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JPH1074146A - オブジェクト指向分散システム - Google Patents

オブジェクト指向分散システム

Info

Publication number
JPH1074146A
JPH1074146A JP22970596A JP22970596A JPH1074146A JP H1074146 A JPH1074146 A JP H1074146A JP 22970596 A JP22970596 A JP 22970596A JP 22970596 A JP22970596 A JP 22970596A JP H1074146 A JPH1074146 A JP H1074146A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
message
procedure
content code
correspondence information
information storage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22970596A
Other languages
English (en)
Inventor
Takanori Yokoyama
孝典 横山
Koji Ikeda
光二 池田
Nobuhisa Kobayashi
延久 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP22970596A priority Critical patent/JPH1074146A/ja
Publication of JPH1074146A publication Critical patent/JPH1074146A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Computer And Data Communications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、効率よくネットワーク透過性や高い
システム拡張性を実現できる、オブジェクト指向分散シ
ステムを提供することを目的とする。 【解決手段】メッセージの内容を表わす内容コードを含
むメッセージを同報通信によって送受信する自律分散通
信処理と、内容コードとオブジェクトの手続きとの対応
を示す対応情報を記憶する内容コード対応情報記憶部
と、受信した要求メッセージのメッセージ識別情報を記
憶する受信メッセージ識別情報記憶部と、受信した要求
メッセージに対応するオブジェクト及びその手続きを選
択して呼び出すオブジェクトディスパッチャと、送信し
た要求メッセージのメッセージ識別情報を記憶する送信
メッセージ識別情報記憶部と、他の計算機上のオブジェ
クトの手続き呼び出しを要求する要求メッセージを送信
する要求メッセージ送信処理部を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の計算機上の
複数のオブジェクトがメッセージを交換して、全体とし
て処理を進めるオブジェクト指向分散システムに係り、
特に、同報通信による自律分散メッセージにより、オブ
ジェクトがどの計算機上に存在するかどうかを意識しな
い透過性のある処理が可能なオブジェクト指向分散シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、データとそれに関する手続きをま
とめたオブジェクトの集合によりプログラムを記述す
る、いわゆるオブジェクト指向に基づく計算機システム
が増えてきた。オブジェクト指向システムでは、複数の
オブジェクトが、互いに手続きを呼び出し合って、全体
として処理を実行する。さらに、複数の計算機をネット
ワークで接続し、それらの計算機上のオブジェクトが、
通信しあって協調して処理を実行するオブジェクト指向
分散システムが使用されるようになった。
【0003】分散システムでは、オブジェクトがどの計
算機上に存在するかを意識しなくてすむ、ネットワーク
透過性の要求が強い。オブジェクト指向分散システムで
は通常、システム内でオブジェクトを一意に指定するた
めのオブジェクト識別子を用いてオブジェクトを指定す
る。ネットワーク透過性を実現するためには、オブジェ
クトがどの計算機に存在するかによらず、オブジェクト
識別子のみによりメッセージ送信先のオブジェクトを指
定できるようにする必要がある。
【0004】ネットワーク透過性を実現するためによく
用いられている方法は、名前または識別子で指定したオ
ブジェクトがどの計算機に存在するかを教えるネームサ
ービス(ディレクトリサービスとも呼ばれる)を提供す
る方法である。ネームサービス機能を提供するサーバを
ネームサーバと呼ぶ。この方法では、オブジェクト名や
オブジェクト識別子で指定したオブジェクトがどの計算
機に存在するかをネームサーバに問い合わせた後、該計
算機に対して、メッセージを送信する。
【0005】例えば、ビルシステムを対象にオブジェク
ト指向に基づく分散システムの仕様を定めた、アメリカ
ン・ソサイエティ・オブ・ヒーティング,レフリジレー
ティング・アンド・エアーコンディショニング・エンジ
ニアズ,インコーポレイテッド・スタンダード・135
−195(AMERICAN SOCIETY OF HEATING, REF
RIGERATING AND AIR-CONDITIONING ENGINEERS, INC. ST
ANDARD 135-195)(以下、ASHRAE 135と書く)では、オ
ブジェクトがどの計算機(デバイス)に存在するかを知
るために、“Who-Has ”および“I-Have”サービスを規
定している。アプリケーションプログラムがメッセージ
を送りたいオブジェクトがどの計算機(デバイス)に存
在するかを知るには、そのオブジェクトのオブジェクト
識別子を指定して、“Who-Has ”というサービス要求を
出す。すると、該オブジェクトが存在する計算機(デバ
イス)が“I-Have”という応答を返す。これにより、そ
のオブジェクトが存在する計算機を知ることができる。
【0006】一方、オブジェクト指向分散システムとは
別に、例えば特開平2−193294 号に記載されたような、
自律分散システムがある。この方式は、メッセージデー
