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JPH11130529A - 高ジルコニア質耐火物 - Google Patents

高ジルコニア質耐火物

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Publication number
JPH11130529A
JPH11130529A JP9290107A JP29010797A JPH11130529A JP H11130529 A JPH11130529 A JP H11130529A JP 9290107 A JP9290107 A JP 9290107A JP 29010797 A JP29010797 A JP 29010797A JP H11130529 A JPH11130529 A JP H11130529A
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Japan
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glass
refractory
matrix glass
content
molten
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JP9290107A
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Yoshihisa Beppu
義久 別府
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
    • C03B5/42Details of construction of furnace walls, e.g. to prevent corrosion; Use of materials for furnace walls
    • C03B5/43Use of materials for furnace walls, e.g. fire-bricks
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/50Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
    • Y02P40/57Improving the yield, e-g- reduction of reject rates

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ガラス溶融に対し、優れた耐食性や発泡性を示
し、低素地汚染性を有する高ジルコニア質耐火物を提供
する。 【解決手段】マトリックスガラスを含む単斜晶系ZrO
2 を主成分とする高ジルコニア質溶融耐火物の粉砕物
と、別に調製したそのマトリックスガラス類似組成物と
の混合物を焼結してなる高ジルコニア質耐火物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてガラス溶
融槽窯用の耐火物として好適な高ジルコニア質耐火物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来のガラス溶融槽窯に用いられる耐火
物を大別すると、焼結(結合)耐火物と溶融耐火物とが
ある。焼結(結合)耐火物は、均質に混合した粉体原料
をプレス等によって成形後、焼成して製造される。この
耐火物は、原料としての粉体に付着した気体及び焼成中
に生じる気体の一部が焼成後も残存し、焼成体の密度が
低く、耐食性が低い。耐食性が低いことは、ガラス溶融
のために用いる場合には、泡や砂利等の欠点を発生する
確率が高いことを示す。
【0003】一方、溶融耐火物は均質に混合した原料を
電気アーク炉等の溶融炉で溶融し、鋳型に流し込み、冷
却再固化することによって得られ、緻密で発達した結晶
組織を有する。このうち、特に、ジルコニアを相対的に
多く含有する耐火物が、耐食性に優れ、ガラス溶融用窯
に好んで使用されている。このような溶融耐火物で広く
使用されている耐火物としては、ZrO2 含量が33〜
41重量%のAl23 −ZrO2 −SiO2 系耐火物
と、ZrO2 を80〜95重量%含有する高ジルコニア
系耐火物とがある。後者は、前者に比較して高耐食性及
び低素地汚染性であるため、近年、高品質ガラス溶解窯
用の耐火物として普及している。
【0004】元来、ジルコニアは、900〜1200℃
において単斜晶と正方晶との相転移を起こすので、Y2
3 やCaOなどを添加し、ジルコニアを少なくとも部
分安定化させないかぎり、焼結体が得られない。部分安
