[go: up one dir, main page]

JPH1089402A - 流体封入式マウント装置 - Google Patents

流体封入式マウント装置

Info

Publication number
JPH1089402A
JPH1089402A JP24678396A JP24678396A JPH1089402A JP H1089402 A JPH1089402 A JP H1089402A JP 24678396 A JP24678396 A JP 24678396A JP 24678396 A JP24678396 A JP 24678396A JP H1089402 A JPH1089402 A JP H1089402A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
orifice passage
fluid
chamber
partition member
communication port
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24678396A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Hori
浩晃 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP24678396A priority Critical patent/JPH1089402A/ja
Publication of JPH1089402A publication Critical patent/JPH1089402A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一のオリフィス通路において二つの異なる
チューニング特性が選択的に発現され得るようにするこ
とにより、該オリフィス通路を流通する流体の流動作用
に基づいて、広い周波数域の入力振動に対する有効な防
振効果が発揮される流体封入式マウント装置を提供する
こと。 【解決手段】 オリフィス通路60の平衡室50への連
通口72の周囲に、平衡室50の壁部を構成する可撓性
膜44を、拘束部材74,78で押し付けて拘束するこ
とにより、かかる連通口72を可撓性膜44で覆蓋せし
めて平衡室50への連通を実質的に遮断可能とし、連通
口72の平衡室50に対する実質的な遮断状態下、この
可撓性膜44における連通口72の覆蓋部分によって可
動膜84が構成されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、オリフィス通路を通じて流動せ
しめられる流体の共振作用等の流動作用を利用して防振
効果を得るようにした流体封入式マウント装置に係り、
特に、オリフィス通路の連通状態を調節することによっ
て防振特性を切り換えることの出来る流体封入式マウン
ト装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装されて振動の伝達を抑える防振連結体乃至は防振支
持体の一種として、特開昭60−104824号公報等
に開示されているように、防振連結される各一方の部材
に取り付けられる第一の取付金具と第二の取付金具を、
互いに所定距離を隔てて配すると共に、本体ゴム弾性体
によって相互に連結する一方、第二の取付金具によって
支持された仕切部材を挟んだ両側に、壁部の一部が本体
ゴム弾性体によって構成されて振動入力時に内圧変動が
生ぜしめられる受圧室と、壁部の一部が可撓性膜によっ
て構成されて容積変化が容易に許容される平衡室を形成
して、それら受圧室および平衡室にそれぞれ所定の非圧
縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を相
互に連通するオリフィス通路を設けた構造の流体封入式
マウント装置が知られている。このようなマウント装置
においては、オリフィス通路を通じて流動せしめられる
流体の共振作用等の流動作用に基づいて、本体ゴム弾性
体だけでは得ることが困難な防振効果を容易に得ること
が出来ることから、例えば自動車用エンジンマウント等
として、好適に用いられている。
【0003】ところで、自動車用エンジンマウント等で
は、状況に応じて入力される、周波数や振幅の異なる複
数種類の振動に対して、それぞれ防振効果が要求される
こととなるが、オリフィス通路を通じて流動せしめられ
る流体の流動作用に基づく防振効果が有効に発揮される
周波数域は、オリフィス通路の断面積や長さ等によって
定まり且つ狭いために、単一のオリフィス通路によって
要求される防振特性を充分に達成することが困難な場合
が多い。
【0004】そこで、例えば特開昭62−88833号
公報や特開昭63−17347号公報等には、オリフィ
ス通路を開閉する弁体を設けて、オリフィス通路を連通
/遮断制御することにより、マウント防振特性を切換可
能とする構造が提案されており、更に、特開昭59−9
3537号公報や特開平8−114249号公報には、
異なる周波数域にチューニングされた二つのオリフィス
通路の一方を弁体により連通/遮断制御することによ
り、二つのオリフィス通路を択一的に機能せしめてマウ
ント防振特性を切り換えて広い周波数域の入力振動に対
応するようにした構造が、提案されている。
【0005】ところが、このような構造のマウント装置
においても、結局、一つのオリフィス通路は、それがチ
ューニングされた特定周波数域の入力振動に対してしか
有効な防振効果を発揮し得ず、一つのオリフィス通路に
よって複数の周波数域の入力振動に対する防振効果を得
ることが出来ないために、たとえオリフィス通路を開閉
して防振特性を切り換えたとしても、別の周波数域の入
力振動に対して流体流動作用に基づく有効な防振効果を
得るためには、もう一つ別のオリフィス通路を形成する
必要がある。そのために、広い周波数域の入力振動に対
する防振特性を満足するためには、各周波数域に応じて
チューニングされた複数のオリフィス通路を形成する必
要があり、構造が複雑となることが避けられないという
問題があった。
【0006】そして、特に、オリフィス通路は、一般に
チューニング周波数が高い程、流体流通抵抗が小さいた
めに、開閉される第一のオリフィス通路よりも低周波域
にチューニングされた第二のオリフィス通路は、第一の
オリフィス通路の開閉に応じて該第一のオリフィス通路
と択一的に機能し得るが、開閉される第一のオリフィス
通路よりも高周波域にチューニングされた第三のオリフ
ィス通路を設けると、該第三のオリフィス通路を通じて
の流体流動によって、第一のオリフィス通路が開状態に
