JPH11123963A - 簡易ベッド形成方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベッドレスキャブ内の小さなスペースでも有
効利用してフラットな横臥面を形成し人の横臥を可能と
するベッドを、ボディ側に大幅な変更がなく設置するこ
とができるとともに、リヤウインドによる後方視界を妨
げることのない簡易ベッドを提供する。 【構成】 本発明の簡易ベッドは、狭幅の固定ベッドク
ッション１０と広幅の可動ベッドクッション１１とより
同一長で構成し、固定ベッドクッション１０は乗員シー
トの背面後部のキャブスペースのフロア５２上の取り付
け架台２５に固定され、可動ベッドクッション１１は固
定ベッドクッション１０の前方端部にヒンジ状継手１２
により結合され、該継手１２を介して折り曲げキャブ背
面側５１に向け傾斜させて立て掛け、キャブ背面側５１
との間に収納空間１６を形成してキャブスペースを含む
空間に収納するようにしてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ベッドレスキャブ
を有するトラック、特に中、小型トラックにおける簡易
ベッドの形成方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、荷受け待ちの際、ベッドレスの４
トン車程度の中型車両ではベッドが装備されていないた
め、乗員はシートをリクライニングさせて不自由な姿勢
での休息を余儀なくさせられているのが普通で、何らか
の改善策が望まれている。

【０００３】上記問題解決のため、図７（Ａ）に示すよ
うに大型車と同様の乗員シートの背部にベッド５５を設
けることが提案されたが、この場合はキャブスペースＹ
が大型車同様の大きさとなり、車両全長が規制されてい
る中型車両ではその結果荷物搭載量部の長さの削減につ
ながる問題があった。また、同図（Ｂ）に示すようにフ
ロア５２上に設けた乗員シート５３のシートバック５４
の上部にベッド５５を設け矢印方向に収納可能とする収
納式ベッドが提案されたが、この場合はベッド５５の使
用時には乗員シートのシートバック５４の上部空間を占
有する構成にしてあるため、小さなキャブスペースに対
しても充分大きなベッドを設けることができるが、車両
運転時にはリヤウインド５６は収納状態にあるベッドの
ためその視界は塞がれ後方視界の直接確認が困難となる
と共にキャブ室内の高さを大きくしなければならない
し、又、ベッドからの転落防止装置も必要となる。

【０００４】その解決策として図７（Ｃ）に示すよう
に、ベッド５５の取り付け位置５７を下方に下げ、使用
時には乗員シート５３のシートバック５４を前傾させ所
用のスペースを確保できるようにしたものが考えられ提
案されているが、この場合ベッドには収納時リヤウイン
ドの働きをする窓部５５ａを設ける必要があり、また、
ボディ側に大幅な変更（補強の追加等）を必要とする問
題点がある。

