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JPH11103082A - 光起電力素子及びその作製方法 - Google Patents

光起電力素子及びその作製方法

Info

Publication number
JPH11103082A
JPH11103082A JP9261405A JP26140597A JPH11103082A JP H11103082 A JPH11103082 A JP H11103082A JP 9261405 A JP9261405 A JP 9261405A JP 26140597 A JP26140597 A JP 26140597A JP H11103082 A JPH11103082 A JP H11103082A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor layer
type semiconductor
type
layer
photovoltaic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9261405A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Matsuda
高一 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP9261405A priority Critical patent/JPH11103082A/ja
Publication of JPH11103082A publication Critical patent/JPH11103082A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドーピング層から価電子制御元素であるリン
(P)元素あるいはホウ素(B)元素が、i型微結晶半
導体層の中へ拡散するのを防止できる光起電力素子及び
その作製方法を提供する。 【解決手段】 本発明の光起電力素子は、水素を含有す
るシリコンの非単結晶からなるn型半導体層、i型半導
体層及びp型半導体層を順に積層してなるnip接合を
一組有し、前記p型半導体層を光の入射側とした光起電
力素子において、前記i型半導体層は微結晶シリコンか
らなり、前記i型半導体層と前記n型半導体層との間に
第1の不純物拡散防止層を有することを特徴とする。ま
た、本発明の光起電力素子の作製方法は、前記i型半導
体層を、周波数が0.1GHz以上のマイクロ波を用い
たプラズマCVD法により形成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光起電力素子に係る。
より詳細には、光電変換効率、光安定性及び耐環境性が
高く、低コストで作製できる光起電力素子に関する。本
発明に係る光起電力素子は、太陽電池やセンサー等に好
適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来の光起電力素子としては、信頼性や
変換効率が比較的優れた、単結晶質の光起電力素子が実
用化されてきた。しかし、単結晶質の光起電力素子に用
いられる単結晶シリコンは、生産コストが高いこと、光
吸収係数が小さいため少なくとも50ミクロン程度の厚
さが必要なこと、あるいは短波長成分を有効に利用でき
ないこと等の短所があった。
【0003】近年、このような短所を解消できる材料と
してシリコン系の非単結晶からなる光起電力素子が注目
され、実用化が進められてきた。
【0004】例えば、非晶質シリコン、非晶質シリコン
ゲルマニウム等の非晶質半導体からなる薄膜を用いた光
起電力素子は、単結晶質の光起電力素子に比較して大面
積化が容易である、薄膜化が可能である、任意の基板材
料に堆積できることなどの長所を持ち合わせている。
【0005】このような光起電力素子に関する研究開発
の報告としては、以下に示すものが挙げられる。
【0006】(1)充分な光電流を得るために必要な膜
厚や、光劣化等の観点から、PCVD法によって形成し
た微結晶質または微結晶質を含む非晶質シリコン半導体
に関する報告がある(A.Shah, H.keppner, etc., The
“Micromorph”Solar cell:Extending a-Si:H technolo
gy towards thin film crystalline Silicon,25th IEEE
PV Specialists Conference, Washington, May 13-17,
1996)。
【0007】(2)一方、多結晶シリコンからなる光起
電力素子では、結晶粒界に沿って不純物の拡散現象が起
こるため、初期変換効率や、光劣化後の変換効率が低下
するとの報告がある(Siekhaus.w, etc“Interface Phe
nomena in Solar Cells and Solar Cell Development P
rocesses.”Adv. Chem. Ser, 158, 334-348, 1976)。
【0008】(3)光起電力素子を構成するi型半導体
層中へのドーパントの拡散防止については特開昭62−
60271号公報に開示されている。また、下部ドーピ
ング層からの拡散低減の目的でa−SiC:H層もしく
はa−SiN:H層を導入した例としては、特開平1−
145875号公報が挙げられる。
【0009】しかしながら、非単結晶シリコンの一つで
ある微結晶シリコンをi型半導体層に用いた光起電力素
子では、光照射によるキャリアの走行性の低下は非晶質
シリコンに比べれば小さいものの、微結晶シリコンの形
成速度が約12Å/secと非常に遅く、かつ光起電力
素子として必要とする層厚が36μmあるため、i型微
結晶半導体層を一層作製するだけでも約8時間以上を費
やすこととなり量産が難しいという課題があった。この
形成速度を向上させるためには、例えば原料ガス導入量
の増加や投入電力の増加が必要となるが、その結果、微
結晶半導体層を載置するために用いる下部層に対してプ
ラズマダメージが発生するという問題が表面化してく
る。このプラズマダメージは、強力なイオンやラジカル
が下部堆積層に衝突することに起因しており、膜中の特
に結晶粒界に欠陥準位を作り、光起電力素子の曲線因子
の低下を引き起こすものである。
【0010】また、プラズマダメージと共に、成長表面
がプラズマアニールされることによって、下部ドーピン
グ層から微結晶シリコン層の中へドーパントの拡散が生
じるという問題もあった。このドーパントの拡散は、主
に結晶粒界に沿って進むことが知られており、粒界の多
い微結晶系では、特に膜特性を劣化させる原因となり、
また層形成時間が長ければそれだけアニールの影響が強
くなるのはいうまでもない。
【0011】従来、このような不純物の拡散を防ぐため
拡散防止層を設ける方法が開示されているが、非晶質i
型層の上部に拡散防止層を設け、当該拡散防止層の上に
設けたドーピング層から前記i型半導体層への拡散を防
止することが目的であり、前記i型半導体層を載置する
ために用いる下部層から、堆積中のi型半導体層への拡
散については言及されていなかった。また、スタックセ
ル型の光起電力素子においても、各ドーピング層両側の
うちi型層と接合する面に拡散防止層を設ける方法が開
示されているが、当該拡散防止層はそれ自体にもドーピ
ングが施されており、あくまでドーパントが拡散し難い
シリコン系化合物を用いるものであり、i型半導体層も
アモルファス構造であるため粒界によるドーパント拡散
については言及されておらず、微結晶系i型半導体層を
用いた光起電力素子の場合には変換効率の改善には結び
つかないものであった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ドーピング
層上にi型微結晶半導体層を堆積し、更にその上にドー
ピング層を堆積する際、ドーピング層から価電子制御元
素であるリン(P)元素あるいはホウ素(B)元素が、
i型微結晶半導体層の中へ拡散するのを防止できる光起
電力素子を提供することを目的とする。また、比較的強
いプラズマを使用することでi型微結晶半導体層の結晶
構造を良質化し、高い光電変換効率も合わせもつ光起電
力素子を得ることも目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した課
題を克服するため、光劣化が少なく、且つ、変換効率の
高いi型微結晶半導体層を有する光起電力素子を鋭意検
討した。その結果、光起電力素子におけるi型半導体層
の中へのドーパントの拡散を防ぐことにより、高い光電
変換効率を維持しながら、光劣化率が低く、光劣化後の
光電変換効率の高い光起電力素子の形成が可能であると
いう、知見を得た。
【0014】すなわち、本発明に係る第1の光起電力素
子は、水素を含有するシリコンの非単結晶からなるn型
半導体層、i型半導体層及びp型半導体層を順に積層し
