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JPH11113906A - 圧電素子及びその製造方法 - Google Patents

圧電素子及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11113906A
JPH11113906A JP27758497A JP27758497A JPH11113906A JP H11113906 A JPH11113906 A JP H11113906A JP 27758497 A JP27758497 A JP 27758497A JP 27758497 A JP27758497 A JP 27758497A JP H11113906 A JPH11113906 A JP H11113906A
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JP
Japan
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piezoelectric element
curved surface
electrode
plane
flat
Prior art date
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Application number
JP27758497A
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English (en)
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JP3930118B2 (ja
Inventor
Shinichi Tsutaki
新一 蔦木
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP27758497A priority Critical patent/JP3930118B2/ja
Publication of JPH11113906A publication Critical patent/JPH11113906A/ja
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Publication of JP3930118B2 publication Critical patent/JP3930118B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧電素子の凹状曲面と側面とで形成されるエッ
ジ先端から底面までの高さ寸法の精度が高い圧電素子を
提供すること。 【解決手段】圧電素子1は、平板状部材の圧電セラミッ
クの高さ寸法h,幅寸法w及び長さ寸法lを角出しして
予め所定寸法に加工したものであり、この直方体に加工
された圧電素子1に凹状曲面2を形成する。このとき、
まず砥石に凹状曲面の曲率半径(R)に対応するアール
付けをし、この圧電素子1の対向する二平面3a,3b
の少なくとも一方の平面側を研削していく。すると、第
1平面3aに交わるように略円筒面形状の凹状曲面2が
形成されると共に、平面部4a,4bが残存する。この
ことによって、圧電素子1の高さ寸法hが高精度に維持
され、従来の圧電素子で形成されていた凹状曲面と側面
とで形成されたエッジ部がなくなって欠けや割れによる
不良がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波診断装置の
超音波振動子を形成する圧電素子及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】医療分野においては、超音波振動子から
生体組織内に超音波パルスを繰り返し送信し、生体組織
から反射される超音波パルスのエコーを、同一あるいは
別体に設けた超音波振動子で受信して、この超音波パル
スを送受信する方向を徐々にずらすことによって、生体
内の複数の方向から収集した情報を可視像の超音波断層
画像として表示する超音波診断装置が、従来より種々提
案されている。
【0003】例えば、実開昭62−127196号公報
には1つの超音波探触子で各診断領域について良質な画