【０００５】また、上記提案とは別にベッドを分割して
乗員シート背面後方のキャブスペースに水平状に固定
した固定ベッドクッションと、該クッションにヒンジ状
継手を介してキャブ背面側に向け後倒される運転席側シ
ートと対面する長さを有する可動ベッドクッションを設
け、助手席側シートとセンタシートを効果的に利用した
簡易ベッドを形成する提案が、例えば実開平２−８６８
２４号公報に開示されている。かかる提案は、センタシ
ートと助手席側シートそれぞれのシートバックを前倒折
畳させた後、特別なリンク機構を利用して運転席側シー
トを前側に大きく回動移動させ後に、可動ベッドクッシ
ョンを継手を介して前側に倒伏させる。この結果狭幅の
固定クッションの側部に可動ベッドクッションと助手席
側シートとセンタシートのシートバックの長手方向に３
つの分割したベッド面が形成され、これにより簡易ベッ
ドが形成されるものである。しかしながらかかる提案で
は、運転席側シートの前方への退避運動に連動させてそ
の退避跡に可動ベッドクッションを倒伏するための構造
に由来する従来のスライド方式からリンク機構式に変更
するなど大幅変更工事を必要とする問題点があるのみな
らず、可動ベッドクッション側が、該クッションと助手
席側シートとセンタシートのシートバックの長手方向に
３つの分割したベッド面が形成される事となり、寝心地
が極めて悪い。又センタシートのあるキャブにしか利用
できない。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みなされたもので、上記限定された条件のもとに少
なくとも下記事項を解決する簡易ベッドの提供を目的と
したものである。即ち、 ａ、ベッドレスキャブ内の小さなスペースでも有効利用
して人の横臥を可能にすること、 ｂ、その横臥面はフラットで且つ寝心地のよいこと、 ｃ、ボディ側に大幅な変更がなく設置することができる
こと、 ｄ、リヤウインドからの後方視界を確保できること、で
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、乗員
シート背面後方のキャブスペースに水平状に固定した固
定ベッドクッションと、該クッションにヒンジ状継手を
介してキャブ背面側に向け後倒される可動ベッドクッシ
ョンとから構成される簡易ベッドの形成方法において、
ベッド使用時に、助手席側シートのシートバックをその
座面上に折畳させ、運転席側シートを前方にスライドさ
せるとともにシートバックをフロント側に前傾させた
後、前記可動ベッドクッションを前倒させ助手席側シー
トバックの裏面上と運転席側シートの前傾状シートバッ
クの傾斜面上とに接触固持させて、前記固定ベッドクッ
ションとほぼ面一状態の簡易ベッドを形成させるように
したことを特徴とする。即ち横臥に必要なベッドをヒン
ジ結合により固定ベッドクッションと可動ベッドクッシ
ョンとに２分割するとともに、可動ベッドクッションは
助手席シートやセンタシートのシートバックを兼用して
いないため、実開平２−８６８２４号公報に比較して、
寝心地が大幅に向上すると共に、三人着座可能なセンタ
ーシート装着車又は同部がコンソールボックスタイプの
いずれでも適用可能である。

【０００８】そして、本発明は使用時には助手席側シー
トのシートバックをその座面上に前倒載置し、運転席側
シートをできるだけ前方へスライドさせるとともに傾斜
前傾させ、ついで前記可動ベッドクッションを前倒した
助手席側のシートバックの裏面上とコンソールボックス
上と運転席側シートの前傾状シートバックの傾斜面上と
に可動ベッドクッションを前倒固定させて、簡易ベッド
を構成させるものでり、即ち、可動ベッドクッションの
前倒載置に必要なスペースは、助手座席側はシートバッ
クの前倒載置により確保し、運転席側は座面をできるだ
け前方にスライドさせるとともにシートバックを前傾さ
せることにより確保するようにして、簡易ベッド設置用
の全スペースは、前記固定ベッドクッション用のキャブ
スペースと、助手席側のシートバックの前倒載置と運転
席側シートの前方スライドとにより形成されたコンソー
ルボックスを含むスペースとにより有効利用を図ったも
のである。

【０００９】而も、収納時には前記可動ベッドクッショ
ンは固定ベッドクッションのヒンジ部より折曲後倒さ
せ、キャブ背面側に向け立て掛けるようにしてあるた
め、キャブ背面側のリヤウインドを塞ぐこともなく、運
転者よりの後方視界の確保を可能とするとともに、前記
可動ベッドクッションをキャブ背面側に向け立て掛ける
ようにする事は、前記固定ベッドクッションが底辺、可
動ベッドクッションが斜辺となるために、必然的に可動
ベッドクッションを広幅に出来、且つ固定ベッドクッシ
ョンを狭幅に設定でき、狭いキャブスペースの有効利用
が図れる。

【００１０】なお、前記傾斜面は、前記シートバックの
傾斜面上に、可動ベッドクッションの側縁部側と係合
し、該可動ベッドクッションの位置固定を図る固定手段
を設けるのがよく、より具体的には前記固定手段が、シ
ートバックの傾斜面に合わせて形成した可動ベッドクッ
ション側縁の傾斜当接面、可動ベッドクッションを位置
固定する為に、シートバックの傾斜面又は／及び可動ベ
ッドクッション側縁に設けた係合手段とで構成するよう
にして、前倒させた可動ベッドクッションの傾斜面への
当接位置決めをより確実に実行できるようにしてある。