タに、そのデータが何を表わすかを示す内容コードを付
けたメッセージを同報通信で送信する。他のノードはそ
のメッセージが自分が必要なメッセージであるかを内容
コードで判定し、必要であればそのメッセージを取り入
れ、対応する処理を実行する。この方式では、オブジェ
クトの手続き要求およびその応答を扱う機能は提供して
いないが、その範囲でのネットワーク透過性は実現され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ネームサービ
スを用いる方法は、メッセージを送信する前にネームサ
ーバにオブジェクトが存在する計算機を問い合わせる必
要があるため、処理が煩雑で、効率もよくない。また、
同一種類のオブジェクト、すなわち同一クラス(オブジ
ェクトタイプとも呼ぶ)のオブジェクト全部に対してメ
ッセージを送信する場合には、該オブジェクトタイプに
属するオブジェクトを全てネームサーバに問い合わせて
そのオブジェクト識別子を得、それらのオブジェクト識
別子をいちいち指定して、メッセージを送信する必要が
あり、効率が悪くなる。
【0008】なお、自律分散システムでは、オブジェク
ト指向分散システムが基本とする、要求/応答に基づく
処理ができない。オブジェクトの手続き呼び出しの要求
および応答のメッセージを単に自律分散システムの同報
通信を利用して実現しても、要求と応答との対応付けが
できない。また自律分散システムにおける内容コードの
割り当て処理をアプリケーションプログラムやオブジェ
クトの手続きで行う必要があり、それらのプログラムの
再利用性やシステムの拡張性が悪くなる。
【0009】本発明は、効率よくネットワーク透過性や
高いシステム拡張性を実現できる、オブジェクト指向分
散システムを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では、オブジェク
ト指向分散システムを構成する各計算機において、メッ
セージの内容を表わす内容コードを含むメッセージを同
報通信によって送受信する自律分散通信手段と、内容コ
ードとオブジェクトの手続きとの対応を示す対応情報を
記憶する内容コード対応情報記憶手段と、他の計算機上
のオブジェクトの手続き呼び出しを要求するメッセージ
に対応する内容コードを付加してメッセージを送信する
要求メッセージ送信手段と、受信したメッセージに対応
するオブジェクト及びその手続きを選択して呼び出すオ
ブジェクトディスパッチング手段とを設けることによ
り、上記目的を達成する。
【0011】また、本発明では、内容コードとメッセー
ジ識別情報を含むメッセージを同報通信によって送受信
する自律分散通信手段と、内容コードとオブジェクトの
手続きとの対応を示す対応情報を記憶する内容コード対
応情報記憶手段と、要求メッセージのメッセージ識別情
報を記憶し管理する送信メッセージ識別情報記憶手段
と、他のオブジェクトに手続き実行の要求メッセージを
送信するとともに、該要求メッセージに対応する応答メ
ッセージを受け取る要求メッセージ送信手段と、要求メ
ッセージに対応するオブジェクト及びその手続きを選択
して呼び出すとともに、手続きの実行結果を応答メッセ
ージとして送信するオブジェクトディスパッチング手段
とを設けることにより、上記目的を達成する。
【0012】また手続きと属性を有するオブジェクトを
含むアプリケーションプログラムが複数の計算機上に存
在し、計算機間で前記手続きの実行を要求する要求メッ
セージ及び手続き実行結果返す応答メッセージを交換し
て処理を進めるオブジェクト指向分散システムにおい
て、内容コードとメッセージ識別情報を含むメッセージ
を同報通信によって送受信する自律分散通信手段と、前
記自律分散通信手段により送信した要求メッセージのメ
ッセージ識別情報を記憶し管理する送信メッセージ識別
情報記憶手段と、内容コードとオブジェクトの手続きと
の対応を示す対応情報を記憶する内容コード対応情報記
憶手段と、アプリケーションプログラムから他の計算機
上のオブジェクトの手続きを呼び出す要求メッセージ送
信依頼を受け付け、要求メッセージに、メッセージ識別
情報と、前記内容コード対応情報記憶手段により記憶さ
れた対応情報を参照して決定した内容コードとを与え、
該要求メッセージのメッセージ識別情報を前記送信メッ
セージ識別情報記憶手段に記憶し、該要求メッセージを
前記自律分散通信手段により送信するとともに、前記自
律分散通信手段により受信した応答メッセージのうち、
該応答メッセージ中に含まれるメッセージ識別情報が前
記送信メッセージ識別情報記憶手段に記憶された、前記
要求メッセージのメッセージ識別情報と一致するもの
を、該要求メッセージに対応する応答メッセージと判定
する、要求メッセージ送信手段とを有することにより上
記目的を達成する。
【0013】また手続きと属性を有するオブジェクトを
含むアプリケーションプログラムが複数の計算機上に存
在し、計算機間で前記手続きの実行を要求する要求メッ
セージ及び手続き実行結果返す応答メッセージを交換し
て処理を進めるオブジェクト指向分散システムにおい
て、内容コードとメッセージ識別情報を含むメッセージ
を同報通信によって送受信する自律分散通信手段と、前
記自律分散通信手段により受信した要求メッセージのメ
ッセージ識別情報を記憶し管理する受信メッセージ識別
情報記憶手段と、内容コードとオブジェクトの手続きと
の対応を示す対応情報を記憶する内容コード対応情報記
憶手段と、内容コード対応情報記憶手段中に記憶された
対応情報を参照して前記自律分散メッセージ通信処理手
段により受信した要求メッセージに対応するオブジェク
ト及びその手続きを選択して呼び出すとともに、呼び出
したオブジェクトの手続きの実行結果と前記受信メッセ
ージ識別情報記憶手段に記憶された前記受信した要求メ
ッセージのメッセージ識別情報を含む応答メッセージ
を、自律分散通信手段により送信する、オブジェクトデ
ィスパッチング手段と、前記自律分散通信手段により送
信した要求メッセージのメッセージ識別情報を記憶し管
理する送信メッセージ識別情報記憶手段と、前記内容コ
ード対応情報記憶手段により記憶された対応情報を参照
して決定した内容コードとを与え、該要求メッセージの
メッセージ識別情報を前記送信メッセージ識別情報記憶
手段に記憶し、該要求メッセージを前記自律分散通信手
段により送信するとともに、前記自律分散通信手段にょ
り受信した応答メッセージのうち、該応答メッセージ中