質の超音波画像が得られるようにするために、圧電振動
子の超音波放射方向の厚さ寸法が連続的に変化するよう
に円弧状に形成した超音波探触子が開示されている。
【0004】また、特開昭60−247159号公報に
は平凹面形状や平凸面形状にして有効な広帯域化が実現
できるようにするため、有機物中に多数の柱状圧電体が
埋め込まれた構造の複合圧電体を用いた超音波探触子が
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記実
開昭62−127196号公報及び特開昭60−247
159号公報に開示されている超音波探触子では平板の
圧電体に所望の曲率の凹状曲面を形成する際、図9に示
すように凹状曲面91と側面92,93とで形成される
エッジ先端から底面までの高さ寸法(H)にばらつきが
生じ、すなわち高さ寸法(H)を精度良く加工すること
が難しく、超音波探触子の超音波特性がばらつくという
問題があった。また、加工の際や保管中などにエッジ面
が欠けたり、割れたりして歩留りが悪いという問題があ
った。さらに、湾曲面に信号電極を設けた際、配線面が
湾曲形状になっていることにより信号線を信号電極に配
線する際の作業性が低下するという問題があった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、圧電素子の凹状曲面と側面とで形成されるエッジ
先端から底面までの高さ寸法を精度良く加工可能で、歩
留りを向上させ、かつ配線作業性を向上させることが可
能な圧電素子及びその製造方法を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
圧電素子は、対向する二平面の少なくとも一方の平面側
に、この平面に交わる曲面を形成している。
【0008】また、本発明の請求項2記載の圧電素子の
製造方法は、対向する二平面の少なくとも一方の平面側
に、この平面の一部が残存するように平面に交わる曲面
を形成する工程を有している。
【0009】この請求項1記載の圧電素子の構成によれ
ば、残存する平面によって配線作業性が向上すると共
に、エッジ先端の欠けや割れがなくなり、エッジ先端か
ら底面までの高さ寸法の精度が向上する。
【0010】また、請求項2記載の圧電素子の製造方法
によれば、圧電素子の凹状曲面と側面とで形成されるエ
ッジ先端から底面までの高さ寸法の加工精度が良く、寸
法のばらつきやかけなどの不良の発生が少なくなって歩
留りが向上すると共に、超音波振動子の超音波特性が安
定する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1ないし図3は本発明の一実施
形態に係り、図1は圧電素子の構成を説明する斜視図、
図2は圧電素子に設ける2種類の電極の配置例を示す
図、図3は本実施形態の圧電素子を使用した超音波振動
子の1例を示す説明図である。
【0012】図1(a)に示すように本実施形態の圧電
素子1は、例えばジルコン酸チタン酸塩又はチタン酸塩
等の平板状部材の圧電セラミックの高さ寸法h,幅寸法
w及び長さ寸法lを角出しして予め所定寸法に加工した
ものであり、この直方体に加工された圧電素子1に後述
する平面部4a,4bを残存させて、二点鎖線に示すよ
うな凹状曲面(以下曲面とも記載する)2を形成するよ
うにしている。すなわち、曲面2を設けた圧電素子1に
平面部4a,4bが残存することによって、従来の圧電
素子で形成されていた凹状曲面と側面とで形成されたエ
ッジ部をなくして、圧電素子1の高さ寸法hを高精度に
したものである。
【0013】前記圧電素子1に凹状曲面2を形成する
際、まず砥石に凹状曲面の曲率半径(R)に対応するア
ール付けをし、この圧電素子1の対向する二平面3a,
3bの少なくとも一方の平面側を研削していく。する
と、同図(b)に示すように第1平面3aに交わるよう
に略円筒面形状の凹状曲面2が形成されていく。そし
て、所定の曲面2が形成されたとき、この曲面2の両端
部に平面部4a,4bが残存した圧電素子1になる。
【0014】図2に示すように前記凹状曲面2を加工し
た圧電素子1の第1平面3a側及び第2平面3b側の両
面にそれぞれ第1電極11及び第2電極12を、例えば
金や銀等を焼付けや蒸着、スパッタ等によって形成す
