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JPH11136891A - マグネットロータ及びそれを備えた高出力交流機 - Google Patents

マグネットロータ及びそれを備えた高出力交流機

Info

Publication number
JPH11136891A
JPH11136891A JP9314574A JP31457497A JPH11136891A JP H11136891 A JPH11136891 A JP H11136891A JP 9314574 A JP9314574 A JP 9314574A JP 31457497 A JP31457497 A JP 31457497A JP H11136891 A JPH11136891 A JP H11136891A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
permanent magnet
magnet
back yoke
magnet rotor
rotor according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9314574A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Shiratori
悟 白鳥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Original Assignee
Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd filed Critical Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Priority to JP9314574A priority Critical patent/JPH11136891A/ja
Publication of JPH11136891A publication Critical patent/JPH11136891A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は,バックヨークと永久磁石との回転
ずれを防止してマグネットロータ及びそれを備えた高出
力交流機を提供する。 【解決手段】 マグネットロータ1は,バックヨーク3
の外周形状を六角形に形成し,バックヨーク3の取付面
4に永久磁石5を密着させて取り付けたので,高回転ト
ルクが作用する時でも,永久磁石5がバックヨーク3に
対して回転ずれを起こすことはない。バックヨーク3を
六角形に形成したので,N極・S極間の接触幅や漏れ磁
束を変えることなく,永久磁石5のみを中央部で肉厚化
でき,磁束密度が高くなって出力が増大する。永久磁石
5の外周面の段部12にスリーブ10を圧入したので,
マグネットロータ1を固定子11に組み込んだ場合に,
永久磁石5と固定子11との間隔を小さくでき,出力を
大幅に増大できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,回転軸にバック
ヨークを介して永久磁石を取り付けた回転子を構成する
マグネットロータ及びそれを備えた高出力交流機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来,回転軸に永久磁石を取り付けて回
転子とした発電機又は電動機の交流機は,高い出力を得
ることができ,簡単な構造であるということから,最
近,エンジンや工業用機器に多く使用されるようになっ
た。
【0003】ところで,従来の高出力交流発電機とし
て,図6及び図7に示すような構造を備えたものがあ
る。高出力交流発電機38は,ハウジング(図示せず)
に固定されたリング状の固定子39と,固定子39の中
心部に配置された回転子40とから構成されている。固
定子39はハウジングに固定されるリング部41と,リ
ング部41の周方向に隔置して半径方向内向きに延びる
歯部42とからなり,歯部42にはコイル(図示せず)
が巻かれる。一方,回転子40は回転軸43に永久磁石
44が固定されたものである。回転軸43には円柱状の
バックヨーク45が一体に設けられており,バックヨー
ク45に円筒形状の永久磁石44が挿入されている。永
久磁石44は,要求される高出力を確保するために,単
極ごとに着磁を行った磁石片48を張り合わせて多極に
組み上げたものである。永久磁石44の長さはバックヨ
ーク45と同じ長さに形成されている。バックヨーク4
5に嵌合された永久磁石44は,皿ばね効果を有する一
対のプレート46によって挟持されバックヨーク45に
固定されている。また,回転時に永久磁石44が遠心力
で破壊されないようにするために,図7に示すように,
永久磁石44の外周面には全面にわたって炭素繊維強化