あるときも該第一のオリフィス通路を通じての流体流動
量が確保され難くなって、目的とする防振効果を得るこ
とが難しいという不具合があった。
【0007】そのために、開閉される第一のオリフィス
通路よりも低周波数域の入力振動に対しては、低周波数
域にチューニングされた第二のオリフィス通路を形成す
ることによって有効な防振効果を得ることが可能である
ものの、開閉される第一のオリフィス通路よりも高周波
数域の入力振動に対して有効な防振効果を得ることが難
しかったのであり、特に、低周波数域と中周波数域およ
び高周波数域の広い範囲に亘って有効な防振効果を、簡
単な構造をもって達成せしめることは、極めて困難だっ
たのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、請求項1乃至6に
記載の発明は、何れも、開閉されるオリフィス通路によ
る防振効果を充分に確保しつつ、該オリフィス通路の本
来のチューニング周波数よりも高周波数域の入力振動に
対しても、良好な防振効果が発揮される流体封入式マウ
ント装置を、簡単な構造をもって実現せしめることを目
的とする。
【0009】また、特に請求項2に記載の発明は、低周
波数域と中周波数域および高周波数域の広い範囲に亘っ
て有効な防振効果を、簡単な構造をもって発揮し得る流
体封入式マウント装置を提供することも、目的とする。
【0010】
【解決手段】そして、このような課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、互いに所定距離を隔てて
配された第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾
性体によって連結する一方、該第二の取付部材側に支持
された仕切部材を挟んだ両側に、壁部の一部が前記本体
ゴム弾性体にて構成された受圧室と、壁部の一部が可撓
性膜にて構成された平衡室を形成し、それら受圧室と平
衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と
平衡室を相互に連通する第一のオリフィス通路を前記仕
切部材に設けた流体封入式マウント装置において、前記
可撓性膜を挟んで前記仕切部材とは反対側に位置せしめ
られて該仕切部材に対して接近・離隔方向に変位可能と
された拘束部材を設け、該拘束部材によって該可撓性膜
を該仕切部材における前記第一のオリフィス通路の前記
平衡室への連通口の周囲に押し付けて環状に拘束せしめ
ることにより、かかる連通口を該可撓性膜によって流体
密に覆蓋すると共に、該可撓性膜の該連通口の覆蓋部分
によって変形可能な可動膜を構成せしめるようにした流
体封入式マウント装置を、その特徴とするものである。
【0011】このような請求項1に記載の発明に従う構
造とされた流体封入式マウント装置においては、第一の
オリフィス通路の平衡室側連通口が覆蓋されていない状
態下では、該第一のオリフィス通路がチューニングされ
た本来の防振効果が発揮される一方、第一のオリフィス
通路の平衡室側連通口が可動膜で覆蓋された状態下で
は、該第一のオリフィス通路が連通せしめられた平衡室
側の壁部が可動膜で構成されて壁ばね剛性等が変化する
ことなどによって、該第一のオリフィス通路のチューニ
ングが変化し、本来のチューニング周波数域よりも高い
周波数域の入力振動に対して、第一のオリフィス通路の
閉塞化に伴う高動ばね化が軽減乃至は防止されて、第一
のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振
作用や液圧吸収作用等の流動作用に基づく有効な防振効
果を得ることが可能となる。
【0012】すなわち、かかる流体封入式マウント装置
においては、拘束部材により可撓性膜で第一のオリフィ
ス通路の連通口を開閉することによって、単に第一のオ
リフィス通路による防振効果が発揮される状態と発揮さ
れない状態とに切り換えられるのでなく、第一のオリフ
ィス通路を通じての流体の流動に基づく防振効果が発揮
される周波数域が変化乃至は変更せしめられる。それ
故、一つのオリフィス通路を利用して複数の乃至は広い
周波数域の入力振動に対して有効な防振効果を得ること
が可能となるのであり、オリフィス通路の本来のチュー
ニング周波数域よりも高い周波数域の防振特性の改善
が、別のオリフィス通路の追加や特別な機構の追加を必
要とすることなく、有効に達成され得るのである。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明に従う構造とされた流体封入式マウント装
置において、前記第一のオリフィス通路よりも低周波数
域にチューニングされて、前記受圧室と前記平衡室を相
互に連通する第二のオリフィス通路を、前記仕切部材に
おいて該第一のオリフィス通路と並列的に設けると共
に、該第二のオリフィス通路の該平衡室への開口部を、
該仕切部材における前記拘束部材との対向部分を外れた
位置に設けたことを特徴とする。
【0014】このような請求項2に記載の発明に従う構
造とされた流体封入式マウント装置においては、第一の
オリフィス通路の平衡室側連通口が覆蓋された状態下、
第二のオリフィス通路によって低周波振動に対する防振
効果が有効に発揮されることとなる。即ち、第一のオリ
フィス通路の平衡室側連通口が覆蓋されない状態下で
は、第一のオリフィス通路による本来の中周波振動に対
する防振効果が発揮される一方、第一のオリフィス通路
の平衡室側連通口が覆蓋された状態下では、第一のオリ
フィス通路のチューニングが変更されて高周波振動に対
する防振効果が発揮されると共に、併せて第二のオリフ
ィス通路による低周波振動に対する防振効果が発揮され
るのである。
【0015】それ故、例えば自動車用エンジンマウント
に適用すると、停車時に第一のオリフィス通路の平衡室
側連通口を覆蓋しないで、車両走行時に第一のオリフィ
ス通路の平衡室側連通口を覆蓋せしめることによって、
停車時にはアイドリング振動に対して有効な防振効果を
得ることが出来ると共に、車両走行時にはシェイク等の
低周波振動に対する防振効果とこもり音等の高周波振動
に対する防振効果とを、共に有利に得ることが可能とな
るのである。
【0016】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
又は2に記載の発明に従う構造とされた流体封入式マウ
ント装置において、前記拘束部材を前記仕切部材に対し
て接近方向に常時付勢する付勢手段を設けると共に、該
拘束部材を該付勢手段による付勢力に抗して該仕切部材
から離隔方向に変位せしめる駆動手段を設けたことを特
徴とする。なお、付勢手段としては、例えばゴム弾性体