る。この圧電素子1に形成される第1電極11及び第2
電極12の形成位置には以下に示す形態がある。
【0015】圧電素子1に形成する第1電極11及び第
2電極12の一例として図2(a)に示すものがある。
本図の圧電素子1Aは、第1電極11を第1平面3aの
表面及び曲面2の表面に電気的に一体に形成し、第2電
極12を前記曲面2を設けた第1平面3aに対向する第
2平面3bの表面上に前記第1電極11に対して電気的
に別体に形成している。
【0016】また、圧電素子1に形成する第1電極11
及び第2電極12の他の例である同図(b)に示す圧電
素子1Bでは、第1平面3aの表面及び曲面2の表面に
電気的に一体に形成した第1電極11の一端部を一側面
5aまで延設し、第2平面3bの表面に形成した前記第
1電極11に対して電気的に別体な第2電極12の一端
部を他側面5bの表面まで延設している。
【0017】さらに、圧電素子1に形成する第1電極1
1及び第2電極12の別の例である同図(c)に示す圧
電素子1Cでは、前記同図(b)で他側面5bまで延設
させた第2電極12の一端部をさらに延伸させて前記第
1電極11が形成されている第1平面3aまで延設して
いる。すなわち、第1平面3aに第1電極11と第2電
極12とを配置している。このとき、前記第1平面上で
前記第1電極11と前記第2電極12とは電気的に別体
になっている。
【0018】又、圧電素子1に形成する第1電極11及
び第2電極12のまた別の例である同図(d)に示す圧
電素子1Dでは、前記同図(b)で一側面5aまで延設
させた第1電極11の一端部を更に延伸させて前記第2
電極12が形成されている第2平面3bまで延設してい
る。すなわち、第2平面3bに第1電極11と第2電極
12とを配置している。このとき、前記第2平面上で前
記第1電極11と前記第2電極とは電気的に別体になっ
ている。
【0019】図3を参照して超音波振動子10の1例を
説明する。同図(a)に示す超音波振動子10Aは、前
記図2(c)に示した圧電素子1Cを複数配設して第2
平面3b側が超音波放射面になるように形成したもので
あり、これらの圧電素子1Cに形成されている曲面2側
にフェライト入りのポリクロロプレンゴム,タングステ
ン粉末入りのエポキシ樹脂等の弾性体を成形した超音波
吸収体13を設けている。また、前記圧電素子1Cの第
1平面3aに延設した全ての第2電極12にはグランド
線となる例えば1枚の燐青銅板等で形成したアース導体
14の先端部平面が半田付けや導電性接着剤により電気
的に接続されている。
【0020】一方、前記圧電素子1Cに形成されている
第2平面3b側にはマコールガラスからなる第1整合層
15及びポリイミド樹脂部材等からなる第2整合層16
を介してシリコンやエポキシ等、樹脂製の音響レンズ1
7を配設している。この音響レンズ17は、シリコン樹
脂で形成した場合は凸レンズであり、エポキシ樹脂で形
成した場合には凹レンズである。また、前記第1平面3
aの第1電極11にはフレキシブルプリント基板に配設
された銅パターン等の信号導体18が半田付けや導電性
接着剤により電気的に接続されている。
【0021】このように、超音波振動子を構成する圧電
素子に凹状曲面を形成する際、予め平板状の圧電素子を
所定の寸法に加工し、この圧電素子に平面部が残存する
ように所定の曲率半径の凹状曲面を形成することにより
寸法精度が安定し、凹状曲面と側面とで形成されるエッ
ジ部がなくなることにより歩留りが向上して超音波特性
の安定した圧電素子を確実に量産することができる。
【0022】また、圧電素子の一平面の表面に電気的に
別体な第1電極と第2電極とを設けたことによって、第
1電極と信号導体とを電気的に接続するための配線作業
及び第2電極とアース導体とを電気的に接続するための
配線作業を容易に行うことができる。
【0023】さらに、超音波放射面側にアース導体を配
置することなく、またそれぞれの電極に接続する信号導
体とアース導体とを対称な位置関係で配置したことによ
り、音場の偏りを解消することができる。このことによ
って、超音波受信の特性が向上する。
【0024】又、圧電素子に平面部を形成することによ
って圧電素子の面積が増大する一方、前記圧電素子に形
成した平面部が厚肉部であるため、この平面部から低周
波側の超音波が出射されて、超音波振動子から遠い位置