定化又は安定化ジルコニアをガラス溶融用の耐火物とし
て使用しても、溶融ガラス又はガラス揮発物中のアルカ
リ等によって、安定化剤が選択的に溶出し、耐食性が著
しく低い。
【0005】特開平7−293851及び特開平8−1
04567に、廃棄物溶融用炉及びガラス溶融炉の炉底
に用いる耐火物として、溶融ジルコニアを含むジルコニ
ア質耐火物が開示されており、溶融ジルコニアとして高
ジルコニア質溶融耐火物も開示されているが、焼結する
ために粘土などの焼結助剤を使用している。
【0006】このような焼結助剤等の物質を添加する
と、耐火物自体の高温強度や耐食性が低下する。例え
ば、部分安定化ジルコニアに粘土を焼結助剤として添加
すると、耐磨耗性や組織の均一性が低下する(特公平5
−18774参照)。また、高ジルコニア質溶融耐火物
を用いる場合には、粘土等の焼結助剤とマトリックスガ
ラスとが反応して結晶を生成しやすくなり、相対的にマ
トリックスガラス含量が低下し、相転移にともなう体積
変化を吸収しにくくなり、耐サーマルサイクル性が低下
する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、焼結耐
火物は、気孔率が高く耐食性が低いために、特に、溶融
ガラス又はガラス揮発物と接触する部分では使用しにく
い欠点がある。一方、高ジルコニア質溶融耐火物は、ジ
ルコニアを多く含有し、また約2500℃で溶融し、鋳
型中で固化させるので高価である。さらに、製造上冷却
によって鋳込み巣(ボイド)が生じ、これを多く含む部
分が体積にして半分にも及ぶ場合もあり、製品歩留まり
が低い。この空隙を多く含む部分を粉砕し、戻りカレッ
トとして再利用する方法があるが、製品の成分制御が難
しく、粉砕時に混入する鉄分などにより純度が低下し、
この耐火物の長所である高耐食性及び低素地汚染性を損
ねることから、実用化にいたっていない。
【0008】以上の結合耐火物と溶融耐火物との両者の
短所を改善し、長所を併有する耐火物の開発が望まれて
いたが、現在までにこのような耐火物は開発されていな
い。本発明の目的は、上述した問題を解決すべく、また
低コストで製造可能な高品質の耐火物を提供することで
ある。このような耐火物が製造できれば、ガラスの溶融
等の炉材として用いることによって、溶融物の歩留まり
が向上するはずである。さらに、ジルコニア資源の有効
利用にもつながる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、主にガラス溶
融槽窯に用いられる耐火物であって、マトリックスガラ
スを含む単斜晶系ZrO2 を主成分とする高ジルコニア
質溶融再固化物の粉砕物と、別に調製した該マトリック
スガラス類似組成物との混合物を焼結したことを特徴と
する高ジルコニア質耐火物を提供する。
【0010】高ジルコニア質溶融耐火物は、鋳込み巣部
分を除けば内部には孔隙がほとんどない。鋳込み巣のあ
る部分は気孔率が高いことや気孔が偏在するために、耐
火物として使用することはほとんどない。しかし、ある
程度の粉砕によって、容易に鋳込み巣を除去できる。こ
の鋳込み巣がない部位(鋳込み巣が多い部分から気孔を
除去した固相部分)は、大きさが耐火物として使用する
に及ばないだけであって、緻密で、気孔率は低く、製品
としている鋳込み巣がない又は少ない部位に比較して、
これらの物性はなんら劣らない。さらに、むしろ鋳込み
巣を含まない部位よりも酸化度は高い。
【0011】酸化度が高い溶融耐火物は、低素地汚染
性、特に低発泡性であることが知られている。本発明の
耐火物は、通常の溶融耐火物より酸化度の高い材料を用
い、さらに焼成するので、素地汚染性が低いと期待され
る。さらに、鋳込み巣を含む部位を利用するので、コス
トを低下でき、資源の有効利用にもなる。
【0012】本発明で用いる高ジルコニア質溶融耐火物
の粉砕物を得るための耐火物は、以下の方法等の通常の
溶融耐火物の製造方法によって製造できる。すなわち、
特公昭59−12619や特開平1−100068に示
されているような高ジルコニア溶融耐火物の製造に伴っ
て生じる鋳込み巣を含む部分を粉砕器を用いて、粉砕す
ることによって得られる。鋳込み巣は、それ自体大部分
体積が大きいので、粒径5mm程度に粉砕すればほぼ除
去できる。ただし、あまり粉砕物のサイズが大きいと、
焼結体中に気孔を作る原因となったり、組織の均一性が
低くなり、耐食性を低下させる原因となる。
【0013】本発明で用いるマトリックスガラスを含む
単斜晶系ZrO2 を主成分とする高ジルコニア質の溶融
再固化物の粉砕物は、バデライト結晶相の周囲を少量の
マトリックスガラスが取り囲む組織からなるものであ
り、単斜晶系ZrO2 を主成分とするものであればよ
く、化学組成としては、ZrO2 :85〜97重量%、