やコイルバネ等が好適に採用される。また、駆動手段と
しては、負圧吸引機構や電磁力機構等が好適に採用され
る。
【0017】このような請求項3に記載の発明に従う構
造とされた流体封入式マウント装置においては、第一の
オリフィス通路の平衡室側連通口を可撓性膜による覆蓋
状態と開放状態とに切り換えるための拘束部材の作動
が、より安定して行われ得て優れた信頼性が発揮される
のであり、特に、駆動手段として負圧吸引機構を採用す
れば、マウント装置本体の内部に特別な駆動力発生機構
を組み込む必要がないことから、更なる構造の簡略化と
軽量化が有利に図られ得る。
【0018】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
乃至3の何れかに記載の発明に従う構造とされた流体封
入式マウント装置において、前記可撓性膜が、少なくと
も前記連通口の覆蓋部分においてゴム弾性膜とされてい
ることを特徴とする。
【0019】このような請求項4に記載の発明に従う構
造とされた流体封入式マウント装置においては、ゴム弾
性膜によって構成された可動膜によって、第一のオリフ
ィス通路が連通せしめられた平衡室側の壁部の壁ばね剛
性が有利に発揮されることから、このゴム弾性膜のばね
特性を調節することによって、第一のオリフィス通路の
覆蓋状態下における防振特性をチューニングすることが
可能であり、特にチューニング周波数の高周波数域への
移行設定が容易となる。
【0020】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
乃至4の何れかに記載の発明に従う構造とされた流体封
入式マウント装置において、前記第一のオリフィス通路
の前記平衡室への連通口が、前記仕切部材の略中央部分
に設けられていると共に、該連通口を覆蓋する前記覆蓋
部分が、前記可撓性膜の略中央部分によって構成されて
いることを特徴とする。
【0021】このような請求項5に記載の発明に従う構
造とされた流体封入式マウント装置においては、第一の
オリフィス通路の平衡室側連通口の可撓性膜(可動膜)
による覆蓋を一層容易且つ確実に行うことが出来、防振
特性の切換作動の確実性と信頼性が向上されると共に、
可撓性膜を利用した第一のオリフィス通路の平衡室側連
通口の覆蓋時において、可撓性膜における局部的な応力
集中が有利に回避されて、耐久性の向上が図られ得る。
【0022】また、請求項6に記載の発明は、請求項1
乃至5の何れかに記載の発明に従う構造とされた流体封
入式マウント装置において、前記拘束部材が、前記仕切
部材側に向かって開口する凹所を有しており、該凹所の
開口周縁部において前記可撓性膜を前記仕切部材に押し
付けて環状に拘束することによって、該可撓性膜と該拘
束部材の間に、前記可動膜の変形を許容する密閉された
空気室が形成されるようになっていることを特徴とす
る。
【0023】このような請求項6に記載の発明に従う構
造とされた流体封入式マウント装置においては、第一の
オリフィス通路の平衡室側連通口を閉塞する可動膜に対
して、その背後に形成された空気室の空気ばね作用によ
り弾性が有利に付与されることとなる。それ故、可動膜
のばね剛性が向上されて、第一のオリフィス通路の平衡
室側連通口を可動膜で覆蓋せしめることによる、該第一
のオリフィス通路のチューニング周波数の高周波域への
移行が一層有利に達成され得る。また、かかる空気室の
空気ばね作用を利用することにより、たとえ可動膜それ
自体が弾性を全く有しない場合でも、該可動膜に弾性を
付与することが出来ることから、マウント構造の選択自
由度やマウント特性のチューニング自由度が有利に確保
され得るといった利点もある。なお、空気室の空気ばね
作用は、空気室の容積を変更すること等によって調節す
ることも可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の一実施形態について、図面を
参照しつつ、詳細に説明する。
【0025】先ず、図1には、本発明の一実施形態とし
ての自動車用エンジンマウント10が示されている。こ
のエンジンマウント10は、互いに所定距離を隔てて配
された第一の取付金具12と第二の取付金具14が、そ
れらの間に介装された本体ゴム弾性体16によって弾性
的に連結された構造を有しており、第一の取付金具12
および第二の取付金具14が車体側およびパワーユニッ
ト側の各一方に取り付けられることにより、パワーユニ
ットを車体に対して防振支持せしめるようになってい
る。また、自動車への装着時には、パワーユニット重量
が及ぼされて本体ゴム弾性体16が弾性変形することに
より、第一の取付金具12と第二の取付金具14が互い
に接近する方向に所定量だけ相対変位せしめられると共
に、防振を目的とする主たる振動が、図中の略上下方向
に入力されることとなる。なお、以下の実施例の説明
中、上下方向とは、特に断りのない限り、図1における
上下方向を表すものとする。
【0026】より詳細には、第一の取付金具12は、円
板形状を有しており、中央部分において、軸方向上方に
向かって突出する取付ボルト18が固着されており、こ
の取付ボルト18によって、第一の取付金具12が、図
示しないパワーユニット側に取り付けられるようになっ
ている。また、取付ボルト18の基端部には、第一の取
付金具12から下方に向かって突出する支持ロッド20
が一体形成されており、この支持ロッド20の突出先端
部に対して、軸直角方向外方に向かって広がる傘金具2
2がボルト固定されている。
【0027】一方、第二の取付金具14は、全体として
大径の略円筒形状を有する筒金具24と、全体として略
有底円筒形状を有する底金具26を含んで構成されてい
る。筒金具24は、軸方向中間部分に段差部28が形成
されて、該段差部28を挟んで、軸方向上側部分が小径
部30とされていると共に、軸方向下側部分が大径部3
2とされている。また、小径部30側の開口部には、湾
曲して内方に突出するくびれ部34が形成されていると
共に、大径部32側の開口部には、かしめ部36が設け
られている。また一方、底金具26は、その開口部にお
いて径方向外方に広がるフランジ状部38が形成されて
いる。また、底金具26の内部には、該底金具26より
も一回り小さな薄肉の有底円筒形状を有するインナ金具
39が嵌め込まれて固着されており、このインナ金具3
9によって、底金具26の内周面が全面に亘って覆われ
ている。
【0028】そして、底金具26のフランジ状部38と
インナ金具39のフランジ状部40が重ね合わされて、
筒金具24のかしめ部36によってかしめ固定されるこ
とにより、インナ金具39が嵌め込まれた底金具26と