での感度を向上させることができる。
【0025】なお、同図(b)に示す超音波振動子10
Bは、前記図2(d)に示した圧電素子1Dを複数配設
して第1平面3a側が超音波放射面になるように形成し
たものであり、この圧電素子1Dの第2平面3b側に超
音波吸収体13を設け、曲面2側に音響レンズ17を配
設することなくエポキシ樹脂等からなる音響整合層19
だけを設けている。そして、前記圧電素子1Cの第2平
面3bに延設した全ての第1電極11にアース導体14
が接続され、前記第2平面3bの第2電極12に信号導
体18を電気的に接続して超音波振動子10Bを構成し
ている。このことによって、音響レンズによる超音波の
減衰がなくなって感度の良い超音波振動子を構成するこ
とができる。その他の作用及び効果は同図(a)に示し
た超音波振動子10Aと同様である。なお、幾何学的な
超音波の収束位置は圧電素子1に形成する曲面2の曲率
半径によって設定される。また、音響整合層は複数層に
なっていてもよい。
【0026】また、図4に示すように圧電素子1に縦・
横方向に延びる複数の分割溝21を設け、この分割溝2
1中にポリウレタン、エポキシ等の樹脂部材22を充填
して圧電素子1Eを構成することにより、圧電素子1の
音響インピーダンスを下げて、生体の有する音響インピ
ーダンスに近づけることができる。
【0027】このように、圧電素子に形成した分割溝に
樹脂部材を充填して音響インピーダンスを生体の有する
音響インピーダンスに近づけることによって、超音波振
動子から出射される超音波が生体に入り易くすることが
できる。
【0028】前記圧電素子1は、略直方体形状に限定さ
れるものではなく、図5(a),(b)に示すように円
板形状の圧電素子1Fの中央部に凹状曲面2aを形成
し、この凹状曲面2aの周囲に平面部4cを残存させた
ものであっても良い。
【0029】このように、円板形状の圧電素子に上述の
実施形態と同様に平面部を残存させたことにより、凹状
曲面の形成時に寸法精度を確保できなくなるなどの不具
合を解消することができる。その他の作用及び効果は上
述の実施形態と同様である。
【0030】図6に示すように前記円板状圧電素子1F
を用いた超音波振動子10Cは、前記図5に示した圧電
素子1Fを金属製のハウジング31内に配設して構成し
たものであり、この圧電素子1Fには前記図2(a)に
示すように第1平面3aの表面及び曲面2の表面に設け
た電気的に一体な第1電極11及びこの第1平面3aに
対向する第2平面3bに設けた第2電極12が設けられ
ている。なお、前記第1電極11と前記第2電極12と
は電気的に別体であり、第1電極11が設けられている
第1平面3a側が超音波放射面になっている。
【0031】前記ハウジング31内に配設されている圧
電素子1Fの第2平面3b側に超音波吸収体13を設
け、曲面2aを形成した第1平面3a側にハウジング3
1の先端面を覆うように整合層19を設けている。ま
た、第2平面3bの第2電極12に信号線からなる信号
導体18を接続し、第1平面3aの第1電極11にグラ
ンド線となるアース導体14の一端部を接続している。
【0032】なお、符号32は第1電極11と第2電極
12との短絡を防止するための樹脂製の絶縁層であり、
超音波吸収体13及び圧電素子1Fのそれぞれ外周に設
けられている。また、このアース導体14の他端部はハ
ウジング31の外表面に接続されている。さらに、前記
信号導体18には図示しない超音波診断装置の超音波送
受信部から延出する同軸ケーブルの芯線が接続され、前
記同軸ケーブルのシールド線はハウジングに接続されて
いる。
【0033】ここで、図7を参照して分割溝に樹脂部材
を充填して生体の有する音響インピーダンスに近づけた
圧電素子1Eの一製造方法の各工程を説明する。まず、
同図(a)に示すように所定寸法に加工された圧電素子
1の第1平面3aに予備電極41を設け、第2平面3b
に第2電極12を設け、両電極41,12に高電圧を印
可して分極しておく。
【0034】次に、同図(b)に示すように圧電素子1
の例えば第1平面3a側からダイヤモンドカッター又は
レーザなどによって所定ピッチで複数の分割溝21,
…,21を切削していく。これら分割溝21は圧電素子
1の一部が残るように、すなわち前記第2電極12に至
る手前まで切削して形成されている。