プラスチック製のスリーブ47が圧入され補強されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,バック
ヨークに永久磁石を固定する場合,皿ばね効果を有する
一対のプレートを用いて永久磁石をバックヨークに固定
するという従来の固定方法では,バックヨークと永久磁
石の接触面が円形であるということ,及びバックヨーク
と永久磁石とで線膨張係数に差があることに起因して,
高回転トルクが作用する時に,バックヨークに対して永
久磁石が相対回転してしまうこと,即ち回転ずれが起こ
ることがある。
【0005】また,従来の高出力交流発電機において
は,要求される高出力を確保するために,単極ごとに着
磁を行った後に多極に組み上げているが,しかし,この
ような従来の固定方法では,磁石同士の間で吸引力が強
く働くため,組立作業が困難になるという問題がある。
【0006】従来の高出力交流発電機においては,永久
磁石は単極ごとに着磁を行った後に多極に組み上げた構
造のものを採用しているので,回転時に永久磁石が遠心
力で飛び出さないようにする必要があるため,永久磁石
の外周面にはその全面にわたって覆うスリーブを圧入し
補強している。それゆえ,永久磁石がスリーブで全面を
覆われているうえ,固定子と永久磁石との間隔Gはスリ
ーブの厚さ以下に小さくすることができず,高出力を得
るうえで限界がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
問題を解決し,バックヨークと永久磁石との回転ずれを
確実に防止すると共に高出力を得ることができるマグネ
ットロータ及びそれを備えた高出力交流機を提供するこ
とである。
【0008】この発明は,回転軸に設けられたバックヨ
ーク,及び前記バックヨークの外周面に配置された永久
磁石を有するマグネットロータにおいて,前記バックヨ
ークはその外周面を多角形に形成して各面を取付面に形
成され,前記永久磁石は前記取付面にそれぞれ対応する
内面に対向面を有する複数の磁石片から構成され,前記
バックヨークの前記取付面に前記磁石片の前記対向面を
密着させて前記永久磁石の前記外周面にスリーブを圧入
嵌合して前記バックヨークに前記永久磁石を固定したこ
とを特徴とするマグネットロータに関する。
【0009】このマグネットロータは,前記永久磁石を
その両側面から挟持するための一対の非磁性プレートが
前記回転軸に取り付けられている。
【0010】このマグネットロータは,前記永久磁石の
軸方向両端部の外周面に該外周面よりも低く形成した段
部を設け,前記スリーブは前記段部に圧入嵌合されてい
る。
【0011】前記永久磁石は軸方向に複数個並置されて
いる。また,前記永久磁石は互いに隣接する前記磁石片
が接着剤によって接着されている。更に,前記永久磁石
と前記バックヨークとはシリコンゴム系接着剤等のヤン
グ率の低く熱膨張率の高い接着剤で接着されている。
【0012】前記スリーブは炭素繊維強化プラスチック
製で作製されている。また,前記プレートはSUS30
4のステンレス鋼,インコネル等の非磁性材料から作製
されている。
【0013】このマグネットロータは,前記バックヨー
クに前記永久磁石を固定し,前記回転軸を軸受部基準に
てバランス修正を行った後に着磁機にて回転軸一体で着
磁されている。
【0014】又は,この発明は,ハウジングに固定され
たリング部と前記リング部から半径方向内方へ延びる歯
部と前記歯部に巻かれたコイルとからなる固定子,及び
前記固定子の前記リング部内に配置された前記請求項1
〜9のいずれか1項に記載されたマグネットロータ,を
有することを特徴とする高出力交流機に関する。
【0015】このマグネットロータは,上記のように,
バックヨークの断面形状を多角形に形成し,バックヨー
クの取付面に永久磁石を密着させて取り付けるようにし
たので,永久磁石がバックヨークに対して回転ずれを起
こさなくなる。また,バックヨークの断面形状を多角形
としたことにより,N極・S極間の接触幅や漏れ磁束を
変えることなく,永久磁石のみを肉厚化することができ
るので,磁束密度が高くなり,出力が増加する。また,
出力が増加したことで,高出力を確保するために単極ご
とに着磁し組み上げていた磁石を,着磁率の低い一体着
磁でも従来と同じ程度の出力を確保することができるよ
うになる。あるいは,出力が増加したことで,マグネッ
トロータの小型化を図ることも可能になる。
【0016】このマグネットロータは,上記のように,
永久磁石の両端部だけにスリーブを設けたので,遠心力
の作用で永久磁石の中央部への曲げ応力が発生するが,
バックヨークの断面形状を多角形に形成することで永久
磁石の肉厚化を図ったから,永久磁石の外周面全面にス
リーブを設けずに両端部だけに設ける構造としても,特
に問題は生じない。むしろ,永久磁石の外周面を覆うス
リーブの面積が非常に小さくなるうえ,段部にスリーブ
を圧入嵌合したので,その段部の深さ分だけ,スリーブ
