心周波数を0ヘルツにシフトする周波数
    シフト手段と、 前記シフトされたサンプリングデータを所定のデシメイ
    ションレートで間引きしたデータを用いてフーリエ解析
    を実行する手段と、 を含む請求項1に記載の流速測定装置。
  4. 【請求項4】 前記解析手段は、フーリエ解析によって
    求められた離散スペクトルを補間して真のピーク値を推
    定する補間手段を含む請求項1に記載の流速測定装置。
  5. 【請求項5】 前記サンプリング手段は、前記反射波信
    号の周波数の2倍よりも低い周波数で前記反射波信号を
    サンプリングし、該サンプリングによって生じた折り返
    し写像のうち、0ヘルツ付近に生じた折り返し写像を切
    り出して前記解析手段に供給する手段である請求項1に
    記載の流速測定装置。
  6. 【請求項6】 前記サンプリング手段は、前記反射波信
    号の中心周波数をサンプリング周波数の4分の1または
    4分の3の周波数に変換するサンプリング周波数で前記
    反射波信号をサンプリングする手段であり、 前記周波数シフト手段は、該サンプリングされたデータ
    列に対して、+1、−j、−1、+jの数列の任意の値
    から開始する繰り返しまたは+1、+j、−1、−jの
    数列の任意の値から開始する繰り返しからなる乗数デー
    タ列(以下「複素単位乗数データ列」という。)を乗算
    することによって前記サンプリングデータ列の周波数ス
    ペクトルをシフトする手段である請求項3に記載の流速
    測定装置。
  7. 【請求項7】 サンプリングデータの帯域を制限するロ
    ーパスフィルタの係数と、前記複素単位乗数データ列と
    を乗算した係数をフィルタ係数として各タップに設定し
    たFIRフィルタを設け、 該FIRフィルタに順次入力されるサンプリングデータ
    が、4の倍数に設定されているデシメイションレートだ
    け進む毎に、該FIRフィルタの各タップ出力に対して
    前記フィルタ係数を乗算してフィルタ出力データを出力
    する手段と、 を設けたことを特徴とする請求項6に記載の流速測定装
    置。
  8. 【請求項8】 前記サンプリング手段は、前記解析手段
    に対して、実数項および虚数項からなるサンプリングデ
    ータを供給する手段である請求項1に記載の流速測定装
    置。
  9. 【請求項9】 人体に超音波を照射し、その反射波を受
    信することで人体を診断する超音波診断装置において、 受信した反射波信号をその周波数の2倍よりも低い周波
    数でサンプリングし、該サンプリングによって生じた折
    り返し写像のうち、0ヘルツ付近に生じた折り返し写像
    を切り出してサンプリングデータ列として出力するサン
    プリング手段と、 該サンプリング手段から供給されたサンプリングデータ
    列を解析することにより前記人体を診断する解析手段
    と、 を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  10. 【請求項10】 前記サンプリング手段の前段に前記人
    体に照射された超音波のキャリア周波数付近の周波数帯
    域を遮断する帯域遮断フィルタを設けたことを特徴とす
    る請求項9に記載の超音波診断装置。
  11. 【請求項11】 前記解析手段は、前記サンプリングデ
    ータ列に離散複素指数関数を乗算することによって、前
    記反射波信号の中心周波数を0ヘルツにシフトする周波
    数シフト手段と、 前記シフトされたサンプリングデータを所定のデシメイ
    ションレートで間引きしたデータを用いてフーリエ解析
    を実行する手段と、 を含む請求項9に記載の超音波診断装置。
  12. 【請求項12】 前記解析手段は、フーリエ解析によっ
    て求められた離散スペクトルを補間して真のピーク値を
    推定する補間手段を含む請求項9に記載の超音波診断装
    置。
  13. 【請求項13】 前記サンプリング手段は、前記反射波
    信号の中心周波数をサンプリング周波数の4分の1また
    は4分の3の周波数に変換するサンプリング周波数で前
    記反射波信号をサンプリングする手段であり、 前記周波数シフト手段は、該サンプリングされたデータ
    列に対して複素単位乗数データ列を乗算することによっ
    て前記サンプリングデータ列の周波数スペクトルをシフ
    トする手段である請求項9に記載の超音波診断装置。
  14. 【請求項14】 フィルタ係数として、サンプリングデ
    ータの帯域を制限するローパスフィルタの係数と、前記
    複素単位乗数データ列とを乗算した係数を各タップに設
    定したFIRフィルタを設け、 該FIRフィルタに順次入力されるサンプリングデータ
    が、4の倍数に設定されているデシメイションレートだ
    け進む毎に、該FIRフィルタの各タップ出力に対して
    前記フィルタ係数を乗算してフィルタ出力データを出力
    する手段と、 を設けたことを特徴とする請求項13に記載の超音波診
    断装置。
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