【0035】次いで、同図(c)に示すように複数形成
した分割溝21,…,21にポリウレタン、エポキシ等
の樹脂部材22を充填して、前記分割溝21,…,21
を樹脂部材22で埋める。この状態で、同図(d)に示
すように予備電極41及び樹脂部材22及び圧電素子1
をひとまとめに削って、所定の曲率半径(R)の凹状曲
面2を形成する。このとき、前記凹状曲面2の両端部に
平面部4a,4bが残存する。この後、残存した平面部
4a,4bに設けた予備電極41を除去して、同図
(e)に示すように第1電極11を平面部4a,4b及
び曲面2に焼付けや蒸着、スパッタによって設けて圧電
素子1Eを形成する。
【0036】このように、圧電素子に複数の分割溝を形
成し、この分割溝を樹脂部材で埋めた後、第1平面に平
面部が残存するように凹状曲面を形成することによっ
て、加工中の欠けや割れの発生がなくなる共に、凹状曲
面と側面とで形成されるエッジ部をなくして歩留りの向
上及び寸法精度が向上を図ることができる。このことに
よって、生体の有する音響インピーダンスに近く、超音
波特性の安定した圧電素子を効率良く生産することがで
きる。
【0037】また、凹状曲面を形成する際、圧電素子に
設けられている予備電極及び分割溝を埋めている樹脂部
材及び圧電素子を一度に削るので、圧電素子の平面部及
び曲面の表面に残存樹脂がなくなって、平面部及び曲面
に第1電極を形成する際に発生する残存樹脂による不具
合を解消することができる。残存樹脂があると電極の付
着強度が低下し剥がれやすくなるが、樹脂がないので付
着強度が向上する。このことにより、電極の付着強度が
安定して、より超音波特性の安定した圧電素子の生産効
率が向上する。
【0038】図8を参照して圧電素子1Eの他の製造方
法の各工程を説明する。本製造方法においてはまず、同
図(a)に示すように圧電素子1の第1平面3a及び第
2平面3bにそれぞれ予備電極41を設け、両平面3
a,3bの予備電極41に高電圧を印可して分極したも
のを、エレクトロンワックスなどの固定用樹脂42に例
えば圧電素子1の第2平面3b側を一体的に固定する。
【0039】次に、同図(b)に示すように圧電素子1
の第1平面3a側からダイヤモンドカッター又はレーザ
などによって固定用樹脂42に到達するまで切削溝43
を形成して、所定ピッチで圧電素子1を複数に分割す
る。
【0040】次いで、同図(c)に示すように複数形成
した切削溝43,…,43に上述と同様に樹脂部材22
を充填して、前記切削溝43,…,43を樹脂部材22
で埋める。この状態で、同図(d)に示すように予備電
極41及び樹脂部材22及び圧電素子1をひとまとめに
削って、所定の曲率半径(R)の凹状曲面2を形成す
る。このとき、前記凹状曲面2の両端部に平面部4a,
4bが残存する。この後、残存した予備電極41を除去
する。そして、同図(e)に示すように第1電極11を
平面部4a,4b及び曲面2に焼付けや蒸着、スパッタ
によって設ける。
【0041】次に、同図(f)に示すように前記第2平
面3b側に固定されていた固定用樹脂42を溶融させ
る。すると、前記切削溝43に充填されていた樹脂部材
22が第2平面3b側から突出する。また、前記第1平
面3a側の凹状曲面2内に樹脂部材22などを充填し
て、この凹状曲面2を埋め、前記凹状曲面2側を下側に
して突出した樹脂部材22及び予備電極41を除去した
後、同図(g)に示すように第2電極12を第2平面3
bの表面に焼付けや蒸着、スパッタにより設けて圧電素
子1Eを形成する。
【0042】このように、図7で示した製造方法で形成
した分割溝の代わりに、本製造方法においては圧電素子
を完全に分割する切削溝を形成したことにより、分割溝
形成時に残こる圧電素子残存部によって発生する不要振
動の発生をなくすことができる。
【0043】また、第1平面に形成した凹状曲面を樹脂
部材で埋めることによって、第2平面側を加工する際、
凹状曲面を形成した第1平面の強度が低下することを防
止することができると共に、この凹状曲面を埋める樹脂
部材を適宜選択しておくことにより、凹状曲面を埋めた
樹脂部材を整合層として使用することができる。その他
の作用及び効果は前記第1製造方法と同様である。
【0044】なお、本発明は、以上述べた実施形態のみ