の外周面と永久磁石の外周面との差が小さくなり,その
結果,このマグネットロータを固定子に組み込んだとき
に,永久磁石と固定子との隙間Cを小さくすることがで
き,このマグネットロータを発電機として適用した場
合,出力が大幅に増大する。
【0017】また,上記マグネットロータにおいて,永
久磁石を軸方向に複数個並べて配置してもよい。この場
合,もちろん,各永久磁石の両端部には段部が形成さ
れ,該段部にスリーブが圧入嵌合される。このような構
成を採用することにより,バックヨークの長さが長いも
のに対しても適用することができるようになる。
【0018】また,上記マグネットロータにおいて,前
記永久磁石と前記バックヨークとをシリコンゴム系接着
剤等のヤング率の低く熱膨張率の高い接着剤で接着して
もよい。また,前記スリーブは炭素繊維強化プラスチッ
ク製であることが好ましい。特に,前記永久磁石と前記
バックヨークとをシリコンゴム系接着剤等で接着し,且
つ前記スリーブとして炭素繊維強化プラスチックを用い
るとよい。また,前記プレートはSUS304ステンレ
ス鋼,インコネル等の非磁性材料製であることが好まし
い。
【0019】また,このマグネットロータを,ハウジン
グに固定されるリング部と前記リング部から半径方向内
方へ延びる歯部と前記歯部に巻かれたコイルとからなる
固定子の中央部に形成される孔内に配置することによ
り,高出力交流発電機を得ることができる。
【0020】また,このマグネットロータは,回転軸に
設けられたバックヨークに永久磁石を固定し,前記回転
軸を軸受部基準にてバランス修正を行った後に着磁機に
て回転軸と一体で着磁することができるものである。
【0021】このマグネットロータによれば,着磁をバ
ックヨークに永久磁石を組み立てた後に行うことができ
るので,マグネットロータを組み立てた状態でのバラン
ス修正が容易に行えるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
によるマグネットロータの実施例を説明する。図1はこ
の発明によるマグネットロータの一実施例を示す断面
図,及び図2は図1に示したマグネットロータを組み込
んでプレートの取り外し状態を示す高出力交流発電機の
側面図である。
【0023】この発明によるマグネットロータ1は,回
転軸2に設けられたバックヨーク3,及びバックヨーク
3の外周面に取り付けられた円筒状の永久磁石5を有す
るものである。バックヨーク3は回転軸2と一体構造で
ある。バックヨーク3を多角形の引き抜き材とし,両端
からの切削にて回転軸受け部を形成している。バックヨ
ーク3は図2に示すように外周面の断面形状が六角形に
形成されており,バックヨーク3の外周面に永久磁石5
を取り付けるための平面状の取付面4が形成されてい
る。円筒状の永久磁石5の内周面には,バックヨーク3
の取付面4に対応する平面状の対向面6が形成されてい
る。円筒状の永久磁石5は,バックヨーク3の取付面4
に対応する対向面6を有する6個の磁石片7から成り,
これらの磁石片7同士を接着剤で張り合わせて円筒状に
形成したものである。永久磁石5は取付面4と対向面6
とを密着させてバックヨーク3に取り付けられている。
【0024】永久磁石5の軸方向両端部の外周面には段
部12が形成されている。段部12は永久磁石5の外周
面よりも低くなるように階段状に形成されたものであ
る。回転時に磁石片7が遠心力で飛び出して破壊しない
ようにするために,段部12には非磁性のスリーブ10
が圧入嵌合されている。段部12の深さはスリーブ10
の厚さに等しくなるように形成されているので,スリー
ブ10の外周面と永久磁石5の外周面とは面一になって
いる。スリーブ10にはCFRP(炭素繊維強化プラス
チック)やSUS304ステンレス鋼などの非磁性材料
が使用されている。また,プレート8は,中心部に孔1
3を有しており,孔13を回転軸2に圧入することによ
り,周縁部の平らな面で永久磁石5を挟持し,永久磁石
5をバックヨーク3に取り付けることができる。プレー
ト8にはSUS304ステンレス鋼,インコネル等の非
磁性材料が使用されている。
【0025】マグネットロータ1の製造方法について説
明すると,互いに隣接する磁石片7同士の間に接着剤を
塗布して張り合わせることによって円筒状の永久磁石を
作り,バックヨーク3の外周面に挿入して取り付け,平
らな非磁性の一対のプレート8を回転軸2に圧入し,プ
レート8で両側から永久磁石5を挟むようにして永久磁
石5をバックヨーク3に保持する。次に,永久磁石5の
外周面に段部12を形成すると共に,外周面を同芯に円
筒加工する。次いで,永久磁石5の外周面の段部12に
非磁性のスリーブ10を圧入して固定することによりマ
グネットロータ1は組み立てられる。マグネットロータ
1は,回転軸2を軸受部基準にてバランス修正を行った
後に,多極用着磁ヨークにて回転軸2と一体で着磁する
ことにより製造される。高出力交流発電機は,固定子1
1を有する本体にマグネットロータ1を組み込むことに