SiO2 :2〜13重量%、Al23 :3重量%未
満、Na2 Oなどその他:1重量%未満程度のよく知ら
れたものでよい。
【0014】このような本発明で使用する単斜晶系Zr
2 を主成分とする粉砕物のマトリックスガラスは通常
Al23 、SiO2 を含むもので、さらにNa2 Oを
含むものも多い。また、溶融再固化物の粉砕物を焼結し
ても、焼結体の化学組成は、粉砕物のそれとほとんど同
じである。
【0015】マトリックスガラス類似組成物の添加は、
本発明品の使用時の熱履歴に対して、耐サーマルサイク
ル性改善の役割を果たす。高ジルコニア溶融耐火物の粉
砕物のみを焼結した場合には、マトリックスガラス相中
に、一部ジルコンが生成し、耐サーマルサイクル性が低
下する場合がある。これに、別に調製したマトリックス
ガラス類似組成物を添加すれば、ジルコニアの相転移を
緩和する役目のマトリックスガラス相の量を増やすこと
になり、耐サーマルサイクル性が向上する。
【0016】本発明において、マトリックスガラス類似
組成物とは、単斜晶系ZrO2 を主成分とする粉砕物に
含まれているマトリックスガラス成分を形成している主
成分を主成分として同様に含むものであり、具体的には
該粉砕物は通常Al23 及びSiO2 を主成分とした
マトリックスガラスを含むものであるため、本発明で使
用するマトリックスガラス類似組成物としてもAl2
3 、SiO2 を主成分とし、さらに通常上記粉砕物のマ
トリックスガラスにはNa2 Oが含まれていることが多
いため、Na2 Oを含むものが好適である。
【0017】マトリックスガラス類似組成物の添加量
は、これと単斜晶系ZrO2 を主成分とする高ジルコニ
ア質溶融再固化物の粉砕物との合量中、2〜7重量%が
好ましい。2重量%未満では耐サーマルサイクル性の向
上が十分でなくなることがあり、7重量%超ではSiO
2 含量が高くまたZrO2 含量が低くなり、耐食性及び
高温強度が低下することになる。
【0018】また、同様の理由から、焼結体である耐火
物のZrO2 含量は85重量%以上かつSiO2 含量は
10重量%以下とすることが望ましい。
【0019】さらに、マトリックスガラス類似組成物の
組成を調整することで、ジルコンの生成を抑制又は防止
できる。そこで、マトリックスガラス類似組成物の化学
組成は、SiO2 :50〜90重量%、Al23 :5
〜40重量%、Na2 O:5〜20重量%、及びZrO
2 :0〜20重量%が好ましい。
【0020】さらに、添加するマトリックスガラス類似
組成物へのZrO2 成分の溶解を抑制するために、マト
リックスガラス類似組成物のAl23 含量及びZrO
2 含量のうち少なくとも一つが、高ジルコニア質溶融再
固化物のマトリックスガラス中に占めるそれらの割合よ
りも多いことが好ましい。
【0021】ここで、高ジルコニア質溶融再固化物のマ
トリックスガラスのAl23 成分は、Al23 成分
がバデライト結晶相には存在しないので、溶融再固化物
のバルクのAl23 含量及びZrO2 含量から換算し
て次式で求められる。
【0022】マトリックスガラスのAl23 含量(重
量%)=[バルクのAl23 含量(重量%)/(10
0−バルクのZrO2 含量(重量%))]×100。
【0023】一方、高ジルコニア質溶融再固化物のマト
リックスガラスのZrO2 含量は、上記により算出され
たマトリックスガラスのAl23 含量が10〜20重
量%程度の範囲では、電子線マイクロアナライザで測定
すると、通常2.0〜2.5重量%の範囲である。
【0024】マトリックスガラス類似組成物としては、
ガラス骨格形成酸化物として、B23 及びP25
を、ガラス骨格修飾酸化物として、Na2 O以外のアル
カリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物等を含むもの
を用いてもよい。
【0025】マトリックスガラス類似組成物は、以下の
ように調製する。原料として二酸化ケイ素、アルミナ、
炭酸ナトリウム、及びジルコニア等の所定量を混合し、
特開平6−345532記載の方法や酸化雰囲気下で電
気炉を用いて、1700℃程度以上の温度で溶融し室温
まで冷却する。溶融後、粗粉砕の手段として、高温溶融
物をそのまま水中に投入する方法を採用できる。
【0026】本発明において、高ジルコニア質の溶融再
固化物の粉砕物の粒径は、焼結体の組織の均一性及び低
気孔率化を考慮すると、粒径は1.00mm未満が望ま
しい。ここで、1.00mm未満とは、目開き1.00
mmの篩を通過する粒子のことを意味する。さらに、高
ジルコニア溶融耐火物特有の不均一組織部分(ワームト
レーシングともいう)を含まないためには、粒径0.1
5mm以下のみ、さらには粒径0.10mm以下のみを