てなるnip接合を一組有し、前記p型半導体層を光の
入射側とした光起電力素子において、前記i型半導体層
は微結晶シリコンからなり、前記i型半導体層と前記n
型半導体層との間に第1の不純物拡散防止層を有するこ
とを特徴としている。
【0015】また、本発明に係る第2の光起電力素子
は、水素を含有するシリコンの非単結晶からなるn型半
導体層、i型半導体層及びp型半導体層を順に積層して
なるnip接合を二組有し、前記p型半導体層を光の入
射側とし、かつ、第2のnip接合を通して光が入射す
るように第1のnip接合を配設してなる光起電力素子
において、前記第1のnip接合を構成するi型半導体
層は微結晶シリコンからなり、該第1のnip接合を構
成するi型半導体層とn型半導体層との間に第3の不純
物拡散防止層を有することを特徴としている。
【0016】本発明者は、水素を含有するシリコンの非
単結晶からなるn型半導体層、i型半導体層及びp型半
導体層を順に積層してなるnip接合を一組有し、前記
p型半導体層を光の入射側とした光起電力素子におい
て、i型微結晶半導体層と、その下部層であるn型半導
体層との間に拡散防止層を設けることにより、以下に示
す作用によって上記課題が解決できることを見出した。
その際、前記一組のnip接合を載置するために用いる
基板は、nip接合に対して光入射側に設けても、ある
いは光入射側とは反対側に設けても構わない。
【0017】微結晶シリコンは結晶質と非晶質の混在し
たシリコン半導体である。半導体層が、その中に微結晶
質を含有するということは、光劣化の面で強いスタビリ
ティを持つことを意味する。一方、微結晶質中では、不
純物は結晶バルク中よりも結晶粒界に沿って拡散する確
率が高いことが分かっている。従って、不純物の拡散を
抑制するためには、結晶粒と結晶粒の間に介在する非晶
質部分と結晶粒界とが化学的に安定な結合をもっている
ことが必要であるとともに、不純物を含む層からの不純
物の拡散を最小限に抑えることが非常に重要となる。本
発明では、P(リン)元素を含むn型半導体層上に微結
晶シリコン系半導体層を作製する際に、不純物の拡散阻
止層として第1の不純物拡散防止層を設けることによっ
てプラズマアニールによるP元素拡散を防止することが
可能となるため、光起電力素子の光電変換効率を向上さ
せることができる。
【0018】また、第2の不純物拡散防止層をi型微結
晶半導体層とその上部に積層するp型半導体層との間に
設けることによって、i型微結晶半導体層中へのB(ホ
ウ素)元素の拡散を防止することができ、FFの向上に
より光電変換効率の向上を図ることが可能となる。
【0019】特に、前記第1及び前記第2の不純物拡散
防止層の厚さを1nm以上20nm以下としたとき、こ
れらの作用がより安定して得られる。不純物拡散防止層
の厚さが1nmより薄い場合には、阻止層はP又はB元
素の拡散を防止するには不充分であり、一方20nm以
上の場合には、阻止層はキャリアのトンネル効果による
輸送の障害となり、光起電力素子の特性が低下する。特
に、曲線因子(FF)の低下の原因となり好ましくな
い。
【0020】また本発明の光起電力素子は、前記第1及
び前記第2の不純物拡散防止層を、i型の窒化シリコ
ン、i型の炭化シリコン又はi型の酸化シリコンのいず
れか一つで構成することを特徴とする。窒化シリコン、
炭化シリコン又は酸化シリコンは、水素化シリコンと異
なる配位数を持つか、あるいは異なる原子半径を持つ元
素との化合物であるため、水素化シリコンに比べて、化
学的に優れた安定を有し、拡散元素を効果的に阻止でき
る。
【0021】上記特徴において、前記i型半導体層の厚
さを0.5μm以上25μm以下とすることにより、充
分な光電流とFFを得ることができ、光電変換効率の向
上が可能となる。i型半導体層の厚さが0.5μmより
薄い場合には充分な光電流が得られず、25μmより厚
い場合にはキャリアの走行性が低下しFFが低下、結果
として良い光電変換効率を得ることができない。
【0022】また上記特徴において、前記i型微結晶半
導体層中にホウ素を添加剤として含有させることで、i
型半導体層はより真性化しキャリアの走行性も良くな
る。これは、i型微結晶半導体層は本来、若干n型半導
体としての電気的性格を持っており、制御されたホウ素
量の添加で補償することによりn型が補正されたものと
推測される。しかし、過剰なホウ素は結晶化を阻害し、
また膜質の低下をももたらす。従って、ここで添加され
るホウ素の量は、シリコン原子に対して10ppm以下
が好ましく、8ppm以下がより好ましい。このホウ素
添加により、光発電時、特にホールの走行性が向上し光
劣化を抑えながらも光電変換効率を向上させることがで
きる。
【0023】さらに上記特徴において、前記n型半導体
層を、微結晶シリコンの複数の層、又は、微結晶シリコ
ンと非晶質シリコンの複数の層で構成することによっ
て、次のような作用が得られる。
【0024】(a)n型半導体層が微結晶質であること
により、その上に積層された拡散防止層を介して上部に
積層されるi型微結晶半導体層の結晶化が進み、その結
果、キャリアの走行性が向上し光電変換効率が向上す
る。
【0025】(b)n型半導体層が微結晶シリコンと非
晶質シリコンの複数の層より構成されている場合、特に
下部n型半導体層として非晶質層を、上部n型半導体層
として微結晶層を用いた構成とすることによって、基板
側に酸化物等の層を設けた場合など比較的ソフトなプラ
ズマでn型半導体層を形成させ、酸化物にダメージを与
えることなくn型半導体層を形成できる。
【0026】(c)上記(b)で用いた非晶質n型半導
体層上に比較的ハードなプラズマによる微結晶質n型半
導体層を積層することによって、前記同様良質なi型微
結晶半導体層の形成が可能となる。
【0027】また上記特徴において、前記p型半導体層
を微結晶シリコンで構成することにより、光入射側にお
けるp型半導体層での光吸収を減少させることができ
る。その結果、実質的にi型微結晶半導体層への入射光
量が増加し、光電流の増加に伴い光電変換効率が向上す
る。
【0028】上述したi型半導体層を、周波数が0.1
GHz以上のマイクロ波を用いたプラズマCVD法によ
り形成することによって、堆積速度が大きく、結晶化度
も高いi型微結晶半導体層が得られる。その結果、高い
光電変換効率を有する光起電力素子の作製が可能とな
る。これは、高周波の周波数を0.1GHz以上とする
ことにより、プラズマ中の電子温度、イオン密度が上が
り、水素原子の脱離、基板表面の緩和促進等により結晶
化度が進んだためと考えられる。
【0029】さらに、上記i型微結晶半導体層を形成す
る際に0.1GHz以上の高周波に加えて、前記一組の
nip接合を載置するために用いる導電性基板にDC又
は/及びRFのバイアスを印加することにより、さらに
良質なi型微結晶半導体層を有する光起電力素子を作製
することが可能となる。ところで、単に0.1GHz以
上の高周波パワーのみを上げても、結晶化度の向上とと
もにイオンダメージが加わることとなり、逆に膜質の低
下が生じてしまう。しかしながら、付加電力として上述
したDC又は/及びRFのバイアスを同時に投入するこ
とにより、イオンダメージを増加させることなくプラズ
マを活性化させ、より結晶化度の高い良質の微結晶半導
体層を高速で形成することができる。その結果、比較的
薄い層厚にもかかわらず光吸収率が高くなり、高い光電
流を発生することが可能な光起電力素子を作製すること
が可能となる。
【0030】また本発明者は、水素を含有するシリコン
の非単結晶からなるn型半導体層、i型半導体層及びp
型半導体層を順に積層してなるnip接合を二組有し、
前記p型半導体層を光の入射側とし、かつ、第2のni
p接合を通して光が入射するように第1のnip接合を
配設してなる光起電力素子、いわゆるダブルセルにおい
て、前記第1のnip接合を構成するi型半導体層は微
結晶シリコンからなり、該第1のnip接合を構成する
i型半導体層とn型半導体層との間に第3の不純物拡散
防止層を設けることにより、以下に示す作用が得られる
ことを見出した。その際、前記二組のnip接合を載置
するために用いる基板は、前記二組のnip接合に対し
て光入射側に設けても、あるいは光入射側とは反対側に
設けても構わない。
【0031】上記ダブルセルは、まず光入射側の第2の
nip接合において短波長領域の光を吸収し、次に第1
のnip接合において第2の半導体層で吸収しきれなか
った長波長領域の光を吸収することで太陽光を効率よく
電力に変換できるものであり、一組のnip接合からな
る光起電力素子に比べて高い光電変換効率が得られるメ
リットを持っている。特に本発明では、このようなダブ
ルセルにおいて、第1のnip接合を構成するi型半導
体層をバンドギャップの狭い微結晶シリコンとすること
で長波長光を効率よく吸収することができ、さらには、
光劣化も少ない光起電力素子が得られる。また、第1の