より製造される。
【0026】マグネットロータ1は,バックヨーク3の
断面形状を六角形に形成し,バックヨーク3の取付面4
に永久磁石5を密着させて取り付けるようにしたので,
高回転トルクが作用する時でも,永久磁石5がバックヨ
ーク3に対して回転ずれを起こすことはない。また,バ
ックヨーク3の外周面の断面形状を六角形としたことに
より,N極・S極間の接触幅や漏れ磁束を変えることな
く,永久磁石5のみを中央部で肉厚化することができる
ので,磁束密度が高くなり,出力が増加する。また,出
力が増加したことで,高出力を確保するために単極ごと
に着磁し組み上げる方法に代えて,着磁率の低い一体着
磁を採用しても,従来と同じ程度の出力を確保すること
ができるようになる。
【0027】マグネットロータ1を適用した電動機や発
電機の高出力交流機は,図2に示すように,ハウジング
(図示せず)に固定されるリング部14と,リング部1
4から周方向に隔置して半径方向内方へ延びる歯部15
と,歯部15に巻かれたコイル(図示せず)とからなる
固定子11,及び固定子11の中央部に形成される孔1
6内に配置された回転子であるマグネットロータ1を有
するものである。固定子11の歯部15の数は12個で
あり,磁石片7の2倍の数である。この高出力交流機
は,マグネットロータ1の回転軸2に取り付けられたタ
ービン(図示せず)を排気ガスが流れることにより,永
久磁石5が回転し,固定子11のコイルに電流が発生す
る。
【0028】この高出力交流機において,マグネットロ
ータ1は永久磁石5の両端部だけにスリーブ10を設け
たので,遠心力の作用で永久磁石5の中央部への曲げ応
力が発生するが,バックヨーク3の断面形状を六角形に
形成して永久磁石5の肉厚化を図ったから,永久磁石5
の外周面全面にスリーブを設けずに,両端部だけに設け
る構造としても,特に問題は生じない。むしろ,永久磁
石5の外周面を覆うスリーブの面積が非常に小さくなる
うえ,永久磁石5に外周面よりも低くなるように段部1
2が形成されており,段部12の深さ分だけ,スリーブ
10の外周面と永久磁石5の外周面との差が小さくなる
ので,マグネットロータ1を固定子11に組み込んで高
出力交流発電機とした場合に,永久磁石5と固定子11
との間隔Cを小さくすることができ,出力が大幅に増大
する。
【0029】この実施例では,プレート8として平らな
プレートを使用しているが,従来のような皿ばね効果を
有するプレート,即ち中心に形成された孔を回転軸に圧
入し,プレートの周縁部のばね力で永久磁石を強く挟持
する皿形状のプレートを使用してもよい。しかし,マグ
ネットロータ1は,バックヨーク3の外周面を断面六角
形状としたことにより,永久磁石5の回転ずれを防止す
ることができるので平プレートであっても十分である。
また,この実施例では,永久磁石5とバックヨーク3と
は相互に連結していないが,永久磁石5とバックヨーク
3とをシリコンゴム系接着剤等のヤング率の低く熱膨張
率の高い接着剤で接着してもよい。
【0030】次に,この発明によるマグネットロータの
別の実施例について説明する。図3はこの発明によるマ
グネットロータの別の実施例を示す断面図である。マグ
ネットロータ17は,6個の磁石片19同士を接着剤で
張り合わせて円筒状の永久磁石18を形成し,円筒状の
永久磁石18を軸方向に2個並べて配置したものであ
る。また,回転軸2には2個の永久磁石18,18とバ
ックヨーク24を両側から挟むようにして一対のプレー
ト8が取り付けられている。また,各永久磁石18,1
8の両端部には段部20,21が形成され,段部20,
21にCFRP又はSUS304ステンレス鋼等の非磁
性のスリーブ22,23が圧入嵌合され,これらにより
各永久磁石18,18はバックヨーク24に固定されて
いる。真ん中のスリーブ23は二つの永久磁石18,1
8の段部21に跨るように段部21に圧入されている。
【0031】マグネットロータ17は2個の永久磁石1
8,18を軸方向に並べて配置したものであるから,軸
方向に長いマグネットロータ17を得ることができる。
マグネットロータ17を適用した高出力交流機の側面図
は図2に示したものと同じであるから省略する。
【0032】次に,リターダ制動装置に適用されるマグ
ネットロータとして,図4に示す構造のものが考えられ
る。図4はマグネットロータの一例を示す側面断面図で
ある。マグネットロータ25は,円弧状の磁石片26と
円弧状の固定金具27を交互に円盤状のバックヨーク2
8に多極に組み付け,固定金具27をねじ29で固定し
たものである。各磁石片26には段部30が形成され,
固定金具27には段部30と係合する鍔部31が形成さ
れており,各磁石片26が固定金具27を介してねじ2
9でバックヨーク28に固定されているので,永久磁石
の回転ずれ,回転子への吸着を防止することができる。
このような構造のマグネットロータ25は,磁石片26
が円弧状であるため,磁石片26をバックヨーク28に