に含まれるメッセージ識別情報が前記送信メッセージ識
別情報記憶手段に記憶された、前記要求メッセージのメ
ッセージ識別情報と一致するものを、該要求メッセージ
に対応する応答メッセージと判定する、要求メッセージ
送信手段とを有することにより上記目的を達成する。
【0014】さらに前記内容コード対応情報記憶手段に
記憶する対応情報は、前記内容コードを前記手続きに対
応させることが上記目的を達成するのに好ましい。
【0015】また前記オブジェクトはその種類を表わす
クラスによって定義され、前記内容コード対応情報記憶
手段に記憶する対応情報は、前記内容コードを前記クラ
スに対応させることが上記目的を達成するのに好まし
い。
【0016】また前記オブジェクトはその種類を表わす
クラスによって定義され、前記内容コード対応情報記憶
手段に記憶する対応情報は、前記内容コードを前記クラ
スと前記手続きとに対応させることが上記目的を達成す
るのに好ましい。
【0017】また前記オブジェクトはオブジェクト識別
子によって識別されるものであって、前記内容コード対
応情報記憶手段に記憶する対応情報は、前記内容コード
を前記オブジェクト識別子に対応させることが上記目的
を達成するのに好ましい。
【0018】また前記オブジェクトはオブジェクト識別
子によって識別されるものであって、前記内容コード対
応情報記憶手段に記憶する対応情報は、前記内容コード
を前記オブジェクト識別子と前記手続きとに対応させる
ことが上記目的を達成するのに好ましい。
【0019】また前記オブジェクトはその種類を表わす
クラスによって定義され、各オブジェクトはオブジェク
ト識別子によって識別されるものであって、前記内容コ
ード対応情報記憶手段に記憶する対応情報は、前記内容
コードを前記クラスと前記オブジェクト識別子と前記手
続きとに対応させることが上記目的を達成するのに好ま
しい。
【0020】また前記オブジェクトの手続きはオブジェ
クトの属性にアクセスするものであって、前記内容コー
ド対応情報記憶手段に記憶する対応情報は、前記内容コ
ードを前記オブジェクトの属性に対応させることが上記
目的を達成するのに好ましい。
【0021】また前記オブジェクトの手続きはオブジェ
クトの属性にアクセスするものであって、前記内容コー
ド対応情報記憶手段に記憶する対応情報は、前記内容コ
ードを前記オブジェクトの属性と該属性へのアクセスの
種類とに対応させることが上記目的を達成するのに好ま
しい。
【0022】また前記オブジェクトはその種類を表わす
クラスによって定義され、前記オブジェクトの手続きは
オブジェクトの属性にアクセスするものであって、前記
内容コード対応情報記憶手段に記憶する対応情報は、前
記内容コードを前記クラスと前記オブジェクトの属性と
該属性へのアクセスの種類とに対応させることが上記目
的を達成するのに好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】オブジェクト指向分散処理システ
ムにおいて、要求メッセージ送信手段は、前記内容コー
ド対応記憶手段に記憶された対応情報を参照して、他の
計算機上のオブジェクトの手続き呼び出しを要求するメ
ッセージに対応する内容コードを付加して、前記自律分
散通信手段によりメッセージを送信する。また、オブジ
ェクトディスパッチング手段は、前記内容コード対応情
報記憶手段中に記憶された対応情報を参照して前記自律
分散通信手段により受信したメッセージに対応するオブ
ジェクト及びその手続きを選択して呼び出す。これによ
り、ネットワーク透過なオブジェクト指向分散システム
を実現できる。
【0024】また、オブジェクト指向分散システムにお
いて、要求メッセージ送信手段は、オブジェクトの手続
きから他の計算機上のオブジェクトの手続きを呼び出す
要求メッセージ送信依頼を受け付け、要求メッセージ
に、メッセージ識別情報と、前記内容コード対応情報記
憶手段により記憶された対応情報を参照して決定した内
容コードとを与え、該要求メッセージのメッセージ識別
情報を前記送信メッセージ識別情報記憶手段に記憶し、
該要求メッセージを前記自律分散通信手段により送信す
るとともに、前記自律分散通信手段により受信した応答
メッセージのうち、該応答メッセージ中に含まれるメッ
セージ識別情報が前記送信メッセージ識別情報記憶手段
に記憶された、前記要求メッセージのメッセージ識別情
報と一致するものを、該要求メッセージに対応する応答
メッセージと判定する。また、オブジェクトディスパッ
チング手段は、内容コード対応情報記憶手段中に記憶さ
れた対応情報を参照して前記自律分散メッセージ通信処
理手段により受信した要求メッセージに対応するオブジ
ェクト及びその手続きを選択して呼び出すとともに、呼
び出したオブジェクトの手続きの実行結果と前記受信メ
ッセージ識別情報記憶手段に記憶された前記受信した要
求メッセージのメッセージ識別情報を含む応答メッセー
ジを、自律分散通信手段により送信する。これにより、
要求メッセージと応答メッセージを対応付けした、ネッ
トワーク透過な、オブジェクト指向分散システムを実現
できる。
【0025】以下、本発明の実施例を図を用いて詳細に
説明する。
【0026】(1)本発明の一実施例 本発明の一実施例について説明する。本発明の一実施例
は、メッセージの内容を表わす内容コードを含むメッセ
ージを同報通信によって送受信することにより、ネット
ワーク透過性を実現できる、オブジェクト指向分散シス
テムである。
【0027】図1は本発明の第1の実施例の全体構成図
である。本発明の一実施例は計算機1cおよび計算機2
cをネットワーク1nで接続した分散システムである。
計算機1c,2cにはそれぞれ、プロセッサ1p,2
p,メモリ1m,2m,入出力(I/O)装置1i,2
iが存在する。メモリ1m,2mには計算機が実行する
プログラムが存在し、これをプロセッサ1p,2pが読
みだして処理を実行する。メモリ1m,2mにはそれぞ
れ、オペレーティングシステム(OS)のプログラム1
os,2os,自律分散通信処理のプログラム1ad,
2ad,オブジェクト指向ミドルウェア1om,2o
m,アプリケーションプログラム1ap,2apが存在
する。本実施例は2台の計算機から成るが、3台以上の
計算機から成る場合も同様である。
【0028】アプリケーションプログラムはオブジェク
トを含む。全ての処理をオブジェクトで実現することも