に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形実施可能である。
【0045】[付記] (1)対向する二平面の少なくとも一方の平面側に、こ
の平面に交わる曲面を形成した圧電素子。
【0046】(2)対向する二平面の少なくとも一方の
平面側に、この平面に交わる曲面を形成し、この曲面及
び前記曲面を形成した一方の平面の表面に電気的に一体
な第1電極を設け、他方の平面の表面に前記第1電極に
電気的に別体な第2電極を設けた圧電素子。
【0047】(3)前記第1電極を設けた一方の平面側
まで前記第2電極を延設した付記2記載の圧電素子。
【0048】(4)前記第2電極を設けた他方の平面側
まで前記第1電極を延設した付記2記載の圧電素子。
【0049】(5)対向する二平面の少なくとも一方の
平面に形成する曲面が円筒面形状である付記1又は付記
2記載の圧電素子。
【0050】(6)対向する二平面の少なくとも一方の
平面に形成する曲面が球面形状である付記1又は付記2
記載の圧電素子。
【0051】(7)前記圧電素子に複数の溝を形成し、
前記溝内に樹脂部材を充填した付記1又は付記2記載の
圧電素子。
【0052】(8)対向する二平面の少なくとも一方の
平面側に、この平面に交わる曲面を形成した圧電素子を
備え、この圧電素子の超音波放射方向側に音響整合層を
設け、他方側に超音波吸収層を設けた超音波振動子。
【0053】(9)対向する二平面の少なくとも一方の
平面側に、この平面に交わる曲面を形成し、この曲面及
び前記曲面を形成した平面の表面に電気的に一体な第1
電極を形成し、他方の平面の表面に前記第1電極に電気
的に別体な第2電極を設けた圧電素子を備え、この圧電
素子の超音波放射方向側に音響整合層を設け、他方側に
超音波吸収層を設けた超音波振動子。
【0054】(10)前記第1電極を設けた平面側まで
前記第2電極を延設した付記9記載の超音波振動子。
【0055】(11)前記第2電極を設けた平面側が超
音波放射面側であり、一方の平面側に設けた第1電極に
圧電素子に信号電圧を供給する信号導体を接続し、この
平面側に延設した第2電極にアース用導体を接続した付
記10記載の超音波振動子。
【0056】(12)前記第2電極を設けた平面側まで
前記第1電極を延設した付記9記載の超音波振動子。
【0057】(13)前記第1電極を設けた平面側が超
音波放射面側であり、前記一方の平面に対向する平面側
に設けた第2電極に圧電素子に信号電圧を供給する信号
導体を接続し、この平面側に延設した第1電極にアース
用導体を接続した付記12記載の超音波振動子。
【0058】(14)対向する二平面の少なくとも一方
の平面に形成した曲面が円筒面形状である付記8ないし
付記13のいずれか1つに記載の超音波振動子。
【0059】(15)対向する二平面の少なくとも一方
の平面側に形成した曲面が球面形状である付記8ないし
付記13のいずれか1つに記載の超音波振動子。
【0060】(16)前記圧電素子を複数配設した付記
8ないし付記15記のいずれか1つに記載の超音波振動
子。
【0061】(17)前記圧電素子に複数の溝が形成さ
れ、この溝内に樹脂部材が充填されている付記8ないし
付記16のいずれか1つに記載の超音波振動子。
【0062】(18)対向する二平面の少なくとも一方
の平面側に、この平面の一部が残存するように平面に交
わる曲面を形成する工程を有することを特徴とする圧電
素子の製造方法。
【0063】(19)対向する二平面を有する平板状圧
電素子に複数の分割溝を形成する工程と、前記溝中に樹
脂部材を充填する工程と、前記対向する二平面の少なく
とも一方の平面側に、この平面の一部が残存するように
平面に交わる曲面を形成する工程と、を有する圧電素子
の製造方法。
【0064】(20)対向する二平面を有する平板状圧
電素子に複数の分割溝を形成する工程と、前記溝中に樹
脂部材を充填する工程と、前記対向する二平面の少なく
とも一方の平面側に、この平面の一部が残存するように
平面に交わる曲面を形成する工程と、前記曲面及びこの
曲面を形成した平面の表面に電気的に一体な第1電極を
設ける工程と、前記第1電極と電気的に別体な第2電極
を前記曲面を形成した平面に対向する他方の平面側に設
ける工程と、を有する圧電素子の製造方法。
【0065】(21)対向する二平面の少なくとも一方