用いることが好ましい。この気孔やマトリックスガラス
を多く含む不均一組織は、おおむね0.1mmの帯状の
形態を呈するが、それらの影響を除去できるからであ
る。
【0027】マトリックスガラス類似組成物の粒径は、
これが、焼結時に高ジルコニア溶融耐火物の周囲に均一
に分布するように、高ジルコニア質の溶融再固化物の粉
砕物と同等又はそれ以下とするのがよい。すなわち、マ
トリックスガラス類似組成物の好ましい粒径は0.15
mm以下である。
【0028】さらに、粉砕時、鉄製の粉砕器を用いる場
合には、粉砕後磁石を用い又は希塩酸等の酸洗浄によっ
て混入鉄を除去することが好ましい。このようにすると
さらに低素地汚染性となる。
【0029】乾式又は湿式にて混合した高ジルコニア質
溶融再固化物の粉砕物とこのマトリックスガラス類似組
成物とを、金型プレス法又はCIP法によって成形す
る。特に結合材を用いなくても成形できる。ただし、粒
径が大きい原料を多く使用する場合には、結合材を用い
なくては成形が困難である。結合材を用いてもよいが、
焼成後の耐火物の耐食性、発泡性を悪化させるものであ
ってはいけない。
【0030】成形体を1400℃以上の温度で焼成す
る。この焼成によって、原料中の還元物質が酸化される
ので、さらに酸化度が上昇する。より酸化を促進したい
場合には、例えばカーボンの酸化が完了する900℃程
度で保持するとよい。焼成は、空気中又は酸化雰囲気
中、大気圧下又は加圧下で行うのが好ましい。焼成温度
は1500〜1700℃、特に1550〜1650℃が
好ましい。
【0031】通常、安定化しない単斜晶系ジルコニア
は、焼成温度以下の冷却によって、残存膨張のため焼結
体が得られないが、本発明品は亀裂なく焼結体を得られ
る。これは、バデライト相を取り囲むマトリックスガラ
ス相及び添加するマトリックスガラス類似組成物が体積
残存膨張を緩和することにより、亀裂の発生を抑制して
いるためと考えられる。
【0032】緻密で気孔率が低い溶融耐火物粉砕物を原
料としていることと、焼成時に高ジルコニア質溶融再固
化物に由来するマトリックスガラス及びマトリックスガ
ラス類似組成物は粘性が低くなるために、バデライト粒
の周辺を流動するので、焼結耐火物ながら気孔率が低
い。また、ある程度存在する気孔が体積残存膨張を緩和
しているとも考えられる。
【0033】焼成中に、バデライトの粒成長はほとんど
ないので、原料粒子状態以上のジルコニアの偏析は存在
しない。これは、高ジルコニア質の溶融耐火物が、気孔
やマトリックスガラスが多く存在し、局部的に耐食性及
び素地汚染性が劣る部分が存在することと比較すれば、
より均質な信頼性の高い耐火物である。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例(例1〜8)、比較例
(例9〜11)によって具体的に説明するが本発明はこ
れらに限定されない。
【0035】本発明品の製造方法の例を以下に示す。ま
ず、脱ケイ酸ジルコン、バイヤーアルミナ、ケイ砂、及
び炭酸ナトリウムを所定量秤取、混合後、これを黒鉛電
極を用いる500kVAの単相アーク電気炉にて、24
50℃程度にて、完全に溶融した。この溶湯をバイヤー
アルミナに埋めてある内寸160mm×200mm×3
50mmの黒鉛型に出湯し、室温まで放冷した。つい
で、鋳塊を切断し、鋳込み巣を含む部分を得た。
【0036】これをジョークラッシャ、次いで鉄鉢で粉
砕し、1cm程度の粒径の粉砕品を得た。次に、これを
1mol/Lの塩酸水溶液に浸漬し、混入鉄を溶解、除
去させ、水洗の後、乾燥させた。なお、粉砕によって、
約0.1重量%のFe23の混入が認められた。さら
に、アルミナボールを用いて粉砕した。ついで、篩を用
いて粒径0.15mm以下の粉砕品を得た。化学組成
(単位:重量%)を表1に示す。なお、化学組成は、粉
砕品の0.15mm未満の画分について以下のように測
定した。SiO2 含量及びAl23 含量は、ガラスビ
ード法によって蛍光X線分析装置を用いて定量し、Na
2 O含量は、フッ酸−硫酸で分解後、原子吸光光度計を
用いて定量した。
【0037】
【表1】
【0038】一方、マトリックスガラス類似組成物は、
二酸化ケイ素、酸化アルミナ、炭酸ナトリウム、及び酸
化ジルコニウム(全て試薬特級)を所定量秤取、混合
し、ランタンクロマイトを発熱体とする電気炉で、18
50℃にて4時間加熱して調製した。これをアルミナ製
乳鉢で粉砕して、粒径0.15mm以下の粉砕品を得
た。化学組成(単位:重量%)を表2に示す。なお、化
学組成は、粉砕品の0.15mm未満の画分について、
Al23 含量、Na2 O含量、及びZrO2 含量は、
フッ酸−硫酸で分解後、ICP発光分光分析装置又は原
子吸光光計を用いて定量した。
【0039】