可能であるし、通常の手続き的なプログラムとオブジェ
クトが混在してもよい。計算機1c上のアプリケーショ
ンプログラム1apはオブジェクト11o,12o等
を、計算機2c上のアプリケーションプログラム2ap
はオブジェクト21o,22o等を含む。
【0029】オブジェクトはひとまとまりのデータとそ
れに関する手続きをまとめたプログラムの単位である。
オブジェクトのデータを属性と呼ぶ。また、オブジェク
トの手続きをメソッドと呼ぶことがある。本実施例で
は、手続きを属性のアクセスに用いる。したがって、手
続きは属性値の読み出しや書き込みを行う処理である。
オブジェクトの構成を図2に示す。オブジェクト11o
は手続き11p1,11p2等と、属性11d1,11d2等を
有する。オブジェクト12o,21o,22o等も同様
である。
【0030】一般にオブジェクト指向プログラムではオ
ブジェクトの種類をクラス、個々のオブジェクトをイン
スタンスと呼ぶ。クラスはインスタンスのデータ構造や
動作を定義したものである。クラスはオブジェクトタイ
プとも呼ばれる。本実施例では、単にオブジェクトと呼
ぶ場合、インスタンスを意味することとする。同一クラ
スに属するオブジェクトは、手続き及びデータの構造は
同一で、データの値のみが異なり得る。
【0031】システム内に存在する個々のオブジェクト
は、それぞれオブジェクト識別子と呼ばれる識別子を有
しており、オブジェクト識別子を指定することにより分
散処理システム内で一意にオブジェクトを指定できる。
オブジェクト識別子は例えば、ASHRAE 135で規定されて
いるように、図3に示すような、24bit で表現でき
る。24bit のうち9bit はクラス(オブジェクトタイ
プ)を識別するクラス(オブジェクトタイプ)番号、1
4bit はオブジェクト(インスタンス)を識別するオブ
ジェクト(インスタンス)番号である。最上位の1bit
(S/P)はこの識別子が示すオブジェクトがASHRAE 1
35で標準オブジェクトとして規定されているオブジェク
トかどうかを示す。ASHRAE 135では、オブジェクト識別
子はオブジェクトによっては必ずしも分散システム全体
で一意には与えないが、本実施例では、全てのオブジェ
クトについて分散システム全体で一意に与えることとす
る。
【0032】プログラマが記述するプログラムはクラス
の定義である。クラスの定義方法は、オブジェクト指向
言語により定められている。オブジェクト指向言語に
は、例えばアディソン・ウェスリー社(Addison Wesley
Publishing Company)刊、ザ・アノティテッド・シー・
プラス・プラス・リファレンス・マニュアル(1990)
(The Annotated C++ Reference Manual)に記載されて
いる、C++と呼ばれる言語がある。また、特にオブジェ
クト指向言語を使用しなくても、例えばC言語で構造体
と関数を用いてもオブジェクトを表現できる。
【0033】クラス定義では、オブジェクトのデータ構
造と手続きを宣言する。例えば前記C++言語では、個々
のデータはメンバと呼ばれ、手続きはメンバ関数と呼ば
れる。C言語を用いる場合、構造体でオブジェクトの属
性を、関数で手続きを記述する。プログラマにより記述
されたクラス定義は、コンパイラにより実行可能プログ
ラムに変換され、それをメモリ上にロードして実行する
ことができる。
【0034】オブジェクト指向ミドルウェア1om,2
omはアプリケーションプログラムからの要求により、
他の計算機上のオブジェクトの手続きを呼び出すための
メッセージを、自律分散通信処理1ad,2adによっ
て送信し、その手続きの実行結果を自律分散通信処理1
ad,2adによって受信しアプリケーションプログラ
ムに渡したり、他の計算機上のアプリケーションプログ
ラムからの該計算機上のオブジェクトの手続き呼び出し
手続き要求に応じて、計算機上のオブジェクトの手続き
呼び出しを要求するメッセージを自律分散通信処理1a
d,2adによって受信し、そのオブジェクトの手続き
を呼び出し、結果を返すメッセージを自律分散通信処理
1ad,2adによって送信するためのソフトウェアで
ある。
【0035】オブジェクトの手続きを呼び出すアプリケ
ーションプログラムは、通常の手続き的なプログラムで
もいいし、オブジェクトの手続きでもよい。オブジェク
トの手続きを呼び出すには、オブジェクト識別子と呼び
出す手続きを指定する。必要により引数を付加すること
もできる。本実施例では、オブジェクト識別子中のオブ
ジェクト番号を特定の値、例えば0とすると、それはそ
のクラスの全てのオブジェクトを指定するものとする。
このようなオブジェクト番号を指定したオブジェクト識
別子をマルチキャスト識別子と呼ぶことにする。なお、
手続きの指定方法として、「属性1の読み出し」のよう
な手続き名を指定する方法と、「属性1」という属性名
と「読み出し」というサービス(アクセス種別)名との
組み合わせで指定する方法がある。
【0036】自律分散通信処理1ad,2adは、オブ
ジェクト指向ミドルウェア1om,2omの要求に応じ
て、他の計算機にメッセージを送信したり、他の計算機
からのメッセージを受信したりするソフトウェアであ
る。通信処理はOS1os,2osのネットワーク通信
機能を利用して実現する。
【0037】OS1os,2osはプログラムの実行や
ユーザとの基本的なサービスを行うソフトウェアであ
る。OS1os,2osはそれぞれ、スケジューラ1s
c,2sc,デバイスドライバ1dd,2dd,ネット
ワーク通信処理1cm,2cm,メモリ管理処理1m
m,2mmを含んでいる。スケジューラ1sc,2sc
はアプリケーションプログラムの実行のスケジューリン
グを行う。デバイスドライバ1dd,2ddは入出力装
置1i,2iを制御して入出力処理を行う。ネットワー
ク通信処理1cm,2cmは、他の計算機とネットワー
クを介してデータの送受信を行う。メモリ管理処理1m
m,2mmはアプリケーションプログラムの実行に必要
なメモリの管理を行う。
【0038】OSのスケジューラ,デバイスドライバ,
ネットワーク通信処理,メモリ管理処理は、例えば、プ
レンティス・ホール社(Prentice-Hall)刊、ザ・デザイ
ン・オブ・ザ・ユニックス・オペレーティング・システ
ム(1986)(The Designof the UNIX Operating Sys
tem(1986))や、アジソン・ウェスリー社(Addison-Wes
