JPH11117046A - マグネシウムを含有するアルミニウム合金の熱処理方法、及び該合金からなる線材の製造方法 - Google Patents
マグネシウムを含有するアルミニウム合金の熱処理方法、及び該合金からなる線材の製造方法Info
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- JPH11117046A JPH11117046A JP29361197A JP29361197A JPH11117046A JP H11117046 A JPH11117046 A JP H11117046A JP 29361197 A JP29361197 A JP 29361197A JP 29361197 A JP29361197 A JP 29361197A JP H11117046 A JPH11117046 A JP H11117046A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 マグネシウムを含有するアルミニウム合金材
料の熱処理方法、及び該合金からなる線材の製造方法を
提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の熱処理方法は、マグネシウムを
含有するアルミニウム合金材料を300℃以上の高温で
0.5〜50時間の熱処理を行う際に、該熱処理を不活
性ガス雰囲気下で行うことを特徴とし、線材を製造する
場合においては、線材に上記熱処理を行った後、該線材
を冷却して伸線加工を行うものである。本発明において
は不活性ガス雰囲気下で熱処理を行うことによって、熱
処理によってアルミニウム合金材料の表面に酸化皮膜が
形成するのを防ぐため、熱処理後のアルミニウム合金材
料の加工時に潤滑油を安定して塗付することができ、加
工の際の焼付、表面傷、断線などの発生を防止すること
ができる。
料の熱処理方法、及び該合金からなる線材の製造方法を
提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の熱処理方法は、マグネシウムを
含有するアルミニウム合金材料を300℃以上の高温で
0.5〜50時間の熱処理を行う際に、該熱処理を不活
性ガス雰囲気下で行うことを特徴とし、線材を製造する
場合においては、線材に上記熱処理を行った後、該線材
を冷却して伸線加工を行うものである。本発明において
は不活性ガス雰囲気下で熱処理を行うことによって、熱
処理によってアルミニウム合金材料の表面に酸化皮膜が
形成するのを防ぐため、熱処理後のアルミニウム合金材
料の加工時に潤滑油を安定して塗付することができ、加
工の際の焼付、表面傷、断線などの発生を防止すること
ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マグネシウムを含有す
るアルミニウム合金材料の熱処理方法、及び該合金から
なる線材の製造方法に関するものである。
るアルミニウム合金材料の熱処理方法、及び該合金から
なる線材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】アルミ
ニウム合金線は、架空送電線や配電線などの電線、アー
マロッド、建材、ネット、フェンスなどに用いられてい
る。上記アルミニウム合金線は通常以下のような手順に
て作製され、まず、アルミニウム合金を連続鋳造圧延や
押出などによって線状に加工し、その後、このアルミニ
ウム合金からなる線材に伸線加工を行なうことによって
所望の径まで伸線して作製される。
ニウム合金線は、架空送電線や配電線などの電線、アー
マロッド、建材、ネット、フェンスなどに用いられてい
る。上記アルミニウム合金線は通常以下のような手順に
て作製され、まず、アルミニウム合金を連続鋳造圧延や
押出などによって線状に加工し、その後、このアルミニ
ウム合金からなる線材に伸線加工を行なうことによって
所望の径まで伸線して作製される。
【0003】上記アルミニウム合金線の作製中には、合
金元素の固溶化のための溶体化処理、延性回復や軟化の
ための焼鈍などの300〜600℃程度の高温による熱
処理を0.5〜50時間程度行うことがあり、特に、マ
グネシウムの含有量が0.1〜2.0重量%、珪素の含
有量が0.1〜2.0重量%であって、残部がアルミニ
ウム及び不可避不純物からなるAl−Mg−Si系合金