固定するため,固定金具27とねじ29とが必要にな
り,構造が複雑になる。
【0033】次に,この発明によるマグネットロータの
更に別の実施例について説明する。図5はこの発明によ
るマグネットロータの更に別の実施例を示す側面図であ
って,図4に示したマグネットロータ25の構造から固
定金具27とねじ29とを排除して改良したものであ
る。マグネットロータ32は,リターダ制動装置に適用
されるマグネットロータであって,12角形の断面形状
を有する円盤状のバックヨーク33と,バックヨーク3
3の外周面に取り付けられたリング状の永久磁石34を
有し,バックヨーク33の外周面に12個の磁石片35
を取り付けたものである。磁石片35同士は相互に接着
剤で張り合わせて円筒状の永久磁石34を形成してバッ
クヨーク33に挿入され,永久磁石34の両側面から非
磁性の一対の平プレート(図示せず)で挟むようにして
永久磁石34はバックヨーク33に固定されている。永
久磁石34の両端部の外周面には段部36が形成され,
段部36にCFRP製のスリーブ37が圧入嵌合されて
いる。したがって,マグネットロータ32は永久磁石3
4の回転ずれと回転子への吸着を確実に防止することが
できる。また,永久磁石34とバックヨーク33とをシ
リコンゴム系接着剤等のヤング率の低く熱膨張率の高い
接着剤で接着してもよい。
【0034】図4のマグネットロータ25は,磁石片2
6と固定金具27とが約3対1の面積割合で交互に組み
付けられているので,バックヨーク28の全面が永久磁
石だけで覆われている場合に比べて約75%程度の出力
しか得られないが,図5のマグネットロータ32は,バ
ックヨーク33の全面が永久磁石34で覆われ,スリー
ブ37で覆われた部分を除いて永久磁石34の表面がほ
とんど露出しているので,バックヨーク33の全面が永
久磁石34だけで覆われている場合に比べて約95%以
上の出力を得ることができる。したがって,バックヨー
クの断面形状を多角形に形成したマグネットロータは,
このような意味においても,高出力を得ることができる
構造として優れたものである。
【0035】
【発明の効果】この発明によるマグネットロータは,上
記のように,バックヨークの外周面を断面多角形状に形
成して取付面を設け,該取付面に円筒状の永久磁石を密
着させて取り付けるように構成したので,バックヨーク
に対する永久磁石の回転ずれを確実に防止することがで
きる。また,このマグネットロータは,バックヨークの
断面形状を多角形としたことにより,N極・S極間の接
触幅や漏れ磁束を変えることなく,永久磁石のみを中央
部で肉厚化することができるので,その分だけ磁束密度
が高くなり,出力が増加する。したがって,このマグネ
ットロータを高出力交流発電機に適用した場合には,高
い出力を得ることができるようになる。
【0036】また,出力が増加したことで,高出力を確
保するために単極ごとに着磁し組み上げていた磁石を,
着磁率の低い一体着磁とした場合でも,従来と同じ程度
の出力を確保することができるようになるので,その場
合には組立作業が簡単になるという利点がある。また,
その場合には,従来のように永久磁石の外周面にスリー
ブを嵌合する必要はなくなるので,露出する永久磁石の
表面積が増大するだけでなく,固定子と永久磁石の隙間
を小さくすることができるようになるので,その分だけ
出力を大幅に増加することができる。
【0037】また,出力が増加したことで,従来のもの
に比べて,マグネットロータの小型化を図ることも可能
になる。マグネットロータを,ハウジングに固定される
リング部と前記リング部から半径方向内方へ延びる歯部
と前記歯部に巻かれたコイルとからなる固定子の中央部
に形成される孔内に配置して発電・電動機を構成するこ
とにより,高出力交流機を得ることができる。
【0038】また,このマグネットロータは,永久磁石
の両端部にだけにスリーブを設けたので,遠心力の作用
で永久磁石の中央部への曲げ応力が発生するが,バック
ヨークの断面形状を多角形に形成することで永久磁石の
肉厚化を図ったから,永久磁石の外周面全面にスリーブ
を圧入嵌合する必要なく,両端部の外周面に形成した段
部だけに圧入嵌合する構造としても特に問題は生じな
い。むしろ,スリーブで覆われる永久磁石の面積が非常
に小さくなるうえ,永久磁石と固定子との間隔を小さく
することができ,このマグネットロータを発電機として
適用した場合,出力が大幅に増大する。
【0039】このマグネットロータにおいて,永久磁石
を軸方向に複数個並べて配置し,各永久磁石の両端部に
段部を形成してスリーブを設けるようにしてもよい。こ
のような構成を採用することにより,バックヨークの長
さが長い高出力交流発電機を得ることも可能になる。ま
た,このマグネットロータは,回転軸に設けられたバッ
クヨークに永久磁石を固定し,前記回転軸を軸受部基準
にてバランス修正を行った後に着磁機にて回転軸一体で
着磁することによって製造されるので,着磁工程を最後