ley Publish Company)刊、ザ・デザイン・アンド・イ
ンプリメンテーション・オブ・ザ・4.3ビー・エス・
ディー・ユニックス・オペレーティング・システム(1
989年)(The Design and Implementation of the
4.3BSD UNIXOperation System(1989))に記載されてい
る手法により実現できる。これらに記載されたOSでは
ソケット(socket)と呼ばれるネットワーク通信機能を
提供している。ソケットでは、UDP/IPと呼ばれる
プロトコルを用いた同報通信機能を提供している。
【0039】ここで、自律分散通信処理1adの詳細に
ついて、図4を用いて説明する。自律分散通信処理1a
dは送信処理部1as,受信処理部1ar,受信内容コ
ード記憶部1acから成る。
【0040】送受信するメッセージの基本構成を図5に
示す。メッセージ1msはメッセージヘッダ1mhとメ
ッセージ本体1mbから成る。メッセージ本体はASHRAE
135ではAPDUと呼ばれている。メッセージ本体は、
オブジェクト指向ミドルウェアにより生成される。メッ
セージヘッダ1mhは内容コード1mccとメッセージ
識別情報1midから成る。
【0041】内容コード1mccはメッセージ本体が何
を表わすものであるかを識別するための情報である。メ
ッセージ識別情報1midは、オブジェクトの手続き呼
び出しのためのメッセージを一意に識別するための情報
である。本実施例では、メッセージ識別情報をネットワ
ークに接続された計算機を一意に指定するためのノード
番号と、各計算機毎に、該計算機が送信するオブジェク
トの手続き呼び出し要求のためのメッセージを一意に指
定するための要求番号とを組み合わせて、メッセージ識
別情報を生成する。
【0042】メッセージヘッダとしてはこの他、より多
くの情報を含む、例えば特開平2−193294号に記載され
た形式でもよい。
【0043】送信処理部の動作について説明する。送信
処理部1asは、内容コード,メッセージ識別情報,メ
ッセージ本体を指定して、自律分散通信処理1adにメ
ッセージの送信を依頼する。自律分散通信処理は与えら
れた内容コード,メッセージ識別情報,メッセージ本体
を組み合わせてメッセージを生成し、同報通信により、
該メッセージを送信する。前述のように同報通信による
メッセージ通信は、OSのソケット機能を用いてUDP
/IPプロトコルにより行う。
【0044】ソケット機能によりメッセージを送信する
には、メッセージの送信先を、計算機に一意に与えられ
えたIPアドレスと、ポート番号を指定する必要があ
る。本実施例では、同報通信を行うため、IPアドレス
はブロードキャストアドレスを使用する。これにより、
全てのノードがメッセージを受け取ることができる、同
胞通信が可能になる。ポート番号は内容コードと一致さ
せる。
【0045】受信処理部の動作について説明する。受信
処理部1arは、オブジェクト指向ミドルウェア1om
の要求により、他の計算機からのメッセージを受信す
る。この時、受信するメッセージは、その計算機が受信
対象とする内容コードを持つもののみである。受信対象
とする内容コードは内容コード対応情報記憶部1ccに
記憶する。ここで、受信対象とする内容コードは、その
計算機上のオブジェクトへの要求メッセージの可能性の
ある内容コードと、その計算機上のアプリケーションプ
ログラムが送信する要求メッセージに対する応答メッセ
ージの可能性のある内容コードである。
【0046】受信処理部は、内容コード情報記憶部に記
憶されている内容コードのみを受信する。前述のように
内容コードはポート番号と一致させるので、ソケット機
能を用いて、受信対象内容コードに対応するポートのみ
のメッセージを受信する。メッセージを受信すると、受
信したメッセージのメッセージ本体とメッセージ識別情
報をオブジェクト指向ミドルウェアに渡す。
【0047】次にオブジェクト指向ミドルウェアの詳細
について、図6を用いて説明する。オブジェクト指向ミ
ドルウェアは、要求メッセージ送信処理部1rm,送信
メッセージ識別情報記憶部1si,オブジェクトディス
パッチャ1od,受信メッセージ識別情報記憶部1r
i,オブジェクトアドレス情報記憶部1oa,内容コー
ド対応情報記憶部1ccから成る。
【0048】要求メッセージ送信処理部1rmはアプリ
ケーションプログラム1apからの要求により、他の計
算機上のオブジェクトの手続きを呼び出すための要求メ
ッセージを、自律分散通信処理1adによって送信し、
その手続きの実行結果を含む応答メッセージを自律分散
通信処理1adによって受信しアプリケーションプログ
ラム1apに渡す処理を行う。
【0049】本実施例における、要求メッセージのメッ
セージ本体の形式を図7に示す。要求メッセージ本体1
mbは、メッセージ本体の大きさ(Byte数)1mbl,メ
ッセージタイプ1mbt,要求先のオブジェクトのオブ
ジェクト識別子1mbi,呼び出す手続きの手続き識別
子1mbp,手続きの引数(複数ある場合はその並び)1
mbaから成る。手続き識別子はオブジェクトの手続き
を一意に指定するための識別番号である。メッセージタ
イプ1mbtはメッセージが要求か応答かを示すもの
で、この場合は要求を示す値を格納する。
【0050】本実施例における、応答メッセージのメッ
セージ本体の形式を図8に示す。要求メッセージ本体1
mbは、メッセージ本体の大きさ(Byte数)1mbl,
メッセージタイプ1mbt,応答元(要求先)のオブジ
ェクトのオブジェクト識別子1mbi,呼び出した手続
きの手続き識別子1mbp,戻り値1mbrから成る。
ここでメッセージタイプ1mbtは応答を示す値を格納
する。
【0051】ここでは手続きを指定するのに手続き名を
用いたが、前述のように属性とサービスを指定する方
法、例えばASHRAE 135で規定されたフォーマットを使用
してもよい。
【0052】要求メッセージ送信処理部1rmは、メッ
セージ本体を作成したら、内容コードとメッセージ識別
情報とを指定して、自律分散通信処理1adにメッセー
ジ送信を依頼する。本実施例では、要求/応答,クラ
ス、及び手続きに内容コードを対応させる。これらの対
応情報は、内容コード対応情報記憶部1ccに記憶され
ている。
【0053】内容コード対応情報記憶部1ccに記憶さ
れている内容コード対応情報を図9により説明する。内