においては、多量のマグネシウム及び珪素をアルミニウ
ム中に溶かし込むため、400〜600℃程度の高温で
0.5〜50時間加熱した後急冷するという溶体化処理
を行っている。上記の熱処理は加工性及び時効硬化性向
上のため、伸線加工前に行われることが多いが、マグネ
シウムを含有するアルミニウム合金線においては、上記
熱処理を行った後の伸線加工の際に、潤滑不良による焼
付きが生じるため、表面傷などの外観不良や断線が発生
しやすいという問題があった。
金元素の固溶化のための溶体化処理、延性回復や軟化の
ための焼鈍などの300〜600℃程度の高温による熱
処理を0.5〜50時間程度行うことがあり、特に、マ
グネシウムの含有量が0.1〜2.0重量%、珪素の含
有量が0.1〜2.0重量%であって、残部がアルミニ
ウム及び不可避不純物からなるAl−Mg−Si系合金
においては、多量のマグネシウム及び珪素をアルミニウ
ム中に溶かし込むため、400〜600℃程度の高温で
0.5〜50時間加熱した後急冷するという溶体化処理
を行っている。上記の熱処理は加工性及び時効硬化性向
上のため、伸線加工前に行われることが多いが、マグネ
シウムを含有するアルミニウム合金線においては、上記
熱処理を行った後の伸線加工の際に、潤滑不良による焼
付きが生じるため、表面傷などの外観不良や断線が発生
しやすいという問題があった。
【0004】本発明は、上記課題を解消するためになさ
れたものであり、マグネシウムを含有するアルミニウム
合金材料の熱処理後の加工における焼付きの発生を防
ぎ、表面傷や断線などの発生を防ぐことができる熱処理
方法、及び、上記熱処理工程を含む上記合金線材の製造
方法を提供するものである。
れたものであり、マグネシウムを含有するアルミニウム
合金材料の熱処理後の加工における焼付きの発生を防
ぎ、表面傷や断線などの発生を防ぐことができる熱処理
方法、及び、上記熱処理工程を含む上記合金線材の製造
方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、マグネシウム
を含有するアルミニウム合金材料を300℃以上の高温
で0.5〜50時間の熱処理を行う際に、該熱処理を不
活性ガス雰囲気下で行うことを特徴とするマグネシウム
を含有するアルミニウム合金の熱処理方法、及び、該合
金からなる線材に上記熱処理を行った後該線材を冷却
し、その後伸線加工するという線材の製造方法によっ
て、上記課題を解決するものである。
を含有するアルミニウム合金材料を300℃以上の高温
で0.5〜50時間の熱処理を行う際に、該熱処理を不
活性ガス雰囲気下で行うことを特徴とするマグネシウム
を含有するアルミニウム合金の熱処理方法、及び、該合
金からなる線材に上記熱処理を行った後該線材を冷却
し、その後伸線加工するという線材の製造方法によっ
て、上記課題を解決するものである。
【0006】本発明者らは、伸線加工などの加工の際の
焼付き、表面傷、断線などの発生原因として、加工前の
溶体化処理や焼鈍などの熱処理時にアルミニウム合金材
料の表面にマグネシウム系酸化物の皮膜が形成され、該
皮膜の存在によって潤滑油が付着しにくいためであると
いうことを見出し、熱処理時に酸化皮膜が形成されない
ように熱処理を不活性ガス雰囲気下で行うことによって
上記課題を解決し、本発明を完成させたものである。
焼付き、表面傷、断線などの発生原因として、加工前の
溶体化処理や焼鈍などの熱処理時にアルミニウム合金材
料の表面にマグネシウム系酸化物の皮膜が形成され、該
皮膜の存在によって潤滑油が付着しにくいためであると
いうことを見出し、熱処理時に酸化皮膜が形成されない
ように熱処理を不活性ガス雰囲気下で行うことによって
上記課題を解決し、本発明を完成させたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるアルミ
ニウム合金はマグネシウムを含有するものであれば特に
制限はなく、マグネシウム以外に、珪素、亜鉛、銅、ジ
ルコニウム、チタン、リチウム、鉄、クロム、マンガ
ン、及びその他の不可避不純物などを含んでもよい。上
記アルミニウム合金としては、例えば、JIS H 4
000及びJIS H 4040にて規定される合金番
号が2000番台のAl−Cu系合金(Mg含有量が
0.2〜1.8重量%程度)、同様に合金番号が500
0番台のAl−Mg系合金(Mg含有量が0.5〜5.