に行うことができ,磁石組立体でのバランス修正が容易
に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるマグネットロータの一実施例を
示す断面図である。
【図2】図1のマグネットロータを組み込んだ高出力交
流発電機を示す側面図である。
【図3】この発明によるマグネットロータの他の実施例
を示す断面図である。
【図4】リターダ制動装置に適用されるマグネットロー
タの一例を示す側面断面図である。
【図5】この発明によるマグネットロータの更に別の実
施例であって,図4のマグネットロータの改造構造を示
す側面図である。
【図6】従来のマグネットロータを備えた高出力交流発
電機を示す側面図である。
【図7】従来のマグネットロータを示す断面図である。
【符号の説明】
1,17,32 マグネットロータ 2 回転軸 3,24,28,33 バックヨーク 5,18,34 永久磁石 4 取付面 6 対向面 7,19,26,35 磁石片 8 プレート 12,20,21,30,36 段部 10,22,23,37 スリーブ 11 固定子 14 リング部 15 歯部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H02K 21/14 H02K 21/14 M G

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に設けられたバックヨーク,及び
    前記バックヨークの外周面に配置された永久磁石を有す
    るマグネットロータにおいて,前記バックヨークはその
    外周面を多角形に形成して各面を取付面に形成され,前
    記永久磁石は前記取付面にそれぞれ対応する内面に対向
    面を有する複数の磁石片から構成され,前記バックヨー
    クの前記取付面に前記磁石片の前記対向面を密着させて
    前記永久磁石の前記外周面にスリーブを圧入嵌合して前
    記バックヨークに前記永久磁石を固定したことを特徴と
    するマグネットロータ。
  2. 【請求項2】 前記永久磁石をその両側面から挟持する
    ための一対の非磁性プレートが前記回転軸に取り付けら
    れていることを特徴とする請求項1に記載のマグネット
    ロータ。
  3. 【請求項3】 前記永久磁石の軸方向両端部の外周面に
    該外周面よりも低く形成した段部を設け,前記スリーブ
    は前記段部に圧入嵌合されていることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のマグネットロータ。
  4. 【請求項4】 前記永久磁石は軸方向に複数個並置され
    ていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のマグネットロータ。
  5. 【請求項5】 前記永久磁石は互いに隣接する前記磁石
    片が接着剤によって接着されていることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載のマグネットロータ。
  6. 【請求項6】 前記永久磁石と前記バックヨークとはシ
    リコンゴム系接着剤等のヤング率の低く熱膨張率の高い
    接着剤で接着されていることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか1項に記載のマグネットロータ。
  7. 【請求項7】 前記スリーブは炭素繊維強化プラスチッ
    ク製で作製されていることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか1項に記載のマグネットロータ。
  8. 【請求項8】 前記プレートはSUS304のステンレ
    ス鋼,インコネル等の非磁性材料から作製されているこ
    とを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載のマ
    グネットロータ。
  9. 【請求項9】 前記バックヨークに前記永久磁石を固定
    し,前記回転軸を軸受部基準にてバランス修正を行った
    後に着磁機にて回転軸一体で着磁されていることを特徴
    とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のマグネット
    ロータ。
  10. 【請求項10】 ハウジングに固定されたリング部と前
    記リング部から半径方向内方へ延びる歯部と前記歯部に
    巻かれたコイルとからなる固定子,及び前記固定子の前
    記リング部内に配置された前記請求項1〜9のいずれか
    1項に記載されたマグネットロータ,を有することを特
    徴とする高出力交流機。
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