筒金具24が軸方向に重ね合わされて互いに連結せしめ
られており、それによって、第二の取付金具14が、全
体として深底の略有底円筒形状をもって形成されてい
る。なお、底金具26の底部中央には、軸方向下方に向
かって突出する取付ボルト41が固着されており、この
取付ボルト41によって、第二の取付金具14が、図示
しないボデー側に取り付けられるようになっている。
【0029】そして、第一の取付金具12が、第二の取
付金具14の開口部側において、略同一軸上で所定距離
を隔てて配設されており、これら第一の取付金具12と
第二の取付金具14の間に本体ゴム弾性体16が介装さ
れている。この本体ゴム弾性体16は、略円錐台形状を
有しており、小径側端面に第一の取付金具12が加硫接
着されると共に、大径側端部外周面に第二の取付金具1
4のくびれ部34が加硫接着された一体加硫成形品とさ
れて、第二の取付金具14の開口部が本体ゴム弾性体1
6によって流体密に閉塞されている。また、本体ゴム弾
性体16の大径側端面には支持ロッド20が突出させら
れており、この支持ロッド20の先端部に取り付けられ
た傘金具22が、第二の取付金具14における筒金具2
4内に位置せしめられている。
【0030】また、第二の取付金具14を構成する筒金
具24の大径部32には、剛性部材である仕切部材42
と、可撓性膜としての薄肉ゴム膜からなるダイヤフラム
44が、互いに重ね合わされて挿入配置されており、筒
金具24の段差部28とかしめ部36の間で、各外周縁
部が重ね合わせ方向に挟圧保持されて、第二の取付金具
14に対して固定されている。なお、ダイヤフラム44
の外周縁部には、有効な挟圧保持力を及ぼすために金属
リング46が加硫接着されている。そして、ダイヤフラ
ム44によって第二の取付金具14の内部が流体密に仕
切られており、ダイヤフラム44に対して本体ゴム弾性
体16側にだけ、所定の非圧縮性流体が封入されてい
る。なお、封入流体としては、流体の共振作用に基づく
防振効果を有効に得るために、例えば水やアルキレング
リコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等
の、粘性率が0.1Pa・s以下の低粘性流体が有利に
採用される。
【0031】さらに、本体ゴム弾性体16とダイヤフラ
ム44の間には、仕切部材42が配設されていることに
より、この仕切部材42を挟んだ両側に位置して、壁部
の一部が本体ゴム弾性体16によって構成されて振動入
力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて内圧変
動が生ぜしめられる受圧室48と、壁部の一部がダイヤ
フラム44によって構成されて該ダイヤフラム44の変
形に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室50
が、それぞれ形成されている。なお、受圧室48には、
傘金具22が収容配置されており、パワーユニット重量
にて本体ゴム弾性体16が弾性変形せしめられたマウン
ト装着状態下で、受圧室48内の略中央部分に位置せし
められるようになっている。それにより、傘金具22の
周りに位置して、振動入力時に流体流動が惹起される環
状の狭窄流路が形成されているのであり、また、該傘金
具22の外周縁部が筒金具24のくびれ部34に当接す
ることによってリバウンド方向のストッパ機能が発揮さ
れるようになっている。
【0032】また、仕切部材42は、それぞれ略円板形
状を有する上板金具52と下板金具54が、互いに重ね
合わされた構造を有しており、それら上下板金具52,
54の中央部分が、それぞれプレス加工等で凹凸成形さ
れていることにより、それら上下板金具52,54の重
ね合わせ面間には、中央部分に位置して周方向に所定長
さで延び、両端部の開口56,58が受圧室48と平衡
室50の各一方に連通された第一のオリフィス通路60
が形成されていると共に、外周部分に位置して第一のオ
リフィス通路60の周りを周方向に所定長さで延び、両
端部の開口62,64が受圧室48と平衡室50の各一
方に連通された第二のオリフィス通路66が形成されて
いる。要するに、これら第一のオリフィス通路60と第
二のオリフィス通路66は、受圧室48と平衡室50を
相互に連通する状態で、受圧室48と平衡室50の間に
おいて相互に並列的に形成されているのである。そし
て、振動入力時には、受圧室48と平衡室50の間に惹
起される相対的な内圧変動に基づいて、受圧室48と平
衡室50の間で、それら第一のオリフィス通路60と第
二のオリフィス通路66を通じての流体流動が生ぜしめ
られるようになっている。
【0033】また、第二のオリフィス通路66は、第一
のオリフィス通路60よりも、流路断面積:Aと流路長
さ:Lの比:A/Lの値が小さく設定されている。そし
て、それぞれ受圧室48と平衡室50を相互に連通せし
める状態下で、アイドリング振動等の中周波中振幅振動
の入力時に流体の共振作用等の流動作用に基づく低動ば
ね効果が発揮されるように第一のオリフィス通路60が
チューニングされている一方、シェイク等の低周波大振
幅振動の入力時に流体の共振作用等の流動作用に基づく
減衰効果が発揮されるように第二のオリフィス通路66
がチューニングされている。
【0034】ここにおいて、第一のオリフィス通路60
は、上板金具52の中央部分に形成された浅底の大径逆
カップ状部68の内部に、下板金具54の中央部分に形
成された浅底の小径逆カップ状部70が挿入配置される
ことにより、大径逆カップ状部68の内部において、小
径逆カップ状部70の周りに位置して形成されている。
そして、この第一のオリフィス通路60の平衡室50側
への開口64は、下板金具54の小径逆カップ状部70
の周壁部に形成されており、該小径逆カップ状部70に
よって形成された凹所状の連通口72を通じて、仕切部
材42の中央部分に位置して下方に向かって開口せしめ
られている。
【0035】さらに、第二の取付金具14に嵌め込まれ
たインナ金具39の内部には、略逆カップ形状を有する
押圧金具74が、上下方向に変位可能に配設されてお
り、ダイヤフラム44で仕切られた底金具26(インナ
金具39)側、即ち流体が封入されていない領域に位置
せしめられている。また、この押圧金具74における円
板形状の上底部には、円筒形状の当接金具78が固着さ
れており、この当接金具78が、押圧金具74の上底部
の外周縁部において軸方向上方に向かって突出せしめら
れている。なお、当接金具78は、その開口周縁部が、
径方向外方に向かって湾曲されていると共に、その全面
が、被覆ゴム80で覆われている。これにより、押圧金
具74の上底部と当接金具78によって、押圧金具74