6重量%程度)、同様に合金番号が6000番台のAl
−Mg−Si系合金(Mg含有量が0.45〜1.2重
量%程度)、同様にJISの合金番号が7000番台の
Al−Mg−Zn系合金(Mg含有量が0.5〜2.9
重量%程度)などJIS規格で規定された合金が挙げら
れ、また、JIS規格から外れるものであってもよい。
ニウム合金はマグネシウムを含有するものであれば特に
制限はなく、マグネシウム以外に、珪素、亜鉛、銅、ジ
ルコニウム、チタン、リチウム、鉄、クロム、マンガ
ン、及びその他の不可避不純物などを含んでもよい。上
記アルミニウム合金としては、例えば、JIS H 4
000及びJIS H 4040にて規定される合金番
号が2000番台のAl−Cu系合金(Mg含有量が
0.2〜1.8重量%程度)、同様に合金番号が500
0番台のAl−Mg系合金(Mg含有量が0.5〜5.
6重量%程度)、同様に合金番号が6000番台のAl
−Mg−Si系合金(Mg含有量が0.45〜1.2重
量%程度)、同様にJISの合金番号が7000番台の
Al−Mg−Zn系合金(Mg含有量が0.5〜2.9
重量%程度)などJIS規格で規定された合金が挙げら
れ、また、JIS規格から外れるものであってもよい。
【0008】上記アルミニウム合金においては、強度、
伸び、導電性などのバランスの点から特にマグネシウム
の含有量が0.1〜5.0重量%であることが好まし
い。マグネシウムの含有量が0.1重量%未満である
と、大気中であっても熱処理時に生じるマグネシウム系
酸化皮膜が薄いため加工への影響が少ない傾向にあり、
また、5.0重量%を超えると延性及び導電性が低下す
る傾向にある。
伸び、導電性などのバランスの点から特にマグネシウム
の含有量が0.1〜5.0重量%であることが好まし
い。マグネシウムの含有量が0.1重量%未満である
と、大気中であっても熱処理時に生じるマグネシウム系
酸化皮膜が薄いため加工への影響が少ない傾向にあり、
また、5.0重量%を超えると延性及び導電性が低下す
る傾向にある。
【0009】本発明の方法は、上記アルミニウム合金の
なかでも溶体化処理時にマグネシウム系酸化皮膜が生じ
易いAl−Mg−Si系合金に好適に用いられる。該A
l−Mg−Si系合金は、強度や導電性の点からマグネ
シウムの含有量が0.1〜2.0重量%、珪素の含有量
が0.1〜2.0重量%であって、残部がアルミニウム
及び不可避不純物からなるAl−Mg−Si系合金が好
ましく、Al−Mg−Si系合金における不可避不純物
とは、主合金元素であるアルミニウム、マンガン、珪素
以外の元素であり、例えば、亜鉛、銅、ジルコニウム、
チタン、リチウム、鉄、クロム、マンガン、及びその他
の元素である。
なかでも溶体化処理時にマグネシウム系酸化皮膜が生じ
易いAl−Mg−Si系合金に好適に用いられる。該A
l−Mg−Si系合金は、強度や導電性の点からマグネ
シウムの含有量が0.1〜2.0重量%、珪素の含有量
が0.1〜2.0重量%であって、残部がアルミニウム
及び不可避不純物からなるAl−Mg−Si系合金が好
ましく、Al−Mg−Si系合金における不可避不純物
とは、主合金元素であるアルミニウム、マンガン、珪素
以外の元素であり、例えば、亜鉛、銅、ジルコニウム、
チタン、リチウム、鉄、クロム、マンガン、及びその他
の元素である。
【0010】本発明においては上記組成のアルミニウム
合金材料を用いる。該材料は鋳塊状、板状、線状など適
宜の形状であってよく、これら形状のアルミニウム合金
材料は適宜の方法によって作製すればよく、例えば線状
のものについては連続鋳造圧延法や展延法、押出法など
によって作製すればよい。
合金材料を用いる。該材料は鋳塊状、板状、線状など適
宜の形状であってよく、これら形状のアルミニウム合金
材料は適宜の方法によって作製すればよく、例えば線状