nip接合を構成するi型半導体層とn型半導体層との
間に第3の不純物拡散防止層を設けることによって、i
型微結晶半導体層の作製中におけるプラズマダメージや
プラズマアニールによる不純物の拡散が抑制できるの
で、光劣化が少なく、高い光電変換効率を有する光起電
力素子が得られる。
【0032】また、前記第1のnip接合を構成するi
型半導体層とp型半導体層との間に第4の不純物拡散防
止層を設けることによって、i型微結晶半導体層上部か
らの拡散も抑制することが可能となり、さらに高い光電
変換効率を有し、光劣化の抑制された光電変換素子が得
られる。
【0033】特に、前記第3及び前記第4の不純物拡散
防止層の厚さを1nm以上20nm以下としたとき、こ
れらの作用がより安定して得られるので好ましい。
【0034】上記特徴において、前記第3及び前記第4
の不純物拡散防止層を、i型の窒化シリコン、i型の炭
化シリコン又はi型の酸化シリコンのいずれか一つから
構成することにより、さらに安定な拡散防止層が作製で
きるので、光起電力素子の光電変換効率が向上するとと
もに、光劣化をさらにを抑制できる。
【0035】また上記特徴において、前記第1のnip
接合を構成するi型半導体層の厚さを0.5μm以上2
5μm以下とすることにより、充分な光電流を確保した
上でキャリアの走行性を損なうことの無い、高効率な光
起電力素子が得られる。その際、前記第2のnip接合
を構成するi型半導体層の層厚は、好適には0.1μm
〜0.5μmである。
【0036】さらに上記特徴において、前記第1のni
p接合を構成するi型半導体層は、シリコン原子に対し
て10ppm以下のホウ素を含有することにより、ホー
ルの走行性を向上させることができる。また、前記第1
のnip接合及び前記第2のnip接合を構成するn型
半導体層として、微結晶シリコンの複数の層、又は、微
結晶シリコンと非晶質シリコンの複数の層を設けること
により、n型半導体層へのプラズマダメージを低減さ
せ、前記第1のnip接合及び前記第2のnip接合を
構成するp型半導体層を微結晶シリコンとすることによ
って、光入射量の増加が可能となり、高効率で光劣化の
少ないダブルセル型の光起電力素子が得られる。
【0037】また、上述したi型半導体層を、周波数が
0.1GHz以上のマイクロ波を用いたプラズマCVD
法により形成することにより、堆積速度が大きく、結晶
化度も高いi型微結晶半導体層が得られため、高い光電
変換効率を有する光起電力素子の作製が可能となる。さ
らに0.1GHz以上の高周波に加えて、前記二組のn
ip接合を載置するために用いる導電性基板にDC又は
/及びRFのバイアスを印加することにより、イオンダ
メージを増加させることなくプラズマを活性化させ、よ
り結晶化度の高い良質の微結晶半導体層を高速で形成す
ることができる。その結果、光電変換効率がさらに高
く、光劣化が小さな、光起電力素子の作製が可能とな
る。
【0038】
【発明の実施の形態】以下では、本発明に係る実施態様
例を説明する。
【0039】(光起電力素子の構成)以下、図面を参照
しながら、本発明の光起電力素子の構成とその製造方法
をさらに詳しく説明する。
【0040】図1は、本発明に係る光起電力素子の一例
を示す模式的な断面図である。ただし、本発明は図1の
構成の光起電力素子に限られるものではない。図1にお
いて、100は光起電力素子、101は基板、102は
反射層、103は透明電極、104はn型半導体層、1
05は第1の不純物拡散防止層、106はi型微結晶半
導体層、108はp型半導体層、109は上部透明電
極、110は集電電極である。
【0041】図1の光起電力素子は、導電性基板101
の上に、水素を含有するシリコンの非単結晶からなるn
型半導体層104、i型半導体層106及びp型半導体
層108を順に積層してなるnip接合を一組設けた光
起電力素子であり、前記i型半導体層106は微結晶シ
リコンからなり、i型半導体層106とn型半導体層1
04との間に第1の不純物拡散防止層105を設けた点
が特徴である。
【0042】図2は、本発明に係る光起電力素子の他の
一例を示す模式的な断面図である。図2の光起電力素子
200は、i型微結晶半導体層206とp型半導体層2
08との間に第2の不純物拡散防止層207を設けた点
のみ図1の光起電力素子と異なり、他の層構成は図1と
同様である。
【0043】また、図1及び図2ではp型半導体層側か
ら光入射する構成であるが、n型半導体層側から光入射
する構成の光起電力素子の場合は、104、204がp
型半導体層、108、108がn型半導体層となる。さ
らに、図1及び図2は基板と逆側から光を入射する構成
であるが、基板側から光を入射する構成の光起電力素子
では、基板を除いて図1とは逆の順番に各層が積層され
ることもある。
【0044】以下、本発明に係る光起電力素子を構成す
る基板及び各層について詳しく説明する。
【0045】(基板)本発明に係る光起電力素子で用い
られる半導体層102〜110、202〜210は高々
数μm程度の薄膜であるため、各半導体層は適当な基板
上に堆積される。
【0046】このような基板101、201の材質は、
単結晶質でも非単結晶質でも構わない。また基板の電気
的な性質は、導電性でも絶縁性でもよい。さらには基板
の光学的な性質は、透光性又は非透光性のいずれでも構
わない。しかしながら、基板としては、変形および歪み
が少なく、所望の強度を有するものが好ましい。具体的
には、Fe,Ni,Cr,Al,Mo,Au,Nb,T
a,V,Ti,Pt,Pb等の金属、またはこれらの合
金、例えば真鍮、ステンレス鋼等の薄板及びその複合
体、及びポリイミド等の耐熱性合成樹脂のフィルム上に
金属薄膜をスパッタ法、蒸着法、電着法等により表面コ
ーティング処理を行ったものが好ましい。長尺ロール基
板として用いない場合は、ガラス、セラミックスなどに
金属薄膜をコーティングしたものであっても構わない。
【0047】基板として電気導電性を有する金属等を用
いた場合には、基板を直接電流取り出し用の電極として
用いても良い。一方、基板が電気絶縁性の合成樹脂等か
らなる場合には、堆積膜の形成される側の表面に金属単
体又は合金、及び透明導電性酸化物(TCO)を鍍金、
蒸着、スパッタ等の方法であらかじめ表面処理を行い、
電流取り出し用の電極を形成しておくことが望ましい。
【0048】勿論、基板が金属等の電気導電性のもので
あっても、長波長光の基板表面上での反射率を向上させ
たり、基板材質と堆積膜との間での構成元素の相互拡散
を防止する等の目的で異種の金属層等を前記基板上の堆
積膜が形成される側に設けても良い。又、前記基板が比
較的透明であって、該基板の側から光入射を行う層構成
の光起電力素子とする場合には前記透明導電性酸化物や
金属薄膜等の導電性薄膜をあらかじめ堆積形成しておく
ことが望ましい。
【0049】前記基板の表面形状は、いわゆる平滑面で
あっても、微小の凹凸面であっても良い。微小の凹凸面
とする場合にはその凹凸形状は球状、円錐状、角錐状等
であって、且つその最大高さ(Rmax)が好ましくは
0.05μm乃至2μmとすることにより、該表面での
光反射が乱反射となり、該表面での反射光の光路長の増
大をもたらす。
【0050】前記基板の形状は、用途により平滑表面或
は凸凹表面を有する板状、長尺ベルト状、円筒状等であ
ることができる。また、前記基板の厚さは、所望通りの
光起電力素子を形成し得るように適宜決定するが、光起
電力素子として可撓性が要求されるされる場合、または
基板の側より光入射がなされる場合には、基板としての
機能が充分発揮される範囲内で可能な限り薄くすること
が好ましい。しかしながら、基板の製造上及び取扱い
上、機械的強度等の点から、通常は、10μm以上とさ
れる。
【0051】(裏面電極、光反射層)本発明に係る光起
電力素子で用いられる裏面電極は、光入射方向に対し半
導体層の裏面側に配される電極である。裏面電極の材料
としては、例えば金、銀、銅、アルミニウム等の金属ま
たはステンレス等の合金が挙げられる。中でも、銀、
銅、アルミニウムなどの反射率の高い金属が特に好まし
い。反射率の高い金属を用いた場合、裏面電極に、半導
体層で吸収しきれなかった光を再び半導体層に反射する
光反射層の役割も兼ねさせることができる。このような
裏面金属反射層は、2種類以上の材料を2層以上積層し
て形成しても良い。
【0052】また、裏面電極の形状は平坦であっても良
いが、光を散乱するための凹凸形状を備えた方がより好
ましい。この凹凸形状を備えることによって、半導体層
で吸収しきれなかった長波長光を散乱させて半導体層内
での光路長を延ばすことができる。その結果、光起電力
素子の長波長感度を向上させて短絡電流を増大させ、光
電変換効率を向上させることができる。
【0053】また、図1、2において、裏面電極10
2、202とn型微結晶半導体層104、204との間
に、導電性酸化亜鉛等の拡散防止層103、203を設
けても良い。該拡散防止層の効果としては裏面電極10