の上底部側において上方に向かって開口する円形凹所8
2が形成されていると共に、かかる円形凹所82の開口
部が、ダイヤフラム44を挟んで、仕切部材42に設け
られた連通口72に対して軸方向に対向位置せしめられ
ている。なお、当接金具78の開口部の外径寸法は、連
通口72の開口寸法よりも大きく設定されている。
【0036】さらに、押圧金具74の内部には、コイル
スプリング76が挿入されており、押圧金具74の上底
部とインナ金具39の底壁部との間で所定量だけ圧縮変
形された状態で装着されている。これにより、コイルス
プリング76の付勢力が押圧金具74に及ぼされて、押
圧金具74の下側端部が底金具26の底壁部から浮上さ
せられている一方、押圧金具74の上底部に固着された
当接金具78の開口周縁部(円形凹所82の周壁部の開
口側端面)がダイヤフラム44に圧接されて、ダイヤフ
ラム44が仕切部材42の下板金具54における連通口
72の開口周縁部に対して押し付けられている。即ち、
コイルスプリング76の付勢力に基づいて、ダイヤフラ
ム44の中央部分が、当接金具78の開口周縁部によっ
て、仕切部材42における連通口72の周囲に押し付け
られて拘束されているのであり、以て、連通口72の開
口部がダイヤフラム44によって流体密に覆蓋されてい
るのである。
【0037】なお、第二のオリフィス通路66における
平衡室50への開口64は、当接金具78によるダイヤ
フラム44の拘束状態下でも、平衡室50への連通状態
に維持され得る位置に設けられている。また、当接金具
78の開口周縁部は、ダイヤフラム44に接着されてい
る必要はない。更に、上述の説明から明らかなように、
本実施例では、押圧金具74と当接金具78を含んで、
ダイヤフラム44を仕切部材42における連通口72の
周囲に押し付けて拘束せしめる拘束部材が構成されてい
る。
【0038】また、ダイヤフラム44は、当接金具78
と仕切部材42の間で、連通口72の開口周縁部だけが
円環状に拘束されており、かかるダイヤフラム44のう
ち、連通口72の開口部を覆蓋する中央部分は、拘束力
が及ぼされていない、弾性変形が許容される可動膜84
とされている。特に、本実施形態では、この可動膜84
を構成するダイヤフラム44の中央部分が外周縁部より
も厚肉とされており、可動膜84のばね剛性が確保され
ている。また、当接金具78の中空孔で形成された円形
凹所82によって、ダイヤフラム44を拘束せしめた状
態下、可動膜84の背後(仕切部材42とは反対側)に
密閉された空気室86が形成されるようになっており、
この空気室86によって、可動膜84の下方への膨出変
形も許容されるようになっていると共に、可動膜84の
変形時に空気室86の容積変化に基づく空気ばね作用が
可動膜84に及ぼされるようになっている。
【0039】更にまた、押圧金具74は、その筒壁部が
テーパ筒状に拡径されていると共に、開口周縁部には、
径方向外方に広がる円環板状の圧力作用板部88が一体
形成されている。更に、押圧金具74には、圧力作用板
部88の外周縁部から径方向外方に向かって広がる略円
環板形状の支持ゴム板90が加硫接着されており、ま
た、この支持ゴム板90の外周縁部に対して金属リング
92が加硫接着されている。そして、金属リング92が
インナ金具39の周壁下端部に圧入固定されることによ
り、支持ゴム板90の外周縁部がインナ金具39の内周
面に対して流体密に嵌着固定されている。これにより、
インナ金具39の内部が、押圧金具74と支持ゴム板9
0によって、開口部側と底部側とに流体密に二分されて
おり、以て、押圧金具74を挟んだ一方の側(インナ金
具39の開口部側)には、壁部の一部がダイヤフラム4
4で構成されてダイヤフラム44の変形を許容する静圧
室94が形成されている一方、押圧金具74を挟んだ他
方の側(インナ金具39の底部側)には、密閉された空
気圧作用室96が形成されている。
【0040】そして、この空気圧作用室96には、接続
ポート98によって、図示しないエア管体が接続される
ようになっており、このエア管体を通じて、空気圧作用
室96が、負圧源と大気中とに択一的に接続されるよう
になっている。そして、空気圧作用室96を大気中に接
続せしめた状態下では、図1に示されているように、コ
イルスプリング76の付勢力が押圧金具74に及ぼされ
て当接金具78がダイヤフラム44を挟んで仕切部材4
2に押し付けられることにより、第一のオリフィス通路
60の連通口72が可動膜84で流体密に覆蓋されて、
第一のオリフィス通路60の平衡室50への連通が実質
的に遮断されるようになっている。また一方、空気作用
室96を負圧源に接続して負圧力を及ぼした状態下で
は、図2に示されているように、空気圧作用室96と静
圧室94の圧力差に基づき、押圧金具74が、コイルス
プリング76の付勢力に抗して、インナ金具39の底壁
部側(図中、下方)に変位せしめられることとなり、以
て、ダイヤフラム44に対する押圧力が解除されてダイ
ヤフラム44が仕切部材42から離隔されることによ
り、第一のオリフィス通路60の連通口72が平衡室5
0に連通せしめられた状態に維持されるようになってい
る。
【0041】なお、押圧金具74には、空気圧作用室9
6の壁部を構成する剛性の高い圧力作用板部88が設け
られていることから、空気圧作用室96に及ぼされる負
圧力の作用面積が有利に確保されて、比較的小さな負圧
力により、押圧金具74に対して有効な駆動力が容易に
及ぼされるようになっている。
【0042】上述の如き構造とされたエンジンマウント
においては、図2に示されているように、空気圧作用室
96に負圧力を及ぼして、当接金具78によるダイヤフ
ラム44の拘束を解除せしめた状態下では、第一のオリ
フィス通路60と第二のオリフィス通路66の何れも、
受圧室48と平衡室50を連通する状態に維持される。
それ故、振動入力時には、流体流通抵抗が小さい第一の
オリフィス通路60を通じての流体流動が有効に生ぜし
められ得て、第一のオリフィス通路60を通じて流動せ
しめられる流体の流動作用に基づいて、アイドリング振
動中の中周波数振動に対して優れた防振効果が発揮され
ることとなる。
【0043】また一方、図1に示されているように、空
気圧作用室96を大気中に開放して、当接金具78でダ
イヤフラム44を拘束し、第一のオリフィス通路60の
平衡室50側の連通口72を可動膜84で覆蓋せしめた
状態下では、第二のオリフィス通路66は、受圧室48
と平衡室50を連通する状態に維持されるが、第一のオ
リフィス通路60の平衡室50への連通が実質的に遮断
されて、該第一のオリフィス通路60が、連通口72の
開口を可動膜84で覆蓋することにより平衡室50を部