【００１１】また、収納時に、前記可動ベッドクッショ
ン前倒時の車両前後方向の幅長を固定ベッドクッション
幅長より大なる広幅に設定するとともに、該可動ベッド
クッションをキャブ背面側に向け後倒させた際に、該ク
ッション側端がキャブ背面壁に当接し、固定ベッドクッ
ションとの間で、ベッド使用時の寝具等が収納される収
納空間を形成してキャブスペースの有効利用を図っても
良い。

【００１２】また、可動ベッドクッション後倒時に、乗
員シートと対面する可動ベッドクッション裏面側に、小
物入れ、折畳可能な小テーブルを設け、可動ベッドクッ
ション収納時の有効利用を図るようにしてもよい。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
る構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特
に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみ
に限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。図１
は本発明の実施形態に係る簡易ベッドの概略の構成を示
す収納時の斜視図で、図２は図１のII−II視図で、図３
は図１の簡易ベッドの使用状態を示す斜視図であり、図
４は図３のIV−IV視図で、図５は図１の簡易ベッドの収
納時の可動ベッドクッションの小物入れの使用状況を示
す断面図で、図６は図１の簡易ベッドに使用するヒンジ
状継手の概略構成を示す拡大断面図である。

【００１４】図１に示すように本簡易ベッドは、狭幅の
固定ベッドクッション１０と広幅の可動ベッドクッショ
ン１１とより構成し、図２に示すように固定ベッドクッ
ション１０は乗員シートの背面後部のスペース上に位置
するコントローラ２４等を覆う取り付け架台２５に固定
させ、可動ベッドクッション１１は固定ベッドクッショ
ン１０の前方端部にヒンジ状継手１２により結合され、
該継手１２を中心として後側に折り曲げ傾斜させてキャ
ブ背面のリヤパネル５１に向け立て掛け、リヤパネル５
１との間に収納空間１６を形成させキャブスペースＹを
含む空間に納まるようにしてある。特に前記可動ベッド
クッション１１をリヤパネル５１に向け後倒させて立て
掛けるようにする事は、前記固定ベッドクッション１０
が底辺、可動ベッドクッション１１が斜辺となるため
に、必然的に可動ベッドクッション１１を広幅に固定ベ
ッドクッション１０を狭幅に設定でき、狭いキャブスペ
ースの有効利用が図れる。

【００１５】次に、図３に示すように簡易ベッド使用時
には、運転席側シート２０の座面２０ａをできるだけ矢
印方向に前進させるとともにそのシートバック２０ｂを
図示してないハンドルに当接又は当接しない程度まで前
傾させる。同時に助手席側シート２１のシートバック２
１ｂを座面２１ａ上に前倒倒伏させる。ついで、リヤパ
ネル５１に向け立て掛けてある可動ベッドクッション１
１をヒンジ状継手１２を介して水平位置まで前倒倒伏さ
せ、前記倒伏させた助手席側のシートバック２１ｂ面上
及び中央コンソールボックス上及び運転側シート２０の
シートバック２０ｂの前傾傾斜接触面に位置決め載置さ
せ、可動ベッドクッション１１が固定ベッドクッション
１０と面一状に簡易ベッドを展開する構成にしてある。
上記のようにして簡易ベッド設置用全スペースは、前記
固定ベッドクッション用のキャブスペースと、助手席側
のシートバックの前倒載置と運転席側シートの前方スラ
イドとにより形成されたコンソールボックスを含むスペ
ースとにより有効利用を図ったものである。

【００１６】なお、図３、図４に示すように、上記可動
ベッドクッション１１の前方側端面には楔状に傾斜させ
た傾斜接触面１１ｃを形成させ、また、運転席側シート
２０のシートバック２０ｂの傾斜面には係合金具１３を
設け、使用時にはシートバック２０ｂの傾斜面と前記楔
状傾斜接触面１１ｃとが係合し、確実な位置固定ができ
るようにしてある。

