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JPH1095760A - シアノ酢酸エステルの製造法 - Google Patents

シアノ酢酸エステルの製造法

Info

Publication number
JPH1095760A
JPH1095760A JP26769096A JP26769096A JPH1095760A JP H1095760 A JPH1095760 A JP H1095760A JP 26769096 A JP26769096 A JP 26769096A JP 26769096 A JP26769096 A JP 26769096A JP H1095760 A JPH1095760 A JP H1095760A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyanoacetate
catalyst
alkyl
carbon atoms
bis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26769096A
Other languages
English (en)
Inventor
Junji Koizumi
淳史 小泉
Takeshi Narita
健 成田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nitto Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nitto Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP26769096A priority Critical patent/JPH1095760A/ja
Publication of JPH1095760A publication Critical patent/JPH1095760A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】シアノ酢酸低級アルキルエステルと高級アルコ
ールからのエステル交換反応により得られた、シアノ酢
酸高級アルキルエステルを効率よく高収率で回収する方
法を提供する。 【構成】シアノ酢酸低級アルキルエステルと高級アルコ
ールからの触媒を用いたエステル交換反応により得た一
般式NCCH2 COOR’(式中R’は炭素数4〜20
のアルキル基を示す)で表わされるシアノ酢酸高級アル
キルエステルを反応液から分取するに先立ち、シアノ酢
酸高級アルキルエステルと上記触媒を含む反応液を減圧
下で薄膜蒸発にかけて触媒を除去することを特徴とする
シアノ酢酸高級アルキルエステルの製造法。 【効果】本発明の方法により、シアノ酢酸高級アルキル
エステルを高収率で回収することができ、蒸留中の異常
発泡を引き起こさず、容易に製品を回収できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医農薬中間体及び
工業製品中間体として有用なシアノ酢酸高級アルキルエ
ステルの製造法に関する。本発明において、シアノ酢酸
高級アルキルエステルとは、一般式NCCH2 COO
R’(式中R’は炭素数4〜20のアルキル基を示す)
で表わされるシアノ酢酸エステルを意味する。
【0002】
【従来の技術】シアノ酢酸エステルの製造法としては、
クロロ酢酸エステルとNaCNあるいはKCNを反応さ
せる方法、シアノアセチルハライドとアルコールとを塩
基触媒の存在下反応させる方法、クロロアセトニトリル
とCOとアルコールを反応させるアルコキシカルボニレ
ーション法、シアノ酢酸とアルコールを酸触媒存在下で
脱水反応させる方法、シアノ酢酸エステルをアルコール
とエステル交換反応させる方法などが一般に良く知られ
ている。
【0003】例えば、シアノ酢酸t−ブチルの製造法と
しては、クロロ酢酸t−ブチルとNaCNあるいはK
CNを反応させる方法[DE1951032;Hel
v.Chim.Acta.,42,1214,1222
(1959);J.Am.Chem.Soc.,64
2274(1942)]シアノアセチルハライドとt
−ブタノールとN、N−ジメチルアニリンを反応させる
方法[J.Chem.Soc.,(1955)423,
426;Org.Synth.,Coll.Vol.
5,171]及びクロロアセトニトリルとCOとt−
ブタノールを反応させるアルコキシカルボニレーション
法[DE2403483]などが知られている。
【0004】しかし、の方法は、原料のクロロ酢酸t
−ブチルを入手するのが容易でなく、別途煩雑な方法で
原料を合成をしなくてはならない。更に、反応に伴って
副生するNaCl等の廃棄物が多量に生じる。又、の
方法は、原料のシアノアセチルハライドを得るために腐
蝕性の高いPCl5 等を用いる必要があり、装置材質上
の制約が大きくなる。更に、N,N−ジメチルアニリン
をシアノアセチルハライドと等量以上必要とし、反応の
進行に伴いその塩酸塩が副生するため、多量の廃棄物を
生じてしまう。又、の方法は、COを高圧で反応させ
なくてはならないため設備的制約が生じる。
【0005】又、シアノ酢酸とアルコールを酸触媒存在
下で脱水反応させる方法としては、例えばAnn.Ch
im.,(Paris),(9)69(1918);
Tetrahedron,305(1967)等に記載
されている。しかし、この方法は炭素数の少ないアルコ
ール、特に第1級アルコールを用いる場合には反応性が
優れているが、高級アルコールや第3級アルコールを用
いる場合には反応性が低いという欠点がある。更に、生
成するシアノ酢酸エステルが酸に不安定な第3級エステ
ルのような場合にもこの方法は適さない。
【0006】又、シアノ酢酸エステルをアルコールとエ
ステル交換反応させる方法としてはチタンアルコキサイ
ドを触媒として用いる方法が知られている。[Org.