分的に分割するようにして新たに形成された分割平衡室
100に対する連通状態に切り換えられる。この分割平
衡室100は、壁部の一部を構成する可動膜84の弾性
変形に基づいて容積変化が許容されるようになっている
が、かかる可動膜84のばね剛性が、平衡室50の壁部
を構成するダイヤフラム44のばね剛性に比して充分に
大きくされていることから、第一のオリフィス通路60
のチューニング周波数域が、平衡室50に連通せしめら
れた状態下よりも高周波数域に移行せしめられることと
なる。
【0044】その結果、第一のオリフィス通路60を通
じて、受圧室48と分割平衡室100の間を流動せしめ
られる流体の共振作用等の流動作用に基づいて、こもり
音等に相当する高周波振動に対する防振効果が有効に発
揮されるのである。しかも、この第一のオリフィス通路
60を通じての流体流動量は、可動膜84の変形に伴う
弾性力乃至はばね剛性によって制限されることから、シ
ェイク等の低周波大振幅振動の入力時には、第二のオリ
フィス通路66を通じて、受圧室48と平衡室50の間
を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づ
いて、有効な防振効果が発揮されるのである。
【0045】従って、車両の走行時には空気圧作用室9
6を大気中に連通せしめる一方、停車時には空気圧作用
室96を負圧源に接続せしめることによって、走行時に
入力されるシェイク等の低周波振動やこもり音等の高周
波振動に対する防振効果と、停車時に入力されるアイド
リング振動等の中周波振動に対する防振効果とが、何れ
も、極めて有利に発揮され得ることとなるのである。
【0046】しかも、中周波数域にチューニングされた
第一のオリフィス通路60によって、高周波数域の入力
振動に対しても有効な防振効果を得ることが出来ること
から、高周波数域の防振特性の改善が、高周波数域にチ
ューニングした別のオリフィス通路や別の防振機構を付
加することなく、簡単な構造をもって達成されるのであ
り、広い周波数域に亘って優れた防振効果を発揮するエ
ンジンマウントが、簡単で且つコンパクトな構造をもっ
て、有利に実現され得るのである。
【0047】なお、本実施例のエンジンマウント10
は、受圧室48内に環状の流体流路を形成する傘金具2
2を備えていることから、例えば高速こもり音等のよう
に、可動膜84で覆蓋された第一のオリフィス通路60
による防振効果が発揮されるよりも更に高周波数域の入
力振動に対する防振効果も、この傘金具22の変位に伴
う受圧室48内での流体流動作用に基づいて得ることが
可能である。
【0048】また、本実施例のエンジンマウント10で
は、当接金具78によるダイヤフラム44の拘束状態の
切換えが、負圧力を利用した部材の吸引作用によって行
われることから、駆動力発生手段をマウント内部に組み
込む必要がなく、マウント構造が簡略とされて軽量化が
有利に図られ得る等といった利点もある。
【0049】以上、本発明の一実施形態について詳述し
てきたが、本発明は、かかる実施形態に示された具体的
構造や記載によって何等限定的に解釈されるものでな
い。
【0050】例えば、可撓性膜を仕切部材に押し付けて
拘束する拘束部材の駆動手段は、例示の如き、コイルス
プリングと負圧吸引機構を併せて用いた構造に限定され
るものでなく、拘束部材を、仕切部材に対する接近方向
と離隔方向に充分な駆動力を及ぼし得る各種の公知の駆
動手段が採用可能である。
【0051】具体的には、例えば図3及び図4に示され
ているように、押圧金具74に永久磁石102を固定的
に装着せしめる一方、この永久磁石102の周りにコイ
ル104を配設して第二の取付金具14に固着せしめる
ことにより、コイル104に対する通電によって永久磁
石102の間に生ぜしめられる電磁力によって、押圧金
具74をコイルスプリング76の付勢力に抗して仕切部
材42から離隔する方向に駆動せしめるようにした、電
磁力機構も、有利に採用され得る。なお、図中、106
は、コイル104の周囲に配設位置せしめられて磁路を
形成する強磁性材からなる略円環形状のヨーク部材であ
り、このヨーク部材106を介して、コイル104が第
二の取付金具14に対して固定的に取り付けられている
と共に、このヨーク部材106の中心孔内を軸方向に移
動可能に永久磁石102が配設されている。また、図3
及び図4は、それぞれ、図1及び図2に対応するもので
あり、その理解を容易とするために、各対応する部材お
よび部位に対して、それぞれ、上述の実施形態と同一の
符号を付しておくこととする。
【0052】また、第一のオリフィス通路60の平衡室
50側の連通口72を覆蓋する可動膜84の背後には、
必ずしも密閉された空気室86を形成する必要はなく、
マウント要求特性等に応じて、例えば、図3及び図4に
示されている如く、かかる空気室86を外部空間に連通
する通孔108を設けることも可能である。
【0053】更にまた、第一のオリフィス通路60や第
二のオリフィス通路66の具体的形状や構造は、マウン
トの要求特性等に応じて適宜に決定されるものであり、
限定的に解釈されるものでない。また、マウントの要求
特性によっては、第二のオリフィス通路を設けることな
く、第一のオリフィス通路だけを設けることも可能であ
る。
【0054】また、仕切部材やオリフィス通路の形状や
構造によっては、第一のオリフィス通路の平衡室への連
通口を、仕切部材の外周部分等に形成するようにしても
良い。
【0055】加えて、本発明は、自動車用エンジンマウ
ント以外の各種のマウント装置に対して、何れも有利に
適用され得ることは勿論である。
【0056】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもない。
【0057】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、請求項
1乃至6に記載の発明に従う構造とされた流体封入式マ
ウント装置においては、何れも、拘束部材によって、第
一のオリフィス通路の平衡室への連通口を、平衡室への
連通状態と可動膜による覆蓋状態とに切り換えることに
よって、防振特性を切り換えることが出来る。
【0058】そして、連通口を可動膜で覆蓋した状態下
では、第一のオリフィス通路のチューニング周波数が、
連通口を平衡室へ連通せしめた状態下よりも高周波数域
に移行せしめられて、第一のオリフィス通路のチューニ
ング特性が実質的に変更されるのであり、それ故、単一
のオリフィス通路を有効に活用して、複数の乃至は広い
周波数域の入力振動に対して有効な防振効果を得ること