のものについては連続鋳造圧延法や展延法、押出法など
によって作製すればよい。
【0011】本発明においては、上記適宜の形状とした
アルミニウム合金材料を300℃以上の高温で0.5〜
50時間の熱処理を行う。この熱処理としては、合金元
素の固溶化のための溶体化処理、または延性回復や軟化
のための焼鈍などが挙げられ、その熱処理温度は300
〜600℃程度であり、熱処理時間は0.5〜50時間
程度である。
アルミニウム合金材料を300℃以上の高温で0.5〜
50時間の熱処理を行う。この熱処理としては、合金元
素の固溶化のための溶体化処理、または延性回復や軟化
のための焼鈍などが挙げられ、その熱処理温度は300
〜600℃程度であり、熱処理時間は0.5〜50時間
程度である。
【0012】そして、本発明においては上記熱処理を不
活性ガス雰囲気下で行う。不活性ガスとしては、ヘリウ
ム、ネオン、アルゴンなどの希ガス、窒素ガス、炭酸ガ
スなどが挙げられ、なかでも経済性及び安全性の点から
特に窒素ガスが好適に用いられる。本発明においては、
成分元素の蒸発及び酸化皮膜の生成を防止する点から特
に、不活性ガス雰囲気の圧力を1気圧以上とすることが
好ましい。圧力が1気圧未満であると、アルミニウム合
金材料においてマグネシウムの表面への拡散、蒸発が活
発になり、熱処理中に残存酸素との反応による酸化皮膜
の形成が起こりやすい傾向にあり、熱処理後の冷却時に
も酸化皮膜の形成が起こりやすい傾向にある。
活性ガス雰囲気下で行う。不活性ガスとしては、ヘリウ
ム、ネオン、アルゴンなどの希ガス、窒素ガス、炭酸ガ
スなどが挙げられ、なかでも経済性及び安全性の点から
特に窒素ガスが好適に用いられる。本発明においては、
成分元素の蒸発及び酸化皮膜の生成を防止する点から特
に、不活性ガス雰囲気の圧力を1気圧以上とすることが
好ましい。圧力が1気圧未満であると、アルミニウム合
金材料においてマグネシウムの表面への拡散、蒸発が活
発になり、熱処理中に残存酸素との反応による酸化皮膜
の形成が起こりやすい傾向にあり、熱処理後の冷却時に
も酸化皮膜の形成が起こりやすい傾向にある。
【0013】本発明においては、上記のように熱処理を
不活性ガス雰囲気下で行うことによって、熱処理によっ
てアルミニウム合金材料の表面に酸化皮膜が形成するの
を防ぐため、熱処理後のアルミニウム合金材料の加工時
に潤滑油を安定して塗付することができ、加工の際の焼
付、表面傷、断線などの発生を防止することができる。
不活性ガス雰囲気下で行うことによって、熱処理によっ
てアルミニウム合金材料の表面に酸化皮膜が形成するの
を防ぐため、熱処理後のアルミニウム合金材料の加工時
に潤滑油を安定して塗付することができ、加工の際の焼
付、表面傷、断線などの発生を防止することができる。
【0014】そして上記熱処理が終了した後、通常、ア
ルミニウム合金材料は成分元素を強制的に固溶させるた
め、水冷、油冷、空冷などして冷却され、その用途によ
ってはさらに加工される。上記冷却後の加工としては、
例えばアルミニウム合金材料が線状の場合には、該線状
の材料の伸線加工を行うことなどが挙げられる。伸線加
工の方法としては、通常の方法であれば特に制限はな
く、例えば、ダイスによる引抜き加工、型ロールやロー
ラーダイスによる引抜きや圧延加工などが挙げられる。
伸線加工の程度は線材の用途等によって様々であり特に
制限はなく、例えば、径が1〜50mm程度の線材を径
が0.1〜30mm程度になるように伸線加工すること
などが挙げられる。
ルミニウム合金材料は成分元素を強制的に固溶させるた
め、水冷、油冷、空冷などして冷却され、その用途によ
ってはさらに加工される。上記冷却後の加工としては、
例えばアルミニウム合金材料が線状の場合には、該線状
の材料の伸線加工を行うことなどが挙げられる。伸線加