Synth.,65、230(1987);Helv.
Chim.Acta.,65、1197(1982);
Helv.Chim.Acta.,65、495(19
82);Synthesis(1982),138]し
かし、これらに記載されている方法は、アルコールとし
てメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピル
アルコールなどの第1級あるいは2級アルコールを用い
る場合のみしか記載されておらず、t−ブタノールのよ
うな第3級アルコールエステルの場合は交換反応が進行
しにくいことが知られていることから、適切な方法とは
いえない。
【0007】更に又、上述のような問題点を生じること
なく、容易に入手可能な原料から特定の錫化合物を用
い、エステル交換反応によりシアノ酢酸高級アルキルエ
ステルを製造する方法としては、特開平7−22856
4号公報に記載の方法を挙げることができる。この方法
を用いた場合、反応後、未反応の高級アルコールを通常
よく用いられる減圧蒸留により除去し、ついでエステル
交換反応により得たシアノ酢酸高級アルキルエステルを
留去し、シアノ酢酸高級アルキルエステルと触媒の分離
を行っていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シアノ
酢酸高級アルキルエステルは触媒存在下で蒸留した場
合、長時間の熱履歴による熱分解や熱重合を避けられな
いという問題があり、これにより製品の収量が大幅に減
少するという欠点があった。又、エステルの留出が進み
釜残の触媒濃度が相対的に高くなると液の粘度が著しく
高くなり、蒸発に伴う異常発泡を引き起こし、途中で蒸
留操作を断念せざるを得ないという欠点もあった。
【0009】本発明は、従来方法の蒸留時における熱分
解又は熱重合による製品の収量減少、又異常発泡という
欠点を克服し、反応液より触媒を除去する方法を簡単な
操作で、しかも効率よく生産しうる工業的に実施するの
に有利なシアノ酢酸高級アルキルエステルの製造法を提
出するためになされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、シアノ酢
酸高級アルキルエステルの蒸留時における種々のトラブ
ルを解決するための鋭意研究を重ねた結果、シアノ酢酸
高級アルキルエステルと触媒を含む反応液を薄膜蒸発に
よりシアノ酢酸高級アルキルエステルを含む低沸点成分
を瞬時に蒸発させて触媒を含む反応液から分離すること
により、その後の蒸留時のシアノ酢酸高級アルキルエス
テルの熱分解や熱重合を抑制し、工業的にも安定な分離
操作として実施しうるものであることを見出し、本発明
に到達した。
【0011】即ち、本発明は、一般式NCCH2 COO
1 (式中R1 は炭素数1〜3のアルキル基を示す)で
表わされるシアノ酢酸低級アルキルエステルと一般式
R’OH(式中R’は炭素数4〜20のアルキル基を示
す)で表わされる高級アルコールから触媒を用いたエス
テル交換反応により得た、一般式NCCH2 COOR’
(式中R’は炭素数4〜20のアルキル基を示す)で表
わされるシアノ酢酸高級アルキルエステルを反応液から
分取するに先立ち、シアノ酢酸高級アルキルエステルと
上記触媒を含む反応液を減圧下で薄膜蒸発にかけて触媒
を除去することを特徴とするシアノ酢酸高級アルキルエ
ステルの製造方法に関する。
【0012】 以下、本発明を詳しく説明する。本発明
で原料として用いるシアノ酢酸低級アルキルエステル
は、一般式NCCH2 COOR1 (式中R1 は炭素数1
〜3のアルキル基を示す)で表わされるもので、具体的
にはシアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、シアノ酢酸
プロピル、シアノ酢酸イソプロピルを挙げることができ
る。
【0013】本発明に用いる高級アルコールR’OH
(式中R’は炭素数4〜20のアルキル基を示す)とし
ては、n−ブタノール、iso−ブタノール、t−ブタ
ノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペ
ンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル
−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−
メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロ
パノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2