が出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのエンジンマウント
を示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントの別の作動状
態を示す縦断面説明図である。
【図3】図1に示されたエンジンマウントにおいて採用
され得る駆動手段の別の具体例を示す、図1に対応した
縦断面説明図である。
【図4】図3に示された駆動手段の別の作動状態を示
す、図2に対応した縦断面説明図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 12 第一の取付金具 14 第二の取付金具 16 本体ゴム弾性体 42 仕切部材 44 ダイヤフラム 48 受圧室 50 平衡室 60 第一のオリフィス通路 66 第二のオリフィス通路 72 連通口 74 押圧金具 76 コイルスプリング 78 当接金具 84 可動膜 96 空気圧作用室 100 分割平衡室

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに所定距離を隔てて配された第一の
    取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体によって連
    結する一方、該第二の取付部材側に支持された仕切部材
    を挟んだ両側に、壁部の一部が前記本体ゴム弾性体にて
    構成された受圧室と、壁部の一部が可撓性膜にて構成さ
    れた平衡室を形成し、それら受圧室と平衡室に非圧縮性
    流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を相互に
    連通する第一のオリフィス通路を前記仕切部材に設けた
    流体封入式マウント装置において、 前記可撓性膜を挟んで前記仕切部材とは反対側に位置せ
    しめられて該仕切部材に対して接近・離隔方向に変位可
    能とされた拘束部材を設け、該拘束部材によって該可撓
    性膜を該仕切部材における前記第一のオリフィス通路の
    前記平衡室への連通口の周囲に押し付けて環状に拘束せ
    しめることにより、かかる連通口を該可撓性膜によって
    流体密に覆蓋すると共に、該可撓性膜の該連通口の覆蓋
    部分によって変形可能な可動膜を構成せしめるようにし
    たことを特徴とする流体封入式マウント装置。
  2. 【請求項2】 前記第一のオリフィス通路よりも低周波
    数域にチューニングされて、前記受圧室と前記平衡室を
    相互に連通する第二のオリフィス通路を、前記仕切部材
    において該第一のオリフィス通路と並列的に設けると共
    に、該第二のオリフィス通路の該平衡室への開口部を、
    該仕切部材における前記拘束部材との対向部分を外れた
    位置に設けた請求項1に記載の流体封入式マウント装
    置。
  3. 【請求項3】 前記拘束部材を前記仕切部材に対して接
    近方向に常時付勢する付勢手段を設けると共に、該拘束
    部材を該付勢手段による付勢力に抗して該仕切部材から
    離隔方向に変位せしめる駆動手段を設けた請求項1又は
    2に記載の流体封入式マウント装置。
  4. 【請求項4】 前記可撓性膜が、少なくとも前記連通口
    の覆蓋部分においてゴム弾性膜とされている請求項1乃
    至3の何れかに記載の流体封入式マウント装置。
  5. 【請求項5】 前記第一のオリフィス通路の前記平衡室
    への連通口が、前記仕切部材の略中央部分に設けられて
    いると共に、該連通口を覆蓋する前記覆蓋部分が、前記
    可撓性膜の略中央部分によって構成されている請求項1
    乃至4の何れかに記載の流体封入式マウント装置。
  6. 【請求項6】 前記拘束部材が、前記仕切部材側に向か
    って開口する凹所を有しており、該凹所の開口周縁部に
    おいて前記可撓性膜を前記仕切部材に押し付けて環状に
    拘束することによって、該可撓性膜と該拘束部材の間
    に、前記可動膜の変形を許容する密閉された空気室が形
    成されるようになっている請求項1乃至5の何れかに記
    載の流体封入式マウント装置。
JP24678396A 1996-09-19 1996-09-19 流体封入式マウント装置 Pending JPH1089402A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24678396A JPH1089402A (ja) 1996-09-19 1996-09-19 流体封入式マウント装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24678396A JPH1089402A (ja) 1996-09-19 1996-09-19 流体封入式マウント装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1089402A true JPH1089402A (ja) 1998-04-07

Family

ID=17153609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24678396A Pending JPH1089402A (ja) 1996-09-19 1996-09-19 流体封入式マウント装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1089402A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003001080A1 (fr) * 2001-06-22 2003-01-03 Yamashita Rubber Kabushiki Kaisha Dispositif de controle de vibrations a anneau liquide
JP2003004089A (ja) * 2001-06-22 2003-01-08 Yamashita Rubber Co Ltd 液封防振装置
JP2003004086A (ja) * 2001-06-22 2003-01-08 Yamashita Rubber Co Ltd 液封防振装置
JP2006200590A (ja) * 2005-01-18 2006-08-03 Kurashiki Kako Co Ltd 液体封入式防振マウント装置
KR100966731B1 (ko) 2008-02-28 2010-06-29 쌍용자동차 주식회사 자동차의 진동 절연용 엔진 마운트