容コードは、そのメッセージが要求か応答か、送信先の
オブジェクトのクラスが何か、呼び出す手続きは何かに
よって、その値が決まる。図9はこれらの対応の例を示
している。例えば、クラス1の手続き11を呼び出す要
求メッセージの内容コードは111になる。逆に、内容
コードが与えられれば、そのメッセージが要求か応答
か、送信先のオブジェクトのクラスが何か、呼び出す手
続きは何かがわかる。例えば内容コードが212のメッ
セージは、クラス1の手続き12を実行した結果を返す
応答メッセージである。
【0054】要求メッセージ送信処理部1rmの動作を
説明する。要求メッセージ送信処理は、アプリケーショ
ンプログラムから、相手先のオブジェクト識別子,起動
する手続き,引数を指定して起動される。要求メッセー
ジ送信処理部の要求メッセージ送信処理を図10を用い
て説明する。要求メッセージ送信処理100は、まず、
図7に示した形式の要求メッセージ本体1mbを作成す
る(処理101)。そして、図9に示した内容コード対
応情報1ccを参照して、要求メッセージの内容コード
を割り当てる(処理102)。また、メッセージ識別情
報を割り当てるとともに、該メッセージ識別情報を送信
メッセージ識別情報記憶部1siに記憶する(処理10
3)ここで、メッセージ識別情報は、前述のように、ノ
ード番号と要求番号とを組み合わせてある。要求番号
は、その計算機が送信する要求メッセージを一意に指定
するためのもので、計算機立ち上げ後最初の要求番号を
0とし、以下1ずつ増やして割り当てる。
【0055】そして、割り当てた内容コードとメッセー
ジ識別情報とを指定して、自律分散通信処理1adに、
要求メッセージ本体の送信を依頼する(処理104)。
自律分散通信処理1adは、図5に示したメッセージを
生成して、同報通信により該メッセージを送信する。
【0056】次に、応答メッセージ本体の受信を自律分
散通信処理1adに依頼し、自律分散通信処理1adが
受信した応答メッセージの応答メッセージ本体と該メッ
セージのメッセージ識別情報を受け取る(処理10
5)。本実施例では、応答メッセージも同報通信により
送信されるので、受け取った応答メッセージが、必ずし
も上記要求メッセージに対する応答メッセージとは限ら
ない。そこで、受け取った応答メッセージのメッセージ
識別情報が、送信メッセージ識別情報記憶部1siに記
憶した要求メッセージの識別番号と一致するかどうかを
調べる処理を行う(処理106)。一致しなければ該応
答メッセージは上記要求メッセージに対する応答メッセ
ージではないので、再び応答メッセージ本体の受信を自
律分散通信処理1adに依頼し、自律分散通信処理1a
dが受信した応答メッセージの応答メッセージ本体と該
メッセージのメッセージ識別情報を受け取る(処理10
5)。メッセージ識別情報が一致すれば、上記要求メッ
セージに対する応答メッセージであるので、該応答メッ
セージのメッセージ本体から戻り値を取り出し、アプリ
ケーションプログラムに渡して(処理107)、要求メ
ッセージ送信処理を終了する。
【0057】オブジェクトディスパッチャ1odの動作
を説明する。オブジェクトディスパッチャは、オブジェ
クトの手続き呼び出しを要求する要求メッセージを自律
分散通信処理によって受信し、該オブジェクトの手続き
を呼び出して処理を実行し、その結果を応答メッセージ
により送信する処理を行う。
【0058】オブジェクトの手続きを呼び出すには、呼
び出すオブジェクトのアドレスと、呼び出す手続きのア
ドレスを指定する必要がある。しかし、要求メッセージ
本体に含まれる情報はオブジェクト識別子と手続き識別
子であり、アドレスそのものは含まれていない。そこ
で、計算機上に存在するオブジェクトについて、オブジ
ェクト識別子および手続き識別子とオブジェクトアドレ
スおよび手続きアドレスとの対応を、オブジェクトアド
レス情報記憶部1oaに記憶する。
【0059】オブジェクトアドレス情報記憶部1oaに
記憶されているオブジェクトアドレス情報を図11によ
り説明する。オブジェクトアドレス情報記憶部1oaに
は、オブジェクトアドレステーブル1oaoと、手続き
アドレステーブル1oapが記憶されている。
【0060】オブジェクトアドレステーブル1oaoは
オブジェクト識別子とオブジェクトアドレスとの対応を
記憶する。例えば、オブジェクト識別子1で指定される
オブジェクトのアドレスはオブジェクトアドレス1であ
る。オブジェクトアドレステーブル1oaoにはその計
算機に存在する全てのオブジェクトのオブジェクト識別
子が記憶されているので、オブジェクト識別子が与えら
れた場合、そのオブジェクト識別子で指定されるオブジ
ェクトがその計算機上に存在するかどうかは、オブジェ
クトアドレステーブル1oaoを調べればわかる。
【0061】手続きアドレステーブル1oapはクラス
番号および手続き識別子と手続きアドレスとの対応を記
憶する。クラス番号は、前述のように、オブジェクト識
別子中に含まれている。例えば、クラス番号がクラス1
で手続き識別子が手続き11で指定される手続きのアド
レスは手続きアドレス11である。
【0062】オブジェクトディスパッチャのオブジェク
トディスパッチング処理を図12を用いて説明する。オ
ブジェクトディスパッチング処理200は、まず自律分
散通信処理1adに依頼して、要求メッセージの要求メ
ッセージ本体と、メッセージ識別情報を受け取る(処理
201)。ここで、要求メッセージは同報通信により送
信され、その内容コードは要求/応答,クラス、及び手
続きに対応し、個々のオブジェクト識別子には対応して
いないので、その計算機に存在しないオブジェクトへの
要求メッセージも受け取る可能性がある。
【0063】そこで次に、要求メッセージ本体中に含ま
れるオブジェクト識別子と、オブジェクトアドレス情報
記憶部1oa中のオブジェクトアドレステーブル1oa
oとを比較し、要求メッセージ本体中に含まれるオブジ
ェクト識別子で指定されているオブジェクトがその計算
機上に存在するかどうかを判定する(処理202)。オ
ブジェクト識別子がマルチキャスト識別子の場合は、そ
のクラスのオブジェクト全てに対する要求メッセージを
受信したものとして扱う。オブジェクト識別子で指定さ
れるオブジェクトがその計算機上に存在しなければオブ
ジェクトディスパッチング処理を終了する。
【0064】要求メッセージ本体中に含まれるオブジェ
クト識別子で指定されるオブジェクトが存在する場合に