2、202を構成する金属元素がn型微結晶半導体層中
へ拡散するのを防止するのみならず、若干の抵抗値をも
たせることで半導体層を挟んで設けられた裏面電極10
2、202と透明電極110、210との間にピンホー
ル等の欠陥で発生するショー卜を防止すること、及び薄
膜による多重干渉を発生させ入射された光を光起電力素
子内に閉じ込める等の効果を挙げることができる。
【0054】(半導体層)本発明に係る半導体層の材料
としては、例えば、Si,Ge等のIV族元素を用いた
もの、SiGe,SiC,SiSn等のIV族合金を用
いたものが挙げられる。
【0055】中でも、本発明の光起電力素子ではIV族
系非単結晶半導体材料が特に好適に用いられる。具体的
には、水素化非晶質材料(a−と表示する)、水素化微
結晶材料(mc−と表示する)としては,例えばa−S
i,a−SiC,a−SiGe,a−SiGeC,a−
SiO,a−SiN,mc−Si,mc−SiC,mc
−SiGe,mc−SiO,mc−SiN等、あるいは
これらの材料の混合物が挙げられる。また、多結晶材料
(poly−と表示する)としては、例えばpoly−
Si,poly−SiC,poly−SiGe等が挙げ
られる。
【0056】上記半導体層は、価電子制御及び禁制帯幅
制御を行うことができる。この制御は、半導体層を形成
する際に価電子制御剤又は禁制帯幅制御剤となる元素を
含む原料化合物を単独で、又は、前記堆積膜形成用原料
ガス若しくは前記希釈ガスに混合して、成膜空間内に導
入することで可能となる。
【0057】そして、半導体層を価電子制御することに
よって、少なくともその一部が、p型およびn型にドー
ピングされ、少なくとも一組のpin接合がえられる。
さらに、pin接合を複数積層することにより、いわゆ
るスタックセルの構成が形成できる。
【0058】上記半導体層の形成方法としては、マイク
ロ波プラズマCVD法、RFプラズマCVD法、光CV
D法、熱CVD法、MOCVD法などの各種CVD法に
よって、あるいはEB蒸着、MBE、イオンプレーティ
ング、イオンビーム法等の各種蒸着法、スパッタ法、ス
プレー法、印刷法などが挙げられる。中でも、工業的に
は、原料ガスをプラズマで分解し、基板上に堆積させる
プラズマCVD法が好んで用いられる。また、上記形成
方法で用いる反応装置としては、バッチ式の装置や連続
成膜装置などが所望に応じて使用できる。また、複数の
半導体層形成室の中を長尺状の基板を前記基体の長さ方
向に搬送しながら通過させつつ基板上に複数の半導体層
を連続的に積層する方法(いわゆるロールツーロール
法)は、製造コストを低減させる効果や、膜質及び特性
の均一性を向上させる効果があり特に好適に用いられ
る。
【0059】以下、本発明の半導体層について、さらに
詳しく述べる。
【0060】(1)i型半導体層(真性半導体層) 本発明の光起電力素子において、pin接合に用いるi
型半導体層(以下i型層と記す)は、照射光に対してキ
ャリアを発生輸送する機能を担う重要な層である。この
ような機能が求められるi型層の材料としては、上述し
たIV族及びIV族合金系非単結晶半導体材料のうち、
微結晶の材料が最も好適に用いられる。
【0061】i型層としては、光キャリアの走行性の促
進のために僅かに価電子制御剤を添加した、僅かp型、
僅かn型の層も使用できる。このように、僅かにドーピ
ングしたi型層も実質的に真性の半導体層とみなす。
【0062】また、微結晶半導体中の欠陥、あるいは微
結晶の粒界あるいは、非晶質半導体中には、水素原子
(H,D)またはハロゲン原子(X)が含有され、これ
が重要な働きを持つ。
【0063】すなわち、i型層に含有される水素原子
(H,D)またはハロゲン原子(X)は、i型層の未結
合手(ダングリングボンド)を補償する働きをし、i型
層におけるキァリアの移動度と寿命の積を向上させるも
のである。またp型層/i型層、n型層/i型層の各界
面の界面準位を補償する働きもあり、光起電力素子の光
起電力、光電流そして光応答性を向上させる効果もあ
る。i型層に含有される水素原子または/及びハロゲン
原子は、0.1〜40at%が最適な含有量として挙げ
られる。特に、p型層/i型層、n型層/i型層の各界
面側で水素原子または/及びハロゲン原子の含有量が多
く分布しているものが好ましい分布形態として挙げら
れ、該界面近傍での水素原子または/及びハロゲン原子
の含有量はバルク内の含有量の1.05〜2倍の範囲が
好ましい範囲として挙げられる。更にシリコン原子の含
有量に対応して水素原子または/及びハロゲン原子の含
有量が変化していることが好ましい。
【0064】(2)p型半導体層またはn型半導体層 本発明の光起電力素子において、p型半導体層(以下p
型層と記す)108、208またはn型半導体層(以下
n型層と記す)104、204としては、上述した水素
化非晶質材料、水素化微結晶材料または多結晶材料に、
p型の価電子制御剤(周期率表第III族原子B,A
l,Ga,In,Tl)やn型の価電子制御剤(周期率
表第V族原子P,S,Sb,Bi)を高濃度に添加した
材料が挙げられる。
【0065】特に光入射側のp型層には、光吸収の少な
い結晶性の半導体層かバンドギャップの広い非晶質半導
体層が適している。
【0066】p型層への周期率表第III族原子の添加
量およびn型層への周期率表第V族原子の添加量は0.
1〜50at%が最適量として挙げられる。
【0067】またp型層またはn型層に含有される水素
原子(H,D)またはハロゲン原子はp型層またはn型
層の未結合手を補償する働きをし、p型層またはn型層
のドーピング効率を向上させるものである。p型層また
はn型層へ添加される水素原子またはハロゲン原子は
0.1〜40at%が好ましい。特にp型層またはn型
層が結晶性の場合には、水素原子またはハロゲン原子は
0.1〜8at%が最適量として挙げられる。更に、p
型層/i型層、n型層/i型層の各界面側で水素原子ま
たは/及びハロゲン原子の含有量が多く分布しているも
のが好ましい分布形態であり、該界面近傍での水素原子
または/及びハロゲン原子の含有量はバルク内の含有量
の1.05〜2倍の範囲が好適である。このようにp型
層/i型層、n型層/i型層の各界面近傍で水素原子ま
たはハロゲン原子の含有量を多くすることによって、該
界面近傍の欠陥準位や機械的歪が減少するため、本発明
の光起電力素子の光起電力や光電流を増加させることが
できる。
【0068】光起電力素子のp型層及びn型層の電気特
性としては活性化エネルギーが0.2eV以下のものが
好ましく、0.1eV以下のものが最適である。また非
抵抗としては100Ωcm以下が好ましく、1Ωcm以
下が最適である。さらにp型層及びn型層の層厚は1〜
50nmが好ましく、3〜10nmが最適である。
【0069】(3)半導体層の形成方法 本発明に係る光起電力素子の半導体層として、好適なI
V族及びIV族合金系非単結晶半導体層を形成する方法
としては、例えばRFプラズマCVD法、マイクロ波プ
ラズマCVD法等の交流あるいは高周波を用いたプラズ
マCVD法が挙げられる。中でも、本発明に係る半導体
層を形成する場合は、周波数0.1GHz以上の高周波
を用いたマイクロ波プラズマCVD法が特に望ましい。
【0070】マイクロ波プラズマCVD法は、減圧状態
にできる堆積室(真空チャンバー)に原料ガス、希釈ガ
スなどの材料ガスを導入し、真空ポンプによって排気し
つつ、堆積室の内圧を一定にして、マイクロ波電源によ
って発振されたマイクロ波を、導波管または同軸ケーブ
ルによって導き、誘電体窓(アルミナセラミックス等)
または電気的に堆積室より絶縁された導電体(Ni、
W、SUS等の棒)を介して前記堆積室に導入して、材
料ガスのプラズマを生起させて分解し、堆積室内に配置
された基板上に、所望の堆積膜を形成する方法であり、
広い堆積条件で光起電力装置に適用可能な堆積膜を形成
することができる。
【0071】本発明の光起電力素子の半導体層を、マイ
クロ波プラズマCVD法で、堆積する場合、堆積室内の
基板温度は200〜500℃、内圧は0.5〜500m
Torr、マイクロ波パワーは0.01〜1W/c
3、マイクロ波の周波数は0.1〜10GHzが好ま
しい範囲として挙げられる。またマイクロ波に重畳して
印加されるDCまたはRFまたはDC+RF電力は、D
Cの場合、好適には−300V〜+200Vであり、R
Fの場合0.001〜0.1W/cm3である。
【0072】また、RFプラズマCVD法で堆積する場
合、堆積室内の基板温度は100〜350℃、内圧は
0.1〜10Torr、RFパワーは0.01〜5.0
W/cm3、堆積速度は0.1〜15Å/secが好適
な条件として挙げられる。
【0073】また、本発明の光起電力素子の半導体層の
形成に適した堆積膜形成方法としては、例えば、米国特
許第4,400,409号明細書に開示された、ロール
・ツー・ロール方式による方法が挙げられる。この方法
は、複数のグロー放電領域を順次貫通する経路に沿って