−ヘキサノール、3−ヘキサノール、4−メチル−1−
ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メ
チル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−2−ブタ
ノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、シクロヘ
キサノール、1−へプタノール、2−へプタノール、3
−へプタノール、4−へプタノール、3−エチル−3−
ペンタノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、
2,3,3−トリメチル−2−ブタノール、1−オクタ
ノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノ
ール、1,1,3,3−テトラメチル−1−ブタノー
ル、1−ノナノール、2−ノナノール、2,6−ジメチ
ル−4−へプタノール、1−デカノール、1−ウンデカ
ノール、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−
テトラデカノール、1−ペンタデカノール、1−ヘキサ
デカノール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノ
ール、トリフェニルメタノールなどが挙げられる。
【0014】特に好ましくは、t−ブタノール、1−ペ
ンタノール、1−ヘキサノール、シクロペンタノール、
シクロヘキサノールなどが用いられる。
【0015】低級シアノ酢酸アルキルと高級アルコール
との反応に用いる触媒としては、錫化合物が好ましく用
いられ、錫化合物としては、下記の(1)〜(4)に示
す錫化合物が用いられる。
【0016】
【化1】 [式中、R2 及びR3 は各々独立に炭素数1〜18のア
ルキル基、X1 及びX2は各々独立に−H、−R6 、−
OR6 、−OCOR6 、 −OCOCH=CHCOOR6 (R6 は炭素数1〜18
のアルキル基を示す)又はハロゲンを示す]
【0017】
【化2】 [式中、R2 及びR3 は各々独立に炭素数1〜18のア
ルキル基を示す]
【0018】
【化3】 [式中、R2 及びR3 は各々独立に炭素数1〜18のア
ルキル基、Aは−COCH=CHOC−を示す]
【0019】
【化4】 [式中、R2 、R3 、R4 及びR5 は各々独立に炭素数
1〜18のアルキル基、X3 及びX4 は各々独立に−R
6 又は−OR6 (R6 は炭素数1〜18のアルキル基を
示す)、Bは−OCOCH=CH−COO−又は−O−
を示す]
【0020】上記式(1)で表わされる錫化合物として
は、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ジエトキサ
イド、ジオクチル錫ジメトキサイド、ジオクチル錫ジエ
トキサイド、ジブチル錫ジ(t−ブトキサイド)、ジオ
クチル錫ジ(t−ブトキサイド)、ジブチル錫ジハイド
ライド、ジオクチル錫ジハイドライド、ジブチル錫ジア
セテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオ
クテート、ジオクチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラ
ウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジス
テアレート、ジオクチル錫ジステアレート、トリブチル
錫アセテート、トリオクチル錫アセテート、トリブチル
錫オクテート、トリオクチル錫オクテート、トリブチル
錫ラウレート、トリオクチル錫ラウレート、トリブチル
錫ステアレート、トリオクチル錫ステアレート、トリブ
チル錫メトキサイド、トリオクチル錫メトキサイド、ト
リブチル錫エトキサイド、トリオクチル錫エトキサイ
ド、トリブチル錫t−ブトキサイド、トリオクチル錫t
−ブトキサイド、ジブチル錫ビス(モノメチルマレエー
ト)、ジオクチル錫ビス(モノメチルマレエート)、ジ
ブチル錫ビス(モノオクチルマレエート)、ジオクチル
錫ビス(モノオクチルマレエート)、ジブチル錫ビス
(モノラウリルマレエート)、ジオクチル錫ビス(モノ
ラウリルマレエート)、ジブチル錫ジクロライド、ジオ
クチル錫ジクロライド等が挙げられる。
【0021】特に、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチ
ル錫ジエトキサイド、ジオクチル錫ジメトキサイド、ジ
オクチル錫ジエトキサイド、ジブチル錫ジ(t−ブトキ