は、該要求メッセージのメッセージ識別情報を、受信メ
ッセージ識別情報記憶部1riに記憶する(処理20
3)。そして、受信した要求メッセージ本体中に含まれ
るオブジェクト識別子と手続き識別子に対応するオブジ
ェクトアドレスと手続きアドレスを、手続きアドレステ
ーブル1oapを参照して得、要求メッセージ本体中に
含まれる引数を付けてオブジェクトの手続きを呼び出す
(処理204)。
【0065】オブジェクトの手続きが終了するとその戻
り値が得られるので、その戻り値を含む応答メッセージ
本体を作成する(処理205)。そして、内容コード対
応情報記憶部1ccを参照して、該応答メッセージの内
容コードを割り当て(処理206)、割り当てた内容コ
ードと、受信メッセージ識別情報記憶部1riに記憶さ
れているメッセージ識別情報を指定して、作成した応答
メッセージ本体の送信を、自律分散通信処理1adに依
頼する(処理207)。
【0066】このようなオブジェクトディスパッチング
処理200を繰り返し実行することにより、その計算機
が受信した要求メッセージの各々について対応する処理
を行うことができる。
【0067】以上説明した処理により、オブジェクトの
手続き呼び出しの要求メッセージ及び応答メッセージを
同報通信によって送受信することが可能になる。
【0068】(2)本発明の一実施の効果 本発明の一実施例では、全ての計算機のアプリケーショ
ンプログラムが、他の計算機上のオブジェクトの手続き
を呼び出すことと、他の計算機上のアプリケーションか
らのオブジェクトの手続き呼び出しの要求に応じて該手
続きを実行することの、両者が可能であった。このた
め、特定の計算機で実行する必要のないアプリケーショ
ンプログラムやオブジェクトを他の計算機上に容易に移
動できる。これにより、システムの変更や拡張が容易で
あるという効果がある。
【0069】本発明の一実施例によれば、その内容コー
ドは要求/応答,クラス、及び手続きに対応させ、また
マルチキャスト識別子によりひとつのクラスの全てのオ
ブジェクトを指定できるので、同一クラスに属する全て
のオブジェクトに対する手続き呼び出し処理を効率化で
きるという効果がある。
【0070】(3)本発明の他の実施例 本発明の一実施例では、要求メッセージに対する応答メ
ッセージを常に返すようにしているが、要求メッセージ
により呼び出したオブジェクトの手続きの実行結果を必
要としない場合には、応答メッセージを省略することが
できる。この場合、受信メッセージ識別情報記憶部や送
信メッセージ識別情報記憶部は不要で、オブジェクトデ
ィスパッチャや要求メッセージ送信処理部の処理も簡単
になり、処理効率が向上するという効果がある。
【0071】本発明の一実施例では、全ての計算機のア
プリケーションプログラムが、他の計算機上のオブジェ
クトの手続きを呼び出すことと、他の計算機上のアプリ
ケーションからのオブジェクトの手続き呼び出しの要求
に応じて該手続きを実行することの、両者が可能であっ
た。しかし、各計算機の役割が決まっているシステムの
場合には、各計算機はいずれか一方のみが可能であれば
よいことがある。この場合には、前者のみが可能な計算
機上では、オブジェクトディスパッチャ,受信メッセー
ジ識別情報記憶部,オブジェクトアドレス情報記憶部が
不要になり、後者のみが可能な計算機上では、要求メッ
セージ送信処理部,送信メッセージ識別情報記憶部が不
要になり、システム構成が単純で、資源を節約できると
いう効果がある。
【0072】本発明の一実施例では、内容コードは要求
/応答,クラス、及び手続きに対応させたが、要求/応
答及び手続きに、あるいは要求/応答のみに対応させて
もよい。これにより必要な内容コードを少なくでき、資
源を節約できるという効果がある。
【0073】本発明の一実施例では、内容コードは要求
/応答,クラス、及び手続きに対応させたが、要求/応
答,オブジェクト識別子、及び手続きに、あるいは要求
/応答及びオブジェクト識別子に、あるいはオブジェク
ト識別子のみに対応させてもよい。これにより、内容コ
ードにより一意にオブジェクトを特定でき、オブジェク
ト指向ミドルウェアの処理が単純かつ効率的になるとい
う効果がある。
【0074】本発明の一実施例では、内容コードは要求
/応答,クラス、及び手続きに対応させたが、手続きは
オブジェクトの属性と読み出しや書き込み等のアクセス
の種類によって指定できるので、内容コードを要求/応
答,クラス,属性、及びアクセスの種類に、あるいは要
求/応答,属性、及びアクセスの種類に、あるいは属
性、及びアクセスの種類に、対応させてもよい。これに
より手続きを要に指定する必要がなくなり、要求側が手
続きの存在を意識せずに処理の記述を可能とするという
効果がある。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、メッセージは要求,応
答ともに同報通信により送信されるため、オブジェクト
の存在する計算機を意識せずにすみ、また、オブジェク
トが存在する計算機を変更してもアプリケーションプロ
グラムの処理を変更せずにすみ、ネットワーク透過性や
高いシステム拡張性を有するオブジェクト指向分散シス
テムを実現できるという効果がある。
【0076】また、本発明によれば、要求,応答ともに
メッセージを内容コードを付加した同報通信により送信
すればよく、ネームサーバのような特別の機構が不要な
ため、ネットワーク透過性や高いシステム拡張性を単純
な処理で効率よく実現できるという効果がある。
【0077】また、本発明によれば、内容コードをオブ
ジェクトに関する情報の何に対応させるかを対応情報で
規定しているので、対応情報を変更するのみで、システ
ムにとって最適な対応付けを採用することができ、効率
的な通信処理を容易に実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体構成を示す図。
【図2】本発明の一実施例のオブジェクトの構成を示す
図。
【図3】本発明の一実施例のオブジェクト識別子の構成
を示す図。
【図4】本発明の一実施例の自律分散通信処理部の構成
を示す図。
【図5】本発明の一実施例のメッセージの基本形式を示
す図。
【図6】本発明の一実施例のオブジェクト指向ミドルウ
ェアの構成を示す図。
【図7】本発明の一実施例の要求メッセージ本体の形式
を示す図。
【図8】本発明の一実施例の応答メッセージ本体の形式