配置し、必要とされる導電型の半導体層をそれぞれのグ
ロー放電領域で堆積形成しつつ、帯状の基板をその長手
方向に連続的に搬送させるものである。これによって、
所望の半導体接合を有する光起電力素子を連続的に形成
することができるようになっている。
【0074】(4)成膜ガス 本発明の光起電力素子に好適なIV族及びIV族合金系
非単結晶半導体層の堆積に適した原料ガスとしては、シ
リコン原子、ゲルマニウム原子、炭素原子、窒素原子、
あるいは酸素原子を含有したガス化し得る化合物等、及
び該化合物の混合ガスを挙げることができる。
【0075】シリコン原子を含有したガス化し得る化合
物としては、鎖状または環状シラン化合物が用いられ、
例えば、SiH4,Si26,SiF4,SiCl4,S
iHCl3,SiH2Cl2等のガス状態のまたは容易に
ガス化し得るものが挙げられる。
【0076】ゲルマニウム原子を含有したガス化し得る
化合物としては、例えば、GeH4,GeD4,GeF4
等が挙げられる。
【0077】炭素原子を含有したガス化し得る化合物と
しては、例えば、CH4,CD4,C n2n+2(nは整
数),Cn2n(nは整数),C22,CO2,CO等が
挙げられる。
【0078】窒素含有ガスとしては、例えば、N2,N
3,ND3,NO,NO2,N2O等が挙げられる。
【0079】酸素含有ガスとしては、例えば、O2,C
O,CO2,NO,NO2,N2O等が挙げられる。
【0080】また、価電子制御するためにp型層または
n型層に導入される物質としては周期率表第III族原
子及び第V族原子が挙げられる。
【0081】第III族原子導入用の出発物質には、例
えばホウ素原子導入用として、B26,B410等の水
素化ホウ素、BF3,BCl3等のハロゲン化ホウ素等が
用いられる。中でも、B26,BF3が好適である。
【0082】第V族原子導入用の出発物質には、例えば
燐原子導入用として、PH3,P2 4等の水素化燐、P
4I,PF3等のハロゲン化燐が用いられる。中でも、
PH3,PF3が好適である。
【0083】また、前記ガス化し得る化合物をH2,H
e等のガスで適宜希釈して堆積室に導入しても構わな
い。
【0084】特に、微結晶半導体層を堆積する場合は水
素ガスで2〜100倍に原料ガスを希釈し、マイクロ波
パワー、あるいはRFパワーあるいはDC電力を比較的
高く導入するのが好ましいものである。
【0085】(透明電極)本発明に係る光起電力素子で
用いられる透明電極103、109、203、209
は、光を透過する光入射側の電極であるとともに、その
膜厚を最適化する事によって反射防止膜としての役割も
兼ねる。透明電極は半導体層の吸収可能な波長領域にお
いて高い透過率を有することと、抵抗率が低いことが要
求される。好ましくは、波長550nmにおける透過率
が80%以上、より好ましくは85%以上であることが
望ましい。また、抵抗率は、好ましくは5×10-3Ωc
m以下、より好ましくは1×10-3Ωcm以下であるこ
とが望ましい。透明電極の材料としては、例えばIn2
3,SnO2,ITO(In23+SnO2)、ZnO
等の導電性酸化物あるいはこれらを混合したものが好適
に用いられる。また、これらの化合物に、導電率を変化
させる元素(ドーパント)を添加しても良い。
【0086】上述した透明電極の形成方法としては、例
えば蒸着法、CVD法、スプレー法、スピンオン法、デ
ップ法等が好適に用いられる。
【0087】(集電電極)本発明に係る光起電力素子で
用いられる集電電極110、210は、透明電極10
9、209の抵抗率が充分低くできない場合に必要に応
じて透明電極109、209上の一部分に形成され、電
極の抵抗率を下げ光起電力素子の直列抵抗を下げる働き
をする。その材料としては、導電性の高い金属、または
それらの合金、あるいは粉末状金属を用いた導電ペース
トなどが挙げられる。そしてその形状は、できるだけ半
導体層への入射光を遮らないように、枝状に形成され
る。
【0088】また、光起電力素子の全体の面積の中で、
集電電極の占める面積は、好ましくは15%以下、より
好ましくは10%以下、最適には5%以下が望ましい。
【0089】また、集電電極のパターンの形成には、マ
スクを用い、その形成方法としては、例えば蒸着法、ス
パッタ法、メッキ法あるいは印刷法などによって形成す
る方法や、金属ワイヤーを導電性ペーストで固着する方
法などが用いられる。
【0090】(光起電力素子に係るその他の構成)本発
明に係る光起電力素子において、所望の出力電圧、出力
電流の光起電力装置を製造する場合には、本発明の光起
電力素子を直列あるいは並列に接続し、表面と裏面に保
護層を形成し、出力の取り出し電極等が取り付けられ
る。また、必要に応じて光起電力素子の両面に保護層を
形成することもある。さらにまた、本発明の光起電力素
子を直列接続する場合、逆流防止用のダイオードを組み
込むことがある。
【0091】
【実施例】以下、非単結晶シリコン系半導体材料からな
る光起電力素子を用いて本発明を詳細に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
【0092】(実施例1)本例では、図3に示す堆積装
置を用いて、図1に示した、一組のnip接合を有し、
i型半導体層106とn型半導体層104との間にi型
の炭化シリコンからなる第1の不純物拡散防止層105
を設けた光起電力素子を作製した。このとき、i型半導
体層106は微結晶シリコンで形成し、前記一組のni
p接合を載置するために用いる基板101は、nip接
合に対して光入射側とは反対側に設けた。
【0093】図3の堆積装置は、成膜チャンバー300
に基板302を設置し、基板加熱ヒーター301を用い
て基板302を所望の温度まで加熱する。原料ガスはガ
ス導入管303よりチャンバー300内部へと導入され
る。原料ガスとしては、いずれも高純度に精製されたも
のを用い、SiH4ガス、Si26ガス、H2ガス、PH
3/H2ガス、BF3/H2ガス、B26ガス、CH4
ス、NH3ガス、O2ガスを、それぞれ必要に応じて、独
立したガスライン中のマスフローコントローラーを介し
た後混合し、ガス導入管303に導いた。但し、O2
スは、ガス導入管内での反応を防ぐために成膜チャンバ
ーで混合した。プラズマ生成の際はアンテナ305よ
り、0.1GHz以上の高周波電力を導入した。
【0094】上記設定とした堆積装置を用い、以下に示
す工程にしたがって本発明に係る光起電力素子を形成し
た。
【0095】(1)半導体層を成膜する前に、ステンレ
ス基板101の上にスパッタリング装置を用い、表1に
示したAlからなる反射層102と酸化亜鉛からなる透
明電極103を形成した。基板101の上にこれら2層
を形成したものを基板302として用いた。次いで、成
膜チャンバー300に基板302を設置し、基板加熱ヒ
ーター301を用いて基板302を所望の温度まで加熱
した。その際、チャンバー300内部は、不図示のター
ボ分子ポンプにより10-5Torrまで真空引きした。
【0096】(2)成膜準傭が完了した後、表1に示す
条件でn型半導体層(以下n1層と呼ぶ)104を作製
した。
【0097】(3)n1層104の上に、第1の不純物
拡散防止層105を表1に示す条件で作製した。
【0098】(4)拡散防止層105の上に、i型微結
晶半導体層106の作製を表1に示す条件で行った。
【0099】(5)i型微結晶半導体層106の上に、
p型半導体層108の作製を表1に示す条件で行った。
【0100】これら各層を積層させる場合は、各々の層
作製は個別のチャンバーを用いて行い、チャンバー間の
基板の搬送は不図示のゲートバルブを介して真空中で搬
送した。
【0101】(6)上記工程(2)〜(5)により形成
された一組のnip接合上に、表1に示す条件で、真空
蒸着装置を用いて透明導電層109を堆積した後、透明
導電層109の上に集電電極110を作製し、図1に示
した光起電力素子100の形成を終えた。
【0102】(7)上記工程(6)で形成した光起電力
素子100を、パターニングすることによって25個の
サブセルに分割した。これらの光起電力素子を(実素子
1)と呼ぶことにした。
【0103】
【表1】
【0104】(比較例1)本例では、i型半導体層10
6とn型半導体層104との間に第1の不純物拡散防止
層105を設けなかった点が実施例1と異なる。
【0105】他の点は、実施例1と同様とした。
【0106】本例で形成した光起電力素子も、パターニ
ングすることによって25個のサブセルに分割した。こ
れらの光起電力素子を(比素子1)と呼ぶことにした。
【0107】以下では、実施例1及び比較例1で作製し
た光起電力素子、すなわち(実素子1)および(比素子
1)に対して行った各種評価について説明する。
【0108】作製した光起電力素子を、AM1.5
(100mW/cm2)光照射下に設置して、V−1特
性を測定することにより、初期変換効率を求めた。
【0109】初期効率に対する温度35℃でAM1.