サイド)、ジオクチル錫ジ(t−ブトキサイド)、ジブ
チル錫ジハイドライド、ジオクチル錫ジハイドライド、
ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート、
ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジオクテート、
ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、
ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジステアレー
ト、トリブチル錫メトキサイド、トリオクチル錫メトキ
サイド、トリブチル錫t−ブトキサイド、トリオクチル
錫t−ブトキサイドなどを用いるのが好ましい。
【0022】上記式(2)で表わされる錫化合物として
は、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、
ジシクロヘキシル錫オキサイドなどが挙げられ、特に、
ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイドを用い
るのが好ましい。上記式(3)で表わされる錫化合物と
しては、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫マレエー
トを挙げることができる。
【0023】上記式(4)で表わされる錫化合物として
は、ビス(トリブチル錫)オキサイド、ビス(トリオク
チル錫)オキサイド、ビス(トリブチル錫)マレエー
ト、ビス(トリオクチル錫)マレエート、ビス(ジブチ
ルメトキシ錫)マレエート、ビス(ジオクチルメトキシ
錫)マレエート、ビス(ジブチルメトキシ錫)オキサイ
ド、ビス(ジオクチルメトキシ錫)オキサイド、ビス
{ジブチル(t−ブトキシ)錫}マレエート、ビス{ジ
オクチル(t−ブトキシ)錫}マレエート、ビス{ジブ
チル(t−ブトキシ)錫}オキサイド、ビス{ジオクチ
ル(t−ブトキシ)錫}オキサイド、ビス(ジブチルラ
ウロキシ錫)マレエート、ビス(ジオクチルラウロキシ
錫)マレエート、ビス(ジブチルラウロキシ錫)オキサ
イド、ビス(ジオクチルラウロキシ錫)オキサイドなど
を挙げることができる。
【0024】特に、ビス(ジブチルメトキシ錫)マレエ
ート、ビス(ジオクチルメトキシ錫)マレエート、ビス
(ジブチルメトキシ錫)オキサイド、ビス(ジオクチル
メトキシ錫)オキサイド、ビス{ジブチル(t−ブトキ
シ)錫}マレエート、ビス{ジオクチル(t−ブトキ
シ)錫}マレエート、ビス{ジブチル(t−ブトキシ)
錫}オキサイド、ビス{ジオクチル(t−ブトキシ)
錫}オキサイドを用いるのが好ましい。
【0025】一般に、上記原料及び触媒を用いるエステ
ル交換反応は、常圧、減圧及び加圧の何れでも可能であ
るが、副生するアルコールを速やかに系外に留出させな
がら行なう。
【0026】原料のシアノ酢酸低級アルキルエステルと
高級アルコールの使用量は、シアノ酢酸低級アルキルエ
ステル1モルに対して高級アルコールを通常1.5〜3
0倍モルの範囲、好ましくは2〜20倍モルの範囲で用
いるがよい。
【0027】又、上記触媒の使用量は、シアノ酢酸低級
アルキルエステルに対して0.1〜50モル%の範囲、
好ましくは0.5〜25モル%の範囲とするのがよい。
【0028】反応温度は40〜250℃の範囲、好まし
くは、60〜200℃で適用される。反応時間は、原料
モル比、触媒量、反応温度などの反応条件によって変動
するが、通常は12時間以内、3〜10時間の範囲で適
用される。
【0029】反応により副生するアルコールは蒸留塔に
導き、適当な還流比で系外に抜き出すと効率的である。
この場合、還流比は1:1〜30:1の間で、通常は
1:1〜15:1の間に適宜選択して行うのがよい。
【0030】反応後、得られた反応液から、生成したシ
アノ酢酸高級アルキルエステルを分取するに先立ち、反
応液を減圧下で薄膜蒸発にかけてシアノ酢酸高級アルキ
ルエステルを含む低沸点成分を反応液から留去すること
により、触媒や高沸点物質を含むタール状の残渣液を上
記低沸点成分から分離する。
【0031】上記反応液中には、未反応原料であるシア
ノ酢酸低級アルキルエステル、高級アルコールが含まれ
ているが、これらが過剰に存在する場合、あるいは反応
副生物である低級アルコールが反応液中に残存している
場合は、薄膜蒸発を効率的に進めるために、これらの少
なくとも大半を薄膜蒸発に先立って、減圧蒸留等で反応
液から除いてもよい。
【0032】薄膜蒸発時の圧力は、0.1〜50mmH
g、好ましくは、1〜10mmHgの範囲で行われる。