工の方法としては、通常の方法であれば特に制限はな
く、例えば、ダイスによる引抜き加工、型ロールやロー
ラーダイスによる引抜きや圧延加工などが挙げられる。
伸線加工の程度は線材の用途等によって様々であり特に
制限はなく、例えば、径が1〜50mm程度の線材を径
が0.1〜30mm程度になるように伸線加工すること
などが挙げられる。
【0015】本発明においては、不活性ガス雰囲気下で
熱処理はいつ行ってもよく、例えばアルミニウム合金材
料が線状の場合には、上記のように伸線加工の前であっ
てもよく、また、伸線加工の途中や伸線加工後であって
もよいが、線状材料の場合には該材料の加工性及び時効
硬化性向上の点から特に、不活性ガス雰囲気下での熱処
理を行った後該線材を冷却し、その後伸線加工して最終
径まで仕上げることが好ましい。
熱処理はいつ行ってもよく、例えばアルミニウム合金材
料が線状の場合には、上記のように伸線加工の前であっ
てもよく、また、伸線加工の途中や伸線加工後であって
もよいが、線状材料の場合には該材料の加工性及び時効
硬化性向上の点から特に、不活性ガス雰囲気下での熱処
理を行った後該線材を冷却し、その後伸線加工して最終
径まで仕上げることが好ましい。
【0016】また、上記伸線加工などの加工の前には、
焼付防止の点から特にアルミニウム合金材料の表面に潤
滑油を塗付することが好ましい。本発明に用いられる潤
滑油は通常のものであれば特に制限はなく、その塗付方
法及び塗付量においても通常の方法及び量であればよ
く、特に制限はない。
焼付防止の点から特にアルミニウム合金材料の表面に潤
滑油を塗付することが好ましい。本発明に用いられる潤
滑油は通常のものであれば特に制限はなく、その塗付方
法及び塗付量においても通常の方法及び量であればよ
く、特に制限はない。
【0017】
(実施例1、2、4、比較例1、3)表1に示す組成の
アルミニウム合金からなる線材(直径8mm)を試料と
して用い、これら合金線材を表2に示した条件で熱処理
した。その後、該線材を冷却し、該線材に鉱物油系潤滑
油を塗付し、ダイス加工を用いた引抜き加工で直径8m
mの線材を直径3mmまで伸線した。
アルミニウム合金からなる線材(直径8mm)を試料と
して用い、これら合金線材を表2に示した条件で熱処理
した。その後、該線材を冷却し、該線材に鉱物油系潤滑
油を塗付し、ダイス加工を用いた引抜き加工で直径8m
mの線材を直径3mmまで伸線した。
【0018】(実施例3、比較例2)表1に示す組成の
アルミニウム合金からなる板材(厚さ5mm)を試料と
して用い、これら合金板材を表2に示した条件で熱処理
した。その後、該板材を冷却し、該板材にエマルジョン
系潤滑剤を塗付し、冷間圧延で厚さ5mmの板材を厚さ
1mmまで圧延した。
アルミニウム合金からなる板材(厚さ5mm)を試料と
して用い、これら合金板材を表2に示した条件で熱処理
した。その後、該板材を冷却し、該板材にエマルジョン
系潤滑剤を塗付し、冷間圧延で厚さ5mmの板材を厚さ
1mmまで圧延した。
【0019】(破断、焼付き、表面傷の評価)上記各実
施例及び比較例について、断線などの試料破断の有無、
及び試料の焼付き及び表面傷の状態を肉眼で観察した。
その結果を表2に示す。なお、焼付き及び表面傷につい
ては、特にない場合は○、軽度である場合は△、顕著で
ある場合は×とした。
施例及び比較例について、断線などの試料破断の有無、
及び試料の焼付き及び表面傷の状態を肉眼で観察した。
その結果を表2に示す。なお、焼付き及び表面傷につい
ては、特にない場合は○、軽度である場合は△、顕著で
ある場合は×とした。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明の熱処理方法は、マグネシウムを
含有するアルミニウム合金材料を300℃以上の高温で