5(100mW/cm2)光照射下に1500時間放置
した後の効率(以下、「光劣化後効率」と略する)を測
定した。
【0110】温度85℃、湿度80%の暗所に、逆バ
イアス−0.8Vを印加した状態で2000時間放置し
た後の効率(以下、「HHRB劣化後効率」と略す
る)、歩留りについて測定を行った。
【0111】各光起電力素子に対してSIMS分析を
行い、n型半導体層からi型微結晶半導体層へのリン
(P)元素の拡散量を調べた。拡散量についてはi型微
結晶半導体層中の充分n型半導体層から離れている部分
のP元素の濃度(測定上のべースライン:約10-16
cm2)と比較してn型半導体層から約100nm離れ
たi型微結晶半導体層中のP元素量と換算し相対値をと
った。
【0112】表2は、(実素子1)と(比素子1)にお
ける各特性の測定結果を示した。但し、(比素子1)の
測定結果は(実素子1)の各測定値を1とし、規格化し
て示した。
【0113】
【表2】
【0114】表2から、本発明に係る光起電力素子(実
素子1)は、従来の光起電力素子(比素子1)より、初
期変換効率、光劣化後効率、HHRB劣化後効率、歩留
りの全てにおいて優れており、かつ、P拡散量も少ない
ことが分かった。従って、i型の炭化シリコンからなる
第1の不純物拡散防止層105を設けたことが、これら
の効率向上につながったと判断した。
【0115】(実施例2)本例では、図1における第1
の不純物拡散防止層105として、i型の炭化シリコン
の代わりにi型の酸化シリコン又はi型の窒化シリコン
を用いた点が実施例1と異なる。
【0116】他の点は、実施例1と同様として、光起電
力素子を形成した。
【0117】本例で形成した光起電力素子も、パターニ
ングすることによって25個のサブセルに分割した。こ
れらの光起電力素子を(実素子2−1)、(実素子2−
2)と呼ぶことにした。但し、i型の酸化シリコンを用
いた場合が(実素子2−1)であり、i型の窒化シリコ
ンを用いた場合が(実素子2−2)である。
【0118】表3は、上述したi型の酸化シリコン、及
びi型の窒化シリコンの作製条件である。
【0119】
【表3】
【0120】(比較例2)本例では、i型半導体層10
6とn型半導体層104との間に第1の不純物拡散防止
層105を設けなかった点が実施例2と異なる。
【0121】他の点は、実施例2と同様とした。
【0122】本例で形成した光起電力素子も、パターニ
ングすることによって25個のサブセルに分割した。こ
れらの光起電力素子を(比素子2)と呼ぶことにした。
【0123】実施例1と同様に、実施例2及び比較例2
で作製した光起電力素子、すなわち(実素子2−1)、
(実素子2−2)および(比素子2)に対しても、初期
変換効率、光劣化後効率、HHRB劣化後効率、歩留り
について測定を行った。
【0124】また、各光起電力素子について、実施例1
と同様にSIMS分析を行い、n型半導体層からi型微
結晶半導体層へのP元素の拡散量を調べた。
【0125】表4は、(実素子2−1)、(実素子2−
2)および(比素子2)における各特性の測定結果を示
した。但し、(実素子2−2)および(比素子2)の測
定結果は(実素子2−1)の各測定値を1とし、規格化
して示した。
【0126】
【表4】
【0127】表4から、本発明に係る光起電力素子(実
素子2−1)及び(実素子2−2)は、従来の光起電力
素子(比素子2)より、初期変換効率、光劣化後効率、
HHRB劣化後効率、歩留りの全てにおいて優れてお
り、かつ、P拡散量も少ないことが分かった。従って、
i型の酸化シリコン又はi型の窒化シリコンからなる第
1の不純物拡散防止層105を設けたことが、これらの
効率向上につながったと判断した。
【0128】(実施例3)本例では、図3に示す堆積装
置を用いて、図2に示した、一組のnip接合を有し、
i型半導体層206とp型半導体層208との間にi型
の炭化シリコンからなる第2の不純物拡散防止層207
を設けた点が実施例1と異なる。
【0129】他の点は、実施例1と同様として、光起電
力素子を形成した。
【0130】本例で形成した光起電力素子も、パターニ
ングすることによって25個のサブセルに分割した。こ
れらの光起電力素子を(実素子3)と呼ぶことにした。
【0131】表5は、上述したi型の炭化シリコンの作
製条件である。
【0132】
【表5】
【0133】(比較例3)本例では、第1の不純物拡散
防止層205と第2の不純物拡散防止層207を設けな
かった点が実施例3と異なる。
【0134】他の点は、実施例3と同様とした。
【0135】本例で形成した光起電力素子も、パターニ
ングすることによって25個のサブセルに分割した。こ
れらの光起電力素子を(比素子3)と呼ぶことにした。
【0136】実施例1と同様に、実施例3及び比較例3
で作製した光起電力素子、すなわち(実素子3)および
(比素子3)に対しても、初期変換効率、光劣化後効
率、HHRB劣化後効率、歩留りについて測定を行っ
た。
【0137】また、各光起電力素子について、実施例1
と同様にSIMS分析を行い、n型半導体層からi型微
結晶半導体層へのリン(P)元素の拡散量と、p型半導
体層からi型微結晶半導体層へのホウ素(B)元素の拡
散量とを調べた。
【0138】表6は、(実素子3)および(比素子3)
における各特性の測定結果を示した。但し、(比素子
3)の測定結果は(実素子3)の各測定値を1とし、規
格化して示した。
【0139】
【表6】
【0140】表6から、本発明に係る光起電力素子(実
素子3)は、従来の光起電力素子(比素子3)より、初
期変換効率、光劣化後効率、HHRB劣化後効率、歩留
りの全てにおいて優れており、かつ、P拡散量及びB拡
散量も少ないことが分かった。従って、i型の炭化シリ
コンからなる第1の不純物拡散防止層205と第2の不
純物拡散防止層207を設けたことが、これらの効率向
上につながったと判断した。
【0141】(実施例4)本例では、図3に示す堆積装
置を用いて、図1に示した光起電力素子を形成する際
に、i型微結晶半導体層106の堆積時間を変えること
によって、その層厚を0.2μm〜50μmの範囲で変
化させた点が実施例1と異なる。
【0142】他の点は、実施例1と同様として、光起電
力素子を形成した。
【0143】本例で形成した光起電力素子も、パターニ
ングすることによって25個のサブセルに分割した。こ
れらの光起電力素子を(実素子4)と呼ぶことにした。
【0144】表7は、層厚の異なるi型微結晶半導体層
106を有する(実素子4)における各特性の測定結果
を示した。但し、層厚0.5μmのi型微結晶半導体層
106を有する(実素子4)の各測定値を1とし、他の
層厚条件で作製した素子の測定結果は規格化して示し
た。
【0145】
【表7】
【0146】表7から、i型微結晶半導体層106の層
厚を0.5μm以上25μm以下とした光起電力素子
(実素子4)は、優れた初期変換効率、光劣化後効率、
HHRB劣化後効率、歩留りが得られることが分かっ
た。
【0147】(実施例5)本例では、図3に示す堆積装
置を用いて、図1に示した光起電力素子を形成する際
に、i型微結晶半導体層106に含有させるホウ素
(B)元素を0.5ppm〜25ppmの範囲で変化さ
せた点が実施例1と異なる。
【0148】他の点は、実施例1と同様として、光起電
力素子を形成した。
【0149】本例で形成した光起電力素子も、パターニ
ングすることによって25個のサブセルに分割した。こ
れらの光起電力素子を(実素子5)と呼ぶことにした。
【0150】表8は、ホウ素(B)元素の含有量の異な
るi型微結晶半導体層106を有する(実素子5)にお
ける各特性の測定結果を示した。但し、ホウ素(B)元
素の含有量が10ppmのi型微結晶半導体層106を
有する(実素子5)の各測定値を1とし、他の含有量の
条件で作製した素子の測定結果は規格化して示した。
【0151】
【表8】
【0152】表8から、i型微結晶半導体層106に含
有されるホウ素(B)元素の量を10ppm以下とした
光起電力素子(実素子4)は、優れた初期変換効率、光
劣化後効率、HHRB劣化後効率、歩留りが得られるこ
とが分かった。
【0153】(実施例6)本例では、図3に示す堆積装
置を用いて、図1に示した光起電力素子を形成する際
に、n型半導体層104を、非晶質層と微結晶層からな
る2層、又は、微結晶層からなる単層とした点が実施例
1と異なる。
【0154】他の点は、実施例1と同様として、光起電
力素子を形成した。
【0155】本例で形成した光起電力素子も、パターニ
ングすることによって25個のサブセルに分割した。こ
れらの光起電力素子を(実素子6−1)、(実素子6−
2)と呼ぶことにした。但し、n型半導体層104を非