加熱温度は、反応液を速やかに蒸発させる温度内で低い
方が熱分解または熱重合を抑制する上では好ましく、蒸
発圧力での反応液沸点より0〜50℃高い温度が適して
いる。
【0033】本発明に用いる薄膜蒸発器は、供給液を薄
膜状とし、かつ瞬時に蒸発させる構造をもつ装置ならど
のような形式であってもさしつかえない。このような装
置としては、例えば、薄膜降下式濃縮器、攪拌式薄膜蒸
発器、遠心式薄膜蒸発器等を挙げることができる。これ
らの中では、機械的な撹拌により薄膜を形成させる撹拌
式薄膜蒸発器が好ましく用いられる。攪拌式薄膜蒸発器
にはルーワ型、スミス型、サンバイ型、日立コントロ型
等があるが、いずれも本発明に用いることができる。
【0034】本発明を連続的に行うには、残渣液に流動
性を持たせ、滞留させることなく排出することが望まし
い。従って、薄膜蒸発は残渣液中に液体成分が残存して
いる状態で終了させることが好ましく、この液体成分と
してはシアノ酢酸高級アルキルエステルを一部残渣液中
に残したものであってもよく、反応由来の高沸点物質が
残っているものであってもよい。反応由来の高沸点物質
としては、シアノ酢酸高級アルキルエステルより高沸点
であって、薄膜蒸発終了時の温度で実質的に残渣液に流
動性を与えうるものであれば、その物質、量の如何を問
わない。
【0035】本発明では、残渣液の流動性を保つため
に、上記高沸点物質とは異なる次のような物質を予め上
記反応液に添加することができる。このような物質とし
ては、圧力1〜50mmHgにおいて沸点100〜20
0℃の範囲にあり、かつ上記反応液に溶解する有機化合
物である。例えば、トリエチレングリコール、1−ヘキ
サデカノール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカ
ノール、トリエタノールアミンなどを挙げることができ
る。
【0036】薄膜蒸発で得た留出液には不純物としてシ
アノ酢酸低級アルキルエステルが含まれるが、これをア
ルカリ水溶液で処理することにより、シアノ酢酸低級ア
ルキルエステルが選択的に加水分解される。ここで用い
るアルカリは、水溶液中でアルカリ性を示すものであれ
ばどのようなものも用いうるが、アルカリ金属の水酸化
物や炭酸塩、アンモニア等を好ましく用いうる。アルカ
リの使用量は、シアノ酢酸低級エステルに対して0.4
〜10モル%用いるのが好ましい。アルカリ水溶液で不
純物を加水分解した後は、反応液を分液して有機層を分
取し、減圧蒸留することにより、精シアノ酢酸高級アル
キルエステルを得ることができる。
【0037】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるもの
でない。
【0038】実施例1 攪拌機、温度計及びマクマホン充填塔を備えたフラスコ
に、シアノ酢酸メチル73.9g、t−ブタノール4
9.7g、ジブチル錫オキサイド9.2gを加え、10
0℃に加熱し、リフラックスさせた。反応液を10分間
全還流させた後、還流比15:1で発生するメタノール
を系外に流出させつつ反応させた。反応後、反応液をガ
スクロマトグラフィーで分析した結果、シアノ酢酸メチ
ルの転化率は80.7%、シアノ酢酸t−ブチルの選択
率は80.6%であった。
【0039】続いて、得られた反応液を減圧蒸留にか
け、沸点78℃/20mmHgまで低沸点物質を留去し
た。留去後の重量は100.4gであり、その組成は下
記の通りであった。 シアノ酢酸メチル 14.2重量% シアノ酢酸t−ブチル 68.2 〃 触媒 9.2 〃 高沸点物質 8.4 〃
【0040】引き続き、外筒径50mm、加熱部長さ1
50mmの撹拌翼を有する竪型撹拌式薄膜蒸発器におい
て、圧力5mmHgとし、加熱部温度110℃で、上記
で得られた低沸点物質留去後の反応液100.4gを
2.5g/分で供給し、薄膜蒸発を行った。得られた留
出液量は80.7gであり、ガスクロマトグラフィーで
分析した結果、留出液中のシアノ酢酸t−ブチルは6
7.4g、シアノ酢酸メチルは13.3gであった。下
記式(5)で表される薄膜蒸発工程におけるシアノ酢酸
t−ブチルの回収率は98.4%であった。
【0041】又、残渣液組成は、 シアノ酢酸メチル 0.5重量% シアノ酢酸t−ブチル 1.4 〃 ジブチル錫オキサイド 64.8 〃 高沸点物質 35.2 〃 であり、この流動性は良好であった。 式(5)
【0042】又、シアノ酢酸t−ブチル回収のため、攪
拌機、温度計及び滴下ロートを備えたフラスコに薄膜蒸
発により得られた留出液を80.7gを入れ、これに、
温度40℃で15重量%水酸化ナトリウム水溶液36.