の面に形成される曲面が円筒面形状である付記18ない
し付記20のいずれか1つに記載の圧電素子の製法。
【0066】(22)対向する二平面の少なくとも一方
の面に形成される曲面が球面形状である付記18ないし
付記20のいずれか1つに記載の圧電素子の製法。
【0067】(23)対向する二平面を有する平板状圧
電素子の一方の平面を固定用樹脂に固定する工程と、前
記他方の平面側から一方の平面を経て固定用樹脂に至る
切削溝を複数形成して圧電素子を分割する工程と、前記
溝中に樹脂部材を充填する工程と、前記他方の平面側
に、平面の一部が残存するように、この平面に交わる曲
面を形成する工程と、前記曲面及びこの曲面を形成した
平面の表面に電気的に一体な第1電極を設ける工程と、
前記固定用樹脂から前記圧電素子を取り外す工程と、前
記固定用樹脂を取り除いたことにより前記一方の平面側
から突出した樹脂部材を除去する工程と、この一方の平
面上に前記第1電極と電気的に別体な第2電極を設ける
工程と、を有する圧電素子の製造方法。
【0068】(24)前記平面に形成する曲面が円筒面
形状である付記23記載の圧電素子の製造方法。
【0069】(25)前記平面に形成する曲面が球面形
状である付記23記載の圧電素子の製造方法。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、圧
電素子の凹状曲面と側面とで形成されるエッジ先端から
底面までの高さ寸法を精度良く加工可能で、歩留りを向
上させ、かつ配線作業性を向上させることが可能な圧電
素子及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図3は本発明の一実施形態に係り、
図1は圧電素子の構成を説明する斜視図
【図2】圧電素子に設ける2種類の電極の配置例を示す
【図3】本実施形態の圧電素子を使用した超音波振動子
の1例を示す説明図
【図4】生体の有する音響インピーダンスに近い圧電素
子を示す説明図
【図5】圧電素子の他の形状例を示す説明図
【図6】図6に示した圧電素子を使用した超音波振動子
の1例を示す説明図
【図7】生体の有する音響インピーダンスに近い圧電素
子の製造方法の1例を示す説明図
【図8】生体の有する音響インピーダンスに近い圧電素
子の製造方法の他の例を示す説明図
【図9】従来の圧電素子を示す図
【符号の説明】
1…圧電素子 2…凹状曲面(曲面) 3a…第1平面 3b…第2平面 4a,4b…平面部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04R 17/00 H01L 41/22 C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する二平面の少なくとも一方の平面
    側に、この平面に交わる曲面を形成したことを特徴とす
    る圧電素子。
  2. 【請求項2】 対向する二平面の少なくとも一方の平面
    側に、この平面の一部が残存するように平面に交わる曲
    面を形成する工程を有することを特徴とする圧電素子の
    製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001029319A (ja) * 1999-05-18 2001-02-06 Seiko Instruments Inc 圧電トランスデューサ、圧電トランスデューサの製造方法、及び圧電トランスデューサを用いた脈波検出装置
JP2003504169A (ja) * 1999-07-21 2003-02-04 ボストン・サイアンティフィック・リミテッド インピーダンス整合変換器
JP2007281286A (ja) * 2006-04-10 2007-10-25 Fujifilm Corp 圧電素子及びその製造方法並びに液体噴出装置
JP2013150681A (ja) * 2012-01-24 2013-08-08 Toshiba Corp 超音波プローブおよび超音波診断装置
JP2014139513A (ja) * 2013-01-21 2014-07-31 Kageyoshi Katakura 非接触音響検査装置

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