を示す図。
【図9】本発明の一実施例の内容コード対応情報を示す
図。
【図10】本発明の一実施例の要求メッセージ送信処理
のフローチャート。
【図11】本発明の一実施例のオブジェクトアドレス情
報を示す図。
【図12】本発明の一実施例のオブジェクトディスパッ
チング処理のフローチャート。
【符号の説明】
1c,2c…計算機、1n…ネットワーク、1p,2p
…プロセッサ、1m,2m…メモリ、1i,2i…入出
力装置、1os,2os…オペレーティングシステム、
1sc,2sc…スケジューラ、1dd,2dd…デバ
イスドライバ、1cm,2cm…ネットワーク通信処
理、1mm,2mm…メモリ管理処理、1ap,2ap
…アプリケーションプログラム、1ad,2ad…自律
分散通信処理、1om,2om…オブジェクト指向ミド
ルウェア、11o,12o,21o,22o…オブジェク
ト、11p1,11p2…手続き、11d1,11d2
…属性、1as…送信処理部、1ar…受信処理部、1
ac…受信内容コード記憶部、1rm…要求メッセージ
送信処理部、1si…送信メッセージ識別情報記憶部、
1od…オブジェクトディスパッチャ、1ri…受信メ
ッセージ識別情報記憶部、1oa…オブジェクトアドレ
ス情報記憶部、1cc…内容コード対応情報記憶部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】手続きと属性を有するオブジェクトを含む
    アプリケーションプログラムが複数の計算機上に存在
    し、計算機間でメッセージを交換して処理を進めるオブ
    ジェクト指向分散システムにおいて、メッセージを同報
    通信によって送受信する自律分散通信手段と、前記自律
    分散通信手段により受信したメッセージに対応するオブ
    ジェクト及びその手続きを選択して呼び出すオブジェク
    トディスパッチング手段とを有することを特徴とする、
    オブジェクト指向分散システム。
  2. 【請求項2】手続きと属性を有するオブジェクトを含む
    アプリケーションプログラムが複数の計算機上に存在
    し、計算機間でメッセージを交換して処理を進めるオブ
    ジェクト指向分散システムにおいて、メッセージの内容
    を表わす内容コードを含むメッセージを同報通信によっ
    て送受信する自律分散通信手段と、内容コードとオブジ
    ェクトの手続きとの対応を示す対応情報を記憶する内容
    コード対応情報記憶手段と、該内容コード対応情報記憶
    手段中に記憶された対応情報を参照して、前記自律分散
    通信手段により受信したメッセージに対応するオブジェ
    クト及びその手続きを選択して呼び出すオブジェクトデ
    ィスパッチング手段とを有することを特徴とする、オブ
    ジェクト指向分散システム。
  3. 【請求項3】手続きと属性を有するオブジェクトを含む
    アプリケーションプログラムが複数の計算機上に存在
    し、計算機間でメッセージを交換して処理を進めるオブ
    ジェクト指向分散システムにおいて、メッセージの内容
    を表わす内容コードを含むメッセージを同報通信によっ
    て送受信する自律分散通信手段と、内容コードとオブジ
    ェクトの手続きとの対応を示す対応情報を記憶する内容
    コード対応情報記憶手段と、他の計算機上のオブジェク
    トの手続き呼び出しを要求するメッセージに、該内容コ
    ード対応記憶手段に記憶された対応情報を参照して対応
    する内容コードを付加し、前記自律分散通信手段にメッ
    セージ送信を要求する要求メッセージ送信手段とを有す
    ることを特徴とする、オブジェクト指向分散システム。
  4. 【請求項4】手続きと属性を有するオブジェクトを含む
    アプリケーションプログラムが複数の計算機上に存在
    し、計算機間でメッセージを交換して処理を進めるオブ
    ジェクト指向分散システムにおいて、メッセージの内容
    を表わす内容コードを含むメッセージを同報通信によっ
    て送受信する自律分散通信手段と、内容コードとオブジ
    ェクトの手続きとの対応を示す対応情報を記憶する内容
    コード対応情報記憶手段と、該内容コード対応情報記憶
    手段中に記憶された対応情報を参照して、前記自律分散
    通信手段により受信したメッセージに対応するオブジェ
    クト及びその手続きを選択して呼び出すオブジェクトデ
    ィスパッチング手段と、他の計算機上のオブジェクトの
    手続き呼び出しを要求するメッセージに、該内容コード
    対応記憶手段に記憶された対応情報を参照して対応する
    内容コードを付加し、前記自律分散通信手段にメッセー
    ジ送信を要求する要求メッセージ送信手段とを有するこ
    とを特徴とする、オブジェクト指向分散システム。
  5. 【請求項5】手続きと属性を有するオブジェクトを含む
    アプリケーションプログラムが複数の計算機上に存在
    し、計算機間で前記手続きの実行を要求する要求メッセ
    ージ及び手続き実行結果返す応答メッセージを交換して
    処理を進めるオブジェクト指向分散システムにおいて、
    内容コードとメッセージ識別情報を含むメッセージを同
    報通信によって送受信する自律分散通信手段と、前記自
    律分散通信手段により受信した要求メッセージのメッセ
    ージ識別情報を記憶し管理する受信メッセージ識別情報
    記憶手段と、内容コードとオブジェクトの手続きとの対
    応を示す対応情報を記憶する内容コード対応情報記憶手
    段と、内容コード対応情報記憶手段中に記憶された対応
    情報を参照して前記自律分散メッセージ通信処理手段に
    より受信した要求メッセージに対応するオブジェクト及
    びその手続きを選択して呼び出すとともに、呼び出した
    オブジェクトの手続きの実行結果と前記受信メッセージ
    識別情報記憶手段に記憶された前記受信した要求メッセ
    ージのメッセージ識別情報を含む応答メッセージを、自
    律分散通信手段により送信する、オブジェクトディスパ
    ッチング手段とを有することを特徴とする、オブジェク
    ト指向分散システム。
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