0.5〜50時間の熱処理を行う際に、該熱処理を不活
性ガス雰囲気下で行うことによって、熱処理によってア
ルミニウム合金材料の表面に酸化皮膜が形成するのを防
ぐため、熱処理後のアルミニウム合金材料の加工時に潤
滑油を安定して塗付することができ、加工の際の焼付、
表面傷、断線などの発生を防止することができる。ま
た、本発明の線材の製造方法は、マグネシウムを含有す
るアルミニウム合金からなる線材を不活性ガス雰囲気下
で300℃以上の高温で0.5〜50時間熱処理を行
い、その後、該線材を冷却し、仕上がり径まで伸線加工
することによって、熱処理によってアルミニウム合金材
料の表面に酸化皮膜が形成するのを防ぐため、熱処理後
のアルミニウム合金材料の加工時に潤滑油を安定して塗
付することができ、加工の際の焼付、表面傷、断線など
の発生を防止することができる。また、本発明の方法
は、特に、マグネシウムの含有量が0.1〜5.0重量
%であるアルミニウム合金材料、なかでも特に、マグネ
シウムの含有量が0.1〜2.0重量%、珪素の含有量
が0.1〜2.0重量%であって、残部がアルミニウム
及び不可避不純物からなるAl−Mg−Si系合金材料
に好適に用いられ、これら合金材料に本発明の方法を適
用することによって、表面性状に優れ、高強度、高導電
率のアルミニウム合金材料を得ることができる。また、
不活性ガス雰囲気の圧力は1気圧以上であることによっ
て、さらに、熱処理によってアルミニウム合金材料の表
面に酸化皮膜が形成するのを防ぐことができる。
含有するアルミニウム合金材料を300℃以上の高温で
0.5〜50時間の熱処理を行う際に、該熱処理を不活
性ガス雰囲気下で行うことによって、熱処理によってア
ルミニウム合金材料の表面に酸化皮膜が形成するのを防
ぐため、熱処理後のアルミニウム合金材料の加工時に潤
滑油を安定して塗付することができ、加工の際の焼付、
表面傷、断線などの発生を防止することができる。ま
た、本発明の線材の製造方法は、マグネシウムを含有す
るアルミニウム合金からなる線材を不活性ガス雰囲気下
で300℃以上の高温で0.5〜50時間熱処理を行
い、その後、該線材を冷却し、仕上がり径まで伸線加工
することによって、熱処理によってアルミニウム合金材
料の表面に酸化皮膜が形成するのを防ぐため、熱処理後
のアルミニウム合金材料の加工時に潤滑油を安定して塗
付することができ、加工の際の焼付、表面傷、断線など
の発生を防止することができる。また、本発明の方法
は、特に、マグネシウムの含有量が0.1〜5.0重量
%であるアルミニウム合金材料、なかでも特に、マグネ
シウムの含有量が0.1〜2.0重量%、珪素の含有量
が0.1〜2.0重量%であって、残部がアルミニウム
及び不可避不純物からなるAl−Mg−Si系合金材料
に好適に用いられ、これら合金材料に本発明の方法を適
用することによって、表面性状に優れ、高強度、高導電
率のアルミニウム合金材料を得ることができる。また、
不活性ガス雰囲気の圧力は1気圧以上であることによっ
て、さらに、熱処理によってアルミニウム合金材料の表
面に酸化皮膜が形成するのを防ぐことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 691 C22F 1/00 691Z 691B 691C
Claims (8)
- 【請求項1】 マグネシウムを含有するアルミニウム合
金材料を300℃以上の高温で0.5〜50時間の熱処
理を行う際に、該熱処理を不活性ガス雰囲気下で行うこ
とを特徴とするマグネシウムを含有するアルミニウム合
金の熱処理方法。 - 【請求項2】 アルミニウム合金においてマグネシウム
の含有量が0.1〜5.0重量%である請求項1記載の
マグネシウムを含有するアルミニウム合金の熱処理方
法。 - 【請求項3】 アルミニウム合金は、マグネシウムの含