晶質層と微結晶層からなる2層とした場合が(実素子6
−1)であり、n型半導体層104を微結晶層からなる
単層とした場合が(実素子6−2)である。
【0156】表9は、(実素子6−1)及び(実素子6
−2)におけるn型半導体層104の作製条件である。
【0157】
【表9】
【0158】(比較例6)本例では、n型半導体層10
4を、非晶質層からなる単層とした点が実施例1と異な
る。本例に係る非晶質層の作製条件は、表9に示した
(実素子6−1)における非晶質層と同様とした。
【0159】他の点は、実施例6と同様とした。
【0160】本例で形成した光起電力素子も、パターニ
ングすることによって25個のサブセルに分割した。こ
れらの光起電力素子を(比素子6)と呼ぶことにした。
【0161】実施例1と同様に、実施例6及び比較例6
で作製した光起電力素子、すなわち(実素子6−1)、
(実素子6−2)および(比素子6)に対しても、初期
変換効率、光劣化後効率、HHRB劣化後効率、歩留り
について測定を行った。
【0162】また、各光起電力素子について、実施例1
と同様にSIMS分析を行い、n型半導体層からi型微
結晶半導体層へのP元素の拡散量を調べた。
【0163】表10は、(実素子6−1)、(実素子6
−2)および(比素子6)における各特性の測定結果を
示した。但し、(実素子6−1)および(比素子6)の
測定結果は(実素子6−2)の各測定値を1とし、規格
化して示した。
【0164】
【表10】
【0165】表10から、本発明に係る光起電力素子
(実素子6−1)及び(実素子6−2)は、従来の光起
電力素子(比素子6)より、初期変換効率、光劣化後効
率、HHRB劣化後効率、歩留りの全てにおいて優れて
いることが分かった。これらは、n型半導体層104の
結晶化率の増加に伴い、第1の不純物拡散防止層105
を通してi型微結晶半導体層106の結晶化度も向上し
た結果、結晶粒界の良質化に繋がったと考えられる。ま
た、P拡散量も抑えられることから、これらの効率向上
が得られたと判断した。
【0166】(実施例7)本例では、図3に示す堆積装
置を用いて、図1に示した光起電力素子を形成する際
に、p型半導体層108を、微結晶層からなる単層とし
た点が実施例1と異なる。
【0167】他の点は、実施例1と同様として、光起電
力素子を形成した。
【0168】本例で形成した光起電力素子も、パターニ
ングすることによって25個のサブセルに分割した。こ
れらの光起電力素子を(実素子7)と呼ぶことにした。
【0169】表11は、(実素子7)におけるp型半導
体層108の作製条件である。
【0170】
【表11】
【0171】(比較例7)本例では、p型半導体層10
8を、非晶質層からなる単層とした点が実施例7と異な
る。
【0172】他の点は、実施例7と同様とした。
【0173】本例で形成した光起電力素子も、パターニ
ングすることによって25個のサブセルに分割した。こ
れらの光起電力素子を(比素子7)と呼ぶことにした。
【0174】表12は、(比素子7)におけるp型半導
体層108の作製条件である。
【0175】
【表12】
【0176】実施例1と同様に、実施例7及び比較例7
で作製した光起電力素子、すなわち(実素子7)および
(比素子7)に対しても、初期変換効率、光劣化後効
率、HHRB劣化後効率、歩留りについて測定を行っ
た。
【0177】表13は、(実素子7)および(比素子
7)における各特性の測定結果を示した。但し、(比素
子7)の測定結果は(実素子7)の各測定値を1とし、
規格化して示した。
【0178】
【表13】
【0179】表13から、本発明に係る光起電力素子
(実素子7)は、従来の光起電力素子(比素子7)よ
り、初期変換効率、光劣化後効率、HHRB劣化後効
率、歩留りの全てにおいて優れていることが分かった。
これらは、p型半導体層108の結晶化率の増加に伴
い、入射光量が増えたことにより、これら各特性の効率
が向上したと考えた。
【0180】(実施例8)本例では、図3及び図4に示
す堆積装置を用いて、図1に示した光起電力素子を形成
する際に、i型微結晶半導体層106の作製条件の一つ
であるマイクロ波の周波数を、0.0135GHz〜
5.00GHzの範囲で変化させた点が実施例1と異な
る。
【0181】但し、0.1GHz以上のマイクロ波に対
して0.5GHzはアンテナを電力導入用に用いたが、
2.45GHzでは無電極放電のため、導波管406か
ら誘電体窓405を介して成膜チャンバー内にマイクロ
波を投入した。
【0182】他の点は、実施例1と同様として、光起電
力素子を形成した。
【0183】本例で形成した光起電力素子も、パターニ
ングすることによって25個のサブセルに分割した。こ
れらの光起電力素子を(実素子8)と呼ぶことにした。
【0184】表14は、マイクロ波の周波数を変えて作
製したi型微結晶半導体層106を有する(実素子8)
における各特性の測定結果を示した。但し、マイクロ波
の周波数を0.1GHzとして作製したi型微結晶半導
体層106を有する(実素子4)の各測定値を1とし、
他の層厚条件で作製した素子の測定結果は規格化して示
した。
【0185】
【表14】
【0186】表14から、i型微結晶半導体層106の
作製条件の一つであるマイクロ波の周波数を0.1GH
z以上とした光起電力素子(実素子8)は、優れた初期
変換効率、光劣化後効率、HHRB劣化後効率、歩留り
が得られることが分かった。
【0187】(実施例9)本例では、図3に示す堆積装
置を用いて、図1に示した光起電力素子を形成する際
に、i型微結晶半導体層106の作製条件として、マイ
クロ波電力を投入すると同時にRF電力、RF+DC電
力を重畳させた点が実施例1と異なる。ここで、RFと
は13.56MHzを指す。
【0188】また、比較のために、重畳バイアスが無い
場合も検討した。
【0189】他の点は、実施例1と同様として、光起電
力素子を形成した。
【0190】本例で形成した光起電力素子も、パターニ
ングすることによって25個のサブセルに分割した。こ
れらの光起電力素子を(実素子9)と呼ぶことにした。
【0191】表15は、マイクロ波電力を投入すると同
時にRF電力、(RF+DC)電力を重畳させたて作製
したi型微結晶半導体層106を有する(実素子8)に
おける各特性の測定結果を示した。但し、重畳バイアス
を用いず作製したi型微結晶半導体層106を有する
(実素子4)の各測定値を1とし、他の層厚条件で作製
した素子の測定結果は規格化して示した。
【0192】
【表15】
【0193】表15から、i型微結晶半導体層106を
作製するとき、マイクロ波にRF電力又は(RF+D
C)電力を重畳して形成した光起電力素子(実素子9)
は、優れた初期変換効率、光劣化後効率、HHRB劣化
後効率、歩留りが得られることが分かった。
【0194】(実施例10)本例では、図3に示す堆積
装置を用いて、不図示のダブルセル型の光起電力素子を
形成した。
【0195】その際、ボトムセルは基本的に実施例1で
作製したnip接合としたが、n型半導体層のみ実施例
6で説明した非晶質n型半導体層と微結晶n型半導体層
からなる2層構造とした。すなわち、ボトムセルでは、
i型半導体層とn型半導体層との間にi型の炭化シリコ
ンからなる第3の不純物拡散防止層を設けた。一方、ト
ップセルは表16に示す条件で作製した。トップセルの
上に形成する透明電極および集電電極は、実施例1と同
様とした。
【0196】他の点は、実施例1と同様として、ダブル
セル型の光起電力素子を形成した。
【0197】本例で形成した光起電力素子も、パターニ
ングすることによって25個のサブセルに分割した。こ
れらの光起電力素子を(実素子10)と呼ぶことにし
た。
【0198】
【表16】
【0199】(比較例10)本例では、ボトムセルにお
いて、i型半導体層とn型半導体層との間に設けたi型
の炭化シリコンからなる第3の不純物拡散防止層を設け
なかった点が実施例10と異なる。
【0200】他の点は、実施例10と同様とした。
【0201】本例で形成した光起電力素子も、パターニ
ングすることによって25個のサブセルに分割した。こ
れらの光起電力素子を(比素子10)と呼ぶことにし
た。
【0202】実施例1と同様に、実施例10及び比較例
10で作製した光起電力素子、すなわち(実素子10)
および(比素子10)に対しても、初期変換効率、光劣
化後効率、HHRB劣化後効率、歩留りについて測定を
行った。
【0203】また、各光起電力素子について、実施例1
と同様にSIMS分析を行い、n型半導体層からi型微
結晶半導体層へのP元素の拡散量を調べた。
【0204】表17は、(実素子10)および(比素子
10)における各特性の測定結果を示した。但し、(比