【表2】
【0040】ついで、高ジルコニア質溶融再固化物の粉
砕物とマトリックスガラス類似組成物との表3に示す割
合の混合物1000gを金型プレス、さらにCIP法
(1.5ton/cm2 )によってプレスし、生加工品
を得た。これを抵抗加熱式電気炉にて1600℃で24
時間焼成した。焼結体はいずれも亀裂を発生することな
く得られた。
【0041】なお、例9は、部分安定化ジルコニア焼結
品(3モル%Y23 添加)を、例10〜11は、高ジ
ルコニア質溶融再固化物(表1の試料Z2)と粘土(S
iO2 含量77.6重量%、Al23 含量17.1
%、強熱減量4.1%)とを、それぞれ重量比で、9
0:10(例10)及び95:5(例11)で混合した
ものを同様に処理したものを用いた。上記の例1〜11
について以下の試験を実施した。
【0042】耐食性を調べるために、15mm×15m
m×50mmの直方体の試料を焼成体から切り出し、白
金坩堝に充填した管球パネル用溶融ガラス中に1500
℃で48時間浸漬した。その後縦方向に2等分し、浸食
量を測定した(表3)。
【0043】また、発泡性を調べるために、50mm×
50mm×5mmの板状の試料を焼成体から切り出し、
これに内径30mmのアルミナ製リングを載せ、その中
に上記ガラスを入れ、1500℃で24時間加熱し、室
温まで徐冷した。その後、ガラス中の残存泡数を光学顕
微鏡を用いて、計測した(表3)。
【0044】
【表3】
【0045】表3からわかるように、本発明品の耐食性
及び発泡性は優れる。以上のことから、本発明品は、ガ
ラス溶解用の窯に用いる耐火物として、溶解ガラスに対
し、接触又は非接触に関係なく使用できる。本発明の耐
火物は、ガラス溶解に限らず、金属溶解、焼却灰溶解等
に用いる耐火物としても利用できる。
【0046】
【発明の効果】本発明の高ジルコニア質の焼成耐火物
は、組織及び組成が均一であり、安定した品質と信頼性
を有しており、耐食性及び発泡性に優れる。したがっ
て、ガラス溶解槽窯用の耐火物として適切に使用でき、
溶融ガラスに対し、泡、砂利等のガラス欠点を生じさせ
がたく、すなわち素地汚染性が低く、ガラス製造の歩留
まりが向上するので工業的価値は多大である。また、本
発明品は、高ジルコニア質溶融耐火物の製品とできない
鋳込み巣を含む部分を利用できるので、資源のリサイク
ル化、すなわち省資源に貢献できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マトリックスガラスを含む単斜晶系ZrO
    2 を主成分とする高ジルコニア質溶融再固化物の粉砕物
    と、別に調製した該マトリックスガラス類似組成物との
    混合物を焼結したことを特徴とする高ジルコニア質耐火
    物。
  2. 【請求項2】マトリックスガラス類似組成物が、高ジル
    コニア質溶融再固化物の粉砕物との合量中、2〜7重量
    %である請求項1に記載の耐火物。
  3. 【請求項3】ZrO2 含量が85重量%以上であり、か
    つSiO2 含量が10重量%以下である請求項1又は2
    に記載の耐火物。
  4. 【請求項4】マトリックスガラスがAl23 、SiO
    2 を含み、マトリックスガラス類似組成物の化学組成
    が、SiO2 :50〜90重量%、Al23 :5〜4
    0重量%、Na2 O:5〜20重量%、及びZrO2
    0〜20重量%である請求項1、2又は3に記載の耐火
    物。
  5. 【請求項5】マトリックスガラス類似組成物のAl2
    3 含量及びZrO2 含量のうち少なくとも一つが、高ジ
    ルコニア質溶融再固化物のマトリックスガラス中に占め
    るそれらの割合よりも多い請求項1、2、3又は4に記
    載の耐火物。
  6. 【請求項6】粒径0.15mm未満の高ジルコニア質溶
    融再固化物と粒径0.15mm未満のマトリックスガラ
    ス類似組成物とからなる混合物を焼結してなる請求項
    1、2、3、4又は5に記載の耐火物。
  7. 【請求項7】耐火物が、ガラス溶融槽窯に使用されるも
    のである請求項1、2、3、4、5又は6に記載の耐火
    物。
JP29010797A 1997-10-22 1997-10-22 高ジルコニア質耐火物の製造方法 Expired - Lifetime JP4045329B2 (ja)

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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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