有量が0.1〜2.0重量%、珪素の含有量が0.1〜
2.0重量%であって、残部がアルミニウム及び不可避
不純物からなるAl−Mg−Si系合金である請求項1
または請求項2に記載のマグネシウムを含有するアルミ
ニウム合金の熱処理方法。 - 【請求項4】 不活性ガス雰囲気の圧力は1気圧以上で
ある請求項1〜3いずれかに記載のマグネシウムを含有
するアルミニウム合金の熱処理方法。 - 【請求項5】 マグネシウムを含有するアルミニウム合
金からなる線材を不活性ガス雰囲気下で300℃以上の
高温で0.5〜50時間熱処理を行った後該線材を冷却
し、その後伸線加工することを特徴とするマグネシウム
を含有するアルミニウム合金からなる線材の製造方法。 - 【請求項6】 アルミニウム合金においてマグネシウム
の含有量が0.1〜5.0重量%である請求項5記載の
マグネシウムを含有するアルミニウム合金からなる線材
の製造方法。 - 【請求項7】 アルミニウム合金は、マグネシウムの含
有量が0.1〜2.0重量%、珪素の含有量が0.1〜
2.0重量%であって、残部がアルミニウム及び不可避
不純物からなるAl−Mg−Si系合金である請求項5
または請求項6に記載のマグネシウムを含有するアルミ
ニウム合金からなる線材の製造方法。 - 【請求項8】 不活性ガス雰囲気の圧力は1気圧以上で
ある請求項5〜7いずれかに記載のマグネシウムを含有
するアルミニウム合金からなる線材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29361197A JPH11117046A (ja) | 1997-10-09 | 1997-10-09 | マグネシウムを含有するアルミニウム合金の熱処理方法、及び該合金からなる線材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29361197A JPH11117046A (ja) | 1997-10-09 | 1997-10-09 | マグネシウムを含有するアルミニウム合金の熱処理方法、及び該合金からなる線材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11117046A true JPH11117046A (ja) | 1999-04-27 |
Family
ID=17796964
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP29361197A Pending JPH11117046A (ja) | 1997-10-09 | 1997-10-09 | マグネシウムを含有するアルミニウム合金の熱処理方法、及び該合金からなる線材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH11117046A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112742892A (zh) * | 2020-12-18 | 2021-05-04 | 上海康德莱医疗器械股份有限公司 | 一种医用镁合金管材及其制备方法 |
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1997
- 1997-10-09 JP JP29361197A patent/JPH11117046A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112742892A (zh) * | 2020-12-18 | 2021-05-04 | 上海康德莱医疗器械股份有限公司 | 一种医用镁合金管材及其制备方法 |
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