素子10)の測定結果は(実素子10)の各測定値を1
とし、規格化して示した。
【0205】
【表17】
【0206】表17から、本発明に係る光起電力素子
(実素子10)は、従来の光起電力素子(比素子10)
より、初期変換効率、光劣化後効率、HHRB劣化後効
率、歩留りの全てにおいて優れており、P拡散量も少な
いことから、これらの効率向上に繋がったと考えた。
【0207】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ドーピング層とi型微結晶半導体層との間に不純物拡散
防止層を設けたことにより、ドーピング層から価電子制
御元素であるリン(P)元素あるいはホウ素(B)元素
が、i型微結晶半導体層の中へ拡散するのを防止でき
る。その結果、光電変換効率、光安定性および耐環境性
が高く、安定的に低コストで作製可能な、光電変換素子
及びその作製方法が得られる。
【0208】また、比較的強いプラズマを使用すること
でi型微結晶半導体層の結晶構造を良質化できるので、
光起電力素子の光電変換効率をさらに向上させることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光起電力素子の一例を示す模式的
な断面図である。
【図2】本発明に係る光起電力素子の他の一例を示す模
式的な断面図である。
【図3】本発明に係る光起電力素子を構成する半導体層
の堆積装置の一例を示す模式的な断面図である。
【図4】本発明に係る光起電力素子を構成する半導体層
の堆積装置の他の一例を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
100、200 光起電力素子、 101、201 基板、 102、202 反射層、 103、203 透明電極、 104、204 n型半導体層、 105、205 第1の不純物拡散防止層、 106、206 i型微結晶半導体層、 108、208 p型半導体層、 109、209 上部透明電極、 110、210 集電電極、 207 第2の不純物拡散防止層、 300、400 成膜チャンバー、 301、401 加熱ヒーター、 302、402 基板、 303、403 ガス導入管、 304、404 バイアス印加棒、 305 高周波導入アンテナ、 405 マイクロ波導波管、 405 誘電体窓。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を含有するシリコンの非単結晶から
    なるn型半導体層、i型半導体層及びp型半導体層を順
    に積層してなるnip接合を一組有し、前記p型半導体
    層を光の入射側とした光起電力素子において、前記i型
    半導体層は微結晶シリコンからなり、前記i型半導体層
    と前記n型半導体層との間に第1の不純物拡散防止層を
    有することを特徴とする光起電力素子。
  2. 【請求項2】 前記i型半導体層と前記p型半導体層と
    の間に第2の不純物拡散防止層を有することを特徴とす
    る請求項1に記載の光起電力素子。
  3. 【請求項3】 前記第1及び前記第2の不純物拡散防止
    層の厚さが、1nm以上20nm以下であることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の光起電力素子。
  4. 【請求項4】 前記第1及び前記第2の不純物拡散防止
    層は、i型の窒化シリコン、i型の炭化シリコン又はi
    型の酸化シリコンのいずれか一つからなることを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光起電力素
    子。
  5. 【請求項5】 前記i型半導体層の厚さが、0.5μm
    以上25μm以下であることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか1項に記載の光起電力素子。
  6. 【請求項6】 前記i型半導体層は、シリコン原子に対
    して10ppm以下のホウ素を含有することを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光起電力素
    子。
  7. 【請求項7】 前記n型半導体層は、微結晶シリコンの
    複数の層、又は、微結晶シリコンと非晶質シリコンの複
    数の層、からなることを特徴とする請求項1乃至6のい
    ずれか1項に記載の光起電力素子。
  8. 【請求項8】 前記p型半導体層は、微結晶シリコンか
    らなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項
    に記載の光起電力素子。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の
    i型半導体層を、周波数が0.1GHz以上のマイクロ
    波を用いたプラズマCVD法により形成することを特徴
    とする光起電力素子の作製方法。
  10. 【請求項10】 前記i型半導体層をプラズマCVD法
    により形成するとき、前記一組のnip接合を載置する
    ために用いる導電性基板に、DC又は/及びRFのバイ
    アスを印加することを特徴とする請求項9に記載の光起
    電力素子の作製方法。
  11. 【請求項11】 水素を含有するシリコンの非単結晶か
    らなるn型半導体層、i型半導体層及びp型半導体層を
    順に積層してなるnip接合を二組有し、前記p型半導
    体層を光の入射側とし、かつ、第2のnip接合を通し
    て光が入射するように第1のnip接合を配設してなる
    光起電力素子において、前記第1のnip接合を構成す
    るi型半導体層は微結晶シリコンからなり、該第1のn
    ip接合を構成するi型半導体層とn型半導体層との間
    に第3の不純物拡散防止層を有することを特徴とする光
    起電力素子。
  12. 【請求項12】 前記第1のnip接合を構成するi型
    半導体層とp型半導体層との間に第4の不純物拡散防止
    層を有することを特徴とする請求項11に記載の光起電
    力素子。
  13. 【請求項13】 前記第3及び前記第4の不純物拡散防
    止層の厚さが、1nm以上20nm以下であることを特
    徴とする請求項11又は12に記載の光起電力素子。
  14. 【請求項14】 前記第3及び前記第4の不純物拡散防
    止層は、i型の窒化シリコン、i型の炭化シリコン又は
    i型の酸化シリコンのいずれか一つからなることを特徴
    とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の光起
    電力素子。
  15. 【請求項15】 前記第1のnip接合を構成するi型
    半導体層の厚さが、0.5μm以上25μm以下である
    ことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に
    記載の光起電力素子。
  16. 【請求項16】 前記第1のnip接合を構成するi型
    半導体層は、シリコン原子に対して10ppm以下のホ
    ウ素を含有することを特徴とする請求項11乃至15の
    いずれか1項に記載の光起電力素子。
  17. 【請求項17】 前記第1のnip接合及び前記第2の
    nip接合を構成するn型半導体層は、微結晶シリコン
    の複数の層、又は、微結晶シリコンと非晶質シリコンの
    複数の層、からなることを特徴とする請求項11乃至1
    6のいずれか1項に記載の光起電力素子。
  18. 【請求項18】 前記第1のnip接合及び前記第2の
    nip接合を構成するp型半導体層は、微結晶シリコン
    からなることを特徴とする請求項11乃至17のいずれ
    か1項に記載の光起電力素子。
  19. 【請求項19】 請求項11乃至18のいずれか1項に
    記載の第1のnip接合を構成するi型半導体層を、周
    波数が0.1GHz以上のマイクロ波を用いたプラズマ
    CVD法により形成することを特徴とする光起電力素子
    の作製方法。
  20. 【請求項20】 前記第1のnip接合を構成するi型
    半導体層をプラズマCVD法により形成するとき、前記
    二組のnip接合を載置するために用いる導電性基板に
    DC又は/及びRFのバイアスを印加することを特徴と
    する請求項19に記載の光起電力素子の作製方法。
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