JP2010255831A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Bridgestone Corp 防振装置
JP2014085004A (ja) * 2012-10-26 2014-05-12 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置
US20140367192A1 (en) * 2013-06-18 2014-12-18 Hyundai Motor Company Vibration absorbing mounting device
CN105822715A (zh) * 2016-05-04 2016-08-03 亚新科噪声与振动技术(安徽)有限公司 一种流道可变的半主动悬置

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003001080A1 (fr) * 2001-06-22 2003-01-03 Yamashita Rubber Kabushiki Kaisha Dispositif de controle de vibrations a anneau liquide
JP2003004089A (ja) * 2001-06-22 2003-01-08 Yamashita Rubber Co Ltd 液封防振装置
JP2003004086A (ja) * 2001-06-22 2003-01-08 Yamashita Rubber Co Ltd 液封防振装置
JP4666560B2 (ja) * 2001-06-22 2011-04-06 山下ゴム株式会社 液封防振装置
US7159856B2 (en) 2001-06-22 2007-01-09 Honda Motor Co., Ltd. Fluid sealed antivibration device
JP4494988B2 (ja) * 2005-01-18 2010-06-30 倉敷化工株式会社 液体封入式防振マウント装置
JP2006200590A (ja) * 2005-01-18 2006-08-03 Kurashiki Kako Co Ltd 液体封入式防振マウント装置
KR100966731B1 (ko) 2008-02-28 2010-06-29 쌍용자동차 주식회사 자동차의 진동 절연용 엔진 마운트
JP2010255831A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Bridgestone Corp 防振装置
JP2014085004A (ja) * 2012-10-26 2014-05-12 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置
US9394964B2 (en) 2012-10-26 2016-07-19 Sumitomo Riko Company Limited Fluid-filled vibration damping device
US20140367192A1 (en) * 2013-06-18 2014-12-18 Hyundai Motor Company Vibration absorbing mounting device
US8973704B2 (en) * 2013-06-18 2015-03-10 Hyundai Motor Company Vibration absorbing mounting device
CN105822715A (zh) * 2016-05-04 2016-08-03 亚新科噪声与振动技术(安徽)有限公司 一种流道可变的半主动悬置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3539067B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP2843088B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP2924244B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP3194345B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JPH0689803B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP2006017134A (ja) 流体封入式能動型防振装置
JP3603651B2 (ja) 流体封入式防振装置の製造方法
JP5977141B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP3715230B2 (ja) 能動型流体封入式防振装置
JPH08210424A (ja) 流体封入式マウント装置
JP3551637B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP4016869B2 (ja) 流体封入式エンジンマウント
JPH1089402A (ja) 流体封入式マウント装置
JP4158110B2 (ja) 空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント
JPH11230242A (ja) 流体封入式マウント装置
JP3572995B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP4158108B2 (ja) 空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント
JP4158111B2 (ja) 空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント
JP2884804B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP4269952B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP3721913B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP4623428B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2008163974A (ja) 流体封入式防振装置
JPH11101294A (ja) 流体封入式マウント装置
JP4018366B2 (ja) 流体封入式マウント