0g(水酸化ナトリウム量はシアノ酢酸メチルと等モ
ル)を30分かけて滴下した後、5分間攪拌し、10分
間静置して有機層と水層とに分離後、有機層を抜き出
し、5mmHgで減圧蒸留を行い精シアノ酢酸t−ブチ
ル64.0gを得た。仕込みシアノ酢酸メチルに対する
精シアノ酢酸t−ブチルの収率は60.8%であった。
シアノ酢酸t−ブチルの減圧蒸留時には異常発泡もなく
良好に回収できた。
【0043】実施例2減圧蒸留により低沸点物質を留去
した後の反応液100.4gを薄膜蒸発器にかける代わ
りに、同様の反応液90.0gに1−ヘキサデカノール
を10.0g加えたものを薄膜蒸発器にかけた以外は実
施例1と同様にした。薄膜蒸発におけるシアノ酢酸t−
ブチルの回収率は98.0%であった。残渣液の組成
は、 シアノ酢酸メチル 0.6重量% シアノ酢酸t−ブチル 1.3 〃 ジブチル錫オキサイド 34.6 〃 高沸点物質 24.4 〃 1−ヘキサデカノール 39.0 〃 であり、この流動性は実施例1よりも更に良好であっ
た。次いで実施例1と同様にして薄膜蒸発で得た留出液
から精シアノ酢酸t−ブチルを得た。仕込みシアノ酢酸
メチルに対する精シアノ酢酸t−ブチルの収率は60.
6%であった。シアノ酢酸t−ブチルの減圧蒸留時には
異常発泡もなく良好に回収できた。
【0044】比較例1 実施例1と同様にして得た、減圧蒸留により低沸点物質
を留去した後の反応液100.1gをなす型フラスコに
入れ、通常の単蒸留法で沸点100℃/10mmHgま
でエステル分を留去した。単蒸留におけるシアノ酢酸t
−ブチルの回収率は57.3%であった。この単蒸留時
にシアノ酢酸t−ブチルの熱分解が生じるため、途中か
ら発泡が見られ、この発泡は蒸留が進むにつれて激しく
なり、異常発泡のためこれ以上回収率を高めることはで
きなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明の方法によれば、一般式NCCH
2 COOR1 (式中R1 は炭素数1〜3のアルキル基を
示す)で表わされる低級シアノ酢酸アルキルと一般式
R’OH(式中R’は炭素数4〜20のアルキル基を示
す)で表わされる高級アルコールから触媒を用いたエス
テル交換反応により得た一般式NCCH2 COOR’
(式中R’は炭素数4〜20のアルキル基を示す)で表
わされるシアノ酢酸高級アルキルエステルを反応液から
分取するに先立ち、シアノ酢酸高級アルキルエステルと
上記触媒を含む反応液を薄膜蒸発にかけて触媒を除去す
ることにより、シアノ酢酸高級アルキルエステルを高収
率で回収することができ、蒸留中の異常発泡を引き起こ
さず、容易に製品を回収することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式NCCH2 COOR1 (式中R1
    炭素数1〜3のアルキル基を示す)で表わされるシアノ
    酢酸低級アルキルエステルと一般式R’OH(式中R’
    は炭素数4〜20のアルキル基を示す)で表わされる高
    級アルコールからの触媒を用いたエステル交換反応によ
    り得た一般式NCCH2 COOR’(式中R’は炭素数
    4〜20のアルキル基を示す)で表わされるシアノ酢酸
    高級アルキルエステルを反応液から分取するに先立ち、
    シアノ酢酸高級アルキルエステルと上記触媒を含む反応
    液を減圧下で薄膜蒸発にかけて触媒を除去することを特
    徴とするシアノ酢酸高級アルキルエステルの製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6420590B1 (en) 2000-10-31 2002-07-16 Closure Medical Corporation Continuous processes and apparatus for forming cyanoacetate and cyanoacrylate
JPWO2013076969A1 (ja) * 2011-11-21 2015-04-27 三井化学株式会社 β−メルカプトカルボン酸の製造方法
US9206119B2 (en) 2011-11-21 2015-12-08 Mitsui Chemicals Inc. Process for preparing β-mercaptocarboxylic acid

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JPWO2013076969A1 (ja) * 2011-11-21 2015-04-27 三井化学株式会社 β−メルカプトカルボン酸の製造方法
US9133112B2 (en) 2011-11-21 2015-09-15 Mitsui Chemicals, Inc. Process for preparing β-mercaptocarboxylic acid
US9206119B2 (en) 2011-11-21 2015-12-08 Mitsui Chemicals Inc. Process for preparing β-mercaptocarboxylic acid

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