【００１７】なお、前記ヒンジ状継手１２は図６にその
１例の部分拡大図が示してあるが図に見るように、固定
ベッドクッション１０及び可動ベッドクッション１１の
構造部材１０ｂ、１１ｂの周囲を包むように設けたシー
ト部材１０ａ、１１ａを対向面で折り込み溝部１０ｃ、
１１ｄを設け、該溝部に布製継手１２ａを挿入してピン
部材１２ｂでセットする構成としたもので、結合部に硬
質部材よりなる継手用金具の使用を避け危険防止に配慮
してある。

【００１８】また、図１、図５に示すように、可動ベッ
ドクッション１１の略中央部位には戸棚１５ｂと開きテ
ーブル１５ａよりなる小物入れ１５を設けて収納時に開
きテーブル１５ａを開き又小物入れ１５も適宜利用でき
るようにしてある。

【００１９】また、図２に示すように、ヒンジ状継手１
２を介して鋭角状に可動ベッドクッション１１を折り曲
げリヤパネル５１に向け立て掛け収納する際、形成され
る直角三角形状の収納空間１６は、布団類の寝具等の格
納にも利用できキャブスペースＹの有効利用を図ること
ができる。

【００２０】

【発明の効果】以上記載のごとく、小さなキャブスペー
スの中型車両であっても、該スペースと乗員シートや中
央コンソールボックスを有効利用することにより人が自
由な姿勢で寝心地よく横臥休息できる。また、収納時で
も可動ベッドクッションの折り曲げ高さもリヤウインド
の下部に納まるため後方視界を塞いだり妨げることがな
い。また、収納時には可動ベッドクッションに設けた小
物入れや、収納時形成される収納空間を介してそれぞれ
有効利用を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の簡易ベッドの概略の構成を示す収納時
の斜視図である。

【図２】図１のII−II視図である。

【図３】図１の簡易ベッドの使用状態を示す斜視図であ
る。

【図４】図３のIV−IV視図である。

【図５】図１の簡易ベッドの収納時の可動ベッドクッシ
ョンの小物入れの使用状況を示す断面図である。

【図６】図１の簡易ベッドに使用するヒンジ状継手の概
略構成を示す拡大断面図である。

【図７】従来の中型のベッドレスキャブ車両に使用され
ているベッドの態様を示す図で、（Ａ）は大型車同様の
ベッド付きキャブを示す図で、（Ｂ）収納式ベッドを示
す図で、（Ｃ）は（Ｂ）の改造型を示す図である。

【符号の説明】

１０ 固定ベッドクッション １１ 可動ベッドクッション １１ｃ 楔状傾斜接触面 １２ ヒンジ状継手 １３ 係合金具 １５ 小物入れ １６ 収納空間 ２０ 運転席側シート ２０ａ 運転席側シートの座面 ２０ｂ 運転席側シートのシートバック ２１ 助手席側シート ２１ａ 助手席側シートの座面 ２１ｂ 助手席側シートのシートバック ２３ コンソールボックス ５１ リヤパネル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗員シート背面後方のキャブスペースに
   水平状に固定した固定ベッドクッションと、該クッショ
   ンにヒンジ状継手を介してキャブ背面側に向け後倒され
   る可動ベッドクッションとから構成される簡易ベッドの
   形成方法において、 ベッド使用時に、助手席側シートのシートバックをその
   座面上に折畳させ、運転席側シートを前方にスライドさ
   せるとともにシートバックをフロント側に前傾させた
   後、前記可動ベッドクッションを前倒させ助手席側シー
   トバックの裏面上と運転席側シートの前傾状シートバッ
   クの傾斜面上とに接触固持させて、前記固定ベッドクッ
   ションとほぼ面一状態の簡易ベッドを形成させるように
   したことを特徴とする簡易ベッドの形成方法。
2. 【請求項２】 前記シートバックの傾斜面上に、可動ベ
   ッドクッションの側縁部側と係合し、該可動ベッドクッ
   ションの位置固定を図る固定手段を設けてなることを特
   徴とする請求項１記載の簡易ベッドの形成方法。